| 【発明の名称】 |
調理器 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡邊 卓也 【住所又は居所】新潟県加茂市大字後須田2570番地1 東芝ホームテクノ株式会社内
【氏名】加藤 善光 【住所又は居所】新潟県加茂市大字後須田2570番地1 東芝ホームテクノ株式会社内
【氏名】関谷 一芳 【住所又は居所】新潟県加茂市大字後須田2570番地1 東芝ホームテクノ株式会社内
【氏名】小林 静司 【住所又は居所】新潟県加茂市大字後須田2570番地1 東芝ホームテクノ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】外蓋や金属部品の製造性を改善する。また蓋部をコンパクトに設計できるようにし、使い勝手を向上させる。
【解決手段】ステンレス蓋38の凹部66は、操作パネル71の取付けスペースとして設けられ、絞り深さが小さく製造性が向上する。基板カバー67を凹部66の下面に取付けることで、外蓋35のひねり,変形,割れなどの問題を一掃できる。また、ステンレス蓋38と外蓋35との嵌合領域幅も狭く、操作部62や表示部65のスペースを極力広く確保しつつ、蓋体5をコンパクトに設計できる。さらに、操作部62や表示部65に対向して、ステンレス蓋38に孔73が設けられるので、孔73を通して操作パネル71から操作部62を操作したり、表示部65を見ることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 調理する容器と、上方の蓋部と、この蓋部に設けられた操作部あるいは表示部を備え、外蓋を有すると共に、凹部を形成し、カバー部で該凹部を覆い、前記操作部あるいは表示部を収納する収納部を取付け、前記操作部あるいは表示部に対向して金属部に孔を設けたことを特徴とする調理器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、製造性を改善しつつ、外観品位と使い勝手を向上させ、さらには本体のコンパクト化を可能にした調理器に関する。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】従来、蓋体の外観となる合成樹脂で製造する外蓋に、製品の外観部品となる金属部すなわち金属部品を設けて、使用者が直接視認できる外観の品位向上と、併せてデザイン性の向上を図った調理器が知られている。ここでの外蓋は、鍋の上方を覆う蓋体の一部品をなし、外蓋と嵌合して鍋の開口部上方を覆う外蓋カバーとにより、蓋体を構成しているが、外蓋に設けた外観部品となる金属部品は、違和感のないように外蓋とほぼ同一の形状を有している。 【0003】また、使用者が調理開始などを操作したり、調理状況などの表示を見やすくするために、調理器の上部であって使用者が見易い位置にある蓋体に、少なくとも操作部または表示部のいずれかを配置した基板を設けて、操作若しくは表示に関する使い勝手を向上させている。 【0004】ところが、調理器の省スペース化を図るためにコンパクト設計を行なう上で、外蓋に外観部品となる金属部品と、操作部若しくは表示部を配置した基板を蓋部に設けると、次のような問題があった。 【0005】外蓋に設けた外観部品となる金属部品は、外蓋と一体に成形したり、さもなければ外蓋に嵌め込んで、外蓋の所望位置に取付け固定される。一方、操作部や表示部は、使用者の使い勝手を向上させるのに、極力広いスペースを確保して設計するのが望ましい。そのため、操作部や表示部のために、蓋部の内部構造を許容する限り大きくすると、その分だけ金属部品の外観領域を狭くせざるを得なくなってしまう。 【0006】また、操作部あるいは表示部を配置した基板を蓋部内に収納する関係から、基板に対向して、外蓋の金属部品には外観面よりも低く落ち込んだ凹部を、基板収納部として形成しているが、外観部品となる金属部品の端面と外蓋とを一体成形し、さらに金属部品に形成した凹部と、同じく基板を収納するためのケース部分をも一体成形すると、前述のように金属部品の外観領域が狭くなっているために、一体成形終了後に生じる外蓋と金属部品との物性的な収縮度の相違によって、外蓋にひねりや変形が生じたり、さらには外蓋に割れが生じる虞れがあった。 【0007】こうした、ひねりや変形が発生した部品で製品を組立てると、蓋部と本体との間に隙間や段差を生じ、製品の外観品位が著しく損なわれる。また、外蓋の収縮による弊害を抑制するために、治具などを使用する方法もあるが、それでは蓋部の組立に際して製造性を低下させる要因となる。さらに、こうした問題点を解決するには、金属部品の外蓋との嵌合領域幅を広く設計することが考えられるが、その場合には蓋部ひいては本体の寸法が大きくなって、コンパクト設計の実現が不可能になると共に、操作部や表示部の大きさに制約が生じ、操作や表示に関する使い勝手を低下させることにもなる。 【0008】外観面よりも低く形成した金属部品の凹部上面に、前述の基板を取付けることは、仮に外蓋と金属部品とを一体に成形しなくても、金属部品の凹部を形成する際の曲げあるいは絞り深さが大きくなり、金属部品に白化や割れなどの不具合が生じる。さらに、こうした曲げ部や絞り部の角部半径を大きくする必要があるので、金属部品の凹部に対応して取付けられるカバー部との隙間が大きくなる。逆に、金属部品の凹部下面に基板を取り付けると、この金属部品の凹部がカバー部と基板の間に配置され、外観となるカバー部材の表面に、操作部や表示部に対応した操作や表示を表わすことができなくなって、使い勝手が低下する。 【0009】本発明は上記問題点を解決しようとするものであり、外蓋や金属部の製造性を改善すると共に、操作部や表示部のスペースを極力広く確保しつつも、蓋部をコンパクトに設計できるようにし、さらにはカバー部に操作部や表示部に対応した操作や表示を表わせるようにして、使い勝手を向上させた調理器を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明の調理器によれば、操作部あるいは表示部に対向して形成される凹部は、カバー部を取り付けるためのスペースとして設けられる。そのため、金属部に凹部を形成する際の絞り深さが小さくなり、金属部の製造性が向上する。また、収納部を金属部と一体ではなく、凹部の下面に取付けることで、金属部の外観領域を収納部との取付け位置に左右されず確保でき、外蓋,金属部および収納部の一体成形による外蓋のひねり,変形,割れなどの問題を一掃できる。また、金属部と外蓋との嵌合領域幅も狭くて済むので、操作部や表示部のスペースを極力広く確保しつつも、蓋部をコンパクトに設計できる。 【0011】さらに、金属部は操作部あるいは表示部とカバー部との間に位置することになるが、操作部あるいは表示部に対向して、金属部に孔が設けられるので、この孔を通してカバー部から操作部を操作したり、あるいは表示部を見ることができる。 【0012】 【発明の実施形態】以下、本発明における調理器の一実施例について、図1〜図5を参照しながら説明する。なお、本実施例における調理器は保温釜である。 【0013】図1において、1は保温釜の外郭となる保温釜本体で、この保温釜本体1は、胴部を形成するほぼ筒状の外枠2と、この外枠2の下面開口部を覆って設けられた底板3とにより形成されている。保温釜本体1の上部には、その後部に位置する弾性部材としてのヒンジバネ4により開閉可能な蓋部すなわち蓋体5が配設される。また、外枠2の上部には上枠6が設けられ、この上枠6の内方に形成されたほぼ円筒状の内枠7と、内枠7の下面開口を覆って設けられた内枠8とにより、保温釜本体1内に有底筒状の鍋収容部9が形成される。なお、鍋収容部9の側部をなす内枠7は、外枠2と一体化したPP(ポリプロピレン)などの合成樹脂からなる。また、鍋収容部9の底部をなす内枠8は、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの合成樹脂で形成されている。 【0014】なお、保温釜本体1の外観は、その上部と側部を一体化した外側枠と底部を覆う底板とにより構成してもよいし、上部を覆う上枠と、側部および底部を一体化した底側枠とにより構成してもよい。また本実施例のように、上部を覆う上枠6と、側部を覆う側枠としての外枠2と、底部を覆う底板3で構成してもよい。その際、外側枠,底板,上枠,底側枠は、いずれもPPなどの合成樹脂で形成される。側枠については、同じPPなどの合成樹脂や、さもなければステンレスなどの金属板で形成してもよい。本実施例では、外観品位の向上とデザイン性向上のために、ステンレス製の外枠2を採用している。 【0015】前記鍋収容部9内には、米や水などの被調理物を収容する有底筒状の容器すなわち鍋11が着脱自在に収容される。この鍋11は、熱伝導性のよいアルミニウムを主材料とした鍋本体12と、この鍋本体12の外面の側面下部から底面部にかけて接合されたフェライト系ステンレスなどの磁性金属板からなる発熱体13とにより構成される。鍋11の側面中央から上部に発熱体13を設けないのは、鍋11の軽量化を図るためである。また、鍋11の上端周囲には、その外周側に延出する円環状のフランジ部14が形成されている。 【0016】前記内枠7は、鍋11の発熱体13に対向して位置しているが、この内枠7の外面の発熱体13に対向する側面下部および底面部には、鍋11の特に底部を電磁誘導加熱する鍋加熱手段としての加熱コイル16が設けられている。そして、この加熱コイル16に高周波電流を供給すると、加熱コイル16から発生する交番磁界によって鍋11の発熱体13が発熱し、鍋11ひいては鍋11内の水や米などの被調理物が加熱されるようになっている。さらに、前記加熱コイル16を下側から覆ってフェライトコア17が設けられている。 【0017】また、内枠7の底部中央には、前記鍋11の底部外面に弾発的に当接して鍋11の底部の温度を検出する鍋底温度検出手段としてのサーミスタ式の鍋温度センサ21がセンサホルダ22により支持されて設けられている。 【0018】前記保温釜本体1の鍋収容部9の上端には、鍋11の側面上部、特にフランジ部14を加熱するための鍋側面加熱手段としてのコードヒータ26が、鍋11のフランジ部14の下側に位置して円環状に配置されている。このコードヒータ26は電熱式ヒータで、鍋収容部9の上端に載置するようにして取り付けられた熱放散抑止部材としてのスペーサ27上に保持される。そして、このコードヒータ26を上から覆うようにしてスペーサ27に取り付けられるとともに、熱伝導性に優れた例えばアルミ板からなる固定金具と放熱部とを兼用する金属板29がさらに設けられる。この金属板29は、保温釜本体1と蓋体5との隙間30に対向して位置している。そして、前記金属板29の上面に鍋11のフランジ部14の下面が載置し、これにより、鍋11が吊られた状態で鍋収容部9内に収容されるようになっている。したがって、鍋11とこの鍋11が収容された鍋収容部9の上端との間における隙間がほとんどない構成になる。しかも、鍋11のフランジ部14は、外形がコードヒータ26と同等以上の大きさに形成されており、これにより、コードヒータ26が鍋11のフランジ部14で上から覆われるようになっている。ただし、図示していないが、例えば鍋収容部9の左右両側部においてコードヒータ26を下方へ屈曲させることにより、フランジ部14とコードヒータ26とを非接触としてこれらフランジ部14とコードヒータ26との間に部分的に隙間が形成されるようにしてあり、この隙間において、鍋11を着脱する際の持ち手部としてフランジ部14を使用できるようにしてある。また、前記隙間は、鍋11の外面に水が付着した状態で炊飯したときに蒸気を排出させる作用も有する。 【0019】前記蓋体5は、その回転軸であるヒンジ軸31に巻装されたヒンジばね4の力により開く方向へ付勢されている。また、蓋体5の前部に設けられたクランプ32に、外枠2の前部上側に設けられた開閉ボタンとしてのフック33が係脱自在に係合することにより、蓋体5が閉じた状態に保持されるようになっている。そして、蓋体5は、その上面外殻に位置して外観をなす外蓋35と、外蓋35に嵌合して鍋11の開口部上方を覆う蓋ベース材としての外蓋カバー36とにより構成される。また、外蓋35の内面には、蓋体5の内面すなわち下面を形成する蓋下面材としての放熱板37が設けられる。外蓋35には、この外蓋35の外観形状に連なってほぼ同一形状をなす金属部品であるステンレス蓋38が取付けられている。ステンレス蓋38は外蓋35に対しインサート成形により一体成形されてもよいし、また図示しないが、爪による嵌合やネジ止めによる結合で、ステンレス蓋38を外蓋35に取付けてもよい。 【0020】蓋体5の内面である下面には、この下面との間に所定の隙間を形成して、前記鍋11の上部開口部を直接覆う内蓋41が着脱自在に装着される。前記放熱板37および内蓋41はともに金属製であり、例えば、ステンレスやアルミニウムをアルマイトした材料からなっている。また、前記内蓋41の外周部にはパッキンベース42が固定されており、このパッキンベース42と内蓋41とにより挟まれて蓋パッキン43が固定されている。この蓋パッキン43は、シリコーンゴムやフッ素ゴムなどの弾性部材により環状に形成され、前記鍋11のフランジ部14の上面に当接してこの鍋11と内蓋41との間の隙間を塞ぎ、鍋11から発生する蒸気を密閉するものである。そして、蓋パッキン43における鍋11への当接部は、フランジ部14を挟んで前記コードヒータ26に対向している。 【0021】また、前記蓋体5の内部にあって、放熱板37の上面には、蓋加熱手段としての蓋ヒータ46が設けられている。この蓋ヒータ46は、コードヒータなどの電熱式ヒータや、電磁誘導加熱式による加熱コイルでもよい。さらに前記放熱板37には、蓋体5、特に内蓋41の温度を検知する蓋温度検知手段としてのサーミスタ式の蓋温度センサ47が設けられている。さらに、前記蓋体5の上面後部には、鍋11内で発生した蒸気を外部へ放出するための蒸気口48が着脱可能に取り付けられている。 【0022】保温器本体1の内部には、鍋収容部9の後部に位置して加熱制御基板51が設けられる。この加熱制御基板51は、鍋温度センサ21や蓋温度センサ47からの信号を受信し、加熱手段である加熱コイル16や、コードヒータ26および蓋ヒータ46を加熱調節するもので、加熱コイル16を駆動させる素子(図示せず)などを実装している。加熱コイル16を駆動させる素子は、加熱コイル16の発振と共に加熱されるが、この素子は使用温度条件を有するので、素子を正常に動作させるために、一定温度以下で駆動させる必要がある。そのため、加熱コイル16を駆動させる素子は、例えばアルミニウムのような熱伝導性の良好な材料で形成された例えばフィン状の放熱器52が取付けられると共に、冷却ファン53から発する風により放熱器52から熱を奪って、素子を使用温度条件以下に冷却する構成を採用している。 【0023】冷却手段である冷却ファン53は、加熱制御手段51に取付けられた放熱器52の下方若しくは側方に配置される。また、保温釜本体1の底部または側部には、冷却ファン53から発し、加熱制御手段51に取付けられた放熱器52から熱を奪って温かくなった風を、外部に排出するための風排出用孔54が設けられる。加熱制御手段51は、保温釜本体1内において鍋11の周囲のどの位置に配置してもよく、またそれに伴ない、風排出用孔54もどの位置に配置してもよい。しかし、近年は製品の小型加設計が求められているという背景もあり、加熱制御手段51や冷却ファン53と風排出用孔54は、鍋11をはさんで略反対位置に配置するのが好ましい。 【0024】蓋体5内には基板としての制御基板61が配設され、この制御基板61の上面には、炊飯を開始または停止させたり、各種メニューを選択させるための複数のスイッチからなる操作部62が配置されると共に、時間や選択したメニューを表示するためのLCD63や、現在の工程を表示するLED64が、いずれも保温釜の表示部65として配置される。なお本実施例では、操作部62および表示部65の両方を制御基板61に配置しているが、いずれか一方を制御基板61に配置する構成でもよい。 【0025】これらの操作部62や表示部65に対応した操作や表示を蓋体5側に設けるために、制御基板61を蓋体5に配置する場合は、外観形状すなわち外観面よりも低い凹部66を、制御基板61に対向して前記ステンレス蓋38の適所に形成する。その場合、この凹部66に制御基板61を収納することが考えられるが、制御基板61上に形成した導電性の回路パターン(図示せず)には電流が流れているので、特に制御基板61の底面であるパターン面に対向して、金属部であるステンレス蓋38が直接配置されることのないように、例えば合成樹脂などの絶縁性の基板カバー67により、制御基板61を覆うのが望ましい。 【0026】ところで、ステンレス蓋38に形成した凹部66の上面に基板カバー67を配置すると、少なくとも制御基板61や基板カバー67を蓋体5の内部に収納するに十分な深さに、凹部66を形成しなければならない。そのため、凹部66を形成する際の絞り深さが大きくなり、ステンレス蓋38の白化や割れなど製造性を悪化させる原因となる。そこで本実施例では、ステンレス蓋38の凹部66下面に収納部である基板カバー67を取り付けることで、凹部66の深さは後述する操作パネル71を収納する程度の寸法に止める。これにより、ステンレス蓋38の絞り深さは、基板カバー67を考慮しなくて済むため極端に小さくなり、かつステンレス蓋38の製造性も悪化しない。 【0027】図2に示すように、外蓋35とステンレス蓋38をインサート成形で一体成形し、かつ基板カバー67もステンレス蓋38とインサート成形で一体成形する場合、ステンレス蓋38の外周に形成される外蓋35との嵌合部68と、凹部66の曲げ位置(曲げ部69)をできるだけ広く確保する。この嵌合部68から曲げ部69に至る外観領域が狭いと、外蓋35を合成樹脂で形成している関係で、インサート成形後の温度変化によるステンレス蓋38と外蓋35との収縮度の相違から、ステンレス蓋38よりも収縮度の小さな外蓋35は、特にステンレス蓋38の嵌合部68の周辺でひねりや変形が生じる。 【0028】これを、従来例である図6により具体的に説明すると、外蓋35とステンレス蓋38をインサート成形で結合する場合、外蓋35の外側面とステンレス蓋38の外周とを嵌合させるようにして一体成形する。その際に、制御基板61を収納する有底状の基板カバー67とステンレス蓋38をさらに一体成形すると、外蓋35と基板カバー67の隙間が最も小さくなる箇所では、ステンレス蓋38の外観領域が狭く、一体成形後に生じる合成樹脂からなる外蓋35の収縮による影響を受けやすくなる。 【0029】また図3に示すように、外蓋35とステンレス蓋38をインサート成形で一体成形した後で、ステンレス蓋38の凹部66下面に基板カバー67を取り付けてもよい。 【0030】再度、本実施例に戻り説明を続けると、ステンレス蓋38の外観形状より低い箇所である凹部66には、この凹部66全体を塞ぐように、カバー部材としての操作パネル71(図1参照)が設けられる。操作パネル71は、外蓋35やステンレス蓋38とほぼ同一の外観形状を有する。すなわち、操作パネル71を凹部66に取付けた状態で、外蓋35やステンレス蓋38の外観面と面一になるように、操作パネル71の上面が形成される。操作パネル71は例えばAS樹脂のような透明度の高い材料で形成され、その表面には例えば操作部62や操作部65に対応した文字や記号を印刷形成したシート(図示せず)が、インサート成形により一体に設けられる。さらに、このシートには制御基板61に配置した操作部62を正しく操作するためのボタンの印刷が施されると共に、操作部62や表示部65が外部から視認できるような透明部72が、これらの操作部62や表示部65に対応して操作パネル71に形成される。 【0031】ところで、ステンレス蓋38の外観形状より低い箇所である凹部66は、制御基板61と操作パネル71との間に配置されるので、そのままでは操作パネル71の上面から指で操作部62を操作することや、表示部65を見ることができない(図3のステンレス蓋38を参照)。そこで本実施例では、制御基板61に配置された操作部62や表示部65に対向する部分にのみ、ステンレス蓋38の凹部66に孔73を形成する。図4は、操作部62や表示部65に対向して、凹部66に孔73を設けた一例を示している。こうすると、操作パネル71の上面から操作部62を操作したり、表示部65を見る際に、制御基板61と操作パネル71との間に介在するステンレス蓋38が邪魔にならず、しかもステンレス蓋38の製造性を良好に維持することができる。 【0032】そして、制御基板61の上方にある操作パネル71が凹部66に取付けられると、基板カバー67は密閉保持され、制御基板61上の操作部62や表示部65を含む各種電子部品に、ほこりや水などが付着することを防止している。 【0033】本調理器の制御系統について、図5を参照しながら説明する。同図において、81はマイクロコンピュータなどからなる制御手段で、これは前記鍋温度センサ21および蓋温度センサ47からの各温度情報に基づいて、炊飯時および保温時に鍋11の底部を加熱する加熱コイル16と、鍋11の側部を加熱するコードヒータ26と、蓋体5を加熱する蓋ヒータ46とを各々制御するものである。特に本実施例の制御手段81は、鍋温度センサ21の検出温度に基づいて主に加熱コイル16が制御されて鍋11の底部を温度管理し、蓋温度センサ47の検出温度に基づいて主に蓋ヒータ46を制御して放熱板37ひいては内蓋41を温度管理するようになっている。制御手段81は、自身の記憶手段(図示せず)に記憶されたプログラムの制御シーケンス上の機能として、被調理物の調理加熱を制御する調理制御手段を備えており、ここでは炊飯時に前記鍋11内の被調理物を炊飯加熱する炊飯制御手段82と、保温時に鍋11内のご飯を所定の保温温度に保温加熱する保温制御手段83とをそれぞれ備えている。 【0034】85は、制御手段71からの制御信号を受けて、加熱コイル16に所定の高周波電流を供給する高周波インバータ回路などを内蔵した加熱コイル駆動手段である。またこれとは別に、制御手段81の出力側には、制御手段81からの制御信号を受けて、放熱板37や内蓋41を加熱するように蓋ヒータ46を駆動させる蓋ヒータ駆動手段86と、制御手段71からの制御信号を受けてコードヒータ26をオンにするコードヒータ駆動手段87が各々設けられる。前記炊飯制御手段82による炊飯時、および保温制御手段83による保温時には、鍋温度センサ21と、蓋温度センサ57からの各温度検出により、加熱コイル16による鍋11の底部への加熱と、コードヒータ26による鍋11の側面への加熱と、蓋ヒータ46による蓋体5への加熱が行なわれるように構成する。また、前記炊飯制御手段82による炊飯が終了し、鍋11内の被調理物がご飯として炊き上がった後は、保温制御手段83による保温に自動的に移行し、鍋温度センサ21の検知温度に基づき、加熱コイル16やコードヒータ26による鍋11への加熱を調節することで、ご飯を所定の保温温度(約70℃〜76℃)に保温するように構成している。 【0035】特に前記コードヒータ26による加熱について補足説明すると、炊飯後にご飯の温度が約100℃から約73℃の保温温度に低下するまでと、約73℃の保温安定時に、コードヒータ26を発熱させて、蓋体5と保温釜本体1との隙間30の空間に金属板29から熱放射して、この隙間30からの外気の侵入による冷えを抑制すると共に、鍋11のフランジ部14を加熱する。また、保温時にご飯を再加熱する期間にもコードヒータ26により鍋11のフランジ部14を加熱し、ご飯の加熱により発生する水分が鍋11の内面上部に結露することを防止するように構成している。 【0036】次に、上記構成についてその作用を説明する。鍋11内に被調理物である米および水を入れて、炊飯制御手段82による炊飯を開始すると、鍋温度センサ21による鍋11の底部の温度検知に基づいて、加熱コイル16とコードヒータ26で鍋11の底部と側面部をそれぞれ加熱し、鍋11内の水温を45〜60℃に15〜20分間保持するひたし炊きが行なわれる。その後、加熱コイル16により鍋11を強加熱し、被調理物への沸騰加熱を行なう。この沸騰加熱時に鍋11の底部の温度が90℃以上になり、蓋体5の温度が90℃以上で安定したら、鍋11内が沸騰状態になったものとして、それまでよりも加熱量を低減した沸騰継続加熱に移行する。なお、蓋体5の温度が90℃以上で安定したことは、蓋温度センサ47からの検出温度の温度上昇率により検知される。また、この沸騰検知において、鍋温度センサ21と蓋温度センサ47とにより、鍋11の底部および蓋体5がいずれも90℃以上になったことを確認でき、完全に鍋11内が沸騰したことを精度よく検知できる。 【0037】また、前記鍋11の底部または蓋体5のいずれかが120℃以上の通常ではあり得ない検知温度になったら、制御手段71は何らかの異常があると判断して炊飯加熱における加熱量を低減して全ての動作を停止する切状態にするか、後述するむらしに移行するか、保温を行ない、異常加熱を防止する。逆に、前記鍋11の底部または蓋体5のいずれかが90℃以上になって所定時間(例えば5分)経過しているのに、それ以外の鍋11の底部または蓋体5のいずれかが90℃未満の低い状態の場合、この温度の低い状態の鍋温度センサ21または蓋温度センサ47が、何らかの理由(汚れや傾きや接触不良など)で温度検知精度が悪化していると判断し、同様に炊飯加熱における加熱量を低減して全ての動作を停止する切状態にするか、むらしに移行するか、保温を行ない、これに対処する。 【0038】沸騰継続に移行すると、炊飯制御手段82は蓋ヒータ46による蓋加熱を開始させる。ここでの蓋加熱は、内蓋41の温度が100〜110℃になるように、蓋温度センサ47の検知温度により管理される。そして、鍋11の底部が所定の温度上昇を生じたら、炊き上げを検知して、むらしに移行する。むらし中は蓋温度センサ47の検出温度による温度管理によって蓋ヒータ46を通断電し、内蓋41への露付きを防止すると共に、ご飯が焦げない程度に高温(98〜100℃)が保持されるように、鍋11の底部または鍋11の側面部の温度を管理する。むらしは所定時間(15〜20分)続けられ、むらしが終了したら保温制御手段83による保温に移行する。 【0039】保温になると、加熱コイル16にて鍋11の底部と側面下部を加熱すると共に、鍋11内に収容するご飯の温度よりも僅かに高く、蓋ヒータ46により蓋体5の下面を加熱し、さらに鍋11の側面をコードヒータ26でご飯が乾燥せず、かつ露が多量に付着しないように温度管理する。ご飯は70〜76℃に温度保持する。この保温時も、鍋温度センサ21または蓋温度センサ47が相互に異常に高かったり、逆に低かったりした場合は異常を検知して、この異常加熱を防止する。 【0040】以上のように本実施例では、被調理物を入れて調理する鍋11と、鍋11の上方を覆う蓋部としての蓋体5と、この蓋体5に設けられ、操作部62あるいは表示部65を配置した基板である制御基板61とを備え、蓋体5は外観となる金属部品であるステンレス蓋38を備えた外蓋35を有し、制御基板61に対向してステンレス蓋38に外観面より低くした凹部66を形成し、この凹部66とほぼ同一形状のカバー部材である操作パネル71で該凹部66を覆い、制御基板61を収納する収納部すなわち基板カバー67をステンレス蓋38の凹部66下面に取付け、操作部62あるいは表示部65に対向して、制御基板61と操作パネル71との間に位置するステンレス蓋38に孔73を設けている。 【0041】この場合、制御基板61に対向して形成されるステンレス蓋38の凹部66は、本来制御基板61の収納スペースとして設けられるが、ここでは操作パネル71を取り付けるためのスペースとして設けられる。そのため、ステンレス蓋38に凹部66を形成する際の絞り深さが小さくなり、ステンレス蓋38の製造性が向上する。また、基板カバー67をステンレス蓋38と一体ではなく、凹部66の下面に取付けることで、ステンレス蓋38の外観領域を基板カバー67との取付け位置に左右されず確保でき、外蓋35,ステンレス蓋38および基板カバー67の一体成形による外蓋35のひねり,変形,割れなどの問題を一掃できる。また、ステンレス蓋38と外蓋35との嵌合領域幅も狭くて済むので、操作部62や表示部65のスペースを極力広く確保しつつも、蓋体5をコンパクトに設計できる。 【0042】さらに、ステンレス蓋38は制御基板61と操作パネル71との間に位置することになるが、操作部62あるいは表示部65に対向して、ステンレス蓋38に孔73が設けられるので、この孔73を通して操作パネル71から操作部62を操作したり、あるいは表示部65を見ることができる。したがって、操作パネル71に操作部62や表示部65に対応した操作や表示を表わせるようにすることかでき、使い勝手が向上する。 【0043】なお、操作部62や表示部65のスペースを極力広く確保しつつも、嵌合部68から曲げ部69に至る外観領域を広く形成できるならば、外蓋35,ステンレス蓋38および基板カバー67をインサート成形で一体的に結合すれば、製造工程の簡略化を図ることができる。 【0044】なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、本実施例では外蓋に備えた金属部品がステンレスで形成されているが、それ以外の外観品位の好ましい材料で構成してもよい。 【0045】 【発明の効果】本発明の調理器によれば、外蓋や金属部の製造性を改善すると共に、操作部や表示部のスペースを極力広く確保しつつも、蓋部をコンパクトに設計できる。さらにはカバー部に操作部や表示部に対応した操作や表示を表わせるようにして、使い勝手を向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390010168 【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社 【住所又は居所】新潟県加茂市大字後須田2570番地1
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| 【出願日】 |
平成14年5月17日(2002.5.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080089 【弁理士】 【氏名又は名称】牛木 護
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| 【公開番号】 |
特開2003−325325(P2003−325325A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月18日(2003.11.18) |
| 【出願番号】 |
特願2002−142821(P2002−142821) |
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