| 【発明の名称】 |
炊飯器 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡崎 誠 【住所又は居所】千葉県柏市新十余二3番地1 株式会社日立ホームテック内
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| 【要約】 |
【課題】炊飯性能の向上を図った炊飯器を得る。
【解決手段】本体1と、本体1の内壁を構成する内容器9と側面リング10とで構成する樹脂製の保護枠11と、本体1及び保護枠11内に着脱自在に収納される内釜12と、保護枠11の外側底面部に配置し内釜12の底面部を誘導加熱する底面部加熱コイル14と、保護枠11の外側側面外周に配置し内釜12の側面部を誘導加熱する側面部加熱コイル15とを備えてなる炊飯器において、側面部加熱コイル15の電力を底面部加熱コイル14の電力と同等か、もしくはそれ以上とした炊飯器。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体(1)と、本体(1)の内壁を構成する内容器(9)と側面リング(10)とで構成する樹脂製の保護枠(11)と、本体(1)及び保護枠(11)内に着脱自在に収納される内釜(12)と、保護枠(11)の外側底面部に配置し内釜(12)の底面部を誘導加熱する底面部加熱コイル(14)と、保護枠(11)の外側側面外周に配置し内釜(12)の側面部を誘導加熱する側面部加熱コイル(15)とを備えてなる炊飯器において、側面部加熱コイル(15)の電力を底面部加熱コイル(14)の電力と同等か、もしくはそれ以上とすることを特徴とする炊飯器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、炊飯性能の向上を図った炊飯器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来のこの種の炊飯器では、ご飯を美味しく炊くため、内釜下方に内釜底面部を誘導加熱する底面部加熱コイルを配置すると共に、内釜側面部にも誘導加熱する側面部加熱コイルを設け内釜側面部も加熱し、内釜全面から加熱する構成としていた。例えば従来例として特開平2−291815号公報がある。 【0003】従来の炊飯器では、図3に示すように、側面部と底面部のコイル電力の割合は1:9又は2:8位の比率(例えば側面100W、底面900W又は側面200W、底面800W)で底面加熱主体の構成となっていた。 【0004】そのため、吸水工程では約50℃〜60℃になるように制御しているが、底面部からの加熱が強いため、感温部13の温度が急上昇し所定温度を超え制御部16によりコイル電力を下げる制御(低電力制御)となる場合があった。この場合、フルパワー(電力最大、通電率最大を称す)の状態でも側面部の加熱は底面部の加熱に比べて弱いのに低電力制御になると更に側面部の加熱が弱くなり、炊飯量が多い場合や水温が低い場合は、図4のように上層部と下層部とで温度差ができ、上層部は理想吸水温度まで到達せず吸水が不十分となる場合があった。 【0005】また、加熱工程では米を沸騰(100℃)状態まで昇温させる事が目的であるが、上層部は水が米に吸水され水位が下がり早く水が無くなり、側面部に配した加熱コイルの電力が小さく側面からの加熱が弱いため加熱スピードが遅くなるため、上層部は沸騰まで昇温せず沸騰温度まで至らないまま沸騰維持工程、むらし工程を経て保温に切り替わる場合があった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ご飯を美味しく炊くためには、十分な水と十分な加熱が必要であり、最初は弱火で米に十分吸水させて(以下この工程を吸水工程と称す)から、一気に強火で加熱し(以下この工程を加熱工程と称す)沸騰させて沸騰状態をある一定時間保持し(以下この工程を沸騰維持工程と称す)、米粒をα化(米粒がご飯として食べられる状態になることで、一般的には約98℃の温度を20分間維持するのが理想とされる)させ、内釜の底面中央に当接し内釜の温度を検出している感温部の温度が所定の温度でドライアップ(内釜内部の水が無くなったと判断した状態)の後水分を除去する(以下この工程をむらし工程と称す)工程を経るのが理想とされている。 【0007】従来の炊飯器では、内釜底面部の加熱が主体で内釜側面部の加熱は補助的なものとして構成されていたため、特に多量の米を炊いた場合、吸水工程では米の理想吸水温度(約50℃〜60℃)となるよう(約60℃を超えると米が糊化(べたついた状態)し始めるので約60℃を超えないように制御)にしているが、上層部と下層部との温度上昇差即ち理想吸水温度状態で保持されている時間が上層部と下層部で異なるため、米の吸水状態が上層部と下層部で異なる。 【0008】また、加熱工程においては米を沸騰(100℃)状態まで昇温するのが目的だが、上層部は水に浸っている時間が短いため(吸水工程において米が水を吸うため水位が低下してくる)短時間で沸騰状態にする必要があり高火力が必要となるものである。 【0009】しかし、従来の炊飯器では上層部の加熱が弱いため加熱スピードが遅く上層部は沸騰する前に水がない状態となり、上層部は沸騰温度まで到達せず、米粒のα化が不十分となる場合があった。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は、内釜の側面部と底面部に加熱手段である側面部加熱コイルと底面部加熱コイルとを設け、そして側面部加熱コイルの電力を底面部加熱コイルの電力と同等か、もしくはそれ以上としたものである。 【0011】本発明はこのような構成としたことにより、炊飯時の吸水工程における上層部と下層部との温度上昇差即ち吸水状態の差が少なくなり、また、加熱工程における上層部の加熱も十分行え、炊き上がりが向上するものである。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明は、本体と、本体の内壁を構成する内容器と側面リングとで構成する樹脂製の保護枠と、本体及び保護枠内に着脱自在に収納される内釜と、保護枠の外側底面部に配置し内釜の底面部を誘導加熱する底面部加熱コイルと、保護枠の外側側面外周に配置し内釜の側面部を誘導加熱する側面部加熱コイルとを備えてなる炊飯器において、側面部加熱コイルの電力を底面部加熱コイルの電力と同等か、もしくはそれ以上とする構成としたものである。 【0013】 【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施例を示す炊飯器の断面図である。図2は同じく炊飯時の米温度特性図である。 【0014】図において、1は本体、8は蓋部であり、この本体1と蓋部8とで外観が構成される。また、11は樹脂製の保護枠であり、本体1の内壁を構成するもので、下方の内容器9と側面部を形成する筒状の側面リング10とでなり、この保護枠11に内釜12が着脱自在に収納されている。 【0015】前記蓋部8は本体1の上方を覆う蓋体2と、蓋体2中央部に空洞状で着脱自在に取り付けられた蒸気口部3と、蓋体2下部にシリコンゴムヒーター式の蓋ヒーター4とサーミスタ式の蓋センサー5が貼り付けられた円盤状で中央部に穴を設けたアルミ製の中放熱板6と、中放熱板6下方に円盤状で中央に複数の穴を設けたアルミ製の放熱板7とから構成されている。 【0016】保護枠11の内容器9外側には渦状に形成され内釜12の底面部を誘導加熱する底面部加熱コイル14、内容器9中央部には内釜12の温度を検出する感温部13が設置され、側面リング10の外周には内釜12の側面部を誘導加熱する側面部加熱コイル15が螺旋状に巻かれており、本体1前部には制御部16が配置されている。 【0017】本実施例では、上記のように構成された炊飯器において、側面部加熱コイル15と底面部加熱コイル14の電力の比率を5:5(例えば側面部:500W、底面部500W)とし、側面部及び底面部加熱コイル15、14は同時通電する構成とするものである。 【0018】また、本実施例では前記の如く電力の比率を5:5としたが、限度としては側面部と底面部の電力の比率は5〜7:5〜3とするものである。例えば側面部加熱コイル15の電力を700W以上とし、底面部加熱コイル14の電力を300W以下とした場合は却って炊き上がりが悪くなるものである。 【0019】以下、上記構成からなる本実施例の作用について説明する。 【0020】研いだお米と炊飯に必要な所定量の水を内釜12に入れ蓋部8を閉めてから電源を入れる。電源が入り制御部16により側面部加熱コイル15及び底面部加熱コイル14が通電されると、各加熱コイル14、15と対向する内釜12面が発熱し、内釜12内部の米を加熱する。 【0021】炊飯は米に吸水させる「吸水工程」、吸水させた米を沸騰温度(100℃)まで上昇させる「加熱工程」、沸騰状態をある一定時間保持する「沸騰維持工程」、水分を除去する「むらし工程」を経て炊飯を完了する。 【0022】前記各工程において、「沸騰維持工程」を除く各工程は時間で区切られている。「吸水工程」では、約60℃を超えると米が糊化(べたついた状態)し始めるため米の温度が約60℃を超えず米が吸水しやすい理想吸水温度の約50℃〜60℃になるように感温部13が所定温度になるように制御している。「加熱工程」では、米を沸騰(100℃)状態まで昇温させるため最大電力で加熱を始めるが、加熱工程では感温部13の温度上昇のしかたによって内釜12内部の米の量を数段階に分けて容量判定し、容量に適した加熱制御をしている。「沸騰維持工程」では米がα化する98℃を20分間維持するように加熱制御している。「むらし工程」では、水分を除去できる程度の小電力で制御している。 【0023】また、誘導加熱の手段は、工程毎に■定格電力(側面電力と底面電力の総和)を超えない範囲で電力を調整でき(例えば定格電力を半分に調整する場合、側面電力及び底面電力が各々半分になる)、■所定の時間内で誘導加熱している時間(以下ON時間と称す)と誘導加熱していない時間(以下OFF時間と称す)を1サイクルとし、1サイクル当たりのON/OFF時間を調整(以下この制御を通電率制御と称す、例えば1サイクルを20秒としてON時間を16秒OFF時間4秒とすれば通電率は80%となる)できる制御としている。 【0024】次に本発明の実施例の構成による炊飯中の米温度特性について、図2に基づいて説明する。 【0025】吸水工程は、側面及び底面の加熱電力を同じとすることから、上層部と下層部との温度上昇差が少なくなる。また、底面部の加熱が従来より小さくなったことにより、感温部13の温度は所定温度まで上昇するのに時間を要するようになり、即ちフルパワーで加熱している時間が長くなり、内釜12内部の米及び水全体に加える熱量が大きくなるので、上層部及び下層部共に温度上昇が早くなり理想吸水温度を長く維持でき、温度が均一したところから次工程に移行できる。 【0026】加熱工程は、フルパワーで加熱し始めるが、前記したように吸水工程終了時点で上層部の温度を高めることができており、また従来に比べ側面部加熱コイル15の電力を大きくし側面からの加熱を強くしたことによって、上層部を早く沸騰させることができ、沸騰状態のまま次工程の沸騰維持工程に移行でき、上層部はα化に必要な時間を十分維持できる。 【0027】また、前記したように加熱工程では感温部13の温度上昇のしかたによって、制御部16が内釜12内部の米の量を判定し米量に適した加熱制御を行っているが、側面加熱に影響されないような少量の米を炊飯した時、制御部16が水温や米質等の外乱によって誤って多量と判定した場合、従来は底部加熱が強いため少量の米に対し強すぎる火加減となり、米は芯まで十分吸水する前に沸騰状態となるため、米の芯のほうはα化しない炊き上がり状態となっていた。しかしながら、本発明の実施例では従来に比べて底部加熱が弱いため、制御部16が誤って多量と判定しても、従来よりも炊き上がり状態に対する影響度は少なくなるものである。 【0028】 【発明の効果】以上、本発明は側面部と底面部との加熱コイルの電力の比率を同じか、あるいは側面部加熱コイルの電力を底面部加熱コイルの電力よりも大きくしたことにより、上から下まで均一に加熱出来炊きムラが改善でき、炊き上がり状態の向上が図られるのはもちろんのこと、制御部の誤判定による炊き上がり状態への影響度も改善できるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005131 【氏名又は名称】株式会社日立ホームテック 【住所又は居所】千葉県柏市新十余二3番地1
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| 【出願日】 |
平成14年4月19日(2002.4.19) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−310425(P2003−310425A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月5日(2003.11.5) |
| 【出願番号】 |
特願2002−117118(P2002−117118) |
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