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【発明の名称】 ウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体及びその製造方法
【発明者】 【氏名】福田 昭治

【氏名】湯山 正宏

【氏名】山路 誠記

【氏名】岡 直行

【要約】 【課題】ウェブ積層体の幅方向に部分的な嵩高を生じない平坦な重畳構造を確保しつつ、ウェブ積層体の折畳幅を小さくする折畳構造とすると共に、取出されるウェブと次順のウェブとの重合幅も小さくでき、両ウェブの間の分離性が良好であり、かつ、包装体或いは収納容器から取出されるウェブの次順のウェブ臨出部を一定に小さく保つことができるウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体及びその製造方法を提供する。

【解決手段】実質的に正方形又は長方形のウェブの一辺に垂直方向の第一の折り目で二つに折り畳まれた最初のV字状ウェブが、前記折り目方向に実質的に平行な二回目の折り目で二つに折り畳まれた二回V折りウェブからなる左側ウェブと右側ウェブとを所定長さずつ重合させ、かつ、相互に相手側ウェブに折り込んだ状態で前記左右各側ウェブを順次積層させてなる折畳構造でウェブ積層体を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左側ウェブと右側ウェブとを所定長さずつ重合させ、かつ、相互に相手側ウェブに折り込んだ状態で前記左右各側ウェブを順次積層させてなるウェットティッシュのウェブ積層体であって、(ア)前記各側ウェブは、実質的に正方形又は長方形のウェブの一辺に垂直方向の第一の折り目で二つに折り畳まれた最初のV字状ウェブが、該ウェブの二枚重ね部分において、前記折り目方向に実質的に平行な二回目の折り目で二つに折り畳まれた二回V折りウェブからなり、(イ)該各二回V折りウェブの前記二回目の折り目が、前記ウェブ積層体の左右端面を形成しており、(ウ)該各二回V折りウェブの自由端部と前記第一の折り目を有する袋状端部との少なくとも一方の端縁は、前記ウェブ積層体の左右端面の前記二回目の折り目側と反対側の端面近傍に達しており、(エ)前記自由端部の各自由折片および前記袋状端部の各端縁は、前記ウェブ積層体の左右両端面近傍あるいは中央部付近のいずれかに位置しており、かつ、(オ)前記左右各側ウェブの前記各二回V折りウェブの前記自由端部および前記袋状端部が、相互に前後に隣接する相手側ウェブのV字の間に順次交互にジグザグ状に折り込んで積層された構造である、ことを特徴とするウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体。
【請求項2】 各左側ウェブと各右側ウェブの各二回V折りウェブのV字状の各短片側の長さが、ウェブ積層体の幅の1/2以下であり、相互に重合し得ない状態であることを特徴とする請求項1に記載のウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体。
【請求項3】 二回V折りウェブのV字状の短片側が袋状端部側であり、長片側が自由端部側であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体。
【請求項4】 最初のV字状ウェブの両折片の長さが、所望の不同の長さとなるよう両自由端部の位置をずらせて二つに折り畳むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体。
【請求項5】 二回V折りウェブの外側に位置する自由折片の長さが、内側に位置する自由折片の長さより長いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体。
【請求項6】 外側に位置する自由折片の長さ及び内側に位置する自由折片の長さが、それぞれ折り畳む前のウェブの一辺の長さのほぼ2/5及びほぼ1/5であることを特徴とする請求項5に記載の二回V折りウェブ積層体。
【請求項7】 外側に位置する自由折片の長さ及び内側に位置する自由折片の長さが、それぞれ折り畳む前のウェブの一辺の長さのほぼ2/7及びほぼ1/7であることを特徴とする請求項5に記載の二回V折りウェブ積層体。
【請求項8】 二回V折りウェブの外側に位置する自由折片の長さが、内側に位置する自由折片の長さより短いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体。
【請求項9】 外側に位置する自由折片の長さ及び内側に位置する自由折片の長さが、それぞれ折り畳む前のウェブの一辺の長さのほぼ1/5及びほぼ2/5であることを特徴とする請求項8に記載のウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体。
【請求項10】 外側に位置する自由折片の長さ及び内側に位置する自由折片の長さが、それぞれ折り畳む前のウェブの一辺の長さのほぼ1/7及びほぼ2/7であることを特徴とする請求項8に記載のウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体。
【請求項11】 ウェブ積層体の折畳幅が、折り畳む前のウェブの一辺の長さの2/7以上1/2未満であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体。
【請求項12】 二回V折りウェブのV字状の自由端部側を取出し側とすることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体。
【請求項13】 左側ウェブと右側ウェブとを所定長さずつ重合させ、かつ、相互に相手側ウェブに折り込んだ状態で前記左右各側ウェブを順次積層させてなるウェットティッシュのウェブ積層体を製造するに当たり、(1)前記各側ウェブを、該ウェブの一辺に垂直方向の第一の折り目で二つに折り畳んで、最初のV字状ウェブを形成し、(2)該各側V字状ウェブの位置を交互に同方向に所定長さずつずらせ、かつ、該各側V字状ウェブの一側の自由端部と他側の袋状端部を相互に所定長さずつ重合させて配列し、(3)該各側V字状ウェブの二枚重ね部分の所定位置において、前記折り目方向に実質的に平行な二回目の折り目で二つに折り畳んで二回V折りウェブを形成して、所期の積層体の折畳幅にほぼ等しいピッチのジグザグ状の折畳配列となし、次いで、(4)該ジグザグ状の折畳配列を順次積層して積層体を形成する、ことを特徴とするウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウェットテッィシュのウェブを多数枚積層させたウェブ積層体及びその製造方法に関し、特に、折畳幅を小さくしながら取出性を良くしたウェットティッシュの折畳構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ウェットタイプのティッシュペーパー(以下、ウェットティッシュという)は、例えば紙や不織布などの基布に使用目的に応じた液体(例えば水に、アルコール、除菌剤、防腐剤、保湿剤、界面活性剤、香料などを混入した液体)を含浸したものである。また、このウェットティッシュは、多数枚(例えば50〜100枚程度)積層させた状態で気密性のあるフィルム状の封入袋あるいはプラスチック製容器などの包装容器に収納して製品とされている。
【0003】ウェットティッシュは、手足の汚れ、あるいは乳幼児の授乳、食事後の口の回り、排便の後始末あるいは台所、トイレなどの水回りの除菌などに便利であり、一般の家庭で好んで用いられる。また、家庭や病院での老人や病人の介護などにもよく使用される。ウェットティッシュは身体などについた汚れを簡易かつ迅速に拭うことができ、確実に汚れを除去できて極めて便利である。このため、家庭、病院などでは据置型で用いられ、携帯用としても様々な形態で市販されている。さらに、洗剤等を含浸して台所、水回りのクリーニングペーパーとしても使用されている。
【0004】包装されたウェットティッシュの折畳・重畳構造としては、従来から種々の形状のものが提案されている。据置型に用いられる折畳構造としては、いわゆるV字状、C字状、Z字状あるいはこれらを変形したものが従来から多用されている。特に、ウェットティッシュの各ウェブが重なりを有して折り畳まれている場合には、1枚のウェットティッシュを取出口から取り去ると、次順のウェブの一部が次の取出しに備えて臨出保持される、いわゆるポップアップ性を付与することができ、片手で広がった状態で取り出せる便利さが好まれている。従来から典型的には図6に示すZ字状の折畳構造が用いられており、この場合、ウェブ積層体の折畳幅を折り畳む前のウェブ辺長の1/2より小さくできる利点があるが、ウェブ積層体1の中央部(重合幅Wcの範囲)において実質的なウェブ積層枚数がその両側部より多くなって、図6(B)に示すようにウェブ積層体1が部分的に嵩高になる(この場合は中央部が嵩高になる)。このように、ウェブ積層体1が部分的に嵩高になると、その製造時に姿勢が不安定になると共に、ウェブ枚数の割にウェブ積層体1の高さが高くなって、製品の包装体の外観を損ない、容器10内への収容性にも支障が生じる。なお、取出されるウェブと次順のウェブとの重合幅Wcが小さいが、ウェブを構成する紙や不織布などの基材の種類によっては、両ウェブの間の分離性は必ずしも良好ではなく、取出しウェブに次葉が同伴して取り去れられてしまういわゆるズル現象が発生したり、これを避けるために重合幅Wcをさらに小さく設定するとドロップバックを生じたりして、次順のウェブ臨出部2aを一定に小さく保つことは難しい。
【0005】このようなウェブ積層体の幅方向に部分的な嵩高を生じない平坦な重畳構造としても、従来から種々の形状のものが提案されている。例えば、特開平7−213453号公報および特開平8−89439号公報には変形Z字状の折畳構造の、また、特開2000−51118号公報にはVZ字状、特表2000−512878、512885にはZ字状及びC字状、特開2000−70175、166803各号公報にはZ字状、特開2000−79074、145587各号公報にはC字状の折畳構造のポップアップ性を有する重畳構造が提案されている。代表例として図7に示した特開平7−213453号公報の変形Z字状の折畳構造においては、ウェブ積層体1の高さが平坦にできると共に、次順のウェブ臨出部2aが折り畳む前のウェブ辺長の1/4程度に小さくできる利点があり、好んで使用されている。しかしながら、これらの折り形状においては、いずれもウェブ積層体の高さは平坦であるが、水平方向の折畳幅は折り畳む前のウェブ辺長の1/2以下には小さくできず、赤ちゃんのおしりふきや雑貨用の一般サイズである200mm幅×150mm長程度の大きさのウェットティッシュの折畳構造としては適するとしても、これより大きいサイズが必要な老人や病人の介護などに用いられる大人用のウェットティッシュの折畳構造としては、包装容器の大きさが過大になって、製品の生産、流通、使用の何れの場面でも好ましくない。
【0006】ウェブの平坦な重畳構造を確保しつつ、ウェブ積層体の折畳幅を小さくする折畳構造としても、特開平11−56666号公報の変形W字状の折畳構造、及び特開2001−149261号公報のW−Z字状の折畳構造が提案されている。図8は変形W字状の折畳構造を示し、ウェブ積層体の折畳幅は折り畳む前のウェブ辺長の略2/5に小さくできるが、次順のウェブ臨出部が重畳片11cとして折り畳む前のウェブ辺長の略2/5の長さで引き出される。図9はW−Z字状の折畳構造を示し、ウェブ積層体の折畳幅は折り畳む前のウェブ辺長の略1/3に小さくでき、取出されるウェブと次順のウェブとの重合幅も略1/6と小さいが、実際のウェブ臨出部の長さは、取出されるウェブがW字状の場合とZ字状の場合で交互に変化し、取出しウェブがW字状片であり次順のウェブがZ字状である場合には臨出部の長さは略1/6となるが、取出しウェブがZ字状片であり次順のウェブがW字状である場合略1/6〜1/3の間で変化して、2枚ずつ連なって取出されるズル現象が発生しやすい欠点を有している。すなわち、ウェブを構成する紙や不織布などの基材の種類や表面平滑性、或いは含浸液の種類・量などによっては、左右両側ウェブの間の分離性は必ずしも良好ではない。したがって、ウェブ積層体の折畳幅を小さくし、かつ、次順のウェブ臨出部を一定に小さく保つ折畳構造としては、いずれもなお満足すべきものとは言い難い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、化粧用や雑貨用などの用途のウェットティッシュについて、インテリアと調和する外観を重視して容器を小型化・高級化する傾向があり、上記の一般的なサイズのウェットティッシュについても、ウェブ積層体をよりコンパクトにする要望が高まっている。すなわち、このようなウェットティッシュのウェブ積層体の幅方向に部分的な嵩高を生じない平坦な重畳構造を確保しつつ、ウェブ積層体の折畳幅を小さくする折畳構造とすると共に、取出されるウェブと次順のウェブとの重合幅も小さくできるウェブ積層体が要望されている。さらにウェットティッシュの使用に際しては、ウェブを構成する紙や不織布などの基材の種類や表面平滑性、或いは含浸液の種類・量などに依らず、常に両ウェブの間の分離性が良好であり、かつ、包装体或いは収納容器から取出されるウェブの次順のウェブ臨出部を一定に小さく保つことが求められている。また、大判のウェブを使用する介護用の大人用ウェットティッシュをより小型の包装容器に収納するなどの点でもウェブの折畳構造に対する多様なニーズがある。本発明は、これらの要求を満たすウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、実質的に正方形又は長方形のウェブの一辺に垂直方向の第一の折り目で二つに折り畳まれた最初のV字状ウェブが、前記折り目方向に実質的に平行な二回目の折り目で二つに折り畳まれた二回V折りウェブからなる左側ウェブと右側ウェブとを所定長さずつ重合させ、かつ、相互に相手側ウェブに折り込んだ状態で前記左右各側ウェブを順次積層させてなる折畳構造でウェットティッシュのウェブ積層体を構成することにより前記の課題が解決することを見出した。
【0009】すなわち、本発明は、左側ウェブと右側ウェブとを所定長さずつ重合させ、かつ、相互に相手側ウェブに折り込んだ状態で前記左右各側ウェブを順次積層させてなるウェットティッシュのウェブ積層体であって、(ア)前記各側ウェブは、実質的に正方形又は長方形のウェブの一辺に垂直方向の第一の折り目で二つに折り畳まれた最初のV字状ウェブが、該ウェブの二枚重ね部分において、前記折り目方向に実質的に平行な二回目の折り目で二つに折り畳まれた二回V折りウェブからなり、(イ)該各二回V折りウェブの前記二回目の折り目が、前記ウェブ積層体の左右端面を形成しており、(ウ)該各二回V折りウェブの自由端部と前記第一の折り目を有する袋状端部との少なくとも一方の端縁は、前記ウェブ積層体の左右端面の前記二回目の折り目側と反対側の端面近傍に達しており、(エ)前記自由端部の各自由折片および前記袋状端部の各端縁は、前記ウェブ積層体の左右両端面近傍あるいは中央部付近のいずれかに位置しており、かつ、(オ)前記左右各側ウェブの前記各二回V折りウェブの前記自由端部および前記袋状端部が、相互に前後に隣接する相手側ウェブのV字の間に順次交互にジグザグ状に折り込んで積層された構造である、ことを特徴とするウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体を提供するものである。
【0010】また、本発明は、左側ウェブと右側ウェブとを所定長さずつ重合させ、かつ、相互に相手側ウェブに折り込んだ状態で前記左右各側ウェブを順次積層させてなるウェットティッシュのウェブ積層体を製造するに当たり、(1)前記各側ウェブを、該ウェブの一辺に垂直方向の第一の折り目で二つに折り畳んで、最初のV字状ウェブを形成し、(2)該各側V字状ウェブの位置を交互に同方向に所定長さずつずらせ、かつ、該各側V字状ウェブの一側の自由端部と他側の袋状端部を相互に所定長さずつ重合させて配列し、(3)該各側V字状ウェブの二枚重ね部分の所定位置において、前記折り目方向に実質的に平行な二回目の折り目で二つに折り畳んで二回V折りウェブを形成して、所期の積層体の折畳幅にほぼ等しいピッチのジグザグ状の折畳配列となし、次いで、(4)該ジグザグ状の折畳配列を順次積層して積層体を形成する、ことを特徴とするウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体の製造方法を提供するものである。
【0011】本発明の構成要件について、以下に詳細に説明する。本発明は、左側ウェブと右側ウェブとを所定長さずつ重合させ、かつ、相互に相手側ウェブに折り込んだ状態で前記左右各側ウェブを順次積層させてなるウェットティッシュのウェブ積層体の新規な折畳構造を提供するものである。この折畳構造は、(ア)〜(オ)の5つの構成要件からなる。すなわち、第1に、前記各側ウェブは、実質的に正方形又は長方形のウェブの一辺に垂直方向の第一の折り目で二つに折り畳まれた最初のV字状ウェブが、該ウェブの二枚重ね部分において、前記折り目方向に実質的に平行な二回目の折り目で二つに折り畳まれた二回V折りウェブからなり(ア)、これにより、ウェブ積層体の折畳幅を小さく設定することを可能にする。第2に、該各二回V折りウェブの前記二回目の折り目が、前記ウェブ積層体の左右端面を形成しており(イ)、実質的の直方体のウェブ積層体の形成を可能にする。第3に、該各二回V折りウェブの自由端部と前記第一の折り目を有する袋状端部との少なくとも一方の端縁は、前記ウェブ積層体の左右端面の前記二回目の折り目側と反対側の端面近傍に達しており(ウ)、ウェブ積層体を平坦に保ち、かつ、ポップアップのための相手方ウェブへの折り込みを可能にする。第4に、前記自由端部の各自由折片および前記袋状端部の各端縁は、前記ウェブ積層体の左右両端面近傍あるいは中央部付近のいずれかに位置しており(エ)、ウェブ積層体を平坦に保つことを可能にする。そして最後に、前記左右各側ウェブの前記各二回V折りウェブの前記自由端部および前記袋状端部が、相互に前後に隣接する相手側ウェブのV字の間に順次交互にジグザグ状に折り込んで積層された構造である(オ)ことにより、ポップアップ性が達成される。
【0012】次に、本発明のウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体における好ましい実施態様は以下のとおりである。すなわち、各左側ウェブと各右側ウェブの各二回V折りウェブのV字状の各短片側の長さは、ウェブ積層体の折畳幅の1/2以下であり、相互に重合しない状態であることが、臨出部の長さを小さくし、かつ、ウェブ積層体を平坦な重畳構造とする点で好ましい。二回V折りウェブのV字状の短片側が袋状端部側であり、長片側が自由端部側であることが、臨出部の長さを小さく保つ点で好ましい。最初のV字状ウェブの両折り片の長さは、所望の不同の長さとなるよう両自由端部の位置をずらせて二つに折り畳むことが、臨出部の長さを小さくし、かつ、取出し時に確実に一枚ずつ掴み易くする点で好ましい。二回V折りウェブの外側に位置する自由折片の長さが、内側に位置する自由折片の長さより長いことは、臨出部の長さを小さくし、かつ、ウェブが確実に広がった状態で取出される点で特に好ましい。その具体的な折畳構造としては、外側に位置する自由折片の長さ及び内側に位置する自由折片の長さが、それぞれ折り畳む前のウェブの一辺の長さのほぼ2/5及びほぼ1/5が挙げられ(このとき袋状端部の長さは1/5となる)、ウェブ積層体の折畳幅を折り畳む前のウェブ辺長のほぼ2/5とすることができる。また、具体的な折畳構造の他の例としては、上記で1/5、2/5をそれぞれ1/7、2/7とした場合が挙げられる。二回V折りウェブの外側に位置する自由折片の長さが、内側に位置する自由折片の長さより短いことは、臨出部の長さを小さくし、かつ、取出し時に確実に一枚ずつ掴み易くする点で好ましい。その具体的な折畳構造としては、外側に位置する自由折片の長さ及び内側に位置する自由折片の長さが、それぞれ折り畳む前のウェブの一辺の長さのほぼ1/5及びほぼ2/5が挙げられ(このとき袋状端部の長さは1/5となる)、ウェブ積層体の折畳幅を折り畳む前のウェブ辺長のほぼ2/5とすることができる。また、具体的な折畳構造の他の例としては、上記で1/5、2/5をそれぞれ1/7、2/7とした場合が挙げられる。すなわち、本発明のウェブ積層体の折畳幅は、折り畳む前のウェブ辺長のほぼ2/7以上1/2未満とすることができる。なお、実際の製造時における折り畳み精度を考慮して、通常、ウェブ積層体の平坦性が確実に得られるように折り幅に余裕を持たせるのが好都合であり、ウェブ積層体の折畳幅は広い側に若干の余裕を持たせて設定されるが、本発明の趣旨からは、1/2未満であるころが好ましい。また、二回V折りウェブのV字状の自由端部側を取出し側とすることが、ウェブの一枚ずつ掴み易く、かつ、本発明のウェブ積層体の利点を確実に機能させる点で好ましい。
【0013】また、本発明は、左側ウェブと右側ウェブとを所定長さずつ重合させ、かつ、相互に相手側ウェブに折り込んだ状態で前記左右各側ウェブを順次積層させてなるウェットティッシュのウェブ積層体を製造する新規な折畳構造の製造方法を提供するものである。この折畳構造の製造方法は、(1)〜(4)の4つの構成要件からなる。先ず、(1)前記各側ウェブを、該ウェブの一辺に垂直方向の第一の折り目で二つに折り畳んで最初のV字状ウェブが形成されるが、好ましくは、該V字状ウェブの両折片の長さが所期のウェブ積層体の折畳幅のほぼ1/2の相当する長さだけ異なるよう両自由端部の位置がずらされることにより、該各自由端部が積層体の左右両端面近傍あるいは中央部付近のいずれかに位置することを可能にする。このとき、前記両折片の長さは、好ましくは、長い方の折片が短い方の折片のほぼ3/2倍あるいは4/3倍に選ばれ、得られるウェブ積層体の平坦な構造を可能にする。次に、(2)該各側V字状ウェブの位置を交互に同方向に所定長さずつずらせ、かつ、該各側V字状ウェブの一側の自由端部と他側の袋状端部を相互に所定長さずつ重合させて配列するが、好ましくは、該各側V字状ウェブの位置を交互に同方向に所期のウェブ積層体の折畳幅に相当する長さずつずらせ、かつ、該各側V字状ウェブの一側の自由端部と他側の袋状端部を相互に所期のウェブ積層体の折畳幅又はその1/2にほぼ相当する長さずつ重合させて配列することにより、上記の平坦な折畳構造を達成するための各ウェブの位置決めがなされる。第3に、(3)該各側V字状ウェブの二枚重ね部分の所定位置において、前記折り目方向に実質的に平行な二回目の折り目で二つに折り畳んで二回V折りウェブを形成して、所期のウェブ積層体の折畳幅にほぼ等しいピッチのジグザグ状の折畳配列となされるが、該二回目の折り目は、好ましくは、前記二回V折ウェブの長片側の自由端部近傍又は/及び袋状端部近傍に形成されることにより、ウェブ積層体の左右幅方向のウェブの重なり枚数を均等化することを可能にする。最後に、(4)該ジグザグ状の折畳配列を順次積層して積層体を形成して、ウェブ積層体の平坦な折畳構造が形成される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態について説明する。本発明のウェットティッシュのウェブ積層体は、ウェットティッシュにおける平坦な重畳構造のほか、ウェブの分離性(ズル、ドロップバック)や臨出部の長さなどの取出性等の点での問題に対して効果が発揮されるので、これを中心に説明する。
【0015】本発明のウェブ積層体に使用する基布の素材や構成については特に制限はなく、レーヨン、パルプ、合成繊維等の繊維材料やバインダー等を適宜組合わせたものが用いられ、単一シートであってもよく、複数枚のシートを積層して形成されたものであってもよい。本発明において、基布に含浸してウェットティッシュとする場合の液体についても特に制限はなく、例えば水に、アルコール、除菌剤、防腐剤、保湿剤、界面活性剤、香料などを混入した液体が用いられる。本発明において、液体を含浸する場合の液体の含浸工程は、基布の折り畳み積層の前後のいずれであってもよいが、液体の均一含浸性やウェブの分離性の一層の向上を必要とする場合は、折り畳み積層の前で含浸することが選択できる。本発明によれば、ウェブを構成する紙や不織布などの基材の種類や表面平滑性、或いは含浸液の種類・量などにかかわらず、左右両側ウェブの間の良好な分離性が得られる。
【0016】本発明において、ウェブ積層体を収納して、ウェブ積層体の包装体を得るための容器としては、上面部あるいは側面部等の適宜の場所に取出口を有する包装容器であれば素材および構造に特に制限はなく、気密性のあるフィルム状封入袋、プラスチック製容器、紙製容器、あるいはこれらの組合わせなど、ウェットティッシュ等の包装容器として一般的に使用されている取出口を有している容器がそのまま用いられる。
【0017】本発明のウェブ積層体の折り畳みに際しての、基布の縦横方向に対する折畳方向についても特に制限はない。本発明のウェブ積層体の製造に供される基布の供給形態についても特に制限はなく、一般的にロール状に巻いて納入される基布が使用できる。本発明のウェブ積層体の製造に用いられる基布は、実質的に四角形(通常は長方形)の所望の大きさに予め切断した後あるいは切断しながら基布の縦横いずれか所望の方向への折り畳みに供してもよく、ロール状のままウェブを構成する四角形の一辺に相当する幅に予めスリットした後あるいはスリットしながらロールの幅方向と直角方向(基布の縦方向)への折り畳みに供してもよい。
【0018】本発明のウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体の製造方法に用いる製造装置についても特に制限はない。基布の横方向をウェブの一辺とし、基布ロールの幅方向と直角方向(基布の縦方向)にウェブを折り畳む場合の製造装置としては、例えば、前記図6に示した従来から典型的なZ字状の折畳構造に用いられる特公昭55−1215号公報のウェブ折り合せ装置の複数個を交互に左右勝手に使用した折畳機構が適用できる。例えば、所期の積層枚数に相当する基布ロールから巻き出された多数枚のウェブが順次基布の縦方向に二つ折りにされた後、あるいはされながら、先に折り畳まれ積層された、あるいはされつつあるウェブ積層体のジグザグ構造の間に左右から交互に順次折り込まれた後、所望のピッチで基布の横方向(幅方向)に切断される。また、基布の縦方向をウェブの一辺とし、基布ロールの幅方向と平行方向にウェブを折り畳む場合の製造装置としては、例えば、前記図7に示した特開平7−213453号公報の変形Z字状の折畳構造を得る特開平8−188331号公報の形成装置の折畳機構が適用できる。例えば、左右一対の基布ロールから巻き出されたウェブが、先ず所望のピッチで基布の横方向(幅方向)に切断された後、基布の横方向にV字状に折り畳まれ、左右交互に同方向にずらせ、かつ、重合させて配列した連続体を、左右から交互に順次折り畳んでジグザグ構造を形成して所期のウェブ積層体が得られる。
【0019】図1は、本発明のウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体の第1の折畳構造例を示す断面説明図である。図には、折り畳まれて包装容器10に収納されたウェットティッシュのウェブ積層体の左側ウェブ2および右側ウェブ3の各3枚のみが示されている。左側ウェブ2は、第一の折り目2bおよび二回目の折り目2cを有し、二回V折りウェブ2の外側に位置する自由折片(長さW1)、内側に位置する自由折片(長さW2)および袋状端部片(長さW3)を有している。二回V折りウェブのV字状の短片側が袋状端部で構成され、その長さW3はウェブ積層体1の折畳幅Wの1/2よりやや短かく、外側自由折片の長さW1は折畳幅Wにほぼ等しく、内側自由片の長さW2は折畳幅Wのほぼ1/2である。したがって、W1、W2およびW3はそれぞれ折り畳む前のウェブ辺長のほぼ2/5、1/5および1/5倍に相当する。この図では、実際の製造時における折り畳み精度を考慮して、ウェブ積層体の平坦性が確実に得られるように折り幅に余裕を持たせて、W1、W3は上記の値よりやや短め、W2は上記の値よりやや長めに設定する例を示しているが、十分な折り畳み精度が得られる場合は、ウェブ積層体1の折畳幅Wは、折り畳む前のウェブ辺長のほぼ2/5とすることができる。取出されるウェブと次順のウェブとの重合幅は、左側ウェブ2のW3と次順の右側ウェブ3のW1との重なり部分、あるいは左側ウェブのW2と右側ウェブ3のW1の重なり部分すなわちウェブ辺長のほぼ1/5であるが、実際に包装容器10の取出口11から引き出されるウェブ臨出部2aの長さは、上記の重合幅とほぼ同等の値が得られ、ウェブは広がった状態で取出される。
【0020】図2は、本発明のウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体の第2の折畳構造例を示す断面説明図である。図1の場合と比較して、外側自由折片の長さと内側自由折片の長さが逆になって構成されている。外側自由折片の長さW1は折畳幅Wのほぼ1/2に等しく、内側自由片の長さW2は折畳幅Wにほぼ等しい。したがって、W1、W2およびW3はそれぞれ折り畳む前のウェブの1辺の長さのほぼ1/5、2/5および1/5倍に相当し、ウェブ積層体1の折畳幅Wは、折り畳む前のウェブ辺長のほぼ2/5である。この場合も、実際に包装容器10の取出口11から引き出されるウェブ臨出部2aの長さは、図1と同様にウェブ辺長のほぼ1/5とすることができる。取出されるウェブは、ウェブを構成する紙や不織布などの基材の種類や表面平滑性、或いは含浸液の種類・量などによっては、袋状端部が重なったまま取出される場合もあるが、片手で容易に振り広げることができる。
【0021】図3は、本発明のウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体の第3の折畳構造例を示す断面説明図である。図1、2の場合と異なり、二回目のV折りウェブの自由端部側及び袋状端部側が共に長片すなわちウェブ積層体の折畳幅にほぼ等しい長さを有している。自由端部側は、外側の自由折片の長さW1が、内側の自由折片の長さW2より長い関係となっており、外側の自由折片の長さW1及び袋状端部片の長さW3はウェブ積層体1の折畳幅Wのよりやや短かく、内側の自由折片の長さW2は折畳幅Wのほぼ1/2である。したがって、W1、W2およびW3はそれぞれ折り畳む前のウェブ辺長のほぼ2/7、1/7および2/7倍に相当し、ウェブ積層体1の折畳幅Wは、折り畳む前のウェブ辺長のほぼ2/7である。取出されるウェブと次順のウェブとの重合幅は、一義的には決められないが、袋状端部の上面とW1との重なり部分(ほぼ1/7倍)、あるいはこれとこれに続く袋状端部の上面とW2との重なり部分(ほぼ1/7倍)との重なり部分とを加えた部分、すなわちウェブ辺長のほぼ1/7ないし2/7と考えられるが、実際に包装容器10の取出口11から引き出されるウェブ臨出部2aの長さも、概ねこの間の値となり、ウェブは広がった状態で取出される。
【0022】図4は、本発明のウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体の第4の折畳構造例を示す断面説明図である。図3の場合と同様に、二回目のV折りウェブの自由端部側及び袋状端部側が共に長片すなわちウェブ積層体の折畳幅にほぼ等しい長さを有しているが、自由端部側は、外側の自由折片の長さW1が、内側の自由折片の長さW2より短い関係となっている点が異なる。内側の自由折片の長さW1及び袋状端部片の長さW3はウェブ積層体1の折畳幅Wのよりやや短かく、外側の自由折片の長さW2は折畳幅Wのほぼ1/2である。したがって、W1、W2およびW3はそれぞれ折り畳む前のウェブ辺長のほぼ1/7、2/7および2/7倍に相当し、ウェブ積層体1の折畳幅Wは、折り畳む前のウェブ辺長のほぼ2/7である。取出されるウェブと次順のウェブとの重合幅は、袋状端部の上面とW2との重なり部分(ほぼ2/7倍)と考えられるが、実際に包装容器10の取出口11から引き出されるウェブ臨出部2aの長さも、概ねこの間の値となる。取出されるウェブは、ウェブを構成する紙や不織布などの基材の種類や表面平滑性、或いは含浸液の種類・量などによっては、袋状端部が重なったまま取出される場合もあるが、片手で容易に振り広げることができる。このような折畳構造は、折り畳む前の辺長の長い大判のウェブを使用する介護用の大人用ウェットティッシュに用いた場合に、比較的小型の包装容器に収納することができる利点がある。
【0023】図5は、本発明のウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体の製造方法の例を示す折畳方法の説明図である。図5の(1)〜(4)は、前記した図1〜図4の第1〜第4の折畳構造例に対応する折畳構造の形成方法を示し、各々の(A)及び(B)は、各々の製造方法の第2のステップと第3のステップを示す説明図である。各々の(A)において、先ず、左側ウェブ2と右側ウェブ3はそれぞれ、該ウェブの一辺に垂直方向の第一の折り目2bで二つに折り畳んで自由端部4と袋状端部5とを有する最初のV字状ウェブが形成される。各V字状ウェブの両折片の長さは、所期のウェブ積層体1の折畳幅Wのほぼ1/2の相当する長さだけ異なるよう両自由端部4の位置がずらされており、(1A)、(2A)では長い方の折片が短い方の折片のほぼ3/2倍、(3A)、(4A)では4/3倍に選ばれている。前記各側V字状ウェブの位置は、交互に同方向に所期のウェブ積層体1の折畳幅Wに相当する長さずつずらせて配列されており、(1A)、(2A)では該各側V字状ウェブの一側の自由端部4と他側の袋状端部5は、相互に所期のウェブ積層体1の1/2にほぼ相当する長さずつ重合しており、(3A)、(4A)で相互に所期のウェブ積層体1の折畳幅Wにほぼ相当する長さずつ重合している。各々の(B)において、該各側V字状ウェブの二枚重ね部分の所定位置において、前記折り目方向に実質的に平行な二回目の折り目2cで二つに折り畳んで二回V折りウェブが形成され、所期のウェブ積層体1の折畳幅Wにほぼ等しいピッチのジグザグ状の折畳配列となされる。該二回目の折り目2cは、(1B)〜(4B)では、いずれも前記二回V折ウェブの長片側の自由端部近傍(1B、3Bでは、外側の自由折片7が長片側、2B、4Bでは、内側の自由折片6が長片側になっている)に位置しており、さらに、(3B)、(4B)では袋状端部近傍にも位置している。最後に、該ジグザグ状の折畳配列を順次積層して積層体が形成される。
【0024】
【発明の効果】本発明のウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体は、ウェットティッシュのウェブ積層体の幅方向に部分的な嵩高を生じない平坦な重畳構造を確保しつつ、ウェブ積層体の折畳幅を小さくする折畳構造とすると共に、取出されるウェブと次順のウェブとの重合幅も小さくでき、両ウェブの間の分離性が良好であり、かつ、包装体或いは収納容器から取出されるウェブの次順のウェブ臨出部を一定に小さく保つことができる。また、大判のウェブを使用する介護用の大人用ウェットティッシュ等をより小型の包装容器に収納するのにも適する。また、本発明は、これらの要求を満たすウェットティッシュの二回V折りウェブ積層体の簡便な製造方法が提供される。
【出願人】 【識別番号】399111462
【氏名又は名称】フクヨー興産株式会社
【出願日】 平成13年11月29日(2001.11.29)
【代理人】 【識別番号】100075731
【弁理士】
【氏名又は名称】大浜 博
【公開番号】 特開2003−164387(P2003−164387A)
【公開日】 平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願番号】 特願2001−364746(P2001−364746)