| 【発明の名称】 |
浴槽の表面修復方法および表面強化浴槽 |
| 【発明者】 |
【氏名】松田 信久
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| 【要約】 |
【課題】FRP製およびホーロー製の浴槽の劣化した表面をその強度を高めながら修復する方法、および表面を強化したFRP製およびホーロー製の浴槽を提供する。
【解決手段】浴槽1の表面を研磨して研磨面2を形成する研磨工程と、前記研磨面2にエポキシアクリレート樹脂11を塗装して下地層3を形成する下塗り工程と、前記下地層3にカーボンクロス8を貼って強化層4を形成する強化工程と、前記強化層4にエポキシアクリレート樹脂11を塗装して保護層5を形成する上塗り工程と、で浴槽1を修復する。また、この方法を利用して表面を強化した浴槽を形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】FRP製,ホーロー製,ステンレス製,または人造大理石製の浴槽の劣化した表面を修復する方法であって、少なくとも、浴槽の表面を研磨して研磨面を形成する研磨工程と、前記研磨面にエポキシアクリレート樹脂を塗装して下地層を形成する下塗り工程と、前記下地層にカーボンクロスを貼って強化層を形成する強化工程と、前記強化層にエポキシアクリレート樹脂を塗装して保護層を形成する上塗り工程と、からなることを特徴とする浴槽の表面修復方法。 【請求項2】前記強化工程において、強化層を形成するカーボンクロスに代えて、ケブラークロスを貼ってなることを特徴とする請求項1に記載の浴槽の表面修復方法。 【請求項3】前記強化工程において、強化層を形成するカーボンクロスに代えて、カーボンケブラークロスを貼ってなることを特徴とする請求項1に記載の浴槽の表面修復方法。 【請求項4】前記下塗り工程において、下地層を形成するエポキシアクリレート樹脂にチタンパウダーを混合してなることを特徴とする請求項1、2または3に記載の浴槽の表面修復方法。 【請求項5】前記上塗り工程において、保護層を形成するエポキシアクリレート樹脂に蛍光顔料を混合してなることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の浴槽の表面修復方法。 【請求項6】FRP製,ホーロー製,ステンレス製,または人造大理石製の浴槽であって、その表面には、少なくとも、研磨工程によって研磨して形成した研磨面と、下塗り工程によって、前記研磨面にエポキシアクリレート樹脂を塗装して形成した下地層と、強化工程によって、前記下地層に、カーボンクロス、ケブラークロスまたはカーボンケブラークロスを貼って形成した強化層と、上塗り工程によって、前記強化層にエポキシアクリレート樹脂を塗装して形成した保護層と、を積層した多層構造が形成されていることを特徴とする表面強化浴槽。 【請求項7】前記保護層を形成するエポキシアクリレート樹脂に蛍光顔料が混合されていることを特徴とする請求項6に記載の表面強化浴槽。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、FRP(繊維強化プラスチック)製,ホーロー製,ステンレス製,または人造大理石製の浴槽の表面を補修する方法および表面を強化した浴槽に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、FRP製,ホーロー製,ステンレス製,または人造大理石製の浴槽(洗い場付き浴槽を含む)の劣化した表面を修復する方法として、エポキシ系ボンドを亀裂部分にいわゆるパテ埋めした後、塗料メーカーが開発した浴槽用塗料を浴槽の表面に塗装するものがある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうした従来の修復方法は、浴槽の外観を新品に近いものとすることはできるものの、その表面の強度を高めることはできない。従って、修復後の耐久年数が短いといった問題がある。 【0004】そこで、請求項1乃至5に記載の発明の目的とするところは、FRP製およびホーロー製等の浴槽の劣化した表面をその強度を高めながら修復する方法を提供することにある。また、請求項6および7に記載の発明の目的は、表面を強化したFRP製およびホーロー製の浴槽を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の浴槽の表面修復方法は、FRP製,ホーロー製,ステンレス製,または人造大理石製の浴槽(1)の劣化した表面を修復する方法であって、少なくとも、浴槽(1)の表面を研磨して研磨面(2)を形成する研磨工程と、前記研磨面(2)にエポキシアクリレート樹脂(11)を塗装して下地層(3)を形成する下塗り工程と、前記下地層(3)にカーボンクロス(8)を貼って強化層(4)を形成する強化工程と、前記強化層(4)にエポキシアクリレート樹脂(11)を塗装して保護層(5)を形成する上塗り工程と、からなることを特徴とする。なお、カーボンクロス(8)は、高弾性率炭素繊維8aで織ったクロスである(図3参照)。 【0006】また、請求項2に記載の浴槽の表面修復方法は、前記強化工程において、強化層(4)を形成するカーボンクロス(8)に代えて、ケブラークロス(9)を貼ってなることを特徴とする。ケブラークロス(9)は、芳香族ポリアミド繊維(9a)で織ったクロスである(図4参照)。 【0007】さらに、請求項3に記載の浴槽の表面修復方法は、前記強化工程において、強化層(4)を形成するカーボンクロス(8)に代えて、カーボンケブラークロス(10)を貼ってなることを特徴とする。カーボンケブラークロス(10)は、高弾性率炭素繊維(8a)と芳香族ポリアミド繊維(9a)を交織したクロスである(図5参照)。 【0008】さらに、請求項4に記載の浴槽の表面修復方法は、前記下塗り工程において、下地層(3)を形成するエポキシアクリレート樹脂(11)にチタンパウダーを混合してなることを特徴とする。 【0009】またさらに、請求項5に記載の浴槽の表面修復方法は、前記上塗り工程において、保護層(5)を形成するエポキシアクリレート樹脂(11)に蛍光顔料を混合してなることを特徴とする。 【0010】本発明の請求項6に記載の表面強化浴槽は、FRP製,ホーロー製,ステンレス製,または人造大理石製の浴槽(1)であって、その表面には、少なくとも、研磨工程によって研磨して形成した研磨面(2)と、下塗り工程によって、前記研磨面(2)にエポキシアクリレート樹脂(11)を塗装して形成した下地層(3)と、強化工程によって、前記下地層(3)に、カーボンクロス(8)、ケブラークロス(9)またはカーボンケブラークロス(10)を貼って形成した強化層(4)と、上塗り工程によって、前記強化層(4)にエポキシアクリレート樹脂(11)を塗装して形成した保護層(5)と、を積層した多層構造(T)が形成されていることを特徴とする。 【0011】また、請求項7に記載の表面強化浴槽は、前記保護層(5)を形成するエポキシアクリレート樹脂(11)に蛍光顔料が混合されていることを特徴とする。 【0012】なお、カッコ内の記号は、図面および後述する発明の実施の形態に記載された対応要素または対応事項を示す。 【0013】本発明の請求項1に記載の浴槽の表面修復方法によれば、強化工程においてカーボンクロスを貼って強化層を形成しているので、浴槽表面の強度を高めることができる。カーボンクロスは、耐薬品性、耐食性、耐摩耗性および耐熱性に優れると共に、撓みに対して強いといった大きな特徴を持つ。従って、浴槽の表面に加わるあらゆる方向からの力に対応することができ、浴槽の耐久性を高めることができる。 【0014】また、請求項2に記載の発明によれば、強化工程において、カーボンクロスに代えてケブラークロスを貼って強化層を形成しているので、同様に、浴槽表面の強度を高めることができる。ケブラークロスは、特に、電気絶縁性や自己消化性と共に、耐衝撃性に優れるといった特徴を持つ。従って、浴槽表面の加わる衝撃に対応することができる。 【0015】さらに、請求項3に記載の発明によれば、カーボンクロスに代えて、カーボンケブラークロスを貼って強化層を形成しているので、浴槽表面の強度をさらに高めることができる。カーボンケブラークロスは、カーボンクロスとケブラークロスの長所を併せ持つ。従って、撓みと衝撃の両方に強く、浴槽表面に加わるあらゆる方向からの力と大きな衝撃に対応することができる。 【0016】また、請求項4に記載の発明によれば、下塗り工程において、エポキシアクリレート樹脂にチタンパウダーを混合して下地層を形成したので、硬度の高いチタンのはたらきによって浴槽表面の強度をさらに高めることができる。 【0017】またさらに、請求項5に記載の発明によれば、上塗り工程において、エポキシアクリレート樹脂に蛍光顔料を混合して保護層を形成したので、請求項1乃至4に記載の発明の作用効果に加えて、蛍光顔料が発する蛍光色によって浴槽に装飾性やファッション性を持たせることができる。 【0018】本発明の請求項6に記載の表面強化浴槽によれば、浴槽の表面に、カーボンクロス、ケブラークロスまたはカーボンケブラークロスを貼って強化層を形成しているので、当該浴槽の表面の強度を高めることができる。 【0019】また、請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明の作用効果に加えて、保護層を形成するエポキシアクリレート樹脂に蛍光顔料が混合されているので、当該蛍光顔料が発する蛍光色によって浴槽に装飾性やファッション性を持たせることができる。 【0020】 【発明の実施の形態】図1および図2を参照して、本発明の実施形態に係る浴槽の表面修復方法、および当該方法を利用して構成した表面強化浴槽について説明する。図1は表面強化浴槽を示す断面図であり、図2は図1におけるA部を示す拡大断面図である。 【0021】本発明の実施形態に係る浴槽の表面修復方法は、洗い場を備えたFRP製浴槽1の劣化した表面を修復する方法であって、(1)研磨工程、(2)第一乾燥工程、(3)下塗り工程、(4)強化工程、(5)上塗り工程、(6)第二乾燥工程、(7)装飾工程、(8)トップコート工程、(9)平滑工程、および(10)仕上げ工程からなる。FRP製浴槽にかえて、ホーロー製,ステンレス製,または人造大理石製の浴槽についても適用することができる。 【0022】(1)研磨工程では、劣化した浴槽1の表面をサンドペーパーで研磨して、表面の割れや老朽化したFRPを削り落として研磨面2を形成する。研磨面2を形成することによって、下塗り工程での樹脂の密着性を高めることができる。 【0023】(2)第一乾燥工程では、水で洗浄した後の研磨面2をヒーターガンで強制乾燥する。 【0024】(3)下塗り工程では、劣化したFRPを再生してその強度を高めるために、研磨面2にチタンパウダーを混合したエポキシアクリレート樹脂11を塗装して下地層3を形成する。この塗装は、刷毛、ローラーあるいはゾラコートガンを使用して行なう。エポキシアクリレート樹脂11は、引張および衝撃強さが高く、また、接着性、耐薬品性および耐酸性に優れるので、下地層3を形成する材料として最適である。 【0025】(4)強化工程では、下地層3に図5に示すようなカーボンケブラークロス10を貼って強化層4を形成する。このカーボンケブラークロス10は、軽量(172g/m2)で、肉薄(厚さ0.27mm)のものを使用する。この強化工程によって、浴槽1表面の強度が飛躍的に向上する。なお、カーボンケブラークロス10に代えて、図3に示すような、カーボンクロス8や、図4に示すような、ケブラークロス9を貼って強化層を形成するようにしてもよい。 【0026】(5)上塗り工程では、強化層4にエポキシアクリレート樹脂11を塗装して保護層5を形成する。この保護層5によってカーボンケブラークロス10を覆うとともに、当該カーボンケブラークロス10によって形成される凹凸面を平坦とする。本実施形態では、このエポキシアクリレート樹脂11にチタンパウダーを混合して保護層5の強度をさらに高めている。 【0027】なお、保護層5を形成するエポキシアクリレート樹脂11に着色顔料と蛍光顔料を加えて、浴槽1に装飾性とファッション性を持たせることができるが、本実施形態においては装飾工程においてそれらを行っている。 【0028】(6)第二乾燥工程では、温度を20℃〜25℃に保って、エポキシアクリレート樹脂11を自然乾燥させる。当該エポキシアクリレート樹脂11のゲル化が始まり、その表面を90%程度硬化(指触で指紋がつく程度)させた後、次の装飾工程に移る。 【0029】(7)装飾工程では、着色顔料を使用してぺーストカラー法によって装飾層6を形成することもできるし、また、エポキシアクリレート樹脂11に着色顔料と蛍光顔料を加えて、それを上塗り工程で塗装したエポキシアクリレート樹脂11の上に塗装して装飾層6を形成することもできる。この装飾工程を施すことにより、浴槽1に装飾性とファッション性を持たせることができる。 【0030】(8)トップコート工程では、エポキシアクリレート樹脂11(高耐熱性)を、刷毛、ローラー、ゾラコートガン等を使用して、縦方向と横方向へ交差させるいわゆるクロス塗りやクロス吹きによって塗装し、トップコート層7を形成する。このトップコート層7によって浴槽1の表面はさらに保護され強度が向上する。 【0031】(9)平滑工程では、トップコート層7が完全に硬化した後、その表面を荒目のサンドペーパーから細目のサンドペーパーに変えながら徐々に平滑面に仕上げる。こうすることにより、表面に傷の残らない美しい平滑面を得ることができる。 【0032】(10)仕上げ工程では、トップコート層7の平滑面を水洗いして乾燥させた後、コンパウンドで磨き、さらに電動ポリッシャーで磨き上げ、より美しい平滑面を得る。 【0033】これらの工程により、浴槽1を、強度が高く、装飾性とファッション性に優れ、美しくて光沢に満ちたものとすることができる。 【0034】本実施形態では、浴槽の表面修復方法について示したが、表面に、カーボンクロス8、ケブラークロス9またはカーボンケブラークロス10を貼って強化層を形成して強度を高めた浴槽1を新品として提供することもできる。適用可能な浴槽1としては、FRP製、ホーロー製,ステンレス製,または人造大理石製のものがあげられる。 【0035】 【発明の効果】本発明の請求項1に記載の浴槽の表面修復方法によれば、強化工程において、カーボンクロスを貼って強化層を形成しているので、浴槽表面の強度を高めることができる(特に撓みに対する強度)。従って、浴槽の耐久性を高めることができる。 【0036】また、請求項2に記載の発明によれば、カーボンクロスに代えてケブラークロスを貼って強化層を形成しているので、同様に、浴槽表面の強度を高めることができる(特に衝撃に対する強度)。 【0037】さらに、請求項3に記載の発明によれば、カーボンクロスに代えて、カーボンケブラークロスを貼って強化層を形成しているので、浴槽表面の強度をさらに高めることができる(撓みと衝撃に対する強度)。これにより、浴槽の耐久性を大きく向上させることができる。 【0038】また、請求項4に記載の発明によれば、下塗り工程において、エポキシアクリレート樹脂にチタンパウダーを混合して下地層を形成したので、硬度の高いチタンのはたらきによって浴槽表面の強度をさらに高めることができる。 【0039】またさらに、請求項5に記載の発明によれば、上塗り工程において、エポキシアクリレート樹脂に蛍光顔料を混合して保護層を形成したので、請求項1乃至4に記載の発明の作用効果に加えて、蛍光顔料が発する蛍光色によって浴槽に装飾性やファッション性を持たせることができる。 【0040】本発明の請求項6に記載の表面強化浴槽によれば、浴槽の表面に、カーボンクロス、ケブラークロスまたはカーボンケブラークロスを貼って強化層を形成したので、当該浴槽の表面の強度を高めることができる。これにより、浴槽の耐久性を向上させることができる。 【0041】また、請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明の作用効果に加えて、保護層を形成するエポキシアクリレート樹脂に蛍光顔料が混合されているので、当該蛍光顔料が発する蛍光色によって浴槽に装飾性やファッション性を持たせることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】502045862 【氏名又は名称】松田 信久 【識別番号】502045873 【氏名又は名称】森 嘉章
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| 【出願日】 |
平成14年2月6日(2002.2.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105175 【弁理士】 【氏名又は名称】山広 宗則 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−225176(P2003−225176A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月12日(2003.8.12) |
| 【出願番号】 |
特願2002−29973(P2002−29973) |
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