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【発明の名称】 簡易トイレ用糞尿消滅処理装置
【発明者】 【氏名】桜井 金作

【要約】 【課題】糞尿処理用容器内に収納された木質チップの如き糞尿消滅用微生物生殖部材の形状を保護し、糞尿処理槽内を効率的な設計でしかも清掃作業を余り必要としない簡易トイレの糞尿消滅処理装置を提供する。

【解決手段】底面側Aを凹型円筒断面形状とした糞尿用容器2の便座側Bに蓋3をもつ糞尿廃棄口4を設けた糞尿処理槽1と、糞尿処理槽1の凹型円筒断面形状の中空内で回転しかつ糞尿投入開口部8の開口端縁部に付着物スクレーパー部材9を設けると共に内部に糞尿消滅用微生物生殖部材10を収納した糞尿処理用回転容器5から構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 底面側(A)を凹型円筒断面形状とした糞尿用容器(2)の便座側(B)に開閉自在な蓋(3)をもつ糞尿廃棄口(4)を設けた糞尿処理槽(1)と、該糞尿処理槽(1)内の凹型円筒断面形状の底面に接近して回転可能な円筒容器(7)の周壁面に前記した糞尿廃棄口(4)の対峙位置に糞尿投入開口部(8)を設けかつ該糞尿投入開口部(8)の回転方向逆側端縁部に糞尿処理槽(1)の内周壁面を擦る付着物スクレーパー部材(9)を設けると共に内部に糞尿消滅用微生物生殖部材(10)を収納した糞尿処理用回転容器(5)から構成する事を特徴とする簡易トイレ用糞尿消滅処理装置。
【請求項2】 底部側(A)を凹型円筒断面形状とした糞尿用容器(2)の便座側(B)に開閉自在な蓋(3)をもつ糞尿廃棄口(4)を設けた糞尿処理槽(1)と、該糞尿処理槽(1)内の凹型円筒断面形状の底面に接近して回転可能な円筒容器(7)の周壁面に前記した糞尿廃棄口(4)の対峙位置に糞尿投入開口部(8)を設けかつ該糞尿投入開口部(8)の回転方向逆側端縁部に糞尿処理槽(1)の内周壁面を擦る付着物スクレーパー部材(9)を設けると共に円筒内周壁に攪拌用フィン(11)を設けて内部に糞尿消滅用微生物生殖部材(10)を収納した糞尿処理用回転容器(5)から構成した事を特徴とする簡易トイレ用糞尿消滅処理装置。
【請求項3】 底面側(A)を凹型円筒断面形状とした糞尿用容器(2)の便座側(B)に開閉自在な蓋(3)をもつ糞尿廃棄口(4)を設けた糞尿処理槽(1)と、該糞尿処理槽(1)内の凹型円筒断面形状の底面に接近して回転可能な円筒容器(7)の周壁面に前記した糞尿廃棄口(4)の対峙位置に糞尿投入開口部(8)を設けて内部に糞尿消滅用微生物生殖部材(10)を収納した糞尿処理用回転容器(5)からなり、さらに糞尿処理用回転容器(5)の糞尿投入開口部(8)の開口周端縁部に糞尿処理槽(1)の内周壁面を擦るシール性付着物スクレーパー部材(12)を設けて構成した事を特徴とする簡易トイレ用糞尿消滅処理装置。
【請求項4】 底面側(A)を凹型円筒断面形状とした糞尿用容器(2)の便座側(B)に開閉自在な蓋(3)をもつ糞尿廃棄口(4)を設けた糞尿処理槽(1)と、該糞尿処理槽(1)内の凹型円筒断面形状の底面に接近して回転可能な円筒容器(7)の周壁面に前記した糞尿廃棄口(4)の対峙位置に糞尿投入開口部(8)を設けると共に円筒内周壁に攪拌用フィン(11)を設けて内部に糞尿消滅用微生物生殖部材(10)を収納した糞尿処理用回転容器(5)からなり、さらに糞尿処理用回転容器(5)の糞尿投入開口部(8)の開口周端縁部に糞尿処理槽(1)の内周壁面を擦るシール性付着物スクレーパー部材(12)を設けて構成した事を特徴とする簡易トイレ用糞尿消滅処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、好気性微生物の分解作用を利用して人や家畜の糞尿を分解し消滅する簡易トイレ用の糞尿消滅処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年トイレは、住宅では自家用浄化槽で浄化した後一般下水へ流す形式から公共下水道の整備によって本格的な水洗トイレが普及する中で、老人や傷病人など不自由な人の介護にまたレジャーキャンプや屋外作業などにおいて、特別なメンテナンスを必要とする事もなく、用を足す毎に人手により清掃する必要もなく好適に使用される理由から、好気性微生物が生存するバイオチップと称する木質細片の中に糞尿を投入した後、糞尿を木質細片と共に攪拌し、好気性微生物の分解消滅作用を利用して糞尿処理する各種の簡易トイレが開発されている。例えば特開2000−308599号公報では「上部に便座を備え内部に微生物を担持するチップを収納しかつ該チップを底部から上方に掻き上げる渦巻き状の攪拌羽根を設けた円筒状の汚物槽と、該汚物槽の臭気廃棄ダストと、前記汚物槽内のチップに温風を吹き込む温風吹出管から構成されたポータブル便器」が紹介されている。また特開2001−120460号公報では「開口部から投入された有機廃棄物をおが屑に付着する微生物で分解処理する分解処理装置内に水平状に架設した駆動回転軸に、有機廃棄物を回転軸線方向に搬送しながら攪拌する内側攪拌ブレードと外側攪拌ブレードを設けて両ブレードを相反する方向へおが屑と共に巡回搬送させながら有機廃棄物を処理する分解処理装置付きトイレ」、特開2001−204651号公報では「便器に汚物を分解し消滅させる微生物を担持したチップを収納した汚物処理槽と、該汚物処理槽にチップを加温するヒーターを内蔵した攪拌羽根を設けた仮設トイレ」など多くの種類の簡易トイレが開発されている。この様な簡易トイレは、手軽に運搬できしかも携帯できる利点からレジャーボートや屋外作業などにおいて、多く使用される傾向にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した様な簡易トイレは、従来の固定型トイレに較べ微生物の分解作用よって糞尿排泄物を簡単に消滅処理できる利点がある。しかしながら、その反面では、汚物処理槽内に糞尿や微生物を生息するポーラスな木質チップを攪拌し酸素を供給する攪拌羽根を設け、さらに該攪拌羽根を回転させる回転駆動軸を槽内に架設する狭隘な槽内構造に組み立てられるため、木質チップが攪拌羽根の回転駆動によって徐々に細かく粉砕され、木質チップへの空気の供給が絶たれ、槽内が無酸素状態となって泥状化し、微生物も生存機能と繁殖機能を失なって嫌気性化し、微生物の糞尿分解消滅作用を失う問題があった。また汚物処理槽内は攪拌羽根やその回転駆動軸などの付帯部材を設ける内部構造によって、槽内容積が必然的に小さくなるため、その分大きめの槽内設計を試みなければならない問題もあった。また稼働中に糞尿排泄物が攪拌羽根やその回転駆動軸に付着し堆積するため、過剰な駆動動力を必要とするため、トイレの使用頻度によっては頻繁に清掃しなければならない問題があった。
【0004】本発明は、上記した様に従来から開発されている簡易トイレの問題点を解消する事を目的に種々検討した結果、糞尿処理用容器を回転させる事によって、従来の攪拌羽根を無くし、糞尿処理用容器内に収納された木質チップの如き糞尿消滅用微生物生殖部材の形状を保護し、糞尿処理槽内を効率的な設計でしかも清掃作業を余り必要としない簡易トイレ用の糞尿消滅処理装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明におけるその要旨とは、(1)底面側を凹型円筒断面形状とした糞尿用容器の便座側に開閉自在な蓋をもつ糞尿廃棄口を設けた糞尿処理槽と、該糞尿処理槽内の凹型円筒断面形状の底面に接近して回転可能な円筒容器の周壁面に前記した糞尿廃棄口の対峙位置に糞尿投入開口部を設けかつ該糞尿投入開口部の回転方向逆側端縁部に糞尿処理槽の内周壁面を擦る付着物スクレーパー部材を設けると共に内部に糞尿消滅用微生物生殖部材を収納した糞尿処理用回転容器からなる簡易トイレ用糞尿消滅処理装置である。また前記の該糞尿処理槽内の凹型円筒断面形状の底面に接近して回転可能な円筒容器の周壁面に前記した糞尿廃棄口の対峙位置に糞尿投入開口部を設けると共に、(2)該糞尿投入開口部の回転方向逆側端縁部に糞尿処理槽の内周壁面を擦る付着物スクレーパー部材を設け、かつ円筒内周壁に攪拌用フィンを設けて内部に糞尿消滅用微生物生殖部材を収納した糞尿処理用回転容器から構成した簡易トイレ用糞尿消滅処理装置、(3)内部に糞尿消滅用微生物生殖部材を収納した上記同様の糞尿処理用回転容器からなり、さらに該容器の糞尿投入開口部の開口周端縁部に糞尿処理槽の内周壁面を擦るシール性付着物スクレーパー部材を設けて構成した簡易トイレ用糞尿消滅処理装置、(4)円筒内周壁に攪乱用フィンを設けて内部に糞尿消滅用微生物生殖部材を収納した上記同様の糞尿処理用回転容器からなり、さらに該容器の糞尿投入開口部の開口周端縁部に糞尿処理槽の内周壁面を擦るシール性付着物スクレーパー部材を設けて構成した簡易トイレ用糞尿消滅処理装置である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照しながら詳細に説明する。各図面は、本発明の一実施例を示したものである。図1は本発明の縦断面図(a)とそのZ−Z線断面図(b)を示す。図1aにおいて、1は、糞尿処理槽である。糞尿処理槽1は、中空体の底面側Aを凹型円筒断面形状とした糞尿用容器2で、便座側Bに開閉自在な蓋3をもつ糞尿廃棄口4を設け、簡単に倒れない形状と任意な大きさに製作されている。本発明における糞尿処理槽1の外装壁については、金属や合成樹脂などの硬質材料を使って図示する様なフレーム構造や一体構造に製作してもよく、さらに必要によっては糞尿用容器2の内部を昇温できる様に温水を収容する二重体構造の温水内蔵壁構造体や電熱ヒーターを内蔵した加熱壁構造体に設けてもよく、さらには廃水処理機や脱臭機や排気管などの付帯機器を設けてもよく、これらの構造については特に限定するものでない。5は糞尿処理用回転容器で、糞尿処理槽1に内蔵されるものである。糞尿処理用回転容器5は、図1bで示す様に、円筒軸線上の両側端部から外方に回転軸6を設けた円筒容器7を、糞尿処理槽1の凹型円筒断面形状の底面に接近させて水平状に架設され、かつ該回転軸6を介して回転駆動源(図示せず)が連接されている。すなわち、糞尿処理用回転容器5は、糞尿処理槽1の凹型円筒断面形状に成した底面側Aの中空内で、回転可能に設けられている。また糞尿処理用回転容器5の周壁面には前記した糞尿処理槽1の糞尿廃棄口4の対峙位置に糞尿投入開口部8を設ける共に、該糞尿投入開口部8の少なくとも回転方向とは逆側の開口端縁部には、図1aで示す様に、前記した糞尿処理槽1の内周壁面をゴムや合成樹脂などの如き比較的軟質な可撓性材料で擦る付着物スクレーパー部材9を設け、さらに好気性微生物を生存させ増殖する木質チップや焼成貝殻粉などの糞尿消滅用微生物生殖部材10が収納されて構成されている。上記の様に本発明の簡易トイレ用糞尿消滅処理装置は、凹型円筒断面形状を成した底面側Aの中空体の糞尿処理槽1に、糞尿消滅用微生物生殖部材10を収納した円筒形状の中空体の糞尿処理用回転容器5を内蔵し、しかも糞尿処理用回転容器5の糞尿投入開口部8から飛び出して糞尿処理槽1の内周壁面に付着する糞尿消滅用微生物生殖部材10の付着物を回動するスクレーパー部材9で削り落とす清掃処理構造に構成されている。
【0007】また本発明は、上記した図1の糞尿消滅処理装置の糞尿処理槽1に収納された糞尿消滅用微生物生殖部材10に酸素を供給し一層の糞尿分解消滅作用を促すため、図2に断面図で示す様に、糞尿処理用回転容器5の内周壁面には、糞尿消滅用微生物生殖部材10および投入された糞尿廃棄物を攪拌するための多数個の攪拌用フィン11を点在させて設けてもよい。この場合の攪拌用フィン11の形状や大きさやその取付位置については、糞尿消滅用微生物生殖部材10の収納量に対応して任意に決定されるものであって、特に限定されるものではない。
【0008】さらに本発明は、上記した図1および図2に示す糞尿消滅処理装置を稼働する場合に、過酷な使用状況によっては、回転する糞尿処理用回転容器5に収納された糞尿消滅用微生物生殖部材10や投入された糞尿排泄物が、糞尿投入開口部8から飛び出し、糞尿処理槽1の内周壁面に付着するため、清掃作業を頻繁に行わなければならない問題があった。この問題を解消したのが、図3および図4に示す糞尿消滅処理装置である。図3および図4において、12は、シール性付着物スクレーパー部材である。シール性付着物スクレーパー部材12は、糞尿処理用回転容器5に収納された糞尿消滅用微生物生殖部材10などが回転中に糞尿投入開口部8から飛び出して糞尿処理槽1の内周壁面に付着する事を防止し、また付着した飛沫物を瞬時に掻き落として糞尿処理用回転容器5内に戻すと共に、糞尿処理用回転容器5から飛び出した糞尿消滅用微生物生殖部材10などが、糞尿処理槽1と糞尿処理用回転容器5との間の微小な間隙への進入する事を防止するシール性効果をもたらす。つまり、シール性付着物スクレーパー部材12は、この様な作用効果を奏するもので、そのためには前記した付着物スクレーパー部材9と同様の材質を使用し、糞尿処理用回転容器5の糞尿投入開口部8の開口周端縁部で、しかも糞尿処理槽1の内周壁面を擦る様に設ける必要がある。
【0009】上記の様に構成された本発明の糞尿消滅処理装置は、図5に一実施例で示す様に、開閉自在な蓋3を開放した後開閉便座部材13を搭載し簡易トイレとし、お年寄りや体の不自由な方が開閉便座部材13上に腰掛けて用を足す。用を足し終えた後は蓋3を閉め、糞尿処理用回転容器5を回転させる。糞尿処理用回転容器5に排泄された糞尿物は、糞尿消滅用微生物生殖部材10と共に攪拌し混合し、微生物の分解作用により臭気と共に消滅する。この際に回転する糞尿処理用回転容器5の糞尿投入開口部8から飛び出して糞尿処理槽1の内周壁面に付着した糞尿消滅用微生物生殖部材10などは、糞尿処理槽1内を回動する付着物スクレーパー部材9やシール性付着物スクレーパー部材12によって削り落とされながら該糞尿処理用回転容器5に戻され、また部材間の微小な間隙内への進入も抑制されながら、清潔な糞尿消滅処理装置を維持する。さらに本発明は汚物の処理装置であるがために、部材間例えば図1bで示す様に、糞尿処理槽1と糞尿処理用回転容器5の円筒容器7が接近する個所Gでは、出来るだけ微小間隙に確保する設計構造が好ましく、さらにシール部材を挟み込むなど汚物が入り込まない手段を講ずる事も好ましい。
【0010】
【発明の効果】以上述べた様に、糞尿処理用容器を回転させて糞尿排泄物を分解消滅する本発明の糞尿消滅処理装置によれば、糞尿処理槽(あるいは汚物処理槽)内に従来から使用される木質チップなどの回転攪拌羽根や攪拌羽根回転駆動軸を架設するものでないため、装置の清掃作業を余り必要とせず、木質チップなどの磨耗が極めて少なく、チップの形状を長期間にわたって保持し、しかも槽内容積が効率的に設計し得るなど多くの利点から、糞尿処理を低コストで分解消滅できる効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】502039377
【氏名又は名称】津山興産株式会社
【出願日】 平成13年12月19日(2001.12.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−180558(P2003−180558A)
【公開日】 平成15年7月2日(2003.7.2)
【出願番号】 特願2001−402911(P2001−402911)