| 【発明の名称】 |
保温釜 |
| 【発明者】 |
【氏名】酒井 昌治 【住所又は居所】新潟県加茂市大字後須田2570番地1 東芝ライフ・エンジニアリング株式会社新潟事業所内
【氏名】須藤 紀子 【住所又は居所】新潟県加茂市大字後須田2570番地1 東芝ライフ・エンジニアリング株式会社新潟事業所内
【氏名】諸田 博 【住所又は居所】新潟県加茂市大字後須田2570番地1 東芝ライフ・エンジニアリング株式会社新潟事業所内
【氏名】杉崎 俊英 【住所又は居所】新潟県加茂市大字後須田2570番地1 東芝ライフ・エンジニアリング株式会社新潟事業所内
【氏名】渡邊 卓也 【住所又は居所】新潟県加茂市大字後須田2570番地1 東芝ライフ・エンジニアリング株式会社新潟事業所内
【氏名】加藤 善光 【住所又は居所】新潟県加茂市大字後須田2570番地1 東芝ライフ・エンジニアリング株式会社新潟事業所内
【氏名】小林 静司 【住所又は居所】新潟県加茂市大字後須田2570番地1 東芝ライフ・エンジニアリング株式会社新潟事業所内
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| 【要約】 |
【課題】余計な温度検知手段を設けることなく、吹きこぼれや加熱不足を防止する。
【解決手段】沸騰が完了したときに加熱コイル16による鍋11への加熱を停止し、このときの温度センサ21における検知温度と、一定時間経過後の検知温度との温度差が、決められた値よりも大きければ、その後の鍋11への加熱を増加させる。逆に温度差が決められた値Ta,Tbよりも小さければ、その後の鍋11への加熱を停止若しくは減少させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鍋と、この鍋を発熱させる発熱手段と、前記鍋の温度を検知する温度検知手段と、制御する発熱制御手段とを具備し、前記発熱手段を停止し、このときの温度と一定時間後の温度差が大きければ増加させ、前記温度差が小さければ、加熱を停止若しくは減少させる構成としたことを特徴とする保温釜。 【請求項2】 鍋と、この鍋を発熱させる発熱手段と、前記鍋の温度を検知する温度検知手段と、制御する発熱制御手段とを具備し、前記発熱手段を停止し、温度の低下が決められた値以下になったら加熱を再開し、一定時間を越えると、加熱前と同じかそれよりも増加させる構成としたことを特徴とする保温釜。 【請求項3】 鍋と、この鍋を発熱させる発熱手段と、前記鍋の温度を検知する温度検知手段と、制御する発熱制御手段とを具備し、前記発熱手段を停止し、このときの温度と一定時間後の温度差が、温度帯のどこにあるのかで加熱を切替える構成としたことを特徴とする保温釜。 【請求項4】 鍋と、この鍋を発熱させる発熱手段と、前記鍋の温度を検知する温度検知手段と、制御する発熱制御手段とを具備し、前記発熱手段を停止し、温度の低下が決められた値以下になったら加熱を再開し、停止したときの温度と、一定時間後の温度差が、温度帯のどこにあるのかで加熱を切替える構成としたことを特徴とする保温釜。 【請求項5】 鍋と、この鍋を発熱させる発熱手段と、前記鍋の温度を検知する温度検知手段と、制御する発熱制御手段と、前記鍋を覆う蓋と、加熱する蓋加熱手段と、蓋制御手段とを具備し、前記発熱制御手段が大きな加熱パターンを選択する程、前記蓋制御手段は大きな加熱パターンを選択し、前記発熱制御手段が小さな加熱パターンを選択する程、前記蓋制御手段は小さな加熱パターンを選択する構成としたことを特徴とする保温釜。 【請求項6】 鍋と、発熱手段と、蓋と、加熱する蓋加熱手段と、電圧を検知する電圧検知手段と、電力が一定となるように制御する発熱制御手段と、蓋制御手段とを具備し、電圧が低くなると電流を増加させると共に加熱パターンを調整し、さらに前記発熱制御手段が大きな加熱パターンを選択する程、前記蓋制御手段は大きな加熱パターンを選択し、前記発熱制御手段が小さな加熱パターンを選択する程、前記蓋制御手段は小さな加熱パターンを選択する構成としたことを特徴とする保温釜。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、米や水を収容する鍋自体が発熱する保温釜に関し、特に鍋の温度検知手段を用いて沸騰検知の精度を高めることにより、吹きこぼれや米の加熱不足を防止して、ご飯をおいしく炊けるようにした保温釜に関する。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】従来この種の保温釜は、炊飯を開始すると鍋内の米を水でひたし、その後この水を100℃に沸騰させ、沸騰を所定時間(例えば20分)維持して米に付着している余分な水をとばし、自動的に保温に移行するようになっている。一方、近年は置き場所をとらないなどの理由から、保温釜の小型化が行なわれている。そのため、沸騰までは保温釜が持つ最大の加熱量で鍋への加熱を行なうものの、沸騰を検知したら鍋内の水が100℃を維持できる加熱量に鍋への加熱を抑制している。これは、最大加熱を行なうと吹きこぼれを起こしたりするからである。 【0003】しかし、IH(電磁誘導加熱)式の保温釜のように、鍋そのものが発熱する保温釜では、沸騰に達するまで最大加熱を行なうと、鍋の温度だけが高温になって、鍋の温度と鍋内の米の温度が異なって行くため、鍋に接した温度検知手段のみで沸騰などの温度検知を行なうと、鍋内の米に十分な加熱ができなかったり、鍋への加熱が強すぎて吹きこぼれたりする問題があった。 【0004】また、そのような問題を防ぐために、鍋の温度検知手段とは別に、鍋を覆う蓋に蓋温度検知手段を設け、この蓋温度検知手段により鍋内の被加熱物から発生する蒸気温度を検出して、沸騰検知を行なうものも知られている。しかし、蓋に余分な蓋温度検知手段を設けるため、製造コストが上昇する上に、開閉する蓋などの可動部に、蓋温度検知手段の配線を引き回さなければならないため、蓋温度検知手段の不具合や可動部にある配線の断線などで、故障が多くなる問題があった。 【0005】また、IH式の保温釜や保温ジャーは、鍋の温度検知手段だけでは、保温時において蓋の温度を一定に保つことはできず、蓋の温度が鍋内の飯温よりも低ければ、蓋に露が付着してご飯がベチャ付き、逆に蓋の温度が鍋内の飯温よりも高ければ、ご飯が乾燥する。これを防ぐために前述のような蓋温度検知手段を設けると、製造コストが上昇する上に、故障が多くなる問題が発生する。 【0006】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、発熱手段により鍋自体が発熱するものにあって、鍋の温度検知手段を用いてその温度検知精度を高めることで、余計な温度検知手段を設けることなく、吹きこぼれや加熱不足を防止しておいしいご飯を炊くことを、その第1の目的とする。 【0007】また、本発明の第2の目的は、鍋の温度検知手段を用いて蓋の温度を一定に保つことで、余計な温度検知手段を設けることなく、長時間おいしいご飯を保持することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の保温釜では、発熱手段による鍋への加熱を一時的に停止することで、その間に鍋の検知温度と、鍋に収容される米内部の温度とを均一にすることができ、その後の温度検知手段の温度検知精度が高くなる。また、温度検知手段の温度検知精度が高くなった分、安価で故障の少ない保温釜を提供できる。 【0009】また、炊飯量が多い場合などで、鍋と米内部との温度差が大きくなると、鍋への加熱を停止した時点での温度検知手段の検知温度と、一定時間後の検知温度との温度差が大きくなるが、その場合には、一定時間後の鍋への加熱を増加させて、米への加熱不足を防止する。逆に、炊飯量が少ない場合などで、鍋と米内部との温度差が小さくなると、鍋への加熱を停止した時点での温度検知手段の検知温度と、一定時間後の検知温度との温度差が小さくなるが、その場合には、一定時間後の鍋への加熱を停止若しくは減少させるので、吹きこぼれを防止することができる。 【0010】本発明の請求項2の保温釜では、炊飯量が多い場合などで、鍋と米内部との温度差が大きくなると、鍋への加熱を停止した時点での温度検知手段の検知温度と、一定時間後の検知温度との温度差が大きくなって、検知温度の低下率が大きくなるが、この時には鍋への加熱が一定時間継続するので、その間に鍋の検知温度と、鍋に収容される米内部の温度とを均一にすることができ、その後の温度検知手段の温度検知精度が高くなる。また、温度検知手段の温度検知精度が高くなった分、安価で故障の少ない保温釜を提供できる。さらにこの場合は、加熱前の加熱量と同じかそれよりも増加させて、鍋への加熱を再開するので、米への加熱不足を防止することができる。 【0011】逆に、炊飯量が少ない場合などで、鍋と米内部との温度差が小さくなると、鍋への加熱を停止した時点での温度検知手段の検知温度と、一定時間後の検知温度との温度差が小さくなるが、その場合には、検知温度の低下率が、決められた値以下になった時点で、すぐに鍋への加熱を再開するので、炊飯時間を短縮でき、しかも加熱停止を最小限に止めることができる。また加熱再開後は、加熱停止前よりも加熱量を小さくして鍋への加熱を再開するので、ふきこぼれを防止できる。 【0012】本発明の請求項3の保温釜では、発熱手段による鍋への加熱を一時的に停止することで、その間に鍋の検知温度と、鍋に収容される米内部の温度とを均一にすることができ、その後の温度検知手段の温度検知精度が高くなる。また、温度検知手段の温度検知精度が高くなった分、安価で故障の少ない保温釜を提供できる。さらに、鍋への加熱を停止した時点での温度検知手段の検知温度と、一定時間経過後の検知温度との温度差に応じて、その後の鍋への加熱量を最適なものとすることができ、米への加熱不足や吹きこぼれを防止できる。 【0013】本発明の請求項4の保温釜では、炊飯量が多い場合などで、鍋と米内部との温度差が大きくなると、鍋への加熱を停止した時点での温度検知手段の検知温度と、一定時間後の検知温度との温度差が大きくなって、検知温度の低下率が大きくなるが、この時には鍋への加熱が一定時間継続するので、その間に鍋の検知温度と、鍋に収容される米内部の温度とを均一にすることができ、その後の温度検知手段の温度検知精度が高くなる。また、温度検知手段の温度検知精度が高くなった分、安価で故障の少ない保温釜を提供できる。 【0014】さらに、鍋への加熱を停止した時点での温度検知手段の検知温度と、一定時間後の検知温度との温度差に応じて、その後の鍋への加熱量を最適なものとすることができ、米への加熱不足や吹きこぼれを防止できる。 【0015】逆に、炊飯量が少ない場合などで、鍋と米内部との温度差が小さくなると、鍋への加熱を停止した時点での温度検知手段の検知温度と、一定時間経過後の検知温度との温度差が小さくなるが、その場合には、検知温度の低下率が、決められた値以下になった時点で、すぐに鍋への加熱を再開するので、炊飯時間を短縮でき、しかも加熱停止を最小限に止めることができる。また加熱再開後は、加熱停止前よりも加熱量を小さくして鍋への加熱を再開するので、ふきこぼれを防止できる。 【0016】本発明の請求項5の保温釜では、保温時において、外気温や入力電圧などの影響を受けた場合でも、発熱制御手段が選択した加熱パターンに連動して、蓋制御手段は蓋体への加熱量が最適となる加熱パターンを選択するので、温度検知手段だけで、鍋に対する蓋体の温度をほぼ一定に保つことができる。そのため、長時間おいしいご飯を長時間保持することができる。 【0017】さらに、蓋体に別の温度検知手段を設ける必要がなくなり、この別の温度検知手段から配線された余計なリード線が故障したり、あるいは製造が困難になるなどの不具合を一掃でき、安価で故障の少ない保温釜を提供できる。 【0018】本発明の請求項6の保温釜では、発熱手段に通電される電力が一定となるように、電圧検知手段からの情報をもとに、発熱手段が調整される。したがって、入力電圧の変動に左右されず、炊飯時や保温時において同じ加熱量を鍋に与えることができる。 【0019】また、保温時において、外気温や入力電圧などの影響を受けた場合でも、発熱制御手段が選択した加熱パターンに連動して、蓋制御手段は蓋体への加熱量が最適となる加熱パターンを選択する。しかも、商用電源からの入力電圧に応じて、蓋制御手段は蓋加熱手段に対する加熱パターンの加熱量を最適に可変調整するので、温度検知手段だけで、入力電圧の変動に拘らず、鍋に対する蓋体の温度をより安定した状態でほぼ一定に保つことができる。そのため、発熱手段を調整するものでも、長時間おいしいご飯を長時間保持することができる。 【0020】さらに、蓋体に別の温度検知手段を設ける必要がなくなり、この別の温度検知手段から配線された余計なリード線が故障したり、あるいは製造が困難になるなどの不具合を一掃でき、安価で故障の少ない保温釜を提供できる。 【0021】 【発明の実施形態】以下、本発明における保温釜の一実施例について、図1〜図7を参照しながら説明する。 【0022】図1において、1は保温釜の外郭となる保温釜本体で、この保温釜本体1は、胴部を形成するほぼ筒状の外枠2と、この外枠2の下面開口部を覆って設けられた底板3とにより形成されている。保温釜本体1の上部には、その後部に位置する弾性部材としてのヒンジバネ4により開閉可能な蓋すなわち蓋体5が配設される。また、外枠2の上部内周部から一体に垂下させて形成されるほぼ筒状の鍋収容部6と、この鍋収容部6の下面開口を覆って設けられた内枠8とにより、後述する鍋11を収納する有底筒状で非磁性材料からなる外槽部9が形成される。 【0023】前記外槽部9内には、米や水などの被加熱理物を収容する有底筒状の内鍋すなわち鍋11が着脱自在に収容される。この鍋11は、熱伝導性のよいアルミニウムを主材料とした熱伝導部としての鍋本体12と、この鍋本体12の外面の側面下部から底面部にかけて接合され、磁性ステンレスや鋼板などの磁性材料からなる誘導発熱部としての発熱体13とにより構成される。鍋11の側面中央から上部に発熱体13を設けないのは、鍋11の軽量化を図るためである。また、鍋11の上端周囲には、その外周側に延出する円環状のフランジ部14が形成されている。 【0024】前記外槽部9の一部を構成する内枠8は、鍋11の発熱体13に対向して位置しているが、この内枠8の外面の発熱体13に対向する側面下部および底面部には、鍋11を電磁誘導により発熱させる発熱手段としての加熱コイル16が設けられている。加熱コイル16は、鍋11の発熱部からほぼ一定の距離を保つように配置されると共に、φ0.5mm以下の複数の素線にて形成される。加熱コイル16の下部には少なくとも3本以上のフェライト17が、鍋11の中心部から放射方向に配置されており、保温釜本体1の外部に磁気を漏らさないようにしている。そして、加熱コイル16に高周波電流を供給すると、加熱コイル16から発生する交番磁界によって鍋11の発熱体13が発熱し、鍋11ひいては鍋11内の水や米などの被調理物が加熱されるようになっている。 【0025】また、内枠8の底部中央部には、鍋11の底部外面と弾発的に接するように、鍋11の温度検知手段としての温度センサ21が配置され、鍋11の温度を検知するようになっている。この温度センサ21はサーミスタからなり、前記フェライト17と共に非磁性材料からなるフェライトカバー22にて押えられている。そして、フェライトカバー22を内枠8の底部に配置することにより前記加熱コイル16も押えられ、この加熱コイル16に電流が流れたときに、電流によって加熱コイル16が振動することを抑制している。なお、23は温度センサ21の近傍に設けられた温度ヒューズである。 【0026】ここで、フェライトカバー22とその周辺の構成を、図2および図3に基づき説明する。フェライトカバー22は、内枠8の外底面に形成した筒状壁部25を覆うカップ部26と、このカップ部26より内枠8の外底面に沿って放射状に延びる複数の腕部27とにより構成される。腕部27には、棒状のフェライト17が挿入され、かつ弾性を有する爪28を備えたフェライト挿入部29と、内枠8の外底面にあるネジ孔ボス30に対応して設けたネジ固定部31がそれぞれ形成される。また、内枠8の外底面には、前記カップ部26やネジ孔ボス30の他に、フェライト挿入部29に挿入されたフェライト17の高さを規定するための台座32が、各腕部27のフェライト挿入部29に対応してそれぞれ形成される。 【0027】そして、組立に際しては、フェライト17の基部をフェライト挿入部29の先端側から挿入すると、フェライト17に形成した突起18を乗り越えてフェライト挿入部29の爪28が弾性復帰する。これにより、フェライト挿入部29の爪28がフェライト17の突起18に係合して、フェライト17の抜けが防止されると同時に、フェライト17の突起18が爪28の弾性によって下方から押えられる。 【0028】次いで、予め加熱コイル16を内枠8の外底面に巻装し、かつ温度センサ21と温度ヒューズ23をそれぞれ内枠8に取り付けた状態で、内枠8の筒状壁部25にフェライトカバー22のカップ部26を被せるようにして、フェライト17を組み込んだフェライトカバー22を、内枠8の外底面に装着する。このとき、内枠8の外底面より突出する台座32が、フェライトカバ−22の弾性に抗してフェライト17を押すことにより、内枠8に対するフェライト17の相対位置、すなわちフェライト17の高さが固定される。また、フェライトカバー22を内枠8に装着すると、内枠8のネジ孔ボス30にフェライトカバー22のネジ固定部31が一致するので、ここにネジ34を挿入して締め込むと、ネジ34の締め代によってフェライトカバー22が加熱コイル16を押さえ付け、加熱コイル16がフェライトカバー22により固定されると共に、フェライト17もフェライトカバー22に固定される。さらに、フェライトカバー22のカップ部26が、筒状壁部25の内外にある温度センサ21や温度ヒューズ23を押さえ付けるので、これらの温度センサ21および温度ヒューズ23も、ネジ34の締め込みに伴なってフェライトカバー22に固定される。 【0029】こうして、単独の部品であるフェライトカバー22によって、フェライト17のみならず、加熱コイル16や、温度センサ21や、温度ヒューズ23も同時に固定することができるので、部品の削減を図ることができる。また、フェライト17の突起18とフェライトカバ−22の爪28との係合を解除するだけで、フェライト17単品をフェライトカバ−22のフェライト挿入部29から外すことができるため、フェライト17を再利用するリサイクル性が向上し、環境にやさしい製品を市場に提供できる。 【0030】再度図1に戻り、前記蓋体5は、その回転軸であるヒンジ軸35に巻装されたヒンジバネ4の力により開く方向へ付勢されている。また、外枠2の前部上側に設けられたフック36が、蓋体5の前部に係脱自在に係合することにより、ヒンジバネ4の付勢に抗して、蓋体5を閉じた状態に保持する。蓋体5の後部には、ヒンジバネ4の他にブレーキバネ37が設けられており、このブレーキバネ37の弾性力を利用して、蓋体5が緩やかに開くようになっている。 【0031】前記鍋11の上面開口部は、蓋体5を閉じたときに、その内側に設けられた内蓋組立39により閉塞されるようになっている。内蓋組立39は、清掃などの手入れがしやすいように、蓋体5の下面に着脱可能に設けられる。内蓋組立39の外側すなわち上側には、この内蓋組立39を外した時に視認できる例えばアルミニウムなどの放熱板40が配置される。放熱板40の外側すなわち上側には、この放熱板40ひいては鍋11の内側を加熱するための蓋加熱手段たる蓋ヒータ41が設けられており、この蓋ヒータ41から放熱板40を介して内蓋組立39を温め、かつ鍋11の内側を加熱する。 【0032】内蓋組立39は、例えばステンレスやアルミニウムなどの金属材料からなる内蓋43と、内蓋43の外周部に設けられ、鍋11の周囲をその弾性によりシールする蓋パッキン44と、内蓋組立39と蓋体5とを固定するためのパッキンベース45とにより構成される。内蓋43とパッキンベース45との固定は、ねじ,溶着若しくはカシメなどで、間隔は等間隔に固定される。また蓋パッキン44は、内蓋43とパッキンベース45の固定部とにより共に固定されるようになっている。 【0033】一方、蓋体5は、蓋体5の下面を形成する蓋下面材としての放熱板40の他に、上面外殻を形成する外蓋46と、これら外蓋46と放熱板40とを結合させて蓋体5の骨格を形成する外蓋カバー47とを主たる構成要素としている。蓋体5の上部には、鍋11内で発生した蒸気を外部へ放出するための蒸気口48が着脱可能に取り付けられている。 【0034】前記保温釜本体1の胴部をなす外枠2の前部には、使用者が直接指で触れることのできる操作部としての操作パネル51が設けられている。操作パネル41の内方には、炊飯や保温の加熱行程を制御する制御部品としてのマイクロコンピュータ(図示せず)などを搭載した制御基板52が設けられる。制御基板52にはマイクロコンピュータ以外に、LCDからなる表示器53と、複数の押釦式のスイッチ54と、炊飯,保温,予約炊飯などの行程を表示する発光素子としてのLED55などが、他の電子部品と共に半田付け接続される。表示器43は、マイクロコンピュータの時計機能を利用した現在時刻,炊上がり時刻,予約炊飯時刻をセグメント表示すると共に、選択した炊飯メニュー・コースを記号で指定するものであり、制御基板52のほぼ中央に配置される。またスイッチ54は、表示器53を取り囲むように制御基板52の周囲に配置される。 【0035】61は、前記制御基板52を保持するための保持部材であるユニットケースである。このユニットケース61は樹脂製で、外枠2の内部前方に取付け固定される。また制御基板52の下方には、この制御基板42とケーブル(図示せず)で電気的に接続しているインバータ回路62が設けられる。このインバータ回路62は、前記加熱コイルに高周波電流を供給するもので、加熱基板63上に複数の電子部品64を搭載して構成される。インバータ回路62は発熱する電気部品を搭載しているので、アルミニウムなどの熱伝導性の良好な放熱器65が、立設した加熱基板63の下側に発熱部品と熱的に接して設けられる。さらに、放熱器65からの熱を奪って冷却するための冷却ファン66が、底板3に設けた排気孔67に対向して、放熱器65の下方に設けられている。 【0036】上記インバータ回路62や冷却ファン66は、共通する樹脂製のケースすなわちユニットケース67に固定され、これにより冷却ファン66と放熱器65が一定距離を保って配置される。このインバータ回路62や冷却ファン66を搭載したユニットケース67は,底板3を保温釜本体1に固定したときに押えられ、保温釜本体1の内部に固定される構造になっている。その他、保温釜本体1の内部には、電源プラグ(図示せず)を巻き取るためのコードリール68が設けられる。また69は、外枠2の両側部を跨ぐように設けられた運搬用の回転可能なハンドルである。 【0037】次に、本実施例の保温釜における制御系統について、図4を参照しながら説明する。同図において、71はマイクロコンピュータなどからなる制御手段で、これは前記温度センサ21からの各温度情報に基づいて、炊飯時および保温時に鍋11を加熱する加熱コイル16と、蓋体5の加熱板40ひいては内蓋43を加熱する蓋ヒータ41とを各々制御するものである。制御手段71は、自身の記憶手段(図示せず)に記憶されたプログラムの制御シーケンス上の機能として、被加熱物の調理加熱を制御する調理制御手段を備えており、ここでは炊飯時に前記鍋11内の被加熱物を炊飯加熱する炊飯制御手段72と、保温時に鍋11内のご飯を所定の保温温度に保温加熱する保温制御手段73とをそれぞれ備えている。 【0038】75は、制御手段71からの制御信号を受けて、加熱コイル16に所定の高周波電流を供給する高周波インバータ回路などを内蔵した加熱コイル駆動手段である。またこれとは別に、制御手段71の出力側には、制御手段71からの制御信号を受けて、放熱板40や内蓋43を加熱するように蓋ヒータ41を駆動させる蓋ヒータ駆動手段76が設けられる。 【0039】また制御手段71は、前記炊飯制御手段72や保温制御手段73からの命令を受けて、加熱コイル16や蓋ヒータ41の動作を制御するために、温度センサ21からの検知情報により、蓋ヒータ41のオン・オフサイクルを調節する蓋ヒータ制御手段81と、同じく温度センサ21からの検知情報により、電磁誘導加熱を行なう加熱コイル16を断続通電する加熱コイル制御手段82とを備えている。さらに、本実施例では、商用電源から保温釜本体1の各電装部に入力される電圧を検知する電圧検知手段83を備え、この電圧検知手段83から情報に基づいて、加熱コイル16に通電される電力が一定となるように、加熱コイル制御手段82が加熱コイル16への電流を制御している。 【0040】次に、上記構成についてその作用を図5〜図7を参照しながら説明する。なお図5は、炊飯制御手段72が実行する炊飯の各工程と、それに対応した温度センサ21の検知温度Tの変化を示したものである。また図6は、炊飯時における動作手順をフローチャートで示したものである。さらに図7は、保温時における温度センサの検知温度Tと、加熱コイル16および蓋ヒータ41の各加熱パターンを、グラフで示したものである。 【0041】所定量の米と水を投入した鍋11を外槽部9に収納し、蓋体5を閉じて炊飯開始のスイッチ54を押すと、炊飯制御手段72は一連の炊飯工程の最初に一定時間のひたし工程C1を行なう。ひたし工程C1では、先ず加熱コイル16により所定の加熱量で決められた時間だけ鍋11を加熱し、その後は鍋11への加熱を停止して、鍋11内の米の吸水を促進させる。それと共に、炊飯制御手段72はこのひたし工程C1において、開始時における温度センサ21の検知温度と、一定時間が経過した後の温度センサ21の検知温度との温度差ΔT’に基づき、鍋11内の炊飯量を判定する。これは具体的には、温度差ΔT’が大きい程、鍋11内の熱容量ひいては炊飯量が小さいと判定し、温度差ΔT’が小さい程、鍋11内の熱容量ひいては炊飯量が大きいと判定するものである。 【0042】ひたし炊き工程C1が終了すると、鍋11内の水を約100℃にまで温度上昇させる加熱工程C2に移行する。この加熱工程C2における加熱コイル16から鍋11への加熱量は、ひたし炊き工程C1における炊飯量に応じて最適に設定される。すなわち、炊飯量が大量であると判定した場合、炊飯制御手段72は加熱コイル16で加えることのできる最大の加熱量を鍋11に与える。炊飯量が中量の場合は、最大の加熱量に対し90%、炊飯量が少量の場合は、最大の加熱量に対し50%を鍋11に与えるように、各々の加熱量が設定される。 【0043】そして、図6のステップS1に示すように、温度センサ21による鍋11の検知温度Tが所定の例えば90℃に達したら(T≧90℃)、所定時間tx当たりの検知温度Tの上昇度合Txを示す温度上昇率Rx(=Tx/tx)が、決められた値すなわち温度上昇率以下であれば、沸騰したと判断する沸騰検知工程C2aを開始する。このときの決められた温度上昇率は、ひたし炊き工程C1で判定した炊飯量に基づき設定される。具体的には、炊飯量が少量であると判定した場合は、tx=90秒間に検知温度Tの上昇度合Txが2℃以下になったとき、また炊飯量が大量であると判定した場合は、tx=210秒間に検知温度Tの上昇度合Txが2℃以下になったとき、さらにそれ以外の炊飯量が中量であると判定した場合は、tx=180秒間に検知温度Tの上昇度合Txが2℃以下になったときに、沸騰を検知したと判断する。すなわち、鍋11内の炊飯量が多い程、鍋11内の熱容量が多いので、沸騰を判断する上での検知温度Tの温度上昇率Rxは緩やかになり、逆に炊飯量が少ないほど、鍋11内の熱容量が多いので、沸騰を判断する上での検知温度Tの温度上昇率Rxは急になる。 【0044】こうして沸騰検知が終了すると、炊飯制御手段72は鍋11への加熱を一定時間(例えば60秒)停止し、この停止期間中における所定時間ty当たりの検知温度Tの低下度合Tyを示す検知温度Tの温度低下率Ry(=Ty/ty)を測定する。そして、図6のステップS2に示すように、一定時間内に温度低下率Ryが決められた値(例えば30秒当たり0.5℃)以下になったら、次の安定炊きあげ制御工程C3に移行する。 【0045】一方、前記温度低下率Ryが決められた値以下にならず、一定時間である60秒が経過した場合には、ステップS3の手順に移行し、炊飯制御手段72は、沸騰検知が終了して鍋11への加熱を停止した時点での検知温度Tと、一定時間が経過した後の現在の検知温度Tとを比較して、その温度差ΔTを算出する。この測定した温度差ΔTは決められた温度差ΔTaと比較され、測定した温度差ΔTが決められた温度差ΔTa以下であり(ΔT≦ΔTa)、そのまま安定炊き上げ制御工程C3に移行する。また、測定した温度差ΔTが決められた温度差ΔTaを越えていれば(ΔT>ΔTa)、今度は、測定した温度差ΔTと別の決められた温度差ΔTb(但し、温度差ΔTbは温度差ΔTaよりも大きい)が比較される。ここで、測定した温度差ΔTが決められた温度差ΔTb以下であれば(ΔT≦ΔTb)、前記沸騰検知工程Ca2よりも弱い加熱量(図6では、90%の加熱量)で鍋11への加熱を加えた後に、安定炊き上げ制御工程C3に移行する。また、測定した温度差ΔTが決められた温度差ΔTbを越えていれば(ΔT>ΔTb)、沸騰検知工程Ca2と同程度の加熱量(100%の加熱量)を鍋11に加え、同様に安定炊き上げ制御工程C3に移行する。 【0046】安定炊き上げ制御工程C3に移行すると、炊飯制御手段72は加熱工程C2よりも加熱量を減じて鍋11への加熱を継続する。そして鍋11内の水分がなくなり、検知温度Tがさらに所定温度上昇したら、炊きあげを検知して次のむらし工程C4に移行する。むらし工程C4中は、鍋11内のご飯が焦げない程度に鍋11が加熱され、所定時間が経過した後に保温制御手段73による保温に移行する。 【0047】前記加熱工程C2においては、加熱コイル16からの交番磁界によって鍋11の発熱体13が発熱し、熱伝導部である鍋本体12が鍋11の全体に熱を拡散させて、鍋11内に収容した米や水に熱を加える。その際、例えば鍋11内の炊飯量が多く、発熱体13や鍋本体12から米内部までの距離が離れている場合には、鍋11の外面に接している温度センサ21の検知温度Tと米内部の温度が各々異なっているので、検知温度Tにより沸騰を検知した時点で、鍋11への加熱を一時的に停止すれば、その間に発熱体12を含む鍋11の検知温度Tと米内部の温度とを均一にすることができ、その後の温度センサ21の温度検知精度が高くなる。 【0048】また炊飯量が多い程、鍋11に対する米内部の温度が低く、加熱停止期間中における検知温度Tの低下が著しくなるため、その場合は温度低下率Ryが決められた値以下にはならず、図6のステップS3の手順に進む。逆に、炊飯量が少ない場合などには、鍋11の発熱体12と米内部との距離がさほど離れておらず、鍋11の検知温度Tと米内部の温度はほぼ同じになるため、前記鍋11への加熱を一時的に停止しても、検知温度Tは急激に低下することはなく、すぐに温度低下率Ryは決められた値以下になる。したがって、この場合は実質的に鍋11の加熱停止を一定時間行なうことなく、ステップS1の沸騰検知終了からすぐに安定炊きあげ制御工程に移行することができ、加熱停止を最小限にして炊飯時間を短縮できる。 【0049】保温に移行すると、保温制御手段73は鍋11内のご飯の温度を一定に保つように、加熱コイル制御手段82や蓋ヒータ制御手段81を介して、特定の加熱パターンで加熱コイル16および蓋ヒータ41を通断電制御する。 【0050】ここでの加熱コイル制御手段82の動作について説明すると、図7に示すように、温度センサ21の検知温度Tが第1の温度Tc(例えば71℃)から、この第1の温度Tcよりも高い第2の温度Td(例えば73℃)に上昇するまでの間は、第1の加熱パターンPAにて加熱コイル16を通断電する。また、温度センサ21の検知温度Tが第2の温度Tdから第1の温度Tcに下降するまでの間は、第1の加熱パターンPAよりも鍋11への加熱量が少ない第2の加熱パターンPAにて加熱コイル16を通断電する。さらに、温度センサ21の検知温度Tが第1の温度Tcよりも低くなった場合には(例えば69℃)、第1の加熱パターンPAよりも鍋11への加熱量が多い第3の加熱パターンPCにて加熱コイル16を通断電する。 【0051】一方、蓋ヒータ制御手段81の動作に着目すると、加熱コイル制御手段82が第1の加熱パターンPA若しくは第3の加熱パターンPCを選択して、加熱コイル16を通断電している場合には、第1の加熱パターンPαにて蓋ヒータ41を通断電する。これに対して、加熱コイル制御手段82が第2の加熱パターンPBを選択して、加熱コイル16を通断電している場合には、第1の加熱パターンPαよりも蓋体5の加熱板40への加熱量が少ない第2の加熱パターンPβにて蓋ヒータ41を通断電する。 【0052】このような保温時における制御では、例えば外気温の低いときに、保温釜本体1からの放熱量が増加するので、加熱コイル制御手段82が第1の加熱パターンPAや第3の加熱パターンPCを選択する時間が相対的に増え、鍋11への加熱量が増加する。それに伴ない蓋ヒータ制御手段81も、第1の加熱パターンPαを選択する時間が相対的に増え、放熱板40への加熱量が増加する。したがってこの場合は、外気温が低くなっても、放熱板40などに結露が生じることはない。 【0053】逆に、外気温が高くなれば、保温釜本体1からの放熱量が低下し、加熱コイル制御手段82が第2の加熱パターンPBを選択する時間が相対的に増えるので、鍋11への加熱量が減少する。それに伴ない蓋ヒータ制御手段81も、第1の加熱パターンPβを選択する時間が相対的に増え、放熱板40への加熱量が減少する。したがってこの場合は、外気温が高くなっても、鍋11内のご飯が乾燥することはない。 【0054】また、商用電源(図示せず)から入力される電圧が低い場合(例えば90V)、同じ加熱パターンでの鍋11への加熱量は、通常の電圧(例えば100V)時における鍋11への加熱量よりも少なくなる。このとき、蓋ヒータ41への加熱量も鍋11への加熱量に連動して減少するものの、温度センサ21の検知温度Tが第1の温度Tcから第2の温度Tdに上昇するまでの時間が長くなるので、結局は相対的に蓋体5への加熱量の多い加熱パターンPαが蓋ヒータ制御手段81により多く選択され、蓋体5への結露の付着を防ぐことができる。 【0055】逆に、商用電源(図示せず)から入力される電圧が高くなれば(例えば110V)、蓋ヒータ41への加熱量は鍋11への加熱量に連動して増加するものの、温度センサ21の検知温度Tが上昇する時間が短くなって、相対的に蓋体5への加熱量の少ない加熱パターンPβが蓋ヒータ制御手段81により多く選択され、鍋11内のご飯の乾燥を防ぐことができる。 【0056】さらに本実施例では、加熱コイル16に通電される電力が一定となるように、電圧検知手段83からの情報をもとに、加熱コイル16の電流が調整される。すなわち、商用電源からの入力電圧が高ければ、加熱コイル制御手段82は加熱コイル16への電流を少なくし、逆に商用電源からの入力電圧が低ければ、加熱コイル制御手段82は加熱コイル16への電流を多くする。これにより、入力電圧の変動に左右されず、炊飯時や保温時において同じ加熱量を鍋11に与えることができる。 【0057】さらに保温時において、商用電源からの入力電圧が高くなると、蓋ヒータ制御手段81は各加熱パターンPα,Pβのオフ時間を延ばして、実質的に各加熱パターンPα,Pβの加熱量が小さくなるように調整し、逆に商用電源からの入力電圧が低くなると、蓋ヒータ制御手段81は各加熱パターンPα,Pβのオフ時間を短くして、実質的に各加熱パターンPα,Pβの加熱量が大きくなるように調整する。こうすることで、入力電圧の変動に拘らず、鍋11に対する蓋体5の温度をより安定した状態でほぼ一定に保つことができる。なお、各加熱パターンPα,Pβの加熱量を調整するには、例えばオフ時間ではなくオン時間を可変したり、オン・オフサイクル(周波数)を可変してもよい。 【0058】以上のように本実施例では、鍋11と、この鍋11を発熱させる発熱手段として加熱コイル16と、鍋11の温度を検知する温度検知手段としての温度センサ21と、この温度センサ21の情報に基づき加熱コイル16を制御する発熱制御手段としての制御手段71とを具備し、沸騰が完了したときに加熱コイル16による鍋11への加熱を停止し、このときの温度センサにおける検知温度Tと、一定時間経過後の検知温度Tとの温度差ΔTが、決められた値Ta,Tbよりも大きければ、その後の鍋11への加熱を増加させ、逆に温度差ΔTが決められた値Ta,Tbよりも小さければ、その後の鍋11への加熱を停止若しくは減少させている。 【0059】この場合、沸騰が完了したときに加熱コイル16による鍋11への加熱を一時的に停止することで、その間に鍋11の検知温度Tと、鍋11に収容される米内部の温度とを均一にすることができ、その後の温度センサ21の温度検知精度が高くなる。また、温度センサ21の温度検知精度が高くなった分、例えば蓋体5に別の温度検知手段を設ける必要がなくなり、この別の温度検知手段から配線された余計なリード線が故障したり、あるいは製造が困難になるなどの不具合を一掃でき、安価で故障の少ない保温釜を提供できる。 【0060】また、炊飯量が多い場合などで、鍋11と米内部との温度差が大きくなると、鍋11への加熱を停止した時点での温度センサの検知温度Tと、一定時間経過後の検知温度Tとの温度差ΔTが大きくなるが、その場合には、一定時間経過後の鍋11への加熱を増加させて、米への加熱不足を防止する。逆に、炊飯量が少ない場合などで、鍋11と米内部との温度差が小さくなると、鍋11への加熱を停止した時点での温度センサ21の検知温度Tと、一定時間経過後の検知温度Tとの温度差ΔTが小さくなるが、その場合には、一定時間経過後の鍋11への加熱を停止若しくは減少させるので、吹きこぼれを防止することができる。 【0061】したがって、加熱コイル16により鍋11自体が発熱するものにあって、鍋11の温度検知手段である温度センサ21を用いてその温度検知精度を高めることで、余計な温度検知手段を設けることなく、吹きこぼれや加熱不足を防止しておいしいご飯を炊くことが可能になる。 【0062】ところで、上述のように沸騰完了後に鍋11への加熱を一時的に停止する構成を採用した場合、この加熱停止時間を長く設定すると、温度センサ21の温度検知精度は上がるものの、炊飯時間が長くなると共に、加熱を十分に加えることができない問題を生じる。 【0063】このような問題に対処するためには、沸騰が完了したときに発熱手段である加熱コイル16による鍋11への加熱を停止し、この加熱停止期間中に温度センサ21における検知温度Tの低下率Ryが、決められた値以下になったら、加熱停止前よりも加熱量を小さくして鍋11への加熱を再開し、さらに加熱停止期間が一定時間を越えると、加熱前の加熱量と同じかそれよりも増加させて鍋11を加熱する構成にすればよい。 【0064】こうすると、炊飯量が多い場合などで、鍋11と米内部との温度差が大きくなると、鍋11への加熱を停止した時点での温度センサ21の検知温度Tと、一定時間経過後の検知温度Tとの温度差ΔTが大きくなって、検知温度Tの低下率Ryが大きくなるが、この時には鍋11への加熱が一定時間継続するので、その間に鍋11の検知温度Tと、鍋11に収容される米内部の温度とを均一にすることができ、その後の温度センサ21の温度検知精度が高くなる。また、温度センサ21の温度検知精度が高くなった分、別の温度検知手段は不要になり、上述のように安価で故障の少ない保温釜を提供できる。さらにこの場合は、加熱前の加熱量と同じかそれよりも増加させて、鍋11への加熱を再開するので、米への加熱不足を防止することができる。 【0065】逆に、炊飯量が少ない場合などで、鍋11と米内部との温度差が小さくなると、鍋11への加熱を停止した時点での温度センサ21の検知温度Tと、一定時間経過後の検知温度Tとの温度差ΔTが小さくなるが、その場合には、検知温度Tの低下率Ryが、決められた値以下になった時点で、すぐに鍋11への加熱を再開するので、炊飯時間を短縮でき、しかも加熱停止を最小限に止めることができる。また加熱再開後は、加熱停止前よりも加熱量を小さくして鍋11への加熱を再開するので、ふきこぼれを防止することができる。したがって、この場合も、加熱コイル16により鍋11自体が発熱するものにあって、鍋11の温度検知手段である温度センサ21を用いてその温度検知精度を高めることで、余計な温度検知手段を設けることなく、吹きこぼれや加熱不足を防止しておいしいご飯を炊くことが可能になる。 【0066】別な構成として、沸騰が完了したときに発熱手段である加熱コイル16による鍋11への加熱を停止し、このときの温度センサ21における検知温度Tと、一定時間経過後の検知温度Tとの温度差ΔTが、複数設定した温度帯ΔTa,ΔTbのどこにあるのかを判定して、その後の鍋11への加熱に際し、その加熱量を切替えるようにしてもよい。 【0067】この場合も、沸騰が完了したときに加熱コイル16による鍋11への加熱を一時的に停止することで、その間に鍋11の検知温度Tと、鍋11に収容される米内部の温度とを均一にすることができ、その後の温度センサ21の温度検知精度が高くなる。また、温度センサ21の温度検知精度が高くなった分、別の温度検知手段は不要になり、上述のように安価で故障の少ない保温釜を提供できる。 【0068】さらに、鍋11への加熱を停止した時点での温度センサ21の検知温度Tと、一定時間経過後の検知温度Tとの温度差ΔTに応じて、その後の鍋11への加熱量を最適なものとすることができ、米への加熱不足や吹きこぼれを防止できる。したがって、この場合も、加熱コイル16により鍋11自体が発熱するものにあって、鍋11の温度検知手段である温度センサ21を用いてその温度検知精度を高めることで、余計な温度検知手段を設けることなく、吹きこぼれや加熱不足を防止しておいしいご飯を炊くことが可能になる。 【0069】また、沸騰が完了したときに発熱手段である加熱コイル16を停止し、この加熱停止期間中に温度センサ21における検知温度の低下率が、決められた値以下になったら、加熱停止前よりも加熱量を小さくして加熱を再開し、さらに鍋11への加熱を停止したときの温度センサ21における検知温度Tと、一定時間経過後の検知温度Tとの温度差が、複数設定した温度帯のどこにあるのかを判定して、その後の鍋11への加熱に際し、その加熱量を切替える構成を採用してもよい。 【0070】こうすると、炊飯量が多い場合などで、鍋11と米内部との温度差が大きくなると、鍋11への加熱を停止した時点での温度センサ21の検知温度Tと、一定時間経過後の検知温度Tとの温度差ΔTが大きくなって、検知温度Tの低下率Ryが大きくなるが、この時には鍋11への加熱が一定時間継続するので、その間に鍋11の検知温度Tと、鍋11に収容される米内部の温度とを均一にすることができ、その後の温度センサ21の温度検知精度が高くなる。また、温度センサ21の温度検知精度が高くなった分、別の温度検知手段は不要になり、上述のように安価で故障の少ない保温釜を提供できる。 【0071】さらにこの場合は、鍋11への加熱を停止した時点での温度センサ21の検知温度Tと、一定時間経過後の検知温度Tとの温度差ΔTに応じて、その後の鍋11への加熱量を最適なものとすることができ、米への加熱不足や吹きこぼれを防止できる。 【0072】逆に、炊飯量が少ない場合などで、鍋11と米内部との温度差が小さくなると、鍋11への加熱を停止した時点での温度センサ21の検知温度Tと、一定時間経過後の検知温度Tとの温度差ΔTが小さくなるが、その場合には、検知温度Tの低下率Ryが、決められた値以下になった時点で、すぐに鍋11への加熱を再開するので、炊飯時間を短縮でき、しかも加熱停止を最小限に止めることができる。また加熱再開後は、加熱停止前よりも加熱量を小さくして鍋11への加熱を再開するので、ふきこぼれを確実に防止できる。したがって、この場合も、加熱コイル16により鍋11自体が発熱するものにあって、鍋11の温度検知手段である温度センサ21を用いてその温度検知精度を高めることで、余計な温度検知手段を設けることなく、吹きこぼれや加熱不足を防止しておいしいご飯を炊くことが可能になる。 【0073】また本実施例では、鍋11と、この鍋11を発熱させる発熱手段としての加熱コイル16と、鍋11の温度を検知する温度検知手段としての温度センサ21と、この温度センサ21の情報に基づき加熱コイル16を制御する発熱制御手段としての加熱コイル制御手段82と、鍋11を覆う蓋である蓋体5と、この蓋体5を加熱する蓋加熱手段としての蓋ヒータ41と、加熱コイル制御手段82の加熱パターンにより蓋ヒータ41の加熱パターンを調整する蓋制御手段としての蓋ヒータ制御手段81とを具備し、加熱コイル制御手段82が加熱量の大きな加熱パターンを選択する程、蓋ヒータ制御手段81は加熱量の大きな加熱パターンを選択し、逆に加熱コイル制御手段82が加熱量の小さな加熱パターンを選択する程、蓋ヒータ制御手段81は加熱量の小さな加熱パターンを選択するように構成している。 【0074】このようにすると、保温時において、外気温や入力電圧などの影響を受けた場合でも、加熱コイル制御手段82が選択した加熱パターンに連動して、蓋ヒータ制御手段81は蓋体5への加熱量が最適となる加熱パターンを選択するので、温度センサ21だけで、鍋11に対する蓋体5の温度をほぼ一定に保つことができる。そのため、蓋体5への結露を防止できると共に、この結露水が鍋11内のご飯に滴下して、ご飯がベチャ付くことを防ぐことができる。また、蓋体5の温度が高温になることでご飯が乾燥して硬くなったり、ご飯が変色して異臭が発生することも防止でき、長時間おいしいご飯を長時間保持することができる。 【0075】さらに、蓋体5に別の温度検知手段を設ける必要がなくなり、この別の温度検知手段から配線された余計なリード線が故障したり、あるいは製造が困難になるなどの不具合を一掃でき、安価で故障の少ない保温釜を提供できる。 【0076】またこのような構成において、本実施例では、入力される電圧を検知する電圧検知手段83をさらに具備し、電圧検知手段83が検知した入力電圧が低くなると、加熱コイル16への電流を増加させると共に、蓋体5への加熱量が小さくなるように、蓋ヒータ制御手段81が各加熱パターンPα,Pβを調整している。 【0077】この場合、加熱コイル16に通電される電力が一定となるように、電圧検知手段83からの情報をもとに、加熱コイル16の電流が調整される。したがって、入力電圧の変動に左右されず、炊飯時や保温時において同じ加熱量を鍋11に与えることができる。 【0078】また、商用電源からの入力電圧に応じて、蓋ヒータ制御手段81は加熱パターンPα,Pβの加熱量を最適に可変調整するので、入力電圧の変動に拘らず、鍋11に対する蓋体5の温度をより安定した状態でほぼ一定に保つことができる。そのため、加熱コイル16を流れる電流を調整するものでも、長時間おいしいご飯を長時間保持することができる。 【0079】次に、炊飯中の吹きこぼれを防止する別の変形例を、図8〜図10に基づき説明する。なお、上記実施例と同一部分には同一符号を付し、その共通する箇所の説明は重複するため省略する。また、これらの各図において、以下の説明と直接関連性のある部分のみ符号を付す。 【0080】ここでの保温釜は、米と水を入れて炊飯する鍋11と、この鍋を加熱する加熱手段としての加熱コイル16と、鍋1や加熱コイル16を収納するための炊飯器本体1と、有底筒状の鍋11の上方を覆う蓋体5と、鍋11の内部に連結し、鍋11内の蒸気を外部に排出する蒸気口48とを備え、蒸気口48は清掃性を考慮して、蓋体5の上部に対し着脱自在に設けられる。 【0081】図8および図10に基づき、蒸気口48の構成について説明すると、ここでの蒸気口48は外蓋46に対し着脱自在に備えてあるが、外蓋46と一体に設けてもよい。蒸気口48は、外蓋に取付けたシリコーンゴムからなる蒸気口パッキン90により支持される。この蒸気口パッキン90の下方には、くの字を形成したシール部91が形成され、蒸気口48を蓋体5に装着すると、シール部91は放熱板40に設けた孔92を貫通し、内蓋43に密着当接する。 【0082】内蓋43には、鍋11内の蒸気を排出するための蒸気排出孔93が、蒸気口48の下端開口部に対向して設けられている。内蓋43の蒸気排出孔93と蒸気口48の内部は連結されており、鍋11内から発生する蒸気は、蒸気排出孔93から蒸気口48の内部を通過して、蒸気口48の上部にある蓋部94に形成した複数の排気孔95から、外部に排出されるようになっている。蒸気口48の下部は、蒸気口パッキン90および内蓋43でシールされているので、鍋11から発生する蒸気が蓋体5の内部に流出することはない。 【0083】一方、鍋11は熱伝導性の良好な部材からなる鍋本体12と、この鍋本体12の外面に接合される発熱体13とにより構成されるが、鍋本体12の部分に相当する鍋11の内底面から内側面にかけては、図9の拡大図に示すように、凸部85を設ける加工が施されている。この凸部85を設ける範囲は、少なくとも加熱コイル16の対向範囲とするのが好ましい。これは、加熱コイル16の対向範囲に鍋11の発熱体13が配置されており、鍋11がそこで発熱するからである。 【0084】鍋11の内面に設けた凸部85は、凸部85を設けない部分(凹部)に比べて、沸騰エネルギーが大きく、沸騰時に発生する気泡の数が多い。つまり炊飯を行なった場合、凸部85範囲からの沸騰による吹き上げが他の凹部部分よりも強く、結果的におねばの発生が多いと共に、蒸気の吹き上げも強くなる。そのため、内蓋43の蒸気排出孔93と蒸気口48の連結部96が凸部85の上にあると、炊飯中の沸騰直前から沸騰継続時に受けるおねばと蒸気の影響を、蒸気口48が大きく受けることになる。 【0085】そこで本実施例では、少なくとも加熱コイル16の対向範囲に位置して、鍋11の内面に凸部85を形成した場合に、沸騰エネルギーが強くなる凸部85の上に、蒸気口48の鍋11との連結部96を設けないようにしている。こうすると、炊飯中に発生する鍋11内からのおねばと、蒸気による吹き上げの影響を、連結部96の位置を意図的に逸らすことで緩和でき、蒸気口48からおねばを飛び散らせたり、噴出させたりする吹きこぼれの現象を防止することが可能になる。また、吹きこぼれを防止することで、蓋すなわち蓋体5の汚れも防止できるので使い勝手が向上する。さらには、沸騰の直前から沸騰継続時に加熱量を低下せずに済むので、炊き上がりのよい保温釜を提供できる。 【0086】さらに、本実施例の蒸気口48は蓋体5より着脱自在に設けられているので、蒸気口48を外蓋5から取り外して、蒸気口48単独の清掃が可能になり、蒸気口48の清掃性を向上させることが可能になる。 【0087】本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可能である。 【0088】 【発明の効果】本発明の請求項1の保温釜によれば、発熱手段により鍋自体が発熱するものにあって、鍋の温度検知手段を用いてその温度検知精度を高めることで、余計な温度検知手段を設けることなく、吹きこぼれや加熱不足を防止しておいしいご飯を炊くことができる。 【0089】本発明の請求項2の保温釜によれば、発熱手段により鍋自体が発熱するものにあって、鍋の温度検知手段を用いてその温度検知精度を高めることで、余計な温度検知手段を設けることなく、吹きこぼれや加熱不足を防止しておいしいご飯を炊くことができる。しかも、炊きあがりの不具合となり炊飯時間を長くする原因である不必要な加熱停止を極力防いで、おいしくさらに早くご飯を炊くことができる。 【0090】本発明の請求項3の保温釜によれば、発熱手段により鍋自体が発熱するものにあって、鍋の温度検知手段を用いてその温度検知精度を高めることで、余計な温度検知手段を設けることなく、吹きこぼれや加熱不足を防止しておいしいご飯を炊くことができる。 【0091】本発明の請求項4の保温釜によれば、発熱手段により鍋自体が発熱するものにあって、鍋の温度検知手段を用いてその温度検知精度を高めることで、余計な温度検知手段を設けることなく、吹きこぼれや加熱不足を防止しておいしいご飯を炊くことができる。しかも、炊きあがりの不具合となり炊飯時間を長くする原因である不必要な加熱停止を極力防いで、おいしくさらに早くご飯を炊くことができる。 【0092】本発明の請求項5の保温釜によれば、鍋の温度検知手段を用いて蓋の温度を一定に保つことで、余計な温度検知手段を設けることなく、長時間おいしいご飯を保持することができる。 【0093】本発明の請求項6の保温釜によれば、鍋の温度検知手段を用いて蓋の温度を一定に保つことで、発熱手段を調整するものでも、余計な温度検知手段を設けることなく、長時間おいしいご飯を保持することができる。さらに、入力電圧の変動に左右されず、炊飯時や保温時において同じ加熱量を鍋に与えることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390010168 【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社 【住所又は居所】新潟県加茂市大字後須田2570番地1
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| 【出願日】 |
平成14年4月24日(2002.4.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080089 【弁理士】 【氏名又は名称】牛木 護
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| 【公開番号】 |
特開2003−310433(P2003−310433A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月5日(2003.11.5) |
| 【出願番号】 |
特願2002−122922(P2002−122922) |
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