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【発明の名称】 便座装置
【発明者】 【氏名】有川 富夫
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】篠田 英穂
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】西村 誠
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】人体検知センサーを有する便座装置において、この人体検知センサーの検知信頼性を高めたものである。

【解決手段】便座本体2および便座カバー2を起倒自在に軸支した基台部1の表面パネル7に人体検知センサーを含むセンサー装置9を取付けた。便座本体2および便座カバー2が起倒いずれの位置にあっても人体検知センサーは間の限定領域に臨むようになり、それから発信される赤外線などの信号が上記限定領域を確実に通過し、人体に達するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 便座本体と、便座カバーと、上記便座本体および便座カバーをそれぞれ起倒自在に軸支するとともに、便座本体への人の着座に関係なくトイレ内における人体の存在を検知する人体検知センサーを設けた基台部とを具備し、上記人体検知センサーは基台部の表面パネル側に取付けた便座装置。
【請求項2】 人体検知センサーを信号発信素子および信号受信素子とで構成するとともに、信号透過材からなる表面パネルの裏側に取着した請求項1記載の便座装置。
【請求項3】 人体検知センサーとともに便座本体への人の着座状態を検知する着座センサーを設けた請求項1または2記載の便座装置。
【請求項4】 表面パネルに一体形成した係止爪およびリブを基台部の上ケース部に設けた係止孔と溝にそれぞれ係合させてこの基台部に固定し、さらに上記表面パネルから突設した突起を基台部の上ケース部に貫通させてその上ケース部の下面に係止することにより、上記表面パネルに上ケース部方向への引っ張り荷重を付加した請求項1〜3いずれか1項に記載の便座装置。
【請求項5】 表面パネルを自由状態では湾曲状に成形し、基台部へ取付ける際に弾性変形させて内部応力を生じさせるようにした請求項1〜4いずれか1項に記載の便座装置。
【請求項6】 表面パネルは幅方向において中央部より両端側が下がるような湾曲状に設定した請求項5記載の便座装置。
【請求項7】 表面パネルの外面に表示シートを一体成形し、成形後の冷却速度の差により上記表示パネルを湾曲させた請求項5または6に記載の便座装置。
【請求項8】 表面パネルと基台部の上ケース部との接合部にシール材を介在させた請求項1〜7いずれか1項に記載の便座装置。
【請求項9】 便座本体と、便座カバーと、被洗浄部へ向け洗浄液を噴出する洗浄液噴出手段と、上記便座本体および便座カバーをそれぞれ起倒自在に軸支するとともに、便座本体への人の着座に関係なくトイレ内における人体の存在を検知する人体検知センサーを設けた基台部とを具備し、上記人体検知センサーは基台部の表面パネル側に取付けた便座装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トイレ内における人の存在を検知する人体検知センサーを具備した便座装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】便座装置に赤外線などを利用した人体検知センサーを配備し、人が近づいた際に自動的に便座カバーを起こして使い勝手を高めたものも見受けられる。この弁座装置は、基台部に便座本体および便座カバーを起倒自在に軸支し、この基台部の内部には温水など液体浄化機能の液体供給制御手段、暖房機能の制御・能力切換手段、温風乾燥機能のヒータおよび電動送風機、脱臭機能のフィルタおよび電動吸引機などが設けられていた。
【0003】また人体検知センサーはこれら機構部および制御部とともに基台部の下ケース部に取付けられており、検知信号である赤外線を通すために上ケース部には孔があけられ、さらに上ケース表面を覆う表面パネルを赤外線透過材で形成していた。
【0004】周知のように、この種便座装置は、便座本体および便座カバーが起倒自在であり、便座本体を便器の上に倒し、これを閉蓋するように便座カバーを位置させている状態が非使用状態であり、トイレ使用時には、目的に応じて便座カバーのみを略直立させた開状態としたり、便座も同様に略直立位置まで起こした状態に選択されるものである。
【0005】さらにこれら便座本体および便座カバーには使用感或いは外観性を高めるべく布製の覆いをすることも多い。
【0006】したがって、人体検知センサーを基台部に配置したものでは、所定方向に赤外線が確実に発信されるようにする必要があるが、上記のように便座本体および便座カバーが起倒いずれかの状態にあって、一つの形態に固定されないこと、しかも布製の覆いがなされる場合があることなどの要因によって、非常に限定された空間を赤外線が通ることとなる。
【0007】従来では基台部の下ケース部、すなわち、上記限定空間から一番距離をおいたところに人体検知センサーが取付けてあった(特開2001−323535号公報)。そのため、この取付けに少しの誤差があっても赤外線が限定空間から外れて、便座本体、或いは、便座カバーにあたってしまうことがあった。その結果、人体の検知が不確実となり、便座カバーが自動的に開閉しないことがあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従来の問題点を解消するもので、人体検知センサーの働きを確実なものとして、便座カバーの自動開閉動作などの信頼性を高め、これによって便座装置の使用性を一段と向上させたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の便座装置は、前記する課題を解決するために、便座本体への人の着座に関係なくトイレ内における人体の存在を検知し、少なくとも便座カバーの起倒駆動手段を作動させる人体検知センサーを基台部の表面パネル側に取付けたもので、この人体検知センサーの機能を充分に発揮させるようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の便座装置は、便座本体と、便座カバーと、上記便座本体および便座カバーをそれぞれ起倒自在に軸支するとともに、便座本体への人の着座に関係なく人体の存在を検知する人体検知センサーを内蔵した基台部とからなり、上記人体検知センサーは基台部の表面パネル側に取付けたものである。
【0011】したがって、上記人体検知センサーは限定空間に臨むように配置でき、所定方向へ簡単に検知信号を発することができるものである。
【0012】上記人体検知センサーは赤外線などの信号を使用したもので信号発信素子と信号受信素子とからなり、信号透過材からなる表面パネルの裏側に取付けるのが最も好ましい。もちろん、上記人体検知センサーとともに弁座本体への人の着座を検知する着座センサーを並設してもよい。
【0013】表面パネルは、これに一体形成した係止爪およびリブを基台部の上ケース部に設けた係止孔と溝にそれぞれ係合することでこの基台部に固定され、さらに上記表面パネルから突設した突起を基台部の上ケース部に貫通させてその上ケース部の下面に係止することにより、上記表面パネルに上ケース部方向への引っ張り荷重を付加するようにして、基台部へ確実に取付けられるようにしてある。
【0014】表面パネルを基台部へ確実に取付けるための他の実施形態として、表面パネルを自由状態では湾曲状に成形し、基台部へ取付ける際に弾性変形させて内部応力を生じさせるようにすることも考えられる。そして湾曲の方向は幅方向において中央部より両端側が下がるような形態とする。また表面パネルの外面に表示シートを一体成形し、成形後の冷却速度の差により上記表示パネルを湾曲させてもよい。
【0015】表面パネルと基台部の上ケース部との接合部にシール材を介在させれば、水などの液体侵入を防止することができる。またこの便座装置には温水など洗浄液噴出手段を付加することも充分考えられる。
【0016】
【実施例】以下本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。
【0017】図1〜5において、本実施例の便座装置は、基台部1と、この基台部1に起倒するようにそれぞれ回動自在に軸支された便座本体2および便座カバー3とからなり、周知のごとくトイレ内の便器上にセットされるものである。
【0018】便座本体2は暖房用の加熱手段を内蔵しており、便座カバー3とは同軸構成としてある。そして、非使用状態にあっては、図1のように便座本体2が便器上に倒された位置にあり、その上方を便座カバー3が閉じた状態にある。
【0019】使用状態は二形態があり、図2は便座カバー3のみを起こして開状態にしたもので、通常は女性の全使用形態、および、男性の一部使用形態の場合であり、図3は便座カバー3とともに便座本体2も起こし、便器上を全開放して男性の小用使用に便宜を図った場合を示す。
【0020】基台部1は上ケース部4と下ケース部5とからなる中空状であって、前方には温水などの洗浄液をノズルから噴出させるようにした洗浄液噴出手段6を装備している。
【0021】そして内部には、便座本体2の暖房用加熱手段の制御・能力切換手段、洗浄液噴出手段6へ供給される液体の供給制御並びに加熱手段、ヒータおよび電動送風機からなる温風乾燥手段、脱臭フィルタ並びに電動吸引機からなる脱臭手段、上記便座カバー3を起倒するカバー起倒駆動・制御手段、便座本体2を起倒する便座起倒駆動・制御手段が少なくとも設けてある。
【0022】基台1における上ケース4の前面垂直壁から上面水平壁にかけては断面L字状の表面パネル7で覆われている。この表面パネル7は、内部を見えにくくするためにスモーク加工が施され、また赤外線などを透過する合成樹脂材料、例えばABS樹脂で成形されている。
【0023】また上記表面パネル7の外面および周縁にはPET(ポリエチレンテレフタレート)などからなる透明シートに印刷を施した表示シート8が一体に成形されている。具体的には、金型に表示シート8を予めセットしておいてABS樹脂材を同金型内に流し込み表面パネル7を成形する。
【0024】そして上記表面パネル7のコーナ部裏側にセンサー装置9が取着され、また基台1の上ケース部4にはこのセンサー装置9を臨ませる穴10が形成されている。上記センサー装置9は、便座装置に人が近づいたのを検知する人体検知センサーの他、便座本体2に人が着座しているのを検知する着座センサーを有し、共に、赤外線などを検知信号として利用したものであって、対となった信号発信素子と信号受信素子とからなる。
【0025】なお、表示シートのセンサー装置9との対応部分は印刷を施さず信号透過用の窓10としてある。
【0026】図4の矢印Aは人体検知センサーからの信号発信方向を示し、水平に対して約24度に設定してある。一方、着座センサーからの信号発信方向は矢印Bで、略水平方向に設定されている。さらに人体検知センサーからの信号発信方向は、平面的に見れば左右いずれか一方へ所定角度ずらして設定してある。これは背丈の高い人の股空間を信号が抜けていくのを防止するためである。
【0027】上記構成において、一応の作用を述べておくと、非使用状態では、図1のように便座本体2が便器上まで倒れ、便座カバー3が閉じられた位置にある。
【0028】ここで人がトイレ内に入ってくると、センサー装置9の人体検知センサーがそれを検知し、その検知結果でカバー起倒駆動・制御手段が働き、図2に示すように便座カバー3を略直立した開位置まで自動的に回動するものである。
【0029】したがって、便座本体2に着座し用を足すことができるものである。この便座本体2への着座は着座センサーで検知され、例えば脱臭手段が動作せれる。また男性小用の場合は便座本体2も図3に示すように直立状態まで起こす。便座本体2の動作は手動でもよいし、衛生面を考えれば、リモートコントロールで基台部1内の便座起倒駆動・制御手段を働かせ、機械的に行うことも考えられる。或いは、「開け」などの音声を発することでこの音声を判別して基台1内の便座起倒駆動・制御手段を働かせることも容易に実施できるであろう。
【0030】洗浄液噴出、便座本体2の暖房、温風乾燥は使用者が任意に作動させるようにしてある。
【0031】用が終わり、人が便座装置2から離れると、着座センサーがそれを検知し、脱臭手段に所定時間後(遅延時間)の運転停止命令を出す。さらに人がトイレ内から退出すると、人体検知センサーの出力がなくなるため、便座カバー3のみが開いている図2の状態では同便座カバー3を、便座本体2も直立している図3の状態では同便座本体も水平方向に戻す。すなわち、最終的な状態は図1のような形態となり、これが非使用状態である。
【0032】なお人体検知センサーは、トイレの使用有無判別となり、同信号を通信手段で伝達するようにすれば安否検知用に活用でき、また人体検知センサーと着座センサーとの検知タイムラグなどで使用者の動作俊敏度などをチェックし、身体の状態測定とすることも可能である。
【0033】ここで注目すべきは、特に人体検知センサーからの信号発信方向Aが非常に限定された空間領域に設定されることであろう。
【0034】上記したように、着座センサーは便座本体2が倒れている状態、つまり一状態で、この便座本体2に人が着座したかどうかを検知するだけでよいが、人体検知センサーは、図4に示すごとく便座本体2および便座カバー3が倒起いずれの状態下でも人の存在を検知しなければならない。
【0035】したがって、人体検知センサーからの検知信号は非常に限定された領域を通る必要がある。しかも上記便座本体2および便座カバー3には時として装飾のための布の覆いがなされる場合があり、上記領域はさらに制約されたものとなる。
【0036】本実施例では、センサー装置9が基台部1の表面パネル7側、すなわち、上記限定された領域に直接臨むように配置してあるため、少々の誤差があっても人体検知センサーからの検知信号は便座本体2或いは便座カバー3に邪魔されることなく確実に被検知体に至ることとなる。
【0037】次ぎに基台部1への表面パネル7の具体的取付け構成について説明する。図4,5に示すように、表面パネル7における裏側の前方および両側からは鉤状の複数の係止爪12が下向きに一体に形成され、また前側下端には所定長さのリブ13が設けられている。
【0038】一方、基台部1の上ケース部4には、上記係止爪12と対応して複数の係止孔14が、リブ13と対応して溝15がそれぞれ形成されている。
【0039】したがって、リブ13を溝15に係合させた後、係止爪12を係止孔14に係止させることによって表面パネル7は上ケース部4に固定されることとなる。
【0040】先にも述べたように、特に人体検知センサーの検知信号は限定された狭い領域を通過するものである。そのために、この狭い領域に臨むごとく表面パネル7側に同センサーを配置したものであるが、精度をさらに高めるためには基台部1、すなわちその上ケース部4への表面パネル7の取付け精度を向上させなければならないであろう。
【0041】何故ならば、先の限定領域を決定する便座本体2および便座カバー3の軸支が基台部1を基準になされているからである。
【0042】本実施例ではこのために2つの対策を施している。その一つは、表面パネル7の両側よりボス16を下向きに形成している。上記ボス16は基台部1の上ケース部4を貫通させ、表面パネル7を下方向に引っ張るようにしてワッシャー17で係止される。
【0043】したがって、表面パネル7には常に引っ張り荷重が作用するようになって、がたつきなどのない、しかも正確度の高い取付け状態を呈することとなる。なお係止は上記ワッシャーの代わりにボス16の先を加熱して膨出状に変形させることも可能である。
【0044】今一つは、表面パネル7を自由状態で湾曲させた形状に設定したことである。具体的には左右方向において中央部が高い湾曲形状とし、上ケース部4にはそれを直線状に弾性変形させて取付ける。その結果、取付状態にある表面パネル7には内部応力が常に働くようになり、上ケース部4への取付けがより一層正確なものとなる。
【0045】表面パネル7の湾曲形状は本実施例の場合、表面パネル7とこれより薄い表示シート8を一体的に成形することで実現できるようにしてある。つまり成形後において、薄い表示シート8は速く冷え、厚みのある表面パネル7はその熱容量のため、それより時間をおいて冷却される。これら冷却速度の違いによって表面パネル7は左右方向中央部が高い湾曲形状となるものである。
【0046】なお、表面パネル7と上ケース部4との接合部にはシール材18を介在させ、例えば飛散した洗浄液がセンサー装置9および基台部1内の制御部などに侵入しないようにしている。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明の便座装置は、便座本体および便座カバーをそれぞれ起倒自在に軸支する基台部に、便座本体への人の着座に関係なくトイレ内における人体の存在を検知し、少なくとも便座カバーの起倒駆動手段を作動させる人体検知センサーを設け、上記人体検知センサーは基台部の表面パネル側に取付けたものであるから、便座本体および便座カバーが起倒いずれの状態にあっても人体検知センサーの信号は限定された領域をも確実に通過し人体の存在を的確に検知する。したがって、少なくとも便座カバーの自動的な起倒動作が確実に行われることとなり、その使用性を一段と高めることができるものである。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成14年3月29日(2002.3.29)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2003−290081(P2003−290081A)
【公開日】 平成15年10月14日(2003.10.14)
【出願番号】 特願2002−96477(P2002−96477)