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【発明の名称】 巻きおしぼり形成装置
【発明者】 【氏名】杉山 哲也

【要約】 【課題】本発明は巻きおしぼり形成装置に関し、良好なロール巻き形状を確実に得ることを目的とする。

【解決手段】原反ロールからの連続シートSは回転カッタにより所定長のシート片S'に切断され、ロール巻き部において無端の移動ベルト20と固定ベルトとの間のロール巻き通路において巻きおしぼりに形成される。ロール巻き通路の入口付近にノズル組立体が設けられ、ノズル組立体は移動ベルト20上のシート片S'に対向して幅方向に間隔をおいて複数配置したノズル58を備える。ノズルからの給水によりシート片S'は筋状Gに給水を受ける。筋状給水はシート片S'の巻取に際しては剛性を維持し、良好な巻き形状を得ることができる。巻取から或る時間が経過すると毛細管現象は水分を全体に浸透せしめる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 可撓性素材にて形成され、ローラ間に捲き掛けられる移動ベルトと、可撓性素材にて形成され、ローラを巡る移動ベルトと対向して配置された固定ベルトと、移動ベルトと固定ベルトとの間に形成され、シート片を通過させることによりロール巻きとする通路と、シート片に水分を付与する手段とを具備しており、水分を付与されたシート片をロール巻き通路を通過させることに巻きおしぼりとする装置において、水分付与手段はロール巻き通路へのシート片に対向して水分付与が行われるように設置されるとともにシート片の幅方向に間隔を置いた位置で水分の付与を行うことを特徴とする巻きおしぼり形成装置。
【請求項2】 請求項1に記載の発明において、前記水分付与手段はシート片の幅方向に延び、水供給源に接続されたダクトと、シート片に対向したダクトの面に間隔をおいて穿設された複数のノズルとから構成されることを特徴とする巻きおしぼり形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は原反ロールから引き出される不織布や紙などの連続シートを所定長さのシート片に切断し、このシート片に水分を付与した上ロール巻きすることよりなる巻きおしぼり形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原反ロールから引き出される連続シートを所定長さのシート片に切断し、このシート片に水分を付与した上ロール巻きすることよりなる巻きおしぼり形成装置は公知であり、この種の巻きおしぼり形成装置ではロール巻き部は可撓性素材にて形成され、ローラ間に捲き掛けられる移動ベルトと、可撓性素材にて形成され、ローラを巡る移動ベルトと対向して配置され、移動ベルトとの対向面に突起を形成した固定ベルトと、移動ベルトと固定ベルトとの間に形成されるロール巻通路とから構成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術においては水分の付与は不織布連続シートからシート片に切断する部位において行われていた。そのため、下方の部位にトレーを設け余分な水分の回収を図るための余計な手段が必要であった。また、この従来技術の構造ではシート片への水分の供給は全面供給であったためシートを構成する吸水性の高い繊維素材であるレーヨン繊維や綿繊維やセルロース繊維が軟弱化され易く、ロール巻きに悪影響を及ぼしていた。即ち、給水により剛性が低下し、ロール巻きの際に円弧を支える力が弱いためロール巻き後の径が細くなり過ぎ見栄えのしないおしぼりとなっていた。その対策として、シートを構成する素材として合繊繊維の混入により軟弱化は解消しうるが、コストが高いしまた素材を2重折りなどにしてロール巻きした場合2重層間の密着性が良くなく、筍状に巻かれることが多く、正常なロール形状を得難かった。そのため、水分の飛散が少なく、また、良好なロール巻きを行いうる水分付与方式が希求されていた。
【0004】この発明は以上説明した従来技術における問題点に鑑み、この発明は必要な給水を施しつつ、巻き形状を良好とすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明によれば、可撓性素材にて形成され、ローラ間に捲き掛けられる移動ベルトと、可撓性素材にて形成され、ローラを巡る移動ベルトと対向して配置された固定ベルトと、移動ベルトと固定ベルトとの間に形成され、シート片を通過させることによりロール巻きとする通路と、シート片に水分を付与する手段とを具備しており、水分を付与されたシート片をロール巻き通路を通過させることに巻きおしぼりとする装置において、水分付与手段はロール巻き通路へのシート片に水分が付与されるように設置されるとともにシート片の幅方向に間隔を置いた位置で水分の付与を行うことを特徴とする巻きおしぼり形成装置が提供される。
【0006】請求項1の発明の作用・効果を説明すると、水分付与手段はロール巻き通路の入口付近において、シート片の幅方向に間隔をおいた位置で水分の付与を行う。そのため、給水動作に後続するロール巻き中はシート片は幅方向に間隔をおいて筋状に給水された状態にあり、水分は未だ全体に浸透していないため、シート片は在る程度の剛性を維持している。剛性増によりロール巻き時に弧形状の支えが強化され、良好なロール巻きを行うことができる。そして、ロール巻きからある程度の時間が経過すると毛細管現象により水分はシート片の全体に伝達せしめられる。
【0007】請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、前記水分付与手段はシート片の幅方向に延び、水供給源に接続されたダクトと、シート片に対向したダクトの面に間隔をおいて穿設された複数のノズルとから構成されることを特徴とする巻きおしぼり形成装置が提供される。
【0008】請求項2の発明の作用・効果を説明すると、供給源からの水はダクトに導入され、ダクトから各ノズルへ分配され、各ノズルから幅方向に均等に付与することができる。
【0009】また、従来の巻きおしぼり形成装置においては、固定ベルトは機枠側にその両端において固定され中間はフリーとされており、これにより固定ベルトと移動ベルトとの間に適当な寸法のロール巻き通路が形成されるようになっている。シート片は移動ベルトによりロール巻き通路に導入され、固定ベルトとの間のロール巻き通路を通過することによりロール巻きされおしぼりとなる。おしぼりの素材となる不織布シートの厚みの変化に対しては、固定ベルトは中間部がフリーなためある程度の変化は許容しうるが、大幅な厚みの変化に対しては吸収できず、広い範囲での素材の厚みの変化には対応できなかった。そのため、シート素材の厚みの広範囲の変化に対して対処しうる構造が希求されていた。
【0010】この課題解決のため、この発明の実施態様によれば、可撓性素材にて形成され、ローラ間に捲き掛けられる移動ベルトと、可撓性素材にて形成され、ローラを巡る移動ベルトと対向して配置される固定ベルトと、移動ベルトと固定ベルトとの間に形成されるロール巻通路とを具備しており、水分を付与されたシート片をロール巻き通路を通過させることに巻きおしぼりとする装置において、縦方向における固定ベルトの下流側端部の固定位置を調節する手段を備える。
【0011】この構成によると、固定ベルトは縦方向の両端で機枠側に固定されるが、下流側の端部には固定位置を調節する手段が設けられている。そのため、不織布などの連続シートの厚みなどに応じて固定ベルトの取付け位置の調節が可能であり、シート素材に対して最適化することができ、シート素材の変化にかかわらずいつも最適なロール巻きを行いうるようにすることができる。
【0012】また、従来の巻きおしぼり装置においては、連続シートは原反にまかれ、原反から連続シートを繰り出し、カッタによって所定長にカットし、これをロール巻きし、おしぼりとしている。従って、原反ロールはフリーとなっているためその慣性の影響を受ける。特に、原反が大きいときは重量が大きいため慣性が大きく、停止時に連続シートに大きな弛みが発生し、弛みの影響によりロール巻き時のシート片に皺が入り、綺麗なおしぼりが得られなくなる恐れがあった。従って、原反が重い場合においては慣性の影響を緩和しうる構成が希求されていた。
【0013】この課題解決のためこの発明の別の実施態様によれば、原反ロールと、前記原反ロールからの連続シートを所定長のシート片に切断する切断手段と、前記シート片をロール巻きするロール巻き部とから構成されるおしぼり製造装置において、原反ロールを挟むようにその両側に位置されるガイドと、前記ブレーキガイドを跨ぐように設置され、連続シートが引き出される部位より下流側において原反ロール外周にその上面より当接する制動ロッドとを具備する。
【0014】この構成によれば、制動ロッドは原反ローラの挟むように両側に位置されたブレーキガイド上にこれを跨ぐように載置され、その結果、制動ロッドの重量が原反ローラに加わり、原反ローラに制動が掛かる。そして、ブレーキガイドの傾斜角度に応じて原反ローラに加わる重量、換言すれば、原反引出しの際の制動力が変化され、ブレーキガイドの傾斜角度を最適設定することにより原反径が大きい状態での慣性の影響を緩和し、連続シートの引き出しをいつも安定して行うことができ、ロール巻き動作への悪影響を緩和することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1はこの発明のおしぼり製造装置の全体概略図であり、10は紙やパルプ不織布などの連続シート原反を巻回したロールであり、ロール10からの連続シートSは引き出しローラ12より引き出され、回転カッタ14の切断刃14-1にて所定長さのシート片S´に切断される。制動プレート15が引き出しローラ12と対向して設置され、切断刃14-1によるシートの切断時と同期させて制動プレート15はローラ12に向け前進駆動せしめられ、シートSを一瞬停止せしめることにより連続シートSからシート片S´への切断を行うことができる。
【0016】図2及び3は原反ロール10からの連続シートSの引き出し部分の詳細を示しており、原反ロール10は巻き芯101に連続シートSを巻回しており、巻き芯101はその両側において機枠側(固定側)に形成した支持溝104まで延びており、引き出しロール12の回転により連続シートSが引き出され、これにより巻き芯101が支持溝104において回転する。他方、連続シートSからシート片S´の切断は制動プレート15を引き出しロール12の周面に押し付けることにより瞬時連続シートSの供給を瞬時停止して行う。そのため、ロール10の巻き径が大きいときはその重量による慣性により連続シートSに弛みが生じ、これが連続シートSの皺の原因となりうる。そこで、ロール12の慣性の影響を緩和するための制動手段が設けられている。この制動手段は断面L形のガイド板102と制動ロッド102とから構成される。図2に示すようにガイド板102はロール10からの連続シートSの引き出し方向とは離間側に傾斜しており、図3に示すように制動ロッド103は左右のガイド板102上にこれを跨るように載置され、制動ロッド103はロール10からの連続シートSの引き出し方向とは離間側においてロール上面に当接しており、制動ロール103の重量に応じた制動力がロール上面に印加される。原反ロール10からの連続シートSの消費にしたがってロール径は痩せてゆくが、制動ロッド103はガイド板102を転動しながら下降してゆき、制動ロッド103の重量に応じた一定の制動力が加わる。この制動力によって原反ロール10が満若しくはそれに近いときのとき大きな慣性の影響が緩和され、連続シートの弛み及びそれに伴う皺の発生を防止することができる。制動ローラ103からその重量に応じてロール上面に加わる力はガイド板102の傾斜角度に応じて変化する。従って、最適な制動力が得られるようにガイド板102の傾斜角度が設定される。
【0017】図1において、16はシート片S´をロール巻きするロール巻き部であり、一対の回転ローラ18, 19と、偏倚ローラ21と、ローラ18, 19, 21間を循環する、ゴムなどの可撓性素材より成る無端の移動ベルト20と、同じくゴムなどの可撓性素材より成る固定ベルト24とから構成される。この実施形態では固定ベルト24は両端24-1, 24-2が後述の枠体に固定され、中間はフリーである。そして、固定ベルト24はローラ19を巡る移動ベルト20の部分に対向配置されており、その結果、移動ベルト20と固定ベルト24との間にロール巻き通路26が形成される。ロール巻き通路26は入口26-1と出口26-2とを備えており、シート片S´の先端は矢印aのように移動する移動ベルト20に捉えられ、入口26-1よりロール巻き通路26に導入され、移動ベルト20と固定ベルト24との間を通過する間にロール巻きされ、出口26-2よりおしぼりRとなって排出される。
【0018】28はノズル組立体を概略的に示しており、図示しない水供給部に連結され、後述のノズル28からの水はロール巻き通路26の入口26-1の付近でシート片S´に噴出され、シート片S´に対する適当な量の水分の付与が行われる。
【0019】図4はロール巻き部16をより詳細に示している。この実施形態ではロール巻き部16はカセットとして構成され、後述のように機枠との間に設けた挿入路を介して挿入するだけで、脱着が自在となっている。しかしながら、ロール巻き部16のカセット構成は必須の構成要件ではなく、個々の部品として組み立てることによりロール巻き部16に構成する方式ももとより任意である。
【0020】次に、ロール巻き部16のカセット構造についてより詳細に説明すると、回転ローラ18, 19, 21は図5に示すように所定距離離間した一対の枠板30間に配置され、図示しないメタルなどにより回転可能に軸支されている。図4において回転ローラ18, 19, 21のうちローラ19が駆動ローラであり、その回転軸19A上にドリブンギヤ31を備える。移動ベルト20と固定ベルト24間のロール巻き通路26の入口26-1付近に一対の押えローラ32, 34が配置され、押えローラ32,34もその両端は枠板30に回転自在に取付けられる。図5において枠板30に直交する補強材としてのビーム35が見えており、このようなビーム35は複数設けられ、枠板34にビス36にて締結される。
【0021】図4において、固定ベルト24の入口端24-1は金属製の入口案内板38(図6も参照)まで延びており、上から押え板40が当てられ、ビス42の締結によって固定ベルト24の入口端24-1は金属製の案内板38と押え板40との間に挟着される。図6に示すように入口案内板38はその両端が枠板30まで延びており、ビス44の締結によって案内板38は枠板30に固定される。入口案内板38はその前端にガイド部38-1を備える。他方、図4において固定ベルト24の出口端24-2は出口案内板46の下面まで延びており、押え板48が下側から当てられ、ビス50の締結によって固定ベルト24の出口端24-2は出口案内板46と押え板48との間に挟着される。図7に示すように、出口案内板46は両端が枠体30まで延設されており、出口案内板46は締結ピン52によって枠板30に固定される。このようにして、固定ベルト24はその入口端24-1と出口端24-2のみが機枠側に固定となっており、ローラ19を巡る中間部は完全フリーとなっている。固定ベルト24の出口端24-2はロール巻きされたシート片の巻き径の多少の変化を吸収するため上下変位可能とされかつ取付け長さを調整可能となっている。即ち、図7に示すように出口案内板46はピン52の挿通のための開口46Aを有するがこの開口46Aはこの実施形態では3個の部分孔を連接した構造になっている。従って、図では中間の部分孔にピン52を挿通しているが、図7の下側の部分孔を挿通することにより、固定ベルト24と移動ベルト20との間のロール巻き通路26の間隔は狭まり、これは相対的に薄い不織布シートのロール巻きに適しており、図7の上側の部分孔にピン52を挿通せしめることにより、固定ベルト24と移動ベルト20との間のロール巻き通路26の間隔は拡開し、これは相対的に厚い不織布シートのロール巻きに適している。また、図9に示すように、ピン52の先端ねじ部52-1を枠板30の張出し部30-1(図7も参照)にねじ込むことによりピン52の取付けは行われるが、このときピン52の頭部52-3と出口案内板46との間にスプリング53が配設され、従って、出口案内板46はスプリング53のスプリング力で押付けられている。不織布シート片は移動ベルト20と固定ベルト24との間のロール巻き通路26の通過の際にロール巻きされ、ロール巻き通路26の出口26-2ではその径が太り、その太り方は不織布シート厚みにより変化するが、このような径変動に対して出口案内板46はスプリング53力により自在に拡縮することで、径変化にかかわらず不織布シートロールを確実に把持・案内することができるようになっている。
【0022】ノズル組立体28は図6及び図8に示すように入口パイプ54と、幅方向に延び、両端が閉じた分配ダクト56と、移動ベルト20上を移送される不織布シート片と面したダクト56の面上に間隔をおいて複数形成されるノズル58とから構成される。ノズル組立体28を構成する入口パイプ54及び分配ダクト56はプラスチックの成形品であり、図示しないビスによって入口案内板38の上面に図6のように固定され、カセット構造のロール巻き部16に組み込まれている。入口パイプ54に図示しない給水ポンプからのプラスチック製給水管57が装着され、薬剤などを含んだ水がノズル組立体28に圧力下で供給され、ノズル58から不織布シート片S´に向けての噴射することができる。図8でFはこのようにして形成されるシート片S´に向けての水の噴射状態を示している。
【0023】次に、このようにして構成されたカセット構造のロール巻き部16の装着方式について説明すると、カセット構造の装着方式自体はこの発明の本旨ではないため極めて概略的に説明すると、図5に示すようにロール巻き部16の両側の枠板30はその外面に所定形状のガイド溝60を備え、他方、空洞部59の左右壁面にはガイド突起62が形成される。図4に概略的に示すようにロール巻き部16(カセット側)のガイド溝60は下向きに傾斜し、かつ下端(先端)が開いており、装着時にロール巻き部16は空洞59内にガイド溝60及びガイド突起62に平行に矢印Fのように導入され、先端が開いたガイド溝60にガイド突起62に導入することによりカセットの装着が行われる。図4のように奥深く挿入した状態ではカセット側のドリブンギヤ31が機枠側に取付けられる図示しない駆動電動機の駆動軸64(図5参照)上のドライブギヤ66とかみ合う。そのため、モータの回転運動をギヤ66, 31を介してロール巻き部16に伝達し、移動ベルト20を巡回移動させ、固定ベルト24との間でロール巻きを行うことができる。必要あれば図4の適正なカセット装着位置にロックするためのロック手段を設けることができる。
【0024】次に、この発明におけるロール巻き部16におけるゴムなどの可撓性素材製の移動ベルト20及び固定ベルト24の構造についてより詳細に説明すると、図9〜図11に示すように、移動ベルト20は固定ベルト24に対向した外面において複数(図10のようにこの実施形態では4本)の縦溝20Aをその全長にわたって備えている。そして、ローラ18から19の間において縦溝20Aと反対側の面に対向するように図11に示すように受け板68が配置される。
【0025】一方、固定ベルト24は図9及び図12に示すように固定ベルト24はその入口部24-1付近において係合爪24Aを一体に形成しており、係合爪24Aの数は移動ベルト20上の縦溝20Aと同一本数である。そして、図9に示すように係合爪24Aは移動ベルト20の側に曲折されており、常態では係合爪24Aの先端は縦溝20Aまで延びている。縦溝20Aまで延びた係合爪24Aの構成は後述のようにシート片のロール巻き時のシート片先端縁の折り畳みによる確実な核形成を行わしめるのに役立つものである。この点については図13を参照して後で詳細に説明する。そして、図9に示すように固定ベルト24は移動ベルト20との対向面において、係合爪24Aの下流側には出口端24-2に至るまで間隔をおいた突起24Aを多数形成している。突起24Aはシート片S´のロール巻き時にその先端をシート片S´と摩擦係合せしめることにより確実なロール巻きを行うべく機能を達成するものである。突起24Aは幅方向にも縦方向にも間隔をおいて規則的に(即ち、行及び列をなして)配置される。しかしながら、縦方向における突起24A間の間隔は移動ベルト20の直線走行部と面する部位とローラ19を巡る部位とでは異なっており固定ベルト24の展開状態で比較すれば図14に示すように直線走行部の間隔は(イ)のようにd1でありローラ19を巡る部位では(ロ)のようにd2であり、d2>d1となっている。そのため、図9に示すような固定ベルト24の装着状態においてローラ19を巡る部位における突起24Bの先端間の間隔がベルト24の湾曲によりd2からd2'に減少した状態において直線部の間隔d1と実質的に一致せしめることができ、不織布シート片からのロール形成時における不織布シート片に対する突起24Bの作用を直線部とローラ19を巡る部位とで均等化させることができる。更に、固定ベルト24の直線部からローラ19巡り始める部位において、一体型の突起24Bの代りに丈の高い別体の凸部70が設けられる。凸部70は耐久性の高い合成樹脂素材の別体成形品である。この合成樹脂製凸部70の機能を説明すると、固定ベルト24は両端24-1, 24-2以外はフリーであり、移動ベルト20より上方に位置している部位では固定ベルト24は移動ベルト20に向けて垂れた状態になる。そして、直線部からローラ19の巡回開始部位に移行する領域で移動ベルト20に対する固定ベルト24の垂れ量は最大となる。そのため、この部分の移動ベルト20に対する固定ベルト24の摩擦が最大となり、最も磨耗の進行する部分である、そのままではこの部位での片磨耗の進みが速く寿命短縮の恐れがあった。この発明ではこの部分を一体の突起24Bの代りに別体の合成樹脂製凸部70の嵌着構造としている。即ち、図15に示すようにこの部位において固定ベルト24には取付け孔24Cが穿設され、この取付け孔24Cに合成樹脂製凸部70が嵌着される。そのため、フリーな固定ベルトの中間部分において移動ベルトに対する垂れが最大となる部位における磨耗の問題を解消することができる。
【0026】この発明の巻きおしぼり製造装置の動作を説明すると、ロール10からの連続シートSは回転カッタ14によりシート片S´に切断される。切断は回転カッタの刃14-1がシートに正対する位置において行われる。この位置において切断が行われるように切断に同期して制動プレート13が引き出しローラ12の周面に当接するように制御される。連続シートSの一瞬の停止によりロール10に慣性が生じ皺の発生の原因となり得る。そして、皺発生は連続シートが縦方向の折り線で折られものでは、折り線側と自由縁側との張力差が大となるため著しい。しかしながら、この発明により図2及び図3において制動ロッド103をロール10の周面に載置した構成により制動ロッド103の重量に応じた力がロール10に加わり、慣性の影響を緩和し、連続シートの弛み及びそれに伴う皺の発生の恐れを回避する。
【0027】連続シートSから切断されたシート片S´は図4のように入口案内板38を介して移動ベルト20に受け止められ、押えローラ32と移動ベルト20との間にニップされ、受け板68により支えられつつ、移動ベルト20と固定ベルト24との間のロール巻き通路26に導かれる。ロール巻き通路26に導入されたシート片S´にはノズル組立体28からの水分付与が行われる。即ち、図8に示すようにノズル組立体28は幅方向に間隔を置いた複数のノズル58を備えており、ノズル58から水がシート片に向けてFのように噴射される。ノズル58からの散水角度は比較的狭小に設定されシート片S´には長手方向に筋状に給水が行われる。図16においてシート片S´へのこの筋状の給水部分をGにて示す。筋状に給水された水分は時間の経過により毛細管現象により水分が隅々まで浸透してゆくことから最終的にはシート片S´、即ち、おしぼりの全体に行き渡るが、給水後直ぐに行われるロール巻きの段階では筋状の供水状態を維持する。そのため、ロール巻き動作中のシート片の剛性が確保され、円滑なロール巻き行うことができる。図13はこの発明におけるロール巻き動作を一連の進行過程を図解的に示している。即ち、シート片の先端は(イ)に示すように固定ベルト24と一体の係合爪24Aと係合し、この際係合爪24Aは移動ベルト20の上面の縦溝20Aまで延設しているため、シート片S´の先端S"と係合爪24Aの係合は確実に行われる。そして、(ロ)に示すように折り返され、移動ベルト20の移動と共に係合爪24Aはその弾性に効して上方に変位され、ついには(ハ)に示すように係合爪24Aを乗り越え、(ニ)に示すように係合爪24Aはその弾性により即座に元の位置に向けて復帰移動する。そして、その後は(ホ)(ヘ)に示すように固定ベルト24と移動ベルト20との間のロール巻き通路でのロール形成が進行してゆく。即ち、移動ベルト20は矢印方向に移動し、他方、固定ベルト24はその位置を保つことからシート片をロール巻きされながら移動ベルト20上を進んでゆく。そして、固定ベルト面上の突起部24Bにより付与される高摩擦は効率的なロール巻きを行わしめるのに役立つ。以上の(イ)から(ヘ)の動作過程において、係合爪24Aと対向した移動ベルト20の下面側は剛性を有したプラスチック製の受板68(図11)にて受け止められるため、係合爪24Aの安定した作用を保証することができる。以上のロール巻きの過程(イ)〜(ヘ)においてシート片は筋状給水で剛性を或る程度確保しているため、円弧径を大きく維持することができ、太めにまかれた見栄えのある巻きおしぼりの形状とすることができる。
【0028】ロール巻きはロール巻きされたシート片がローラ19を巡る部位でも依然進行しており、この発明では突起部24Bの先端間距離が縮小する部位においても直線部分と同一間隔になるように展開状態におけるその部位の突起部間隔d1からd2に拡開しているため、図9の装着状態では突起先端間の間隔はd2'に縮小し、直線部における間隔d1と実質的に一致していることからこの部位においても他部位と均等なロール巻き作用を行わしめることができる。
【0029】また、固定ベルトの直線部分からロール19の周回を開始する部位は移動ベルト20に対する固定ベルト24の垂れ量が最大となり、そのままではこの部位で突起部24Bの磨耗の進行が早く、局部的磨耗による移動ベルトの寿命短縮の恐れがあるが、この発明ではこの局部的磨耗進行急速部位に耐磨耗性プラスチック素材の凸部70を嵌着した構成としているため、固定ベルトの磨耗促進を抑制し、その寿命の延長を図ることかできる。
【0030】そして、ロール巻き完了したシート片はおしぼりとしてロール巻き通路26の出口26-2より排出される。そして、このときロール状に径が太っていることからおしぼりは出口案内板46をスプリング53に効して幾分押し広げつつ送り出されることになる。また、移動ベルトと固定ベルト間のロール巻き通路26の寸法はロール巻きの進行に応じた拡径=おしぼり形成を実現するように設定すべきものであるが、不織布シートの厚みの小さな変動に対してはスプリング53により通路径が変化し吸収することができる。シートの素材変更などによる大きな厚みの変動に対してはスプリング53のみでは吸収しきれない場合があるが、このときは固定ベルト24の出口端24-2の取付け位置の調節を行うことにより対処することができる。即ち、ピン52が通過する開口46Aを図7に示す如き一連の部分孔とし、使用する部分孔により固定ベルト24の出口端24-2の縦方向位置が変化するため移動ベルト20と固定ベルト24間のロール巻き通路の径の3段階の調節をきわめて簡単に行うことができる。
【0031】以上説明の実施形態ではロール巻き装置は3個のローラ18, 19, 21を有したものであったが、図17に示すような2つのローラ118, 119のみのロール巻き部116を有した巻きおしぼり製造装置であってもこの発明のアイディアは実現することができる。即ち、(1)固定ベルト124には移動ベルト120との間のロール巻き通路126の入り口部分に係合爪124Aを設け、他方、移動ベルト120には固定ベルト124の係合爪124Aの先端が延びてくる縦溝120Aを設け、第1実施例における図13に関連した説明の作用・効果を達成し、(2)固定ベルト124の下面に全面にわたり形成される係合突起124Bのピッチは第1実施形態において図14に関連した説明のように展開状態でのピッチをローラ119を巡る部位において拡開し、(3)固定ベルト124においてローラ119を巡回し始める部位において丈の高い凸部170(図15では詳細図示はしていないが図15と同様な耐磨耗性プラスチックによる別体構成)とし、(4) カセット構造の枠板130へのピン152による出口案内板146の取付け部においては出口案内板146の取付け孔146Aを図7のように複数の部分孔の連接とし、ピン152をして適切な部分孔を選択することにより固定ベルト124の取り付け位置を可変とし、(5) ノズル組立体128を設けることにより図8と同様に多数のノズルよりなる図16と同様のロール巻き直前における筋状給水を行い、確実なロール形成を行わしめ、(6)また、シート片への切断に先立って原反ロールから引き出される連続シートに制動をかける図2及び図3のような制動装置を備えている。
【出願人】 【識別番号】000147110
【氏名又は名称】株式会社杉山
【出願日】 平成14年2月6日(2002.2.6)
【代理人】 【識別番号】100088731
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 孝夫
【公開番号】 特開2003−225180(P2003−225180A)
【公開日】 平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願番号】 特願2002−28918(P2002−28918)