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【発明の名称】 浴槽蓋及びこの浴槽蓋の製造方法
【発明者】 【氏名】森 茂
【住所又は居所】大阪府東大阪市菱江2丁目10番27号 ミエ産業株式会社内

【要約】 【課題】連結部材の端部が傷つくことを防ぎ、これにより、連結部材及び蓋板部材の結合状態が容易に解除されない浴槽蓋及びこの浴槽蓋の製造方法を提供する。

【解決手段】上記蓋板部材20の端部に連結部材30の一方の連結片31がモールドされ、さらに、この連結部材30の他方の連結片31が他の蓋板部材20の端部にモールドされた状態で、各連結片31,31が結合片32により結合されていることにより、各蓋板部材20を連結する構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】中空の蓋板部材の端部同士を弾性を有する連結部材により連結して、該連結部材を屈曲させて折り畳み可能に構成した浴槽蓋において、連結部材の端部が、蓋板部材の端部、又は端部を構成する端部構成部、又は端部に取り付けられる端部取付部材にモールドされていることを特徴とする浴槽蓋。
【請求項2】中空の蓋板部材の端部同士を弾性を有する連結部材により連結して、該連結部材を屈曲させて折り畳み可能に構成した浴槽蓋において、連結部材の端部が、蓋板部材の端部と、該蓋板部材の端部を構成する端部構成部、又は端部に取り付けられる端部取付部材との間に挟まれて融着されていることを特徴とする浴槽蓋。
【請求項3】中空の蓋板部材を形成する硬質プラスチックを第1押し出し成形機に注入し、該中空の蓋板部材の端部に埋設される端部を備えた連結部材を形成する軟質エラストマーを第2押し出し成形機に注入し、これら第1押し出し成形機及び第2押し出し成形機を同時に作動させ、一台の金型ダイスの内部で蓋板部材の端部に連結部材の端部をモールドし、一体的に連結して成形することを特徴とする浴槽蓋の製造方法。
【請求項4】中空の蓋板部材の端部同士を弾性を有する連結部材により連結して、該連結部材を屈曲させて折り畳み可能に構成した浴槽蓋において、連結部材の端部が、蓋板部材の端部、又は端部を構成する端部構成部、又は端部に取り付けられる端部取付部材と、その表面側同士、裏面側同士、或いはその表面側と裏面側が融着されて連結されていることを特徴とする浴槽蓋。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浴槽蓋及びこの浴槽蓋の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の浴槽蓋としては、例えば、図9に示すものが提供されている。同図に示すように、この浴槽蓋Dを構成する浴槽蓋部材70は、その中空状板部材71が各連結シート81,82によって連結されて構成されている。
【0003】前記中空状板部材71は、溶融状の硬質プラスチック材を押し出し成形機の押し出しによりその中空部に多数のリブ71a,71aが備えられた形状に成形され、同時に、コ字状断面を有する2つの条片81aがそれぞれの背面中央部で扁平条片81bの両端に繋がる軟質のエラストマーからなる連結シート81、及びコ字状断面を有する条片82a(端部用)の背面中央部に扁平条片82b(端部用)が突き出た軟質のエラストマーからなる連結シート82がともに押し出し成形機により同時に押し出して成形され、これに伴って、前記中空状部材71の長手方向の側面に前記の各連結シート81,82のコ字状断面を有する条片81aが結合される。
【0004】この結合成形された浴槽蓋部材70は、コ字状断面を有する2つの条片81a,81aを備えた連結シート81より中空状板部材71,71が連設されており、また、この連設された中空状板部材71,71の中の一方端に位置する中空状板部材71に他の連結シート82が結合されている。
【0005】上記のような浴槽蓋部材70の各々が前記他の連結シート82における扁平条片82b,82b同士の融着等により結合されて長尺化された後、キャップが中空状板部材71,71の切断面に融着されて蛇腹状の折りたたみ浴槽蓋が形成される。
【0006】しかしながら、上記のように構成された浴槽蓋Dは、一つの問題を有していた。すなわち、図9に示すように、この浴槽蓋Dの中空状板部材71及び連結シート81が同時に押し出され、軟質のエラストマーからなる条片81aが中空状板部材71の側面の外周壁面に融着された状態で成形される。このため、軟質のエラストマーからなる条片81aが表面側に露出した状態であることから、傷がつく可能性があり、さらに、この状態で、これら中空状板部材71及び条片81aの結合部位に曲げ等による負荷が加わった場合に、傷ついた箇所から剥離がおこり、最悪の場合には、これら各部材の結合状態が解除されるおそれがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、連結部材の端部が傷つくことを防ぎ、これにより、連結部材及び蓋板部材の結合状態が容易に解除されない浴槽蓋及びこの浴槽蓋の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の発明は、中空の蓋板部材の端部同士を弾性を有する連結部材により連結して、該連結部材を屈曲させて折り畳み可能に構成した浴槽蓋において、連結部材の端部が、蓋板部材の端部、又は端部を構成する端部構成部、又は端部に取り付けられる端部取付部材にモールドされていることを特徴とする。
【0009】すなわち、本発明によれば、連結部材の端部が、蓋板部材の端部、又は端部を構成する端部構成部、又は端部に取り付けられる端部取付部材にモールドされ、この連結部材を介して各蓋板部材が連結された状態で一体的に押し出し成形等により成形する。
【0010】請求項2の発明は、中空の蓋板部材の端部同士を弾性を有する連結部材により連結して、該連結部材を屈曲させて折り畳み可能に構成した浴槽蓋において、連結部材の端部が、蓋板部材の端部と、該蓋板部材の端部を構成する端部構成部、又は端部に取り付けられる端部取付部材との間に挟まれて融着されていることを特徴とする。
【0011】すなわち、本発明によれば、連結部材の端部が、蓋板部材の端部と、該蓋板部材の端部を構成する端部構成部、又は端部に取り付けられる端部取付部材との間に融着され、この連結部材を介して各蓋板部材が連結された状態で一体的に押し出し成形等により成形する。
【0012】請求項3の発明は、中空の蓋板部材を形成する硬質プラスチックを第1押し出し成形機に注入し、該中空の蓋板部材の端部に埋設される端部を備えた連結部材を形成する軟質エラストマーを第2押し出し成形機に注入し、これら第1押し出し成形機及び第2押し出し成形機を同時に作動させ、一台の金型ダイスの内部で蓋板部材の端部に連結部材の端部をモールドし、一体的に連結して成形することを特徴とする。
【0013】すなわち、本発明によれば、硬質プラスチックにより形成された蓋板部材の端部に軟質エラストマーにより形成された連結部材の端部がモールドされ、各蓋板部材を連結部材により連結した状態で一体的に押し出し成形等により成形する。
【0014】請求項4の発明は、中空の蓋板部材の端部同士を弾性を有する連結部材により連結して、該連結部材を屈曲させて折り畳み可能に構成した浴槽蓋において、連結部材の端部が、蓋板部材の端部、又は端部を構成する端部構成部、又は端部に取り付けられる端部取付部材と、その表面側同士、裏面側同士、或いはその表面側と裏面側が融着されて連結されていることを特徴とする。
【0015】すなわち、本発明によれば、連結部材の端部が、蓋板部材の端部と、該蓋板部材の端部を構成する端部構成部、又は端部に取り付けられる端部取付部材と、その表面側及び裏面側同士、或いはその表面側と裏面側が融着されていることにより、この連結部材を介して各蓋板部材が連結された状態で一体的に押し出し成形等により成形される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の浴槽蓋の一実施形態について説明する。図1は、本発明の浴槽蓋Aの斜視図を示している。同図に示すように、この浴槽蓋Aは、長手方向の端部にキャップ40が融着された中空の蓋板部材20の端部同士を弾性を有する連結部材30により連結し、これら各連結部材30を屈曲させて折り畳み可能に構成されている。
【0017】図2は、上記キャップ40を取り外した状態の蓋板部材20及び連結部材30を示している。同図に示すように、蓋板部材20は、浴槽蓋Aを構成する板状の部材で、その中空の内部空間が蓋板部材の長手方向に沿って設けられたリブ21によって、略等間隔に区切られて構成されている。この蓋板部材20の材質としては、硬質プラスチック、例えば、塩化ビニル樹脂、スチロール系樹脂、ABS系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)系樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
【0018】上記蓋板部材20の端部は、図3に示すように、連結部材30により連結されている。この連結部材30は、略断面凹型に形成された連結片31,31及びこれら連結片31,31を結合している結合片32とから構成されている。
【0019】上記連結部材30は、軟質エラストマー、例えば、塩化ビニル樹脂、スチロール系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂等より各連結片31,31及び結合片32が一体的に形成されている。これにより、上記蓋板部材20の端部に連結部材30の一方の連結片31がモールドされ、さらに、この連結部材30の他方の連結片31が他の蓋板部材20の端部にモールドされた状態で、各連結片31,31が結合片32により結合されていることにより、各蓋板部材20を連結している。そして、本実施形態においては、4枚の蓋板部材20が連結部材30により連結された浴槽蓋Aが構成されている。
【0020】つぎに、上記のように構成された浴槽蓋Aの製造方法について、図4及び図5を用いて説明する。まず、図4に示すように、蓋板部材20を成形する第1押し出し成形機40に蓋板部材20の材料となる硬質プラスチックを注入する。つぎに、連結部材30を成形する第2押し出し成形機50に、連結部材30の材料となる軟質エラストマーを注入する。そして、第1押し出し成形機40及び第2押し出し成形機50を同時に作動させ、溶融された硬質プラスチック及び軟質エラストマーが各流通管55,55を通過して一つの金型ダイス56の内部で一体的に熱融着させる。
【0021】ここで、上記金型ダイス56のA−A断面図を図5に示す。同図に示すように、この金型ダイス56内には、蓋板部材20の形状が象られた枠内に溶融された硬質プラスチックが注入されると同時に、連結部材30の形状が象られた枠内に溶融された軟質エラストマーが注入され、各蓋板部材20の端部に連結部材30の連結片31がモールドした状態で熱融着することにより、各蓋板部材20が連結部材30により連結された状態で、一体的に押し出されて成形される。なお、本実施形態においては、上述したように、4枚の蓋板部材20が3個の連結部材30により連結された状態で押し出し成形される。
【0022】そして、上記のように連結部材30により連結された蓋板部材20は、図4に示すように、前進して冷却水槽57を通り、引き取り機58を経て定尺切断機59により所定寸法に切断して浴槽蓋Aを製造する。なお、上記硬質プラスチック及び軟質エラストマーの溶融温度は、150℃〜250℃の間である。また、蓋板部材20の材料である硬質プラスチックの材料として発泡性のプラスチック材料を用いることも可能である。
【0023】上記方法を用いて、一台の金型ダイス56の内部で蓋板部材20も内部に連結部材30の端部をモールドして一体的に連結して成形することにより、連結部材30の連結片31が外部に露出することがない。この結果、連結部材30の連結片31に傷がつくことを防ぐことができ、これら蓋板部材20及び連結部材30の結合部位に曲げ等による負荷が加わった場合でも、連結片31が蓋板部材20の端部から剥離することを防ぎ、これらの融着部位の結合状態が解除されることを防ぐことができる。
【0024】以上、本発明の浴槽蓋及び浴槽蓋の製造方法の一実施形態について説明したが、本発明の浴槽蓋は請求項に記載の範囲内において種々に変更可能であって、例えば、上記浴槽蓋Aを射出成形により成形することも可能である。また、上記実施形態においては、4枚の蓋板部材20により浴槽蓋Aが構成されていたが、2〜4枚の蓋板部材で浴槽蓋を構成することも可能である。また、図6(a)に示すように、蓋板部材20の端部に連結部材30の結合片32の端部をモールドすることにより各蓋板部材20を連結する構成とすることも可能である。また、図6(b)及び(c)に示すように、連結部材30の形状を断面略H形状、或いは連結部材30の連結片31の形状を略U字形状とすることも可能である。
【0025】さらにまた、上記実施形態においては、蓋板部材20の端部に連結部材30の連結片31がモールドされていたが、例えば、図7(a)に示すように、この蓋板部材20の端部を構成する略鉤型に形成された端部構成部22に連結部材30の連結片31をモールドし、この端部構成部22を蓋板部材20の端部に融着することにより各蓋板部材20を連結する構成とすることも可能である。なお、端部構成部22は、蓋板部材20と同じ硬質プラスチックで形成されている。また、図7(b)に示すように、蓋板部材20と、該蓋板部材20に融着される端部構成部22との間に連結部材30の連結片31を挟んだ状態で熱融着する構成とすることも可能である。
【0026】さらにまた、図8(a)に示すように、蓋板部材20の端部に取り付けられる端部取付部材23に連結部材30の連結片31をモールドして、この端部取付部材23を蓋板部材20の端部に取り付けることにより、各蓋板部材20を連結して浴槽蓋を構成することも可能である。また、同図(b)に示すように、蓋板部材20の端部と、該蓋板部材20の端部に取り付けられる端部取付部材23との間に連結部材30の連結片31を挟んだ状態で熱融着して各蓋板部材20を連結して浴槽蓋を構成することも可能である。
【0027】さらに、図10(a)に示すように、蓋板部材20の端部の裏面側に連結部材30の結合片32の端部を融着することにより各蓋板部材20を連結する構成とすることも可能である。また、同図(b)に示すように、蓋板部材20の端部の表面側に連結部材30の結合片32の端部を融着する、或いは同図(c)に示すように、蓋板部材20の端部の表面側と裏面側を連結部材30により連結する構成とすることも可能である。
【0028】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、連結部材の端部が、蓋板部材の端部、又は端部を構成する端部構成部、又は端部に取り付けられる端部取付部材にモールドされていることにより、連結部材の端部が傷つくことを防ぐことができ、これら蓋板部材の端部等との結合部位に曲げ等による負荷が加わった場合でも、連結部材の端部が蓋板部材の端部等から剥離することを防ぎ、これらの融着部位の結合状態が解除されることを防ぐことができる。
【0029】請求項2の発明によれば、連結部材の端部が、蓋板部材の端部と、該蓋板部材の端部を構成する端部構成部、又は端部に取り付けられる端部取付部材との間に挟まれて融着されていることにより、連結部材の端部が傷つくことを防ぐことができ、これら蓋板部材の端部等との結合部位に曲げ等による負荷が加わった場合でも、連結部材の端部が蓋板部材の端部等から剥離することを防ぎ、これらの融着部位の結合状態が解除されることを防ぐことができる。
【0030】請求項3の発明によれば、硬質プラスチックにより形成された蓋板部材の端部に軟質エラストマーにより形成された連結部材の端部がモールドされ、各蓋板部材を連結部材により連結した状態で一体的に押し出し成形等により成形されることにより、連結部材の端部が傷つくことを防ぐことができ、これら蓋板部材の端部等との結合部位に曲げ等による負荷が加わった場合でも、連結部材の端部が蓋板部材の端部等から剥離することを防ぎ、これらの融着部位の結合状態が解除されることを防ぐことができる。
【0031】請求項4の発明によれば、連結部材の端部が、蓋板部材の端部と、該蓋板部材の端部を構成する端部構成部、又は端部に取り付けられる端部取付部材と、その表面側及び裏面側同士、或いはその表面側と裏面側が融着されていることにより、この連結部材を介して各蓋板部材が連結された状態で一体的に押し出し成形等により成形され、簡易に浴槽蓋を成形することができる。
【0032】
【出願人】 【識別番号】592084934
【氏名又は名称】ミエ産業株式会社
【住所又は居所】大阪府東大阪市菱江2丁目10番27号
【出願日】 平成13年11月29日(2001.11.29)
【代理人】 【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
【公開番号】 特開2003−164383(P2003−164383A)
【公開日】 平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願番号】 特願2001−364829(P2001−364829)