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【発明の名称】 落し蓋
【発明者】 【氏名】蒔田 祐太郎

【要約】 【課題】煮物のアクを容易に除去することができ、煮こぼれの汁が鍋の周囲に落下することを防止し、且つエネルギーの節約を図ることができる落し蓋を提供する。

【解決手段】板状体(1)と該板状体の上面に取り付けられた取っ手(3)とよりなる落し蓋において、該板状体の下面には該板状体の中央部より周縁に至る溝(5)を形成し、該板状体の周縁には該溝に連なる切り欠き(7)を形成し、該板状体の上面における該切り欠きの周囲には該切り欠きに連なるアク溜め用の凹陥部(9)を形成したことを特徴とする落し蓋。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 板状体と該板状体の上面に取り付けられた取っ手とよりなる落し蓋において、該板状体の下面には該板状体の中央部より周縁に至る溝を形成し、該板状体の周縁には該溝に連なる切り欠きを形成し、該板状体の上面における該切り欠きの周囲には該切り欠きに連なるアク溜め用の凹陥部を形成したことを特徴とする落し蓋。
【請求項2】 前記溝は前記板状体の下面に放射状に形成されていることを特徴とする請求項1の落し蓋。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鍋等の落し蓋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】落し蓋としては、実用新案登録第3068040号公報に示すもの(以下「従来の落し蓋」という。)が知られている。この従来の落し蓋は、板状体と該板状体の表面に取り付けられた取っ手とよりなり、該板状体に複数の貫通孔を設け、該貫通孔の板状体表面に対する空隙率を板状体の周縁部から中心部にかけて次第に小さくなるようにしたものである。
【0003】前記公報によれば、従来の落し蓋は、板状体に中心部から周縁部方向に空隙率が次第に大きくなるように複数の貫通孔を設けたため、温度の高い鍋の内周縁部の熱を放散して全体としてほぼ均一な温度で煮き上げることができると共にアク出しも均一に行なうことができる、とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の落し蓋には次のような問題がある。
【0005】(イ)板状体の中心部から周縁部に多数の貫通孔が形成されているため、鍋内の熱がこれらの貫通孔より逃げ出すことになり、エネルギーの損失を生する。即ち、燃料の無駄が生ずる。
【0006】(ロ)アクは板状体の貫通孔より該板状体の上面に出るが、板状体には該板状体の上面に出たアクを保持する手段がないため、落し蓋を鍋から持ち上げたときには板状体上面のアクは鍋内に落下する。
【0007】本発明は、従来の落し蓋におけるこのような問題を解決しようとしてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は下記の落し蓋を提供する。
【0009】(1)板状体と該板状体の上面に取り付けられた取っ手とよりなる落し蓋において、該板状体の下面には該板状体の中央部より周縁に至る溝を形成し、該板状体の周縁には該溝に連なる切り欠きを形成し、該板状体の上面における該切り欠きの周囲には該切り欠きに連なるアク溜め用の凹陥部を形成したことを特徴とする落し蓋(請求項1)。
【0010】(2)前記溝は前記板状体の下面に放射状に形成されている(請求項2)。
【0011】
【作用】[請求項1の落し蓋]煮物のアクは、鍋内部の圧力により、板状体下面の溝を通って板状体の周縁に至り、該溝に連なる切り欠き内を上昇し、該切り欠きに連なるアク溜用の凹陥部内に溜まる。凹陥部内にアクが溜まったときには、落し蓋を鍋から持ち上げ、鍋の外方にて落し蓋を傾斜させることのよりアクを落し蓋から除去する。アクは凹陥部内に溜まるため、落し蓋を鍋から持ち上げてもアクが鍋内に落下することはない。
【0012】板状体の周縁に形成された切り欠きは、鍋内の蒸気を適度に外部に逃し、煮こぼれの汁が鍋の周囲に落下することを防止する。
【0013】板状体は周縁の切り欠き以外に貫通孔を備えていないため、鍋内の熱の過度の放散が防止される。従って、エネルギーが節約される。
【0014】[請求項2の落し蓋]板状体下面の溝は放射状に形成されているため、煮物のアクは、鍋内部の圧力により、該溝を通ってより円滑に板状体の周縁に至り、切り欠き内を上昇し、アク溜用の凹陥部内に溜まる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。本発明の落し蓋は、板状体1と該板状体1の上面に取り付けられた取っ手3とよりなるものである点においては、従来の落し蓋と同様である。板状体1は好ましくは木材により形成するが、他の材料により形成しても差し支えない。図示の板状体1は略円板状をなすが、鍋等の形状に適合したものであれば略円板状以外の形状を備えたものであってもよい。
【0016】板状体1の下面には該板状体1の中央部より周縁に至る溝5を形成し、該板状体1の周縁には該溝5に連なる切り欠き7を形成する。板状体1の上面における該切り欠き7の周囲には該切り欠き7に連なるアク溜め用の凹陥部9を形成する。凹陥部9は、板状体1が略水平状態にあるときにアク10をこぼすことなく保持し得るものであれば、いかなる形状を備えたものであってもよい。図4参照。
【0017】図示の事例においては、溝5は板状体1の下面に放射状に形成されているが、溝5は必ずしも相互に連続したものである必要はない。また、溝5は一例として図5に示すように断面略逆V字状をなす。
【0018】図3は、本発明による落し蓋の使用状態の一例を示す。同図において、符号11に示すものは鍋、符号13に示すものは該鍋11内で加熱される食材、符号15に示すものは鍋11の取っ手である。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は下記の如き優れた効果を発揮する。
【0020】■煮物のアクは、鍋内部の圧力により、板状体下面の溝を通って板状体の周縁に至り、切り欠き内を上昇し、アク溜用の凹陥部内に溜まる。凹陥部内にアクが溜まったときには、落し蓋を鍋から持ち上げ、鍋の外方にて落し蓋を傾斜させることのよりアクを落し蓋から除去することができる。アクは凹陥部内に溜まるため、落し蓋を鍋から持ち上げてもアクが鍋内に落下することはない。
【0021】■板状体の周縁に形成された切り欠きは、鍋内の蒸気を適度に外部に逃し、煮こぼれの汁が鍋の周囲に落下することを防止する。
【0022】■板状体は周縁の切り欠き以外に貫通孔を備えていないため、鍋内の熱の過度の放散が防止される。従って、エネルギーが節約される。
【出願人】 【識別番号】502013919
【氏名又は名称】蒔田 祐太郎
【出願日】 平成14年1月11日(2002.1.11)
【代理人】 【識別番号】100082913
【弁理士】
【氏名又は名称】長野 光宏
【公開番号】 特開2003−204882(P2003−204882A)
【公開日】 平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願番号】 特願2002−4491(P2002−4491)