| 【発明の名称】 |
便座又は便蓋の自動開閉機構を備えた衛生洗浄便座装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】古川 秀記 【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシン精機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】便座又は便蓋の自動開閉動作中において、急激な外力を受けた場合に、強度の弱いギア部分の破損を防止できる衛生洗浄便座装置を提供する。
【解決手段】駆動装置4を、便座24又は便蓋23の開閉駆動を制御する制御装置26と、制御装置26からの信号を受けて電動で駆動する駆動モータ45と、駆動モータ45からの動力を便座24又は便蓋23の出力軸433,423へ伝達する伝達手段46と、伝達手段46からの動力を受けて便座24又は便蓋23を開閉駆動する出力軸433,423と、伝達手段46と出力軸433,423の間に配設される弾性部材432,422と、から構成した。このため外力による急激なトルクを弾性体432,422に一時蓄積するので、伝達手段46等の破損を防止できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 便座又は便蓋を駆動装置により自動開閉させる機能を備えた衛生洗浄便座装置において、前記駆動装置は、前記便座又は前記便蓋の開閉駆動を制御する制御装置と、該制御装置からの信号を受けて電動で駆動する駆動モータと、該駆動モータからの動力を前記便座又は前記便蓋の出力軸へ伝達する伝達手段と、該伝達手段からの動力を受けて便座又は便蓋を開閉駆動する出力軸と、前記伝達手段と前記出力軸の間に配設される弾性部材と、から構成したことを特徴とする衛生洗浄便座装置。 【請求項2】 前記伝達手段は複数のギアを備え、前記出力軸へ動力を伝達するギアと出力軸の間に前記弾性部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄便座装置。 【請求項3】 前記弾性部材は前記便座又は前記便蓋の前記出力軸を、開方向又は閉方向のどちらか一方の回動にのみ弾性力を有することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の衛生洗浄便座装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、人体検知装置からの信号又は使用者からの開閉スイッチの信号を受けて、便座又は便蓋を自動で開閉駆動する駆動装置を備えた衛生洗浄便座装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】衛生洗浄便座装置は、人体の局部を清潔に且つ快適に保つことを目的とするものである。しかしながら昨今の衛生洗浄便座装置においては、洗浄のみならずユーザーからはより快適性、利便性を求める声がある。このようなユーザーからの声に応えるため、便座や便蓋を自動的に開閉駆動する機能を有する衛生洗浄便座装置が市場に投入されている。 【0003】これらの衛生洗浄便座装置では、使用者がトイレ室内に入ったことを人体検知センサ等により自動で検知し、便座又は便蓋を自動で開状態にする。使用後に使用者がトイレ室内から出たことを人体検知センサ等からの信号により検知すると、便座と便蓋を自動で閉状態にする。人体検知センサを備えない衛生洗浄便座装置では、トイレ室内の壁等に設けられたリモコンスイッチ等を使用者が操作することにより、便座や便蓋を開または閉状態にする。 【0004】この種の便座又は便蓋の自動開閉装置を備えた衛生洗浄便座装置として、実開平4−138397号公報に開示されているものがある。従来技術は便座又は便蓋による駆動モータへの過負荷対策を行うもので、駆動モータの回転運動の有無を検出する回転動検出手段と、この回転動検出手段からの検出情報に回転運動が無いことを示す時に、前記駆動モータを停止或いは逆回転して前記便蓋又は便座を開動作或いは閉動作の初期位置に戻す制御手段とを設けている。回転動検出手段からの検出情報が回転運動の無いことを示す時に、駆動モータを停止もしくは逆転させることができ、過負荷の駆動モータを過電流によるモータの損傷等から保護できるものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら実際の使用状況においては、便座又は便蓋の開閉動作中に、これらの動作を強制的に停止させるだけでなく、例えば開動作中に便蓋又は便座の先端付近に閉方向に押さえ込まれるような荷重を受けると、駆動モータの駆動方向とは逆の方向に大きなトルクが発生してしまうことがある。便座又は便蓋の開閉動作途中で、急激な外力を受けた場合には、回転動検出手段からの信号が駆動モータに送られる前に動力伝達手段であるギア列に大きなトルクが発生してしまう。 【0006】このように駆動モータから便座又は便蓋へ動力を伝達する伝達手段であるギア列に急激に過大なトルクが発生すると、強度の弱いギア部分が破損してしまうという問題があった。 【0007】ギア等の破損を防ぐためにギアの材料をプラスチックから金属へと変えて強度向上を図ると、水掛かり、尿、洗剤等による錆の発生を招く。また動力伝達装置のコストも増加を招いてしまう。 【0008】瞬間的な過大なトルクを防ぐための新たな装置を別途もうけることは同様に衛生洗浄便座装置のコストの増加を招き、低価格化が進むこの分野において、コスト増大により市場での競争力が低下してしまう。 【0009】便蓋又は便座に急激な外力を加えることは一般には取扱説明書等で禁止されている行為ではあるが、実際の使用状態では、使用者が意図しない接触(例えばよろめいて手を突く等)により起こるもので、製品による対策が望まれていた。 【0010】本発明は上記問題を解決することを課題とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、便座又は便蓋を駆動装置により自動開閉させる機能を備えた衛生洗浄便座装置において、前記駆動装置は、前記便座又は前記便蓋の開閉駆動を制御する制御装置と、該制御装置からの信号を受けて電動で駆動する駆動モータと、該駆動モータからの動力を前記便座又は前記便蓋の出力軸へ伝達する伝達手段と、該伝達手段からの動力を受けて便座又は便蓋を開閉駆動する出力軸と、前記伝達手段と前記出力軸の間に配設される弾性部材と、から構成したことを特徴とする。 【0012】請求項1の発明では、前記伝達手段と前記出力軸の間に弾性部材を配設するため、便座又は便蓋に瞬間的に外力が加わると、弾性部材を介して出力軸から伝達手段に外力が伝わる。このとき伝達手段には、駆動モータからの動力によるトルクと、外力によるトルクが係り、双方のトルクに大きな差があると、瞬間的なこのトルクの差を弾性部材が弾性変形することにより吸収する。従って瞬間的に発生する最大トルク差(絶対値)を低減できるため、材料に係る瞬間的な最大応力を部品の弾性変形内に留めることができる。 【0013】また、便座又は便蓋に外力が発生した場合に、この外力を感知して作動する外力トルク作動式リミットスイッチを備える衛生洗浄便座装置に、本発明を適用する場合にも、瞬間的に発生するトルクのピークを除いた値で外力トルク作動式リミットスイッチを作動することができるため、異常時のトルクのしきい値を適宜な値に設定できる。 【0014】請求項2の発明は、前記伝達手段は複数のギアを備え、前記出力軸へ動力を伝達するギアと出力軸の間に前記弾性部材を設けたことを特徴とする。 【0015】請求項2の発明では、伝達手段に複数のギアを備える場合に、出力軸へ動力を伝達するギアと出力軸の間に弾性部材を設けることにより、便座又は便蓋からの外力を出力軸と出力軸に動力を伝達するギアとの間の弾性部材で受けることが出来る。伝達手段は駆動モータでの小さなトルクを便座又は便蓋を開閉駆動できる大きなトルクに変換するため、ギア比の異なる多数のギアを組み合わせた構成である。これら組み合わされたギアの1つが破損しても伝達手段としては機能しなくなってしまう。そこで、出力軸へ動力を伝達するギアと出力軸の間に弾性部材を設けることにより伝達手段内のギアに過大なトルク差が発生することによる破損を防ぐことができる。 【0016】請求項3の発明は、前記弾性部材は前記便座又は前記便蓋の前記出力軸を、開方向又は閉方向のどちらか一方の回動にのみ弾性力を有することを特徴とする。 【0017】請求項3の発明では、弾性部材の弾性方向を1方向のみ(例えば大きなトルクが伝達手段に係る便座又は便蓋の開方向)とすることにより、出力軸と伝達手段であるギアとの組み付け位置の精度を向上し、且つ、瞬間的に発生する最大トルク差(絶対値)を低減できる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について、図面に基づいて説明する。 【0019】本発明の衛生洗浄便座装置における第一実施例を図1に示す。 【0020】本発明による衛生洗浄便座装置は、便座24と、便蓋23と、便座24又は便蓋23を自動開閉させる機能を備えた駆動装置4と、を備えている。 【0021】ここで、駆動装置4は、図2に示すように、便座24又は便蓋23の開閉駆動を制御する制御装置26と、制御装置26からの信号を受けて電動で駆動する駆動モータ45と、駆動モータ45からの駆動力を減速して便座24又は便蓋23の出力軸へ伝達するギア(伝達手段)46と、ギア46からの動力を受けて回転駆動する便座回転軸43または便蓋回転軸42と、を備えており、便座回転軸43または便蓋回転軸42の回動によって便座24または便蓋23を開閉可能に連結している。 【0022】ここで、本実施例の衛生洗浄便座装置の作動について説明する。 【0023】図3および図4に示すように、便蓋回転軸42または便座回転軸43はそれぞれ、便蓋23または便座24を開閉する便蓋出力軸423または便座出力軸433と、駆動モータ45からの動力を受け便蓋出力軸423または便座出力軸433に伝達するギア46の最終段ギア421または431と、両者を連結する弾性体422または432と、を備えている。また、最終ギア421と弁蓋出力軸423との間には、弾性体422が(図6参照)、最終ギア431と便座出力軸433との間には、弾性体432が(図5参照)、それぞれ配設されている。 【0024】そのため、便蓋23または便座24に対して外部から矢印AまたはB方向に加えられたトルクは、便蓋回転軸42または便座回転軸43に作用する際に図5および図6に示す弾性体422または432を図7および図8に示すように弾性変形させることによって、加えられたトルクの一部が弾性体422または432に弾性エネルギーとして一時蓄積されるため、トルクは減衰されてギア46及び駆動モータ45側に伝達される。 【0025】その結果、便蓋23または便座24から係るトルクの内、弾性体422または432によって蓄積されたトルクの分について、駆動装置4の内部に係る瞬間的な負荷の極大値が軽減されることに伴って、各部に必要とする強度を軽減することが可能となる。 【0026】また、従来の、便座または便蓋に加えられたトルクを感知して作動する外力トルク作動式リミットスイッチを備える衛生便座洗浄装置に本実施例を適用した場合には、瞬間的に発生するトルクによるピークを弾性体に一時蓄積することによって、連続的に作用するトルクに対して適宜に設定した異常時のトルクのしきい値により外力トルク作動式リミットスイッチを作動することで、駆動モータの過負荷対策をすることが可能となる。 【0027】また、上記従来の衛生洗浄装置では、瞬間的なトルクが加えられてからリミットスイッチが作動するまでの間に、駆動装置4の構成部品が破損してしまうおそれがあるが、リミットスイッチが作動するまでの間のトルクを弾性体に蓄積することで、各部品の破損を防止することも可能である。 【0028】本発明の衛生洗浄便座装置における第二実施例を以下に示す。 【0029】第一実施例では、外力によるトルクの係る方向が開閉どちらの場合であっても、即ち図中矢印A,B方向どちらの場合であっても、弾性体によってそのトルクを軽減し、駆動装置4の構成部品が負荷によって破損することを防止している。 【0030】ここで、実使用上において特に問題となるのは、便蓋23または便座24の駆動装置4による自動開閉方向に関わらず、外力が閉方向に係る場合であると言うことができる。つまり、閉方向は重力方向に近いため重力に従って急激な外力が係りやすく、例えば自動開動作中の便蓋23あるいは便座24に使用者がバランスを崩し手を衝いた際などに、その重量がそのまま便蓋23あるいは便座24に負荷として係ることになるためである。また、逆に、例えば自動閉動作中に開方向に外力が係った場合には、重力加速度を伴わないためその衝撃力は緩やかであると考えられる。 【0031】そこで、本発明の第二実施例による衛生洗浄便座装置は、図9に示すように、第一実施例において便蓋回転軸42及び便座回転軸43に、最終段ギア421aまたは431aと、便蓋出力軸423aまたは便座出力軸433aと、両者の連結部に、弾性部材422aまたは432aを配置したものである。 【0032】ここで、第二実施例による衛生洗浄便座装置の作動について説明する。本実施例によれば、図10および図11に示すように、便蓋23または便座24に外部から加えられたトルクの内、図中矢印C方向、即ち閉方向に働くトルクに対しては、第一実施例と同様に、便蓋出力軸423aまたは便座出力軸433aとの当接部に配置された弾性体422aまたは432aに弾性エネルギーとして一時蓄積されるため、駆動装置4に作用するトルクは減衰されるが、逆に開方向に働くトルクに対しては、最終段ギア421aまたは431aと、便蓋出力軸423aまたは便座出力軸433aとの当接部に弾性体422aまたは432aが配設されていないため、トルクの減衰は行われない。 【0033】したがって、第二実施例における駆動装置4のギア等には、開方向に外力が係ることを考慮して、第一実施例に比較して高い剛性が必要となる。 しかし、その一方で、第一実施例では、便蓋出力軸423または便座出力軸433の周囲が全て弾性体によって構成されているために、最終段ギア421または431と便蓋出力軸423または便座出力軸433との相対的な位置関係を一定に決定するのが困難であることに対して、第二実施例では、最終段ギア421aまたは431aと、便蓋出力軸423aまたは便座出力軸433aとが直に当接する面を有するので、この当接面において位置関係を一定に決定することができるため、高い組み付け精度が必要とされるような場合においては有用であると言える。 【0034】 【発明の効果】以上のように、本発明は、便座又は便蓋を駆動装置により自動開閉させる機能を備えた衛生洗浄便座装置において、前記駆動装置は、前記便座又は前記便蓋の開閉駆動を制御する制御装置と、該制御装置からの信号を受けて電動で駆動する駆動モータと、該駆動モータからの動力を前記便座又は前記便蓋の出力軸へ伝達する伝達手段と、該伝達手段からの動力を受けて便座又は便蓋を開閉駆動する出力軸と、前記伝達手段と前記出力軸の間に配設される弾性部材と、から構成したことを特徴とする衛生洗浄便座装置であるので、急激な外力が係った場合にも、弾性部材によりその衝撃を緩和するので、駆動装置の破損を防止することができる。また、便座又は便蓋の自動駆動時における振動及び騒音を軽減することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000011 【氏名又は名称】アイシン精機株式会社 【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地
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| 【出願日】 |
平成13年12月26日(2001.12.26) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−190039(P2003−190039A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月8日(2003.7.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−393392(P2001−393392) |
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