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【発明の名称】 巻おしぼり製造装置
【発明者】 【氏名】古田 章二
【住所又は居所】京都市右京区西院東貝川町5番地 環境システム株式会社内

【要約】 【課題】シート材を確実にロール状に巻き込む。

【解決手段】無端ベルト53の外側に配設した固定ベルト54には、その最底部の前後に多数の貫通孔54bが設けられる。無端ベルト53の走行に従ってシート材は巻き込まれるが、その際にシート材から吐き出される水や固定ベルト54の間隙入口から流れ込む水が固定ベルト54の内側最底部に集まっても、貫通孔54bから速やかに抜け、固定ベルト54の外側から流下する。そのため、おしぼりシートSは過剰に水を含まず、無端ベルト53に張り付くことなく、きれいに安定的に巻き込まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 タオルロールから引き出され湿り気が付与されると共に所定寸法長に切断されたシート材を、ロール状に巻き込んで巻おしぼりを成形する巻おしぼり製造装置に於いて、a)水平軸を中心に回転自在であり、所定間隔離し且つ高さ方向にずらして配設された2本のローラと、b)該2本のローラの間に巻き掛けられ、上側が下傾方向に、下側が上傾方向に走行する無端ベルトと、c)該無端ベルトとの間に前記シート材を挟持しつつ該無端ベルトの走行に伴って該シート材を巻き込むべく、該無端ベルトの上側の直線部から下方側ローラを介して下側の直線部までの該無端ベルトの搬送面に対面して所定間隙離して配設され、その面に複数の貫通孔を有する固定ベルトと、を備えることを特徴とする巻おしぼり製造装置。
【請求項2】 タオルロールから引き出され湿り気が付与されると共に所定寸法長に切断されたシート材を、ロール状に巻き込んで巻おしぼりを成形する巻おしぼり製造装置に於いて、a)水平軸を中心に回転自在であり、所定間隔離し且つ高さ方向にずらして配設された2本のローラと、b)該2本のローラの間に巻き掛けられ、上側が下傾方向に、下側が上傾方向に走行する無端ベルトと、c)該無端ベルトとの間に前記シート材を挟持しつつ該無端ベルトの走行に伴って該シート材を巻き込むべく、該無端ベルトの上側の直線部から下方側ローラを介して下側の直線部までの該無端ベルトの搬送面に対面して所定間隙離して配設され、吸水性を有する固定ベルトと、を備えることを特徴とする巻おしぼり製造装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロール状に巻回したタオルロールからシート材を引き出して湿り気を付与すると共に所定寸法長に切断した後、その一枚の湿ったシート材をロール状に巻き込んで巻おしぼりを製造する巻おしぼり製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種飲食関連店舗等では、接客サービスの一環として顧客に「おしぼり」を提供することが多い。「おしぼり」としては、タオル地の「巻おしぼり」や紙などのシート材を折り畳んだ「折畳おしぼり」がよく知られているが、近年、衛生的であること、使用感が良好であること、などの利点から、安価で使い捨て可能な紙又は不織布等のシート材から成る巻おしぼりを、必要に応じてその場で製造し供給する小型の巻おしぼり製造装置が商品化されている。
【0003】この種の巻おしぼり製造装置として、実公平5-33321号公報に記載のものなどが知られている。この装置は、シート材をロール状に巻回したタオルロールを略水平に回転自在に保持するロール保持手段と、このタオルロールからシート材を前方に引き出し更に下方に送出する送給手段と、引き出されたシート材に湿り気を与える加水手段と、湿り気を与えられたシート材を先端部から所定寸法長の位置で切断する切断手段と、切断された一枚のシート材をロール状に巻き込んで略円柱形状のおしぼりを形作る成形手段と、を基本的な構成として有する。これら各手段の動作は自動的に連動して制御されるので、使用者は操作部に備えられたおしぼり供給ボタンを押せば、上記成形手段の出口にて巻おしぼりを入手することができる。
【0004】上記成形手段のより詳細な構成を説明すると、成形手段は、所定間隔離し且つ高さ方向にずらして配置した2本のローラ間にゴムから成る無端ベルトを巻き掛けた搬送用コンベアと、該搬送用コンベア下方側のローラの外周側に無端ベルトと適宜の間隙を有して配設されたゴムから成る固定ベルトと、該固定ベルトの搬送方向入口側及び出口側に固定ベルトの支持用ブランケットを兼ねて設けた金属から成る案内板とを備えている。そして、所定寸法長に切断されたシート材が搬送用コンベアの無端ベルト上に載ると、該シート材はローラの回転に従って無端ベルトと固定ベルトとの間隙に搬送される。固定ベルトはシート材の上面に対し適度な摩擦を与える一方、無端ベルトはシート材を載せたまま走行するので、シート材は搬送に伴って後方側に巻き込まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種の巻おしぼり製造装置では、無端ベルトの上に載ったシート材の表面に与えられる摩擦力が不安定であって、うまく巻き込みが行えないことがあった。そこで、こうした問題を解決するために、特許第3081592号公報に記載の装置では、固定ベルトに突起体を設け、その突起体により強い摩擦をシート材に与えることによって、シート材を確実にロール状に巻き込みながら転がすようにしている。このような固定ベルト側の摩擦力の増加により、巻き込みの安定性は大きく向上する。しかしながら、特に多数本の巻おりぼりを連続して供給しようとする場合に、その初期段階にはシート材の巻き込みが安定して行えるものの、本数が増加するに伴い巻き込みが不安定になってゆくという問題があった。
【0006】本発明はこうした課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、シート材の巻き込みの安定性を一層改善し、巻込み不良や搬送途中での詰まりなどを確実に防止することができる巻おしぼり製造装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、上述したような不具合の原因について検討を重ねた結果、固定ベルトに溜まる水が原因であることを見い出した。すなわち、固定ベルトは斜め下方にU字状に屈曲した形状であるため、例えば巻き込みの途中でシート材から吐き出される水や、無端ベルトと固定ベルトとの間隙の搬送方向入口から入り込んだ水がU字状の底の部分に集まって溜まり易い。この部分をシート材が通過するとシート材が過剰に吸水し、無端ベルトとの間の摩擦が異常に大きくなって無端ベルトに張り付き、充分な巻き込みが出来なくなったり、甚だしくは、案内板出口で落下せずに無端ベルトに張り付いたまま回転し続けることさえある。
【0008】そこで、第1発明に係る巻おしぼり製造装置は、上記課題を解決するために、タオルロールから引き出され湿り気が付与されると共に所定寸法長に切断されたシート材を、ロール状に巻き込んで巻おしぼりを成形する巻おしぼり製造装置に於いて、a)水平軸を中心に回転自在であり、所定間隔離し且つ高さ方向にずらして配設された2本のローラと、b)該2本のローラの間に巻き掛けられ、上側が下傾方向に、下側が上傾方向に走行する無端ベルトと、c)該無端ベルトとの間に前記シート材を挟持しつつ該無端ベルトの走行に伴って該シート材を巻き込むべく、該無端ベルトの上側の直線部から下方側ローラを介して下側の直線部までの該無端ベルトの搬送面に対面して所定間隙離して配設され、その面に複数の貫通孔を有する固定ベルトと、を備えることを特徴としている。
【0009】また、第2発明に係る巻おしぼり製造装置は、タオルロールから引き出され湿り気が付与されると共に所定寸法長に切断されたシート材を、ロール状に巻き込んで巻おしぼりを成形する巻おしぼり製造装置に於いて、a)水平軸を中心に回転自在であり、所定間隔離し且つ高さ方向にずらして配設された2本のローラと、b)該2本のローラの間に巻き掛けられ、上側が下傾方向に、下側が上傾方向に走行する無端ベルトと、c)該無端ベルトとの間に前記シート材を挟持しつつ該無端ベルトの走行に伴って該シート材を巻き込むべく、該無端ベルトの上側の直線部から下方側ローラを介して下側の直線部までの該無端ベルトの搬送面に対面して所定間隙離して配設され、吸水性を有する固定ベルトと、を備えることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態、及び効果】第1発明に係る巻おしぼり製造装置では、固定ベルトに穿孔された貫通孔が、固定ベルトの内側面(無端ベルトに対向する面)から外側面に水を逃がすための通水孔として機能する。そのため、シート材の巻き込みに伴って該シート材から水が吐出されたり、無端ベルトと固定ベルトの間隙の上方側入口から水が入り込んだりしても、その水は速やかに貫通孔を通して固定ベルトの外側面に流出し、固定ベルトの内側面のU字状窪みに溜まることはない。
【0011】一方、第2発明に係る巻おしぼり製造装置では、固定ベルト自体が吸水性を有しているため、シート材の巻き込みに伴って該シート材から吐出された水や上方側入口から入り込んだ水は速やかに固定ベルトに吸収され、固定ベルトの内側面のU字状窪みに溜まることはない。当然のことながら吸水量には限界があるから、その限界を越えた水は固定ベルトから吐き出され、重力によって固定ベルトの外側から流下する。なお、固定ベルトの吸水性を適度なものとしておけば、必要以上にシート材から水が吸い出されることはなく、巻おしぼりの湿り気を損なうこともない。
【0012】したがって、第1及び第2発明の巻おしぼり製造装置によれば、巻き込み途中でシート材が過剰に吸水したり、シート材と無端ベルトとの密着面に水の層が形成されたりすることがなく、固定ベルトからの摩擦によってシート材は適度に転がりつつ整然と且つ安定して巻き込まれる。また、固定ベルトの内側に水が溜まらないので、水を過剰に含んだ巻おりぼりが供給されることがなくなり、適度に水を含み且つふんわり感のある、良好な使用感の巻おしぼりを得ることができる。更にまた、固定ベルトの内側からの排水が良好であることは衛生的にも好ましく、特に夏季等、気温や湿度が高い時期でも清潔な巻おしぼりを提供することができる。
【0013】
【実施例】以下、第1発明に係る巻おしぼり製造装置の一実施例を図面を参照して説明する。図1は本実施例の巻おしぼり製造装置の全体構成を示す側面断面図、図2は本実施例の巻おしぼり製造装置の外観斜視図、図3は図1中のA部の拡大図、図4は図1中のB部の拡大図、図5〜図10はシート材の巻き込み動作を説明するための拡大図である。
【0014】まず、本実施例の巻おしぼり製造装置の概略構成を図1及び図2により説明する。この巻おしぼり製造装置は、紙、不織布、化学繊維パルプ等から成るシート材がロール状に巻回されたタオルロール11を略水平且つ回転自在に保持するロール保持手段10と、該ロール保持手段10に収納されたタオルロール11の上部外周側からシート材11aを挟持して前方に引き出し更に下方に送給する送給手段20と、ロール保持手段10の後方に配置された水タンク31内に貯留されている水を垂下したシート材に噴射して該シート材に湿り気を与える散水パイプ37を含む加水手段30と、垂下したシート材を下端から所定寸法長の位置で略水平に切断する切断手段40と、長方形状に切断された一枚のシート材を上下両面から挟持して搬送しつつロール状に巻き込む成形手段50と、から構成される。なお、上記各手段の動作は、図示しない電気回路部から成る制御手段により制御される。
【0015】図2に示すように、この巻おしぼり製造装置の前面板1には、複数の操作キーや表示器が備えられた操作部2が設けられている。前面板1の下方には、ほぼ最下端に架設された軸3aを中心にして、受皿兼用前面蓋3が前方に蝶動自在に設けられている。当該装置を使用するときのみ図1に示すように受皿兼用前面蓋3を前方に倒して、おしぼり供給口5を開放させることができる。また、上面蓋4は着脱可能になっており、タオルロール11の交換や水タンク31内の水の補充が使用者により容易に行えるようになっている。
【0016】次いで、図1、図3及び図4を参照しつつ、本巻おしぼり製造装置の各手段の構成をより詳細に説明する。
【0017】(I)ロール保持手段10両側面板6よりも内側に対向して立設された両側方支持板12の間には、円弧状に形成された底壁13aを有し且つ上面蓋4を取り外した状態で上方が開放したタオルロール収納室13が形成されている。タオルロール11は、円筒形状の紙製又はプラスチック製の中芯の周囲に帯状のシート材がロール状に巻回されている。両側方支持板12には、それぞれ円弧状の底面を有する略W字型の溝14が形成され、前方の補助溝14bは後方のホルダ支持溝14aよりも若干高い位置に設けられている。タオルロール11は、その中芯に嵌挿されたロールホルダ11bの両側突部が両側のホルダ支持溝14aに嵌合するように装着される。ホルダ支持溝14aの底面には可動片15aが上方に突出して小形のスイッチ15が埋設されている。また、タオルロール収納室13の前方壁上部は前方に折れ曲がって略水平な延出部13bとなっている。
【0018】(II)送給手段20延出部13bの先端下方には、送給ローラ21が両側方支持板12の間に略水平に架設されている。送給ローラ21の回転軸22は、図示しないモータ及び回転伝達機構により反時計回り方向(図3中の矢印Eの方向)に回転する。送給ローラ21には径方向に突出してゴム製のリング21aが、回転軸22の延伸方向に所定間隔離れて複数周設されている。また、送給ローラ21の上方及び前方を覆うように、両側方支持板12に取り付けられた軸23aを中心として所定範囲内で回動する押さえ部材23が配設されている。この押さえ部材23は捻りコイルバネ23bにより送給ローラ21方向に適度な力で付勢され、これにより押さえ部材23の下面は送給ローラ21のリング21aに接してこれを軽く押圧している。また、送給ローラ21の前下方には前方に下傾する固定案内板24が設けられ、シート材が送給ローラ21の下側に巻き込まれることなく垂下しつつ進むことを助ける。
【0019】(III)加水手段30タオルロール収納室13の後方には、水タンク31を倒立状態で保持するための上方が開放されたタンク収納室32が形成されている。水タンク31が倒立してタンク収納室32に装着されると給水口31aが開口し、水タンク31内の水がタンク収納室32の底部の凹所32aに排出される。このとき、凹所32aの底面から起立する水位センサ32bによって凹所32a内の水位が検知される。凹所32a底部にはポンプ33の吸入管33aが接続されており、ポンプ33の吐出口は送水管34を介して温調ユニット35及び噴射量調節部36に接続されている。温調ユニット35は所定量の水をその内部に保持し、その水を加熱又は冷却する。後記固定刃用ホルダ41の下方には、垂直方向に延伸する複数の溝を表面に形成した水受壁38が傾斜して配設されている。また、水受壁38前方には、該水受壁38に向けて複数の噴射孔を有する散水パイプ37が両側方支持板12の間に延伸して架設されており、散水パイプ37から噴射される水量は噴射量調節部36により調節可能である。
【0020】(IV)切断手段40送給ローラ21の直下には固定刃用ホルダ41が両側方支持板12の間に架設されており、固定刃用ホルダ41にはシート材の幅よりも両側に長い固定刃42が前方に指向して取り付けられている。固定刃用ホルダ41は、両側方支持板12に対し図示しないバネで前方に付勢されている。一方、送給ローラ21から垂下するシート材を挟んで固定刃42と対向する位置には、回転刃用ホルダ43が両側方支持板12の間に略水平に回転自在に架設されている。
【0021】回転刃44は回転刃用ホルダ43の回転軸に対し所定の角度をもってその軸方向に延伸して装着されており、シート材の切断時に回転刃用ホルダ43を回転させると、回転刃44は軸方向の一端から順次固定刃42に当接しつつ他端側に進行する。これにより、両者の間に挟まれたシート材はほぼ水平に切断される。この際、固定刃42に回転刃44が当接すると、固定刃用ホルダ41を付勢しているバネの力に抗して固定刃用ホルダ41は後方に押されて僅かに後退する。これにより、回転刃44及び固定刃42に必要以上に大きな力が加わらず刃の破損が防止できる。
【0022】一方の側方支持板12より外側に突出した回転刃用ホルダ43の回転軸端部には所定形状のカム45及び一部が内周側に凹んだタイミングカム46が取り付けられている。カム45の外周縁には押さえ部材23の下端突片23cが近接しており、回転刃用ホルダ43が回転してカム45の突出部が上方に達すると、下端突片23cに当接してこれを上方に押し上げる。すると、押さえ部材23は軸23aを中心に反時計回り方向(図3中の矢印Gの方向)に回動する。これにより、押さえ部材23の水平方向に延伸する下端縁片は回転前方に(図1及び図3で右側)に垂下しているシート材に接触し、これを後上方に若干押し上げる。
【0023】押さえ部材23の接触位置は上記切断位置よりも僅かに上であり、シート材を押すことによりその接触位置よりも垂下したシート材に張りを与えるので、上述した切断がきれいに行える。また、押さえ部材23が上述のように回転すると、送給ローラ21のリング21aを押圧する力が解除されると共に、接触位置よりも上側のシート材は逆に若干下側に引っ張られる。このため、送給手段20にて左右方向の送りのアンバランスによりシート材の送給に若干の歪みが生じた場合でも修正される。
【0024】タイミングカム46の外周縁にはスイッチ47の可動片が接するように固設されており、回転刃用ホルダ43が回転してタイミングカム46の凹部がスイッチ47の可動片に達すると、可動片が作動してスイッチ47の接点が開成する。これにより、送給されたシート材が所定位置に達したことが検知され、散水パイプ37からの水の噴射のタイミングが決定される。
【0025】(V)成形手段50水受壁38の下方には、両側方支持板12の間に回転自在に設けられた2本のローラ51,52に所定幅の無端ベルト53を巻き掛けた搬送コンベアが、前方側から後方側に向かって下傾して設置されている。下側の主動ローラ51の回転軸は図示しないモータ及び回転伝達機構により時計回り方向(図4中の矢印Hの方向)に回転駆動され、上側の従動ローラ52は主動ローラ51の回転に伴い無端ベルト53を介して同一方向に回転する。
【0026】搬送コンベアの下方側の無端ベルト53の外側には、無端ベルト53と適宜の間隙を有して固定ベルト54が設けられている。この固定ベルト54の上端部つまり搬送方向入口側には、下傾するに従い無端ベルト53との間隙が徐々に狭くなり且つ固定ベルト54との連結部でもってその間隙が広がるような形状の規制板55が、固定ベルト54の上端部を固定するブランケットを兼用して設けられている。
【0027】無端ベルト53は例えば合成樹脂製又は硬質ゴム製であり、撓みが比較的小さい。一方、固定ベルト54は例えば軟質ゴム製であり、撓みが比較的大きい。固定ベルト54の内側(無端ベルト53との対向面)には、略円錐状の突起54aが幅方向及び搬送方向に多数形成されている。シート材が無端ベルト53と固定ベルト54との間に挟持されて搬送される際に、固定ベルト54の突起54aがシート材の上面に適度な力で押し付けられる。また、固定ベルト54の最底部を挟んでその前後には、適宜の間隔で直径が数mm程度の貫通孔54bが多数穿孔されている。この貫通孔54bは、後述のように固定ベルト54の内側から外側へと水を逃がすためのものである。
【0028】固定ベルト54の終端部つまり搬送方向出口側付近には金属製の案内板56が、無端ベルト53と固定ベルト54との間隙とほぼ同程度の間隙を無端ベルト53との間に有して配設されている。案内板56は、両側方支持板12に固定された案内板支持体57に対しバネで上方に付勢されつつ取り付けられている。また、案内板56の上端部(つまり無端ベルト53の搬送方向出口側)は、おしぼり供給口5に向けて斜め下方に屈曲されている。
【0029】次に、上記構成を有する本実施例の巻おしぼり製造装置の動作を、1本の巻おしぼりが提供されるまでの手順に従って説明する。
【0030】タオルロール収納室13にタオルロール11が装着されていないときには、スイッチ15の可動片15aは上方に飛び出しスイッチ15の接点は開成しており、タオルロール11が装着されると、ロールホルダ11bの外側突起部が可動片15aを押圧してスイッチ15の接点が閉成する。これより、タオルロール11が装着されたことが検知される。
【0031】使用者は、タオルロール11からシート材11aの先端を引き出し、押さえ部材23が送給ローラ21から離間するように押さえ部材23を回動させ、シート材11aの先端部を送給ローラ21の上に置いて押さえ部材23を下ろす。上述のように押さえ部材23は捻りコイルバネ23bにより付勢されているので、シート材11aは押さえ部材23の下面と送給ローラ21のリング21aとの間に挟持される。一方、タンク収納室32内には、例えば殺菌成分を含む水を充満した水タンク31を図1に示すように倒立して収納する。
【0032】このようにタオルロール11及び水タンク31をセットした状態で、使用者が操作部2においておしぼり供給ボタン2aを押すと、図示しない送給用モータが駆動されて送給ローラ21は図3中の矢印Eの方向に回転する。シート材11aの先端部は送給ローラ21のリング21aと押さえ部材23との間に挟持されており、押さえ部材23の下面は比較的滑らかであるのに対しリング21aは相対的に大きな摩擦力をシート材11aに与える。このため、送給ローラ21の回転に伴い、シート材11aは水平前方から更に略垂直下方に送られる。そして、押さえ部材23と固定案内板24との間隙を通り抜け、更に固定刃42と回転刃用ホルダ43との間隙に送られる。したがって、タオルロール11の交換時に、使用者はシート材11aの先端部を軽く引き出して送給ローラ21の上に置きさえすれば、後は適正な送給路にシート材11aが自動的にセットされる。
【0033】1回のおしぼり供給ボタン2aの操作により送給されるシート材の長さ、つまり送給ローラ21の回転数は予め決められている。そのため、シート材11aの先端部は固定刃42と回転刃用ホルダ43との間隙を通って垂下し、その送給ローラ21の回転数によって決まる所定の位置まで達したときに停止する。
【0034】送給ローラ21の回転に伴い、回転刃用ホルダ43は送給ローラ21の回転と同期して時計回り方向(図3中の矢印Fの方向)に回転する。シート材11aの先端部が散水パイプ37の前方に達するような回転位置まで来たとき、ちょうどタイミングカム46の凹部がスイッチ47の可動片に達しスイッチ47は開成する。これによりポンプ33が駆動され、水タンク31より吸引された水が送水管34を通して温調ユニット35に送出される。この水圧により、温調ユニット35内部の貯留水が噴射量調節部36を介して散水パイプ37に圧送される。
【0035】温調ユニット35内部の貯留水は、使用者による設定に応じて予め加熱又は冷却されているから、散水パイプ37の噴射孔からは温水又は冷水がシート材11aに向けて噴射される。シート材11aが送給されるに伴い、水の降り掛かるシート材11a上の位置は順次移動するので、1本の巻おしぼりを形成するための1枚のシート材全体が満遍なく濡れる。シート材11aにかからなかった又はシート材11aから滴り落ちた水は水受壁38に当たり、その溝に沿って流下して、下方の無端ベルト53の上に落ちる。
【0036】シート材11aの垂下端は水受壁38に表面に接触してこれに沿って垂下し、水受壁38の下端に突出している突片38aによって垂下が規制されて前方に倒れ込むようにくの字状に屈曲する(図5(a)参照)。所定長だけシート材11aが垂下すると、ちょうどカム45が押さえ部材23の下端突片23cを押し上げる。これにより、押さえ部材23が軸23aを中心に矢印Gの方向に回動し、シート材11aの送給を一時的に解除すると共に垂下しているシート材11aを後方に押し上げて張りを与える。その直後に、回転刃44がその一方の端部より他端に向かって順次固定刃42に当接し、シート材11aはほぼ水平に切断される。
【0037】所定長に切断されたシート材11aは水受壁38に沿って無端ベルト53の上に滑り落ちるが、その際にシート材11aの下縁端は水受壁38の突片38aにより折り曲げられた状態で無端ベルト53の上に落下する(図5(b)、(c)参照)。無端ベルト53は一定速度で矢印Mの方向に走行しており、シート材11aは無端ベルト53上に載った順に搬送される。シート材11aの先頭端が規制板55と無端ベルト53との狭い間隙を通過する際に上記折曲部の上面は規制板55に接触し、押しつぶされて折返しとなると共に、規制板55からの摩擦によって規制板55を通過した直後に無端ベルト53から離間する方向に屈曲する(図6参照)。そして、走行方向前方に位置する固定ベルト54に接触すると、その折返部を中芯としてロール状に巻き込まれる(図7参照)。
【0038】この際に、ロール状に巻回されたシート材が搬送方向とは逆方向に進行しようとすることがあるが、規制板55により搬送入口は間隙が狭くなっているので上方への移動は阻止される。固定ベルト54には突起54aが形成されており、この突起54aが巻き込まれるシート材の外側面を押圧するので、滑りが少なく確実に巻き込みが達成される。
【0039】また、巻き込みの際に加わる圧力によってシート材11aが過剰に含んでいた水はシート材11aから吐き出される。それ以外にも、上述したようにシート材11aに吸水されずに無端ベルト53上に落ちた水は図8に示すように無端ベルト53の傾斜に従って伝い落ちる。このように固定ベルト54と無端ベルト53との間隙で過剰となった水は固定ベルト54のU字状の最底部付近に集まる。この前後において固定ベルト54には貫通孔54bが設けられているため、水は速やかに貫通孔54bを抜けて固定ベルト54の外側に出て流下する。そして、その下方の水捕集皿7に集められる。
【0040】このようにしてロール状に巻回されたおしぼりシートSの自重及びその機械的な押圧力により固定ベルト54と無端ベルト53との間隙は適度に広がり、また、過剰に吸水された水は適度に吐き出されつつ、上記間隙を転がりながらおしぼりシートSは前方に搬送される。
【0041】図9に示すように、おしぼりシートSが案内板56の下端部に到達すると、おしぼりシートSの重量や巻きが緩もうとする際の外側への押圧力によって案内板56は押し下げられる。これにより、無端ベルト53と案内板56との間隙が広がり、その直前まで強く巻かれていたおしぼりシートSの巻きが若干緩む。図10に示すように、おしぼりシートSは巻きが緩んだ状態で転動しながら案内板56の上端部に達し、矢印Jで示すように落下する。その下方にはおしぼり供給口5が開口しているため、おしぼりシートSはおしぼり供給口5から下方の受皿兼用前面蓋3の上に落下する。これにより、適度に緩んだ巻回状態を有するとともに適度に湿ったふんわり感のある巻おしぼりを提供することができる。
【0042】以上の一連の動作により1本の巻おしぼりが提供される。操作部2には、提供する巻おしぼりの本数を設定するためのボタンが備えられており、該ボタン操作により2本以上の巻おしぼりの提供が設定されると、その本数に応じて上記動作が連続的に繰り返され、所定本数の巻おしぼりが出来上がる。上述したように、本巻おしぼり製造装置では、固定ベルト54の内側に水が溜まることがないので、シート材が過剰に吸水して無端ベルト53に張り付くことがなく、多数本連続して安定的に巻おしぼりを供給することができる。
【0043】第2発明に係る巻おしぼり製造装置の実施例としては、上記説明した構成の装置に於いて、固定ベルト54に貫通孔54bを穿孔する代わりに、固定ベルト54自体を吸水性材料から成形する。具体的には、例えば吸水性樹脂を適度な割合で練り込んだゴム(水膨潤ゴム)などを利用することができる。これによっても、上記説明と同様に、固定ベルト54の内側に水が溜まることを防止できるので、シート材が過剰に吸水して無端ベルト53に張り付くことがない。
【0044】なお、上記実施例は一例であって、本発明の趣旨の範囲で適宜変更や修正を行えることは明らかである。
【出願人】 【識別番号】397070510
【氏名又は名称】環境システム株式会社
【住所又は居所】京都市右京区西院東貝川町5番地
【出願日】 平成14年1月11日(2002.1.11)
【代理人】 【識別番号】100095670
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 良平
【公開番号】 特開2003−204895(P2003−204895A)
【公開日】 平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願番号】 特願2002−5290(P2002−5290)