| 【発明の名称】 |
フライ調理用補助装置、フライ調理装置及びフライ調理方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】宮原 則夫 【住所又は居所】福岡県久留米市荒木町藤田1352−28 株式会社ハルモニア内
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| 【要約】 |
【課題】アルバイトやパートの人等、特に熟練した技術を持たない人でも、より短い調理時間で、なおかつ味と食感に優れ、さめてもおいしい揚げ物を提供できるようにする。
【解決手段】フライ調理装置F1は、フライ調理用補助装置A1とフライヤー5と組み合わせたものである。フライ調理用補助装置A1は、制御装置1、駆動装置2、収容籠3及び設置台4により構成されている。駆動装置2は昇降ロッド23を備えている。昇降ロッド23の下端部の装着部材24には収容籠3が着脱可能に取り付けられている。収容籠3は油中と油外間で昇降され、油中と油外において上下にスイングできるようになっている。また、フライ調理用補助装置A1は、制御装置1の設定によって、一度揚げの他、二度揚げまたは三度揚げができるようになっている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被調理物を収容または保持する容器と、容器を動かす駆動手段と、容器を油中と油外の間で昇降させると共に、容器を油中で動かすよう駆動手段を制御する制御手段と、調理時間を設定するタイマーと、を備えていることを特徴とする、フライ調理用補助装置。 【請求項2】 被調理物を収容または保持する容器と、容器を動かす駆動手段と、容器を油中と油外の間で昇降させると共に、容器を油中に入れて被調理物を所要時間調理した後、油中から上げて被調理物の油を切るようにし、この油中での調理から油外での油切りまでの作業を、自動的に複数回行うよう駆動手段を制御する制御手段と、調理時間を設定するタイマーと、を備えていることを特徴とする、フライ調理用補助装置。 【請求項3】 被調理物を収容または保持する容器と、容器を動かす駆動手段と、容器を油中と油外の間で昇降させると共に、容器を油中で動かすようにし、更に容器を油中に入れて被調理物を所要時間調理した後、油中から上げて被調理物の油を切るようにし、この油中での調理から油外での油切りまでの作業を、自動的に複数回行うよう駆動手段を制御する制御手段と、調理時間を設定するタイマーと、を備えていることを特徴とする、フライ調理用補助装置。 【請求項4】 制御手段は、容器を油中から上げて被調理物の油を切る作業を、油切りを助ける方向へ容器を動かすことによって行うよう駆動手段を制御することを特徴とする、請求項1、2または3記載のフライ調理用補助装置。 【請求項5】 調理の経過時間または残り時間を客側で確認できる表示手段を備えていることを特徴とする、請求項1、2、3または4記載のフライ調理用補助装置。 【請求項6】 油槽と、油槽内の油を加熱する加熱手段と、請求項1、2、3、4または5記載のフライ調理用補助装置と、を備えていることを特徴とする、フライ調理装置。 【請求項7】 油槽中に、セラミック製またはセラミックを含む放熱体が設けられていることを特徴とする、請求項6記載のフライ調理装置。 【請求項8】 被調理物を収容または保持している容器を油中で自動的に動かし、被調理物の周囲に油温のムラが生じにくいようにして所要時間調理した後、容器を油中から上げて被調理物の油を切るようにしたことを特徴とする、フライ調理方法。 【請求項9】 被調理物を収容または保持している容器を油中に入れて被調理物を所要時間調理した後、容器を油中から上げて被調理物の油を切るようにし、この油中での調理から油外での油切りまでの作業を、自動的に複数回行うようにしたことを特徴とする、フライ調理方法。 【請求項10】 被調理物を収容または保持している容器を油中で自動的に動かし、被調理物の周囲に油温のムラが生じにくいようにして所要時間調理した後、容器を油中から上げて被調理物の油を切るようにし、この油中での調理から油外での油切りまでの作業を、自動的に複数回行うようにしたことを特徴とする、フライ調理方法。 【請求項11】 容器を油中から上げて被調理物の油を切る作業を、油切りを助ける方向へ容器を自動的に動かすことによって行うようにしたことを特徴とする、請求項8、9または10記載のフライ調理方法。 【請求項12】 調理時間の設定にあたり、被調理物の種類に対応して設定されている調理時間を基本設定値とし、被調理物の一度に調理する量の多少に対応して設定されている補正値を基本設定値に加えることによって、調理時間を設定することを特徴とする、請求項8、9、10または11記載のフライ調理方法。 【請求項13】 フライ調理装置の時間を設定するに当たり、被調理物の種類に応じた調理温度を記憶手段に記憶させておき、被調理物の種類に応じた基本調理時間を記憶手段に記憶させておき、被調理物の単位数または単位量当たりの油温低下温度を記憶手段に記憶させておき、被調理物の単位数または単位量当たりの油温低下温度を調理温度に復帰させるのに必要な時間を記憶装置に記憶させておき、上記基本調理時間、被調理物の調理数または量による油温低下温度および油温低下温度を演算して被処理物の調理温度に復帰させるのに必要な時間を演算して、フライ調理時間を設定することを特徴とする、フライ調理装置の調理時間の設定方法。 【請求項14】 被調理物の種類に応じた調理温度、被調理物の種類に応じた基本調理時間、被調理物の単位数または単位量当たりの油温低下温度、被調理物の単位数または単位量当たりの油温低下温度を調理温度に復帰させるのに必要な時間、を記憶させるか、または記憶させた記憶手段と、上記基本調理時間、被調理物の調理数または量による油温低下温度および油温低下温度を演算して被処理物の調理温度に復帰させるのに必要な時間を演算する演算手段を含む制御装置を有することを特徴とする、フライ調理装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、フライ調理用補助装置、フライ調理装置及びフライ調理方法に関するものである。更に詳しくは、例えば総菜店等で客の注文に対してリアルタイムで揚げ物を提供するのに好適で、より短い時間の調理時間で、なおかつ味と食感に優れた揚げ物を提供できるものに関する。 【0002】 【従来技術】ファーストフード店や総菜店あるいはレストラン等、飲食物を提供する店舗では、揚げ物を効率よく調理するためのフライ調理装置(フライヤー)が広く使用されている。従来のフライ調理装置は、昇降自在な調理籠を備えており、所定の調理時間が経過すると被調理物が入った調理籠を油中から上昇させ、自然落下により被調理物の油を切るようにしたものが一般的である。 【0003】ところで近年では、総菜店等においても、コロッケや魚のフライ等の揚げ物の販売において、あらかじめつくり置いたものを客に提供するのではなく、客の注文を受けてから調理を開始し、ファーストフード店のように、いわばリアルタイムで揚げ物を提供する販売形態が要求されるようになってきた。 【0004】このように、揚げ物をリアルタイムで客に提供する場合でも、できるだけ短時間で調理して客を長時間待たせないようにすることはもちろん、食材中の旨みとなる結合水を極力外部へ出さずに自由水を効率よく油と交換するよう調理して、「揚げすぎず、揚げ足りず」揚げ物をタイミング良く油槽から取出す事で味と食感に優れ、さめてもおいしい揚げ物を提供しなければならない。また、一般に客の注文の量はまちまちであり、一個から数個の場合もあるが、10個、20個などの場合も想定しなければならない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した従来のフライ調理装置には次のような課題があった。 (a)食品のフライ調理においては、油中に投入された被調理物の周囲の油温の低下が特に著しく、油温にムラが生じてしまう。このため、従来のフライ調理装置では、必然的に調理時間が長くなってしまい、上記のように客の注文に対しリアルタイムで揚げ物を提供することが求められる場合では、対応が難しい。また、油温が設定温度に復帰するまでの間、比較的低い油温で調理することになるので、被調理物表面での自由水と油の交換を効率よく行うことができず、しかも揚げ物を油槽から取出すタイミングが分からず味と食感に優れ、さめてもおいしい揚げ物をつくることが難しい。 【0006】(b)味と食感に優れ、さめてもおいしい揚げ物をつくるためには、二度揚げ、あるいは三度揚げのように、複数回に分けて揚げることが好ましいとされており、調理の現場では調理する人の手によって常識的に行われている。しかしながら、従来のフライ調理装置は、被調理物を複数回に分けて揚げることができるような仕様とはなっておらず、二度揚げ等の調理を自動化して行うことはできなかった。 【0007】(c)味と食感に優れ、さめてもおいしい揚げ物をつくるためには、本来は、被調理物の種類(肉類、魚介類、野菜類等)、形態(生もの、冷凍もの等)、更には一回に調理する量等に合わせて、調理時間を細かく設定する必要がある。特に、上記のように客の注文に対しリアルタイムで揚げ物を提供することが求められる場合では、この設定を迅速に行う必要がある。ところが、上記した従来のフライ調理装置では、被調理物の種類や形態に対応して調理時間の設定ができるようになってはいたが、一回の調理量の多少に対応し、調理の遅延時間(補正時間)を細かく設定できるようにはなっていなかった。 【0008】(本発明の目的)本発明の目的は、例えば総菜店等で客の注文に対してリアルタイムで揚げ物を提供するのに好適であり、アルバイトやパートの人等、特に熟練した技術を持たない人でも、より短い調理時間で、なおかつ味と食感に優れ、さめてもおいしい揚げ物を提供できるようにすることである。 【0009】本発明の他の目的は、食品のフライ調理において、油中の被調理物の周りに油温のムラが生じにくいようにして、被調理物表面での自由水と油の交換が効率よく行われるようにし、味と食感に優れ、さめてもおいしい揚げ物の調理が短時間でできるようにすることである。 【0010】本発明の他の目的は、二度揚げ、あるいは三度揚げのように、複数回に分けて揚げる調理を自動的に行うことができるようにして、味と食感に優れ、さめてもおいしい揚げ物の調理ができるようにすることである。 【0011】本発明の他の目的は、被調理物の種類や形態に対応するだけでなく、一回の調理量の多少に対応して、調理の遅延時間(補正時間)を細かく正確に設定できるようにすることである。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明にあっては、被調理物を収容または保持する容器と、容器を動かす駆動手段と、容器を油中と油外の間で昇降させると共に、容器を油中で動かすよう駆動手段を制御する制御手段と、調理時間を設定するタイマーと、を備えていることを特徴とする、フライ調理用補助装置である。 【0013】第2の発明にあっては、被調理物を収容または保持する容器と、容器を動かす駆動手段と、容器を油中と油外の間で昇降させると共に、容器を油中に入れて被調理物を所要時間調理した後、油中から上げて被調理物の油を切るようにし、この油中での調理から油外での油切りまでの作業を、自動的に複数回行うよう駆動手段を制御する制御手段と、調理時間を設定するタイマーと、を備えていることを特徴とする、フライ調理用補助装置である。 【0014】第3の発明にあっては、被調理物を収容または保持する容器と、容器を動かす駆動手段と、容器を油中と油外の間で昇降させると共に、容器を油中で動かすようにし、更に容器を油中に入れて被調理物を所要時間調理した後、油中から上げて被調理物の油を切るようにし、この油中での調理から油外での油切りまでの作業を、自動的に複数回行うよう駆動手段を制御する制御手段と、調理時間を設定するタイマーと、を備えていることを特徴とする、フライ調理用補助装置である。 【0015】第4の発明にあっては、制御手段は、容器を油中から上げて被調理物の油を切る作業を、油切りを助ける方向へ容器を動かすことによって行うよう駆動手段を制御することを特徴とする、第1、第2または第3の発明に係るフライ調理用補助装置である。 【0016】第5の発明にあっては、調理の経過時間または残り時間を客側で確認できる表示手段を備えていることを特徴とする、第1、第2、第3または第4の発明に係るフライ調理用補助装置である。 【0017】第6の発明にあっては、油槽と、油槽内の油を加熱する加熱手段と、第1、第2、第3、第4または第5の発明に係るフライ調理用補助装置と、を備えていることを特徴とする、フライ調理装置である。 【0018】第7の発明にあっては、油槽中に、セラミック製またはセラミックを含む放熱体が設けられていることを特徴とする、第6の発明に係るフライ調理装置である。 【0019】第8の発明にあっては、被調理物を収容または保持している容器を油中で自動的に動かし、被調理物の周囲に油温のムラが生じにくいようにして所要時間調理した後、容器を油中から上げて被調理物の油を切るようにしたことを特徴とする、フライ調理方法である。 【0020】第9の発明にあっては、被調理物を収容または保持している容器を油中に入れて被調理物を所要時間調理した後、容器を油中から上げて被調理物の油を切るようにし、この油中での調理から油外での油切りまでの作業を、自動的に複数回行うようにしたことを特徴とする、フライ調理方法である。 【0021】第10の発明にあっては、被調理物を収容または保持している容器を油中で自動的に動かし、被調理物の周囲に油温のムラが生じにくいようにして所要時間調理した後、容器を油中から上げて被調理物の油を切るようにし、この油中での調理から油外での油切りまでの作業を、自動的に複数回行うようにしたことを特徴とする、フライ調理方法である。 【0022】第11の発明にあっては、容器を油中から上げて被調理物の油を切る作業を、油切りを助ける方向へ容器を自動的に動かすことによって行うようにしたことを特徴とする、第8、第9及び第10の発明に係るフライ調理方法である。 【0023】第12の発明にあっては、調理時間の設定にあたり、被調理物の種類に対応して設定されている調理時間を基本設定値とし、被調理物の一度に調理する量の多少に対応して設定されている補正値を基本設定値に加えることによって、調理時間を設定することを特徴とする、第8、第9、第10または第11の発明に係るフライ調理方法である。 【0024】第13の発明にあっては、フライ調理装置の時間を設定するに当たり、被調理物の種類に応じた調理温度を記憶手段に記憶させておき、被調理物の種類に応じた基本調理時間を記憶手段に記憶させておき、被調理物の単位数または単位量当たりの油温低下温度を記憶手段に記憶させておき、被調理物の単位数または単位量当たりの油温低下温度を調理温度に復帰させるのに必要な時間を記憶装置に記憶させておき、上記基本調理時間、被調理物の調理数または量による油温低下温度および油温低下温度を演算して被処理物の調理温度に復帰させるのに必要な時間を演算して、フライ調理時間を設定することを特徴とする、フライ調理装置の調理時間の設定方法である。 【0025】第14の発明にあっては、被調理物の種類に応じた調理温度、被調理物の種類に応じた基本調理時間、被調理物の単位数または単位量当たりの油温低下温度、被調理物の単位数または単位量当たりの油温低下温度を調理温度に復帰させるのに必要な時間、を記憶させるか、または記憶させた記憶手段と、上記基本調理時間、被調理物の調理数または量による油温低下温度および油温低下温度を演算して被処理物の調理温度に復帰させるのに必要な時間を演算する演算手段を含む制御装置を有することを特徴とする、フライ調理装置である。 【0026】被調理物を収容または保持する容器としては、油を透過できるものであれば、その形態は特に限定しない。例えば、金属製の網籠状のもの、多数の孔を設けた金属板で形成したもの等である。 【0027】容器を動かす駆動手段としては、例えば動力源となるモーター、アクチュエータ及び動力伝達系となるリンク機構、ギヤ機構等、各種の公知手段が採用でき、それらの組み合わせ及び構造については特に限定するものではない。 【0028】容器の油中での動きは、油中にある被調理物の周囲の油温にムラが生じにくいようにできれば、特に限定しない。例えば、所要ストロークでの上下方向、横方向、斜め方向、回転方向あるいはそれらのうち2以上を複合した方向である。また、動きの速さについても特に限定せず、適宜設定される。 【0029】調理時間を設定するタイマーは、ダイヤル式のものでもよいし、数値を入力するタイプのものでもよい。後者のタイプでは、すべて手入力で入力するものでもよいし、例えばコロッケ、鶏肉の唐揚げ等の種類(品目)の選択、あるいは冷凍、生等の形態の選択、更には個数や重さ等の量の選択・入力等により自動的に数値が入力されるものでもよい。 【0030】油中での調理から油外での油切りまでの作業を何回行うかについては、被調理物の種類、形態、量等によって適宜設定されるものであり、二回あるいは三回以上でもよい。 【0031】容器を油中から上げて動かす方向は、被調理物の油切りを助ける方向であれば特に限定しない。例えば、所要ストロークでの上下方向、横方向、斜め方向、回転方向あるいはそれらのうち2以上を複合した方向である。また、動きの速さについても特に限定せず、適宜設定される。 【0032】調理の経過時間または残り時間を客側で確認できる表示手段としては、例えば時間を分単位または秒単位で数字で表示するもの、あるいは数字ではなく、例えば棒グラフや円グラフのような表示部の面積の広さ、または大きさで時間を表示するもの等があげられるが、これらに限定するものではない。また、表示手段はフライ調理用補助装置と一体に設けられていてもよいし、別体に設けて有線あるいは無線で信号(データ)を送る構造でもよい。 【0033】油槽は、公知のものが採用され、その構造、大きさ、油の容量等は特に限定するものではない。また、油槽内の油を加熱する加熱手段としては、例えば電気ヒータ、ガスヒータあるいは電磁ヒータ等の公知のものが採用され、特に限定するものではない。 【0034】放熱体を構成するセラミックの成分は、例えば溶融アルミナを主成分とし、無水珪酸や微量のFe2O3、Na2O等を含むもの、あるいは無水珪酸を主成分とし、溶融アルミナや微量のFe2O3、FeO、MgO、CaO等を含むもの等があげられるが、これらに限定するものではない。また、放熱体の形態としては、例えば球形の粒状(多数使用)、角部がある異形の粒状(多数使用)、棒状(単数または複数使用)、板状(単数または複数使用)、格子状(単数または複数使用)、あるいはそれらを金網等の収容体に収容したもの等であるが、これらに限定されない。 【0035】(作用)本発明に係るフライ調理用補助装置及びフライ調理装置の作用は次のとおりである。第1の発明に係るフライ調理用補助装置は、被調理物を収容または保持する容器を油中で動かすようようになっているので、調理の際に油中にある被調理物の周囲の油温にムラが生じにくくなり、被調理物表面での自由水と油の交換が効率よく行われるようになるので、味と食感に優れ、さめてもおいしい揚げ物の調理が短時間でできる。なお、第8の発明に係るフライ調理方法も、本質的に同様の作用を有するものである。 【0036】第2の発明に係るフライ調理用補助装置は、容器を油中に入れて被調理物を所要時間調理した後、油中から上げて被調理物の油を切るようにし、この油中での調理から油外での油切りまでの作業を、自動的に複数回行うようになっているので、二度揚げ、あるいは三度揚げのように、複数回に分けて揚げる調理を自動的に行うことができ、味と食感に優れ、さめてもおいしい揚げ物の調理ができる。なお、特に被調理物が冷凍食品である場合等、例えば一回目のフライ調理で被調理物の中心温度が−20℃から+1℃になるよう油槽の中で一旦解凍し、二回目で余熱を考慮し40℃まで調理し、更に三回目で40℃から80℃になるように調理することもできる。なお、第9の発明に係るフライ調理方法も、本質的に同様の作用を有するものである。 【0037】第3の発明に係るフライ調理用補助装置は、第1の発明と第2の発明に係るフライ調理用補助装置の双方の作用を有するものである。なお、第10の発明に係るフライ調理方法も、本質的に同様の作用を有するものである。 【0038】第4の発明に係るフライ調理用補助装置は、容器を油中から上げて被調理物の油を切る作業を、油切りを助ける方向へ容器を動かすことによって行うようになっているので、単に放置して自然落下によって油を切るより、短時間で効果的な油切りができる。なお、第11の発明に係るフライ調理方法も、本質的に同様の作用を有するものである。 【0039】第5の発明に係るフライ調理用補助装置は、調理の経過時間または残り時間を客側で確認できる表示手段を備えているので、例えば、客側において、揚げ物がいつ揚げ上がるか分からない状態で待たされる場合と相違して、時間が明確に分かる分だけ、客にストレスを感じさせないようにすることができる。 【0040】第6の発明に係るフライ調理装置は、上記第1ないし第5の発明に係るフライ調理用補助装置と、フライ調理をするための油槽を組み合わせたものであるので、上記各フライ調理用補助装置が有する特徴的な作用を有するフライ調理装置が提供できる。 【0041】第7の発明に係るフライ調理装置は、大型セラミック製またはセラミックを含む放熱体が持つ赤外線領域の熱放射効果によって、被調理物の芯部分まで短時間で加熱することが可能となり、調理時間を短縮できる。また、被調理物投入により油温が低下した後の油温の所定温度までの復帰時間が蓄熱効果により短くなり、被調理物の量が多い場合、被調理物が少ない場合と比べてもその差が小さくなる。 【0042】第12の発明に係るフライ調理方法は、調理時間の設定にあたり、被調理物の種類に対応して設定されている調理時間を基本設定値とし、被調理物の一度に調理する量の多少に対応して設定されている補正値を基本設定値に加えることによって、調理時間を設定するので、調理の際に被調理物表面での自由水と油の交換及び被調理物の内部の加熱が、必要な時間をかけて十分に行われる。これにより、味と食感に優れ、さめてもおいしい揚げ物の調理ができる。 【0043】第14の発明に係るフライ調理装置は、あらかじめ設定されている設定値をもとに好適な調理時間の設定が可能であるので、調理の際に被調理物表面での自由水と油の交換及び被調理物の内部の加熱が、必要な時間をかけて十分に行われる。これにより、味と食感に優れ、さめてもおいしい揚げ物の調理ができる。 【0044】 【発明の実施の形態】本発明を図面に示した実施の形態に基づき更に詳細に説明する。図1は本発明に係るフライ調理用補助装置の一実施の形態を示す斜視図、図2は図1に示すフライ調理用補助装置の一部を省略または断面した正面視説明図、図3は図1に示すフライ調理用補助装置の一部を省略または断面(図2のI−I部分)した側面視説明図、図4は図1に示すフライ調理用補助装置の設置台の構造を示す分解斜視図、図5は図1に示すフライ調理用補助装置の操作パネルの正面図である。 【0045】フライ調理用補助装置A1は、油槽と、油槽内に溜められる油(食用油)を加熱する電気ヒータを備えたフライヤー5と組み合わせてフライ調理装置F1を構成するものである。なお、フライ調理装置F1は、本実施の形態のように、既存のフライヤー5と組み合わせたものだけでなく、後述する図8に示すように、製造当初からフライ調理用補助装置A2とフライヤー5aを一体的に設けたものでもよい。 【0046】フライ調理用補助装置A1は、制御装置1、駆動装置2、収容籠3及び設置台4により構成されている。制御装置1は、箱状のケーシング10と、ケーシング10の正面側に設けられている操作パネル11を備えている。ケーシング10内部には、操作パネル11で操作・制御される各種制御機器(図示省略)が収納されている。 【0047】操作パネル11は、図5に示すように品目表示部14が10箇所に設けられている。各品目表示部14の左端部には設定スイッチ15が設けられている。そして、スイッチ番号1〜3の設定スイッチ15には、上下二箇所にインジケータランプ150、151が設けられており、スイッチ番号4〜10の設定スイッチ15には、下側の一箇所にインジケータランプ151が設けられている。 【0048】符号16は二ケタ表示を並設した時間表示部、17は三ケタ表示の油温表示部、18はブザー設定スイッチ、19はRESET/BUZスイッチである。また、PはPOWERスイッチ、111はUPスイッチ、112はDOWNスイッチ、113はSETスイッチである。ブザー設定スイッチ18では、ブザーのON・OFF、複数種類の音量(LOW,MID,HIGH)の設定、複数種類の音色(ブザー、チャイム)の設定等ができるようになっている。 【0049】RESET/BUZスイッチ19は、そのまま押せば設定がリセットされ、SETスイッチ113と同時に押せば、上記ブザー設定スイッチ18が操作可能になる。時間表示部16及び油温表示部17は、それぞれ時間、油温を表示するだけでなく、後で詳述する各種設定の際の数字や文字の表示にも使われるようになっている。UPスイッチ111とDOWNスイッチ112は、その操作によって収容籠3の上昇・下降ができる。 【0050】ケーシング10は、受部材12に着脱可能にネジ等で固定されている。受部材12の後部側は、設置台4の上端部に、ロッド13(後述する)により水平状態から上方へ所要の角度(本実施の形態では45°)までの範囲で回動可能に取り付けられている。なお、図示はしていないが、受部材12は、水平状態で固定するためのロック装置を備えている。受部材12を回動させることにより、図3で想像線で示したように、後述する昇降ロッド23や装着部材24を逃がすことにより、油槽内部の掃除がしやすくなる。 【0051】また、ケーシング10の内部には、駆動装置2を構成する機器も収納されている。駆動装置2について詳細に説明する。ケーシング10の底板には、横断面形状がコ字状のフレーム20が下方へ向け垂直に設けられている。フレーム20の下端部には、水平なブラケット21が設けられ、その中央部には軸線方向が垂直な軸受22が設けられている。軸受22には、所要の長さを有する昇降ロッド23が上下方向へスライド可能に挿通されている。昇降ロッド23の上部側の後面側には、ラック部230が所要長さで設けられている。ラック部230の作用は後述する。 【0052】昇降ロッド23の下端部には、収容籠3を着脱可能に装着するための装着部材24が取り付けられている。装着部材24は、正面から見て長方形状で、横断面形状はコ字状である。装着部材24の上辺部には、収容籠3に設けられているフック30を引っ掛けるための引っ掛け凹部240が四箇所に並設されている。内側の二箇所の引っ掛け凹部240は小さい収容籠3のときに使用され、外側の二箇所の引っ掛け凹部240は大きい収容籠3のときに使用される。装着部材24の下部には、収容籠3の側面と当接して支えるコ字状の籠受け241が延長して設けられている。 【0053】昇降ロッド23の横側には、所要の間隔をおいて平行にカバー管250が設けられており、その下端部から温度センサ25が突出して設けられている。温度センサ25は、カバー管250と共に昇降調整が可能である。なお、温度センサ25は、その下端部が油槽50の深さの約1/2の高さに位置するように設定されている。この温度センサ25の高さ位置は、特に限定されず、例えば油量によって適宜設定または調整されるものである。又センサーの応答時間は1.0秒以下が好ましい【0054】昇降ロッド23を昇降させる駆動機構は次の通りである。昇降ロッド23のラック部230には、ピニオン29が噛み合っており、ピニオン29と同軸にウォームホイール28が設けられている。ウォームホイール28には、DCモータ26の回転軸に設けてあるウォーム27が噛み合っている。 【0055】上記構造によれば、DCモータ26の作動(正逆回転)によって、昇降ロッド23を昇降させることができ、装着部材24に装着される収容籠3を油槽内部と油槽外部の間で上昇・下降させることができる。また、昇降ストロークを短くして駆動することにより、油槽内部(油中)と油槽外部(油外)において上下動(上下スイング)させることができる。なお、ウォーム27を採用することにより、ウォーム27がいわば安全装置となって、昇降ロッド23側からはDCモータ26の回転軸へは高負荷や衝撃等の外力が作用しにくいようになっており、DCモータ26は故障しにくく、寿命を延ばすことができる。 【0056】装着部材24に着脱可能に装着される収容籠3は、ステンレススチール製の網籠であり、網目を通して効率よく油が透過する。収容籠3は、上部側が開口した有底箱状に形成されている。収容籠3の一端部には、二箇所にフック30が設けられている。収容籠3は、各フック30を引っ掛け凹部240に引っ掛けて装着される。また、収容籠3の開口縁部の長辺側の二箇所には、把手31が設けられている。 【0057】上記した設置台4の構造を図1と図4を参照して説明する。設置台4は、ほぼ対称形の台構成体40、41を備えている。台構成体40、41は山形鋼でL字状(折曲部は直角)に形成された脚フレーム42を備えている。各脚フレーム42は、垂直部材側の中央部に直角に設けられた連結部材43を備えている。 【0058】連結部材43は、断面形状がL字状で、垂直板部にはネジ締めのためのネジ挿通孔44、45が所要数それぞれ設けられている。なお、一方の連結部材43に設けられているネジ挿通孔44は円孔であり、他方に設けられているネジ挿通孔45は横に長い長孔である。各脚フレーム42の垂直部材側の上端部には、それぞれ上下二箇所にロッド13、13aを締付ナット等により取り付けるための挿通孔46が設けられている。なお、上部側のロッド13は上記したように受部材12の回動中心となる。 【0059】各脚フレーム42の水平部材側の先端上部には、ネジ式のアジャスタ47がそれぞれ設けられている。アジャスタ47は、上端部を油槽を備えたフライヤーの底部(床との間に隙間がある)に下方から強く当接させることにより設置台4を固定するものである。なお、上記構造によれば、連結部材43同士の重なり長さを変えて、台構成体40、41の間隔を調整することにより、幅が異なる複数種類のフライヤーに対応できる。 【0060】図6は図1に示すフライ調理用補助装置をフライヤーと組み合わせてフライ調理装置とした状態を示す斜視図、図7は図6に示すフライ調理装置に設けられている客用表示モニターの正面図、図8は本発明に係るフライ調理装置の他の実施の形態を示す斜視図である。フライ調理装置F1は、単に手作業でフライ調理を行うための既存のフライヤー5に上記したフライ調理用補助装置A1を後付けにした構成となっている。フライヤー5は、所定の容量を有する油槽50と、油槽50内部に収容される油を加熱する加熱装置(加熱装置を構成する電気ヒータ6は、後述する図10、図11に図示している)が設けられている。 【0061】なお、フライヤー5の油槽50の底部側(電気ヒータ6の上)には、放熱体Sが置かれている。放熱体Sは、油槽50の底部面積とほぼ同じ広さ(やや狭い程度)を有する金網製でやや扁平な袋体101に所要の粒径(本実施の形態では8mm程度)の熱放射性のセラミック粒102を多数詰めた構造である。なお、セラミック粒102の粒径や個数については適宜設定されるものであり、特に限定はされない。 【0062】フライ調理用補助装置A1は、あらかじめ店舗等に設置してあるフライヤー5を台構成体40、41で挟むように配置し、上記したようにアジャスタ47の上端部をフライヤー5の底部に下方から強く当接させて所定の位置に固定する。 【0063】また、フライ調理装置F1は、ケーブルCでLAN(local aria network)接続された客用表示モニター7を備えている。客用表示モニター7は、例えば販売カウンターにおいて客側のモニターとなる。客用表示モニター7は、図7に示すようにインジケータランプ70を備えた複数の品目表示部71と、調理終了までの残り時間を表示する待ち時間表示部72を備えている。客用表示モニター7(及びフライ調理用補助装置A1側)には、客側と調理側で互いの映像を見ながら会話できるように、映像モニターやカメラ、マイク、スピーカ等を設けることもできる。 【0064】なお、上記したように、フライ調理装置は、図8に示すフライ調理装置F2のように、製造当初より、フライヤー5aとフライ調理用補助装置A2を一体につくった構造でもよい。フライ調理装置F2とフライ調理装置F1は、フライ調理用補助装置A2に設置台4が設けられておらず、フライ調理用補助装置Aが直接フライヤー5aに設けられている点が異なるだけであり、おおむね同じ構造を有しているので、構造や作用についての説明は省略する。また、図8において、図6に示すフライ調理装置F1と同一または同等箇所には同じ符号を付して示している。 【0065】(作 用)図9は図6に示すフライ調理装置を使用したフライ調理の流れを示し、一度揚げの場合のフローチャート、図10は収容籠を油中で動かして被調理物の調理をしている状態を示す説明図、図11は収容籠を油外で動かして被調理物の油切りをしている状態を示す説明図である。図1ないし図11を参照して、本実施の形態に係るフライ調理用補助装置A1及びそれを使用したフライ調理装置F1(及びフライ調理装置F2)の作用を説明する。なお、以下の一度揚げ及び二度揚げの場合の説明で表した数値は一つの例であって、この数値に限定されるものではない。 【0066】(各種設定)冷凍コロッケ(10個)を「一度揚げ調理」する場合を例にとり説明する。 (1)まず、被調理物の品目設定を行う。ここでは、品目表示部1番〜10番のうちの4番を選択し、4番の設定スイッチ15を押す。 (2)これにより、4番の設定スイッチ15に対応して記憶されている調理時間が時間表示部16に表示され、無負荷時の揚げ時間として仮設定される。ここでは、5分30秒に設定する。 【0067】(3)収容籠3の動作を設定する。ここでは、油中(調理中)と油外(調理完了後)での動作時間、動作ストロークの設定を行う。なお、この設定については、あらかじめ設定されている任意のキー(操作パネル11の各スイッチあるいはその組み合わせによる)を操作し、時間表示部16、油温表示部17の表示を利用して行われる。 【0068】(4)任意のキーを操作して、基準揚げ温度(無負荷)の設定を行う。ここでは、170℃に設定する。電気ヒータ6による170℃の管理では、OFFにしても余熱で3℃上がり、1℃低くなるとヒータが入るので、選択範囲ゾーンを+3℃、−1℃に設定する。この設定によると、電気ヒータ6のON・OFFを繰り返す制御により、油温は169〜173℃の範囲で維持される。 【0069】(5)任意のキーを操作して、初期設定値すなわち下落温度遅延時間(補正時間)を設定する。ここでは、コロッケ種のフライ調理の場合で、あらかじめ設定されている値(説明書等に品目・量・温度・フライヤーの種類等が記載されている)を選択する。例えば、冷凍のコロッケ種一個当たり70gで、油温の下落温度約0.8℃(10個で約8℃)、0.8℃あたりの復帰時間5秒を選択する。下落温度・復帰時間はガス・電気・電磁フライヤー及び構造・容量等によって異なり、0.8℃当たり0〜20秒の設定値を設ける。基準温度に対して投入下落温度を温度センサーで積分しながら最低積分値(下落温度最低値)を確認し、反転地点数秒後に比較して遅延時間が設定される。つまり、基準温度(無負荷)に対して被調理物量を投入後の下落温度及び時間と反転時間に対してあらかじめ基準を設け個別に設定するのである。この場合、1、5、10、15、20、25、30個それぞれの平均下落温度が1個当たり約0.8℃である。この時の反転地点で復帰に必要な時間及び被調理物の投入時より揚がりまでの幾何学的中心温度の時間変化・余熱時間変化等を考慮し、0〜20秒間の設定値で決める。この設定値は、装置の初期設定時に品目別に実際にフライ調理をして油温や復帰時間を実測し、独自に設定することができる。設定値が、0.8℃に対して5秒であれば、10×5で補正時間は50秒である。すなわち、この補正時間を上記仮設定時間である5分30秒に加えて、調理時間は6分20秒に自動補正される。なお、調理時間は被調理物の多少に応じて変わり、例えば冷凍コロッケ20個の場合では、20×5で補正時間は100秒であり、調理時間は7分10秒になる。また、5個の場合では、5×5で補正時間は25秒であり、調理時間は5分55秒になる。 (6)以上で設定を完了し、設定を確認する。 【0070】(調理の流れと各部の動き)図9を参照する。 (1)上記の設定を終了した後、SETスイッチ113を押す。これにより、上記設定に基づいて、制御装置1により駆動装置2等の制御が行われる。なお、上昇している収容籠3には、10個の被調理物であるコロッケ種8(冷凍:70g)が収容されている。 (2)油槽50内部の油51が設定温度(170℃)に達したら、駆動装置2が作動し、収容籠3が下降する。コロッケ種8は収容籠3と共に一度に油中に入り、コロッケ種8のフライ調理が始まる。なお、コロッケ種8が油中に入ると油温が下落する。コロッケ種8が10個の場合では、約8℃下落する。 【0071】(3)収容籠3は駆動装置2により、油中で10mm(10mm〜25mmが好ましいが、特に限定はしない)のストロークで30秒間(特に限定はしない)、上下動(スイング)する。これにより、収容籠3内部の調理中のコロッケ種8も油中で動くので、コロッケ種8同士が継続的な接触をしにくくなり、全面が油と触れるようになる。また、収容籠3とコロッケ種8が動くことによって、油中に新たな対流が起こり、または油51が攪拌され、コロッケ種8から出た自由水により温度が下がった油51が周囲の温度が高い油51と入れ替わり、コロッケ種8の周囲の油温のムラが改善される。これにより、コロッケ種8は十分に高い油温で調理される(図10参照)。なお、放熱体Sのセラミック粒102が加熱されることによる赤外線領域の放射熱により、コロッケ種8は芯部まで効果的に加熱される。この放熱体Sによる効果は、後述する二度揚げの場合も同様である。 【0072】(4)コロッケ種8のフライ調理は6分20秒間行われるが、調理終了の30秒前にブザー音で報知される。これにより、例えば、店舗が飲食店である場合では、ご飯をよそう等、盛り付けの準備を前もって始めることができるので、効率的である。そして、調理時間が経過すると駆動装置2が作動し、収容籠3が上昇して油中から出る。 【0073】(5)収容籠3は駆動装置2の作動により油外で上下動(スイング)し、揚げ上がったコロッケ種8の油切りが行われる。これにより、ごく短時間での油切りが可能になり、同時に水分も飛ばすことができる(図11参照)。 (6)調理終了のブザーが鳴り、調理者に知らせる。なお、調理中でも、必要に応じて(例えば、被調理物が焦げてしまったり、衣がパンクした場合等)RESET/BUZスイッチ19を押せば、収容籠3が上昇し、設定がリセットされて待機する。なお、客側に設置されている客用表示モニター7によって、客は揚げ上がりまでの残り時間がわかるので、ストレスは感じにくい。これについては、後述する二度揚げの場合も同様である。 【0074】図12は図6に示すフライ調理装置を使用したフライ調理の流れを示し、二度揚げの場合のフローチャートである。 (各種設定)鶏肉の骨付き唐揚げ(10個)を「二度揚げ調理」する場合を例にとり説明する。 【0075】一回目用の設定(1)まず、被調理物の品目設定を行う。ここでは、品目表示部1番から10番のうちの1番の骨付き唐揚げを選択し、1番の設定スイッチ15を押す。 (2)これにより、1番の設定スイッチ15に対応して記憶されている調理時間が時間表示部16に表示され、無負荷時の揚げ時間として仮設定される。ここでは、改めて9分30秒に設定される。 (3)一回目のフライ調理時間を設定する。ここでは、7分00秒に設定する。 【0076】(4)一回目の収容籠3の動作を設定する。ここでは、油中(調理中)と油外(調理完了後)での動作時間、動作ストロークの設定を行う。なお、この設定については、あらかじめ設定されている任意のキー(操作パネル11の各スイッチあるいはその組み合わせによる)を操作し、時間表示部16、油温表示部17の表示を利用して行う。 【0077】(5)任意のキーを操作して、基準揚げ温度の設定を行う。ここでは、170℃に設定し、選択範囲ゾーンを+3℃、−1℃に設定する。この設定によると、電気ヒータ6のON・OFFを繰り返す制御により、油温は169〜173℃の範囲で維持される。 【0078】(6)任意のキーを操作して、一回目の調理の初期設定値すなわち下落温度遅延時間(補正時間)を設定する。ここでは、骨付きの唐揚げ種のフライ調理の場合で、あらかじめ設定されている値を選択する。例えば、冷凍の唐揚げ種一個当たり100gで、油温の下落温度約1.3℃(10個で約13℃)、1.3℃あたりの復帰時間7秒を選択する。設定値が、1.3℃に対して7秒であれば、10×7で補正時間は70秒である。すなわち、この補正時間を上記仮設定時間である7分00秒に加えて、調理時間は8分10秒に自動補正される。 (7)任意のキーを操作して、一回目の引き上げ状態の保持時間を設定する。ここでは、30秒に設定する。 【0079】二回目用の設定(8)二回目の収容籠3の動作を設定する。 (9)二回目の調理時間を設定する。ここでは、9分30秒から7分00秒を差し引いて、2分30秒に設定する。 【0080】(10)任意のキーを操作して、二回目の調理の初期設定値すなわち下落温度遅延時間(補正時間)を設定する。ここでは、上記一回目と同様に、骨付きの唐揚げ種のフライ調理の場合で、あらかじめ設定されている値を選択する。例えば、冷凍の唐揚げ種一個当たり100gで、油温の下落温度約1.3℃(10個で約13℃)、1.3℃あたりの復帰時間7秒を選択する。設定値が、1.3℃に対して7秒であれば、10×7で補正時間は70秒である。すなわち、この補正時間を上記仮設定時間である2分30秒に加えて、調理時間は3分40秒に自動補正される。 (11)以上で設定を完了し、設定を確認する。 【0081】(調理の流れと各部の動き)図12を参照する。 (1)上記の設定を終了した後、SETスイッチ113を押す。これにより、上記設定に基づいて、制御装置1により駆動装置2等の制御が行われる。なお、上昇している収容籠3には、10個の被調理物である唐揚げ種(冷凍の骨付き唐揚種:100g)が収容されている。 【0082】一回目の調理(2)油槽50内部の油51が設定温度(170℃)に達したら、駆動装置2が作動し、収容籠3が下降する。唐揚げ種は収容籠3と共に一度に油中に入り、唐揚げ種のフライ調理が始まる。なお、唐揚げ種が油中に入ると油温が下落し、唐揚げ種が10個の場合では、約13℃下落する。 【0083】(3)収容籠3は駆動装置2により、油中で、10mm以上のストロークで30秒間、上下動(スイング)する。これにより、収容籠3内部の調理中の唐揚げ種も油中で動くので、唐揚げ種同士が継続的な接触をしにくくなり、全面が油と触れるようになる。また、収容籠3と唐揚げ種が動くことによって、油中に新たな対流が起こり、または油51が攪拌され、さらに水分飛ばしにより唐揚げ種から出た自由水により温度が下がった油51が周囲の温度が高い油51と入れ替わり、唐揚げ種の周囲の油温のムラが改善される。これにより、唐揚げ種は十分に高い油温で調理される。なお、一回目の調理中は、1番の設定スイッチ15の上側のインジケータランプ150が点滅しており、調理者は装置が一回目の調理をしていることを認識できる。 【0084】(4)一回目の唐揚げ種のフライ調理は8分10秒間行われる。そして、調理時間が経過すると駆動装置2が作動し、収容籠3が上昇して油中から出る。 (5)収容籠3は駆動装置2の作動により油外で上下動(スイング)し、途中までフライ調理された唐揚げ種の油切りが行われる。これにより、ごく短時間での油切りが可能になり、水分も飛ばすことができる。なお、油中から上げられた唐揚げ種は、表面側は次第に温度が低下するが、芯部は継続して上昇していく(表面側と芯部の温度差による)。 【0085】(6)唐揚げ種が油中から除かれたことにより、油温は設定温度である170℃まで短い時間で復帰することができる。なお、放熱体Sのセラミック粒102が加熱されることによる赤外線領域の放射熱により効率よく加熱されることも相まって、油温は速やかに上昇する。 【0086】二回目の調理(7)収容籠3の上昇から30秒経過後(または、油温が170℃に到達したとき:どちらにも設定可能)、駆動装置2が作動して収容籠3が下降し、油温が設定温度まで上昇した油中へ再び投入される。これにより、油温はやや下落するが、今度は唐揚げ種自体が相当の温度を保っているので、油温の下落幅はわずかである。 【0087】(8)収容籠3は駆動装置2により油中で上下動(スイング)し、上記(3)と同様に唐揚げ種の周囲の油温のムラが改善され、唐揚げ種は十分に高い油温で調理される。 (9)二回目のフライ調理は3分40秒間行われ、調理終了の30秒前にブザー音で報知される。これにより、例えば、店舗が飲食店である場合では、ご飯をよそう等、盛り付けの準備を前もって始めることができるので、効率的である。調理時間が経過すると駆動装置2が作動し、収容籠3が上昇して油中から出る。なお、二回目の調理中は、1番の設定スイッチ15の下側のインジケータランプ151が点滅しており、調理者は装置が二回目の調理をしていることを認識できる。なお、三回以上のフライ調理を行う場合は、例えば油温表示部17等、他の表示部に文字等を表示し、またはその表示といずれかのインジケータを組み合わせることにより表示できる。 【0088】(10)収容籠3は駆動装置2の作動により油外で上下動し、揚げ上がった唐揚げ種(唐揚げ)の油切りが行われる。これにより、ごく短時間での油切りが可能になり、同時に水分も飛ばすことができる。そして、調理終了のブザーが鳴り、調理者に知らせる。このように、今まで自動化できなかったフライ調理における二度揚げ調理を自動的に行うことができる。 【0089】本明細書で使用している用語と表現は、あくまで説明上のものであって限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示されている実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。 【0090】 【発明の効果】本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。 (a)請求項1記載のフライ調理用補助装置は、被調理物を収容または保持する容器を油中で動かすようようになっているので、調理の際に油中にある被調理物の周囲の油温にムラが生じにくくなり、被調理物表面での自由水と油の交換が効率よく行われるようになるので、味と食感に優れ、さめてもおいしい揚げ物の調理が短時間でできる。なお、請求項8記載のフライ調理方法も、本質的に同様の効果を有するものである。 【0091】(b)請求項2記載のフライ調理用補助装置は、容器を油中に入れて被調理物を所要時間調理した後、油中から上げて被調理物の油を切るようにし、この油中での調理から油外での油切りまでの作業を、自動的に複数回行うようになっているので、二度揚げ、あるいは三度揚げのように複数回に分けて揚げる調理を自動的に行うことができ、被調理物のもち味と食感を引出し、さめてもおいしい揚げ物の調理ができる。なお、請求項9記載のフライ調理方法も、本質的に同様の効果を有するものである。 【0092】(c)請求項3記載のフライ調理用補助装置は、請求項1と2記載のフライ調理用補助装置の双方の効果を有するものである。なお、請求項10記載のフライ調理方法も、本質的に同様の効果を有するものである。 【0093】(d)請求項4記載のフライ調理用補助装置は、容器を油中から上げて被調理物の油を切る作業を、油切りを助ける方向へ容器を動かすことによって行うようになっているので、単に放置して自然落下によって油を切るより、短時間で効果的な油切りができる。なお、請求項11記載のフライ調理方法も、本質的に同様の効果を有するものである。 【0094】(e)請求項5記載のフライ調理用補助装置は、調理の経過時間または残り時間を客側で確認できる表示手段を備えているので、例えば、客側において、揚げ物がいつ揚げ上がるか分からない状態で待たされる場合と相違して、時間が明確に分かる分だけ、客にストレスを感じさせないようにすることができる。 【0095】(f)請求項6記載のフライ調理装置は、上記請求項1ないし5記載のフライ調理用補助装置と、フライ調理をするための油槽を組み合わせたものであるので、上記各フライ調理用補助装置が有する特徴的な効果を有するフライ調理装置が提供できる。 【0096】(g)請求項7記載のフライ調理装置は、大型のセラミック製またはセラミックを含む放熱体が持つ赤外線領域の熱放射効果によって、被調理物の芯部分まで短時間で加熱することが可能となり、調理時間を短縮できる。また、被調理物投入により油温が低下した後の油温の所定温度までの復帰時間が蓄熱効果により短くなり、被調理物の量が多い場合、被調理物が少ない場合と比べてもその差が小さくなる。 【0097】(h)請求項12記載のフライ調理方法は、調理時間の設定にあたり、被調理物の種類に対応して設定されている調理時間を基本設定値とし、被調理物の一度に調理する量の多少に対応して設定されている補正値を基本設定値に加えることによって、調理時間を設定するので、調理の際に被調理物表面での自由水と油の交換及び被調理物の内部の加熱が、必要な時間をかけて十分に行われる。これにより、味と食感に優れ、さめてもおいしい揚げ物の調理ができる。 【0098】(i)請求項14のフライ調理装置は、あらかじめ設定されている設定値をもとに好適な調理時間の設定が可能であるので、調理の際に被調理物表面での自由水と油の交換及び被調理物の内部の加熱が、必要な時間をかけて十分に行われる。これにより、味と食感に優れ、さめてもおいしい揚げ物の調理ができる。なお、請求項13記載のフライ調理装置の調理時間の設定方法も、本質的に同様の効果を有するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591188413 【氏名又は名称】株式会社ハルモニア 【住所又は居所】福岡県久留米市荒木町藤田1352−28
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| 【出願日】 |
平成14年3月5日(2002.3.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085327 【弁理士】 【氏名又は名称】梶原 克彦
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| 【公開番号】 |
特開2003−250709(P2003−250709A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月9日(2003.9.9) |
| 【出願番号】 |
特願2002−59411(P2002−59411) |
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