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【発明の名称】 米飯保温容器
【発明者】 【氏名】森川 栄
【住所又は居所】大阪府門真市速見町1033 タイガー魔法瓶株式会社内

【要約】 【課題】ユーザの実際の食事時間帯に対応した昇温制御を行い得るようにする。

【解決手段】米飯保温容器において、蓋体2の過去における開閉回数の多い時間帯を次回からの食事時刻と推定する食事時刻推定手段と、該食事時刻推定手段により推定された食事時刻に内鍋温度を予め設定された設定温度に上昇させるように加熱手段(ワークコイル9)への通電を制御する昇温制御手段とを付設して、蓋体2の開閉回数により食事時刻を推定し、当該推定食事時刻に合わせて内鍋温度を設定温度に昇温させるようにしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 米飯収容用の内鍋を収容する容器本体と、該容器本体の蓋体と、前記内鍋を保温加熱する加熱手段と、前記内鍋の温度を検出する温度検出手段と、1日の時刻を計時する計時手段と、前記温度検出手段により検出される内鍋温度を通常保温温度より低い保温温度に保つように前記加熱手段への通電を制御する低温保温制御手段とを備えた米飯保温容器であって、前記蓋体の過去における開閉回数の多い時間帯を次回からの食事時刻と推定する食事時刻推定手段と、該食事時刻推定手段により推定された食事時刻に内鍋温度を予め設定された設定温度に上昇させるように前記加熱手段への通電を制御する昇温制御手段とを付設したことを特徴とする米飯保温容器。
【請求項2】 前記食事時刻推定手段による食事時刻の推定を朝、昼および夜の三つの時間帯により行うようにしたことを特徴とする前記請求項1記載の米飯保温容器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、米飯を保温するために用いられる米飯保温容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】米飯収容用の内鍋を加熱手段で保温加熱するに当たって、該加熱手段への通電を制御することにより所定の温度に保温するようにした米飯保温容器は従来からよく知られており、このような米飯保温容器における保温温度は、収容された米飯が腐敗しにくいようにやや高めの保温温度(例えば、約73℃)となるように温度設定されている(例えば、特開平5ー7526号公報参照)。
【0003】ところで、上記のように保温設定温度を腐敗しにくい高めの温度とした場合、米飯が硬くなったり、褐色に変色したりするという不具合が存していた。
【0004】そこで、保温設定温度を低くした(例えば、約65℃とした)低温保温制御を行うようにしたものも提案されているが、この場合、米飯が硬くなったり、変色したりすることは少なくなるものの、食事するときのご飯の温度が低すぎるという不具合が生ずる上記不具合を解消するために、一般的な食事時間帯に合わせて食事時刻を設定し、当該時刻にご飯の温度が自動的に上昇するように再加熱制御を行うようにしたものも提案されている(例えば、特開平8−299168号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公知例の場合、ユーザの実際の食事時間帯と設定された食事時間帯とが食い違う場合に対応できないという不具合が生ずる。
【0006】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、ユーザの実際の食事時間帯に対応した昇温制御を行い得るようにすることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、上記課題を解決するための手段として、米飯収容用の内鍋を収容する容器本体と、該容器本体の蓋体と、前記内鍋を保温加熱する加熱手段と、前記内鍋の温度を検出する温度検出手段と、1日の時刻を計時する計時手段と、前記温度検出手段により検出される内鍋温度を通常保温温度より低い保温温度に保つように前記加熱手段への通電を制御する低温保温制御手段とを備えた米飯保温容器において、前記蓋体の過去における開閉回数の多い時間帯を次回からの食事時刻と推定する食事時刻推定手段と、該食事時刻推定手段により推定された食事時刻に内鍋温度を予め設定された設定温度に上昇させるように前記加熱手段への通電を制御する昇温制御手段とを付設している。
【0008】上記のように構成したことにより、蓋体の過去における開閉回数の多い時間が次回からの食事時刻と推定され、当該推定食事時刻に合わせて内鍋温度が設定温度に昇温されることとなる。従って、ユーザの実際の食事時間帯に合わせて、ご飯を「ほかほか」状態とすることができる。しかも、食事時間帯以外には、ご飯を低温保温状態とすることができる。
【0009】請求項2の発明におけるように、請求項1記載の米飯保温容器において、前記食事時刻推定手段による食事時刻の推定を朝、昼および夜の三つの時間帯により行うようにした場合、食事時刻の推定がより正確となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本願発明の幾つかの好適な実施例を説明する。
【0011】まず、図1ないし図5を参照して、以下の実施の形態において用いられる米飯保温容器の構造について説明する。
【0012】この米飯保温容器は、炊飯と保温とを兼用するものとされており、内部に内鍋3をセットし得るように構成された二重構造の容器本体1と、該容器本体1の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体2とによって構成されている。
【0013】前記容器本体1は、外周面および底部を構成する合成樹脂製の有底筒状の外ケース4と、内周面を構成する有底筒状の保護枠5と、前記外ケース4の上端と前記保護枠5の上端とを結合する合成樹脂製の肩部材6とによって構成されており、その内部には、前記内鍋3を取り出し可能にセットされることとなっている。
【0014】前記内ケース5の側面上部には、保温用の電気ヒータ7が設けられ、前記内ケース5の底面中央部には、前記内鍋3の底面に対して接触して内鍋3の温度を検出する温度検出手段として作用するセンタセンサー8が設けられている。
【0015】前記内ケース5の底部には、前記センターセンサ8を包囲し且つ前記内鍋3の底面から下部湾曲部位にかけて対応するように環状のワークコイル9が配設されている。該ワークコイル9は高周波電磁誘導加熱装置における磁気発生手段として作用するものであり、加熱手段として使用される。符号10はワークコイル9を保持するコイルダイ、11はワークコイル9による磁気が下方に存在する機器に対して影響を及ぼさないように遮閉するフェライトコアである。
【0016】前記蓋体2は、上面を構成する合成樹脂製の上板12と、下面における外周環状部を構成する合成樹脂製の下板13と、該下板13における開口部を覆蓋する放熱板14とによって中空構造に形成されている。この蓋体2は、前記肩部材6の一側に対してヒンジ機構15を介して回動自在に取り付けられており、その開放端側には、蓋体2の所定位置に対して係合して蓋体2の閉塞状態を維持するロック機構16が設けられている。
【0017】図1において、符号17は蒸気排出通路、18は調圧筒、19は蓋ヒータ、20は操作パネル、21はワークコイル9を起動させるためのパワートランジスタ(図示省略)等を冷却するための冷却用ファン、22はコードリール、23は蓋体2内の断熱材、24は制御基板である。
【0018】前記操作パネル20には、図2に示すように、炊飯時にON操作される炊飯キー25、各種炊飯メニューを選択するメニューキー26、各種操作状態が取り消される取消キー27、再加熱時にON操作される手動式の再加熱キー28、通常の保温(換言すれば、高温保温)と通常の保温より低い温度での保温(換言すれば、低温保温)とを選択する保温選択キー29、予約時にON操作される予約キー30、時キー32、分キー33、炊飯表示灯34、保温表示灯35、予約表示灯36、再加熱時および自動昇温時に点灯して表示手段として作用する昇温表示灯37および液晶表示部38が設けられている。
【0019】ところで、この米飯保温容器には、図3に示すように、蓋体2の開閉を検知する蓋開閉検知手段として作用する蓋開閉センサー39が付設されている。該蓋開閉センサー39は、図4に示すように、肩部材6に設けたマイクロスイッチ40と該マイクロスイッチ40により構成して、マイクロスイッチ40の作動子40aを蓋体2に設けた突起41で動作させるようにしてもよく、図5に示すように、肩部材6に設けたリードスイッチ42と蓋体2側に設けたマグネット43とにより構成するようにしてもよい。また、蓋開閉センサー39としては、光センサー等を用いてもよい。
【0020】前記制御基板24には、図3に示すように、マイクロコンピュータユニット(以下、マイコンと略称する)44、ワークコイル駆動回路45および保温用電気ヒータ駆動回路46が内蔵されており、該マイコン44は、内鍋3を炊飯加熱するワークコイル9、内鍋3を保温加熱する保温用電気ヒータ7および蓋ヒータ19への通電を制御するものであり、各種キー類25〜31を備えた操作パネル20からの信号と、センタセンサー8および蓋開閉センサー39からの信号とが入力されることとなっている。また、このマイコン44からは、各種表示灯34〜37および液晶表示部38へ信号が出力されることとなっている。さらに、このマイコン44には、1日の時刻を計時する計時手段である時計が内蔵されており、時刻表示は、操作パネル20における液晶表示部38に表示されることとなっている。
【0021】図6には、本願発明の実施の形態にかかる米飯保温容器における蓋開閉回数Kのカウント制御のフローチャートが示され、図7ないし図9には、本願発明の実施の形態にかかる米飯保温容器における自動昇温時間変更制御のフローチャートが示されている。
【0022】この場合、マイコン44は、センタセンサー8により検出される内鍋温度Tを通常保温温度(例えば、72℃)より低い保温温度(例えば、60℃)に保つように保温用電気ヒータ7およびワークコイル9への通電を制御する低温保温制御手段としての機能と、前記蓋体2の過去における開閉回数Kの多い時間を次回からの食事時刻と推定する食事時刻推定手段としての機能と、該食事時刻推定手段により推定された食事時刻に内鍋温度Tを予め設定された設定温度Ts(例えば、110℃)に上昇させるように前記ワークコイル9への通電を制御する昇温制御手段としての機能とを有している。なお、腐敗防止のために必要な2時にも前記昇温制御手段が作動するように出荷時にプログラムされている。
(I) 蓋開閉回数のカウント制御(図6のフローチャート参照)
ステップS1において保温中であることが確認されると、ステップS2において蓋開閉センサー39からの信号入力の有無(即ち、蓋体2の開閉操作がなされたか否か)の判定がなされ、肯定判定された場合には、ステップS3〜ステップS14において現在時刻Nが、2時〜4時、4時〜6時、6時〜8時、8時〜10時、10〜12時、12時〜14時、14時〜16時、16時〜18時、18時〜20時、20時〜22時、22時〜24時および24時〜2時の区間であるか否かの判定がそれぞれなされ、ここで肯定判定された場合には、ステップS15〜ステップS26においてそれぞれの時間帯における蓋開閉回数K2、K4、K6、K8、K10、K12、K14、K16、K18、K20、K22およびK24が1だけ加算される。
【0023】つまり、1日を2時間毎の12の時間帯に分け、それらの時間帯毎の蓋開閉回数をカウントすることとなっているのである。
【0024】(II) 朝食時間帯における昇温開始時刻変更制御(図7のフローチャート参照)
ステップS1〜ステップS3において蓋開閉回数K2とK4、K6およびK8との比較がそれぞれなされ、ここでK2<K4、K2<K6およびK2<K8とそれぞれ判定された場合には、ステップS4およびステップS5において蓋開閉回数K4とK6およびK8との比較がなされ、ここでK4<K6およびK4<K8とそれぞれ判定されると、ステップS6に進み、蓋開閉回数K6とK8との比較がなされ、ここでK6<K8と判定されると、ステップS7に進み、蓋開閉回数の最多時刻N=8時と決定される。
【0025】ステップS6においてK6≧K8と判定された場合には、ステップS8に進み、蓋開閉回数の最多時刻N=6時に決定される。ステップS5においてK4≧K8と判定されると、ステップS9において蓋開閉回数の最多時刻N=4時に決定される。ステップS3においてK2≧K8と判定されると、ステップS10に進み、蓋開閉回数の最多時刻N=2時に決定される。
【0026】ついで、ステップS11において蓋開閉回数最多時刻N(=2,4,6,8)より2時間前の蓋開閉回数K(N−2)と蓋開閉回数最多時刻N(=2,4,6,8)より2時間後の蓋開閉回数K(N+2)との比較がなされ、K(N−2)≧K(N+2)と判定されると、ステップS12に進み、昇温開始時刻がN−2(即ち、蓋開閉回数最多時刻の2時間前)に決定され、K(N−2)<K(N+2)と判定されると、ステップS13に進み、昇温開始時刻がN(即ち、蓋開閉回数最多時刻)に決定される。
【0027】(III) 昼食時間帯における昇温開始時刻変更制御(図8のフローチャート参照)
ステップS1〜ステップS3において蓋開閉回数K10とK12、K14およびK16との比較がそれぞれなされ、ここでK10<K12、K10<K14およびK10<K16とそれぞれ判定された場合には、ステップS4およびステップS5において蓋開閉回数K12とK14およびK16との比較がなされ、ここでK12<K14およびK12<K16とそれぞれ判定されると、ステップS6に進み、蓋開閉回数K14とK16との比較がなされ、ここでK14<K16と判定されると、ステップS7に進み、蓋開閉回数の最多時刻N=16時と決定される。
【0028】ステップS6においてK14≧K16と判定された場合には、ステップS8に進み、蓋開閉回数の最多時刻N=14時に決定される。ステップS5においてK12≧K16と判定されると、ステップS9において蓋開閉回数の最多時刻N=12時に決定される。ステップS3においてK10≧K16と判定されると、ステップS10に進み、蓋開閉回数の最多時刻N=10時に決定される。
【0029】ついで、ステップS11において蓋開閉回数最多時刻N(=10,12,14,16)より2時間前の蓋開閉回数K(N−2)と蓋開閉回数最多時刻N(=10,12,14,16)より2時間後の蓋開閉回数K(N+2)との比較がなされ、K(N−2)≧K(N+2)と判定されると、ステップS12に進み、昇温開始時刻がN−2(即ち、蓋開閉回数最多時刻の2時間前)に決定され、K(N−2)<K(N+2)と判定されると、ステップS13に進み、昇温開始時刻がN(即ち、蓋開閉回数最多時刻)に決定される。
【0030】(IV) 夕食時間帯における昇温開始時刻変更制御(図9のフローチャート参照)
ステップS1〜ステップS3において蓋開閉回数K18とK20、K22およびK24との比較がそれぞれなされ、ここでK18<K20、K18<K22およびK18<K24とそれぞれ判定された場合には、ステップS4およびステップS5において蓋開閉回数K20とK22およびK24との比較がなされ、ここでK20<K22およびK20<K24とそれぞれ判定されると、ステップS6に進み、蓋開閉回数K22とK24との比較がなされ、ここでK22<K24と判定されると、ステップS7に進み、蓋開閉回数の最多時刻N=24時と決定される。
【0031】ステップS6においてK22≧K24と判定された場合には、ステップS8に進み、蓋開閉回数の最多時刻N=22時に決定される。ステップS5においてK20≧K24と判定されると、ステップS9において蓋開閉回数の最多時刻N=20時に決定される。ステップS3においてK18≧K24と判定されると、ステップS10に進み、蓋開閉回数の最多時刻N=18時に決定される。
【0032】ついで、ステップS11において蓋開閉回数最多時刻N(=18,20,22,24)より2時間前の蓋開閉回数K(N−2)と蓋開閉回数最多時刻N(=18,20,22,24)より2時間後の蓋開閉回数K(N+2)との比較がなされ、K(N−2)≧K(N+2)と判定されると、ステップS12に進み、昇温開始時刻がN−2(即ち、蓋開閉回数最多時刻の2時間前)に決定され、K(N−2)<K(N+2)と判定されると、ステップS13に進み、昇温開始時刻がN(即ち、蓋開閉回数最多時刻)に決定される。
【0033】上記したように、本実施の形態においては、1日を2時間毎の12の時間帯に分け、それらの時間帯毎の蓋開閉回数が最も多い時間帯を食事時刻と推定し、当該時刻には内鍋3内のご飯が昇温された「ほかほか」状態となるように昇温開始時刻を変更することとなっている。
【0034】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、米飯収容用の内鍋を収容する容器本体と、該容器本体の蓋体と、前記内鍋を保温加熱する加熱手段と、前記内鍋の温度を検出する温度検出手段と、1日の時刻を計時する計時手段と、前記温度検出手段により検出される内鍋温度を通常保温温度より低い保温温度に保つように前記加熱手段への通電を制御する低温保温制御手段とを備えた米飯保温容器において、前記蓋体の過去における開閉回数の多い時間帯を次回からの食事時刻と推定する食事時刻推定手段と、該食事時刻推定手段により推定された食事時刻に内鍋温度を予め設定された設定温度に上昇させるように前記加熱手段への通電を制御する昇温制御手段とを付設して、蓋体の過去における開閉回数の多い時間帯を次回からの食事時刻と推定し、当該推定食事時刻に合わせて内鍋温度を設定温度に昇温させるようにしたので、ユーザの実際の食事時間帯に合わせて、ご飯を「ほかほか」状態とすることができるという効果がある。しかも、食事時間帯以外には、ご飯を低温保温状態とすることができるという効果もある。
【0035】請求項2の発明におけるように、請求項1記載の米飯保温容器において、前記食事時刻推定手段による食事時刻の推定を朝、昼および夜の三つの時間帯により行うようにした場合、食事時刻の推定がより正確となる。
【出願人】 【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市城東区蒲生2丁目1番9号
【出願日】 平成11年9月1日(1999.9.1)
【代理人】 【識別番号】100075731
【弁理士】
【氏名又は名称】大浜 博
【公開番号】 特開2003−325336(P2003−325336A)
【公開日】 平成15年11月18日(2003.11.18)
【出願番号】 特願2003−131107(P2003−131107)