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【発明の名称】 洋式便器
【発明者】 【氏名】小川 良二

【氏名】岸本 由加里

【要約】 【課題】備え付けのトイレットペーパーや携帯用のティッシュペーパー等のトイレ用紙を簡易な便座カバーとして利用することができ、また、便座が不衛生になることもなく、しかも、便器からの臭気を吸引して脱臭機能をも発揮する洋式便器を提供する。

【解決手段】便器とこの便器の開口部周縁に対して開閉可能に取り付けられた便座とを有する洋式便器において、上記便座の左右両側部にはその上方に向けて開口する開口中空部を形成し、この開口中空部には便座の一般面に沿って着脱可能に閉塞すると共に複数の通気孔を有する通気蓋を設け、上記開口中空部を吸気手段により吸引することにより上記通気蓋上にトイレ用紙を吸着させて保持するようにした洋式便器である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 便器とこの便器の開口部周縁に対して開閉可能に取り付けられた便座とを有する洋式便器において、上記便座の左右両側部にはその上方に向けて開口する開口中空部を形成し、この開口中空部には便座の一般面に沿って着脱可能に閉塞すると共に複数の通気孔を有する通気蓋を設け、上記開口中空部を吸気手段により吸引することにより上記通気蓋上にトイレ用紙を吸着させて保持するようにしたことを特徴とする洋式便器。
【請求項2】 開口中空部は、便座の左右両側部の上方及び内側方に向けて開口する請求項1に記載の洋式便器。
【請求項3】 複数の通気孔は、通気蓋の略全面に亘って略均一に配置された多数の小孔で構成されている請求項1又は2に記載の洋式便器。
【請求項4】 通気蓋は、その周縁部が開口中空部の開口縁部に着脱可能に支持されると共に、通気蓋側及び/又は開口中空部の底部側に設けられた1つ又は2つ以上の支柱により支持される請求項1〜3のいずれかに記載の洋式便器。
【請求項5】 便座の左右両側部に形成された開口中空部は、連通路により互いに接続されている請求項1〜4のいずれかに記載の洋式便器。
【請求項6】 便座はその略全体が中空体で形成されており、その左右両側部に開口を形成することにより開口中空部とこれら開口中空部間を接続する連通路とが形成されている請求項5に記載の洋式便器。
【請求項7】 吸気手段は、連通路に配設されて便座の左右両側部に形成された開口中空部を同時に吸引する請求項6に記載の洋式便器。
【請求項8】 吸気手段は、ファンと吸排口とを有するブロワ装置である請求項1〜7のいずれかに記載の洋式便器。
【請求項9】 開口中空部内には、吸気手段で吸引した際に通気孔より風下となる位置に、脱臭手段が交換可能に配設されている請求項1〜8のいずれかに記載の洋式便器。
【請求項10】 吸気手段には、使用者が便座に接近したことを検知して始動し、使用者が便座から立ち上がって所定時間経過したことを検知して停止する制御手段が組み込まれている請求項1〜9のいずれかに記載の洋式便器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、洋式便器に係り、特に限定するものではないが、不特定の多数の使用者が利用する公園、高速道路のパーキング、デパート、病院、映画館等の公衆トイレに設置するのに好適な洋式便器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、トイレの便器についてその洋式化が進み、一般の家庭やホテルのトイレではほとんどその全てが洋式便器になっているほか、公衆トイレにおいても洋式便器が使用され始めている。しかしながら、この洋式便器おいて、その便座は、使用者の露出した股付け根裏側付近が直接に接触するため、特に公衆トイレにおいては使用者に不快感を与え、また、不衛生にもなりかねない。
【0003】そこで、このような公衆トイレに設置された洋式便器においては、例えば、使用者が便座に着座する際にこの便座の上に載置し、使用者の露出した股付け根裏側付近が便座に直接に接触しないようにするシートペーパー(便座カバー)をトイレッシペーパーとは別に用意したり、また、洋式便器にこのようなシートペーパーを便座の上に自動で供給するシートペーパー自動供給装置を設置し、便座についてはその本体を中空状に形成すると共にその上面の略全面に多数の小孔を開設し、シートペーパー自動供給装置内に配設したブロワ装置により上記小孔から空気を噴出し、又は、吸引し、これによって便座の上に繰り出されるシートペーパーを保持し、又は、便座上に吸着するシートペーパー吸着構造を備えたもの(特開平5-137,666号公報)が提案されている。
【0004】しかしながら、トイレットペーパーとは別にシートペーパーを用意する方法においては、トイレットペーパーに比べてシートペーパーそれ自体の単価が高くて設置コストが高くつくほか、これを特に公衆トイレで採用した場合、例えばデパート、病院、映画館等のように、使用者の数に比べて比較的豊富な人手を擁する施設の場合には対応可能ではあるが、公園、高速道路のパーキング等のように使用者の数が多い施設の場合にはシートペーパーが直ぐに品切れになり、結局は多くの使用者がシートペーパーの使用をすることができなくなるという問題がある。
【0005】また、シートペーパー吸着構造を備えたものについては、中空状便座の上面略全面に多数の小孔が開設されているためにこの便座の表面が汚れ易いほか、便座を洗浄する際にこれら多数の小孔内に異物が入り込んで詰まり易く、しかも、便座を便器から取り外して洗浄することも簡単にはできないため、時にはこのシートペーパー吸着機構が機能しなくなることもあり、また、シートペーパーが品切れになった際には使用者がかえって不快な思いをする場合も生じる。
【0006】また、洋式便器の便座を清潔に使用するためにトイレットペーパーそれ自体を簡易なシートペーパーとして使用することも行われており、例えば、特開平7-241,257号公報には、下方に繰り出されたトイレットペーパーの表裏を挟んでこのトイレットペーパーに襞をつける襞つけローラを備えた簡易便座カバーの成形装置が提案されており、また、特開2000-287,887号公報には、便座に複数の押込み孔を形成し、切断したトイレットペーパーの一部をこれらの押込み孔内に押し込み、これによって切断したトイレットペーパーを簡易な便座カバーとして使用することが提案されている。
【0007】しかしながら、前者の簡易便座カバーの成形装置においては、その襞つけローラによって成形される便座カバーの形状が常に一定であり、これに対して、洋式便器の便座には輪郭形状の少しずつ異なる馬蹄形型、楕円形型等の様々な形状があるほか、その大きさにも幾つかの大きさがあり、画一的な形状にのみ成形される便座カバーではこれら多くの形状の便座に対応しきれず、各便座の形状に合わせて成形装置を用意しなければならなくなり、成形装置が費用がかかりすぎるという問題がある。
【0008】また、後者の切断したトイレットペーパーを簡易な便座カバーとして使用する方法においては、便座にこの切断したトイレットペーパーの一部を押し込んで固定するための複数の押込み孔を形成しなければならず、この押込み孔内には汚れや異物が詰まり易く、しかも、便座を便器から取り外して洗浄することも簡単にはできないため、かえって不潔になり易いという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは、上述した従来の洋式便器における種々の問題点を解決できる手段について鋭意検討した結果、便座の左右両側部にその上方に向けて開口する開口中空部を形成し、この開口中空部には便座の一般面に沿って着脱可能に閉塞すると共に複数の通気孔を有する通気蓋を設け、上記開口中空部を吸気手段により吸引することにより上記通気蓋上に切断したトイレットペーパーやティッシュペーパー等のトイレ用紙を吸着させて保持することにより、備え付けのトイレットペーパーや携帯用のティッシュペーパーを簡易な便座カバーとして利用することができ、また、便座が不衛生になりがちであるという問題も解消でき、しかも、便器からの臭気を吸引して除去できることを見出し、本発明を完成した。
【0010】従って、本発明の目的は、備え付けのトイレットペーパーや携帯用のティッシュペーパー等のトイレ用紙を簡易な便座カバーとして利用することができ、また、便座が不衛生になることもなく、しかも、便器からの臭気を吸引して脱臭機能をも発揮する洋式便器を提供することにある【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、便器とこの便器の開口部周縁に対して開閉可能に取り付けられた便座とを有する洋式便器において、上記便座の左右両側部にはその上方に向けて開口する開口中空部を形成し、この開口中空部には便座の一般面に沿って着脱可能に閉塞すると共に複数の通気孔を有する通気蓋を設け、上記開口中空部を吸気手段により吸引することにより上記通気蓋上にトイレ用紙を吸着させて保持するようにした洋式便器である。ここで、便座の一般面とは、立体的な便座の自然な輪郭形状を形成する表面をいう。
【0012】本発明において、便座の左右両側部においてその上方に向けて開口する開口中空部が形成される部分(言い換えれば、便座の左右両側部において開口部が占める領域)は、その開口中空部を閉塞する通気蓋の通気孔を通過する空気の吸引力により、便座の左右両側部上面に載置した切断したトイレットペーパーやティッシュペーパー等のトイレ用紙を保持できる位置であればよく、特に制限はないが、あまり広すぎると必然的に通気蓋も大きくなり、この通気蓋を取り外して洗浄する通気蓋の洗浄作業の際にそれだけ多くの手間がかかるようになり、反対に、あまり狭すぎると必然的に通気蓋も小さくなり、便座の左右両側部上面の必要な領域にトイレ用紙を確実に保持できなくなる虞があることから、好ましくは、使用者が便座に着座した際に使用者の股付け根裏側が接触する部分を中心に、その側部長さ方向の長さ寸法が10〜40cm、より好ましくは20〜30cmであるのがよい。
【0013】また、便座の側部に設けられる各開口中空部については、便座側部の少なくとも上方に向けて開口していればよいが、便座側部の上方及び内側方に向けて開口させてもよい。そして、この際に、通気蓋にはこの通気蓋が上記開口中空部の内側方を閉塞する部分に内側方に向かう内側方通気孔を開設することにより、この内側方通気孔が使用時の臭気吸引口としての機能を発揮し、より優れた脱臭機能を付与することができる。
【0014】更に、上記通気蓋に形成される複数の通気孔については、これらの通気孔を介して吸引される空気の流れにより通気蓋上に載置されたトイレ用紙を確実に吸引保持できれば、例えばその長さ方向前後の位置に比較的大きめの透孔を穿設して形成するなど、どのように形成され、また、配置されていてもよいが、より確実にトイレ用紙を保持させるために、好ましくは通気蓋の略全面に亘って略均一に配置された多数の小孔で構成するのがよい。
【0015】更にまた、この通気蓋を開口中空部の開口縁部に着脱可能に取り付ける手段についても、通気蓋を開口中空部の開口縁部に確実に固定でき、また、通気蓋上に作用する使用者の荷重を確実に負荷することができ、更に、この通気蓋を開口中空部の開口縁部に容易に着脱できれば特に制限はないが、例えば、開口中空部の開口縁部には壁の外側又は内側の半分が高くて内側又は外側の半分が低い段部を形成すると共に通気蓋の周縁部には壁の外側又は内側半分が低くて内側又は外側半分が高い段部を形成し、これら開口中空部の開口縁部側の段部に通気蓋側の段部を嵌合させる嵌合方式や、この嵌合方式において、部材の弾性を利用して互いに加圧下に嵌合させる加圧嵌合方式や、通気蓋側及び/又は開口中空部の底部側に支柱を立設し、この支柱により通気蓋上に作用する使用者の荷重を負荷させる支柱方式や、この支柱方式において、各支柱の先端部とこの支柱の先端部が当接する部分との間に、部材の弾性を利用して互いに加圧下に嵌合する凹凸部を形成する支柱嵌合方式や、通気蓋側及び開口中空部の底部側にそれぞれ互いに吸着する磁石を組み込み、この磁石の吸着力を利用する磁石方式や、更にはこれらの各方式を適宜組み合わせて構成する組合せ方式等を例示することができる。
【0016】本発明においては、上記便座の左右両側部に形成した開口中空部を吸気手段により吸引することにより上記通気蓋上にトイレ用紙を吸着させて保持せしめ、このトイレ用紙を簡易な便座カバーとして利用するものであり、便座の形式については、それが馬蹄形型であっても楕円形型であってもよく、また、中実に形成されていても中空に形成されていてもよい。
【0017】ここで、便座の左右両側部に開口中空部を形成する手段についても特に制限はなく、例えば、便座が中実体で形成されている場合にはその左右両側部の必要な領域に貫通穴を形成してその下面側に底板を設けて底部を形成してもよく、また、始めから底部を有する開口中空部を穿設してもよく、また、便座が中空体で形成されている場合にはその左右両側部の上方又は上方及び内側方に開口を形成して開口部を有する開口中空部としてもよい。
【0018】更に、本発明において、便座の左右両側部に形成された開口中空部は、それぞれ独立して存在してもよいが、好ましくは連通路により互いに接続され、吸気手段によりこれら左右の開口中空部を同時に吸引できるようにするのがよい。この場合、便座自体を中空体で形成し、その左右両側部に開口を形成して開口中空部を構成すれば、便座の左右両側部に位置する開口中空部とこれら開口中空部を接続する連通路が同時に形成されることになる。
【0019】本発明において、開口中空部を吸引する吸気手段としては、この開口中空部の空気を吸引できるものであれば特に制限はなく、例えば、ファンと吸排口とを有する比較的小型のブロワ装置や、吸気口及び排気口を有する比較的小型のファンと、一端がこのファンの吸気口に接続され、他端が開口中空部に接続される接続ラインとを備えたブロワ装置や、更には、比較的大きな吸気口及び排気口を有する比較的大型のファンと、一端が上記ファンの吸気口に接続され、他端側に複数の分岐ラインを有して複数の洋式便器に形成された各開口中空部に接続される吸気ラインとを備えた比較的大型の吸気設備等を例示することができる。
【0020】そして、これらの吸気手段の取付け位置についても、特に制限されるものではなく、例えば、比較的小型のブロワ装置を便座内に直接組み込んだり、便器に隣接させて配設したり、あるいは、屋外に配設したり、また、複数の洋式便器に対応する場合には比較的大型の吸気設備を屋外に配設してもよい。特に、比較的小型のブロワ装置を便座内に直接組み込む場合には、便座内に左右両側部の開口中空部を接続する連通路を形成し、この連通路内に配設して左右両側部の開口中空部を同時に吸引できるように構成するのが望ましい。
【0021】更に、本発明において、吸気手段を便座内に直接組み込んだり、便器に隣接させて配設した場合には、便座の左右両側部に形成した開口中空部内において、吸気手段で吸引した際に通気孔より風下となる位置に、例えば、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、その他の臭気吸着性物質を担持させた通気性脱臭スポンジや、これらの臭気吸着性物質を通気性袋体内に充填したもの等の脱臭剤(脱臭手段)を交換可能に配設するのがよく、これによって臭気がトイレの個室内にこもるのを防止することができる。
【0022】また、本発明において、上記吸気手段の駆動・停止については、ブロワ装置の駆動スイッチを取り付けてこの駆動スイッチにより、洋式便器の使用時に手動で操作するようにしてもよく、また、好ましくはその吸気手段に、洋式便器の使用者の動作を検知してこの吸気手段を駆動し、また、停止するセンサ等からなる制御手段を組み込んでもよく、これによって、使用者は自ら吸気手段の駆動スイッチを操作する必要がなくなるほか、衛生上や脱臭の観点からも望ましいものである。
【0023】この制御手段については、特に制限はないが、例えば、トイレ個室内に入室した使用者を検知する入室センサと、使用者が便座から立ち上がって所定時間、例えば5〜7秒程度経過したことを検知する便座センサとを設け、入室センサの使用者検知信号により駆動し、また、便座センサの便座使用終了信号を検知して停止する制御手段等を例示することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
【0025】図1及び図2において、本発明の実施例に係る洋式便器が示されている。この洋式便器は、便器1と、中空体で略々楕円形状に形成され、上記便器1の開口部周縁に対して開閉可能に取り付けられた便座2と、蓋体3とを備えており、上記便座2の左右両側部にはその上部に開口を形成して上方に向けて開口する開口中空部4が形成されており、この開口中空部4には便座2の一般面に沿って着脱可能に閉塞すると共に略全面に亘って略均一に配置された多数の小孔(通気孔)6を有する通気蓋5が設けられており、更に、便座2の後方内部空間には、ファン7aと、上記各開口中空部4の方向に向けて開口する一対の吸気口7bと、便座2の外部に向けて開口する排気口7cとを有して各開口中空部4内の空気を吸引するブロワ装置(吸気手段)7が配設されている。
【0026】この実施例において、通気蓋5を開口中空部4の開口縁部に着脱可能に取り付ける手段については、図3に示されているように、上記開口中空部4の開口縁部にその壁の内側の半分が高くて外側の半分が低い段部8aを形成すると共に通気蓋5の周縁部に壁の内側半分が低くて外側半分が高い段部8bを形成し、これら開口中空部4の開口縁部側の段部8aに通気蓋5側の段部8bを部材の弾性を利用して加圧下に嵌合させ、また、通気蓋5及び開口中空部4の底部における互いに相対向する位置にそれぞれ支柱4a,5aを立設し、これら支柱4a,5aの先端部には互いに嵌合する凹部5b及び凸部4bを形成し、通気蓋5を開口中空部4の開口縁部に嵌合させた際にこれら凹部5bと凸部4bとが嵌合し、これによって通気蓋5上に作用する使用者の荷重を支柱4a,5aで負荷するようになっている。
【0027】また、全体が中空体で形成された便座2の左右両側部にそれぞれ開口を形成することにより形成された開口中空部4は、便座2の内部空間(連通路)で互いに連通されており、この便座2の後方内部空間に配設された上記ブロワ装置7が駆動した際には便座2の左右両側部の開口中空部4は便座2の内部空間を介して同時に吸引されるようになっている。
【0028】更に、この実施例においては、図2に示されているように、上記各開口中空部4内には、ブロワ装置7で吸引した際に小孔6より風下となる位置に、それぞれ通気性脱臭スポンジからなる脱臭剤(脱臭手段)9が交換可能に配設されており、これによって、ブロワ装置7の駆動により通気蓋5の多数の小孔6から吸い込まれた空気中の臭気は、この脱臭剤9を通過する際に吸着され、脱臭された空気がブロワ装置7の吸気口7b内に吸引されてその排気口7cから外部に排気されるようになっている。
【0029】更にまた、この実施例において、上記ブロワ装置7には、トイレ個室内に入室した使用者を検知する入室センサと、使用者が便座2から立ち上がって所定時間、例えば5〜7秒程度経過したことを検知する便座センサとを設け、入室センサの使用者検知信号により駆動し、また、便座センサの便座使用終了信号を検知して停止させる図示外の制御手段が設けられている。
【0030】従って、この実施例に係る洋式便器は、使用者がこの洋式便器を使用するためにトイレ個室内に入ると、ブロワ装置7はその制御手段が作動して駆動を開始し、これによって便座2にはその通気蓋5の多数の小孔6から吸い込まれ、便座2の左右両側部の開口中空部4を通過し、更に多数の小孔6の風下に設けられた脱臭剤9を通過し、ブロワ装置7の吸気口7bから吸引されて排気口7cから外部に排気される、空気の流れが形成される。
【0031】この状態で、使用者はトイレットペーパーを所定の長さ、例えば便座2の左右両側部において使用者の露出した股付け根裏側付近が接触する程度の長さに切断し、この切断トイレットペーパー10を便座2の通気蓋5上に載置すると、図4に示すように、この切断トイレットペーパー10は通気蓋5上に吸着されて固定される。
【0032】次に、このように使用者が切断トイレットペーパー10を便座シートとして使用し、用をたして立ち上がると、ブロワ装置7はその数秒後に制御手段が作動して停止し、使用者は便座シートとして用いた切断トイレットペーパー10を便器内に投入して流せばよい。この際に、ブロワ装置7は使用者が立ち上がった後もその数秒後まで駆動しているので、便座シートとして用いた切断トイレットペーパー10が誤って外部に落下し、洋式便器の周辺を汚すこともない。
【0033】しかも、この実施例の洋式便器においては、便座2の左右両側部周辺から通気蓋5の多数の小孔6を通過し、便座2の左右両側部の開口中空部4を経て脱臭剤9を通過し、ブロワ装置7の吸気口7bから吸引されて排気口7cから外部に排気される空気の流れが形成されるので、使用中あるいは使用直後に発生した臭気は、切断トイレットペーパー10により完全には閉塞されていない通気蓋5の多数の小孔6により吸い込まれ、空気の流れに乗って通気蓋5の多数の小孔6から吸い込まれ、脱臭剤9を通過する際に脱臭されるので、臭気がトイレ個室内に充満するようなことがない。
【0034】次に、図5においては、上記実施例に係る洋式便器の変形例を示す。この変形例に係る洋式便器は、上記実施例の場合とは異なり、通気蓋5には、略々楕円形状に形成された便座2の内周縁側に位置して内側方に向けて開口し、便座シートとして用いられた切断トイレットペーパー10が被覆することのない複数の脱臭用の小孔6aが設けられており、この使用中あるいは使用直後における便器1内からの臭気11をこの複数の脱臭用の小孔6aから確実に吸い込み、脱臭できるように構成されている。
【0035】
【発明の効果】本発明の洋式便器は、備え付けのトイレットペーパーや携帯用のティッシュペーパー等のトイレ用紙を簡易な便座カバーとして利用することができ、また、便座が汚れた際には通気蓋のみを取り外して容易に洗浄することができるので、便座が不衛生になることもなく、しかも、便器からの臭気を吸引して脱臭機能をも発揮するものであり、特に公衆トイレの洋式便器として好適である。
【出願人】 【識別番号】593084731
【氏名又は名称】小川 良二
【識別番号】597159662
【氏名又は名称】岸本 由加里
【出願日】 平成13年12月17日(2001.12.17)
【代理人】 【識別番号】100082739
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 勝夫 (外3名)
【公開番号】 特開2003−180564(P2003−180564A)
【公開日】 平成15年7月2日(2003.7.2)
【出願番号】 特願2001−383326(P2001−383326)