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【発明の名称】 自動炊飯器
【発明者】 【氏名】中西 邦行
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】由良 政樹
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】稲田 剛士
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】松下 初彦
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】池田 典生
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】品部 晃宏
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】米や水の搬送中に炊飯部の蓋が開放されると、給米部や給水部の動作を停止して給米や給水を停止するが、給水口に付着した水が蓋の開放とともに流れ落ちて給米口に付着すると、その水が米の搬送を妨害して給米経路で米詰まりが発生する恐れがある。

【解決手段】米や水の搬送中に蓋8が開放された場合、即座に給米部11や給水部15の動作を停止し、さらに給水口12を給米口9よりも蓋8のヒンジ16側に配置することにより、蓋8を開放した場合に給水口12に付着した水が蓋8の内側を伝わって給米口9に付着し、米詰まりが発生を低減して、誤って米や水の搬送中に蓋8を開いた場合でも使用者の後処理の負担を軽くし、使用者が安心して使用できる自動炊飯器1を提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 着脱自在な鍋と前記鍋の開口部を覆うとともにヒンジを中心として回動する蓋とを有する炊飯部と、前記炊飯部に給米する給米部と、前記炊飯部に給水する給水部と、前記炊飯部側に開口する給米口を有するとともに前記給米部と前記炊飯部を連通接続する給米経路と、前記炊飯部側に開口する給水口を有するとともに前記給水部と前記炊飯部を連通接続する給水経路とを備え、前記給水口は前記給米口よりもヒンジ側に配置し、前記蓋の開放とともに給米または給水の少なくとも一方を停止する自動炊飯器。
【請求項2】 給米経路を開閉する給米停止手段と蓋開閉検知手段とを備え、前記蓋開閉検知手段が蓋が開放したと検知すれば、給米を停止する請求項1記載の自動炊飯器。
【請求項3】 給水経路を開閉する給水停止手段と蓋開閉検知手段とを備え、前記蓋開閉検知手段が蓋が開放したと検知すれば、給水を停止する請求項1記載の自動炊飯器。
【請求項4】 給米部は、予め決定された米量を分割して米を複数回に分けて炊飯部に供給する請求項1〜3いずれか1項に記載の自動炊飯器。
【請求項5】 蓋開閉検知手段を備え、給米部は搬送手段を有し、給米中に前記蓋開閉検知手段が蓋が開放したと検知すれば、蓋が閉じられた後、前記搬送手段を動作させてから運転を再開する請求項1記載の自動炊飯器。
【請求項6】 給水を行った後、給米を行う請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動炊飯器
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として炊飯に必要な米および水を自動で供給し、炊飯する自動炊飯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動炊飯器においては、特開平4−240420号公報に記載されているものがある。この自動炊飯器は、米を貯蔵する米びつ部と、米の糠分を除去する研米部と、研米された米を鍋に移送する移送部と、この炊飯部を覆う蓋と、一連のシーケンス制御および炊飯制御を行う制御部から構成されている。
【0003】そして、使用者の操作により設定された炊飯量の米が米びつ部から研米部へ供給され、研米された米が移送部を経て鍋に搬送され、炊飯が行われる。また、蓋の開放検知手段を設けて、米の搬送中に蓋が開放されると少なくとも研米部と移送部の動作を停止させて米の搬送を停止し、米が炊飯部の外部へ散乱することを低減し、使用者の誤動作を防止して安全に取り扱うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動炊飯器では水の供給については言及していないが、蓋を閉じたまま水を鍋に供給するために給水部の一部を蓋に設けた場合には、蓋の開放に伴って給水も停止する必要がある。また、給水中に蓋を開放した場合、給水経路と炊飯部の接続部である給水口付近に付着した水が蓋の内側を伝わり、ヒンジ側に流れ落ちてしまう。給米経路の一部である給米口にその水が付着してしまうと、米の搬送を妨げ、給米経路で米が詰まってしまう恐れがある。
【0005】本発明は上記のような従来の課題を解決するもので、給水中に蓋を開いた場合にも、給水口付近から伝わった水が給米口に付着して給米経路での米詰まりを引き起こすことを回避し、誤って米や水の搬送中に蓋を開いた場合でも使用者の後処理の負担を軽くし、使用者が安心して使用できる自動炊飯器を提供することが可能となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために本発明では、米あるいは水の搬送が行われている際に蓋を開放すると給米部と給水部を停止させ、給米口よりも給水口をヒンジ側に設けることによって、米や水の搬送中に蓋が開いた場合に米や水が鍋の外部に散乱することを低減し、また給水中に蓋を開いた場合にも、給水口付近から伝わった水が給米口に付着して給米経路での米詰まりを引き起こすことを回避し、誤って米や水の搬送中に蓋を開いた場合でも使用者の後処理の負担を軽くし、使用者が安心して使用できる自動炊飯器を提供することが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】請求項1項記載の発明は、着脱自在な鍋と前記鍋の開口部を覆うとともにヒンジを中心として回動する蓋とを有する炊飯部と、前記炊飯部に給米する給米部と、前記炊飯部に給水する給水部と、前記炊飯部側に開口する給米口を有するとともに前記給米部と前記炊飯部を連通接続する給米経路と、前記炊飯部側に開口する給水口を有するとともに前記給水部と前記炊飯部を連通接続する給水経路とを備え、前記給水口は前記給米口よりもヒンジ側に配置し、前記蓋の開放とともに給米または給水の少なくとも一方を停止することにより、米や水の搬送中に蓋が開いた場合に米や水が炊飯部外に散乱することを低減し、また給水中に蓋を開いた場合にも、給水口付近から伝わった水が給米口に付着して給米経路での米詰まりを引き起こすことを回避し、誤って米や水の搬送中に蓋を開いた場合でも使用者の後処理の負担を軽くし、使用者が安心して使用できる自動炊飯器を提供することが可能となる。
【0008】請求項2記載の発明は、特に請求項1記載の発明において、給米経路を開閉する給米停止手段と蓋開閉検知手段とを備え、蓋が開放すると給米が停止することにより、米の搬送中に蓋が開いた場合に米が炊飯部外に散乱することをより低減し、また給水中に鍋内を散乱する水が給米口に付着して米の搬送の際に米詰まりを引き起こす恐れを低減し、誤って米や水の搬送中に蓋を開いた場合でも使用者の後処理の負担を軽くし、使用者が安心して使用できる自動炊飯器を提供することが可能となる。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、給水経路を開閉する給水停止手段と蓋開閉検知手段とを備え、蓋が開放すると給水が停止することにより、給水経路に残留した水の鍋以外への流出を低減し、適切な水量を鍋に供給し、誤って米や水の搬送中に蓋を開いた場合でも使用者の後処理の負担を軽くし、使用者が安心して使用できる自動炊飯器を提供することが可能となる。
【0010】請求項4記載の発明は特に請求項1〜3いずれか1項に記載の発明において、給米部は、予め決定された米量を分割して米を複数回に分けて炊飯部に供給することにより、1回に搬送する米の量を減少させて、米の搬送中に蓋を開いて給米が停止した際に給米経路内に残留する米の量を少なくし、蓋を閉じた後に運転を再開することが容易で、使用者が安心して使用できる自動炊飯器を提供することが可能となる。
【0011】請求項5記載の発明は特に請求項1に記載の発明において、蓋開閉検知手段を備え、給米部は搬送手段を有し、給米中に蓋が開放された場合、蓋が閉じられた後搬送手段を動作させてから運転を再開することにより、米の搬送中に蓋が開放され、閉じた後に給米経路内で米が詰まる恐れをより確実に回避して、使用者が安心して使用できる自動炊飯器を提供することが可能となる。
【0012】請求項6記載の発明は特に請求項1〜5いずれか1項に記載の発明において、給水を行った後、給米を行うことにより、給水中に蓋を開放して給水経路中の水が鍋以外の場所に供給されてしまって鍋に供給する水量が適切でない場合に、水を捨てるだけで再び自動炊飯器の適切な運転が行え、誤って米や水の搬送中に蓋を開いた場合でも使用者の後処理の負担を軽くし、使用者が安心して使用できる自動炊飯器を提供することが可能となる。
【0013】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0014】(実施例1)図1は本発明第1の実施例における自動炊飯器1の構成を示している。
【0015】自動炊飯器1は、使用者が米を投入する米びつ部2、計量マスによって米を計量する計量部3、米とぎ羽根18を回転させ、その回転力と摩擦力で米をとぐ米とぎ部4、およびといだ米を炊飯する炊飯部5を備えている。米とぎ部4は給米経路6によって炊飯部5とつながっており、米とぎ部4でといだ米は送風ファン(搬送手段7)によって給米経路6内を搬送される。給米経路6の一部は炊飯部5の蓋8内に構成されており、搬送された米は給米経路6の終端である給米口9より鍋10に投入される。
【0016】なお、米びつ部2、計量部3、米とぎ部4、搬送手段7を給米部11と呼ぶ。炊飯に用いる水は水道栓に直結された経路(図示せず)と給水弁19からなる給水部15によって供給される。給水経路13は給水弁19に接続され、給水経路13の終端である給水口12は蓋8に設けられており、炊飯に必要な水は給水部15から給水経路13、給水口12を経て鍋10に供給される。給水弁19を予め定められた時間開放した後閉止することで、適切な量の水が供給される。14は計量部3、米とぎ部4、炊飯部5、搬送手段7、給水弁19を制御する制御部である。
【0017】なお、給水口12は給米口9よりもヒンジ16側に配置している。給米口9と給水口12とにはそれぞれ逆止弁が設けられており、これらの弁は米や水の搬送中に開くようになっている。
【0018】また、炊飯部5には蓋8の開閉を検知する蓋開閉検知手段20が設けられており、蓋開閉検知手段20は例えば、磁石を蓋8に備え、リードスイッチを炊飯部5の前側に設置して蓋8の開閉を検知し、制御部14に蓋8の状態を伝達する。蓋8は蓋開放指示手段17を備えており、使用者が蓋開放指示手段17を押すと、炊飯部5内で蓋8を閉じた状態にするフック(図示せず)が外れて蓋8が開放される。
【0019】上記構成において、動作・作用を説明する。使用者が米びつ部2に米を投入し、炊飯したい米の量を入力した後、運転開始ボタン(図示せず)を押すと、自動炊飯器1の運転が開始する。
【0020】自動炊飯器1の運転が開始すると、制御部14が計量部3を動作させて、米びつ部2に貯蔵された米から、使用者が入力した所定量だけ米を計量する計量工程を行う。その後、所定量の米を米とぎ部4へ供給する。
【0021】所定量の米が米とぎ部4に供給されると、制御部14は米とぎ部4を動作させて米から糠を除去する米とぎ工程を行う。
【0022】米とぎ工程終了後、糠が除去された米は、米とぎ部4から給米経路6へ供給される。その後、制御部14は送風ファン(搬送手段7)を動作させ、米が送風によって給米経路6内を搬送され、炊飯部5内の鍋10へと供給される搬送工程が行われる。
【0023】また、制御部14は給水弁19を開閉して炊飯に必要な量の水を鍋10へ供給する給水工程を行う。
【0024】炊飯部5へ所定量の米と水が供給されると、米に水を吸収させる浸漬工程が行われる。そして、所定時間の浸漬工程が行われ、米が所定量の水を吸収した後、米を炊飯する炊飯工程が行われる。
【0025】所定時間の炊飯が行われた後、炊飯されたご飯を保温する保温工程が行われ、使用者はいつでもご飯を鍋10から取り出すことができる。
【0026】こうして、炊飯したい米の量を入力して運転開始ボタンを押すだけで、米びつ部2に貯蔵された米から、米の計量、米とぎ、給水、炊飯、保温が自動で行われる。
【0027】炊飯用の米は搬送手段7により給米経路6を通って給米口9から鍋10内に搬送される。また、炊飯に使う水は給水弁19の開閉によって給水経路13内を搬送され、給水口12から鍋10内に搬送される。米または水が搬送されている際に蓋8が開放されると、蓋開閉検知手段20は制御部14に信号を伝達し、制御部14は搬送手段7の停止、給水弁19の閉止により米または水の搬送を停止する。
【0028】しかし、給水中に蓋8を開いた場合には給水口12付近に付着した水が蓋8の内側を伝わって流れ落ちる。この水が給米口9に付着すると、蓋8を閉じて運転を再開し、米の搬送を行った際に米詰まりを引き起こす恐れがある。そのため、給水口12は給米口9よりもヒンジ16側に配置し、米詰まりが発生する可能性を少なくしている。給米または給水中に蓋8が開放された後、蓋8が閉じられると、蓋開閉検知手段20は蓋8が閉じたことを検知し、制御部14に信号を送る。制御部14は少なくとも運転再開になんらかの情報が必要な工程においては運転の進行状況を記憶しており、蓋開閉検知手段20からの信号を受けて、停止前の状況に合わせて運転を再開する。
【0029】このように本実施例によれば、米や水の搬送中に蓋8が開いた場合に米や水が炊飯部5外に散乱することを低減し、また給水中に蓋8を開いた場合にも、給水口12付近から伝わった水が給米口9に付着して給米経路6での米詰まりを引き起こすことを回避し、誤って米や水の搬送中に蓋8を開いた場合でも使用者の後処理の負担を軽くし、使用者が安心して使用できる自動炊飯器1を提供することが可能となる。
【0030】なお、図1においては給米口9と給水口12はヒンジ16を構成する軸の垂直線上に配置されているが、給米口9が給水口12に比べてヒンジ16側にあればよく、給米口9と給水口12がヒンジ16を構成する軸の同一垂直線上に配置されている必要はない。
【0031】また、予め設定された量ごとに計量、米とぎ、搬送という一連の給米工程を行い、これを使用者が設定した炊飯量に達するまで繰り返し行ってもよい。
【0032】また、給米や給水が行われている際に蓋8が開かれると、搬送手段7または給水弁19だけでなく計量部3や米とぎ部4の動作も停止すると、計量、米とぎ、搬送という工程を複数回繰り返す際には、米の搬送が終了していないのに米とぎ部4から給米経路6に米を供給してしまうことを確実に避け、運転が再開した際に大量の米が給米経路6内にあるために給米経路6に米が詰まってしまうことを低減することができる。
【0033】また、給米や給水が行われている際に蓋8が開かれると、搬送手段7の停止または給水弁19の閉止により給米または給水を停止するが、計量部3や米とぎ部4については進行中の計量工程や米とぎ工程を終了するまで動作を継続すると、計量工程や米とぎ工程の進行状況を記憶する必要がなく、蓋8を閉じた後に運転を再開することが容易であり、蓋8が開いて米の搬送が停止していても、計量・米とぎは行われるので、給米時間の短縮がはかれる。
【0034】また、給米口9につながる給米経路6は、米が鍋10内のヒンジ16側に飛び出るように垂直方向から傾けた構成となっているとなおよい。同様に、給水口12につながる給水経路13は、水が鍋10内のヒンジ16側に飛び出るように垂直方向から傾けた構成となっているとなおよい。
【0035】また、蓋8の内側の給米口9の周囲にリブや突起を設けたり、給米口9を給水口12よりも上方に配置すると、さらに米が鍋10内に均一に投入できるようになり、また蓋8の内側に付着した水が給米口9に付着することをより確実に回避することが可能となる。また、蓋8の内側はヒンジ16に近づくにつれて下方に傾斜していると、蓋8が閉じている状態では蓋8の内側に付着した水はヒンジ16側に伝わり、給米口9に水が付着して米詰まりの発生を低減することができる。
【0036】また、蓋8内側の給水口12の周囲にリブや突起を設けると、水の搬送中に蓋8が開かれた場合に給水口12に付着した水が蓋8の内側を伝わって移動することが難しくなり、水が給米口9に移動せず、米の搬送工程で米詰まりが起こることを回避することができる。
【0037】また、給水中に蓋8が開放された場合、蓋8が閉じられた後、搬送手段7を動作させて給米口9に風を送ると、給米口9に付着している恐れのある水滴を飛ばして米詰まりの発生を低減することができるのでよい。
【0038】また、米びつ部2は大量の米を貯蔵(例えば10kg)できてもよいし、毎回炊飯する量だけ(例えば3合分)貯蔵できるものであってもよいし、米を炊飯の度に供給して米びつ部2を省略してもよい。
【0039】また、給米部11は炊飯部5の上や横に位置してもよいし、米が自重で炊飯部5に落下するような構成の場合には、搬送手段7が不要となる。
【0040】また、米びつ部2に無洗米など、とぐ必要のない米が供給された場合には、米とぎ部4で米をとがずに搬送だけを行ってもよい。
【0041】また、給米部11は無洗米など、とぐ必要のない米に対応して、米とぎ部4を省略したものとしてもよい。
【0042】また、米とぎ部4は水を用いた米とぎ方法など他の米とぎ方法を用いてもよい。
【0043】また、米は送風によって搬送してもよいし、空気の吸引によって搬送してもよい。また、米を送風によって搬送し、その搬送風を循環させることで、給米経路を閉じることができ、騒音が外部に漏れないので静音化がはかれる。
【0044】また、給水部15は水を貯留するタンクおよび給水ポンプ、水経路で構成して、給水を行ってもよい。
【0045】また、適切な水量を鍋10に供給するために、流量センサや重量センサを炊飯部5に設置する、一定体積ずつ水を供給するなど他の手段を用いて適切な水量を供給してもよい。
【0046】また、米と水の搬送はどちらが先でも良いし、米と水は予め設定された量を複数回に分けて搬送してもよい。
【0047】(実施例2)図2は本発明第2の実施例における自動炊飯器1の要部構成を示しており、図3は自動炊飯器1の制御過程を示している。
【0048】図2において、給米口9には給米停止手段21を設け、給米停止手段21を駆動させるための給米弁駆動手段22が蓋8内に設けられている。給米停止手段21は米が給米停止手段21上にたまらないとともに鍋10内に均一に米を投入するために給米経路6側になめらかな傾斜を備えている。
【0049】また、給水口12には給水停止手段23を設け、給水停止手段23を駆動させるための給水弁駆動手段24が蓋8内に設けられている。給水停止手段23も同様に、水が給水停止手段23上にたまらないように給水経路13側に傾斜を備えている。給米弁駆動手段22と給水弁駆動手段24は制御部14によって制御される。
【0050】上記の構成において、動作・作用を説明する。使用者が米びつ部2に米を投入し、炊飯したい米の量を入力した後、運転開始ボタン(図示せず)を押すと、自動炊飯器1の運転が開始する。
【0051】自動炊飯器1の運転が開始すると、制御部14は水の搬送前に給水弁駆動手段24を動作させて、給水停止手段23を開放する。その後、使用者が設定した炊飯量にあわせて、必要な水量を供給するために予め定められた時間だけ給水弁19を開放した後、給水弁19を停止する。水の搬送が終了すると、制御部14は給水弁駆動手段24を再び動作させて、給水停止手段23を閉じて、給水工程を終了する。
【0052】その後の工程は図3に示すような過程で行われる。まず、制御部14が計量部3を動作させて、米びつ部2に貯蔵された米から、予め定められた量だけ計量して米とぎ部4に供給する計量工程が行われる。その後、制御部14は米とぎ羽根18を回転動作させて、米とぎ羽根18の遠心力と摩擦力で米から糠成分を取り除く米とぎ工程が行われる。米とぎ部4でとがれた米は給米経路6に供給され、米の搬送が始まる。米の搬送の前に制御部14は給米弁駆動手段22を動作させて、給米停止手段21を開放する。その後、制御部14は送風ファン(搬送手段7)を動作させて、米を炊飯部5へと移送する搬送工程を行う。米の搬送が終了すると制御部14は再び給米弁駆動手段22を動作させて、給米停止手段21を閉じる。
【0053】以上のような、計量、米とぎ、搬送工程を予め設定された米量ずつ行い、使用者が設定した炊飯量に必要な米が炊飯部5に供給されるまで、以上の工程を繰り返し行う。その後、浸漬工程が行われた後、炊飯工程が行われ、米が炊飯される。
【0054】また、米または水の搬送中に蓋8が開放された場合、制御部14は蓋開閉検知手段20からの信号を受け取って、搬送手段7を停止するか、または給水弁19を閉止し、給米または給水を停止する。
【0055】さらに、給米停止手段21または給水停止手段23を閉じることで、より確実に米や水の搬送を停止することができる。また、給水工程を行うと、炊飯量が多く、鍋10内の水量が非常に多い場合には、供給される水の勢いで鍋10内の水が散乱しやすくなる。飛び跳ねた水は給米口9に付着して米の搬送を妨げることがある。
【0056】しかし、給米停止手段21を設けて、給水中には給米口9に水が付着しないように給米停止手段21で給米口9を閉じてしまえば、より確実に水が給米口9に付着して給米経路6で米が詰まる恐れを低減することができる。
【0057】また、予め設定された米量ずつ(例えば0.1合や0.5合など)計量、米とぎ、搬送工程を行うので、1回につき搬送される米量は少なくなっている。米の搬送中に蓋8が開かれると、制御部14は給米停止手段21を閉じるのであるが、給米経路6内に米が存在する場合に給米停止手段21を閉じると、搬送中であった米は給米停止手段21上あるいは給米経路6内にとどまることになる。給米口9付近の給米経路6内に大量の米が詰まってしまうと、運転が再開した後も米の搬送ができなくなる恐れがある。
【0058】しかし、少量単位で搬送を行うと、給米中に蓋8を開放された場合でも、給米経路6内には少量の米がたまるのみで米詰まりの恐れを低減することが可能となる。
【0059】また、給米中に蓋8が開放された後、蓋8が閉じられると蓋開閉検知手段20が検知して制御部14へ信号を送る。信号を受けた制御部14は運転を再開させるのだが、そこでまず制御部14は給米弁駆動手段22を動作させて給米停止手段21を開放させる。
【0060】その後、搬送手段7を運転させて、給米経路6内に米があれば、確実にその米を搬送し、給米経路6内に米が残留しないようにした後運転を再開する。この搬送工程を行わずに運転を再開すると、米の搬送途中に搬送手段7を停止したために給米経路6内に米が残留しており、その状態で次の計量、米とぎが行われ、給米経路6に米が供給されると大量の米が給米経路6内に存在するために米詰まりが生じてしまうという状況が起こる恐れがある。搬送手段7を動作させる搬送工程を行ってから運転を再開することで、給米経路6内に米が詰まることをより確実に回避することが可能となる。
【0061】給水弁19から炊飯部5までは給水経路13で接続されており、あらかじめ定められた時間、給水弁19を開放することで適切な水量を供給する。給水中に蓋8が開放される場合には、制御部14は給水弁19を閉じる。
【0062】しかし、給水弁19を閉じても、給水経路13内の水の一部は搬送されてしまう。その場合、蓋8は開き始めているので、水は蓋8の内側を伝わって鍋10以外の部分に搬送されてしまう恐れがある。制御部14は蓋8が開かれた際に給水弁19を閉止するとともに、実際に水が搬送された給水時間を記憶し、運転が再開した後に残りの水量を供給できる時間分だけ給水弁19を開放して水を供給することになる。
【0063】しかし、水が鍋10以外の部分に流れ出してしまうと、蓋8を閉じた後に運転を再開しても適切な水量が鍋10に供給されなくなってしまい、炊飯に失敗してしまう恐れもある。そこで、給水中に蓋8が開放された場合に給水停止手段23が閉止すると、給水経路13中に残留した水は鍋10以外の部分に流れ出すことがなく、蓋8が閉じた後給水を再開しても適切な水量を供給することができる。
【0064】また、給水を行った後に給米を行う。給水中に蓋8が開放された場合、蓋8の開放とともに給水停止手段23が給水口12を閉止する。しかし、給水停止手段23にシール不良などの不具合が発生した結果、給水経路13中に残留した水が鍋10以外の場所に流れ出してしまう恐れがある。その結果、適切な水量が鍋10内に搬送できなくなり、炊飯が失敗してしまう恐れがある。使用者が給水途中に蓋8を開放させて、給水経路13中の水が流れ出すのを確認すれば、運転をやり直す必要があるが、すべてまたは一部の給米を先に行った後給水を行っていると、鍋10内に供給された米を捨て去って再び運転を開始しなければならなくなる。しかし、給水を先に行うと鍋10内に供給された水を取り除くだけで、再び運転を開始でき、炊飯の失敗を回避することが可能となる。
【0065】また、蓋8が開放された際に給水口12から水が伝わりやすいように蓋8の内側に溝等を設け、漏れ出した水を炊飯部5の一部に貯水部を設けて誘導し、その貯水部に水の有無を検知する検知手段を備えて、貯水部に水が漏れてくると制御部14はその信号を受け取って、自動的に使用者に報知することにしてもよい。その際には、使用者が貯水部にたまった水を鍋10に戻して運転を再開できるとしてもよいし、鍋10内および貯水部の水を捨てて運転をやり直してもよい。
【0066】このように本実施例によれば、蓋8の開放とともに確実に米と水の搬送を停止することができ、給米経路6内での米詰まりを回避し、蓋8が開放して運転が停止した場合でも適切な水量を供給することができ、誤って米や水の搬送中に蓋8を開いた場合でも使用者の後処理の負担を軽くし、使用者が安心して使用でき自動炊飯器1を提供することが可能となる。
【0067】また、上記実施例では予め決められた米量ずつ計量、米とぎ、搬送工程を行うとしたが、計量工程は使用者が設定した炊飯量を計量するまで行い、計量部2と米とぎ部4との間にバッファ領域を設け、米とぎ、搬送工程については予め設定された米量ずつ行ってもよい。また、計量、米とぎ工程は使用者が設定した炊飯量を一度に行ってしまい、米とぎ部4と給米経路6との間にバッファ領域を設けて搬送工程のみ予め設定された米量ずつ行ってもよい。
【0068】また、上記実施例においては、給米中に蓋8が開放されると搬送手段7を停止して、給米停止手段21を閉止し、その後蓋8が閉じたことを蓋開閉検知手段20が検知して制御部14に信号を送り、制御部14は搬送手段7を運転させた後、運転を再開する。このとき、制御部14は搬送が行われている時間を記憶しており、蓋8が閉じられた後、残りの時間あるいは残りの時間に予め設定された時間を足した時間の間、搬送手段7を運転することにより、より短時間で搬送工程を終了して運転を再開することができる。
【0069】また、給米経路6の一部に米検知手段を設け、給米停止手段21の閉止によってたまった米の量を検知し、その米を搬送するのに必要な時間だけ搬送手段7を動作させて米を搬送することにより、さらに短時間で搬送工程を終了して運転を再開することができる。
【0070】また、給米停止手段21は必ずしも給米口9を閉じる場所に構成する必要はなく、給米口9上方や蓋8内に構成された給米経路6の一部で給米経路6を閉じることができればよい。
【0071】また、給水停止手段23についても必ずしも給水口12を閉じる場所に構成する必要はなく、給水口12上方や蓋8内に構成された給水経路13の一部で給水経路13を閉じることができればよい。
【0072】また、給米弁駆動手段22と給水弁駆動手段24は共用してもよい。
【0073】また、給米停止手段21と給水弁停止手段23は上記実施例における弁体でもよいし、スライド式のシャッターでもよい。
【0074】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、給水中に蓋を開いた場合にも、給水口付近から伝わった水が給米口に付着して米詰まりの発生要因となることを回避し、誤って米や水の搬送中に蓋を開いた場合でも使用者の後処理の負担を軽くし、使用者が安心して使用できる自動炊飯器を提供することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成14年5月10日(2002.5.10)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2003−325319(P2003−325319A)
【公開日】 平成15年11月18日(2003.11.18)
【出願番号】 特願2002−135110(P2002−135110)