| 【発明の名称】 |
電気炊飯器 |
| 【発明者】 |
【氏名】長谷川 逸美 【住所又は居所】大阪府門真市速見町三番一号 タイガー魔法瓶株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】白米、早炊き等の炊飯メニューの少量炊飯時における御飯の硬化を防止する。
【解決手段】炊き上げ加熱工程の終了が近いことを判定する第1の炊き上げ終了検知温度と最終的に炊き上げ加熱工程が終了したことを判定する第2の炊き上げ終了検知温度との2つの炊き上げ終了検知温度を備え、炊飯制御手段は、炊飯量判定手段が内鍋内の炊飯量を所定炊飯量以下の少量炊飯量であると判定した場合において、内鍋温度検知手段が第1の炊き上げ終了検知温度以上の温度を検知した時に当該炊き上げ加熱工程の終了が近いことを判定して加熱手段の加熱量を増大させるとともに、さらに内鍋温度検知手段が第2の炊き上げ終了検知温度以上の温度を検知した時に加熱手段をOFFにして最終的にむらし工程に移行させるようにし、炊き上げ加熱工程の終了段階において、内鍋底部の加熱温度を有効に上昇させ、内部の少量の御飯の底部にも良く火力が通り、かたくならないようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内鍋と、該内鍋を加熱する加熱手段と、炊飯工程中の炊き上げ加熱工程終了時における炊き上げ終了検知温度を設定する炊き上げ終了検知温度設定手段と、上記内鍋内の炊飯量を判定する炊飯量判定手段と、上記内鍋の温度を検知する内鍋温度検知手段と、該内鍋温度検知手段によって検知された内鍋の温度が、上記炊き上げ終了検知温度設定手段によって設定された炊き上げ終了検知温度以上になった時に、上記加熱手段をOFFにしてむらし工程に移行させる炊飯制御手段とを備えてなる電気炊飯器において、上記炊き上げ終了検知温度設定手段は、炊き上げ加熱工程の終了が近いことを判定する第1の炊き上げ終了検知温度と最終的に炊き上げ加熱工程が終了したことを判定する第2の炊き上げ終了検知温度との2つの炊き上げ終了検知温度を備え、上記炊飯制御手段は、上記炊飯量判定手段が上記内鍋内の炊飯量を所定炊飯量以下の少量炊飯量であると判定した場合において、上記内鍋温度検知手段が上記第1の炊き上げ終了検知温度以上の温度を検知した時に当該炊き上げ加熱工程の終了が近いことを判定して上記加熱手段の加熱量を増大させるとともに、さらに上記内鍋温度検知手段が上記第2の炊き上げ終了検知温度以上の温度を検知した時に上記加熱手段をOFFにして最終的にむらし工程に移行させるように構成されていることを特徴とする電気炊飯器。 【請求項2】 所定炊飯量以下の少量炊飯量は、当該電気炊飯器の最大炊飯量の中間量以下の炊飯量であることを特徴とする請求項1記載の電気炊飯器。 【請求項3】 炊飯制御手段により増大制御される加熱手段の加熱量は、当該少量炊飯量よりも1ランク上の炊飯量に対応した加熱量であることを特徴とする請求項1又は2記載の電気炊飯器。 【請求項4】 その時の炊飯メニューが、白米炊飯であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の電気炊飯器。 【請求項5】 その時の炊飯メニューが、白米の早炊き炊飯であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の電気炊飯器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本願発明は、適切な少量炊飯を行えるようにした電気炊飯器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般にマイコン制御式の電気炊飯器では、例えば白米炊飯、白米の早炊き炊飯等のメニューで御飯を炊く場合であって、炊飯量判定の結果、その時の炊飯量が所定炊飯量以下の少量炊飯時(例えば1升炊きの1〜3合時等)の場合には、同炊飯量に応じた安定した沸とう状態の維持を図る見地から、例えば図7のタイムチャートに示すように、特に炊き上げ加熱工程においては低加熱量(ワークコイル等加熱手段の出力60%、デューティー比8/16程度の低電力)で135℃程度の高温まで炊き上げる低加熱量炊飯方式が採用されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、このような炊飯方式の場合、高温の炊き上げ検知温度になるまでに時間がかかり、特に水分が減少した状態の炊き上げ加熱終了段階においても比較的長い時間内加熱されるために(沸とうが終了し、内鍋温度が100℃を超え始めてから最終的に炊き上げ終了検知温度に到るまでの時間t1が長い)、内鍋内の御飯の底部が硬くなり、食べにくい御飯になってしまう欠点がある。 【0004】本願発明は、このような問題を解決するためになされたもので、上述のような所定炊飯量以下の少量炊飯時には、本来の炊き上げ終了検知温度よりも所定値低い温度で炊き上げ加熱工程の終了が近いことを判定させ、その後、加熱量を増大させて十分な加熱量で最終的な本来の炊き上げ終了検知温度まで炊き上げるようにすることにより、特に炊き上げ加熱工程終了段階において内鍋内の御飯の底部に有効な加熱力を与えるようにして、上記従来の欠点を解決した電気炊飯器を提供することを目的とするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本願の請求項1〜5の発明は、上記の目的を達成するために、それぞれ次のような課題解決手段を備えて構成されている。 【0006】(1) 請求項1の発明この発明では、内鍋と、該内鍋を加熱する加熱手段と、炊飯工程中の炊き上げ加熱工程終了時における炊き上げ終了検知温度を設定する炊き上げ終了検知温度設定手段と、上記内鍋内の炊飯量を判定する炊飯量判定手段と、上記内鍋の温度を検知する内鍋温度検知手段と、該内鍋温度検知手段によって検知された内鍋の温度が、上記炊き上げ終了検知温度設定手段によって設定された炊き上げ終了検知温度以上になった時に、上記加熱手段をOFFにしてむらし工程に移行させる炊飯制御手段とを備えてなる電気炊飯器において、上記炊き上げ終了検知温度設定手段は、炊き上げ加熱工程の終了が近いことを判定する第1の炊き上げ終了検知温度と最終的に炊き上げ加熱工程が終了したことを判定する第2の炊き上げ終了検知温度との2つの炊き上げ終了検知温度を備え、上記炊飯制御手段は、上記炊飯量判定手段が上記内鍋内の炊飯量を所定炊飯量以下の少量炊飯量であると判定した場合において、上記内鍋温度検知手段が上記第1の炊き上げ終了検知温度以上の温度を検知した時に当該炊き上げ加熱工程の終了が近いことを判定して上記加熱手段の加熱量を増大させるとともに、さらに上記内鍋温度検知手段が上記第2の炊き上げ終了検知温度以上の温度を検知した時に上記加熱手段をOFFにして最終的にむらし工程に移行させるように構成されていることを特徴としている。 【0007】このような構成によると、炊飯工程中の炊き上げ加熱工程終了段階において、最終的に当該炊き上げ加熱工程が適度な時間内に終了され、少量のごはんの底部が余分に加熱される事なくごはんが炊き上がる。その結果、同底部の御飯も上方部と同様に軟らかく美味しい御飯となる。 【0008】(2) 請求項2の発明この発明では、上記請求項1の発明の構成において、所定炊飯量以下の少量炊飯量は、当該電気炊飯器の最大炊飯量の中間量以下の炊飯量であることを特徴としている。 【0009】上記請求項1の発明の作用は、比較的炊き上げ加熱工程における加熱量が小さい最大炊飯量の中間量以下の少量炊飯量の場合に有効に作用する。 【0010】(3) 請求項3の発明この発明では、上記請求項1又は2の発明の構成において、炊飯制御手段により増大制御される加熱手段の加熱量は、当該少量炊飯量よりも1ランク上の炊飯量に対応した加熱量であることを特徴としている。 【0011】上記のように炊き上げ加熱工程の終了段階において増大される加熱量は、その炊飯量に対応した本来の加熱量よりも1ランク上、例えば2〜3合の場合だと4〜5合、4〜5合の場合だと6〜7合等の加熱量で有効に加熱される。 【0012】(4) 請求項4の発明この発明では、上記請求項1,2又は3の発明の構成において、その時の炊飯メニューが、白米炊飯であることを特徴としている。 【0013】上述した少量炊飯時の御飯の硬化現象は、特に白米炊飯メニュー(無洗米を含む)の時に生じ易いので、同メニューが選択されている時に有効となる。 【0014】(5) 請求項5の発明この発明では、上記請求項1,2又は3の発明の構成において、その時の炊飯メニューが、白米の早炊き炊飯であることを特徴としている。 【0015】上述した少量炊飯時の御飯の硬化現象は、特に白米の早炊き炊飯メニュー(無洗米を含む)の時に生じ易いので、同メニューが選択されている時に有効となる。 【0016】 【発明の効果】以上の結果、本願発明によると、例えば中間量等所定炊飯量以下の少量炊飯時においても、御飯が硬くならず、美味しく炊き上げることができる高性能の電気炊飯器を提供することができる。 【0017】 【発明の実施の形態】図1〜図6は、本願発明の実施の形態に係る電気炊飯器の炊飯器本体の全体的な構成および同炊飯器本体の要部の構成、並びに白米炊飯制御(無洗米を含む)の内容をそれぞれ示している。 【0018】(全体の特徴:図1〜図3,図6参照)先ず本実施の形態の電気炊飯器は、その炊飯器本体側において例えば内鍋3として好ましくは電磁誘導の容易な磁性金属板よりなるものが採用されている一方、当該内鍋3に対する炊飯時の加熱手段として、例えば合成樹脂製の保護枠(内ケース)4を介して当該内鍋3の底壁部3aから側壁部3bの略全体を包み込むように当該内鍋3の底壁部3aの中央部側と側方部側、および側壁部3bの下方側の3ケ所の全周に対応する3組のワークコイルC1,C2,C3より誘導加熱手段が設けられ、また当該内鍋3に対する保温時の加熱手段として、当該内鍋3の側壁部3bの上方側全周に対応する保温ヒータH1が設けられている。そして、それらをマイコン制御ユニット32によって適切に駆動制御することによって適切な炊飯機能と保温機能とを実現できるようになっている。なお、上記ワークコイルは、例えば内鍋3の底壁部3aの中央部側のものC1と側方部のものC2のみでもよい。 【0019】一方、それらの各機能に対するタイマー予約や各種炊飯および蒸し、保温等の各メニューの選択、それら各メニューに対応した加熱出力、加熱パターンの操作設定は、当該電気炊飯器本体の前面側操作パネル部20に設けられた各種入力スイッチ群(操作キー群)22a〜22iを介してユーザーにより行われ、その設定内容に応じて最終的に上記ワークコイルC1〜C3および保温ヒータH1が制御されるようになっている。 【0020】また、上記操作パネル部20の中央部には、各種炊飯、蒸し、保温等の各メニュー、並びに現在時刻および炊飯完了までの残時間その他の必要事項を表示する液晶表示部21が設けられている。この液晶表示部21は、上記操作パネル部20の内側にあるマイコン基板6B上に設けられている液晶ディスプレイ31のディスプレイ面によって構成されている。 【0021】そして、上記マイコン制御ユニット32内には、例えば炊飯工程中の炊き上げ加熱工程終了時における炊き上げ終了検知温度を設定する炊き上げ終了検知温度設定手段と、上記内鍋3内の炊飯量を判定する炊飯量判定手段と、上記内鍋3の温度を検知する内鍋温度検知手段と、該内鍋温度検知手段によって検知された上記内鍋3の温度が、上記炊き上げ終了検知温度設定手段によって設定された炊き上げ終了検知温度以上になった時に、上記加熱手段としてのワークコイルC1〜C3をOFFにしてむらし工程に移行させる炊飯制御手段とを有している一方、その内の上記炊き上げ終了検知温度設定手段は、炊き上げ加熱工程の終了が近いことを判定する第1の炊き上げ終了検知温度A(A=110℃)と最終的に同炊き上げ加熱工程が終了したことを判定する第2の炊き上げ終了検知温度B(B=135℃)との2つの炊き上げ終了検知温度を備え、上記炊飯制御手段は、上記炊飯量判定手段が上記内鍋3内の炊飯量を所定炊飯量以下の少量炊飯量であると判定した場合において、上記内鍋温度検知手段が上記第1の炊き上げ終了検知温度A以上の温度を検知した時に当該炊き上げ加熱工程の終了が近いことを判定して上記加熱手段としてのワークコイルC1〜C3の加熱量を増大させるとともに、さらに上記内鍋温度検知手段が上記第2の炊き上げ終了検知温度B以上の温度を検知した時に上記加熱手段としてのワークコイルC1〜C3をOFFにして最終的にむらし工程に移行させるように構成されている。 【0022】(炊飯器本体部分の構成:図1および図2参照)すなわち、先ず該電気炊飯器の炊飯器本体は、例えば図1に示すように、内部に誘起されるうず電流によって自己発熱が可能な例えばステンレス鋼板等よりなる内鍋(飯器ないし保温容器)3と、該内鍋3を任意にセットし得るように形成された可及的に耐熱性の高い合成樹脂製の有底筒状の保護枠(内ケース)4と、該保護枠(内ケース)4を保持する外部筺体である有底筒状の外ケース1と、該外ケース1と上記保護枠(内ケース)4とを一体化して形成された炊飯器器体Aの上部に開閉可能に設けられた蓋ユニット(蓋)2とから構成されている。 【0023】上記保護枠(内ケース)4の底壁部(底部)4aの下方側にはコイル台7が設けられ、その上部には、フェライトコアを介し、上記内鍋3の底壁部(底部)3aの中央部と側方部および内鍋3の側壁部3bの各位置に対応して各々リッツ線が同心状に巻成された3組のワークコイルC1,C2,C3が、それぞれ内鍋3の底壁部3aから側壁部3bに到る略全体を包み込むように設けられており、それらにより通電時には内鍋3の略全体に均一にうず電流を誘起して、その全体を略均一に加熱するようになっている。該ワークコイルC1,C2,C3は、それぞれ相互に直列に接続されている。そして、その一端は、後述するように整流回路および平滑回路を介したワークコイル駆動回路の電源ラインに、また他端は同回路中のIGBT(パワートランジスタ)にそれぞれ接続されている。 【0024】また、上記側壁部側ワークコイルC3の上方部には、保温時において加熱手段として機能する保温ヒータH1が設けられており、保温時において上記内鍋3の全体を有効かつ均一に加熱するようになっている。 【0025】また、上記保護枠(内ケース)4およびコイル台7の前方部側には、上記ワークコイルC1,C2,C3、保温ヒータH1、肩ヒータH2等を駆動制御する上記IGBTやヒータ駆動回路、マイコン制御ユニット、電源電圧整流用のダイオードブリッジよりなる整流回路、平滑回路などを備えた制御基板6Aおよび制御基板収納ボックス5Aが上下立設状態で設けられている。 【0026】また上記外ケース1は、例えば耐熱性の合成樹脂材で形成された上下方向に筒状のカバー部材1aと、該カバー部材1aの上端部に結合された耐熱合成樹脂製の肩部材11と、上記カバー部材1aの下端部に一体化された耐熱合成樹脂製の底部材1bとからなり、かつ上記保護枠(内ケース)4の底壁部4aとの間に所定の広さの断熱および通風空間部を形成した全体として有底の筒状体に構成されている。そして、該外ケース1の前面部上方には、例えば図2に示すような略V字面形状の操作パネル部20が設けられている。該操作パネル部20面には、十分に広く大きな表示面積をもつ液晶表示部21と炊飯スイッチ22a、タイマー予約スイッチ22b、取消スイッチ22c、保温スイッチ22d、再加熱スイッチ22e、メニュー選択スイッチ22f、時スイッチ22g、分スイッチ22h等の各種入力スイッチ(タッチキースイッチのタッチキー部)が設けられている。また、必要に応じ、上記肩部材11の肩部内周側には、肩ヒータH2が設けられている。 【0027】また、上記外ケース1内の上記操作パネル部20の内側部分(裏側空間)には、上記制御基板6Aの上端側位置から斜め前方に下降する格好で、例えばマイコン基板6Bが傾斜設置されている。このマイコン基板6Bは、液晶ディスプレイ31、液晶ディスプレイ支持部材30、炊飯スイッチ22a、タイマー予約スイッチ22b、取消スイッチ22c、保温スイッチ22d、再加熱スイッチ22e、メニュー選択スイッチ22f、時スイッチ22g、分スイッチ22h等の各種入力スイッチ(タッチキースイッチのON,OFF動作機構部)が設けられた操作基板部と、その下方側にあって、マイコンのバックアップ用電源電池の設置部(ランド部)、ワークコイルの定格出力(定格加熱出力)調節設定用の可変抵抗等を有するマイコン用電源基板部とからなっている。 【0028】さらに、図示はしないが、上記保護枠(内ケース)4下方側のコイル台7の中央部には、上下方向に同心状に貫通したセンタセンサ収納空間部が形成されており、該センタセンサ収納空間部中に上下方向に昇降自在な状態で、かつ常時コイルスプリングにより上方に上昇付勢された状態で上記内鍋温度検知手段の内鍋温度検知センサおよび内鍋の有無を検出する内鍋検知スイッチの2つのセンサを備えたセンタセンサが設けられている。 【0029】一方、符号2は蓋ユニットであり、該蓋ユニット2は、その外周面を構成する合成樹脂製の外カバー12と、該外カバー12と内枠14との間に設けられた金属製の断熱構造体13と、該断熱構造体13の内側にパッキン17を介して設けられた金属製の内カバー15と、該内カバー15の下方に設けられた金属製の放熱板16とによって内側が中空の断熱構造体に形成されている。また、上記断熱構造体13は上下2枚の金属板13a,13bを閉断面構造に対向させて一体化することにより形成されている。 【0030】この蓋ユニット2は、上記外ケース1上部の肩部材11に対してヒンジ機構を介して回動自在に取付けられており、その開放端側には、該蓋ユニット2の所定位置に係合して該蓋ユニット2の上下方向への開閉を行うロック機構18が設けられている。 【0031】したがって、該構成では、先ず炊飯時には、上記内鍋3は、上記3組のワークコイルC1,C2,C3の駆動によりその底壁部3aから側壁部3b側にかけて略全体が均一に発熱し、例えば内鍋3内の水に浸された飯米が断熱部として作用する吸水工程などにおいても内鍋3の上部側をもムラなく加熱して略全体に均一な吸水性能を可能にするとともに、炊飯量が多い時などにも内鍋3の全体を略均一に加熱して加熱ムラなく効率良く炊き上げることができる。また、沸騰工程以降の水分がなくなった状態における内鍋3の底壁部3aの局部的な熱の集中を防止して焦げ付きの発生を防止することができる。次に、保温時には、上記内鍋3の側壁部3bに対応して設けられた上記保温ヒータH1および肩ヒータH2の駆動により、内鍋3の底壁部3aから側壁部3bおよび上方部の全体が適切な加熱量で均一に加熱されて加熱ムラのない保温が実現される。 【0032】一方、上記制御基板6Aのマイコン制御ユニット32には、さらに上記各入力スイッチ22a〜22hを介して入力されたユーザーの指示内容を判断する所望の認識手段が設けられており、該認識手段で認識されたユーザーの指示内容に応じて、所望の炊飯、保温等各メニュー、それら炊飯、保温等各メニューに対応した所定の加熱出力、加熱パターンを設定して、当該マイコン制御ユニット32内の炊飯制御手段又は保温制御手段を適切に作動させて、対応する所望の炊飯、保温の各加熱制御を行うようになっている。 【0033】したがって、ユーザーは、上記各入力スイッチ22a〜22hを使って炊飯、保温、タイマー予約、予約時刻設定、白米、早炊き、玄米、おかゆ、炊き込み、おこわ、無洗米、雑炊、ピラフ、等各種メニューの炊き分け、通常保温又は低温保温、その他の各種の炊飯および保温機能の選択設定内容を入力すれば、それに対応した機能内容が当該マイコン制御ユニット32内の上記認識手段を介して炊飯および保温加熱パターン等設定部に自動的に設定入力され、対応する炊飯又は保温加熱制御が所望の制御パターンで適切になされるようになる。 【0034】(炊飯器本体側制御回路部分の構成:図3参照)次に、図3は、上述のように構成された炊飯器本体側の炊飯および保温制御用のマイコン制御ユニット32を中心とする制御回路部分の構成を示す。 【0035】図中、符号32が上述のような炊飯加熱制御手段および蒸し、保温加熱制御手段、残時間設定表示手段に加え、内鍋温度判定手段、内鍋検知手段、ブザー報知手段等を備えた炊飯・保温制御用のマイコン制御ユニット(CPU)であり、該マイコン制御ユニット32はマイクロコンピュータを中心として構成され、例えば内鍋3の温度検知回路部、ワークコイル駆動制御回路部、内鍋3の検知回路部、発振回路部、リセット回路部、保温ヒータおよび肩ヒータ等駆動制御回路部、残時間設定表示制御回路部、ブザー報知部、電源回路部等を各々有して構成されている。 【0036】そして、先ず上記内鍋3の底壁部3a側センタセンサ部の内鍋温度検知センサS、内鍋検知スイッチLSに対応して設けられた温度検知回路43および鍋検知回路44には、例えば上記内鍋温度検知センサSによる内鍋3の底壁部3aの温度検知信号、内鍋検知スイッチLSによる鍋検知信号がそれぞれ入力されるようになっている。 【0037】また、上記ワークコイル駆動制御回路部は、例えばパルス幅変調回路41、同期トリガー回路40、IGBT駆動回路42、IGBT37、共振コンデンサ38によって形成されている。そして、上記マイコン制御ユニット32のワークコイル駆動制御回路部により、上記パルス幅変調回路41を制御することにより、例えば炊飯工程に応じて上記ワークコイルC1,C2,C3の出力値(%)および同出力値でのONデューティー比(n秒/16秒)をそれぞれ適切に変えることによって、図6のタイムチャートに示すように、炊飯工程の各加熱工程における内鍋3の加熱温度と加熱パターンを炊飯量を考慮して適切に可変コントロールし、均一な吸水作用と加熱ムラのない御飯の炊き上げを実現するための適切な出力制御が行われるようになっている。 【0038】また同マイコン制御ユニット32の保温ヒータ駆動制御回路部および肩ヒータ駆動制御回路部により、それぞれ保温ヒータ駆動回路33および肩ヒータ駆動回路34を制御することにより、例えば保温又は炊飯、蒸し加熱工程に応じて上記保温ヒータH1、肩ヒータH2の出力値(%)および同出力値でのONデューティー比(n秒/16秒)をそれぞれ適切に変えることによって、保温又は炊飯、蒸し加熱工程の各工程における内鍋3の加熱温度と加熱パターンとを実際の炊飯量を考慮して適切に可変コントロールするための適切な出力制御が行われるようになっている。 【0039】また、符号22a〜22hは上述した各種入力スイッチ部であり、同スイッチの必要なものが適切に操作されると、上記マイコン制御ユニット32側の認識手段によってユーザーの指示内容が認識され、その認識内容に応じて所望の炊飯又は保温加熱パターンを設定して上記炊飯制御手段又は保温制御手段を適切に作動させて所望の炊飯又は保温を行うようになっている。 【0040】したがって、ユーザーは、同入力スイッチ22a〜22hを使用して炊飯、タイマー予約、予約時刻設定、白米又は玄米、早炊き、おかゆ、かため又はやわらかめ、すしめし、炊き込み等の炊き分け、蒸し、通常保温又は低温保温等の各種の炊飯および保温機能の選択設定内容を入力すれば、それに対応した機能内容が当該マイコン制御ユニット32の上述した認識手段を介して炊飯又は保温加熱パターン設定部に自動的に設定入力され、対応する炊飯又は保温加熱制御が適切になされる。 【0041】さらに、符号17は炊飯完了を知らせるブザー報知部、16はリセット回路、21は液晶表示部である。この実施の形態の場合、上記液晶表示部21には、上記入力スイッチ22a〜22hのON操作に対応して所望のメニューや時刻等の必要事項が表示され、以後設定内容に応じた必要な表示がなされて行くようになっている。 【0042】(炊飯加熱および少量炊飯時の加熱制御:図4〜図6参照)次に図4のメインフローチャート、図5のサブルーチンのフローチャートおよび図6のタイムチャートは、それぞれ本実施の形態の基本となる炊飯加熱制御および少量炊飯時の加熱制御の内容を示すものである。 【0043】すなわち、該制御では、先ず上述のメニュースイッチ22fにより例えば「白米」炊飯メニューが選択され、さらに、その上で上述の炊飯スイッチ22aが押されることによって、当該選択された「白米」炊飯メニューに対応した炊飯加熱制御が開始されるようになっている。 【0044】(炊飯加熱制御)先ず、図4のフローチャートは、上述のようにメニュースイッチ22fにより例えば「白米」炊飯メニューが選択された場合における少量炊飯時の加熱制御を含む本願発明の実施の形態に係る基本的な炊飯加熱制御の内容を示している。 【0045】すなわち、該炊飯加熱制御は、上記のように先ずメニュースイッチ22fにより「白米」炊飯メニューが選択され、続いて炊飯スイッチ22aが押されたことを条件としてスタートする。 【0046】そして、同制御開始後、先ずステップS1で、例えばIGBT、ダイオードブリッジ等を冷却する冷却ファンを駆動し、さらにステップS2に進んで、現在の工程が図6のタイムチャートに示す吸水工程であるか否かを判定し、YESの時はステップS3を経て同吸水工程を継続する。一方、NOの吸水工程が完了している時は、そのままステップS4に進み同吸水工程完了後、合数判定(炊飯量の判定)を目的として最初にフルパワー(ワークコイルC1〜C3の出力100%、デューティー比16/16)で炊き上げ加熱を実行する図6のタイムチャートに示す昇温1工程であるか否かを判定する。そして、その結果、同昇温1工程であるYESの場合には、ステップS5に進んで、上記フルパワー(100%、16/16)での昇温1加熱を実行し、さらにステップS6で合数判定中であるか否かを判定する。 【0047】他方、上記ステップS4の判定でNOの昇温1工程(100%、16/16)中でない昇温1工程が終了している時は、そのままステップS6に進んで、同様に合数判定中であるか否かの判定を行う。 【0048】ステップS6では、現在合数判定中であるか否かを判定し、YESの時は、ステップS7を経て合数判定処理を継続する一方、NOの合数判定が終了している時は、ステップS8に進んで、現在の工程がワークコイルC1〜C3の出力80%、デューティー比16/16の図6のタイムチャートに示す昇温2工程(合数判定後、沸とう状態までの加熱昇温工程)にあるか否かを判定する。 【0049】その結果、YESの昇温2工程中の場合には、ステップS9を経て同ワークコイルC1〜C3の出力80%、デューティー比16/16の昇温2工程を継続する一方、NOの昇温2工程が終了している時は、そのままステップS10に進んで、現在の炊飯工程が炊き上げ加熱工程中であるか否かを判定する。 【0050】そして、同ステップS10の炊き上げ加熱工程中であるか否かの判定において、YESの場合にはステップS11を経て、その時の炊飯量に応じた適切な炊き上げ加熱(少量炊飯時であれば、ワークコイルC1〜C3の出力60%、デューティー比8/16の低加熱量での加熱)を継続する一方、NOの炊き上げ加熱工程が終了している場合には、次にステップS12のむらし工程であるか否かの判定動作に進む。 【0051】そして、上記ステップS12のむらし工程判定でYESと判定された時は、ステップS13にに進んで図6のタイムチャートに示すむらし工程を実行する。また上記ステップS12でNOと判定されたむらし工程が終了している時は、さらにステップS14に進んで、全ての炊飯制御が終了しているか否かを判断し、YESの時にはステップS15に進んで最終的に保温工程に移行する一方、他方、NOの時には、再び上述のステップS1にリターンして上述の制御を繰り返す。 【0052】(少量炊飯制御:図5および図6参照)次に図5のフローチャートは、上記ステップS11の炊飯量に応じた「炊き上げ制御」の具体的な内容を示すサブルーチンのフローチャートである。 【0053】本実施の形態における「炊き上げ制御」では、例えば図6のタイムチャートに示すように、最終的にむらし工程に移行させるための本来の炊き上げ加熱工程の終了検知温度B(第2の炊き上げ終了検知温度135℃)に加えて、同温度B(135℃)よりも所定温度低い予備的な炊き上げ終了検知温度A(第1の炊き上げ終了検知温度110℃)を設定し、それぞれの検知温度A,Bを検知して初めて、むらし工程に移行させるようにし、検知温度Aの時点で一旦ワークコイル(加熱量)出力を所定出力分だけ大きくすることによって、特に炊き上げ加熱工程終了段階での内鍋3底部の温度を有効に向上させ、それによって底部側の御飯の火通し状態を良好ににして、十分な軟らかさを実現できるようにしたことを特徴としている。 【0054】すなわち、該「少量炊飯制御」では、先ずステップS1で、上述した現在の炊き上げ加熱工程中であることの判定結果が初めてのもの、つまり初回のものであるか否かの判定を行う。その結果、YESの時はステップS2に進んで、前述の合数判定結果から合数判定されたランクデータを読み出してセットした上で、さらにステップS3に進んで、上記ワークコイルC1〜C3の出力を60%、デューティー比8/16、保温ヒータH1のデューティー比を10/16、肩ヒータH2のデューティー比を6/16の低出力に各々設定制御して炊き上げ加熱を行う(安定した沸とう状態の維持:図6のタイムチャート中の炊き上げ加熱工程■)。他方、上記ステップS1の判定でNO、すなわち現在の炊き上げ加熱工程中の判定が初回ではない時は、そのまま上記ステップS3に進んで同様の安定した沸とう状態の維持による炊き上げ加熱を継続する。 【0055】そして、それら何れの場合にも続いてステップS3からステップS4に進み、同炊き上げ加熱を継続した結果、先ず上記第1の炊き上げ終了検知温度A(110℃)以上となったか否かを判定する。その結果、NOの時は以上の制御をYESとなるまで繰り返す。他方、YESの時は、ステップS5に進んで、ワークコイルC1〜C3の出力を80%、デューティー比を8/16、保温ヒータH1のデューティー比を10/16、肩ヒータH2のデューティー比を6/16に、それぞれセットすることによって内鍋3の加熱出力を増大させる(図6のタイムチャート中の炊き上げ加熱工程■)。この結果、上記第1の炊き上げ終了検知温度A(110℃)になった時点からの温度上昇勾配は、先の図7に示した従来例のものよりも大きくなり、内鍋3の温度が100℃を超え始めてから最終的に第2の炊き上げ終了検知温度B(135℃)に到るまでの時間t2も同従来例の場合よりも相当に短かいものとなる(t2<t1)。そして、それによって当該少量炊飯時の炊き上げ加熱終了段階(t3期間)における御飯底部に良く火力を通し、軟らかく炊き上がるようにする。 【0056】そして、その後、さらにステップS6で、最終的に上記第2の炊き上げ終了検知温度B(135℃)以上となったか否かを判定し、NOの場合は同高出力状態(大加熱量状態)での炊き上げ加熱制御を繰り返す一方、YESになると、初めてステップS7のむらし工程(ワークコイル出力70%、デューティー比8/16)に進む。 【0057】以上のように、本実施の形態の少量炊飯制御では、内鍋と、該内鍋を加熱する加熱手段と、炊飯工程中の炊き上げ加熱工程終了時における炊き上げ終了検知温度を設定する炊き上げ終了検知温度設定手段と、上記内鍋内の炊飯量を判定する炊飯量判定手段と、上記内鍋の温度を検知する内鍋温度検知手段と、該内鍋温度検知手段によって検知された内鍋の温度が、上記炊き上げ終了検知温度設定手段によって設定された炊き上げ終了検知温度以上になった時に、上記加熱手段をOFFにしてむらし工程に移行させる炊飯制御手段とを備えてなる電気炊飯器において、上記炊き上げ終了検知温度設定手段は、炊き上げ加熱工程の終了が近いことを判定する第1の炊き上げ終了検知温度と最終的に炊き上げ加熱工程が終了したことを判定する第2の炊き上げ終了検知温度との2つの炊き上げ終了検知温度を備え、上記炊飯制御手段は、上記炊飯量判定手段が上記内鍋内の炊飯量を所定炊飯量以下の少量炊飯量であると判定した場合において、上記内鍋温度検知手段が上記第1の炊き上げ終了検知温度以上の温度を検知した時に当該炊き上げ加熱工程の終了が近いことを判定して上記加熱手段の加熱量を増大させるとともに、さらに上記内鍋温度検知手段が上記第2の炊き上げ終了検知温度以上の温度を検知した時に上記加熱手段をOFFにして最終的にむらし工程に移行させるように構成されている。 【0058】このような構成によると、炊飯工程中の炊き上げ加熱工程終了段階において、最終的に同炊き上げ加熱工程の終了が検知されるまでの適度な時間内、内鍋底部の加熱温度が有効に上昇し、内部の少量の御飯の底部にも良く火力が通るようになる。その結果、同底部の御飯も上方部と同様に軟らかく美味しい御飯となる。 【0059】また、同構成では、上記構成において、上記所定炊飯量以下の少量炊飯量が、例えば当該電気炊飯器の最大炊飯量の中間量以下の炊飯量とされる。 【0060】上記作用は、比較的炊き上げ加熱工程における加熱量が小さい最大炊飯量の中間量以下の少量炊飯量の場合に有効に作用する。 【0061】なお、上記の構成において、上記炊飯制御手段により増大制御される加熱手段の加熱量は、例えば所定の炊飯量毎に適切に区分された当該少量炊飯量ランクよりも1ランク上の炊飯量ランクに対応した加熱量としてもよい。 【0062】そのようにすると、上記炊き上げ加熱工程の終了段階において増大される加熱量は、その炊飯量に対応した本来の加熱量のランクよりも1ランク上、例えば2〜3合の場合だと4〜5合ランク、4〜5合の場合だと6〜7合ランクの加熱量となり、同加熱量で有効に加熱される。もちろん、このランクは、さらに細かく1合毎に区分したものでもよい。 【0063】また、以上の構成では、その炊飯メニューが、例えば白米炊飯であることを特徴としている。 【0064】上述した少量炊飯時の御飯の硬化現象は、先にも述べたように、特に白米炊飯メニューの時に生じ易いので、同メニューが選択されている時に有効となる。 【0065】さらに、同炊飯メニューは、また例えば白米の早炊き炊飯メニューの場合でもよい。 【0066】上述した少量炊飯時の御飯の硬化現象は、また白米の早炊き炊飯メニューの時にも生じ易いので、同メニューが選択されている時にも有効となる。 【0067】以上の結果、同構成によると、例えば当該電気炊飯器の最大炊飯量の中間量等所定炊飯量以下の少量炊飯時においても、御飯が硬くならず、美味しく炊き上げることができる高性能の電気炊飯器を提供することができるようになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003702 【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市城東区蒲生2丁目1番9号
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| 【出願日】 |
平成14年5月16日(2002.5.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075731 【弁理士】 【氏名又は名称】大浜 博
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| 【公開番号】 |
特開2003−325332(P2003−325332A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月18日(2003.11.18) |
| 【出願番号】 |
特願2002−141139(P2002−141139) |
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