| 【発明の名称】 |
断熱二重容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】上田 英一 【住所又は居所】大阪府門真市速見町3番1号 タイガー魔法瓶株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】断熱二重容器の保温機能を低下することなく断熱二重容器の振動を防止し、且つ部品点数を低減してなる断熱二重容器を提供すること。
【解決手段】外筒と、該外筒内に収納されお互いの上端を溶接することにより前記外筒と一体化される内筒と、該内筒の振動を防止する振動防止部材とを備え、前記外筒と前記内筒とで形成する空隙を真空にしてなる断熱二重容器において、前記内筒底部の外面に前記振動防止部材を前記外筒底部に設けた孔より前記外筒と非接触状態で突出させ、突出した部分を底キャップで覆い、前記外筒底部の孔を真空排気口として利用し、前記底キャップで前記外筒底部の孔を封止する断熱二重容器。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外筒と、該外筒内に収納されお互いの上端を溶接することにより前記外筒と一体化される内筒と、該内筒の振動を防止する振動防止部材とを備え、前記外筒と前記内筒とで形成する空隙を真空にしてなる断熱二重容器において、前記内筒底部の外面に前記振動防止部材を前記外筒底部に設けた孔より前記外筒と非接触状態で突出させ、突出した部分を底キャップで覆い、前記外筒底部の孔を真空排気口として利用し、前記底キャップで前記外筒底部の孔を封止することを特徴とする断熱二重容器。 【請求項2】 前記底キャップの内径は、前記外筒底部の孔よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の断熱二重容器。 【請求項3】 前記底キャップの取り付け後には、該底キャップの端部は前記外筒と接触し、前記底キャップと前記振動防止部材とは非接触であることを特徴とする請求項1、2記載の断熱二重容器。 【請求項4】 外筒と、該外筒内に収納されお互いの上端を溶接することにより前記外筒と一体化される内筒と、該内筒の振動を防止する振動防止部材とを備え、前記外筒と前記内筒とで形成する空隙を真空にしてなる断熱二重容器において、前記内筒底部に凹部を設け、前記外筒底部の内面に前記振動防止部材及び真空排気口を設けた底キャップを取り付け、前記凹部に前記振動防止部材を非接触状態で望ませ、前記底キャップに設ける真空排気口を封止材で封止することを特徴とする断熱二重容器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本願発明は、金属製断熱二重容器に関し、特に振動防止手段を付加した金属製断熱二重容器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】現在、金属製断熱二重容器は、ポット、ランチジャー、ステンレスボトル、ステンレスまほうびん及び保温調理鍋等の製品も含め、いろいろな分野で利用されている。この断熱二重容器は、ステンレス製の外筒と、外筒より一回り小さくやはりステンレス製の内筒を外筒内に収納配置し、外筒と内筒の上部開口部を溶接で一体化するとともに、外筒と内筒内に形成される空隙を真空にしたものであり、保温効果が優れ、利便性の高いものである。 【0003】ところが、このような断熱二重容器は、外筒と内筒の上部開口部のみを溶接で一体化してなるもので、例えば、この断熱二重容器に強い振動が加わると、外筒内で内筒がその上部開口部を支点にして左右に振動し、上部開口部の溶接箇所が破断することがあった。 【0004】このような弊害を解決するものとして、実用新案登録第2601123号の発明が提案されている。このものを図5に示す。断熱二重容器は、外筒1、内筒2及び底部材3から形成される。外筒1は、その上部に上端開口縁部1aを有し、その下端が開放するステンレス製の円筒部材であり、その下端に別体の底部材3をお互いの外周端部を溶接して一体化することにより有底の容器としてなる。 【0005】また、内筒2は、その上部に上端開口縁部2aを有する瓶形状の部材であり、外筒1より一回り小さくやはりステンレス製で形成されたもので、まず、外筒1の開放した下端より内筒2を挿入し、外筒1及び内筒2のそれぞれの上端開口縁部1a、2aを溶接し、両者を一体化する。次いで、外筒1の下端開放部に底部材3を挿入し、お互いの外周端部を溶接することにより二重容器を形成したものである。 【0006】符号5は、振動防止部材であり、ほぼ平坦なつば部5bと、該つば部5bに立設される横断面十字型部材5aからなり、つば部5bを内筒2の底部に固定するとともに、十字型部材5aの先端は、底部材3に設けられる底部材開口部3aより外部に突出されるとともに、その十字型部材5aの4箇所の外周端は、底部材開口部3aと点接触されている。そして底部材開口部3aより外部に突出する突出部は、底部材3の外面部に取り付け固定される底キャップ6により封止される。 【0007】また、底部材3には、その先端に真空排気口7aを有する真空排気用チップ7が底キャップ6とは別に取り付けられる。そして、外筒1内に内筒2をセットした後、真空排気用チップ7先端の真空排気口7aから外筒1及び内筒2の間の空隙4の空気を排気し、該空隙4を真空にし、その後真空排気口7aを封止することにより断熱二重容器を形成している。そして、このような構造により、例え断熱二重容器が強く振動したとしても振動防止部材5の十字型部材5aの4箇所の外周端が底部材開口部3aと点接触されているため、内筒2が外筒1内で振動することが防止される。 【0008】ところが、断熱二重容器は保温機能が特に重視されるところ、従来の振動防止機能を備えたものでは、十字型部材5aと底部材開口部3aとが点接触されているため振動防止機能は特に優れているが、十字型部材5aと底部材開口部3aとの接触部より熱が逃げ、その保温機能を低下せしめていた。 【0009】また、従来の振動防止部材5は、十字型部材5aの4箇所の外周端と底部材開口部3aとを点接触させるものであるため、両者の間隔はほとんどないといってもよく、断熱二重容器の組み立て時に、外筒1内に内筒2を挿入し内外筒1、2のそれぞれの上端開口縁部1a、2aを溶接した後、底部材3を外筒1の下端開放部に挿入する場合、十字型部材5aの軸心と底部材開口部3aの軸心とが少しでも偏心しているとその挿入が滑らかに行われなくなるという問題が生じ、組み立てに精度が要求され、且つ時間を要していた。 【0010】更に、内外筒1、2間の空隙4を排気するために底部材に真空排気用チップ7を別途設ける必要があり、その分生産コストを押し上げていた。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】本願発明は、上記問題点を解決するものであり、詳細には断熱二重容器の保温機能を低下することなく断熱二重容器の振動を防止し、且つ部品点数を低減してなる断熱二重容器を提供することを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本願発明は以下の構成を採用する。 【0013】請求項1に係る発明では、外筒と、該外筒内に収納されお互いの上端を溶接することにより前記外筒と一体化される内筒と、該内筒の振動を防止する振動防止部材とを備え、前記外筒と前記内筒とで形成する空隙を真空にしてなる断熱二重容器において、前記内筒底部の外面に前記振動防止部材を前記外筒底部に設けた孔より前記外筒と非接触状態で突出させ、突出した部分を底キャップで覆い、前記外筒底部の孔を真空排気口として利用し、前記底キャップで前記外筒底部の孔を封止する構成。そして、振動防止部材は外筒底部と非接触状態にされるため、保温機能が低下することはなくなり、且つ内筒の振動も防止することができるとともに、その組み立ても簡単且つ容易になる。更に、振動防止部材を突出させるために用いる外筒底部の孔を真空排気口として利用することにより、部品点数を低減することができる。 【0014】請求項2に係る発明では、請求項1の構成に加え、前記底キャップの内径は、前記外筒底部の孔よりも小さい構成。そしてこのような構成により、振動防止部材が例え偏心して取り付けられたとしても外筒底部の孔に容易に挿入することができ、且つ振動防止部材の外径と底キャップの内径との隙間をできるだけ小さくすることができるため、振動防止機能が高まる。 【0015】請求項3に係る発明では、請求項1、2の構成に加え、前記底キャップの取り付け後には、該底キャップの端部は前記外筒と接触し、前記底キャップと前記振動防止部材とは非接触である構成。そしてこのような構成により、保温機能が低下することはなく、且つ内筒の振動も押さえることができるとともに、その組み立ても簡単且つ容易になる。 【0016】請求項4に係る発明では、外筒と、該外筒内に収納されお互いの上端を溶接することにより前記外筒と一体化される内筒と、該内筒の振動を防止する振動防止部材とを備え、前記外筒と前記内筒とで形成する空隙を真空にしてなる断熱二重容器において、前記内筒底部に凹部を設け、前記外筒底部の内面に前記振動防止部材及び真空排気口を設けた底キャップを取り付け、前記凹部に前記振動防止部材を非接触状態で望ませ、前記底キャップに設ける真空排気口を封止材で封止する構成。そしてこのような構成により、保温機能が低下することはなくなり、且つ内筒の振動も押さえることができるとともに、その組み立ても簡単且つ容易になる。更に、振動防止部材を突出させるために用いる外筒底部の孔を真空排気口として利用することにより、部品点数を低減することができる。 【0017】 【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)図1に本願発明の第1の実施の形態の断熱二重容器を示す。断熱二重容器10は、概略図に示すような形態からなり、ポット、ランチジャー、ステンレスボトル、ステンレスまほうびん及び保温調理鍋等の製品も含め、いろいろな分野で利用される。 【0018】断熱二重容器10について説明すると、断熱二重容器10は、外筒11、内筒12及び底部材13から形成される。外筒11は、その上部に小径の上端開口縁部11aを有し、更にその下端に大径の下端開口縁部11bを有する上下開放のステンレス製の円筒部材であり、その下端に別体の底部材13をお互いの開口縁部を溶接して一体化することにより有底の容器を形成することになる。 【0019】また、前記内筒12は、外筒11と同様ステンレス製でその上部に外筒11の上端開口縁部11aより若干小径の上端開口縁部12aを有する瓶形状の部材で、横断面円形の本体部12cは外筒11より一回り小さく、外筒11内にセットされた状態で本体部12cの外面と外筒11の内面との間に隙間Dを形成する。更に内筒12の底部は下方に突き出た湾曲面を形成し、且つその底部中央部には後記の振動防止部材15を取り付けるときの位置決めとして作用する下方に突出したリング状のリブ12bが形成される。 【0020】前記底部材13は、外筒11及び内筒12と同様ステンレス製で、同心円状に複数の凹凸部有する円板状部材であり、その外周端に上方から下方に折れ曲がった鉤状端部13aを有し、その中央部に後記の振動防止部材15が貫通し、更に後記の空隙14内の空気を排気するための機能を有する円形の真空排気口13dが形成されるとともに、該円形の真空排気口13dの回りには内方に突き出た円形の凹部13bが形成され、該凹部13bの外面である凹部底面13cには後記の底キャップ16のつば部16bが当接されることになる。 【0021】符号15は、振動防止部材であり、振動防止部材の本体部をなす筒状体15aと、該筒状体15aを内筒12の底部に固定するための脚部となる支持部材15bとからなり、支持部材15bは、大径の上部開口及び小径の下部開口を有する高さの低い筒状部材であり、小径の下部開口の内周端と筒状体15aの上部外周端とを溶接により一体化することにより振動防止部材15を形成している。そして、支持部材15bの大径の上部開口である上部開口端15cを内筒12の底部外面に溶接により一体的に取り付けることになるが、上部開口端15cの径は内筒12の底部に設けられるリング状のリブ12bの径より若干大きめに作られており、該上部開口端15cがリブ12bの外側に位置するように載置され溶接される。即ち、リブ12bは位置決め部材として利用される。なお、ここでは筒状体15aと支持部材15bとを別体のものとして説明したが、これらは一体のものでも良い。 【0022】次に、断熱二重容器10の組み立てについてその概略を順を追って説明すると、まず、外筒11、内筒12及び底部材13を絞り加工によりそれぞれの形状に加工し、内筒12の下部に形成されるリブ12bの外側に振動防止部材15の上部開口端15cを載置し、且つ溶接により予め一体化しておく。その場合、内筒12の軸心と振動防止部材15の軸心が一致或いは平行になるように取り付けておく。 【0023】次いで、内筒12を外筒11の下方より外筒11内に挿入し、両筒11、12のそれぞれの上端開口縁部11a、12aを当接し、その後両上端開口縁部11a、12aを溶接により結合し、両筒11、12を一体化する。その場合、両筒11、12の軸心がずれないように溶接時、両筒11、12間にずれ防止用のスペーサが介在されて溶接が行われる。 【0024】その後、外筒11の下端開口縁部11bに底部材13の外周端部である鉤状端部13aが当接するように外筒11の下端開口縁部11b内に底部材13を挿入し、外筒11の下端開口縁部11bと底部材13の鉤状端部13aとを溶接で一体化する。溶接後においては、内筒12の底部に取り付けられる振動防止部材15の筒状体15aは、底部材13の中央に設けられる真空排気口13dより下方に突出することになるが、筒状体15aの外径は真空排気口13dの径より小さくされており、筒状体15aの外面と真空排気口13d内周縁とは非接触状態とされる。 【0025】その後、両筒11、12との間に形成される空隙14を真空にすることになるが、その工程は次のように行われる。即ち、断熱二重容器10は、倒立された状態で真空室に搬入される。その場合、底部材13の中央に設けられる凹部13b内に底キャップ16が、外方に突出している振動防止部材15の筒状体15aと真空排気口13dとを覆うような形態で被せられる。 【0026】ここで底キャップ16について説明すると、該底キャップ16はステンレス製で、有底筒状部16a及びつば部16bからなる有底のつば付き筒状体であり、底部材13の凹部13bへの載置は、断熱二重容器10の倒立状態ではつば部16bの下になる面を底部材13の凹部13bの上になる凹部底面13cに当接する形態で行われる。その時、つば部16bの下になる面と上になる凹部底面13cとの間には、複数個の金属製のロウ材が介在された状態、即ち、つば部16bの下になる面と上になる凹部底面13cとの間には、両筒11、12間の空隙14の排気時に空隙14内の空気の排気通路となる隙間が形成された状態に維持され、その状態のままで断熱二重容器10は真空室に搬入される。断熱二重容器10が真空室に搬入される時、断熱二重容器10は振動によって揺れるが、底キャップ16は、底部材13の凹部13b内に収納された状態にあるため、底キャップ16がずれたり外れたりすることが防止される。 【0027】そして、断熱二重容器10が真空室に搬入されると真空室が真空にされる。すると、両筒11、12間の空隙14の空気も底部材13の真空排気口13d及びロウ材によって形成されるつば部16bの下になる面と上になる凹部底面13cとの間の隙間を介して排気される。この排気時、空隙14内の排気を良好に行うため、振動防止部材15の筒状体15aの外周部にはほぼ等間隔で複数個の孔15dが設けられている。 【0028】この孔15dの機能について説明すると、振動防止部材15の筒状体15aの外面と底キャップ16の有底筒状部16aの側部内面との隙間dは、振動防止効果を高めるためにできるだけ狭く、例えば約0.5mmと非常に狭くされており、両者間の全外周の隙間dが均等であったとしても排気抵抗となるところ、例えば、振動防止部材15が内筒12の底部に偏心して取り付けられると、筒状体15aの外面と底キャップ16の有底筒状部16aの側部内面との隙間dはその全外周で広い箇所と狭い箇所(零の場合もあり得る。)が存在することになり、そのような場合、狭い箇所の方面の空隙14内の排気が益々困難になり、空隙14全体の排気効率が低下することになるが、前記孔15dを設けることによりそれらの弊害が防止できる。 【0029】その後両筒11、12間の空隙14の排気が終了すると、加熱工程に移り、断熱二重容器10をロウ材の溶融温度以上で加熱する。すると、つば部16bの下になる面と上になる凹部底面13cとの間に介在していたロウ材が溶融し、両面間に広がる。すると底キャップ16は、底部材13の凹部13bにより位置決めされているため、所定の位置で、つば部16bの下になる面と上になる凹部底面13cとが溶けたロウ材の膜を介して当接することになるので、後はそのままの状態で自然冷却を行えば、底キャップ16が真空排気口13dを完全に封止し、両筒11、12内の空隙14を真空状態に保持する。なお、符号17は、外筒11の上壁内面に支持金具18により予め取り付けられるゲッターであり、閉鎖された空隙14内で発生するガスを吸着し、空隙14内の真空度の低下を防止するためのものである。 【0030】上記加工後においては、空隙14が真空の断熱二重容器が形成されるとともに、振動防止部材15の筒状体15aの外面と底キャップ16の有底筒状部16aの側部内面とは非接触状態で、その隙間dは、所定の幅、例えば、約0.5mmの状態に形成されることになる。勿論この隙間dは、外筒11と内筒12との隙間Dよりは小さくされる。 【0031】そのため、断熱二重容器10が振動し、外筒11内で内筒11が上端開口縁部12aを支点にして振動しようとしても、内筒11がほんの少し揺れただけで振動防止部材15の筒状体15aの外面が底キャップ16の有底筒状部16aの側部内面に当接することになり、それ以上の内筒11の振動は防止できる。また、通常時では、振動防止部材15と底キャップ16とは非接触状態にあるため、内筒12内にお湯を入れた場合(その時には内筒12の上端開口縁部12aには蓋がされる。)には、熱が伝導により振動防止部材15を介して底キャップ16から逃げることもなくなる。 【0032】さらに、両筒11、12間の空隙14を排気するための真空排気口13dを振動防止部材15を底部材13より突出させる孔と兼用させたため、真空排気口13dを別途設ける必要がなく、その分生産コストを低減することができる。 【0033】図2は図1に示すものの変形例である。即ち、図1のものは、振動防止部材15の筒状体15aの長さを長くし、底キャップ16の有底筒状部16aの底部内面近傍まで延設したものであり、筒状体15aの長さを図1のように設定することにより、内筒12の振動時、筒状体15aの外面と底キャップ16の有底筒状部16aの側部内面との当接面積がそれだけ大きくなり、振動防止効果が向上する。ところが、断熱二重容器10の内筒12内に熱い液体を入れる場合、その液体の量並びに温度では、内筒12が伸び図1においては、振動防止部材15の筒状体15aの下端部と、底キャップ16の有底筒状部16aの底部内面とが当接することもあり、図2のものはこのような弊害を防止するものである。 【0034】即ち、振動防止部材15の筒状体15aの長さを略1/3にしたものである。このような構造にすることにより、例え、振動防止効果が多少低減するとしても、内筒12が伸び、振動防止部材15の筒状体15aの下端部と、底キャップ16の有底筒状部16aの底部内面とが当接する弊害を確実に防止することができる。 【0035】(第2の実施の形態)図3に本願発明の第2の実施の形態の断熱二重容器の振動防止部材を示す。断熱二重容器10の全体の構造は、図1及び図2のものと共通であるのでその詳細な説明は省略する。 【0036】断熱二重容器10は、外筒11、内筒12及び底部材13から形成され、その組み立ては図1及び図2のものとほぼ同様であり、その相違は振動防止部材の構造である。 【0037】即ち、内筒12の底部には内方に突出した凹部20が形成され、且つ底部材13の中央に大径の開孔22が設けられるとともに、底部材13の中央内面に前記開孔22を跨ぐ形態で底キャップ21が設けられる。そして該底キャップ21は、下端部のつば部21b、中央の筒状部21a及び上部の振動防止用突起21cを一体的に形成してなるステンレス製の部材であり、前記つば部21bは、底部材13の中央に設けられる開孔22を跨ぐ形態で底キャップ21の内面に溶接により一体的に取り付けられる。 【0038】また、底キャップ21の上面に設けられる振動防止用突起21cは、上方にリング状に設けられており、その中央部には真空排気口21eが穿設されている。そして内筒12底部の凹部20と振動防止用突起21cとは非接触状態とされ、更に、凹部20の凹部側面20aと振動防止用突起21cの突起側面21dとの隙間dは、所定の幅、例えば、約0.5mmの状態に形成され、且つこの隙間dは、外筒11と内筒12との隙間Dよりは小さくされる。 【0039】この実施の形態のものは、予め底部材13の内面に底キャップ21を溶着した後に外筒11の下端開口縁部11bに底部材13の鉤状端部13aを溶着することになる。そして真空室で真空排気口21eより空隙14の排気を行った後、該真空排気口21eをロウ材で封止することによって断熱二重容器10が形成される。 【0040】このような断熱二重容器10が振動すると、内筒12は、上端開口縁部12aを支点にして振動しようとするが、凹部20の凹部側面20aが振動防止用突起21cの突起側面21dに直ぐに当接し、それ以上揺れることがないためやはり有効に振動が防止される。また、内筒12と振動防止用突起21cとは非接触状態にあるため、伝導による熱の逃げがなくなる。 【0041】(第3の実施の形態)図4に本願発明の第3の実施の形態の断熱二重容器の振動防止部材を示す。断熱二重容器10の全体の構造は、図1ないし図3のものと共通であるのでその詳細な説明は省略する。 【0042】断熱二重容器10は、外筒11、内筒12及び底部材13から形成され、その組み立ては図1及び図2のものとほぼ同様であり、その相違は振動防止部材の構造である。 【0043】即ち、内筒12の底部には内方に突出した凹部26が形成され、且つ底部材13の中央には内方に突き出たリング状の突状体27が設けられるとともに、そのリング状の突状体27の内側底面には外方に突き出た湾曲部27cが形成される。更に、前記突状体27の先端頂部には1個或いは複数個の真空排気口27bが設けられる。 【0044】また、内筒12の底部に設けられる凹部26及び底部材13の中央に設けられる突状体27の内周面である凹部側面26a及び突状体側面27aは円弧状に形成されるとともに、断熱二重容器10を組み立てた後では、図4に示すように内筒12の底部に設けられる凹部26と、底部材13の中央に設けられる突状体27とはお互い対向する位置を占める。 【0045】そして、内筒12の底部に設けられる凹部26と、底部材13の中央に設けられる突状体27との内部空間28には球状のボール25が収納配置される。このボール25は断熱性の材質、例えば、セラミック等のものが使われ、硬質のものでも弾性体からなるものでも良く、ボール25、内筒12の底部に設けられる凹部26及び底部材13の中央に設けられる突状体27とで振動防止部材を構成する。 【0046】即ち、ボール25と内筒12の凹部26とは通常時では非接触状態とされ、更に、凹部26の凹部側面26aとボール25との隙間dは、所定の幅、例えば、約0.5mmの状態に形成され、且つこの隙間dは、外筒11と内筒12との隙間Dよりは小さくされる。この実施の形態のものは、外筒11内に内筒12を嵌合固定した後、外筒11の下端開口縁部11bに、予め底部材13の中央に真空排気口27bを設けた突状体27及び湾曲部27cを形成した底部材13の鉤状端部13aを溶着することになる。そして真空室で真空排気口27bより空隙14の排気を行った後、該真空排気口27bをロウ材で封止することによって断熱二重容器10が形成されることになる。 【0047】このような断熱二重容器10が振動すると、内筒12は、上端開口縁部12aを支点にして振動しようとするが、ボール25は内筒12と反対方向に移動しようとし、その結果、ボール25と凹部26の凹部側面26aとが衝突し、内筒12の振動は低減され、その振動は有効に防止できる。なお、リング状の突状体27の内側底面には外方に突き出た湾曲部27cが形成され、その湾曲部27c上にボール25が位置するためボール25を安定化させることができるとともに、内筒12が振動した場合、ボール25と凹部26の凹部側面26aとの衝突を確実に行わせることができ、振動防止効果をより高めることができる。 【0048】この実施の形態のものを発明として表現したものを付記すると、「外筒と、該外筒内に収納されお互いの上端を溶接することにより前記外筒と一体化される内筒と、該内筒の振動を防止する振動防止部材とを備え、前記外筒と前記内筒とで形成する空隙を真空にしてなる断熱二重容器において、前記内筒底部に凹部を設け、該凹部と前記外筒底部との間にボールを介在させ、前記凹部と前記ボールとで前記振動防止部材を形成することを特徴とする断熱二重容器。」となる。 【0049】本願発明は、上記実施例の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能であり、例えば、前記振動防止部材を弾性体で形成しても良い。 【0050】 【発明の効果】請求項1に係る発明は、内筒底部の外面に振動防止部材を外筒底部に設けた孔より外筒と非接触状態で突出させ、突出した部分を底キャップで覆い、外筒底部の孔を真空排気口として利用するとともに、底キャップで外筒底部の孔を封止することにより、振動防止部材は外筒底部と非接触状態にされるため、振動防止部材を設けない従来のものと同様に保温機能が低下することはないため信頼性が十分担保される。また、内筒の振動も十分押さえることができ、振動防止部材が外筒底部と非接触状態であるため、その分組み立てを簡単且つ容易に行うことができる。更に、振動防止部材を突出させるために用いる外筒底部の孔を真空排気口として利用することにより、従来のもののように別途真空排気用のための部品を用いる必要がないためその分部品点数を少なくでき、生産コストを低減することができる。 【0051】請求項2に係る発明は、底キャップの内径を外筒底部の孔よりも小さくすることにより、振動防止部材が例え偏心して取り付けられたとしても外筒底部の孔に容易に挿入することができるため、取り付け精度に余裕を持たすことができ、その分生産コストを低減することができる。更に、振動防止部材の外径と底キャップの内径との隙間をできるだけ小さくすることができるため、それだけ振動防止機能を高めることができる。 【0052】請求項3に係る発明では、底キャップの取り付け後には、底キャップの端部を外筒と接触させ、且つ底キャップと振動防止部材とを非接触にすることにより、請求項1、2に係る発明の効果同様に保温機能を従来のもの同様に高く維持することができるとともに、内筒の振動もより確実に低減することができ、組み立てを簡単且つ容易に行うことができる。 【0053】請求項4に係る発明は、内筒底部に凹部を設け、外筒底部の内面に振動防止部材及び真空排気口を設けた底キャップを取り付け、前記凹部に前記振動防止部材を非接触状態で望ませ、前記底キャップに設ける真空排気口を封止材で封止することにより、請求項1に係る発明の効果同様、振動防止部材を設けない従来のものと同様に保温機能が低下することはないため信頼性が十分担保される。また、内筒の振動も十分押さえることができ、振動防止部材が外筒底部と非接触状態であるため、その分組み立てを簡単且つ容易に行うことができる。更に、振動防止部材に真空排気口を設けることにより、従来のもののように別途真空排気用のための部品を用いる必要がないためその分部品点数を少なくし、生産コストを低減することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003702 【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市城東区蒲生2丁目1番9号
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| 【出願日】 |
平成14年4月23日(2002.4.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100116159 【弁理士】 【氏名又は名称】玉城 信一 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−310450(P2003−310450A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月5日(2003.11.5) |
| 【出願番号】 |
特願2002−120111(P2002−120111) |
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