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【発明の名称】 風呂蓋
【発明者】 【氏名】大工 一郎
【住所又は居所】海南市大野中1010番地 株式会社オーエ内

【要約】 【課題】エッジプロテクタが板状本体に作製上及びコスト上合理的に付設されてなる風呂蓋を提供すると共に、可及的肉厚を厚くすることなくかつ高価な材料を用いることなく高い剛性の得られる補強縁材を備えた風呂蓋を提供する。

【解決手段】板状本体1の周縁に、アルミニウム押出型材からなるチャンネル状の補強縁材5が緊密に強制嵌合され、該補強縁材5を内包する態様で、板状本体1の周縁にポリエチレン樹脂製エッジプロテクタ10が一体成形されている。補強縁材5の上面板部5a及び下面板部5bの各先端部と板状本体1との間に隙間7が形成されると共に、上面板部5aと下面板部5bとの一端を連結した連結壁5cの上下端に上下方へ突出して前記上下両板部の外面より外方に張り出した補強リブ部6が突設されている。該補強リブ部6は断面湾曲状の膨隆部として形成され、該補強リブ部6と板状本体1との間に空隙部8が形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 板状本体の対向する少なくとも長辺に、耐熱性硬質材からなるチャンネル状の補強縁材が緊密に強制嵌合され、該補強縁材を内包する態様で、前記板状本体の周縁に合成樹脂製エッジプロテクタが一体成形されてなることを特徴とする風呂蓋。
【請求項2】 前記補強縁材は、上面板部及び下面板部の各先端部が、板状本体との間に隙間を生じさせる態様に形成されてなる請求項1に記載の風呂蓋。
【請求項3】 前記板状本体は、エッジプロテクターとの対応位置に厚さ方向に貫通孔が設けられ、該貫通孔に、エッジプロテクターを構成する合成樹脂が成形時に流し込まれてなる請求項1又は請求項2に記載の風呂蓋。
【請求項4】 前記補強縁材は、上面板部と下面板部との一端を連結した連結壁の上下端に上下方へ突出して前記上下両板部の外面より外方に張り出した補強リブ部を備えてなる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の風呂蓋。
【請求項5】 前記補強リブ部は、断面湾曲状の膨隆部として形成され、該補強リブ部と板状本体との間に空隙部が形成されてなる請求項4に記載の風呂蓋。
【請求項6】 前記補強縁材は、アルミニウム押出型材である請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の風呂蓋。
【請求項7】 前記板状本体は、低発泡合成樹脂芯板とその上下に積層一体化されたアルミニウム等の金属薄板との積層板である請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の風呂蓋。
【請求項8】 前記合成樹脂製エッジプロテクターが、軟質合成樹脂からなる請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の風呂蓋。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、風呂蓋、とくに、複数枚を浴槽上に並列させて使用するいわゆる組合せ式風呂蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】この種組合せ式風呂蓋もいくつかのタイプがあるが、最近は図8及び図9に示すようなタイプの風呂蓋、すなわち合成樹脂発泡体製芯板(52)の表裏両面にアルミニウム製の薄板(53)(53)が張設された板状本体(51)の周縁が軟質合成樹脂製のエッジプロテクター(60)により全周に亘って被覆されてなるタイプの風呂蓋が組合せ式風呂蓋の主流となっている(特開平8−103389号、特開平8−275891号等参照)。
【0003】而して、前記エッジプロテクター(60)は、従前は接着剤を介して板状本体(52)に固定されていたものであったが、上記特開平8−103389号等においては、エッジプロテクター(60)を取り替えることを考慮して、接着剤を用いないで、エッジプロテクター(60)を板状本体(51)に弾性嵌合する方法が提案されている。
【0004】また、このような風呂蓋は、強度を高めるために板状本体(51)の長辺に補強縁材(55)が付設され、エッジプロテクター(60)は該補強縁材(55)を包み込むようにして設けられるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エッジプロテクター(60)を板状本体(51)に接着する場合あるいは弾性嵌合する場合のいずれにおいても、エッジプロテクター(60)の作製と、板状本体(51)への取付とは別々に行わなければならないものであった。
【0006】また、風呂蓋の強度とくにたわみ強度を高めるためには、補強縁材(55)の剛性を高めることが有効であるが、その肉厚を増大させることにより剛性を高めようとするとコスト高になると共に風呂蓋の重量が増大するという問題がある。一方、補強縁材(55)の素材により剛性の高い材料を選択するとこれもコスト高になるという問題がある。
【0007】この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、第1の目的は、エッジプロテクタが板状本体に作製上及びコスト上合理的に付設されてなる風呂蓋を提供することにある。また、第2の目的は、可及的肉厚を厚くすることなくかつ高価な材料を用いることなく高い剛性の得られる補強縁材を備えた風呂蓋を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成するために、この発明に係る風呂蓋は、板状本体の対向する少なくとも長辺に、耐熱性硬質材からなるチャンネル状の補強縁材が緊密に強制嵌合され、該補強縁材を内包する態様で、前記板状本体の周縁に合成樹脂製エッジプロテクタが一体成形されてなる構成を採用する。
【0009】この発明によれば、板状本体の周縁に合成樹脂製エッジプロテクターが一体成形されているので、エッジプロテクターを別途作製する手間及びその板状本体への取り付け作業を不要とし、風呂蓋を合理的に製作しうる。
【0010】また、エッジプロテクターが、板状本体に強制嵌合されたチャンネル状の補強縁材を内包する態様で一体成形されているので、エッジプロテクターの板状本体側端部の下部が抜脱方向に対して、補強縁材に圧接することになり、強固な一体化が得られる。
【0011】この一体化をより強固なものとするためには、補強縁材の上面板部及び下面板部の各先端部が、板状本体との間に隙間を生じさせる態様に形成されてなることが好ましい。エッジプロテクターを板状本体から抜脱させる力がかかった時に、前記隙間に入り込んだ樹脂が、補強縁材に対して引っかかることにより抜脱防止部として作用するからである。そのような態様としては、その上面板部及び下面板部の各先端部が、円弧状に形成されたり、あるいは斜状に形成されることがある。
【0012】また、さらに、前記一体化をより強固なものとするためには、板状本体のエッジプロテクターとの対応位置に厚さ方向に設けられた貫通孔に、エッジプロテクターを構成する合成樹脂が成形時に流し込まれてなるものであることが好ましい。エッジプロテクターの上板部と下板部とが繋がることにより、抜脱方向に対して貫通孔に流れ込んだ樹脂が抜け止めとなるからである。この貫通孔を設ける場合は、あえて前記隙間を必要としないが、貫通孔を設けない場合は、前記隙間が設けられていることが好ましい。
【0013】前記板状本体は、低発泡合成樹脂芯板とその上下に積層一体化されたアルミニウム等の金属薄板との積層板であることが好ましい。芯板が低発泡合成脂製であることにより、補強縁材の強制嵌合をより効果的に行えるからである。また、芯板を構成する樹脂と、エッジプロテクターを構成する樹脂とを同種あるいは同系統の熱可塑性樹脂から形成されているものとすると、板状本体の貫通孔に流れ込んだエッジプロテクターを構成する樹脂が芯板と溶着することにより、前記抜け止め防止がより一層効果的に行われることになる。
【0014】上記第2の目的を達成するために、前記補強縁材は、上面板部と下面板部との一端を連結した連結壁の上下端に上下方へ突出して前記上下両板部の外面より外方に張り出した補強リブ部を備えてなるものとなされる。
【0015】この補強リブ部を備えることにより、断面二次モーメントの値が大きくなり、たわみ強度が高くなるので、風呂蓋の強度が高くなる。
【0016】前記補強リブ部は、断面湾曲状の膨隆部として形成され、該補強リブ部と板状本体との間に空隙部が形成されてなることが好ましい。
【0017】前記補強縁材は、アルミニウム押出型材であることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示実施形態に基づいて説明する。
【0019】図1ないし図4は、この発明に係る風呂蓋の一実施形態を示すもので、板状本体(1)の周縁に、アルミニウム押出型材からなるチャンネル状の補強縁材(5)が緊密に強制嵌合され、該補強縁材(5)を内包する態様で、前記板状本体(1)の周縁に防滑性に富んだポリエチレン製エッジプロテクター(10)が一体成形されている。
【0020】板状本体(1)は、2倍発泡のポリエチレン低発泡合成樹脂製芯板(2)の上下にアルミニウムからなる薄板(3)(3)が積層されてなるもので、図4に示すように周縁部のエッジプロテクター(10)との対応位置に、板状本体(1)を厚さ方向に貫通する貫通孔(4)(4)…が互いに所定間隔を置いて設けられている。
【0021】補強縁材(5)は、図3に示すように断面コ字状を基調としながら、その上面板部(5a)及び下面板部(5b)の各先端部が、板状本体(1)への嵌合状態においてアルミニウム薄板(3)(3)に向かって湾曲する円弧状面に形成されることにより、補強縁材(5)とアルミニウム薄板(3)(3)との間に、エッジプロテクター(10)を構成する樹脂が入り込む隙間(7)(7)が設けられることになる。
【0022】また、この補強縁材(5)は、上面板部(5a)と下面板部(5b)との一端を連結した連結壁(5c)の上下端に上下方へ突出して前記上下両板部(5a)(5b)の外面より外方に張り出した補強リブ部(6)(6)が突設されている。該補強リブ部(6)(6)は、断面湾曲状の膨隆部として形成されることにより、該補強リブ部(6)(6)と板状本体(1)との間に空隙部(8)(8)が形成されている。前記上面板部(5a)と下面板部(5b)との間隔は、板状本体(1)の厚さより0.7mmほど短く設定されている。
【0023】この風呂蓋(F)を製作するには、従来と同様に、板状本体(1)を所定形状に形成した後、その周縁に補強縁材(5)を嵌合させるのであるが、補強縁材(5)の上面板部(5a)と下面板部(5b)との間隔は、板状本体(1)の厚さより0.7mmほど短い3.5mmに設定されているので、最初は、補強縁材(5)の一部を僅かに拡開させる一方、板状本体(1)の一部を圧縮させながら、該圧縮部に補強縁材(5)の一部を強制的に嵌合させ、順次補強縁部材(5)の残りの部分を板状本体(1)に強制的に嵌合させることにより、全体が緊密に強制嵌合される。
【0024】このようにして、周縁に補強縁材(5)が取り付けられた板状本体(1)の周縁に補強縁材(5)を包み込むようにしてエッジプロテクター作製用成形金型を配置し、該金型にポリエチレン樹脂を流し込むことにより、板状本体(1)の周縁にエッジプロテクター(10)を一体成形するのである。この成形時に、ポリエチレン樹脂は、補強縁材(5)とアルミニウム薄板(3)(3)との間の隙間(7)(7)に入り込み、さらに貫通孔(4)の上下開口から流入した樹脂が貫通孔(4)内で一体となると共に、芯板(2)と相互に溶着し合うことになる。
【0025】図5は、前記第1実施形態の板状本体(1)と同じ板状本体(1)に異なる補強縁材(15)が強制嵌合された第2実施形態を示すもので、該補強縁材(15)は、第1実施形態の補強縁材(15)と同様に、上面板部(15a)と下面板部(15b)とを連結する連結壁(15c)の上下端に上下方へ突出して前記上下両板部(15a)(15b)の外面より外方に張り出した補強リブ部(16)(16)が突設されている。また、該補強リブ部(16)(16)は、断面湾曲状の膨隆部として形成されることにより、この補強リブ部(16)(16)と板状本体(1)との間に空隙部(18)(18)が形成されている。さらに、この第2実施形態においてもその上面板部(15a)及び下面板部(15b)の各先端部が、板状本体(1)への嵌合状態においてアルミニウム薄板(3)(3)に向かって湾曲する円弧状面に形成されることにより、補強縁材(5)とアルミニウム薄板(3)(3)との間に、エッジプロテクター(10)を構成する樹脂が入り込む隙間(符号省略)が設けられている。
【0026】而して、この補強縁材(15)と、第1実施形態の補強縁材(5)との相違は、縁材の肉厚が約2/3に設定されており、そのために補強リブ部(16)(16)の断面湾曲状が第1実施形態のものより際立っているところにある。
【0027】このような補強縁材(15)を用いた風呂蓋は、第1実施形態の風呂蓋と同様にして作製されるものであるので、詳細な説明は省略する。
【0028】図6及び図7は、先の実施形態と同じ板状本体(1)に異なる補強縁材(25)(35)が強制嵌合された第3実施形態、第4実施形態を示すもので、先の実施形態と異なるところは、連結壁(25c)(35c)の上下端に上下方へ突出する補強リブ部が設けられていないこと、それに従い、上面板部(25)(35)及び下面板部(25)(35)と板状本体(1)との間に空隙部が設けられていない点にある。また、図6に示す第3実施形態の補強縁材(25)と図7に示す第4実施形態の補強縁材(35)との相違は、第4実施形態の補強縁材(35)の連結壁(35c)の肉厚が第3実施形態の補強縁材(25)の連結壁(25c)の肉厚の約2/3に設定されている点にある。
【0029】このような補強縁材(25)(35)を用いた風呂蓋も、第1実施形態の風呂蓋と同様にして作製されるものであるので、詳細な説明は省略する。
【0030】而して、上記実施形態の風呂蓋における補強縁材(5)(15)(25)(35)の断面二次モーメントを求めてみると、第3実施形態の補強縁材(25)は第4実施形態の補強縁材(35)より僅かにその値が大きくなるだけであったが、第2実施形態の補強縁材(15)の断面二次モーメントの値は、第3実施形態及び第4実施形態の補強縁材(25)(35)の約1.5〜1.6倍であることが判明した。また、第1実施形態の補強縁材(5)の断面二次モーメントの値は、第3実施形態及び第4実施形態の補強縁材(25)(35)の約2.0〜2.1倍であることが判明した。この計算結果に鑑みると、補強縁材の上下面部の肉厚を増大させることが断面二次モーメントの値を大きくすることひいてはたわみ強度を高くすることはもとより、連結壁の上下方に突設された補強リブ部が、断面二次モーメントの値を大きくすることひいてはたわみ強度を高くすることがわかった。
【0031】
【発明の効果】上述の次第で、この発明に係る風呂蓋は、板状本体の対向する少なくとも長辺に、耐熱性硬質材からなるチャンネル状の補強縁材が緊密に強制嵌合され、該補強縁材を内包する態様で、前記板状本体の周縁に合成樹脂製エッジプロテクターが一体成形されているので、エッジプロテクターが板状本体に合理的に一体化された風呂蓋を提供できる。
【0032】前記補強縁材が、その上面板部及び下面板部の各先端部が、板状本体との間に隙間を生じさせる態様に形成されてなる場合には、エッジプロテクターと板状本体との一体化がより強固になされる。
【0033】また、前記板状本体が、エッジプロテクターとの対応位置に厚さ方向に貫通孔が設けられ、該貫通孔に、エッジプロテクターを構成する合成樹脂が成形時に流し込まれてなる場合には、エッジプロテクターと板状本体との一体化がより一層強固になされる。
【0034】前記補強縁材が、上面板部と下面板部との一端を連結した連結壁の上下端に上下方へ突出して前記上下両板部の外面より外方に張り出した補強リブ部を備えてなる場合には、補強縁材の高い剛性が得られ、たわみ強度に優れた風呂蓋を提供できる。
【0035】前記補強リブ部が、断面湾曲状の膨隆部として形成され、該補強リブ部と板状本体との間に空隙部が形成されてなる場合には、板状本体の芯板に低発泡合成樹脂から作製されていると、強制嵌合された補強縁材によって圧縮された板状本体が空隙部においては圧縮部分より肉厚大となるので、補強縁材が抜脱し難い風呂蓋を提供できる。
【出願人】 【識別番号】390029919
【氏名又は名称】株式会社オーエ
【住所又は居所】和歌山県海南市大野中1010番地
【出願日】 平成13年12月26日(2001.12.26)
【代理人】 【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義 (外2名)
【公開番号】 特開2003−190033(P2003−190033A)
【公開日】 平成15年7月8日(2003.7.8)
【出願番号】 特願2001−394834(P2001−394834)