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【発明の名称】 浴槽水循環装置
【発明者】 【氏名】大石 静雄
【住所又は居所】福岡県福岡市南区大楠2丁目11番2号 大晃産業株式会社内

【要約】 【課題】溢水した浴槽水を回収して再利用することにより節水できるようにし、しかも溢水を常時行わせて濾過・循環することにより浴槽内を衛生的に保持できるようにする。

【解決手段】複数の浴槽1に溢水した浴槽水Wを回収する回収路2をそれぞれ設け、同回収路2により回収された浴槽水Wを収容する回収槽3を設け、同回収槽3に収容した浴槽水Wを浄化して送出するポンプを備えたポンプ4を設け、同ポンプ4で送出された浄化した浴槽水Wを各浴槽1に供給する送出管5をそれぞれ設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の浴槽に溢水した浴槽水を回収する回収路をそれぞれ設け、同回収路により回収された浴槽水を収容する回収槽を設け、同回収槽に収容した浴槽水を浄化して送出する濾過器を備えたポンプを設け、同ポンプで送出された浄化した浴槽水を各浴槽に供給する送出管をそれぞれ設け、浴槽水を各浴槽に常時溢水するように供給し、溢水した浴槽水を再利用して循環させて常時溢水させることにより浴槽内を衛生的に保持できるようにした浴槽水循環装置。
【請求項2】 各浴槽の下部に浴槽水の一部を浴槽の底部から流量調整弁を介して回収槽に導出する導出管をそれぞれ設け、供給した浴槽水が表面流となって直ちに溢水するのを防止できるようにした請求項1記載の浴槽水循環装置。
【請求項3】 回収路の途中に開閉弁を設け、ポンプが停止したときに前記開閉弁を閉路させる制御手段を設け、浴槽の水位が低下するのを防止できるようにした請求項2記載の浴槽水循環装置。
【請求項4】 各導出管の途中に逆止弁をそれぞれ設け、各導出管の逆止弁の下流側でそれぞれ接続して一本の共通導出管と成し、同共通導出管に流量調整弁を設け、各浴槽の導出水量を一箇所で任意に調整できるようにした請求項2又は3記載の浴槽水循環装置。
【請求項5】 各送出管の途中に流量調整弁をそれぞれ設け、各浴槽毎に水位の高低差を任意に設定できるようにした請求項1〜4いずれか記載の浴槽水循環装置。
【請求項6】 各送出管の途中に逆止弁をそれぞれ設け、各送出管に浴槽内から吐水できる吐水口をそれぞれ設けた請求項1〜5いずれか記載の浴槽水循環装置。
【請求項7】 送出管の途中に送出管内を流れる浴槽水を所定温度に加温する加温器を設け、浴槽内の浴槽水を常時一定温度に保持できるようにした請求項1〜6いずれか記載の浴槽水循環装置。
【請求項8】 回収槽に回収槽内の浴槽水が所定水位以下になると補水する補水路を設け、回収槽内の浴槽水を常時一定水位に保持して安定供給できるようにした請求項1〜7いずれか記載の浴槽水循環装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、公衆浴場において複数の浴槽の浴槽水を一系統で常時循環させる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の公衆浴場は、図3に示すように複数の浴槽11を連通管12で接続して水位をそれぞれ均等に保持できるようにするとともに、給水器13で各浴槽11に給水するようにした構造である。14は排水管である。ところで、複数の浴槽11内の浴槽水Wを一定水位に保持するために、各浴槽11に図示しない水位計をそれぞれ設けて入浴者による溢水した分を検知して補水しているが、溢水した浴槽水Wは全て排水されており無駄となっていた。また、溢水されなかった浴槽水Wは常時に浴槽11内にあるから、徐々に沈澱物が溜まって不衛生であった。さらに、各浴槽11同士は連通管12で接続して互いの水位を均等に保持する構造なので、各浴槽を同じ高さにする必要があり施工ミスが多発していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、溢水した浴槽水を回収して再利用することにより節水できるようにし、しかも溢水を常時行わせて濾過・循環することにより浴槽内を衛生的に保持できるようにした浴槽水循環装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決した本発明の構成は、1) 複数の浴槽に溢水した浴槽水を回収する回収路をそれぞれ設け、同回収路により回収された浴槽水を収容する回収槽を設け、同回収槽に収容した浴槽水を浄化して送出する濾過器を備えたポンプを設け、同ポンプで送出された浄化した浴槽水を各浴槽に供給する送出管をそれぞれ設け、浴槽水を各浴槽に常時溢水するように供給し、溢水した浴槽水を再利用して循環させて常時溢水させることにより浴槽内を衛生的に保持できるようにした浴槽水循環装置2) 各浴槽の下部に浴槽水の一部を浴槽の底部から流量調整弁を介して回収槽に導出する導出管をそれぞれ設け、供給した浴槽水が表面流となって直ちに溢水するのを防止できるようにした前記1)記載の浴槽水循環装置3) 回収路の途中に開閉弁を設け、ポンプが停止したときに前記開閉弁を閉路させる制御手段を設け、浴槽の水位が低下するのを防止できるようにした前記2)記載の浴槽水循環装置4) 各導出管の途中に逆止弁をそれぞれ設け、各導出管の逆止弁の下流側でそれぞれ接続して一本の共通導出管と成し、同共通導出管に流量調整弁を設け、各浴槽の導出水量を一箇所で任意に調整できるようにした前記2)又は3)記載の浴槽水循環装置5) 各送出管の途中に流量調整弁をそれぞれ設け、各浴槽毎に水位の高低差を任意に設定できるようにした前記1)〜4)いずれか記載の浴槽水循環装置6) 各送出管の途中に逆止弁をそれぞれ設け、各送出管に浴槽内から吐水できる吐水口をそれぞれ設けた前記1)〜5)いずれか記載の浴槽水循環装置7) 送出管の途中に送出管内を流れる浴槽水を所定温度に加温する加温器を設け、浴槽内の浴槽水を常時一定温度に保持できるようにした前記1)〜6)いずれか記載の浴槽水循環装置8) 回収槽に回収槽内の浴槽水が所定水位以下になると補水する補水路を設け、回収槽内の浴槽水を常時一定水位に保持して安定供給できるようにした前記1)〜7)いずれか記載の浴槽水循環装置にある。
【0005】
【作用】本発明によれば、浴槽水を各浴槽に供給して溢水させ、溢水した浴槽水を回収槽に回収して浄化し、これを再び各浴槽に供給する。この一連の工程を常時反復することにより浴槽水が循環され、浴槽水を再利用して節水しながら浴槽内が衛生的に保持される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明では、各浴槽の底部から流量調整弁を介して回収槽に導出する導出管を設けると、供給した浴槽水が表面流となって直ちに溢水するのを防止して浴槽内全域に渡って循環され、浴槽内がより衛生的に保持されるとともに浴槽内の水温差が低減できて好ましい。回収路の途中にポンプの停止時に閉路する開閉弁を設けると、浴槽の水位が必要水位以下に低下するのが防止できるとともに、回収槽に過剰に回収されて溢水するのを防止できる。各導出管を逆止弁を介して接続して一本の共通導出管とすると、各浴槽の導出水量を一箇所で任意に調整できるようになり設備の低コスト化を図るとともに、各浴槽の設置高さを異らせる等設計自由度を高めることができて好ましい。各送出管の途中に流量調整弁を設けると、各浴槽毎の水位の高低差を任意に設定できるので好ましい。各送出管の途中に逆止弁を介して浴槽内から吐水できる吐水口を設けると、浴槽内が全域に渡って常時浴槽水が入れ換わることにより、浴槽内がより衛生的に保持されて好ましい。回収槽に槽内が所定水位以下になると補水する補水路を設けると、入浴者が使用あるいは浴槽への出入り等により排水された分を補完し、回収槽内の浴槽水を常時一定水位に保持して各浴槽に安定供給できて好ましい。送出管の途中に加温器を設けると、、浴槽内の浴槽水を常時一定温度に保持して快適に使用できる。本発明の浴槽水循環装置は、公衆浴場など複数の浴槽を一系統で管理するためのものであるが、単独の浴槽にも問題なく運用できるものである。
【0007】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
【0008】
【実施例】図1,2に示す実施例は、複数の浴槽を備えた公衆浴場に本発明の浴槽水循環装置を適用した例である。図1は、実施例の浴槽水循環装置の説明図である。図2は、実施例の浴槽水の循環を示す概略図である。図中、1は浴槽であって、内部の片側にステップ1aを有し、同ステップ1a側に溢水した浴槽水を受け入れる溢水受溝1bを設けている。2は回収路であって、溢水受溝1bの下部から浴槽1の外部に導出するように設け、途中で他の浴槽1のものと接続して一本化し、常時開放させている。3は回収槽であって、上方に回収路2の末端から浴槽水を受け入れる開口を有し、同開口に浴槽水内の異物を除去するスクリーン3aを設けている。4はポンプであって、図示しない濾過器を内蔵しており、回収槽3内の浴槽水を汲み上げて浄化し送出できるようにしている。5は送出管であって、ポンプ4で送出された浴槽水を各浴槽1毎に分岐して供給できるように設け、途中に流量調整弁5a及び逆止弁5bをそれぞれ設け、各浴槽1の水面上及び浴槽1内から吐水できる吐水口5c,5dをそれぞれ設けている。6は導出管であって、浴槽水を各浴槽1の底部から回収槽3に導出するように逆止弁6aを介してそれぞれ設け、途中に流量調整弁6bを設けて導出水量を調整できるようにしている。また、途中に電動開閉弁6cを設け、図示しないインターロックによりポンプ4が停止すると自動的に導出管6を閉路できるようにしている。7は補水器であって、外部の補給水管7aと接続し、回収槽3内の浴槽水の水位を検知する水位センサ7cと連動して作動する電動弁7bを設け、回収槽3内が所定水位以下になると補水器7で補水して常時一定水位を保持できるようにしている。8は加温器であって、ポンプ4で送出された浴槽水を所定の入浴温度に加温できるようにしている。9は排水管、Wは浴槽水である。
【0009】本実施例では、まず、回収槽3内の浴槽水Wが必要な水位にない場合は補水器7で補水して所定水位を満足させる。次に回収槽3内の浴槽水Wをポンプ4で所定水量汲み上げて内蔵された濾過器で浄化して送出する。次に、ポンプ4で送出された浄化した浴槽水Wを加温器8に通水しておよそ40〜43℃の入浴温度に加温する。次に、加温した浴槽水Wを送出管5で各浴槽1に送水する。このとき、通常は流量調整弁5aを開放して送水できるようにしているが、例えばある浴槽1のみを空にして清掃したい場合は対応する流量調整弁5aを閉路することにより送水を停止して浴槽1内を排水することで可能となる。次に、送水した浴槽水Wを各浴槽1内に吐水して徐々に満たしていき、浴槽1内が満水になっても吐水を停止させず溢水させる。次に、溢水した浴槽水Wを回収路2で回収槽3に回収するとともに浴槽1の底部からも導出管6で回収槽3に導出する。導出管6による導出水量は途中の流量調整弁6bを開閉調整することで総循環水量に変動を与えずに設計循環水量を維持させる。そして、回収槽3に回収された浴槽水Wは再びポンプ4及び加温器8を通じて各浴槽1に送出される。以上の各工程を反復することにより浴槽水Wが常時循環されることとなる。
【0010】図2は浴槽水の循環を示す概略図である。Q1は溢水量、Q2は導出水量、Q3は循環水量、Qは排水量を示しており、Q3=Q1+Q2Qの式が成り立つ。本実施例ではQ3 を100とすると、およそQ1は65%、Q2は30%、Qは5%の割合で浴槽水Wが常時循環するようにしている。不特定多数の入浴者が各浴槽1に入って過剰に溢水してもQ1とQ2の返りは100となり、浴槽1の水位は数分で元に戻る。また、Qは入浴者による使用及び出入りで失われる水量で、排水された分は回収槽3に補水されて所定の運転水位が保持される。
【0011】本実施例では以上のように構成したから以下のような作用効果を奏する。
1)浴槽を積極的に溢水させて浴槽内の浴槽水を常時入れ換えるので衛生的である。
2)溢水させた浴槽水は排水せず回収して濾過・再供給するので節水できる。
3)各浴槽毎の水位の管理が独立しているので、いずれか一つの浴槽を空にして個別に清掃等が行えるとともに水位も各浴槽毎に任意に定めることができる。
4)各浴槽毎の水位の管理が独立しているので、各浴槽の設置高さを任意に異ならせることができて浴場の設計自由度が高まり、しかも高低差による施工ミスも低減できる。
5)一度加温した浴槽水を回収・循環させることにより、溢水した分を補水して加温しないので熱エネルギの損失を抑えることができる。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば溢水した浴槽水を回収して再利用することにより節水できるようにし、しかも溢水を常時行わせて濾過・循環することにより浴槽内を衛生的に保持できる浴槽水循環装置を提供できる。
【出願人】 【識別番号】501495101
【氏名又は名称】大晃産業株式会社
【住所又は居所】福岡県福岡市南区大楠2丁目11番2号
【出願日】 平成13年12月25日(2001.12.25)
【代理人】 【識別番号】100081824
【弁理士】
【氏名又は名称】戸島 省四郎
【公開番号】 特開2003−190034(P2003−190034A)
【公開日】 平成15年7月8日(2003.7.8)
【出願番号】 特願2001−390940(P2001−390940)