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【発明の名称】 可搬便器
【発明者】 【氏名】塚本 史郎
【住所又は居所】京都市南区上鳥羽上調子町2−2 株式会社セキスイデザインセンター内

【要約】 【課題】使用者が肘掛の前端を把持して容易に起立、着座動作を行うことが出来ると共に、側方を移動時の身体の支えとして用いることが出来る可搬便器を提供する。

【解決手段】一対の脚杆1、1間に架設された便溜槽釣支板3に便溜槽が釣支され、座板5が便溜槽上方に取着された便座4を掩蔽可能に付設され、座板5の両側に縦杆61の上端から平板状横杆62が前後に突設され、横杆62の前端は把持可能な略円板状となされ、略円板部63の根元部64及び後端部65は握持可能に縮幅されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一対の脚杆間に架設された便溜槽釣支板に便溜槽が釣支され、座板が便溜槽上方に取着された便座を掩蔽可能に付設され、座板の両側に縦杆の上端から平板状横杆が前後に突設された1対の肘掛が立設され、横杆の前端は把持可能な略円板状となされ、略円板部の根元部及び後端部は握持可能に縮幅されていることを特徴とする可搬便器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、椅子型の可搬便器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、便器本体の上面両側部に、前後2本の縦杆の上端を横杆が連結してなる1対の肘掛が立設された可搬便器は、例えば、特開平11−276379号公報に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような可搬便器に於いては、横杆の前端は縦杆と略同じくなされている為、使用者が肘掛の前端を把持して容易に起立、着座動作を行い難く、又、側方を移動時に身体の支えとして用いることが困難であるという問題があった。
【0004】本発明は、上記従来の問題点を解消し、使用者が肘掛の前端を把持して容易に起立、着座動作を行えると共に、側方を移動時の身体の支えとして用いることが出来る可搬便器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の可搬便器は、一対の脚杆間に架設された便溜槽釣支板に便溜槽が釣支され、座板が便溜槽上方に取着された便座を掩蔽可能に付設され、座板の両側に縦杆の上端から平板状横杆が前後に突設された1対の肘掛が立設され、横杆の前端は把持可能な略円板状となされ、略円板部の根元部及び後端部は握持可能に縮幅されていることを特徴とする。
【0006】本発明の可搬便器に於いて、脚杆の材質は、荷重に耐える強度を有するものであれば特に限定されず、例えば、合板、硝子繊維強化ポリウレタン発泡体、金属、合成樹脂被覆金属等が挙げられる。
【0007】脚杆の形状は、特に限定されず、例えば、略横長矩形状、略h字状等の何れでもよい。脚杆の下端近傍には、透孔が前後に同一高さに並設され、一対の接地板の上面に前後に立設された支柱に上下方向に複数個連設された雌螺子孔に、前記透孔に挿通された雄螺子が螺着される位置を選択することにより、使用者の座高に合わせて高さ調整可能となされている場合には、脚杆の内側に脚杆と平行に隔壁を垂設し、脚杆と隔壁との間隙に支柱の先端を挿嵌して、支柱の横揺れが防止されるようなされるのが好ましい。
【0008】雌螺子孔が複数個上下方向に連設された支柱が前後に立設された接地板の材質は、荷重に耐える強度を有するものであれば特に限定されず、例えば、合板、硝子繊維強化ポリウレタン発泡体、金属、合成樹脂被覆金属等が挙げられる。
【0009】支柱を脚杆に螺着する手段は、特に限定されないが、例えば、特別な治具を用いることなく着脱が可能なように、頭部に脚杆の透孔より大径の握り玉を設けた雄螺子や蝶ボルトの螺子部を透孔に外側から挿通し、支柱の雌螺子孔に螺合すればよい。
【0010】本発明の可搬便器に於いて、一対の脚杆間に架設された便溜槽釣支板の材質は、荷重に耐える強度を有するものであれば特に限定されず、例えば、合板、硝子繊維強化ポリウレタン発泡体、金属、合成樹脂被覆金属等が挙げられる。便溜槽釣支板の形状は、特に限定されないが、使用者が座った際の安定感から、便座の周囲が便座上面と略面一とされるのが好ましい。
【0011】本発明の可搬便器に於いて、便溜槽釣支板に釣支された便溜槽の材質は、特に限定されず、例えば、ポリプロピレン(PP)等の硬質熱可塑性樹脂、アルミニウム等の金属が挙げられる。
【0012】便溜槽の形状は、特に限定されないが、例えば、平面視略馬蹄状となされ、開口部には変形を防止する折返し縁が周設され、内容物が集中可能なように底壁は前方に傾斜され、内容物を廃棄する際に容易に前方に傾斜可能なように底壁外面後方に手掛けが突設されるのが好ましい。
【0013】折返し縁には、内容物を廃棄する際に便溜槽の運搬が容易なように、提げ手が起倒可能に枢着されていてもよい。提げ手は、内容物を廃棄する際には便溜槽の後方に回動されるので、便溜槽の後半部の平面形状に応じて、略冂字状もしくは略半円弧状となされればよい。
【0014】提げ手の材質は、特に限定されず、例えば、ステンレススチール等の金属、PP、高密度ポリエチレン(HDPE)等の硬質熱可塑性樹脂、合成樹脂被覆金属等が挙げられる。
【0015】本発明の可搬便器に於いて、便器上方に取着された便座の材質は、特に限定されず、例えば、PP、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)等の硬質熱可塑性樹脂が挙げられ、内部に発熱体が埋設されていてもよい。
【0016】便座を掩蔽する座板の材質は、特に限定されず、例えば、合板製芯材の上にポリウレタン(PU)等の合成樹脂発泡体を積層し、合成皮革で表面を被覆した積層体等が挙げられる。
【0017】本発明の可搬便器に於いて、使用者が着座時に寛いだ姿勢を取ることが出来るよう、一対の脚杆間に架設される背凭れの材質は、荷重に耐える強度を有するものであれば特に限定されず、例えば、合板、硝子繊維強化ポリウレタン発泡体、金属、合成樹脂被覆金属等が挙げられ、合板製芯材にPU等の合成樹脂発泡体を積層し、合成皮革で表面を被覆した積層体が前面に取着されていてもよい。
【0018】本発明の可搬便器に於いて、座板の両側に立設される肘掛けの材質は、使用者の体重を支持するのに充分な荷重強度を有するものであれば特に限定されず、例えば、合板、硝子繊維強化ポリウレタン発泡体、金属、合成樹脂被覆金属等が挙げられる。
【0019】肘掛けの縦杆には、取付孔が複数個上下方向に連設され、取付孔の何れかに止め具が挿嵌されるか、外面に略鋸刃状もしくは略櫛歯状等の凹凸が刻設され、該凹凸の何れかに止め具が咬合されることにより、使用者の座高に合わせて高さ調整可能とされるのが好ましい。
【0020】肘掛けの縦杆の上端から前後に突設された平板状横杆の中央部は、使用者が着座時に前腕を安定して載置出来るよう、前腕より幅広となされるのが好ましい。横杆の前端は、使用者が起立、着座する際に、力を籠め易いよう、把持可能な略円板状となされている。略円板部の根元部及び後端部は、使用者が可搬便器の側方を移動時に、身体の支えとして用いることが出来るよう、握持可能に縮幅されている。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明の可搬便器の1例を示す斜視図である。
【0022】図1に於いて、1は板状体を略h字状に結合してなる一対の脚杆であって、脚杆1の後部縦杆の上端には握持部11が設けられており、脚杆1、1間には背凭れ2が架設されている。脚杆1の下端近傍には円形透孔12が前後に同一高さに並設されている。
【0023】一対の脚杆1、1間に架設された便溜槽釣支板3には、図示しない略蓋付バケツ状の便溜槽が釣支されており、便溜槽の上方には略馬蹄形状の便座4が起倒可能に取着されている。便座4の上方には、前端に垂下縁51が垂設された座板5が起倒可能に取着され、不使用時には便座4を掩蔽して椅子として使用可能となされている。
【0024】座板5の両側には、縦杆61の上端から平板状の横杆62が前後に突設された側面視略T字状の1対の肘掛6が立設されている。横杆62の前端は把持可能な略円板状となされ、略円板部63の根元部64及び後端部65は握持可能に縮幅されている。
【0025】縦杆61の外面には、略鋸刃状の凹凸66が刻設されており、該凹凸66の何れかに脚杆1の外面に上下方向に回動可能に取着された止め具67が咬合されることにより、使用者の座高に合わせて高さ調整可能となされている。
【0026】一対の略短冊状の接地板7の上面には、雌螺子孔72が上下方向に連設された支柱71が前後に立設されており、脚杆1の前後の透孔12に挿通された雄螺子が、使用者の座高に合わせて雌螺子孔72に螺合されている。
【0027】
【発明の効果】本発明の可搬便器は、叙上の通り構成されているので、使用者が肘掛の横杆の前端の略円板部を把持して容易に起立、着座動作を行えると共に、略円板部の根元部及び後端部を握持して、側方を移動時の身体の支えとして用いることが出来る。
【出願人】 【識別番号】501185475
【氏名又は名称】積水ライフテック株式会社
【住所又は居所】奈良県奈良市三条大路4丁目1番1号
【出願日】 平成14年3月29日(2002.3.29)
【代理人】 【識別番号】100102956
【弁理士】
【氏名又は名称】九十九 高秋
【公開番号】 特開2003−290077(P2003−290077A)
【公開日】 平成15年10月14日(2003.10.14)
【出願番号】 特願2002−95378(P2002−95378)