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【発明の名称】 炊飯器
【発明者】 【氏名】加古 さおり
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】平田 由美子
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】北木 宏
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】高麗 敦
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】久保 雅史
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】少量炊飯時のごはんの食味を向上させ、乾燥を改善し、さらにどのような炊飯量であっても良好な食味が得られる炊飯を実現する。

【解決手段】本体1と、本体1の内部に収納される鍋2と、鍋2の底面部に対向して配置された底部加熱手段3と、鍋2の底側面部に対向して配置された底側面部加熱手段4と、本体1の上面開口部を覆う蓋5を有し、鍋1を側面底部の内径が鍋口径に比して小さく、かつ鍋側面の底部近傍に配した一変曲点から内径が上部へ徐々に大きくなる形状とし、さらに底側面部加熱手段4が鍋側面の底部近傍に配した一変曲点部に対向するように配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 炊飯器本体と、前記炊飯器本体の内部に収納される鍋と、前記鍋の底面部に対向して配置された底部加熱手段と、前記鍋の底側面部に対向して配置された底側面部加熱手段と、前記炊飯器本体の上面開口部を覆う蓋を有し、前記鍋を側面底部の内径が鍋口径に比して小さく、かつ鍋側面の底部近傍に配した一変曲点をもって内径が上部へ徐々に大きくなる形状とした炊飯器。
【請求項2】 鍋の底コーナー部を半径10mm以下の曲面形状とした請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】 鍋の底コーナー部から側面の底部近傍に配した一変曲点までを略鉛直とした請求項1または2に記載の炊飯器。
【請求項4】 鍋の側面の底部近傍に配した一変曲点から鍋上部への曲面形状の半径が底コーナー部の半径より大きくなる形状とした請求項1〜3のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項5】 底側面部加熱手段が鍋側面の底部近傍に配した一変曲点部に対向するように配置された請求項1〜4のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項6】 底側面部加熱手段が前記鍋側面の底部近傍に配した一変曲点部より上部に対向するように配置された請求項1〜4のいずれか1項に記載の炊飯器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主に家庭用に使用する炊飯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の炊飯器に収納される鍋は、図8に示すように底側面部形状は、鍋底部分から側面の略鉛直部へ半径10mmよりも大きなひとつのカーブでつないだものであり、炊飯容量の1/5量の内容物の容積は水位線10に示す位置になっていた。また、この鍋の底面部と底側面部に対向するように複数の加熱手段が設けられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのような従来の炊飯器では、炊飯容量の1/5量以下の少ない量のごはんを炊飯するときに鍋底面積が広いため内容物の深さが浅く、それがほぼ鍋底全面から加熱されることにより沸騰までの時間が短すぎ、米が十分吸水糊化できず芯が残る硬いごはんに炊き上がるという課題があった。また、炊飯容量の1/5量の内容物の容積では、底側面部のごはんほど厚さが薄いために、底面部と底側面部から全体を同じパワーで加熱した場合、鍋縁のごはんが乾燥して硬くなるという課題があった。さらに、これらを解決しようとして底側面部の加熱パワーを低くすると、中間量以上の多い量を炊飯したときのごはんの食味が劣るという課題があった。本発明は上記のような問題を解決するためになされたもので、少量炊飯時のごはんの食味を向上させ、乾燥を改善し、さらにどのような炊飯量であっても良好な食味の得られる炊飯器を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために請求項1の発明は、炊飯器本体と炊飯器本体の内部に収納される鍋と、鍋の底面部に対向して配置された底部加熱手段と、鍋の底側面部に対向して配置された底側面部加熱手段と、前記炊飯器本体の上面開口部を覆う蓋を有し、前記鍋を側面底部の内径が鍋口径に比して小さく、かつ鍋側面の底部近傍に配した一変曲点をもって内径が上部へ徐々に大きくなる形状としたものである。
【0005】請求項2の発明は、請求項1の発明においてさらに、鍋の底コーナー部が半径10mm以下の曲面形状としたものである。
【0006】請求項3の発明は、請求項1、2の発明においてさらに、鍋の底コーナー部から側面の底部近傍に配した一変曲点までを略鉛直としたものである。
【0007】請求項4の発明は、請求項1から3の発明においてさらに、鍋の側面の底部近傍に配した一変曲点から鍋上部への曲面形状の半径が底コーナー部の半径より大きくなる形状としたものである。
【0008】請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかにおいてさらに、底側面部加熱手段を鍋側面の底部近傍に配した一変曲点部に対向するように配置したものである。
【0009】請求項6の発明は、請求項1から4のいずれかにおいてさらに、底側面部加熱手段を鍋側面の底部近傍に配した一変曲点部より上部に対向するように配置したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、鍋を側面底部の内径が鍋口径に比して小さく、かつ鍋側面の底部近傍に配した一変曲点をもって内径が上部へ徐々に大きくなる形状とした炊飯器で、鍋底面積が小さいため少量のごはん炊飯時にも内容物が適切な深さとなり、そのため米が吸水糊化するのに適した加熱昇温時間が得られ、少量炊飯時にもふっくらとした良好な食味のごはんを炊き上げることができる。
【0011】請求項2記載の発明は、鍋の底コーナー部が半径10mm以下の曲面形状とした請求項1に記載の炊飯器で、コーナー径を小さくすることにより少量炊飯の場合、鍋の端部にあっても内容物に鍋中央部に近い深さが得られるため、底部から加熱しても鍋縁のごはんが乾燥して硬くなることなく炊き上げることができる。
【0012】請求項3記載の発明は、鍋の底コーナー部から側面の底部近傍に配した一変曲点までを略鉛直とした請求項1から2に記載の炊飯器で、少量炊飯の場合、鍋の端部にあっても内容物に鍋中央部と同等の深さがあるため、底部から加熱しても鍋縁のごはんが乾燥して硬くなることなく炊き上げることができる。
【0013】請求項4記載の発明は、鍋の側面の底部近傍に配した一変曲点から鍋上部への曲面形状の半径が底コーナー部の半径より大きくなる形状とした請求項1から3に記載の炊飯器で、鍋の側面の底部近傍に配した一変曲点を超える量のごはんを炊飯する場合にも曲面形状に沿って全体にむらなく熱が対流するため、中間量以上の多い量も良好な食味に炊き上げることができる。
【0014】請求項5記載の発明は、底側面部加熱手段が鍋側面の底部近傍に配した一変曲点部に対向するように配置された請求項1から4のいずれか一項に記載の炊飯器で、前記底部近傍に配した一変曲点部において鍋とコイルの距離が遠くなるため底側面部の過加熱を防ぎ、少量炊飯時にもふっくらとした良好な食味のごはんを炊き上げることができる。
【0015】請求項6記載の発明は、底側面部加熱手段が鍋側面の底部近傍に配した一変曲点部より上部に対向するように配置された請求項1から4のいずれか一項に記載の炊飯器で、鍋の側面の底部近傍に配した一変曲点を超える量のごはんを炊飯する場合にも強いパワーで加熱できるため、中間量以上の多い量も良好な食味に炊き上げることができる。
【0016】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0017】
【実施例】図1は本発明の実施の形態における炊飯器の断面図を示したものである。本体1と、本体1の内部に着脱自在で収納される鍋2と、鍋2の底面部に対向するように本体1内部に配置された底部加熱手段3と、鍋2の底側面部に対向するように配置された底側面部加熱手段4と、本体1の上面開口部を覆い、自由に開閉できる蓋5によって構成されている。
【0018】図2は本発明の第1の実施の形態における鍋2の断面図である。図2に示す鍋2は、側面底部の内径が鍋口径に比して15%以上小さく、かつ鍋側面の底部から10mm以上離れた位置に配した一変曲点をもって内径が上部へ徐々に大きくなる形状となっている。この鍋2を図6に示すように、底側面部加熱手段4が鍋側面の底部近傍に配した一変曲点部に対向するように配置すると、一変曲点部、すなわち鍋2の凹み部分と底側面部加熱手段4との距離は遠くなる。電磁誘導加熱の場合、パワーは鍋2と加熱手段、すなわちコイルの距離の2乗に反比例するから、凹み部分の加熱パワーはその部分の両端部に比べて弱くなる。このような鍋2とコイルの構成を持つ炊飯器で少量の炊飯を行なうと、炊飯容量の1/5量の内容物の容積10に示すように、内容物が鍋2の底部の内径が小さい部分に収まり、従来の鍋に比べて内容物に深さを得ることができ、かつ側面部からの加熱パワーが抑えられる。ごはんを食味よく炊き上げるには適度な加熱スピードをもって米粒の中心まで水と熱を均一に伝えることが重要であるが、加熱が早すぎても米粒の表面だけが先に糊化し、芯の残るごはんになってしまう。しかし本発明によると、少量炊飯時に米が吸水糊化するのに十分な加熱昇温時間が得られ、加熱昇温時間が短すぎてごはんに芯が残るということがなく、ふっくらとした良好な食味のごはんを炊き上げることができる。
【0019】また、配置する鍋2を図3に示すように、底コーナー部を半径10mm以下の小さな曲面形状として鍋側面の底部近傍に配した一変曲点までをつなぎ、ここから内径が上部へ徐々に大きくなる形状とすると、コーナー径を小さくすることにより少量炊飯の場合、炊飯容量の1/5量の内容物の容積10に示すように鍋2の端部にあっても内容物に鍋中央部に近い深さが得られるため、底部および底側面部から加熱しても鍋縁のごはんが乾燥して硬くなることなく炊き上げることができる。図4に示す鍋2のように、鍋2の底コーナー部から側面の底部近傍に配した一変曲点までを10mm以上略鉛直とし、ここから内径が上部へ徐々に大きくなる形状としても、鍋2の端部でも内容物に鍋中央部に近い深さが得られるため、同様の効果を得ることができる。
【0020】さらに、配置する鍋2を図5に示すように、鍋2の側面の底部近傍に配した一変曲点から鍋上部への曲面形状の半径が底コーナー部の半径より大きくなる形状とすると、鍋2の側面の底部近傍に配した一変曲点を超える量のごはんを炊飯する場合には、一変曲点より上の部分の加熱パワーは鍋とコイルの距離が近くなるためにその2乗に反比例して強くなり、さらに鍋2の曲面形状に沿って全体にむらなく熱が対流するため、鍋の炊飯容量の1/5より多い量を炊飯する場合には強いパワーで良好な食味に炊き上げることができる。
【0021】また、図7のように底側面部加熱手段4が鍋側面の底部近傍に配した一変曲点部より上部に対向するように配置することにより、内容物が鍋底側面の凹み部分より下に収まる少量の場合には対向部分に加熱コイルがないため弱めのパワーでそれを超える量の場合には鍋2の曲面形状に沿って配置された加熱コイルにより強いパワーで加熱できるため、全体のパワーを落とすことなく少量もそれ以上の多い量もそれぞれに適したパワーで良好な食味に炊き上げることができる。さらに、これは図2、図3、図4、図5に示すいずれの形状の鍋2を用いても効果を得ることができる。
【0022】なお、この実施例では電磁誘導加熱方式の炊飯器を用いているが、ガス方式、シーズヒータ方式、鋳込みヒータ方式、ハロゲンヒータ方式などでもよく、鍋の材質についても、鉄、アルミ、ステンレス、クラッド材などでもよい。
【0023】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によれば、鍋底面積が小さいため少量炊飯時にもふっくらとした良好な食味のごはんを炊き上げることができる。
【0024】また、請求項2記載の発明によれば、鍋の底コーナー径を小さくすることにより少量炊飯の場合、鍋縁のごはんが乾燥して硬くなることなく炊き上げることができる。
【0025】また、請求項3記載の発明によれば、鍋の底コーナー部から側面の底部近傍に配した一変曲点までを略鉛直とし、ここから内径が上部へ徐々に大きくなる形状とすることにより少量炊飯の場合、鍋縁のごはんが乾燥して硬くなることなく炊き上げることができる。
【0026】また、請求項4記載の発明によれば、鍋の側面の底部近傍に配した一変曲点から鍋上部への曲面形状の半径が底コーナー部の半径より大きくなる形状とすると、少量炊飯だけでなく多い量を炊飯する場合も良好な食味に炊き上げることができる。
【0027】また、請求項5記載の発明によれば、底側面部加熱手段が鍋側面の底部近傍に配した一変曲点部に対向するように配置することにより、少量炊飯時にふっくらとした良好な食味のごはんを炊き上げることができる。
【0028】また、請求項6記載の発明によれば、底側面部加熱手段が鍋側面の底部近傍に配した一変曲点部より上部に対向するように配置することにより、少量も中間量以上の多い量もそれぞれに適したパワーで良好な食味に炊き上げることができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成14年4月24日(2002.4.24)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2003−310427(P2003−310427A)
【公開日】 平成15年11月5日(2003.11.5)
【出願番号】 特願2002−121917(P2002−121917)