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【発明の名称】 防水パンへの設置部材の取付構造
【発明者】 【氏名】中島 定夫
【住所又は居所】愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式会社イナックス内

【要約】 【課題】本発明は、浴槽やカウンターのエプロン、或いは握り棒などの設置部材の防水パンに対する取付部分において、漏水の発生を防止することを課題とするものである。

【解決手段】上記課題を解決するため、本発明は、防水パンに凹部を形成することにより、防水パンに貫通孔を設けることなく、浴槽やカウンターのエプロン、或いは握り棒等を取り付ける様にしたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】サニタリールームにおける防水パンの床面に、浴槽エプロン、カウンターエプロン、握り棒などの設置部材を取り付ける取付構造であって、防水パンの床面に形成した凹部に埋設部材を配置し、凹部と埋設部材との間の空隙部に、樹脂を充填して硬化させることにより、埋設部材を凹部に固定し、該埋設部材に、上記設置部材の下端部を固定することを特徴とする、防水パンへの設置部材の取付構造。
【請求項2】上記設置部材は、浴槽エプロン、カウンターエプロンなどの板状部材であって、該板状部材と埋設部材が、アングル材を介して固定されていることを特徴とする、請求項1記載の防水パンへの設置部材の取付構造。
【請求項3】上記凹部は、防水パンの床面から連続して立ち上がる立ち上がり部から連続して形成した水平段部に設けられていることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の防水パンへの設置部材の取付構造。
【請求項4】上記凹部は、溝状に連続して形成されている凹溝であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1記載の防水パンへの設置部材の取付構造。
【請求項5】上記設置部材は、握り棒などの棒状部材であって、該棒状部材と上記埋設部材とは、棒状部材の下端部に設けた取付フランジを介して固定することを特徴とする、請求項1記載の防水パンへの設置部材の取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、防水パンを利用したサニタリールームに関するもので、サニタリールーム内に設置される浴槽やカウンターに取り付けるエプロン、或いは幼児やお年寄り等が掴まる握り棒などの設置部材の防水パンに対する取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来例として、図5に示すように、浴槽900のエプロン200などは、防水パン100の床面に連続的に形成した立ち上がり部101の上面102に、アングル材などの取付部材を介してビスなどで取付けていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】エプロン200の下部と、立ち上がり部101側面との間隙はコーキング材などでシールするが、コーキング材の劣化などで隙間が生じると、飛散水がこの隙間を通じて立ち上がり部101の上面102に達することがあり、その時、ビスが上面102を貫通しているために、ビス孔を通じて防水パン100の下方に漏水する恐れがあった。
【0004】本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、浴槽やカウンターのエプロン、或いは握り棒などの設置部材の防水パンに対する取付部分において、上記のような漏水の発生を防止することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は、防水パンに凹部を形成することにより、防水パンに貫通孔を設けることなく、浴槽やカウンターのエプロン、或いは握り棒等を取り付ける様にしたので、従来のように、漏水の恐れが全くないものである。
【0006】具体的手段の1として、サニタリールームにおける防水パンの床面に、浴槽エプロン、カウンターエプロン、握り棒などの設置部材を取り付ける取付構造であって、防水パンの床面に形成した凹部に埋設部材を配置し、凹部と埋設部材との間の空隙部に、樹脂を充填して硬化させることにより、埋設部材を凹部に固定し、該埋設部材に、上記設置部材の下端部を固定することを特徴とするものである。
【0007】具体的手段の2は、その設置部材は、浴槽エプロン、カウンターエプロンなどの板状部材であって、この板状部材と埋設部材が、アングル材を介して固定されていることを特徴とするものである。具体的手段の3は、その記凹部は、防水パンの床面から連続して立ち上がる立ち上がり部から連続して形成された水平段部に形成されていることを特徴とするものである。具体的手段の4は、その凹部は、防水パンの床面に、溝状に連続して形成されていることを特徴とするものである。
【0008】具体的手段の5は、その設置部材は、握り棒などの棒状部材であって、この棒状部材と上記埋設部材とは、棒状部材の下端部に設けた取付フランジを介して固定されていることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施例について説明する。
【0010】図1は、本発明を使用したサニタリールームの概観を示すもので、手前が洗い場となっており、壁板6に沿って浴槽9が設置されており、その壁板6に連続する壁板7には浴槽9の高さと等しいカウンター10、及び防曇ミラーが設けられている。また、浴槽9が接する壁板6には、入浴者の浴槽9内での移動を補助するための手摺り5が取り付けられている。
【0011】入浴者の、浴槽9と洗い場との間の移動行為を補助するため、壁板7に手摺りを設けることがよく行われているが、図1の実施例においては、上記のようなカウンター10が設けられているので、壁板7に手摺りを設けても距離があるのであまり有効ではない。
【0012】そこで、洗い場における浴槽9及びカウンター10に近接した位置に、上端を天井板8に固定し、下端を後述する手段で防水パン1に固定した、鉛直の握り棒4を設けて手摺りの代わりとしている。
【0013】このような鉛直の握り棒4は、水平な手摺りと異なり、入浴者の体格、特に身長に配慮する必要がない点ではサニタリールームの設計上有利なものである。なお、手摺り5の鉛直部分の壁板7からの距離と、握り棒4の壁板7からの距離をほぼ同じに設定してあり、入浴者が浴槽9内で立ち上がる場合などに両手で手摺り5と握り棒4とを掴むことにより、その動作を安全かつ円滑に行うことができる。
【0014】図2(a)は、本発明の浴槽エプロン2と防水パン1との取付構造を示すものである。浴槽エプロン2は、表面化粧板21と裏面の補強桟22などから構成されている。
【0015】防水パン1の床面11から、浴槽エプロン2の表面化粧板21と面一となる位置に立ち上げ部12が形成してあり、立ち上げ部12の上縁から連続して水平段部13が形成してある。そして、水平段部13には凹溝14が、浴槽エプロン2や立ち上げ部12と平行して形成されている。
【0016】この凹溝14に、埋設部材15(15a,15b)が設置されている。埋設部材15は、断面矩形の棒状部材から成り、材料は特に限定されないが、耐水性・重量などの点から、合成樹脂成型品、発泡(独立気泡)合成樹脂成型品などが好ましい。そして、凹溝14と埋設部材15との間隙に充填硬化剤16が注入され、埋設部材15は、その上面が露出した状態で埋設固定されている。埋設部材15は、工場で予め設置しておくことが寸法精度の観点から好ましいが、施工現場で設置してもよい。
【0017】一方、浴槽エプロン2の下縁に設けた補強桟22の裏面には、図2(a)〜図2(c)に示すアングル材23が取付けられる。アングル材23の取り付けについても、工場、施工現場のいずれにおいても可能である。
【0018】そして、アングル材23の水平片を埋設部材15aの上面に載置して、ビス24により固定する(図2(b)参照)。或いは、埋設部材15bとして、予め雄ねじ25を植設したものを使用し、アングル材23に形成した孔を、埋設部材15bから立設された雄ねじ25に挿入して載置し、ナット26で固定する(図2(c)参照)。後者の埋設部材15bは、合成樹脂で成形する際にボルトの頭部を埋め込んで成形することにより容易に製造することができる。
【0019】図3は、本発明のカウンターエプロン3と防水パン1との取付構造を示すものである。カウンターエプロン3は、浴槽エプロン2と同様に、表面化粧板31と裏面の補強桟32などから構成されている。防水パン1の床面11から、カウンターエプロン3の表面化粧板31と面一となる位置に立ち上げ部12が形成されており、立ち上げ部12の上縁から連続して水平段部13が形成されている。
【0020】そして、水平段部13に凹溝14が、カウンターエプロン3や立ち上げ部12と平行して形成されている。更に、防水パン1の周縁、すなわち凹溝14を設けた水平段部13の端縁から周縁立ち上げ片17が形成してある。この凹溝14への埋設部材15の設置方法は、上記の浴槽エプロン2の取り付けで説明したのと同じ方法により行われる。
【0021】次いで、カウンターエプロン3の補強桟32の裏面に取付けたアングル材23の水平片を、埋設部材15bの上面に載置し、アングル材23に形成した孔に、埋設部材15bから立設された雄ねじ25を挿入し、ナット26で固定する。あるいは、図2(b)に示した埋設部材15aを使用して、ビス24により固定してもよい。
【0022】なお、防水パン1の周縁立ち上げ片17には、壁仕上げ材と補強桟とからなる壁材7が取付けられる。壁材7のカウンター9とカウンターエプロン3によって覆われる部分は、図示したような壁仕上げ材は必ずしも必要ではなく、補強桟だけで構成してもよい。
【0023】図4は、本発明の握り棒4と防水パン1との取付構造を示すものである。握り棒4は、上端が天井板8に、下端が後述する取付構造により防水パン1に、それぞれ固定される。
【0024】握り棒4が、防水パン1の床面11に取り付けられる設置位置に、円形の凹部14が形成され、該凹部14に、円盤状の埋設部材15cが設置される。この凹部14への埋設部材15cの設置方法は、上記の各エプロン2,3の取付方法で説明したのと同様であり、具体的には、凹部14と埋設部材15cとの間隙に充填硬化剤16が注入され、埋設部材15cの上面が露出した状態で埋設固定される。
【0025】埋設部材15cには、図2(c)に示す埋設部材15bと同様、ねじ棒25が2〜3本植設され、握り棒4の下端部に設けた取付フランジ41に形成した2〜3個の孔に、それぞれ各ねじ棒25を挿入し、ナットにより緊締固定する。そして予め、握り棒4に外嵌しておいた化粧キャップ42により、この取付部分が覆われる。
【0026】
【発明の効果】以上の構成からなる本発明は、何れも、ねじやビスなどの取付部材が、防水パンを貫通することがないので、サニタリーユニットにおける浴槽エプロン、カウンターエプロン、握り棒などの取付部分において、漏水が発生し得ないという顕著な作用効果を奏するものである。
【出願人】 【識別番号】000000479
【氏名又は名称】株式会社INAX
【住所又は居所】愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地
【出願日】 平成13年12月13日(2001.12.13)
【代理人】 【識別番号】100113321
【弁理士】
【氏名又は名称】熊田 武司
【公開番号】 特開2003−180546(P2003−180546A)
【公開日】 平成15年7月2日(2003.7.2)
【出願番号】 特願2001−379975(P2001−379975)