| 【発明の名称】 |
電磁調理用容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】熊本 哲弥 【住所又は居所】三重県四日市市三ツ谷町13−25 銀峯陶器株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】溶断不良等に陥ることなく電磁調理器の出力アップにも楽に対応でき、局所加熱の問題を解消し土鍋内の具材,スープを円滑に加熱上昇できる電磁調理用容器を提供する。
【解決手段】上面開口の器物にして具材7,スープ6を収容できる陶磁器製の容器本体1と、この容器本体1の内側底面10aに載置され、電磁調理器5上に容器本体1が置かれ電磁調理器5の磁界発生に伴い発熱することのできる加熱用プレート3と、を具備する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上面開口の器物にして具材,スープを収容できる陶磁器製の容器本体(1)と、この容器本体の内側底面に載置され、電磁調理器上に容器本体が置かれ電磁調理器の磁界発生に伴い発熱することのできる加熱用プレート(3)と、を具備することを特徴とする電磁調理用容器。 【請求項2】 前記容器本体の底部の厚みが2mm〜10mmの範囲で、且つ前記加熱用プレートがその容器本体へ着脱自在に載置できるようにして複数の透孔を形成してなる多孔板又は網状体である請求項1記載の電磁調理用容器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電磁調理器用に使用される電磁調理用容器に関する。 【0002】 【従来の技術】電磁調理器は燃焼を伴わず安全性が高く、しかも掃除が簡単で輻射熱も少なく調理環境が快適なことから、近年一般家庭でも普及しつつある。ここで、電磁調理器では鉄,鉄ホーローやステンレス等でできた鍋が一般に使用されるが、鍋料理と称される料理には土鍋の器物がやはり好まれる。しかし、土鍋そのままでは電磁調理用容器として使えないため、従来は例えば図6のごとく土鍋本体9の底部外面91に銀などを主成分とする金属製薄膜92を溶射等で固着させたものが用いられてきた(実公昭59−11436号,特開平7−6870号等)。さらに、ケースによってはグラス等の保護用コーティングを施した金属製薄膜92が用いられてきた。電磁調理器の原理は、この土鍋を電磁調理器5のトッププレート51上に載せ電源が入れば誘導コイル52に磁界が生じ、磁界中に置かれた土鍋底の薄膜92に磁力線53が流れることによって渦電流に伴うジュール熱を発生させ土鍋本体9を通じて土鍋内の具材7,スープ5を加熱するというものである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記土鍋などの陶磁器製の電磁調理用容器には以下の問題があった。第1に、銀等の金属製薄膜92の熱膨張率が土鍋本体9の熱膨張率と大きく異なっており、使用中に剥がれたり金属製薄膜92が溶断したりして使用できなくなる問題があった。第2に、電磁調理器5の出力が増加し大容量になる傾向にあり、前記溶断不良が一層発生しやすい状況にあった。卓上用の1500W程度では問題にならなくても、出力が2000Wを越えると溶断不良が生じやすくなり対策がより難しくなった。さらに200V電圧対応の電磁調理器5の商品化が進むなかで、その解決が一層難しくなってきた。第3に、電磁調理器5の電源が入ると、トッププレート51との接触部分の金属製薄膜92が加熱板になって速やかに昇温するが、土鍋の底部分だけが異常に温度が上がって煮物をコゲつかせる不具合があった。さらに、一度コゲつくと、熱伝導が悪くなりそのコゲついた所がどんどん上がる局所加熱の問題があった。第4に、土鍋の底部外面91に加熱用薄膜92が設けられており、セラミックス材料からなる土鍋自体の熱伝導度が小さいことから土鍋内の具材7,スープ6を加熱するのに時間がかかっていた。加熱を終え、温まった料理が冷めにくいという土鍋特有の保温性の利点が具材7,スープ6を加熱する段階では逆に時間を多く費やすことになり、ステンレス鍋等に比べ熱効率が落ちる欠点にもつながっていた。 【0004】本発明は上記問題点を解決するもので、溶断不良等に陥ることなく電磁調理器の出力アップにも楽に対応でき、局所加熱の問題を解消し土鍋内の具材,スープを円滑に加熱上昇できる電磁調理用容器を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、上面開口の器物にして具材,スープを収容できる陶磁器製の容器本体(1)と、この容器本体の内側底面に載置され、電磁調理器上に容器本体が置かれ電磁調理器の磁界発生に伴い発熱することのできる加熱用プレート(3)と、を具備することを特徴とする電磁調理用容器にある。請求項2の発明たる電磁調理用容器は、請求項1で、容器本体の底部の厚みが2mm〜10mmの範囲で、且つ前記加熱用プレートがその容器本体へ着脱自在に載置できるようにして複数の透孔を形成してなる多孔板又は網状体であることを特徴とする。ここで、「容器本体の底部の厚みが2mm〜10mmの範囲」とは、少なくとも加熱用プレートが載る底部部分の厚みが2mm〜10mmの範囲であって、底部全体の厚み全てを2mm〜10mmの範囲にするに及ばない。 【0006】請求項1の発明のごとく、加熱用プレートが陶磁器製容器本体の内側底面に載置され、さらにこの容器本体が電磁調理器上に置かれ電磁調理器の磁界発生に伴い前記加熱用プレートが発熱するようになっていると、加熱用プレートの熱が容器本体内で直かに具材,スープを加熱するので速やかに煮込むことができる。従来品のように熱移動が困難な容器本体の底部を通過する必要がないので、熱効率も良くなる。発熱体になる加熱用プレートの周りをスープが取り囲んでいるので、局部加熱になることがなく具材,スープ全体を均等に加熱できる。そして、加熱用プレートは容器本体の内側底面に載置できればよく、加熱用プレートと容器本体を一体化させる必要がないことから剥がれや溶断等の問題とは無縁になる。請求項2のごとく、容器本体の底部の厚みが2mm〜10mmの範囲にあれば電磁調理器の磁力線が加熱用プレートに到達しやすくなり、安定した電磁調理ができる。また、加熱用プレートに複数の透孔が形成されると、スープが煮立って鍋底から気泡が出てきても透孔をくぐってスープ上面へと抜け出るので、加熱用プレートが動いたりズレたりしなくなる。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電磁調理用容器について詳述する。図1〜図5は本発明の電磁調理用容器の一形態で、図1はその分解斜視図、図2は容器本体に具材,スープを入れ電磁調理器にかけた状態の縦断面図、図3,図4は他態様の電磁調理用容器の縦断面図、図5は別態様の電磁調理用容器で、容器本体に加熱用プレートを係止させる様子を示す部分平面図である。 【0008】電磁調理用容器は容器本体1と蓋2と加熱用プレート3とを備える。本実施形態は電磁調理用容器に係る容器本体1に土鍋本体を適用する。土鍋本体1は上面開口にして具材7,スープ6を収容できる陶磁器製品である。ペタライト(リチウム長石)成分が練りこまれた土焼きの耐熱性土鍋になっている。土鍋本体1は底が平らな器物で、底部10の厚みtが2mm〜10mmの範囲にあり、好ましくは2mm〜6mmの範囲である。これらの範囲より大きくなると、電磁調理器5のトッププレート51上にこの電磁調理用容器を置いて電源を入れても、距離が遠のき磁力線53の中に加熱用プレート3を置くことが難しくなり、一方、前記範囲より小さくなると土鍋本体1が衝撃外力で壊れやすくなり、機械的強度の確保が難しくなるからである。土鍋本体1は加熱用プレート3が磁力線53の中に入りやすいように外側底面10bを平らにし、且つ内側底面10aも加熱用プレート3が載置される部分を平らにする。蓋2は土鍋本体1の上面開口を覆い閉じるものである。符号21は蒸気(又はガス)抜き孔を示す。 【0009】加熱用プレート3は、土鍋本体1の内側底面10aに載置され、電磁調理器5上に土鍋本体1が置かれ電磁調理器5の磁界発生に伴い発熱することのできる金属製板状体である。加熱用プレート3を土鍋本体1内の底面に載置してこれらを電磁調理器5上に置き、コイル52に電流を流すと磁力線53が発生し、磁界中に置かれた加熱用プレート3に渦電流を誘起させる。この渦電流が加熱用プレート3の固有抵抗に応じたジュール熱を発生し、土鍋本体1内に注がれた具材7,スープ6を加熱する。加熱用プレート3は電磁調理器5の磁界発生に伴い発熱することのできる金属製品からなるが、ここでいう金属製品には合金や或いはフッ素樹脂コーティング等の被覆処理を行った複合品等も含むものとする。加熱用プレート3の主要部は導電性材料からなり、例えば鉄,ニッケル,コバルトなどの金属或いはこれらの金属を含んだ合金からなる。ここでの加熱用プレート3にはステンレス製薄板を使用する。 【0010】加熱用プレート3は土鍋本体1の内側底面10aに着脱自在に載置できる。そして、本実施形態の加熱用プレート3には透孔31が複数設けられている。加熱用プレート3が土鍋本体1の内側底面10aに載置されることから、具材7,スープ6が煮立って鍋底から出てくる気泡8を透孔31を通って逃すことができる。透孔31の大きさは箸が透孔31にひっかかり難い4mm以下とするのが好ましい。透孔31を形成する加熱用プレート3は板体に透孔31を複数形成した多孔板の他、透孔31が多数存在する網状体(網目をなすネット等)で構成することができる。なお、各図で加熱用プレート3を判りやすくするためその板厚を便宜上厚く描くが、加熱用プレート3は渦電流が生じて加熱用プレート3が発熱できれば薄板で足りる。 【0011】加熱用プレート3は図2のように単に鍋底に置いてもよいが、図3のように加熱用プレート3が載置される箇所に凹所101を形成し、この凹所101に加熱用プレート3が横ズレしないよう安定設置させるのが望ましい。また、図4,図5のごとく土鍋本体1の側壁11の内面に係止用突起17を設け、この突起17に加熱用プレート3の周縁部32を係止させて土鍋本体1内に載置された加熱用プレート3の位置ズレを防止する工夫を施すと、加熱用プレート3が安定固定しより好ましくなる。スープ6が煮立って気泡8等が鍋底から出てきても、加熱用プレート3が動くのを突起17で確実に制止できる。図4は加熱用プレート3の弾性変形を利用して突起17下に嵌め込み係止させるものである。図4の加熱用プレート3は土鍋本体1の内側底面10a及び側壁11の内面に沿う皿形状とする。また図5は加熱用プレート3の切欠部34が突起17を素通りするようにして同図(イ)のごとく加熱用プレート3を土鍋本体1の内側底面10aに置き、その後、図の矢印のごとく回転させて(ロ)の状態にし、その上方の土鍋本体1から突出する突起17に係止セットさせるものである。 【0012】ところで、本発明に係る加熱用プレート3の大きさは電磁調理器5の磁力発生領域の直径L1と同程度にしても構わないが、誘導コイル52の磁界が及ぶ磁力発生領域の直径L1より大きく設定する方がより好ましくなる(図3)。磁力発生領域の直径L1より大きくなった加熱用プレート3の部分αにはコイル52の磁力線53が及ばないことから、加熱用プレート3を大きくすることに一見意味がないように思われる。ところが、本発明のように土鍋本体1の内側底面10aに加熱用プレート3が載置される場合には、加熱用プレート3が具材7,スープ6内に沈んでいる。コイル52に電流が流れて磁力発生領域の直径L1に対応する加熱用プレート3の部分だけがジュール熱を発生する場合であっても、加熱用プレート3が金属製で熱伝導が良好なことから、磁力発生領域の直径L1よりも大きくなった加熱用プレート部分αにその熱が直ちに伝わり、加熱用プレート3全体が発熱体になって具材7,スープ6を速く温めることができる。一方、従来品(図6参照)では、金属製薄膜92を磁力発生領域の直径L1より大きくして磁力線53の及ばない薄膜外周部分に熱が伝わっても、熱伝導度の小さな土鍋本体1の底部厚み内を熱が伝って、これを経て具材7,スープ6を温めなければならず加熱を速めることにならない。 【0013】このように構成した電磁調理用容器は、従来の電磁調理用容器のごとく土鍋本体1の底部外面91に固着する必要がなく、加熱用プレート3を土鍋本体1に単に置くだけで足りるので、加熱用プレート3と土鍋本体1の熱膨張率に違いによる剥がれや溶断の不具合とは無縁になる。電磁調理用容器は使用に際し、加熱用プレート3が土鍋本体1の内側底面10aに載置されるものであって、使用後は加熱用プレート3を取り外して洗えるので衛生的でもある。コゲつき対策としてのフッ素樹脂コーティング等も加熱用プレート3に楽に施せる。そして、従来品は電磁調理器5の出力容量の増加に溶断不良等が起き易くその対策に苦慮してきたが、土鍋本体1と別体構成で単純な板状構造の加熱用プレート3は溶断不良等の問題がそもそも存在しない。出力が2000Wを越えてもまた業務用等で200Vの電圧使用に対しても構造上何ら支障はない。本発明の電磁用土鍋は簡単な構成にして故障が起き難く長持ちする。 【0014】また、従来品は土鍋底部90が熱移動の抵抗になってこの底部分が異常に温度上昇する問題があったが、本電磁調理用容器では発熱体の加熱用プレート3が具材7,スープ6内に在るので、温度の異常上昇は起こらない。そして加熱用プレート3は加熱対象の具材7,スープ6に直接接して速やかに温度上昇させることになる。加熱用プレート3全体でこれを取り巻くスープ6等を加熱するので、一度コゲつくとどんどん温度が上がっていた局所加熱の問題も解消されている。さらに、従来品は土鍋の底部外面91にある薄膜92が加熱源になって熱伝導性の低い土鍋底部90を経由して具材7,スープ6を加熱するため煮込むのに多くの時間を費やしていたが、本電磁調理用容器は土鍋底部10を介在させることなく直かに具材7,スープ6を加熱するので具材7,スープ6を煮込むのに時間がかからない。そして、一旦煮込んで出来上がったスープ6等は伝導性の低いすなわち保温性の良い土鍋本体1に守られ冷めにくい構造になっている。加えて、金属製の加熱用プレート3は熱伝導度が高いために、渦電流に伴うジュール熱が磁力発生領域の直径L1に対応する加熱用プレート3の部分にとどまらず磁力発生領域の直径より大きくした加熱用プレート部分αにも伝わって、ここを加熱源として利用できるので、加熱用プレート3の面積を大きくすることによって具材7,スープ6を煮込む時間をより短縮できる。土鍋本体1の内側底面10aに加熱用プレート3を載置するために、スープ6等が煮立ってきた段階で鍋底から上昇する気泡8が加熱用プレート3を持上げるといった不具合も考えられるが、加熱用プレート3に気泡8の抜け道用の透孔31を設けることによって容易に解消できる。また、加熱用プレート3が突起17に係止セットされると、具材7が加熱用プレート3の下に潜ったり箸で加熱用プレート3が動いたりしないようになり、使い勝手が頗る良好になる。 【0015】尚、本発明においては、前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。土鍋本体1,蓋2,加熱用プレート3,等の形状,大きさ,それらの材質等は用途に合わせて適宜選択できる。例えば、実施形態では電磁調理用容器に係る容器本体を土鍋本体1としたが、容器本体はこれに限らず、例えば陶磁器製のボール形状等の容器とすることもできる。 【0016】 【発明の効果】以上のごとく、本発明の電磁調理用容器は、溶断不良等に陥ることなく電磁調理器の出力アップ等にも難なく対応できるばかりか、局所加熱の問題を解消し土鍋内の具材,スープを速やかに加熱できるなど優れた効果を発揮する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】300021297 【氏名又は名称】銀峯陶器株式会社 【住所又は居所】三重県四日市市三ツ谷町13−25
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| 【出願日】 |
平成14年2月28日(2002.2.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100101627 【弁理士】 【氏名又は名称】小林 宜延
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| 【公開番号】 |
特開2003−250698(P2003−250698A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月9日(2003.9.9) |
| 【出願番号】 |
特願2002−54789(P2002−54789) |
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