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【発明の名称】 不織布製洗浄具及びその操作具
【発明者】 【氏名】十楚 光章

【要約】 【課題】使い捨て用として安価に製作可能で、しかも浴用として好適に使用可能な不織布製洗浄具及びその操作具を提供する。

【解決手段】熱可塑性合成樹脂材料からなるバインダー繊維を含む、短繊維ニードルパンチ不織布からなる素材布を熱プレス成形することにより、該素材布の第1面側に複数の洗浄用突起3を突出状に形成し、該素材布の第2面側に洗浄用突起3に隣接させて洗浄用突起3の周面に滑らかに連なる周面を有する変形促進用突部4を突出状に形成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱可塑性合成樹脂材料からなるバインダー繊維を含む、短繊維ニードルパンチ不織布からなる素材布を熱プレス成形することにより、該素材布の第1面側に複数の洗浄用突起を突出状に形成し、該素材布の第2面側に洗浄用突起に隣接させて洗浄用突起の周面に滑らかに連なる周面を有する変形促進用突部を突出状に形成したことを特徴とする不織布製洗浄具。
【請求項2】 前記洗浄用突起として、頂部に平坦面を形成した円錐台状の突起を形成し、前記変形促進用突部として、頂部が球面状の略円錐形の突部を形成した請求項1記載の不織布製洗浄具。
【請求項3】 前記複数の洗浄用突起として、頂部に平坦面を形成した円錐台状の突起と、頂部が球面状の略円錐形の突起とを混在して形成し、前記変形促進用突部として、頂部が球面状の略円錐形の突部を形成した請求項1記載の不織布製洗浄具。
【請求項4】 前記素材布として、目付けを200〜700g/m2に設定した不織布を用いた請求項1〜3のいずれか1項記載の不織布製洗浄具。
【請求項5】 前記素材布として、複数枚の不織布を積層してなるものを用いた請求項1〜4のいずれか1項記載の不織布製洗浄具。
【請求項6】 前記素材布として、基材不織布の表面に基材不織布よりも柔軟で肌触りの良い表面不織布を積層してなるものを用いた請求項5記載の不織布製洗浄具。
【請求項7】 前記素材布として、熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした不織布を用いた請求項1〜6のいずれか1項記載の不織布製洗浄具。
【請求項8】 前記洗浄用突起の平坦面の直径を8〜30mmに設定した請求項2〜7のいずれか1項記載の不織布製洗浄具。
【請求項9】 前記洗浄用突起の高さを6〜14mmに設定し、変形促進用突部の高さを3〜8mmに設定するとともに、前記洗浄用突起と変形促進用突部の高さの和を9〜21mmに設定し、前記洗浄用突起の高さと変形促進用突部の高さの比を1対0.5〜1対1の範囲に設定した請求項1〜8のいずれか1項記載の不織布製洗浄具。
【請求項10】 外縁部にスリット又は抜き孔からなる複数の挿入口を形成し、挿入口よりも外側に帯状の引っ掛け部を形成した請求項1〜9のいずれか1項記載の不織布製洗浄具。
【請求項11】 請求項10記載の不織布製洗浄具の外形に応じた形状の取付面を有し、外縁部に洗浄具の引っ掛け部に対応させて爪部を突出状に形成した略平板状の取付板と、取付板から延びる操作用のハンドル部とを備え、洗浄具の引っ掛け部を爪部に引っ掛けて取付面に対して洗浄具を固定可能となした不織布製洗浄具の操作具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浴用として好適に利用可能な不織布製洗浄具及びその操作具に関する。
【0002】
【従来の技術】不織布成形品は、合成樹脂製のフィルム成形品やシート成形品と比較して、繊維としての風合いを有し高級感を付与できることから、ギフト商品を箱詰めする際に使用するトレー等で広く採用されているが、最近では比較的高い突起を成形可能な技術が本出願人により開発され、例えば特開平11−315458号公報に記載のように、使い捨てヘアブラシなどの成形品にも応用されつつある。
【0003】一方、浴用洗浄具としては、糸瓜や海綿が伝統的に用いられ、また木綿製のタオルや手ぬぐい以外に麻やナイロン製の垢すりタオルやスポンジ類、ボディーブラシ等が広く使用されている。これらの浴用洗浄具は、それぞれ独特の使用感があり、根強く幅広く愛用されている。しかし、旅館、ホテル、スポーツクラブ等で不特定多数の利用者に提供しようとする場合、使い捨てにするにはコストがかかりすぎ、備品として備え付けにするには衛生管理上に問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記公報に記載の使い捨てヘアブラシでは、ヘアブラシとしての良好な使用感が得られるように、梳り感や頭皮への突起の到達感が重視され、高くて強度のある突起を高い密度で形成しているが、直接皮膚を摩擦する浴用の洗浄具として使用する場合には、先端の尖った強度のある突起では皮膚に対してピンポイントで接するため良好な使用感を得ることは困難で、この公報に記載のヘアブラシをそのまま浴用洗浄具として使用することは困難であった。
【0005】本出願人は、良好な使用感の不織布製浴用洗浄具を実現するため、浴用洗浄具に形成する洗浄用突起の形状、大きさ、配置等と、それらの実際の使用感について種々の検討を行った。その結果、洗浄用突起の頂部の面積が小さい場合には、その形状にかかわらず、成形時に先端部を構成する素材布が引き伸ばされて固くなり、若干のマッサージ的刺激効果や掻痒感は得られるが皮膚への適度な摩擦感に乏しく、洗浄用突起の頂部の面積が大きすぎる場合には、肌の湾曲面や凹凸面へのフィット感が充分に得られないことを見出した。また、洗浄用突起の高さを極端に高くした場合、洗浄用突起の側壁部を構成する素材布がその成形時に過度に引き伸ばされて固くなり、柔軟性が損なわれることから、肌面の凹凸に対する追随性が悪く、肌面の凸部と凹部とで摩擦感に大きな差が生じ、この場合も浴用洗浄具として良好な使用感が得られないことがわかった。
【0006】以上のことより本出願人は、熱可塑性合成樹脂材料からなる短繊維ニードルパンチ不織布を熱プレス成形して、浴用洗浄具としての良好な使用感を得るためには、洗浄用突起の頂部の面積がその成形高さに応じて、素材布の風合いが残せる程度に適度に大きく、肌面の凹凸に追随できる程度の高さを備え、適度のクッション性を得るためには、洗浄用突起の側壁部が適度の強度と柔軟性を備えていなければならないことを見出した。
【0007】本発明の目的は、使い捨て用として安価に製作可能で、しかも浴用として好適に使用可能な不織布製洗浄具及びその操作具を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段及びその作用】本発明に係る不織布製洗浄具は、熱可塑性合成樹脂材料からなるバインダー繊維を含む、短繊維ニードルパンチ不織布からなる素材布を熱プレス成形することにより、該素材布の第1面側に複数の洗浄用突起を突出状に形成し、該素材布の第2面側に洗浄用突起に隣接させて洗浄用突起の周面に滑らかに連なる周面を有する変形促進用突部を突出状に形成したものである。
【0009】この不織布製洗浄具では、素材布の第1面側に突出状に形成した複数の洗浄用突起の周面と、第2面側へ突出状に形成した変形促進用突部の周面とが、滑らかに連なる傾斜面や湾曲面からなる滑斜面で構成され、この滑斜面の弾性変形により、洗浄用突起の高さ方向へのクッショク性が高められ、洗浄面の微妙な凹凸に合わせて洗浄用突起の高さが変わることになる。このため、この不織布洗浄具を例えば浴用として使用すると、肌面に軽く押し付けることにより、洗浄面の微妙な凹凸に合わせて洗浄用突起の高さが変わり、良好なフィット感が得られる。特に、洗浄用突起の中心と変形促進用突起の中心を通る断面における滑斜面の平面に対する傾斜角度を30〜60度、望ましくは45度前後の角度に設定すると、滑斜面の弾性変形が促進されて、より一層良好なフィット感が得られる。
【0010】このような不織布製洗浄具は、安価に製作でき、使い捨て使用が可能なので、ホテル、旅館、スポーツクラブ等において、不特定多数の利用客に提供する浴用洗浄具として好適に利用できる。この不織布洗浄具は、体を洗う浴用洗浄具として特に好適であるが、平坦面或いは滑らかな曲面であれば、体を洗うときと同じように、洗浄用突起が洗浄面にフィットするので、浴槽、洗面台や台所のシンク、床、自動車ボディなどの洗浄用としても好適に利用できる。
【0011】また、この不織布製洗浄具は、マッチモールドプレス型を用いて成形することが可能で、具体的には第1プレス型に洗浄用突起を成形する複数の第1雄型様成形部を突出状に形成し、第2プレス型に変形促進用突部を成形する第2雄型様成形部を突出状に形成し、双方のプレス型間に素材布が挟持されないようにしつつ、第1及び第2雄型様成形部で素材布をそれぞれ対面するプレス型側へ突き出し、両雄型様成形部で該素材布に洗浄用突起及び変形促進用突部を熱プレス成形することで容易に製作できる。
【0012】ここで、前記洗浄用突起として、頂部に平坦面を形成した円錐台状の突起を形成し、前記変形促進用突部として、頂部が球面状の略円錐形の突部を形成してもよい。この場合には、熱プレス成形による素材布の伸びが、洗浄用突起及び変形促進用突部の周面からなる滑斜面と、変形促進用突部の頂部とに集中的に配分され、洗浄用突部の頂部の平坦面における素材布の伸びが抑制されて、肌面に当たる洗浄用突起の平坦面に不織布の風合いが残るので、肌触りの良い不織布製洗浄具を実現できる。尚、このような不織布製洗浄具を実現するため、変形促進用突部の球面状の頂部の半径は1〜4mm、望ましくは1.5〜3mm程度に設定することになる。
【0013】前記複数の洗浄用突起として、頂部に平坦面を形成した円錐台状の突起と、頂部が球面状の略円錐形の突起とを混在して形成し、前記変形促進用突部として、頂部が球面状の略円錐形の突部を形成してもよい。洗浄用突起においては、その頂部を平坦面で構成すると、肌面に対して適度な摩擦感が得られ、また球面状に構成すると肌面に対してマッサージ感や刺激感が得られるが、この発明では両者を混在させているので、摩擦感と、マッサージ感及び刺激感の両方が得られることになる。
【0014】前記素材布として、目付けを200〜700g/m2に設定した不織布を用いてもよい。素材布の目付が200g/m2を下回ると、洗浄用突起の側面の強度が低下して十分な弾性が得られないことから、好適な使用感が得られず、700g/m2を超えると洗浄用突起の側面が固くなりすぎて肌面への追随性が低下するため、素材布としては目付けが200〜700g/m2の不織布を用いることが好ましい。
【0015】前記素材布として、複数枚の不織布を積層してなるものを用いてもよい。複数枚の不織布を積層すると、例えば外面部を構成する不織布と、厚さ方向の中央部を構成する不織布とでその素材や繊維長を変えることで、種々の使用条件に応じた成形品を製作することが可能となる。また同種の不織布を用いる場合でも、複数枚の不織布を積層することで、素材布の肉厚を容易に厚く設定でき、成形品の風合いや機械的強度を向上できる。また、前記素材布として、基材不織布の表面に基材不織布よりも柔軟で肌触りの良い表面不織布を積層してなるものを用いると、基材不織布で機械的強度を確保し、表面不織布により使い心地性を向上できる。尚、表面不織布としては、スパンレース不織布や、極細繊維を用いたニードルパンチ不織布や、ニードルパンチのパンチング密度を少なくして柔らかく仕上げたニードルパンチ不織布等を好適に利用できる。
【0016】前記素材布として、熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした不織布を用いてもよい。この場合には、ラミネートした熱可塑性樹脂フィルムにより素材布の機械的強度が高められるので、より薄い不織布を使用しても充分な機械的強度が得られ、弾性も増すことから、よりフィット感の良い浴用に好適な不織布製洗浄具を提供できる。
【0017】前記洗浄用突起の平坦面の直径を8〜30mmに設定してもよい。洗浄用突起の平坦面の直径が8mm未満の場合には、浴用洗浄具として使用する場合に、肌面との接触面積が少なくなって適度な摩擦感が得られなくなり、30mmを超えると洗浄用突起及び変形促進用突部の周面からなる滑斜面の面積比率が小さくなり、クッション性が悪くなって肌面へのフィット感が乏しくなるので、洗浄用突起の頂部の直径は8〜30mmに設定することが好ましい。
【0018】前記洗浄用突起の高さを6〜14mmに設定し、変形促進用突部の高さを3〜8mmに設定するとともに、前記洗浄用突起と変形促進用突部の高さの和を9〜21mmに設定し、前記洗浄用突起の高さと変形促進用突部の高さの比を1対0.5〜1対1の範囲に設定してもよい。不織布製洗浄具を浴用として使用する際に、肌面への良好なフィット感を得るためには、洗浄用突起及び変形促進用突部の周面からなる滑斜面を、柔軟性を失わない様に成形できる高さの範囲で、できるだけ大きくとる必要がある。
【0019】前記洗浄用突起と変形促進用突部の高さの和が21mmを越えると、成形時に洗浄用突起及び変形促進用突部の壁面が過度に引き伸ばされて弱くなり、座屈を起こしたりして好適な使用に適さず、また洗浄用突起の間隔も広くなって洗浄用突起の密度も低下する。また、9mm未満の場合には滑斜面の比率が低くなってクッション性が不足し、浴用洗浄具として好適な使用感を得ることができない等の不都合が生じるので、洗浄用突起と変形促進用突部の高さの和は9〜21mmに設定することが好ましい。
【0020】また、使用時に、肌面に触れる洗浄用突起の頂部が、肌面に対して良好な追随性を備えるためには、洗浄用突起の高さが、変形促進用突部の高さより高いことが望ましい。具体的には、前述のように洗浄用突起と変形促進用突部の高さの和を9〜21mmの範囲に設定する場合には、洗浄用突起と変形促進用突部の高さの比を1対0.5〜1対1に設定することで、最も好適な使用感が得られる。
【0021】洗浄具の外縁部にスリット又は抜き孔からなる複数の挿入口を形成し、挿入口よりも外側に帯状の引っ掛け部を形成してもよい。この場合には、挿入口に手指を差し入れて引っ掛け部を手指を引っ掛けることで、洗浄具を保持することが可能となる。
【0022】本発明に係る不織布製洗浄具の操作具は、前記不織布製洗浄具の外形に応じた形状の取付面を有し、外縁部に洗浄具の引っ掛け部に対応させて爪部を突出状に形成した略平板状の取付板と、取付板から延びる操作用のハンドル部とを備え、洗浄具の引っ掛け部を爪部に引っ掛けて取付面に対して洗浄具を固定可能となしたものである。
【0023】この操作具においては、前記不織布製洗浄具に形成した挿入口及び引っ掛け部を活用して洗浄具を取付板に着脱自在に固定でき、またハンドル部を適当な長さに設定することで、取付部に取り付けた洗浄具で、柄付のボディーブラシのように手の届きにくい背面部をこすったり、スポーツクラブ等の狭いシャワー室内でも、立った姿勢のまま楽に足元を洗うことが可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。先ず、不織布製洗浄具としての浴用洗浄具の構成について説明する。図1〜図6に示すように、浴用洗浄具1は、不織布からなる素材布に熱プレス成形を施して製作したもので、基底部としての略平坦な外周フランジ2と、外周フランジ2の内側に配置され、外周フランジ2よりも上側(第1面側)へ突出した略円錐台状の複数の洗浄用突起3と、隣接する洗浄用突起3間に配置した複数の変形促進用突部4であって、外周フランジ2よりも下側(第2面側)へ突出した略円錐形状の複数の変形促進用突部4と、外周フランジ2に相互に間隔をあけて形成した複数の挿入口6とを備え、洗浄用突起3を外側に位置させて、この浴用洗浄具1を図7に示すように手に保持したり、図9に示すように操作具10に取り付けて、洗浄用突起3の頂面で体をこすり洗いするように構成されている。
【0025】浴用洗浄具1は、図1、図2に示すように、略長方形に形成してもよいが手で保持しやすい形状と大きさのものであれば円盤状のものでもよいし、正方形やその他の形状に形成してもよい。
【0026】洗浄用突起3は、頂面3aを平坦面で構成した円錐台状に形成され、外周フランジ2の内側において浴用洗浄具1の所定の配列で複数形成されている。但し、洗浄用突起3の形状は、円錐台以外の形状、例えば角錐台やその他、花の形、動物の形等に形成してもよい。また、頂面3aは、肌面に対する摩擦感が大きく低下しない範囲で、緩やかな球面に形成してもよい。更に、同じサイズの洗浄用突起3を形成したが、高さやサイズの異なる洗浄用突起3を形成してもよく、例えば、中央部側へ行くにしたがって高い洗浄用突起3を配置したり、大きい洗浄用突起3を配置してもよい。
【0027】洗浄用突起3の配列は、図1では4行3列のマトリックス状に配列したものを例示したが、それ以外の行数及び列数でマトリックス状に配列することも可能である。また、隣接する行又は列の洗浄用突起3を半ピッチずらして配置してもよい。更に、行方向に対する洗浄用突起3の配設ピッチと、列方向に対する洗浄用突起3の配設ピッチに差を持たせて配置することも可能である。また、中央部側と外縁部側とで配設ピッチに差を持たせてもよく、例えば中央部側へ行くにしたがって配設ピッチが大きくなるように設定してもよい。更に、併設した1乃至複数の多角形の各頂点に対応させて洗浄用突起3を配置させることも可能である。特に、併設した複数の正三角形又は正四角形の頂点位置に洗浄用突起3を配置したものは、洗浄用突起3の弾性を適正に設定し易いので好ましい。
【0028】変形促進用突部4は、頂部を半球面に形成した略円錐形に形成され、洗浄用突起3に隣接させて洗浄用突起の配列に応じた所定のパターンで設けられている。具体的には、複数の洗浄用突起3で囲まれる面の略中心位置に設けることになり、例えば、洗浄用突起3を正方形や長方形の4つの頂点に対応させて設ける場合には、これら正方形や長方形の対角線の交点の位置に変形促進用突部4を設け、また三角形や六角形の各頂点に対応させて洗浄用突起3を設ける場合には、三角形や六角形の中心位置に変形促進用突部4を設けることになる。但し、洗浄用突起3と変形促進用突部4のそれぞれの周面が滑らかに連なるように配置されていれば、任意の配列で配置することが可能である。
【0029】隣接する洗浄用突起3の周面と変形促進用突部4の周面とは滑らかに連なる、傾斜面や湾曲面からなる滑斜面5で構成され、洗浄用突起3の中心と変形促進用突部4の中心を通る断面において、外周フランジ2に対する滑斜面5の傾斜角度Jは30度〜60度、望ましくは45度前後に設定されている。傾斜角度Jは、30度未満の場合には、肌面に押し当てたときの圧縮力により滑斜面5は容易に変形するが、反発力が低下して良好なクッション性が得られず、60度を超えると、滑斜面5の垂直方向の強度が増し、変形し難くなってクッション性が損なわれるため、30度〜60度に設定することになる。
【0030】前記浴用洗浄具の洗浄用突起3の頂面3aは、その直径Lが15mmを下回るぐらいから徐々に使用時の心地好い摩擦感が低下し始め、8mm未満の場合には面積が小さすぎる上に、成形時に頂面3aが側面側に引っ張られて硬くなるため、一定のマッサージ感,刺激感はあるが、肌面に対しての適度な摩擦感は得られなくなる。また、その直径Lが30mmを越えると、頂面3の肉厚は十分に残るため不織布の風合は保てるが、洗浄用突起3と変形促進用突部4の周面からなる滑斜面5の単位面積当たりに占める比率が小さくなり、クッション性が悪くなって肌面へのフィット感が乏しくなるので、洗浄用突起3の頂面3の直径Lは8〜30mm、望ましくは15〜30mmに設定することが好ましい。
【0031】前記変形促進用突部4の頂部は良好な成形性を確保するために、半球状に構成されている。頂部の半径Rの大きさは、1mm未満の場合には、成形時に変形促進用突部の頂部に集中的に張力が作用して、成形時に破れが発生しやすくなり成形性が著しく低下する。また、頂部の半径Rの大きさが4mmを越えると、変形促進用突部4の底部の直径が高さに比較して大きくなりすぎ、結果として洗浄用突起3と変形促進用突部4に連なる滑斜面5が小さくなりクッション性が悪くなるため、変形促進用突部4の頂部の半径Rは1〜4mm、望ましくは1.5〜3mm程度に、成形性に影響しない範囲で、できるだけ小さく設定することが好ましい。
【0032】後述の評価試験の結果より、洗浄用突起3の高さHが6mm未満、変形促進用突部4の高さIが3mm未満の場合には良好なクッション性が得られず、また、洗浄用突起3の高さHと変形促進用突部4の高さIの和が21mmを越えると洗浄用突起の側面部の強度が低下し、良好なクッション性を得るための十分な弾性も得られなくなり、また洗浄用突起3と変形促進用突部4の周面からなる滑斜面5の占める割合が増加し、結果として単位面積当たりの洗浄用突起3の密度も低下して良好な使用感が得られなくなることから、洗浄用突起3の高さHと変形促進用突部4の高さIの和は9〜21mmに、望ましくは最も良好な使用感が得られる12〜16mmに設定することが好ましい。
【0033】また、洗浄用突起3の高さHと変形促進用突部4の高さIの比率が、概ね1対0.5〜1対1の範囲で最も良好な使用感が得られたことにより、洗浄用突起3の高さHは6〜14mmに、変形促進用突部4の高さIは3〜8mmに設定することが好ましい。
【0034】挿入口6は、浴用洗浄具1の形状や大きさに応じて、把持しやすいように、任意にその形成位置や長さや個数を設定できる。挿入口6は、外周フランジ2に対して切り込みを入れてスリット状に形成してもよいし、打ち抜きにより穴状に形成してもよい。外周フランジ2のうちの挿入口6よりも外側の部分には帯状の引っ掛け部2aが形成され、浴用洗浄具1を手で直接保持する場合には、図7に示すように、浴用洗浄具1の変形促進用突部4側に手を当てがつて、外周フランジ2の長辺側の2ヶ所の挿入口6に親指と小指を挿入して、該挿入口6の外側の引っ掛け部2aを親指と小指を引っ掛け、人差し指と薬指をコーナー部の2ヶ所の挿入口6に挿入して、該挿入口6の外側の引っ掛け部2aを人差し指と薬指を引っ掛けて、浴用洗浄具1を手に取り付けることになる。但し、挿入口6及び引っ掛け部2aとは別に把持手段を設けることも可能である。例えば外周フランジ2の一方の長辺の途中部に外方へ延びる帯状片を設け、この帯状片の端部を外周フランジ2の他方の長辺の途中部に接合したり、外周フランジ2の1対の長辺の途中部に外方へ延びる帯状片をそれぞれ設け、両帯状片の端部同士を接合して、浴用洗浄具1の裏面側に手を差し入れる環状の把持部を形成してもよい。
【0035】但し、浴用洗浄具1としては、外周フランジ2と、外周フランジ2よりも上方へ突出した、頂部が略平坦な洗浄用突起3と、外周フランジ2から下方へ突き出した、頂部が球形の変形促進用突部4とを備え、洗浄用突起3の中心と変形促進用突起4の中心を通る断面における滑斜面5の平面に対する傾斜角度Jを30度〜60度、望ましくは45度前後に設定したものであれば、任意の構成のものを採用できる。
【0036】浴用洗浄具1の素材布としては、成形性、強度、嵩高性等を考慮して、熱可塑性合成樹脂材料からなるバインダー繊維を配合した短繊維ニードルパンチ不織布が採用されている。バインダー繊維は洗浄用突起3及び変形促進用突部4の強度を確保するため30重量%以上配合することが好ましい。また、使用目的から考えて、熱可塑性合成樹脂材料からなる合成繊維として比較的高い吸水性を持ち、入手も容易なポリエステル短繊維ニードルパンチ不織布が好適である。また更に、吸水性を高めるためにポリエステル中空繊維や吸水アクリル繊維等を配合することも可能である。
【0037】但し、素材布として他の構成のものを用いることも可能である。成形性を有する不織布であれば、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維等他の素材のものや、それらとポリエステルを含めた合成繊維に綿、ウール等の天然繊維や、レーヨン等の再生繊維を、成形性を損なわない範囲で適量配合することも可能である。
【0038】素材布の目付けが200g/m2未満の場合には洗浄用突起3と変形促進用突部4の周面からなる滑斜面5の強度が低下するため、使用時に洗浄用突起3にかかる圧力に対する十分な反発力が不足することから、肌面に対する適度な摩擦感が得られず、また、700g/m2を超えると、成形性が極端に悪くなることと、前記滑斜面5が硬くなりすぎ、弾性変形しにくくなって、使用時の肌面に対する追随性が低下し良好な使用感が得られないため、素材布の目付けは200〜700g/m2に設定することが好ましい。但し、複数枚の不織布を積層して所望の目付けが得られるように構成してもよい。また、この場合には、短繊維ニードルパンチ不織布に対して長繊維スパンボンド不織布を積層することも可能であるし、異種素材で構成される短繊維ニードルパンチ不織布どうしを積層させることも可能である。更に、表層に基材不織布より柔軟で肌触りの良いスパンレース不織布や、極細繊維を用いたニードルパンチ不織布、ニードルパンチのパンチング密度を低くして柔らかく仕上げた不織布等を積層して表層にソフト感やボリューム感を持たせ、使用時に良好なクッション性を得るための弾性や強度を基材不織布で付与し、より使用感の良い浴用洗浄具を得ることもできる。
【0039】また、素材布として、ポリオレフィン系やエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性樹脂フィルムを不織布にラミネートしたものを用いることも可能である。熱可塑性樹脂フィルムの厚さは任意に設定可能であるが、成形性等を考慮すると10〜100μに設定することが好ましい。このように不織布に熱可塑性樹脂フィルムをラミネートすることにより、より薄い不織布を使用しても十分な機械的強度が得られ、弾性も増すことから、よりフィット感のよい浴用洗浄具を提供できる。
【0040】次に、浴用洗浄具1の操作具10について説明する。図8に示すように、操作具10は、浴用洗浄具1を取付可能な略平板状の取付板11と、取付板11から外方へ延びる棒状のハンドル部12と備え、取付板11の表面側に浴用洗浄具1をセット可能な略平坦な取付面11aを形成し、裏面側の外縁部に浴用洗浄具1の挿入口6に対応させて複数の爪13を突出状に形成したものである。操作具10の素材としては、木、プラスチックや金属等種々の材料を選択できるが、使用目的から考えると、強度剛性を有し、しかも軽量な発泡ポリプロピレン等からなるプラスチックの射出成形品を採用することが好ましい。
【0041】浴用洗浄具1を操作具10に取り付けるには、図8、図9に示すように、浴用洗浄具1の洗浄用突起3が外面側に位置するように浴用洗浄具1を取付面11aにセットし、浴用洗浄具1の引っ掛け部2aを取付板11の裏面側へ引っ張って、爪13に順次引っ掛けて固定することになる。
【0042】このようにして浴用洗浄具1を操作具10に取り付けて使用すると、手の届きにくい背中を洗うときや、狭いシャワー室で足元を洗うときにもかがむことなく、楽な姿勢で使用することができる。また、浴用洗浄具1の裏面に配したクッション性を得るための変形促進用突部4全体を、平坦な取付面11aで均等に受け止めるために、手に持って使用する場合と比較して、よりクッション性に優れた使用感を実現できる。また、棒状のハンドル部12の代わりに、取付板11の裏面側に把持部を設けて、柄の無い状態で使用できるようにしても良い。更に、取付面11aは、平坦面で構成してもよいが、緩やかな円弧面等の曲面に構成しても良い。
【0043】次に、素材布の構成と目付けを選定するために行った試験について説明する。試験品として次のような構成の素材布を用い、図1〜図6に示す浴用洗浄具1を製作し、成形性と使用感の評価試験を行い、表1に示す結果を得た。但し、表1中の◎、○、△、×は評価マークであり、◎は非常に良い評価、○は良い評価、△はやや悪い評価、×は悪い評価をそれぞれ表すものとする。
【0044】
試験品1:目付150g/m2のポリエステル短繊維ニードルパンチ不織布試験品2:目付200g/m2のポリエステル短繊維ニードルパンチ不織布試験品3:目付275g/m2のポリエステル短繊維ニードルパンチ不織布試験品4:目付750g/m2のポリエステル短繊維ニードルパンチ不織布試験品5:試験品1の裏面に30μm厚さのポリプロピレン(PP)フィルムをラミネート試験品6:試験品1の裏面に100μm厚さのポリプロピレン(PP)フィルムをラミネート試験品7:試験品2の裏面に30μm厚さのポリプロピレン(PP)フィルムをラミネート試験品8:試験品2の表面に50g/m2の、バインダー繊維を含まない細デニール(2d)のポリエステル短繊維ニードルパンチ不織布をラミネート【0045】
【表1】

【0046】表1から、素材布の目付けが750g/m2になると成形性が悪くなってくるが、それ以外のものについては成形上に大きな問題は無いものと判った。また、素材布の目付が200g/m2を下回ると、洗浄用突起3と変形促進用突部4の周面からなる滑斜面5の強度が低下し、良好なクッション性と肌面に対するフィット感が得られず、また、750g/m2に達すると滑斜面5の強度がありすぎて弾力性に乏しくなり、これも良好な使用感は得られなかった。
【0047】また、熱可塑性樹脂フィルムをラミネートすることにより、浴用洗浄具1の強度を上げることができ、より目付けの低い不織布を用いても使用感をある程度改善できることが判った。試験品8においては素材布表面に肌触りの良い薄い不織布を積層することにより、より一層使用感を向上できることが判った。
【0048】次に、浴用洗浄具1の評価試験について説明する。先ず、洗浄用突起3及び変形促進用突部4の形状の検討を行うため、素材布として目付け275g/m2のポリエステル短繊維ニードルパンチ不織布を用い、洗浄用突起3及び変形促進用突部4の形状を図10(a)〜(c)に示すように設定した3種類の浴用洗浄具を作成し、成形性、強度、クッション性、摩擦感、について比較して、表2に示す結果を得た。但し、表2中の◎、○、△、×は評価マークであり、◎は非常に良い評価、○は良い評価、△はやや悪い評価、×は悪い評価をそれぞれ表すものとする。
【0049】図10(a)の浴用洗浄具(円柱形+半球形)は、略円柱形の洗浄用突起3と、半球形の変形促進用突部4とを備えたものである。図10(b)の浴用洗浄具(円錐台+円錐形)は、滑斜面5に大きな角度を持たせた円錐台状の洗浄用突起3と、頂部が球形の円錐形の変形促進用突部4とを備えたものである。図10(c)の浴用洗浄具(円錐形+円錐形)は、頂部を半径が3mm程度の球面状となした比較的大きな円錐形の洗浄用突起3と、頂部の半径を洗浄用突起3よりも小さく設定した円錐形の変形促進用突部4とを備えたものである。なお、上記3種類の浴用洗浄具は、洗浄用突起3の高さを8mm、変形促進用突部4の高さを4mmにそれぞれ設定して評価試験を行った。
【0050】
【表2】

【0051】表2から、円錐台+円錐形の方が、他の円柱形+半球形、円錐形+円錐形よりも好ましいことが判る。また、円錐形+円錐形においては頂部の肌面への接触面積が小さいため摩擦感という面では十分でないが、肌への刺激感,マッサージ効果の面では使い心地という点で評価できるものがあった。
【0052】次いで、前記評価試験において良い結果の得られた円錐台+円錐形の組み合わせについて、洗浄用突起3の高さHとその頂部の大きさについて比較検討した。先ず、洗浄用突起3の頂部平面の大きさについては、洗浄用突起3の高さHを8mmに、変形促進用突部4の高さIを4mmに設定し、頂部の直径Lを8、15、25、30、35、40mmの6段階に変更した浴用洗浄具を作成し、夫々の使用感を比較して表3及び表4に示す結果を得た。但し、表3、表4中の◎、○、△、×は評価マークであり、◎は非常に良い評価、○は良い評価、△はやや悪い評価、×は悪い評価をそれぞれ表すものとする。洗浄用突起3の配置については、浴用洗浄具として好ましい寸法の範囲で、洗浄用突起3の中心と変形促進用突部4の中心を通る断面において、外周フランジ2に対する滑斜面5の傾斜角度Jが50度を越えず、且つ、隣り合う洗浄用突起同士の間隔が洗浄用突起の高さHを下回らない範囲で、上記の大きさの洗浄用突起が最も多く配置できるよう調製した。
【0053】
【表3】

【0054】
【表4】

【0055】表3及び表4の結果より、洗浄用突起3の頂部の直径Lについては、その大きさが15mm〜25mmの範囲で好ましい使用感を得られることが判った。頂部の直径Lが8mm未満の場合には、クッション性は十分であり、肌面への好ましい刺激感,マッサージ感は得られたが、肌面への接触面積が小さすぎて良好な摩擦感は得られなかった。また頂部の直径Lが概ね30mmを越えると、肌面への接触面積は十分であるが、浴用洗浄具の好ましい大きさである120mm×160mmの範囲に収まる洗浄用突起3の個数が少なくなって、成形面積に対する滑斜面5の面積が相対的に低下することと、直径Lがある一定の寸法(表3,4の評価試験に用いた浴用洗浄具においては30mm)を越えて大きくなるにつれて滑斜面5の傾斜角度Jが45度を下回って緩やかになり、肌面に押し当てたときの圧縮力に対しての滑斜面5の反発力が低下していくため、良好なクッション性が得られないことが判った。また、直径Lが15〜25mmのときの、成形面積に対する洗浄用突起3の頂面3aの面積比率が30%前後のときに最も良い使用感が得られることがわかった。以上のことより洗浄用突起3の頂面3aの直径Lは8mm以上で30mm以下、望ましくは15mm以上で30mm以下に設定することが好ましい。
【0056】洗浄用突起3の高さH及び、変形促進用突部4の高さIについては、上記頂面3aの直径Lが25mmのもので、高さH及びIを変えたものを作成して使用感と成形性の比較を行い、表6に示す結果を得た。但し、表6中の◎、○、△、×は評価マークであり、◎は非常に良い評価、○は良い評価、△はやや悪い評価、×は悪い評価をそれぞれ表すものとする。この評価試験では、図11に示すように、洗浄用突起3を6個、変形促進用突部4を8個の配置とした試料を用いた。また、洗浄用突起3のピッチは、隣り合う洗浄用突起3同士の間隔が洗浄用突起3の高さHを下回らない範囲で、且つ、滑斜面5の傾斜角度Jが一部を除いて40度〜50度の範囲になるように調整した(表5参照)。表5には、各ピッチ毎に設定した成形範囲の面積(成形部分の長辺×短辺)に占める洗浄用突起3の頂面3aの面積比も付加した。各設定ピッチに対する成形面積は以下の通りである。
・設定ピッチ 29mm:成形面積 68mm× 97mm 66.0cm2・設定ピッチ 31mm:成形面積 76mm×l07mm 81.3cm2・設定ピッチ 35mm:成形面積 85mm×120mm l02.0cm2・設定ピッチ 39mm:成形面積 94mm×133mm 125.0cm2・設定ピッチ 43mm:成形面積104mm×147mm 152.9cm2・設定ピッチ 47mm:成形面積117mm×164mm l91.9cm2・設定ピッチ 52mm:成形面積131mm×183mm 239.8cm2【0057】
【表5】

【0058】
【表6】

【0059】表6の結果より、洗浄用突起3の高さHと変形促進用突部の高さIと組み合わせについて、表5、及び表6の太線で囲む範囲で良好な使用感が得られた。特に洗浄用突起3の高さHと変形促進用突部4の高さIを合わせた高さが12mm〜16mmで、且つ、洗浄用突起3と変形促進用突部4の高さの比が1対0.5から1対1の範囲でより一層良好な使用感が得られることが判った。また、洗浄用突起3の高さHが4mm、変形促進用突部4の高さIが2mmの場合には、夫々、その高さが低すぎてクッション性を発揮できず、また、洗浄用突起3の高さが18mmになると滑斜面5が伸ばされすぎて硬くなり、座屈強度も低下するため良好なクッション性が得られなくなることがわかった。また、比較的良好な使用感が得られた、洗浄用突起3の高さHが14mmの場合にも、変形促進用突部4の高さIが8mmの場合との組み合わせにおいては使用感が低下することがわかった。以上のことより洗浄用突起3の高さHは6〜14mm、変形促進用突部4の高さIは3〜8mmの範囲で、洗浄用突起3の高さHと変形促進用突部4の高さIを合わせた高さを9〜21mmとし、洗浄用突起3の高さHと変形促進用突部4の高さIの比を1対0.5〜1対1の範囲に設定することが好ましい。
【0060】尚、本実施例では、浴用洗浄具1に本発明を適用した場合について説明したが、平坦面や滑らかな曲面の多い、浴槽、洗面台や台所のシンク、床、自動車ボディなどの洗浄具としても好適に利用できる。
【0061】
【発明の効果】本発明に係る不織布製洗浄具によれば、素材布の第1面側に突出状に形成した複数の洗浄用突起の周面と、第2面側へ突出状に形成した変形促進用突部の周面とが、滑らかに連なる傾斜面や湾曲面からなる滑斜面で構成され、この滑斜面の弾性変形により、洗浄用突起の高さ方向へのクッショク性が高められ、洗浄面の微妙な凹凸に合わせて洗浄用突起の高さが変わることになる。このため、この不織布洗浄具を例えば浴用として使用すると、肌面に軽く押し付けることにより、洗浄面の微妙な凹凸に合わせて洗浄用突起の高さが変わり、良好なフィット感が得られる。特に、洗浄用突起の中心と変形促進用突起の中心を通る断面における滑斜面の平面に対する傾斜角度を30〜60度、望ましくは45度前後の角度に設定すると、滑斜面の弾性変形が促進されて、より一層良好なフィット感が得られる。また不織布を熱プレス成形することで安価に製作できるため、ビジネスホテルやスポーツクラブ等に備え付けて、使い捨て浴用洗浄具として不特定多数の利用者に対して提供することが可能となる。
【0062】洗浄用突起として、頂部に平坦面を形成した円錐台状の突起を形成し、前記変形促進用突部として、頂部が球面状の略円錐形の突部を形成すると、洗浄用突部の平坦面における素材布の伸びが抑制されて、肌面に当たる洗浄用突起の平坦面に不織布の風合いが残るので、肌触りの良い不織布製洗浄具を実現できる。
【0063】複数の洗浄用突起として、頂部に平坦面を形成した円錐台状の突起と、頂部が球面状の略円錐形の突起とを混在して形成し、変形促進用突部として、頂部が球面状の略円錐形の突部を形成すると、頂部に平坦面を形成すると、頂部が平坦面の洗浄用突起による摩擦感と、頂部が球面状の洗浄用突起によるマッサージ感及び刺激感の両方が得られ、独特な使用感を得ることができる。
【0064】素材布として、目付けを200〜700g/m2に設定した不織布を用いると、成形しやすく、且つ、強度、クッション性、摩擦感等がバランス良く構成された良好な使用感の浴用洗浄具を得ることができる。
【0065】素材布として、複数枚の不織布を積層してなるものを用いると、例えば表面部と中央部の不織布の素材や繊維長を変えることで、種々の使用条件に応じた浴用洗浄具を製作することが可能となる。また同種の不織布を用いる場合でも、素材布の肉厚を容易に厚く設定でき、浴用洗浄具の風合いや洗浄用突起の強度を向上することが可能となる。
【0066】例えば、素材布として、基材不織布の表面に基材不織布よりも柔軟で肌触りの良い表面不織布を積層してなるものを用いると、浴用洗浄具に必要な強度やクッション性を基材不織布で持たせ、表面不織布でより良い肌触りやボリューム感を持たせることができ、より使用感の優れた浴用洗浄具を製作することができる。具体的には、表面にスパンレース不織布や、極細繊維を用いたニードルパンチ不織布、ニードルパンチのパンチング密度を少なくして柔らかく仕上げたニードルパンチ不織布等、基材不織布より柔軟で肌触りの良い不織布を積層してなる素材布を用いることが好ましい。素材布として、熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした不織布を用いると、洗浄用突起の強度と柔軟性を向上できるため、より薄い素材布を用いても良好な使用感の浴用洗浄具を製作できる。
【0067】洗浄用突起の平坦面の直径を8〜30mmに設定すると、適度な摩擦感が得られる洗浄用突起を形成でき,且つ浴用洗浄具として使用しやすい大きさの中で、洗浄用突起の配置をバランス良く設定でき使用感の良い浴用洗浄具を製作できる。
【0068】洗浄用突起の高さを6〜14mmに設定し、変形促進用突部の高さを3〜8mmに設定するとともに、前記洗浄用突起と変形促進用突部の高さの和を9〜21mmに設定し、洗浄用突起の高さと変形促進用突部の高さの比を1対0.5〜1対1の範囲に設定すると、適度な洗浄用突起強度、クッション性、洗浄用突起密度等が実現でき、優れた使用感の俗用洗浄具が製作できる。
【0069】外縁部にスリット又は抜き孔からなる複数の挿入口を形成し、挿入口よりも外側に帯状の引っ掛け部を形成すると、使用時に把持しやすい浴用洗浄具を製作できる。
【0070】本発明に係る不織布製洗浄具の操作具によれば、前記不織布製洗浄具に形成した挿入口及び引っ掛け部を活用して洗浄具を取付板に着脱自在に固定でき、またハンドル部を適当な長さに設定することで、取付部に取り付けた洗浄具で、柄付のボディーブラシのように手の届きにくい背面部をこすったり、スポーツクラブ等の狭いシャワー室内でも、立った姿勢のまま、手の届きにくい背中や足下を楽に洗うことが可能となる。
【出願人】 【識別番号】591147498
【氏名又は名称】株式会社柏木モールド
【出願日】 平成14年1月10日(2002.1.10)
【代理人】 【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
【公開番号】 特開2003−204896(P2003−204896A)
【公開日】 平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願番号】 特願2002−3506(P2002−3506)