| 【発明の名称】 |
加熱調理用容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】明道 健一 【住所又は居所】新潟県燕市大字杣木1961番地の16 新光金属株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】従来の鍋釜などからなる加熱調理用容器の問題点を解消してより優れた熱効率の使い勝手のよい加熱調理用容器を提供する。
【解決手段】金属板のプレス成形で得られ、容器主体2の上部開口縁Aを外方に折り返して形成した折り返し部4を、容器主体2の前記上部開口縁Aの近傍の外周面に適宜の幅で一体化し、この折り返し部4の端縁を斜め上方に向けて成形して鍔状部3を形成することにより、鍔状部3と前記折り返し部4との間の容器主体2の外周に環状の受け溝5を形成して容器1を構成する。この容器1の鍔状部3は加熱に際して容器主体2の底部から胴部を伝って上昇する熱や炎を受けて容器の熱効率を顕著に向上し、また、この鍔状部3が容器の持ち手として使い勝手の向上に寄与することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属板のプレス成形によって得られた容器であって、容器主体の外周面に、該容器主体の上部開口縁を外方に折り返すことによって所定形状の鍔状部を形成してなることを特徴とする加熱調理用容器。 【請求項2】 前記鍔状部が容器主体の上部開口縁を外方に折り返して一旦上部開口縁近傍の外周面に沿って一体化させ、次いで折り返し端縁を斜め上方に向けて成形することによって前記折り返しで一体化された上部開口縁近傍の外周面との間で環状の受け溝を形成したことを特徴とする請求項1記載の加熱調理用容器。 【請求項3】 前記受け溝が比較的幅広のものであることを特徴とする請求項2記載の加熱調理用容器。 【請求項4】 前記鍔状部が容器主体の上部開口縁を外方に折り返し、その折り返し縁を容器主体の上部開口縁近傍の外周面に対して所定の間隙を保持しつゝ直接降下させて鍔状部としたものであることを特徴とする請求項1記載の加熱調理用容器。 【請求項5】 前記鍔状部が容器主体の上部開口縁を外方に折り返して一旦容器主体の上部開口縁近傍の外周面に沿って一体化させ、次いで容器主体の外周面に対して所定の間隙を保持しつゝ降下させて鍔状部としたものであることを特徴とする請求項1記載の加熱調理用容器。 【請求項6】 前記鍔状部に適宜数の通孔を形成したことを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載の加熱調理用容器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は飯炊きのための釜、湯を沸かして茶を点ずる茶釜、その他各種の煮物に使用する鍋などの加熱調理のための容器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に家庭における炊飯には電気炊飯器が圧倒的に浸透している。一方、粘土や煉瓦などで築いたかまどで薪や藁によって炊飯している昔ながらの古い民家などでは羽釜という鍔を有する釜が使用されている。 【0003】この羽釜は釜を伝って炎が高く立ちのぼるのを受け止めて釜底の部分を能率的に熱するために、釜の中央部よりやゝ上の部分の外周に鍔(羽という)を備えているものである。 【0004】一方、すき焼き用などの比較的浅底の煮込用鍋にはかゝる鍔(羽)を有するものは見当たらない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】炊飯用の羽釜は羽が下からの炎(熱)を遮って熱効率のよい炊飯ができるという利点があるが、炊飯時にふきこぼれる「おねば」と称するデンプンの半液体物が釜の外周から羽の表面を伝って流れて周囲を汚すおそれがあり、使い勝手の点で充分とはいえない。また、煮込用の鍋は鍋の底部を加熱するのみであるため、それ以上の熱効率の向上は期待できない。本発明の目的は、これら従来の釜や鍋などの加熱調理用容器の有する問題点を解消してより優れた熱効率の使い勝手のよい加熱調理用容器を提供せんとするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために請求項1の発明は、金属板のプレス成形によって得られた容器であって、容器主体の外周面に、該容器主体の上部開口縁を外方に折り返すことによって所定形状の鍔状部を形成してなることを特徴とする加熱調理用容器である。 【0007】請求項2の発明は、前記鍔状部が容器主体の上部開口縁を外方に折り返して一旦上部開口縁近傍の外周面に沿って一体化させ、次いで折り返し端縁を斜め上方に向けて成形することによって前記折り返しで一体化された上部開口縁近傍の外周面との間で環状の受け溝を形成したことを特徴とする請求項1記載の加熱調理用容器である。 【0008】また、請求項3の発明は、前記受け溝が比較的幅広のものであることを特徴とする請求項2記載の加熱調理用容器である。 【0009】請求項4の発明は、前記鍔状部が容器主体の上部開口縁を外方に折り返し、その折り返し縁を容器主体の上部開口縁近傍の外周面に対して所定の間隙を保持しつゝ直接降下させて鍔状部としたものであることを特徴とする請求項1記載の加熱調理用容器である。さらに請求項5の発明は、前記鍔状部が容器主体の上部開口縁を外方に折り返して一旦容器主体の上部開口縁近傍の外周面に沿って一体化させ、次いで容器主体の外周面に対して所定の間隙を保持しつゝ降下させて鍔状部としたものであることを特徴とする請求項1記載の加熱調理用容器である。 【0010】また、請求項6の発明は、前記鍔状部に適宜数の通孔を形成したことを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載の加熱調理用容器である。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の加熱調理用容器は金属板のプレス成形によって得られるもので、これに適用できる金属板素材としては、銅、ステンレス、鉄、アルミニウムまたはそれらの合金などを挙げることができる。金属板の厚みはプレス加工の容易性を考慮し、かつ得られた容器の加熱調理の際の使い勝手などを考えて適宜に決定することができる。また、容器の全体構造や各部の寸法は使用目的に応じて適宜に決定することができる。 【0012】本発明の加熱調理用容器のうち、請求項2、3および5の加熱調理用容器は、容器主体の上部開口縁を外方に折り返して一旦上部開口縁近傍の外周面に沿って一体化させるのであるが、この一体化の幅は任意である。 【0013】また、請求項2の加熱調理用容器は、上記折り返し部の端縁をさらに斜め上方に向けて成形した折り返しにより一体化された上部開口縁近傍の外周面との間に環状の受け溝を形成するのであるが、折り返し端縁の斜め上方への幅や受け溝の幅にも特別な制限はない。ただし、受け溝は内部に溜まったふきこぼれの滓などを容易に掃除できるように比較的幅広のものとすることが望ましい。この加熱調理用容器は炊飯用に適しており、炊飯などで生じたふきこぼれを受け溝で受け止めて釜回りを極力清潔に保持することができるものである。 【0014】本発明の請求項4、5および6の加熱調理用容器は、いずれも容器主体の上部開口縁の外方への折り返し縁を最終的に容器主体の上部開口縁近傍の外周面に対して所定の間隙を形成して降下した状態の鍔状部とするのであるが、この鍔状部の幅や間隙は容器主体の底部から胴部を伝って上昇する熱や炎を受けて容器の熱効率を向上することができるものであれば特に制限はない。なお、請求項6の加熱調理用容器の鍔状部に形成する通孔は鍔状部の全周に亘って形成するもので、孔径や孔数、孔の配置などは特に制限はない。 【0015】 【作用】本発明の加熱調理用容器は、いずれも容器主体の上部開口縁を外方に折り返すことによって所定形状の鍔状部を形成するもので、この鍔状部がいずれの場合にも容器の加熱に際して容器主体の底部から胴部を伝って上昇する熱や炎を受けて実質的に少ない火力による短時間の温度上昇を可能にして熱効率を向上することができる。また、これらの鍔状部は、容器の持ち手として使い勝手の向上に寄与することができるものである。 【0016】本発明の加熱調理用容器のうち請求項2、3および5による容器は、容器主体の上部開口縁を外方に折り返して上部開口縁近傍の外周面に沿って一体化させるのであるが、これによってこの部分の容器の強化に寄与することができる。 【0017】また、請求項2および3において折り返し部の端縁をさらに斜め上方に向けて成形した折り返しにより一体化された上部開口縁近傍の外周面との間で環状の受け溝を形成することによって、前記鍔状部による熱効率の向上と共に、この受け溝が炊飯などで生じたふきこぼれを受けて釜回りを極力清潔に保持することができるものである。 【0018】本発明の請求項4、5および6による加熱調理用容器は、容器主体の上部開口縁を外方に折り返し、その折り返し縁をそのまゝ容器主体の外周面との間に所定の間隙を形成して降下した状態の鍔状部を形成するか(請求項4)、もしくは一旦容器主体の上部開口縁近傍の外周面に沿って一体化させたのち、容器主体の外周面との間に所定の間隙を形成して降下した状態の鍔状部を形成するか(請求項5)のいずれかによるものであるが、この形成された間隙によって容器主体の底部から胴部を伝って上昇する熱や炎を受けて容器の熱効率を向上することができるものである。 【0019】 【実施例】以下、図面を引用した実施例によって本発明の加熱調理用容器をさらに具体的に説明する。図1は炊飯釜として有用な本発明の加熱調理用容器を示したもので、加熱調理用容器(以下容器1という)は一体化された容器主体2と鍔状部3とからなっている。この容器1は全体が厚さ約2mmの銅板を加工したもので、容器主体2は深絞りプレス成形によって上部が開口した直径約260mmφ×深さ約200mmの断面円形の有底容器として造られている。 【0020】図2に示すように、容器主体2の上部開口縁Aは外方に折り返されて折り返し部4を形成し、この折り返し部4は容器主体2の前記上部開口縁Aの近傍の外周面に適宜の幅で緊密に一体化されている。そして、この折り返し部4の端縁は、次いで容器主体2を離れて斜め上方に向けて成形されて鍔状部3を形成しており、したがってこの鍔状部3と前記折り返し部4との間の容器主体2の外周に環状の受け溝5が形成されている。 【0021】受け溝5は炊飯時の容器主体2からのふきこぼれを受け止めて容器1を汚すことがないようになっているが、この実施例の容器では受け溝5の幅は内部に溜まったふきこぼれなどの滓の掃除が楽なように約10mmという比較的幅広にしている。 【0022】図3、図4は本発明の他の実施例として煮物用鍋に有用な加熱調理用容器を示したものである。この加熱調理用容器11(以下容器11という)は、共に銅製の容器主体12と鍔状部13の一体化で構成されている。 【0023】容器主体12は、直径約260mmφ×深さ約80mmの断面円形をなし、肉類や野菜類を卓上で煮炊きするのに適した比較的浅底のもので、鍔状部13は、図4で特に明らかなとおり容器主体12の上部開口縁Bを外方に折り返し、その折り返し縁が容器主体12の外周面との間で所定の間隙Cを保持するように降下させて鍔状部としたものである。この間隙Cは鍋底から回り込んだ熱を受け止めて容器11の効率のよい加熱を助けることができ、また、この部分を把手として使用して容器11の持ち運びを有利にしている。なお、図示しないが、鍔状部は容器主体の上部開口縁を外方に折り返し、その折り返し縁を容器主体の前記上部開口縁の近傍の外周面に適宜の幅で緊密に一体化したのち、容器主体の外周面との間で所定の間隙を保持するように降下させて鍔状部としてもよい。 【0024】図5はさらに他の実施例として煮物用鍋に用いる加熱調理用容器を示すものである。この加熱調理用容器21(以下容器21という)は、銅製の容器主体22と鍔状部23からなる浅底のもので、鍔状部23の全周に亘って多数の通孔24,24・・・・を形成した以外は前記図3と図4に示した加熱調理用容器と実質的に変わりのない構造のものである。この実施例において通孔24は、径の大きな通孔(直径約10mmφ)を上段に、径の小さな通孔(直径約5mmφ)を下段にして上下の通孔を千鳥で配列したものである。 【0025】容器主体22と鍔状部23によって形成された間隙に鍋底から回り込んだ熱を受けて有効に加熱するものであるが、これらの通孔24は間隙に受けた熱の一部をこれらの通孔24,24・・・を通して外部に適宜に放散させるもので、これらの通孔24,24・・・はいわば通気孔の役割をなして熱効率をさらに向上させることができるものである。 【0026】 【発明の効果】本発明の加熱調理用容器は、容器主体の上部開口縁の外方への折り返しによって所定の形状の鍔状部を有する容器としたもので、この鍔状部が加熱に際して容器主体の底部から胴部を伝って上昇する熱や炎を受けて容器の熱効率を顕著に向上することができるものである。また、この鍔状部は、いずれも容器の持ち手として使い勝手の向上に寄与することができるものである。 【0027】一方、請求項2および3による本発明の加熱調理用容器は、容器主体の上部開口縁を外方に折り返して上部開口縁近傍の外周面に沿って一体化させたので、この部分で容器の強度を向上することができるものである。 【0028】また、この折り返し部の端縁をさらに斜め上方に向けて成形した折り返しで一体化された上部開口縁近傍の外周面との間で環状の受け溝を形成することによって、前記鍔状部によって熱効率の向上が達成されると共に、この受け溝が炊飯などで生じたふきこぼれを受けて周囲の汚損を防止することができる。 【0029】他方の請求項4、5および6による本発明の加熱調理用容器は、容器主体の上部開口縁の外方への折り返しで最終的に容器主体の上部開口縁近傍の外周面との間に所定の間隙を形成して降下した状態の鍔状部を形成したもので、形成された間隙で容器主体の底部から胴部を伝って上昇する熱や炎を受けて容器の熱効率を向上することができるものである。 【0030】本発明の加熱調理用容器は、複雑な加工機械を使用することなく金属板のプレス成形によって容易かつ安価に得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591183887 【氏名又は名称】新光金属株式会社 【住所又は居所】新潟県燕市大字杣木1961番地の16
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| 【出願日】 |
平成14年3月5日(2002.3.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088409 【弁理士】 【氏名又は名称】水野 尚 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−250697(P2003−250697A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月9日(2003.9.9) |
| 【出願番号】 |
特願2002−58635(P2002−58635) |
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