トップ :: A 生活必需品 :: A47 家具;家庭用品または家庭用設備;コ−ヒ−ひき;香辛料ひき;真空掃除機一般




【発明の名称】 油揚げ機
【発明者】 【氏名】柴崎 邦雄

【要約】 【課題】小型で使用油の量も少なくすることができ、揚げカスがヒータにより加熱されることなく、これに伴う発煙の発生や油の炭化も防止できる油揚げ機とする。

【解決手段】調理用油12が流通可能なっている二槽構造の油槽を有し、一方を深さが浅く平面面積の大きい調理槽16とし、他方を相対的に深さが深く平面面積の小さい加熱槽18とする。前記加熱槽18に配設されたヒータユニット20により加熱された調理用油12を調理槽16に循環流通可能としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 調理用油が流通可能となっている二槽構造の油槽を有し、一方を深さが浅く平面面積の大きい調理槽とし、他方を相対的に深さが深く平面面積の小さい加熱槽としてなり、前記加熱槽に配設されたヒータにより加熱された調理用油を調理槽に循環流通可能としてなることを特徴とする油揚げ機。
【請求項2】 前記調理槽の底部に傾斜を付し、傾斜端に揚カス取り籠を装着可能な籠収容部を設けてなることを特徴とする請求項1に記載の油揚げ機。
【請求項3】 前記調理槽の底部を冷却するフィンを設けてなることを特徴とする請求項1または2に記載の油揚げ機。
【請求項4】 前記調理槽から加熱槽への油循環経路を両槽の境界壁面部に形成したことを特徴とする請求項1に記載の油揚げ機。
【請求項5】 前記調理槽の傾斜底部と前記加熱槽の底部とを接続する油循環経路を設け、当該油循環経路には水・油分離手段とフィルタを介在させて強制循環可能としてなることを特徴とする請求項1に記載の油揚げ機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油揚げ機に係り、特に小型化と油の使用量を削減することができる構造とした油揚げ機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な加熱油揚げ機は、油槽の底部にて調理用油に浸漬配置される電気ヒータにより調理用油を直接加熱し、油の温度を測って適温になるように調整している電気ヒータは通常丸棒タイプに形成されていることが多く、これを油槽の底部に複数本並列に配設するように設定されているまた、油槽の底部には調理用油の排出口が設けられ、定期的に油を油槽から完全に排出した後、これを濾過清浄化し、酸化などに起因する劣化状態が始まったときには油の交換を行うものとなっている。また、日毎の油揚げ作業で揚げ食品から油カスが出るため、これをすくい網で揚げ作業中に除去するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の油揚げ機では、油槽に調理用油とともにヒータを浸漬させた構造となっており、更に油槽から油を抜き出すことから底面に傾斜をつけた構成とされ、深い油槽に大量の油を入れ、ヒータで直接加熱する構成となっているため、大型で大量に調理用油を使用する構成となっていた。
【0004】また、集中的に多数の食材を調理すると、揚げカスが油槽底よりヒータ下部に至るまで溜まり、放置しているとヒータにより発煙してしまうことがある。底に溜まった揚げカスは、油槽の底が中心に向かって傾斜しているために、ヒータの上から取ることは危険であり、調理作業中は放置して置かざるを得ない。したがって、調理終了後に、ドレンバルブを全開にして、上に網を張った缶にカスごと全量の油を流しだし、カスを取り除いた上で、抜き終えた油を油槽に戻す作業を行っている。調理用油は平均的に3日で交換しなければならない程、炭化や酸化が進行してしまう。
【0005】更に、通常の油揚調理は油の余熱によって行うため、ヒータ温度は200℃以上が必要となっており、油の温度を計測し、この温度が目標設定温度(たとえば180℃)に対し、それよりは十分高く250℃以上にまで昇温させている。したがって、従来の油揚げ機では、高温運転のために、油槽面やヒータ面が炭化して黒く変色しており、終業時は油を全部抜き、苛性ソーダを用いて洗浄する方法が採られていた。
【0006】調理用油の温度管理は油の温度を計測することで行っており、ヒータによる加熱温度は油温度より十分に高くする方法が採られる例えば、始業時では、初期油温が大気温度に一致する常温となっているため、油の適正温度である180度まで昇温させようとする場合、ヒータ温度を300度程度の高温で加熱する。このため、油温とヒータ表面温度の差があまりに大きくなり、油の酸化や炭化が促進され、調理用油が劣化して新規油への交換頻度が高くなってしまう問題があった。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に着目し、小型で使用油の量も少なくすることができる油揚げ機を提供することを目的としている。また、揚げカスがヒータにより加熱されることなく、これに伴う発煙の発生や油の炭化も防止でき得るようにした油揚げ機を提供することを目的とする。加えて、揚げカスを簡単に取り出すことのできる構造とした油揚げ機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明に係る油揚げ機は、調理用油が流通可能となっている二槽構造の油槽を有し、一方を深さが浅く平面面積の大きい調理槽とし、他方を相対的に深さが深く平面面積の小さい加熱槽としてなり、前記加熱槽に配設されたヒータにより加熱された調理用油を調理槽に循環流通可能とした。
【0009】この場合において、前記調理槽の底部に傾斜を付し、傾斜端に揚カス取り籠を装着可能な籠収容部を設けるようにすればよい。また、前記調理槽の底部を冷却するフィンを設けるようにできる。更に、前記調理槽から加熱槽への油循環経路を両槽の境界壁面部に形成すればよい。前記調理槽の傾斜底部と前記加熱槽の底部とを接続する油循環経路を設け、当該油循環経路には水・油分離手段とフィルタを介在させて強制循環可能とすればよい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る油揚げ機の具体的実施の形態を、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図1〜図2は実施形態に係る油揚げ機10を示している。これらの図に示しているように、当該油揚げ機10は二槽構造の油槽14を有し、その一方を深さが浅く平面面積の大きい調理槽16とし、他方を相対的に深さが深く平面面積の小さい加熱槽18として、両槽が境界壁を挟んで接合されたもので、境界壁を通じて調理用油12が流通可能にしてなる逆L字形状の形態をなしている。そして、油槽14内の調理用油12は、前記加熱槽18内に配設されたヒータユニット20により加熱されながら調理槽16に循環流通可能としてなるものである。
【0011】すなわち、油槽14は、食材調理をなす専用の調理槽16と、調理用油12を適正温度に過熱するための加熱槽18とに分離して形成されている。前記調理槽16は、上部を矩形に開口させ底部に緩傾斜のテーパを付しており、食材を揚げるのに必要な分の深さに設定された浅いホッパ容器形状となっている。一方、調理用油12を加熱する加熱槽18は、調理槽16との間で調理用油12が通流できるように連続した槽構造とされ、実施形態では矩形開口の1辺に連接した容器として形成され、調理用油12を例えば180℃の温度まで昇温させて調理槽16に供給し、揚げ物の調理により温度の下がった油を取り込んで適正温度まで昇温させる。
【0012】加熱手段としては、ヒータユニット20が用いられ、これは直接的な加熱源となるヒータ本体22とこれを鋳包む保熱体24とからなる鋳込みヒータ26を加熱槽18中に複数配列したユニットとして構成されている。ヒータ本体22は内部に電熱体が装着されたヒータ管であり、保熱体24はアルミ材により形成されている中実のブロックであるヒータ本体22を鋳型の中に配置し、その周囲にアルミ材を流し込んで鋳包むようにし、もって一体的に成型することにより、肉厚帯板状の鋳込みヒータ26が形成されるこのようにして表面積を増大させるように形成された鋳込みヒータ26の複数を油槽12の内部に平行となるように横断配置しており、これによってルーバフィン状にされたヒータユニット20が形成されることになる。そして、加熱槽18の横断面において、ヒータユニット20の占める断面積と、鋳込みヒータ26の間に形成される調理用油14の流通隙間の面積とがほぼ等しくなるように設定され、望ましくは、油流通隙間の総断面積がヒータユニット20の断面積より小さくなるようにして加熱効率を高くすることが望ましい。
【0013】実施形態では、ヒータユニット20が内挿される加熱槽18は、調理槽16に比較して、相対的に深さが深く平面面積が小さくなるように構成されている。すなわち、前記調理槽16を90度転回した状態に近い形態をしており、これに内挿される鋳込みヒータ26の短辺が水平に、長辺が垂直にした状態で収容できるようにして、調理用油12が鋳込みヒータ26に接触する時間が長くなるようにしている。
【0014】当該実施形態に係る油揚げ機10では、前記調理槽16と加熱槽18との間で油が循環するように油循環経路28を両槽の境界壁面部に形成している。これは、図示のように、境界壁面部をパンチングメタルによって形成された槽仕切り板30によって形成しており、槽間を分離しつつ調理用油12の通流を確保している。そして、槽仕切り板30の油面から中段高さ位置に上下仕切り部材32を設け、槽間通流口を上下に分別形成している。上部の開口は加熱槽18から加熱された油を流入させる流入口34であり、下部の開口は調理槽16の底側から温度降下した調理用油12を排出させ加熱槽18に導入する流出口36である。調理槽16から加熱槽18に温度降下した調理用油12を導入する際には、油が加熱槽18の底部から導入されるように規制ガイド板38が設けられており、加熱槽18の内部にて、調理槽16寄りの壁際に沿って加熱槽18の下部側に連通する流路を設けており、これを循環経路28としているのである。これにより、調理槽16の内部で温度の低い調理用油12は流出口36から流出し、循環経路28を経て加熱槽18の下部に導入され、ここでユニットヒータ20にて加熱されて上昇し、上部の流入口から再度加熱槽16内に導入され、常時設定温度に保持される。
【0015】なお、この実施形態では、前記鋳込みヒータ26の温度検出手段としてのセンサ46を備え、当該温度センサ46により検知された温度により調理用油12の温度管理を行うようにしているこれにより、直接油の温度を計測せず、ヒータ温度が規定の温度、例えば油温度を180度に設定する場合には、ヒータ温度が180度もしくはそれより若干高い温度となるように調整することで、油との温度差を大きくすることが無く、油を過熱状態にして炭化させるようなことがなくなる。
【0016】また、実施形態に係る油揚げ機10の調理槽16は上部を開口させ底部に緩傾斜のテーパを付した底の浅いホッパ容器形状とされ、傾斜下端部に油の抽出口40を形成し、調理槽16内の油を抽出して、使用した調理用油から揚げカスなどを取り除き、清浄化する場合に用いるようにしている。このため、抽出口40には開閉バルブ42が設けられ、これを操作することで、日毎の油のろ過処理を行うようにしている。同様に、加熱槽18の下部にも油抜き用の抽出口44が設けられている。
【0017】更に、当該実施形態に係る油揚げ機10における調理槽16の底部外面には冷却フィン48を形成し、ここで、調理槽16の外面温度が異常に高くなることを防止している。なお、図1において、50は揚げカス取り網であり、パンチングメタルから構成されている。
【0018】このように構成された油揚げ機10では、ヒータユニット20を内挿する加熱領域を一つの槽として、調理用に専用化された調理槽16と分離し、加熱槽18を調理槽16の一辺側に配置するようにしているので、槽内の全体容積を小さくすることができる。これにより調理用油12の使用量を大幅に低減することができるものとなる。調理用油12は加熱槽18の内部に密に配設された縦長のヒータユニット20の隙間を通って上昇され、調理槽16の上部側から槽内に導入される。ヒータユニット20を構成している鋳込みヒータ26は、アルミからなる保熱体24により加熱され、しかも縦長のヒータ側面を接触しながら上昇する過程で加熱されるので、伝熱効率が高く、しかも、温度管理はヒータ温度を検出して行わるので、油の加熱温度に相当する温度に等しく設定することができる。すなわち、ヒータ温度を油温度と大幅に異なる高い温度以上にする必要がない。これによって、油とヒータとの温度差を小さくすることができ、油の炭化や酸化を抑制することができる。
【0019】実施形態に係る油揚げ機10では、加熱槽18にて調理用油12を加熱する構成とし、加熱油を調理槽16に上部側の流入口34から導入するようにしているので、調理用油の温度差により調理用油12は二つの槽16,18を循環することになる。これによってヒータ温度で管理されながら、調理用油は、常時適正温度になるように制御されつつ、調理槽16と加熱槽18とを循環することになる。積極的に強制循環を行いたい場合には、ポンプなどの圧送手段を循環経路におけばよい。
【0020】このように本実施形態では、図2に示しているように、本来調理槽16に横置きで配置されるヒータユニット20(図2想像線)を、油は流通するが調理槽16とは別に形成した加熱槽18に対し、縦置き状態で収容されるように構成したものである。このため、ヒータユニット20を含む加熱部分が調理槽16と分離されるので、安全性が格段に向上する。しかも、加熱槽18を分別した構成としたので、調理用油12の使用量が大幅に削減され、低コストで高効率の油揚げ機10とすることができる。また、揚げカスが発生しても、これが加熱部分には入り込まないので、揚げカスが焼けるようなこともなくなる。
【0021】図3は第2の実施形態に係る油揚げ機10Aを示す概略断面図である。この第2の実施形態に係る油揚げ機10Aは、調理用油12の循環経路に水・油分離手段52とフィルタ54を介在させて強制循環させるようにしたものである。
【0022】この第2の実施形態に係る油揚げ機10Aでは、前記調理槽16の底部傾斜端に揚カス取り網50を装着可能な網収容部58を設けている。この網収用部58は揚げカスの落し込み凹部であり、傾斜底部に沿って下ってくる揚げカスを落し込み揚げカス取り網50にて捕集する。調理作業の途中や終業時に網ごと取り出すことにより揚げカスを除くことができる。
【0023】前記網収用部58は水・油分離手段52に接続されている。水・油分離手段52は調理槽16からの網収用部58を通じて排出される調理用油12を受け取る枡容器であり、出口にバルブ60を設けて構成されている食材が調理され、これに含まれている水分が低温の油により凝固されて水となる。この水は揚げカス取り網50を通過して、通常は調理用油12で満たされている枡容器としての水・油分離手段52に微細な揚げカスと共に回収され、比重差により水は下部に保持される。適宜バルブ60を開放することにより、水のみを取り除くことができる【0024】調理槽16の底部から水・油分離手段52にて水分を分離した調理用油12を回収し、多孔質フィルタ54を通して浄化し、その後に加熱槽18に戻す油循環路28が設けられている。多孔質フィルタ54は活性炭などの多孔質の炭化材料から構成され、調理中の油に食材から添加されてしまう臭いや混入物を取り除き、劣化を抑制するようにしている多孔質フィルタ54の出口側には吸引ポンプ62を設け、調理槽16から調理用油12を強制的に吸引してフィルタ54に通すようにしている【0025】なお、多孔質フィルタ54は使用初期において内部残留空気があるために、油を循環させ始めると、この空気が調理用油12に放出されて泡立ちが発生する。このため、図3に示すように、ガス抜きパイプ64を設け、これを油面に接触しないように油槽14の上部に向けて流すようにしている。また、吸引ポンプ62のバイパス管66が設けられ、加熱槽18における加熱処理によってポンピング作用が発揮されれば、吸引ポンプ62を停止できるようにしている。
【0026】このような第2の実施形態によれば、特に食材から出る水分を適正に取り除いた後、調理油中に残存する微細な揚げカスも多孔質フィルタ54により確実に除去され、クリーンな状態で加熱槽18に戻される。したがって、加熱槽18では揚げカスを含む調理油12を加熱することがなくなり、油の炭化や酸化を適正に抑制することができるのである。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、調理用油が流通可能にしてなる二槽構造の油槽を有し、一方を深さが浅く平面面積の大きい調理槽とし、他方を相対的に深さが深く平面面積の小さい加熱槽としてなり、前記加熱槽に配設されたヒータにより加熱された調理用油を調理槽に循環流通可能としたので、小型で使用油の量も少なくすることができ、揚げカスがヒータにより加熱されることなく、これに伴う発煙の発生や油の炭化も防止できる油揚げ機とすることができるという効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】596021241
【氏名又は名称】柴崎 邦雄
【出願日】 平成14年4月23日(2002.4.23)
【代理人】 【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一 (外1名)
【公開番号】 特開2003−310449(P2003−310449A)
【公開日】 平成15年11月5日(2003.11.5)
【出願番号】 特願2002−120415(P2002−120415)