| 【発明の名称】 |
携帯用局所洗浄装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山本 強
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| 【要約】 |
【課題】温水を適正温度に保つことができ、安価で小型化の図れる携帯用局所洗浄装置を提供すること。
【解決手段】貯水タンク18に接続されるとともに先端にノズル25部が形成されたホース30とを備え、ホース30と貯水タンク18との少なくとも一方にヒータが取り付けられた携帯用局所洗浄装置である。ヒータは、その発熱部が正温度係数特性(PTC特性)を有するため温度上昇とともに電気抵抗値が増大し、所定温度になった時には、それ以上電流が流れないので発熱が止まる。通電により発熱し水を加熱し、所定温度で発熱が止まるヒータが取り付けられているので、噴射される温水を適温に維持することができるとともに、制御装置が不要なので安価かつ小型化することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 貯水タンクと、この貯水タンクに接続されるとともに先端にノズル部が形成されたホースとを備え、このホースと前記貯水タンクとの少なくとも一方に正温度係数特性を有するヒータが取り付けられたことを特徴とする携帯用局所洗浄装置。 【請求項2】 請求項1に記載の携帯用局所洗浄装置において、前記ヒータは線状に形成されていることを特徴とする携帯用局所洗浄装置。 【請求項3】 請求項2に記載の携帯用局所洗浄装置において、前記ヒータは前記ホースの長手方向に沿って配置されていることを特徴とする携帯用局所洗浄装置。 【請求項4】 請求項3に記載の携帯用局所洗浄装置において、前記ヒータは前記ホースに巻き付けられて配置されていることを特徴とする携帯用局所洗浄装置。 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の携帯用局所洗浄装置において、前記ヒータは商用電源を利用することを特徴とする携帯用局所洗浄装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ヒータを備えた携帯用局所洗浄装置に関するものである。 【0002】 【背景技術】介護用として携帯型の局所洗浄装置がある。この局所洗浄装置として、手でつかめる大きさのプラスチック製容器の先端にノズルを設け、この容器の中にお湯を入れるもの(従来例1)や、キャスタ付きのケーシング内に給水タンクを備え、給水タンクに給水ホースを接続するとともに、この給水ホースからモータで温水をノズルに供給し、タンク内の水をヒータで加温するとともに、センサやコントローラ等の制御装置で所定温度に維持するもの(従来例2)がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来例1では、別途お湯を沸かす必要があるので、一度容器に入れた温水がさめると、再度、温水を入れ直さなければならない。そのため、別にお湯を沸かす設備が必要である上に、洗浄の直前に適温に温めたお湯を用意する必要があり、使い勝手が悪いという不便さがある。従来例2では、温水の温度を一定にすることが可能であるが、そのためには常時電源を入れておく必要があるとともに、温度を一定にするためのセンサやコントローラ等の複数の装置が設けられるため、洗浄装置が大型化されることになる。 【0004】そこで、本発明の目的は、温水を適正温度に保つことができ、安価で小型化の図れる携帯用局所洗浄装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】そのため、請求項1に記載された本発明の携帯用局所洗浄装置は、貯水タンクと、この貯水タンクに接続されるとともに先端にノズル部が形成されたホースとを備え、このホースと前記貯水タンクとの少なくとも一方に正温度係数特性を有するヒータが取り付けられたことを特徴とする。 【0006】以上の構成を備える本発明の携帯用局所洗浄装置のヒータは、その発熱部が正温度係数特性(PTC特性)を有するため温度上昇とともに電気抵抗値が増大し、所定温度になった時には、それ以上電流が流れないので発熱が止まる。通電により発熱し水を加熱するヒータが取り付けられているので、別途沸かした温水を入れ直す必要が無く、また、所定温度で発熱が止まるので、温水を一定温度にするための制御装置が不要である。したがって、噴射される温水を適温に維持することができるとともに、携帯用局所洗浄装置を安価かつ小型化することができる。 【0007】請求項2に記載された本発明の携帯用局所洗浄装置は、請求項1に記載の携帯用局所洗浄装置において、前記ヒータは線状に形成されていることを特徴とする。このようにすれば、ヒータは柔軟になり、曲げたり巻いたりすることができるので、取り付けやすくなるとともに、1本の線状のヒータ当たりの水との接触面積が大きくなり、加熱効率を高めることができる。 【0008】請求項3に記載された本発明の携帯用局所洗浄装置は、請求項2に記載の携帯用局所洗浄装置において、前記ヒータは前記ホースの長手方向に沿って配置されていることを特徴とする。このようにすれば、連続した長い線状のヒータをホースに沿って配置することができるので、水とヒータとの接触面積が大きくなるため、加熱効率が良くなるとともに、温水を噴射する直前に加熱するので、予め加熱し保温しておく場合に比べて省エネルギー化が図れる。 【0009】請求項4に記載された本発明の携帯用局所洗浄装置は、請求項3に記載の携帯用局所洗浄装置において、前記ヒータは前記ホースに巻き付けられて配置されていることを特徴とする。このようにすれば、さらに、水とヒータとの接触面積を大きくできるため、加熱効率が向上するとともに、ヒータがホースの長手方向と交差するので、ホースが曲がりやすくなり、さらに容易に扱うことができる。 【0010】請求項5に記載された本発明の携帯用局所洗浄装置は、請求項1から4のいずれかに記載の携帯用局所洗浄装置において、前記ヒータは商用電源を利用することを特徴とする。このようにすれば、携帯する際に発電機や充電池を同時に持ち運ぶ必要が無いので、容易に携帯でき、一般家庭などの商用電源が使えるところならば多くの場所で使用することができる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ここで、各実施形態において、同一構成要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略化する。図1には、第一実施形態にかかる携帯用局所洗浄装置10の構成概念図が示されている。図1において、携帯用局所洗浄装置10は、樹脂製で箱状のケース本体11と、このケース本体11の上部に取り付けられる取手12と、外部の商用電源(例えば、100V)に接続する電源コード13とを含んで構成される。 【0012】ケース本体11は、その内部を3つの区画に分けられている。図1で、右側がタンク収納部14、中央がポンプ収納部15、左側がホース収納部16である。ホース収納部16の上部には、開閉蓋17が設けられ、使用時に開き運搬時には閉じることができる。タンク収納部14の上部および側部には、それぞれ開閉蓋14Bおよび開閉蓋14Cが設けられ、タンク収納部14に内挿される貯水タンク18の取り外しを可能としている。 【0013】貯水タンク18は、ポリエチレン製の容器で、上部にスクリューキャップ18Aと取手18Bとが設けられている。貯水タンク18の下部には、漏水防止弁を内蔵した排水弁部18Cが設けられる。この排水弁部18Cは、貯水タンク18を取り外した状態では漏水防止弁が閉じることで排水されなくし、タンク収納部14に取り付けた状態で漏水防止弁が開くことで排水可能とするものである。貯水タンク18を取り外す際は、開閉蓋14Bおよび開閉蓋14Cを開き、取手18Bを掴んで、タンク収納部14の下部に設けられた支点部14Dを中心にして、貯水タンク18を外側に倒しながら上に引き上げる。 【0014】ポンプ収納部15には、ポンプ部20が配置されている。ポンプ部20には、吸水管21とホース30とが接続され、それぞれがポンプ部20に内蔵された送水ポンプ(図示せず)に連結されている。吸水管21は、ポンプ収納部15とタンク収納部14との仕切壁14Aを貫通し、タンク収納部14の下部に設けられた吸水連結部21Aに接続されている。ポンプ部20には、電源コード13の端子13Aが接続される接続端子22から延びる配線23が接続されている。電源から供給された電力は、ポンプの動力および後述する線状発熱体35の発熱作用のエネルギーとして消費される。 【0015】ホース収納部16には、ホース30が折り曲げられて収納されている。ホース30の基端側は、ホース収納部16とポンプ収納部15との仕切壁15Aを貫通し、ポンプ部20の内部の送水ポンプに接続されている。ホース30の先端側には、連結部24が接続されており、この連結部24には、ノズル25が取り付けられている。使用時には、開閉蓋17を開けてケース本体11の外に引き出し、ノズル25が使用位置に届く状態までホース30は伸ばされる。 【0016】図2および図3には、第一実施形態の携帯用局所洗浄装置10にかかるホース30の先端部分とホース30の断面構成とが示されている。図2において、ホース30の先端部分は、連結部24の内部のホース結合部28に結合されている。連結部24は、円筒状で、その周面上の一部にスイッチ26が設けられている。連結部24の先端側内部に設けられたノズル結合部27には、ノズル25が螺合等により着脱可能に取り付けられている。ノズル25の先端には、スイッチ26を入れることで温水が吹き出す噴射口29が設けられている。 【0017】図3において、ホース30は、複数の要素から構成され、最外層を防水チューブ31で被覆されている。防水チューブ31は、塩化ビニル等の樹脂製で、その内部の要素を保護するとともに、操作時に破損しない程度の適切な強度を有し、収納時にはコンパクトになるような曲がりやすい性質を有した材料で形成される。防水チューブ31の内側には、管状の断熱材32が配置されている。断熱材32は、ガラス繊維等を用いた綿状断熱材あるいは多孔質の樹脂製断熱材等をチューブ状にして形成されている。 【0018】断熱材32の内側には、内側を通水部34とされた通水チューブ33が配置され、この通水チューブ33に沿って2本の線状発熱体35が互いに対向して配置されている。通水チューブ33は、ゴムあるいは合成樹脂製等のチューブ材料で、その内側の通水部34に水を通すこととされている。通水チューブ33は、それ単体では、断面円筒状に形成されているが、両側の線状発熱体35によって括れを設けられ、線状発熱体35を包むように配置されている。線状発熱体35は、その断面が大まかには3層構成になっており、外から絶縁外装部36,発熱部37および中心の金属芯線部38によって構成されている。 【0019】以下、図4および図5に、第一実施形態の携帯用局所洗浄装置10にかかる線状発熱体35の断面構成を示し、線状発熱体35について詳しく説明する。図4および図5において、線状発熱体35は、金属芯線部38と、この金属芯線部38の外周に被覆された正温度係数特性を有する発熱部37と、この発熱部37の外周部に設けられた導電部40と、この導電部40の外周に被覆されたチューブ状の絶縁外装部36とから断面円形に形成されたコード状部材である。このような線状発熱体35では、金属芯線部38と導電部40とが一対の電極として機能する。金属芯線部38は、導電線41を撚ることで、直径寸法が所定寸法(例えば、0.38mm)の略円柱状に形成されている。この金属芯線部38の断面形状は図4および図5で示される通り、円形のものでもよく、あるいは、三角形、四角形等の多角形でもよく、さらには、中空であっても、中空でなくてもよい。 【0020】導電部40は、導電線41を発熱部37の外周に巻き付けて螺旋状に形成されている。導電部40は、外径寸法が所定寸法(例えば、2mm)である。導電線41は、導電性の高い金属、例えば、銅や銅合金、金、銀、ニッケル、アルミニウム等の金属線が好適に用いられ、必要に応じて、銀、ニッケル、錫によるメッキ等のコート材が表面に形成される。この導電線41は、単線でもよく、より線でもよい。絶縁外装部36は、外径寸法が所定寸法(例えば、4mm)である。絶縁外装部36の材質は、電気的な絶縁層として機能する合成樹脂が使用される。この合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、その他のオレフィン系樹脂を例示できる。 【0021】発熱部37は、金属芯線部38の外周部に被覆されたチューブ状の第1発熱部37Aと、この第1発熱部37Aの外周部に被覆されたチューブ状の第2発熱部37Bとから構成されている。第2発熱部37Bは、外径寸法が所定寸法(例えば、1.8mm)である。第1発熱部37Aおよび第2発熱部37Bは、少なくとも熱可塑性樹脂及び導電性粒子を含有する発熱組成物を被覆して正温度係数特性(PTC特性)を有する構成であるが、第1発熱部37Aと、第2発熱部37Bとは、正温度係数特性の異なる発熱組成物から形成されている。第1発熱部37Aおよび第2発熱部37Bに用いる熱可塑性樹脂としては、結晶性熱可塑性樹脂が好ましく、具体的には、ポリオレフィン樹脂及びその共重合樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ジェン系重合体、ポリフェニレンオキシド樹脂、ノニル樹脂、ポリスルフォン樹脂等を挙げることができる。 【0022】前記ポリオレフィン樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン類、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン等のポリプロピレン類、ポリブテン、4−メチルペンテン−1樹脂等を挙げることができる。ポリオレフィン共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体等のエチレン−アクリレート系共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体等のオレフィンとビニル化合物との共重合体及びフッ素含有エチレン系重合体、ならびに、これらの変成物も使用できる。 【0023】前記酢酸ビニル系樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラール等を挙げることができる。前記ポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン8、ナイロン11、ナイロン66、ナイロン610 等を挙げることができる。前記ポリアセタールは、単一重合体であっても共重合体であってもよい。前記熱可塑性ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を挙げることができる。また、ジェン系重合体としては、トランス−1,3−ポリイソプレン、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン等のジエン系重合体及び共重合体等も使用することができる。 【0024】前記各種の結晶性熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上をポリマーブレンド等として併用してもよい。もっとも、前記各種の結晶性熱可塑性樹脂の中でも、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のオレフィン系共重合体やトランス−1,4−ポリイソプレン等が好ましい。前記各種の結晶性熱可塑性樹脂は、必要に応じて他のポリマーや添加物との組成物として使用することもできる。 【0025】前記導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック粒子、グラファイト粒子等の粒状物、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)等の金属微粒子、金属粉体、金属酸化粉体等の粉状物、炭素繊維等の繊維状物、導電性無機材料(In-Sn-O等)、チタン酸バリウム(BaTiO3),チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)等の正温度係数特性を有する無機材料等を挙げることができる。これらの中でもカーボンブラック粒子、グラファイト粒子等の粒状物、特に、カーボンブラック粒子が好ましい。前記各種の導電性粒子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合物として併用してもよい。導電性粒子の粒径としては、特に制限はないが、例えば、平均粒径が通常10〜200 nm、好ましくは、15〜100 nmである。導電性粒子が繊維状である場合には、そのアスペクト比は通常1〜1000、好ましくは、1〜100 程度である。 【0026】前記結晶性樹脂と導電性粒子との配合割合は、重量比として、通常、10〜80:90〜20、好ましくは、55〜75:45〜25である。導電性粒子の配合割合がこの範囲より少ないと発熱部37の抵抗値が大きくなり、線状発熱体35が実用上、十分に発熱しないことがあり、一方、導電性粒子の配合割合がこの範囲より多いと正温度係数特性が十分に発現しないことになる。発熱組成物中の熱可塑性結晶性樹脂を架橋して発熱組成物を硬化させることが好ましい。この発熱組成物を硬化させると、正温度特性が改良されるとともに、面状発熱体の熱変形あるいは熱軟化等による不良を防止することができる。 【0027】結晶性熱可塑性樹脂の架橋は、架橋剤及び/又は放射線を利用して行うことができる。前記架橋剤は、結晶性熱可塑性樹脂の種類に応じて、有機過酸化物、硫黄化合物、オキシム類、ニトロソ化合物、アミン化合物、ポリアミン化合物等から適宜選択して決定することができる。例えば、前記結晶性熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂等である場合には、好適な架橋剤として、例えば、有機過酸化物を利用することができる。この有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルクミルパーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ブタン、tert−ブチルペルオキシベンゼン等を挙げることができる。 【0028】これらの中でも、特に、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が好ましい。なお、これらの各種の有機過酸化物は1種単独で使用してもよいし、必要に応じて、トリアリルシアヌレートやジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート等の架橋補助剤を添加してもよい。前記有機過酸化物の使用割合は、前記結晶性樹脂100 重量部に対して、通常、0.01〜5重量部、好ましくは、0.05〜2重量部である。この割合が0.01重量部未満では、架橋化が不十分となり、正温度係数特性が十分に発現しなかったり、高温領域での抵抗の低下がみられる等の問題が生じやすい。一方、5重量部を越えると、架橋化度が高くなりすぎて、成形性が低下したり、正温度係数特性の低下する現象がみられることになる。 【0029】第1発熱部37Aに用いる発熱組成物は、その正温度係数特性における抵抗の立上がり倍率が、第2発熱部37Bの発熱組成物の抵抗の最大立上がり倍率を示す温度以下の範囲において、第1発熱部37Aの発熱組成物の抵抗立上がり倍率よりも低く、好ましくは、0.5倍以下となるように、熱可塑性樹脂と導電性粒子の種類や配合比率等を調整した発熱組成物を用いる。この場合、前記に代えて、第1発熱部37Aに用いる発熱組成物の抵抗温度特性における抵抗値の立上がり開始温度が、第2発熱部37Bの発熱組成物の抵抗値の立上がり開始温度よりも高い温度、好ましくは、5℃以上高い温度となるように熱可塑性樹脂と導電性粒子の種類や配合比率等を調整した発熱組成物を用いても良い。ここで、正温度係数特性における抵抗値の立上がり倍率とは、横軸を温度、縦軸を抵抗値として、発熱組成物の昇温時の抵抗値をプロットした時、抵抗値の最大値の最小値に対する倍率である。また、抵抗温度特性における抵抗値の立上がり開始温度とは、前記発熱組成物の室温(23℃)における抵抗値の2倍の抵抗値を示す時の温度である。 【0030】以上の構成を有する第一実施形態の携帯用局所洗浄装置10の使用方法を説明する。先ず、貯水タンク18に水を給水した上で、電源コード13の端子13Aを接続端子22に接続し、電源コード13を商用電源のコンセントに接続する。次に、ホース収納部16の開閉蓋17を開けて、ホース30を引き出し、ノズル25の先端を洗浄したい所へ向ける。その状態で、連結部24にあるスイッチ26を指で押すと、ポンプ部20に内蔵された送水ポンプが稼動して吸水管21から水を吸い上げ、ホース30へ送水する。 【0031】その時、ホース30の内部に配置された線状発熱体35にも通電され、線状発熱体35は所定温度に発熱するが過熱されることがない。ホース30の通水部34に送水された水は、通水ホース33に接している線状発熱体35により熱せられ温水となり、ホース30の先端のノズル25の噴射口29から噴射される。洗浄後、スイッチ26から指を離せばポンプは止まり、温水の噴射が止まると同時に、線状発熱体35への通電も遮断され、発熱が止まる。洗浄後の汚水は、洗面器等の器で受けて集められるか、あるいは、別途用意した吸引機から延びたホースにより吸引する等の適切な方法で収容される。使用後、ノズル25は、取り外し洗浄され、あるいは、取り替えられる。 【0032】したがって、第一実施形態によれば、次の作用効果がある。 (1)ホース30には、その長さ方向に沿って正温度係数特性(PTC特性)を有する線状発熱体35が取り付けられているので、ノズル25から噴射される温水を適温に維持することができる。 (2)PTC特性を有する線状発熱体35は、発熱の上限温度が一定となるため、温水を一定温度にするセンサーやコントローラ等の装置が不要であり、携帯用局所洗浄装置10を安価かつ小型化することができる。 (3)ホース30に線状発熱体35を配置したので、貯水タンク18の中の水がポンプでホース30へ送水されてから、ノズル25から噴射されるまでの間に加熱されて温水となるので、予め温水として保温しておく必要がなく、エネルギー使用量が低減できる。 【0033】(4)ホース30に沿って設置した線状発熱体35は、柔軟で曲げたり巻いたりすることができるので、ホース30は曲がり易くなり、扱いが容易でホース収納部16へ収納し易くなる。 (5)ホース30に沿って線状発熱体35を設置したので、ホース30の通水部34の断面積と比較し、ホース30の長さが十分に長いため、1本の線状発熱体35当たりの水との接触面積を大きくすることができる。 (6)通水チューブ33と線状発熱体35との周りを断熱材32で覆ったので、発熱した熱が外部に伝わらず、加熱効率が良くなるとともに、ホース30の外側が熱くならず、手でつかんで操作することができる。 【0034】(7)ホース30の先端側の連結部24にスイッチ26を設けたので、スイッチ26の入切がし易く洗浄操作を行い易い。 (8)ノズル25は連結部24のノズル結合部27に螺合して取り付けられることとしたので、使用後取り外して洗浄することや交換することができ、衛生的に使用することができる。 (9)携帯用局所洗浄装置10は、商用電源を利用することができるので、携帯する際に発電機や充電池を同時に持ち運ぶ必要が無く、一般家庭などの多くの場所で使用することができる。 【0035】(10)貯水タンク18は、取り外し可能とされているので、貯水タンク18に給水が行い易い。 (11)ホース30の内部に設置する線状発熱体35を2本にしたので、加熱効率を高めることができる。 (12)通水チューブ33は、2本の線状発熱体35によって括れを設けられ、線状発熱体35を包むように配置されているので、線状発熱体35と水との接触面積が大きくなり加熱効率を高めることができる。 【0036】次に、第二実施形態について説明する。第二実施形態ではホース内部の線状発熱体を螺旋状に配置した点が前記第一実施形態と異なるもので、その他の部分の構造および使用材料等は前記第一実施形態と同様である。図6には、第二実施形態にかかる携帯用局所洗浄装置のホース60の要部斜視図が示されている。図6において、ホース60は、複数の要素から構成され、最外層を防水チューブ61で被覆されている。防水チューブ61の内側には、管状の断熱材32が配置されている。断熱材32の内側には、内側を通水部64とされた通水チューブ63と、この通水チューブ63に沿って、通水チューブ63に螺旋状に巻きつけられた線状発熱体35とが配置されている。線状発熱体35は、前記第一実施形態と同様の構成および材料で形成されている。 【0037】したがって、第二実施形態によれば、前記第一実施形態の(1)〜(10)の作用効果に加えて次の作用効果がある。 (13)線状発熱体35を通水チューブ63の周りに螺旋状に配置したので、通水部64の水との接触面積が大きくなり加熱効率を高めることができる。 (14)線状発熱体35がホース60の長手方向と交差するので、ホース60が曲がりやすくなり、容易に扱うことができるとともに、ケース本体11のホース収納部16に収納し易くなる。 【0038】なお、本発明では、前記各実施の形態の構成に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲であれば次に示す変形例を含むものである。例えば、前記実施形態では、線状発熱体35はホース30,60の内部に配置されたが、線状発熱体35を貯水タンク18に設置することも可能である。この場合、線状発熱体35は、貯水タンク18に巻き付けて配置され、あるいは、蛇行往復して配置されるものでもよい。このようにすれば、貯水タンク18に所定温度の温水を溜めておくことができるとともに、ホース30に線状発熱体35を内蔵しないので、ホースの洗浄や交換等が容易にできる。 【0039】また、前記実施形態では、携帯用局所洗浄装置10は、商用電源を利用することとされたが、充電式のバッテリー等でも動作可能とすることができる。その際、バッテリーはポンプ収納部15等に内蔵することとする。このようにすれば、商用電源のない、あるいは使えない場所(例えば、災害等の被災地)での介護用として使用することができる。 【0040】前記実施形態の線状発熱体35において、発熱部37は、正温度係数特性を有するものであれば、1種類の発熱組成物から形成されるものでもよい。また、前記実施形態の線状発熱体35において、発熱部37に導電線41を螺旋状に巻き付けて導電部40を形成したが、本発明では、網線を発熱部37に巻き付けて導電部40を形成するものでもよい。また、線状発熱体35の断面形状は円形に限定されるものではなく、楕円形、三角形、四角形、その他の多角形でもよい。 【0041】図7および図8に、前記実施形態にかかる線状発熱体の変形例としてその断面構成を示す。変形例では互いに対向配置された2本の電極を螺旋状に配置した点が前記実施形態と異なるもので、他の構造および使用材料は前記実施形態と同じである。図7および図8において、線状発熱体45は、互いに対向配置された2本の金属芯線部48と、この金属芯線部48に被覆された発熱部47と、この発熱部47の外周部に被覆されたチューブ状の絶縁外装部46とから断面円形に形成されたコード状部材である。金属芯線部48は、中心部に設けられたテフロン製(テフロンは登録商標)の略円柱状のコア部49と、このコア部49の周囲に設けられた導電部50とから構成されている。金属芯線部48は、直径寸法が所定寸法(例えば、0.38mm)であり、隣り合う金属芯線部48の相互の間隔は5mm以内、好ましくは、0.05mm〜4mm(例えば、3mm)である。線状発熱体45では、2本の金属芯線部48が一対の電極として機能する。 【0042】コア部49は、ポリテトラフルオロエチレンをはじめとするテフロン系樹脂(ポリフッ化エチレン系樹脂)又はポリエステル系樹脂から形成され、1本の円柱状部材、あるいは、複数本の糸材を断面円柱状に束ね又はよって形成されている。さらに、コア部49の断面形状は図7および図8で示される通り、円形のものでもよく、あるいは、三角形、四角形等の多角形でもよく、さらには、中空であっても、中空でなくてもよい。図7および図8では、2本のコア部49は同じ太さとされる。導電部50は、導電線51をコア部49の外周に巻き付けて螺旋状に形成されている。 【0043】発熱部47は、2本の金属芯線部48の外周部にそれぞれに被覆されたチューブ状の第1発熱部47Aと、これらの第1発熱部47Aの外周部にそれぞれ被覆されたチューブ状の第2発熱部47Bと、この第2発熱部47Bと絶縁外装部46との間に設けられた第3発熱部47Cとから構成されている。第1発熱部47Aは、外径寸法が所定寸法(例えば、0.58mm)であり、断面厚肉寸法が所定寸法(例えば、0.1mm)である。第2発熱部47Bは、外径寸法が所定寸法(例えば、1.5mm)であり、断面厚肉寸法が所定寸法(例えば、0.46mm)である。第3発熱部47Cは、外径寸法が所定寸法(例えば、3mm)である。第2発熱部47Bおよび第3発熱部47Cは、前記実施形態の第2発熱部37Bと同一の発熱組成物から成形される。そのため、第1発熱部47Aと、第2発熱部47Bおよび第3発熱部47Cとは、正温度係数特性の異なる発熱組成物から形成されていることになる。 【0044】線状発熱体45を用いれば、前記実施形態の(1)から(5)の効果と同様の効果を得られると同時に、コア部49は耐熱性に優れたテフロン系樹脂又はポリエステル系樹脂から形成されているので、発熱部47自体の温度が金属芯線部48に伝達されても、金属芯線部48が変形、損傷等することがない。したがって、線状発熱体45での発熱温度を高くすることができる。なお、本変形例の線状発熱体45では、コア部49をテフロン系樹脂から形成したが、可撓性を有すれば、その具体的な材質は問わない。例えば、紙、綿等の材質でもよい。但し、耐熱性を有する材質が好ましい。 【0045】また、2本の金属芯線部48の相互の間隔を5mm以内としたが、携帯用局所洗浄装置の加熱性能等に応じて金属芯線部48の間隔を設定できる。さらに、発熱部47に3本以上の複数本の金属芯線部48を設けるものであってもよい。この場合、複数本の金属芯線部48のうち2本は電極として用いるものとし、残りの金属芯線部48は均熱部材として用いる。また、2本のコア部49の大きさを異なるものとすることができる。この場合、太いコア部49の周りに細いコア部材49を螺旋状に配置するものでもよい。また、本変形例の線状発熱体45において、コア部49に導電線51を螺旋状に巻き付けて導電部50を形成したが、網線をコア部49に巻き付けて導電部50を形成するものでもよい。 【0046】図9(A)、(B)には、前記実施形態にかかるノズルの変形例が示されている。ノズル以外の構成は、前記実施形態と同様である。図9(A)に示すノズル25Aは、ノズル25Aの長手方向に対して直交よりやや先端方向に向かって噴射口29Aが設けられている。すなわち、スイッチ26を押すと、温水はノズル25Aの長手方向に対して角度を持って噴射されることとなる。したがって、ノズル25Aを用いると、洗浄対象箇所が上方にある場合、連結部24およびノズル25Aを側方から近づけ、ノズル25A先端の噴射口29Aを上方の洗浄対象箇所に向けて使用することで、洗浄後の汚水がノズル25Aおよび連結部24にかかり難くなり清潔である。 【0047】図9(B)に示すノズル25Bは、ノズル25Bの先端側がノズル25Bの長手方向に対して略直交する角度まで曲率を持って曲げられている。したがって、ノズル25Bを用いると、前記ノズル25Aの場合と同様、洗浄対象箇所の側方から使用することができるので清潔であるとともに、ノズル25Bの先端の噴射口29Bをより洗浄対象箇所に近づけることができるので、洗浄し易く洗浄後の汚水が飛び散り難く、より清潔に洗浄することができる。 【0048】 【発明の効果】このような本発明によれば以下の効果がある。本発明の携帯用局所洗浄装置には、正温度係数特性(PTC特性)を有するため温度上昇とともに電気抵抗値が増大し、所定温度になった時には、それ以上電流が流れないので発熱が止まるヒータが取り付けられているので、別途沸かした温水を入れ直す必要が無く、また、所定温度で発熱が止まるので、温水を一定温度にするための制御装置が不要である。したがって、噴射される温水を適温に維持することができるとともに、携帯用局所洗浄装置を安価かつ小型化することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000183646 【氏名又は名称】出光興産株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年11月29日(2001.11.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079083 【弁理士】 【氏名又は名称】木下 實三 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−164389(P2003−164389A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月10日(2003.6.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−365392(P2001−365392) |
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