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【発明の名称】 吸込口体及びこれを有する電気掃除機
【発明者】 【氏名】森下 篤至
【住所又は居所】神奈川県秦野市堀山下43番地 東芝テック株式会社秦野工場内

【要約】 【課題】壁際の塵埃を容易に吸い込むことができると共に、互いに直交する壁同士の角部に蓄積された塵埃も確実に除去することが可能な吸込口体を提供する。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】吸込口本体と、この吸込口本体の前面及び側面に外周に突出して形成されたバンパー部と、前記吸込口本体の前面に前記バンパー部の下方に位置して形成された吸込開口とを備えた吸込口体において、前記吸込口本体の側面に前記バンパー部の下方に位置して外周に突出する突出部を設けたことを特徴とする吸込口体。
【請求項2】請求項1において、前記突出部は、起毛部材によって形成されていることを特徴とする吸込口体。
【請求項3】請求項1又は2において、前記突出部は、前記バンパー部の一部を前記吸込口本体の下端にまで延在することにより形成されていることを特徴とする吸込口体。
【請求項4】請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記突出部が前記吸込口本体の底面にまで延在されていることを特徴とする吸込口体。
【請求項5】請求項1ないし4のいずれかに記載の吸込口体を有していること特徴とする電気掃除機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、前面及び側面にバンパー部が形成され、バンパー部下方の前面に吸込開口が形成された吸込口体とこれを有する電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来から、図7に示すような電気掃除機1が知られている。この電気掃除機1は掃除機本体2を有している。掃除機本体2の前側内部には紙パックフィルタ等の集塵袋3aを配設した集塵室3が形成され、掃除機本体2の後側内部には集塵室3に連通して吸込負圧を作用させる電動送風機4が配設されている。そして、掃除機本体2の前部に形成されて、集塵室3に連通した接続口2aには吸込ホース5が着脱自在に接続されている。さらに、この吸込ホース5には先端に設けられた手元操作管5a及び、延長管6、7を介して吸込口体10が連通されている。
【0003】この吸込口体10は、図8及び図9に示すように、吸込口本体11を有し、その吸込口本体11の前面11a及び両側面11b、11bにはバンパー部12が設けられている。ここで、吸込口本体11の前面11aと両側面11b、11bとはほぼ直交している。また、吸込口本体11の前面11aのバンパー部12の下側には吸込口本体11の左右方向に延びた複数の吸込開口13が形成されている。なお、この吸込口本体11の底面には、図示しない吸込口が形成されていると共に、複数の車輪16が設けられている。この車輪16は、吸込口本体11の底面と被清掃面Gとの間に僅かな間隙を開けて吸込口本体11を支持している。
【0004】バンパー部12は吸込口本体11の上下方向の中間部から外周に突出して設けられ、吸込口本体11の前面11aから両側面11b、11bに一体に延在されている。
【0005】かかる吸込口体10が接続された電気掃除機1では、電気掃除機本体2に内蔵された電動送風機4の駆動により集塵室3、吸込ホース5、延長管5、6を介して吸込口本体11の内側に吸込負圧が作用する。底面に吸込口が形成された吸込口本体11の内側に作用した吸込負圧は吸込開口13を介して吸込口体10の前方にも作用し、底面の吸込口からだけでなく吸込開口13からも被清掃面G上の塵埃をエアと共に吸い込む。そして、手元操作管5aを操作して吸込口体10を被清掃面G上で移動させることにより被清掃面Gを清掃していく。
【0006】このとき、図8に示すように、吸込口体10を前進させて第一壁Aに吸込口本体11の前面11aが押し付けられると、バンパー部12の前端部12aが第一壁Aに接触する。このとき、吸込口本体11の前面11aのうちバンパー部12よりも下側の部分11a´と、第一壁Aとの間に間隙が生じ、前側風路14が形成される。このとき、この前側風路14はバンパー部12の前端面12aに沿って形成されて吸込口本体11の両側面11b、11bにまで延びると共に、吸込開口13に連通している。
【0007】また、図9に示すように、吸込口本体11の一方の側面11bが、第一壁Aに直交する第二壁Bに押し付けられると、バンパー部12の側端部12bが第二壁Bに接触する。このとき、第二壁Bと吸込口本体11の側面11bのうちバンパー部12よりも下側の部分11b´との間に間隙が生じ、側部風路15が形成される。そして、この側部風路15はバンパー部12の側端部12bに沿って形成されて、吸込口本体11の前面11aにまで延びている。なお、この側部風路15の後部は吸込口体10の後方に開放して、外気に連通している。
【0008】さらに、吸込口本体11の前面11aが第一壁Aに押し付けられた状態で吸込口本体11の一方の側面11bが第二壁Bに押し付けられると、側部風路15の前部は前側風路14の側部と連通する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の吸込口体10では、特に被清掃面Gがじゅうたんである場合に、吸込口本体11の底面に形成された車輪16がじゅうたんに沈み込み、吸込口本体11の底面とじゅうたんとの間に隙間がなくなって、吸込口本体11の側面から直接底面の吸込口に連通する風路が閉塞されていた。
【0010】そして、吸込口本体11の前面11aが第一壁Aに押し付けられた状態で吸込口本体11の一方の側面11bが第二壁Bに押し付けられても、側部風路15の後部が吸込口体10の後方に開放して外気に連通しており、前側風路14の側部と側部風路15の前部とが連通している部位である吸込口本体11の角部では吸込負圧が衰え、塵埃が吸い込まれにくくなるおそれがあった。さらに、このとき、前側風路14を介して側部風路15内に作用する吸込負圧が非常に弱く、側部風路15内にある塵埃が前側風路14側に吸い込まれることはほとんどなかった。そのため、第一壁Aと第二壁Bとが接合した角部に蓄積した塵埃を吸い込むことが非常に困難であった。
【0011】また、吸込口本体11の前面11aが第一壁Aに押し付けられていない状態で吸込口本体11の一方の側面11bだけが第二壁Bに押し付けられている場合では、側部風路15だけが形成された状態となっている。この側部風路15には塵埃を吸い込む吸込開口13が連通していないため、側部風路15にある塵埃は吸い込まれずに第二壁B際に残りやすくなっていた。特に、車輪16がじゅうたんに沈み込んだ場合には顕著であった。
【0012】さらに、この第二壁B際に残った塵埃を吸い込むために、吸込口本体11の前面11aが第二壁Bに接するように吸込口体10の向きを変えて、第二壁B際だけを清掃しなければならず、壁際の清掃に手間がかかっていた。
【0013】したがって、この発明は、壁際の塵埃を容易に吸い込むことができると共に、互いに直交する壁同士の角部に蓄積された塵埃も確実に除去することが可能な吸込口体と、その吸込口体を有する電気掃除機を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するために、請求項1に係る発明は、吸込口本体と、この吸込口本体の前面及び側面に外周に突出して形成されたバンパー部と、吸込口本体の前面にバンパー部の下方に位置して形成された吸込開口とを備えた吸込口体において、吸込口本体の側面にバンパー部の下方に位置して外周に突出する突出部を設けたことを特徴としている。
【0015】また、請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の吸込口体を有している電気掃除機を特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。
【0017】図1に示す電気掃除機20は、掃除機本体21を有している。この掃除機本体21の内部には、前側に集塵室22が形成され、後側に電動送風機23が配設されている。この電動送風機23の図示しない吸込口は集塵室22に連通しており、集塵室22内に配設された集塵袋22aに吸込負圧を作用させる。また、集塵室22の前部は掃除機本体21に形成された接続口21aに連通している。この接続口21aには吸込ホース24の一端が着脱自在に接続されている。そして、吸込ホース24の他端には手元操作管24aが設けられると共に、延長管25、26を介して吸込口体30が接続されている。
【0018】<吸込口体30>図2ないし図4に示す吸込口体30は、吸込口本体31と、バンパー部32と、接続管33とを有している。
【0019】吸込口本体31は、ここでは、上ケース311と、下ケース312と、蓋体313とを備えている(図2参照)。上ケース311及び下ケース312は互いの凸面が外側を向いた状態で逢着されている。そして、この上ケース311と下ケース312との内側には吸込室40(図5参照)が形成されている。また、蓋体313は上ケース311に形成された開口41(図5参照)を覆うように、上ケース311に取り付けられている。そして、図7に示すように、下ケース312の底面312cには底面吸込開口314が形成されて、吸込室40内に配設された回転清掃体315が臨んでいる。また、この下ケース312の底面312cには、取付開口316aに出没自在に設けられた第一車輪316と、接続管33の両側に設けられた一対の第二車輪317、317とが備えられている。この第一車輪316及び一対の第二車輪317、317によって、下ケース312の底面312cは被清掃面Gとの間に僅かな間隙を開けて支持されている。
【0020】さらに、下ケース312の前面312aには下側が凹面になった段差が形成され、その凹面に2つの前面吸込開口318、318が形成されている。この前面吸込開口318、318は吸込口本体31の左右方向に延びており、吸込室40に連通している。
【0021】バンパー部32は、上ケース313と下ケース312との間に挟持されて、吸込口本体31の上下方向の中間部から外周に突出して設けられている。また、このバンパー部32は吸込口本体31の前面31a及び両側面31b、31bに一体に延在されている(図2及び図3参照)。ここで、吸込口本体31の前面31aと両側面31b、31bとはそれぞれ直交している。そして、このバンパー部32は合成樹脂や硬質ゴム等で形成されている。
【0022】また、吸込口本体31の両側面31b、31b側に延びているバンパー部32の下側には、それぞれ突出部34が設けられている。この突出部34は、吸込口本体31の下ケース312の側面312b、312bにそれぞれ密着して形成されており、ここでは合成樹脂や硬質ゴム等が接着剤等によって貼り付けられている。また、この突出部34はバンパー部32の下端から下ケース312の側面312bの下端まで延びている。そして、この突出部34の厚みはバンパー部32が吸込口本体31から突出した厚みと同じ厚みに形成されている(図6参照)。なお、ここで、突出部34はバンパー部32の下端の前後方向の一部に沿って設けられているが、吸込口本体31の両側面31b、31b側に延びているバンパー部32の下端全面に沿って設けられてもよい。
【0023】接続管33は、一端が吸込口本体31の後部に設けられ、他端が図1に示す延長管26の先端に接続されている。なお、この接続管33は吸込口本体31に対して相対的に回転自在に設けられている。
【0024】このような吸込口体30を有する電気掃除機20を使用するには、図示しないスイッチを入れて電動送風機23を駆動させ、集塵室22に吸込負圧を作用させる。集塵室23に作用した吸込負圧は吸込ホース24、延長管25、26を介して吸込口体30に作用する。
【0025】この吸込口体30に作用した吸込負圧は、図5に示すように、接続管33及び、この接続管33と吸込室40とを連通させるように吸込口本体31内に配設された連通管42を通って吸込室40に作用する。吸込室40に作用した吸込負圧は、底面吸込開口314及び前面吸込開口318を介して、被清掃面G上の塵埃をエアと共に吸い込む。吸込室40内に吸い込まれたエア及び塵埃は連通管42、接続管33、延長管26、25、吸込ホース24を順に通って集塵袋22aに流入する。
【0026】手元操作管24aを操作して吸込口体30を前方に押していくと、この電気掃除機20は、まず前面吸込開口318から塵埃を吸い込んでいく。そして、この電気掃除機20は前面吸込開口318では吸い込みきれなかった塵埃や絨毯等に絡まった塵埃を底面吸込開口314から吸い込んでいく。なお、このとき、回転清掃体315は吸い込まれるエアと、前進する吸込口本体31とによって回転させられ、被清掃面G上の塵埃を掻き揚げる。
【0027】また、図3に示すように、吸込口体30のどちらか一方の側面31bが第二壁Bに押し付けられた状態でこの吸込口体30が前進すると、バンパー部32の側端面32bが第二壁Bに接触した状態のまま前進することになる。このとき、バンパー部32の側端面32bが吸込口本体31の側面31bから突出しているため、第二壁Bと吸込口本体31の下ケース312の側面312bとの間に間隙が生じ、側部風路51が形成される。この側部風路51は、バンパー部32の側端面32bに沿って形成されている。このとき、側部風路51の前部は開放しており、後部は下ケース312の側面312bに密着して形成された突出部34によって閉塞されている。そして、第二壁B際の塵埃は、吸込口体30の前進に伴って突出部34によって前方に押されながら、側部風路51内に蓄積していく。なお、側部風路51から底面吸込開口314に直接吸い込まれる塵埃もある。
【0028】吸込口体30をさらに前進させていき、図2に示すように、第二壁Bと直交する第一壁Aに吸込口本体31の前面31aが押し付けられると、バンパー部32の前端面32aが第一壁Aに接触する。このとき、吸込口本体31の下ケース312の前面312aには下側が凹面になった段差が形成されているため、第一壁Aと下ケース312の前面312aの下側との間に間隙が生じ、前側風路50が形成される。この前側風路50は、下ケース312の前面312aに形成された段差に沿って形成され、吸込口本体31の両側面31b、31bにまで延びている。また、この前側風路50は、下ケース312の前面312aに形成された前面吸込開口318に連通している。
【0029】そして、第一壁Aに吸込口本体31の前面31aが押し付けられ、その状態で第二壁Bに吸込口本体31bが押し付けられると、第二壁Bと吸込口本体31の下ケース312の側面312bとの間に形成された側部風路51の前部が吸込口本体31の両側面31b、31bにまで延びた前側風路50の側部と連通する。なお、このとき、前側風路50と側部風路51との連通部位は吸込口本体31の角部である。
【0030】この状態で吸込負圧が作用すると、前側風路50内には十分な吸込負圧が作用する。そして、この吸込負圧は第一壁A際の塵埃をエアと共に前面吸込開口318を介して吸込口本体31内の吸込室40に吸い込んでいく。また、後部が突出部34によって閉塞され、前部が前側風路50の側部に連通した側部風路51内にも吸込負圧が作用する。この吸込負圧は第二壁B際の塵埃を前側風路50側に吸い込んでいく。なお、第一壁Aと第二壁Bとの直交した角部に蓄積された塵埃も、前側風路50及び側部風路51内に十分に作用する吸込負圧によって確実に除去することができる。ここでは、吸込口本体31の前面31aと両側面31b、31bとがほぼ直交しているので、さらに第一壁Aと第二壁Bとの角部に蓄積された塵埃を除去しやすくなっている。
【0031】さらに、第二壁B際の塵埃は、吸込口体30の前進に伴ってあらかじめ側部風路51内に蓄積されているので、側部風路51と前側風路50とが連通した状態になるだけで、第二壁B際の塵埃をすべて除去することが可能になる。特に、被清掃面Gがじゅうたんの場合では第一車輪316及び第二車輪317、317がじゅうたんに沈み込んで、側部風路51内から底面吸込開口314に塵埃が直接吸い込まれることはないが、第二壁B際の塵埃を確実に除去することができる。よって、第二壁B際だけを後から清掃する必要がなくなり、手間がかからずに容易に壁際を清掃することが可能となる。
【0032】また、突出部34は起毛部材によって形成されてもよい。この場合では、突出部34が第二壁Bに接触した際に、この第二壁Bに傷をつけてしまうことが防止される。そして、突出部24で第二壁B際の塵埃を除去すると共に、第二壁Bを清掃することも可能となる。
【0033】さらに、この突出部34はバンパー部32の一部を吸込口本体31の下ケース312の下端にまで延在することにより形成してもよい。この場合では、バンパー部32の成形と同時に、バンパー部32と一体に突出部34を形成することができて、吸込口体30の製造を容易に行うことができる。
【0034】そして、図6に示すように、突出部34´が吸込口本体31の下ケース312の底面312cにまで延在されて形成されてもよい。この場合では、吸込口本体31が前進した際に、吸込口本体31の前側が僅かに浮いたとしても側部風路51の閉塞性が向上する。よって、第二壁B際の塵埃を確実に蓄積しながら前方に移動させることが可能となる。また、前側風路50と側部風路51とが連通した際には、この両風路50、51の気密性がさらに良くなって、互いに直交する壁の角部に蓄積した塵埃をさらに確実に吸い込むことができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれば、壁際の塵埃を容易に吸い込むことができると共に、互いに直交する壁同士の角部に蓄積された塵埃も確実に除去することが可能な吸込口体と、この吸込口体を有する電気掃除機を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区神田錦町1丁目1番地
【出願日】 平成13年11月30日(2001.11.30)
【代理人】 【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄 (外1名)
【公開番号】 特開2003−164397(P2003−164397A)
【公開日】 平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願番号】 特願2001−366644(P2001−366644)