| 【発明の名称】 |
コンベア加熱装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】川村 泰三 【住所又は居所】大阪府茨木市美沢町19番21号 株式会社瀬田技研内
【氏名】内堀 義隆 【住所又は居所】大阪府茨木市美沢町19番21号 株式会社瀬田技研内
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| 【要約】 |
【課題】簡易な構成で、過熱蒸気により発生した結露水を排出することができる。
【解決手段】コンベア加熱装置1は、食品類Fを載せて走行駆動される流体透過性のコンベア4と、このコンベア4の走行経路中に配置される缶体5と、この缶体5内に設けられ、前記コンベア4が載り、下方から過熱蒸気を吹き出す下吹き出し孔7aを有する下側板7と、前記缶体5内に設けられ、前記コンベア4に向けて上方から過熱蒸気を吹き出す上吹き出し部8を備えてなる。この下側板7の上に生じる凝縮流体の缶体5外への排出手段として、蓋体10の下方に向かうスリット10aを設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 食品類等を載せて走行駆動される流体透過性のコンベアと、このコンベアの走行経路中に配置される缶体と、この缶体内に設けられ、前記コンベアが載り、下方から過熱蒸気を吹き出す下吹き出し孔を有する下側板と、前記缶体内に設けられ、前記コンベアに向けて上方から過熱蒸気を吹き出す上吹き出し部と、前記下側板の上に生じる凝縮流体の前記缶体外への排出手段と、備えてなるコンベア加熱装置。 【請求項2】 前記排出手段は、前記下側板の傾斜部分と、前記傾斜部分の底に連通し、前記缶体外に向かう排出路とからなる請求項1に記載のコンベア加熱装置。 【請求項3】 前記缶体は、前記下側板に被されるように取付けられる蓋体を有し、前記排出路は、前記蓋体と前記下側板との隙間に設けられている請求項2に記載のコンベア加熱装置。 【請求項4】 食品類等を載せて走行駆動される流体透過性のコンベアと、このコンベアの走行経路中に配置される缶体と、この缶体内に設けられ、前記コンベアに向けて下方から過熱蒸気を吹き出す下吹き出し部と、前記缶体内に設けられ、前記コンベアに向けて上方から過熱蒸気を吹き出す上吹き出し部とを備え、前記下吹き出し部は、凝縮流体を受ける受け部を有し、この受け部から前記凝縮流体を前記缶体外に排出する通路を設けてなるコンベア加熱装置。 【請求項5】 食品類等を載せて走行駆動される流体透過性のコンベアと、このコンベアの走行経路中に配置される缶体と、この缶体内に設けられ、前記コンベアに向けて下方から過熱蒸気を吹き出す下吹き出し部と、前記缶体内に設けられ、前記コンベアに向けて上方から過熱蒸気を吹き出す上吹き出し部とを備え、前記コンベアの入口側の前記缶体内に、前記下吹き出し部につながるように凝縮水排出部を設けてなるコンベア加熱装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、空気が混じらない比較的高温の過熱水蒸気を用いてコンベア上の食品類等を加工処理するコンベア加熱装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、食品類等に加熱処理を施す装置として、コンベア加熱装置が提案されている。この装置は、例えば、食品類等を載せて走行駆動される流体透過性のコンベアと、このコンベアの走行経路中に配置される缶体とを備えて構成される。そして、この缶体内には、コンベアの上下側に、コンベアに向けて過熱蒸気を吹き出す吹き出し部が設けられている。 【0003】上記の構成において、先ず、上下の吹き出し部から過熱蒸気を吹き出させ、缶体内を過熱蒸気で充満させて非酸化雰囲気とする。そして、コンベアを駆動し、食品類等を缶体内に通過させる。そうすると、缶体内を通過した食品類等には、加熱処理が施されているのである。 【0004】上記のコンベア加熱装置において、過熱蒸気は一般に水を用いて製造される場合が多い。すると、コンベアや食品類等が結露点以下の冷えている状態で前記缶体内に導入されると、過熱蒸気により結露が発生し、缶体内においてこの結露水が滞留する場合がある。 【0005】コンベア加熱装置が小型のものであると、発生する結露水は少量であるため、装置の運転に伴い徐々に蒸発し、加熱処理への影響は小さい。しかし、コンベア加熱装置が大型のものであると、発生する結露水の量が多く、この結露水を蒸発させるためのエネルギーが必要となる。そのため、缶体内の温度上昇が鈍くなり、装置の運転開始時に所定温度まで缶体内を上昇させるのに必要以上に時間がかかってしまう。 【0006】そこで、上記の装置を運転し食品類等を缶体内に導入する前に、空気や窒素ガス等を用いて先に装置を予め加熱する方法が考えられる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の方法であると、装置を加熱するための予熱機構が必要であり、装置全体が大掛りなものとなり、また、食品類等に加工を施す作動に加えて装置を予熱する作動が必要であり、装置が複雑化するという問題がある。 【0008】従って、本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、簡易な構成で、過熱蒸気により発生した結露水を排出することができるコンベア加熱装置を提供することを目的とするものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に記載のコンベア加熱装置は、食品類等を載せて走行駆動される流体透過性のコンベアと、このコンベアの走行経路中に配置される缶体と、この缶体内に設けられ、前記コンベアが載り、下方から過熱蒸気を吹き出す下吹き出し孔を有する下側板と、前記缶体内に設けられ、前記コンベアに向けて上方から過熱蒸気を吹き出す上吹き出し部と、前記下側板の上に生じる凝縮流体の前記缶体外への排出手段と、備えてなるものである。 【0010】上記の構成によると、下側板の上面に滞留する凝縮流体は、排出手段により缶体外へ排出される。そのため、凝縮水が発生しても缶体内にて蒸発するまで加熱されることなく、缶体内の温度に影響を与えることはない。 【0011】請求項2に記載のコンベア加熱装置は、請求項1において、前記排出手段は、前記下側板の傾斜部分と、前記傾斜部分の底に連通し、前記缶体外に向かう排出路とからなるものである。 【0012】上記の構成によると、下側面の上面に発生した凝縮流体は、傾斜方向に流下し、排出路から缶体外へと排出される。また、コンベアの幅方向が広い場合、下側板を山形に曲げ加工を施すことで、凝縮流体の流下距離を短くすることができる。更に、複数の山形加工とすれば、一層流下距離を短くすることができる。 【0013】請求項3に記載のコンベア加熱装置は、請求項2において、前記缶体は、前記下側板に被されるように取付けられる蓋体を有し、前記排出路は、前記蓋体と前記下側板との間の隙間に設けられているものである。 【0014】上記の構成によると、凝縮流体は蓋体と前記下側板との間の隙間に誘導されて、缶体外へと排出される。そのため、凝縮水が発生しても、缶体内の温度に影響を与えることはない。 【0015】請求項4に記載のコンベア加熱装置は、食品類等を載せて走行駆動される流体透過性のコンベアと、このコンベアの走行経路中に配置される缶体と、この缶体内に設けられ、前記コンベアに向けて下方から過熱蒸気を吹き出す下吹き出し部と、前記缶体内に設けられ、前記コンベアに向けて上方から過熱蒸気を吹き出す上吹き出し部とを備え、前記下吹き出し部は、凝縮流体を受ける受け部を有し、この受け部から前記凝縮流体を前記缶体外に排出する通路を設けてなるものである。 【0016】上記の構成によると、凝縮流体は、受け部にて受けられ通路を通って缶体外へと排出される。そのため、凝縮水が発生しても、缶体内の温度に影響を与えることはない。なお、受け部は、下吹き出し部全体に渡るものでなくてもよく、凝縮水が発生するであろう部分のみに設けられてもよい。 【0017】請求項5に記載のコンベア加熱装置は、食品類等を載せて走行駆動される流体透過性のコンベアと、このコンベアの走行経路中に配置される缶体と、この缶体内に設けられ、前記コンベアに向けて下方から過熱蒸気を吹き出す下吹き出し部と、前記缶体内に設けられ、前記コンベアに向けて上方から過熱蒸気を吹き出す上吹き出し部とを備え、前記コンベアの入口側の前記缶体内に、前記下吹き出し部につながるように凝縮水排出部を設けてなるものである。 【0018】上記の構成によると、装置の入口部付近にて、凝縮流体が排出される。そのため、凝縮水が発生しても、缶体内の温度に影響を与えることはない。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係るコンベア加熱装置の機器構成図である。 【0020】図1において、コンベア加熱装置1は、過熱水蒸気発生用の第1発生部2と、水蒸気発生用の第2発生部3と、コンベア4と、缶体5と、下吹き出し部6と、上吹き出し部9と、制御部11とを備えてなる。 【0021】コンベア4は、ステンレス線材で網目を形成し、エンドレスの帯状にしたものである。網目の上に食品類Fが直接又は間接に載ることができ、流体透過性の網目を通して蒸気が上下方向に通過することができる。このコンベア4は、駆動ローラ51と従動ローラ52の間で掛け渡されている。駆動ローラ51は、モータ54及び減速機53を介して駆動される。従動ローラ52はテンショナー55で軸方向に移動可能であり、コンベア4に所定の張力を付与する。 【0022】缶体5は、コンベア4の走行経路中に配置されており、コンベア4を上下方向から覆う箱体に形成されている。そして、缶体5のコンベア4が入る側の端には、コンベア4に載った食品類Fが通過できる程度の開口となった入口部57が設けられ、コンベア4が出る側の端には、コンベア4に載った食品類Fが通過できる程度の開口となった出口部58が設けられている。この入口部57及び出口部58には、短冊状に切り刻まれて垂下するアルミ箔又はステンレス箔によるフレキシブルなカーテン59、60が取り付けられている。食品類Fは、カーテン59、60を押し上げて通過可能である。 【0023】缶体5内のコンベア4の下側に位置する下吹き出し部6は、コンベア4が載り、上方に向けて過熱蒸気を吹き出す下吹き出し孔7aを多数有する下側板7を備える。下側の下吹き出し孔7aは、コンベア4の長さ方向とコンベア4の幅方向とに分散して設けられており、食品類Fの下面にコンベア4の網目を介して過熱蒸気を直接吹きつけることができる。 【0024】缶体5内のコンベア4の上側に位置する上吹き出し部8は、下方に向けて過熱蒸気を吹き出す上吹き出し孔9aを多数有する上側板9を備える。上吹き出し孔9aも、コンベア4の長さ方向とコンベア4の幅方向とに分散して設けられており、コンベア4の上の食品類Fの上面に過熱蒸気を直接吹きつけることができる。 【0025】缶体5の側面の一方には、開閉自在な蓋体10が取り付けられている。この蓋体10を開けると、下側板7と上側板9に囲われた処理空間Sが開放状態になる。この蓋体10の下方に、空間Sから外側に向かうスリット10aが設けられている。下側板7の上に溜まった凝縮水等の流体は、このスリット10aを経て缶体5の外へと排出される。このスリット10aは、蓋体10又は缶体5の側に設けられたパッキンのスリットとして形成することができる。このスリット10aは、下側板7の上に生じる凝縮流体等の缶体外への排出手段を構成する。蓋体10のスリット10aを経て缶体5の内部に溜まる凝縮水を缶体5の外側に排出することができる。その結果、運転開始時までの立ち上げ時間や予熱時間を早めることができる。また、缶体5内の温度分布を均一に保つことが可能になる。 【0026】図2に示されるように、下側板7のコンベア幅方向を蓋体10の側に向けた下り勾配になる傾斜部とすることが好ましい。下側板7の上で発生した凝縮水等の流体は蓋体10に向かって排出される。この傾斜部(傾斜部分)は、スリット10aと共に下側板7の上に生じる凝縮流体等の缶体外への排出手段を構成する。 【0027】図1(b)示されるように、下側板7のコンベア走行方向を蓋体10に向けた下り勾配になる傾斜部とすることが好ましい。更に、下側板7のコンベア幅方向に、蓋体10のスリット10aに向かう排出用の溝7bを形成することが好ましい。下側板7の上で発生した凝縮水等の流体は溝7bに集められ、蓋体10のスリット10aに向かって排出される。この排出用溝7b(排出路)は、傾斜部(傾斜部分)とスリット10aと共に下側板7の上に生じる凝縮流体等の缶体外への排出手段を構成する。このように傾斜部を設けると、下側板7に凝縮水が溜まることなく、缶体5の外へと速やかに誘導することができる。 【0028】図3は、他の排出手段の例を示す。下側板71は、コンベア幅方向の中央から両側に向かって第一傾斜部分71aと第二傾斜部分71bとを有する。下側板71の両側の端にコンベア走行方向に延在し、缶体5の外へと連通する排出溝(排出路)71c,71dが形成されている。下側板71の上で発生した凝縮水等の流体は傾斜部分71a,71bを経て排出溝71c,71dに至り、排出溝71c,71dを経て缶体5の外へ排出される。この傾斜部分71a,71bと排出溝71c,71dとが、下側板71の上に生じる凝縮流体等の缶体外への排出手段を構成する。このように両側に傾斜部分を形成すると、下側板71のより短い距離で凝縮水を流すことができる。 【0029】図4は、更に他の排出手段の例を示す。下側板81は、コンベア幅方向に山谷を形成する傾斜部分81aの組み合わせとなっている。そして谷に相当する部分に孔81bが設けられている。この孔81aは、コンベア走行方向に適宜間隔で設けられる。そして、孔81aのそれぞれに連通し、缶体5の外側に向かう排出管路82が形成されている。下側板81の上で発生した凝縮水等の流体は傾斜部分81aを経て孔81bに至り、排出管路81bを経て缶体5の外へ排出される。この傾斜部分81aと、孔81bと、排出管路81bとが、下側板81の上に生じる凝縮流体等の缶体外への排出手段を構成する。このように山谷を形成すると、下側板81のより短い距離で凝縮水等を流すことができる。 【0030】図5は、更に他の排出手段の例を示す。缶体31は、下側板32を上面に有する缶体下部33と、下側板32の上側から被されるように、缶体下部33に長手方向にスライド可能に取付けられた蓋体34とを有する。この下側板32は、下吹き出し孔32aを有しており、コンベア4の幅方向に中央部を山部として両側に向かって傾斜するように形成されている。そして、缶体31内の空間Sの上部には、上方からコンベア4に向かって過熱蒸気を吹き出すことができるパイプ状の上吹き出し部35が、コンベア4の長手方向に設けられている。このような構成で、下側板32の上で発生した凝縮水等の流体は、コンベア4の幅方向両側に向かって流下し、蓋体34と下側板32との間の隙間から排出される。この下側板32の傾斜部分と、蓋体34と下側32との間の隙間とが、下側板32の上に生じる凝縮流体等の缶体31外への排出手段を構成する。 【0031】図6は、他の形式の下吹き出し部91の構成を示す。下吹き出し部91は、断面において、上折れ曲がり部92aと、傾斜部92bと、下折れ曲がり部92c(受け部)とを有する支持板92の多数を所定間隔で列設して形成される。この支持板92はコンベアの幅方向の一方に向かって傾斜していることが好ましい。また、下折れ曲がり部92c(受け部)の多数を連通させ、缶体5の外側に向かう排出管路93が設けられている。 【0032】コンベア4は、支持板92の上折れ曲がり部92aで支えられ、支持板92の傾斜部92b同士の間を経て過熱蒸気が上方に流れる。また、コンベア4の上などで発生した凝縮水等の流体は傾斜部92bを経て下折れ曲がり部92c(受け部)に集められ、排出管路93を経て排出される。下吹き出し部91の下折れ曲がり部92c(受け部)の多数が凝縮流体等を受ける受け部を構成し、排出管路93が凝縮流体などを缶体5の外に排出する通路を構成する。このように下吹き出し部91を、下折れ曲がり部92c(受け部)と上折れ曲がり部92aとを有するものにすると、過熱蒸気の吹き出し部分と、凝縮水等を集める部分とが分離して、凝縮水等を排出することができる。なお、この下折れ曲がり部92c(受け部)は、図6に示すように、コンベア4の長手方向に缶体5の全体に渡るものでなくてもよく、凝縮水が発生するであろう部分のみに設けられるものであってもよい。 【0033】図7は、更に他の形式の下吹き出し部6′の構成を示す。下吹き出し部6′は、上吹き出し部8に比較して、コンベア4の入口側で短くなっている。この部分に、凝縮水集合部100が形成されている。この凝縮水集合部100は、下側板7′に連続する支持板101を有する缶体5の一部として形成されている。支持板101には、凝縮水等を下方に滴下させる孔101aが設けられている。この支持板101は、例えば金網、ラス板のようなものであってもよい。支持板101を介して集められた凝縮水等は排出路101bを経て缶体5の外に排出される。なお、図6の下吹き出し部6′に、図1乃至図4に説明した排出手段を設けることもできる。このように、入口側に凝縮水集合部100を設けると、加熱前の食品類等に対して発生する凝縮水等を集中的に排出することができる。 【0034】また、図8に示すように、図7に示した下吹き出し部6´の構成において、凝縮水集合部100が設けられず、コンベア4の入口側の部分を凝縮水排出部102とされてもよい。この部分において、コンベア4の下部は開放されており、発生した凝縮水は、コンベア4の網目から排出される。 【0035】以上に述べた実施形態のいずれでも、下吹き出し部に溜まる凝縮水を速やかに缶体の外に排出することができる。その結果、運転開始時までの立ち上げ時間や予熱時間を早めることができる。また、缶体内の温度分布を均一に保つことが可能になる。 【0036】つぎに、過熱蒸気発生に関する部分を以下に説明する。図1において、上下吹き出し部6・8に対して、過熱水蒸気の第1発生部2と、水蒸気の第2発生部3とは直列に接続されている。第1発生部2からの過熱蒸気は、流量調整用の電磁弁21を経て下吹き出し部6に至るラインと、流量調整用の電磁弁22を経て上吹き出し部9に至るラインとの分岐して供給される。また、上下吹き出し部6・8を前半部と後半部の様にコンベア4の長手方向に2部分以上とし、各部分ごとに流量調整用の電磁弁を介して過熱蒸気の供給量を調整し、低温、高温、中温の様に各部分の温度を変える構成とすることが好ましい。 【0037】制御部11は、缶体5内の適所に配設された温度センサからの入力を受け、第1発生部2に対して電磁誘導加熱による過熱水蒸気の温度制御を行い、第2発生部3に対して水蒸気発生量の制御を行うように構成されている。これにより、所定温度で所定量の過熱水蒸気が缶体5内に送り込まれる。また、缶体5内をコンベア4の長手方向に2以上の部分に分割した場合、各部分ごとに水蒸気発生量と過熱蒸気温度の制御を行うことが望ましい。 【0038】また、上下吹き出し部6・8とコンベア4との間隔を、入口側で大きくし、出口側で小さくすることにより、全体として出口側から入口側へ向かう蒸気の流れを形成し、入口側での急速加熱を行うことができる。 【0039】また、上下の吹き出し部6・7の上下の吹き出し口の配列ピッチを、入口側で密にし、出口側で粗にすることにより、全体として出口側から入口側へ向かう蒸気の流れを形成し、入口側での急速加熱を行うことができる。 【0040】第1発生部2は、垂直上向きのパイプ部材内に積層構造体12を収納し、パイプ部材に励磁コイル13を巻回した電磁誘導加熱部に構成されている。パイプ部材は耐熱性、耐蝕性及び耐圧性に優れたセラミック等の非磁性材料によりパイプ状に形成されたものである。パイプ部材内に収納された積層構造体12は、前記励磁コイル13により発生する磁界変化により発熱する金属等の導電性材料により多数の小通路を形成したものである。 【0041】第2発生部3は、第1発生部2と同じものが用いることが好ましいが、水を水蒸気にするためのものであればよく、周知のボイラなども使用できる。 【0042】図9及び図10は、第1発生部2の電磁誘導加熱部において用いられる積層体構造体を示す。図9の如くジグザグの山型に折り曲げられた第1金属板531と平たい第2金属板532とを交互に積層し、全体として円筒状の積層体に形成したものである。この第1金属板531や第2金属板532の材質としては、SUS447J1の如きマルテンサイト系ステンレスが用いられる。 【0043】図9に示されるように、第1金属板531の山(又は谷)533は中心軸534に対して角度αだけ傾くように配設され、第2金属板532を挟んで隣り合う第1金属板531の山(又は谷)533は交差するように配設されている。そして、隣り合う第1金属板531における山(又は谷)533の交差点において、第1金属板531と第2金属板532がスポット溶接で溶着され、電気的に導通可能に接合されている。 【0044】結局、手前側の第1金属板531と第2金属板532との間には、角度αだけ傾いた第1小流路535が形成され、第2金属板532と奥側の第1金属板531との間には、角度−αだけ傾いた第2小流路536が形成され、この第1小流路535と第2小流路536は角度2×αで交差している。また、第1金属板531や第2金属板532の表面には、流体の乱流を生じさせるための第3小流路としての孔537が設けられている。さらに、第1金属板531や第2金属板532の表面は平滑ではなく、梨地加工又はエンボス加工によって微小な凹凸538が施されている。この凹凸538は山(又は谷)533の高さに比較して無視できる程度に小さい。 【0045】励磁コイル13に高周波電流を流して、積層構造体12に高周波磁界を作用させると、第1金属板531と第2金属板532の全体に渦電流が生じ、積層構造体12が発熱する。このときの温度分布は、第1金属板531と第2金属板532の長手方向に延びた目玉型となり、周辺部より中心部の方が発熱し、中央部を流れようとする水又は水蒸気の加熱に有利になっている。 【0046】また、図10に示すように、積層構造体12内には交差する第1小流路535と第2小流路536が形成され、周辺と中央との拡散が行われ、加えて第3小通路を形成する孔537の存在によって、第1小流路535と第2小流路536間の厚み方向の拡散も行われる。したがって、これらの小流路535・536・537によって積層構造体12の全体にわたる水又は水蒸気のマクロ的な分散、放散、揮散が生じる。加えて、表面の微小な凹凸538によってミクロ的な拡散、放散、揮散も生じる。その結果、積層構造体12を通過する水又は水蒸気は略均一な流れになって、第1金属板531及び第2金属板532と流体との均一な接触機会が得られる。その結果水又は水蒸気の均一な加熱が確保される。 【0047】ところで、金属板531・532の厚みが30ミクロン以上1mm以下であり、高周波電流発生器による高周波電流の周波数が15〜150KHzの範囲にあるものが好ましい。金属板の厚みが30ミクロン以上1mm以下であると、電力が入り易く、又伝熱面積を大きくとるための波形等の加工による小流路の確保が容易になる。また、使用する周波数が15KHz〜150KHzの範囲であると、励磁コイルの銅損や、スイッチング素子の損失を防止できる。特に、損失が少ない周波数帯としては、20〜70KHzである。また、積層構造体12の1立方センチメートル当たりの伝熱面積が、2.5平方センチメートル以上であるものが好ましい。積層構造体12の1立方センチメートル当たりの表面積が2.5平方センチメートル以上、より好ましくは5平方センチメートル以上になるように金属板を積層すると、熱交換の効率を上げることができる。また、積層構造体8の表面積1平方センチメートル当たりで加熱すべき流体量が、0.4立方センチメートル以下であるものが好ましい。積層構造体12の表面積1平方センチメートル当たりの流体量を0.4立方センチメートル以下、より好ましくは0.1立方センチメートル以下にすると、流体に対する伝熱の急速応答性が得られる。 【0048】上述した構造の積層構造体による加熱においては、電気エネルギーから熱エネルギーへの変換効率が極めて高いことが確認されている。例えば、100mm径、長さ200mm、表面積2.2〜6.2m2の積層構造体12を用いた場合、流体の膜厚(1cm3当たりの水膜量)が0.5〜0.2mmと極めて薄膜状であり、積層構造体12を構成する金属板531・532も薄いため、温度差も極めて小さく、熱伝達を素早く促進できる。したがって、特に第2電磁誘導加熱部3がコンパクトであっても、大量の過熱水蒸気を発生させることが可能になる。また、積層構造体には高電流が複雑に流れるとともに、磁力線も複雑に通っている。この状態の積層構造体の広大な面積に過熱水蒸気が触れることで熱交換されるため、純粋なる過熱水蒸気ではなく、イオン化又は磁化され、食品に対する活性力が高まった過熱水蒸気になっていると想定される。 【0049】このようにして得られた過熱水蒸気を缶体5内に導入する。缶体5内に充満した過熱水蒸気により、缶体5内の空気が追い出され、過熱水蒸気だけで空気が存在しない状態になる。また、缶体5内は外気は入らないものの、内部の過熱水蒸気が僅かに漏れる程度の構造になっているため、大気圧付近での作動になる。 【0050】上述したコンベア加熱装置1による食品類Fの加工方法を説明する。先ず、コンベア加熱装置1は、下吹き出し部6及び上吹き出し部8から過熱蒸気が缶体5内に供給され、所定温度に設定される。 【0051】食品類Fはコンベア4の駆動側から繋ぎのコンベア又はロボットアームを介して供給される。コンベア4に載った食品類Fは、入口部57を経て缶体5内に導入される。 【0052】缶体5内のコンベア4の上下方向から、所定温度の過熱蒸気が長手方向に途切れることなく供給されている。そのため、食品類Fは搬送途中に順次加熱される。表面が100℃以下であると、過熱蒸気は表面に凝縮し、大量の凝縮熱を放出する。凝縮水は表面より流れ落ち、そこに再び蒸気が凝縮するので、過熱蒸気からの熱量補給が絶え間なく行われる。 【0053】食品類Fの表面が100°C以上になると、過熱蒸気からの直接の熱伝達と輻射熱の加熱だけになる。表面だけが100°C以上であって、表面から直ぐ下が100°C以内の場合、適宜の水付与装置からの局部的なシャワリングにより、食品類Fの表面温度を100°C以下に下げ、内外の温度の均一化を行う。この状態で、更に過熱蒸気を作用させると、表面の凝縮熱による急速加熱が行われる。この水付与装置25,26からの水のシャワリングを繰り返すことにより、食品類Fの内部加熱も急速に行われる。 【0054】缶体5内は過熱蒸気が充満しており、空気が存在しない状態であるため、食品類Fは酸化の作用を受けること無く、色調改善特性、味フレーバ改善特性、ドリップを少なくする収率改善特性、表面改質特性が効果的に行われる。そして、加熱処理された食品類Fは、缶体5の出口部58から搬出される。 【0055】以上で説明したように、コンベア加熱装置において、缶体内で結露水が発生しても、内部に滞留しないことが望まれる。結露水が発生し滞留すると、この結露水を蒸発させるために時間がかかり、缶体内を所定温度まで加熱するまでに時間がかかったり、缶体内の温度を維持するのに影響が生じてしまうからである。 【0056】この点、本実施形態のコンベア加熱装置1によると、主に缶体内の下側板に滞留する結露水を缶体外へと排出することができるため、缶体内の温度への影響が小さくてすむ。なお、本発明のコンベア加熱装置は、過熱蒸気による殺菌装置として使用することができる。 【0057】なお、加熱される食品類等が冷凍されたものであると、結露水のみでなく、解凍により生じる流水が排出されながら加熱されるので、効率がよく加熱処理が施される。また、排水性が向上するため、装置本体を洗浄する際に排水が効率よく行われ、洗浄性が改善される。また、本実施形態においては、食品類が加熱される場合について説明したが、加熱される対象は食品類と限定されるものではない。例えば、木材や、廃棄物等の、乾燥や体積収縮が求められるものに使用することが可能である。 【0058】 【発明の効果】以上示したように、本発明のコンベア加熱装置によれば、主に缶体内の下吹き出し部に滞留する結露水を缶体外へと排出することができるため、缶体内の温度への影響が小さくてすむ。その結果、運転開始時までの立ち上げ時間や予熱時間を早めることができる。また、缶体内の温度分布を均一に保つことが可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592086684 【氏名又は名称】株式会社瀬田技研 【住所又は居所】大阪府茨木市美沢町19番21号
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| 【出願日】 |
平成14年4月23日(2002.4.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089196 【弁理士】 【氏名又は名称】梶 良之
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| 【公開番号】 |
特開2003−310438(P2003−310438A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月5日(2003.11.5) |
| 【出願番号】 |
特願2002−120648(P2002−120648) |
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