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【発明の名称】 柄と本体部とが分離可能な調理用器具
【発明者】 【氏名】堀部 有弘
【住所又は居所】岐阜県関市池尻1924番地 川嶋工業株式会社内

【氏名】大野 博之
【住所又は居所】岐阜県関市池尻1924番地 川嶋工業株式会社内

【要約】 【課題】調理用器具について、柄と本体部との固定及び連結を確実に行えるようにし、かつ分離も簡単に行えるようにすること。

【解決手段】本体部10の基端部11にスプリング部材30が組み付けられるようにする一方、このスプリング部材30と基端部11とが挿入される略長方形状の挿入穴23を柄20内に形成し、スプリング部材30に、これが基端部11とともに挿入穴23内に挿入されたとき、この挿入穴23の4つの内面に当接することになる少なくとも2つの弾性片を一体的に形成するとともに、本体部10側の基端部11先端に一つのボルト挿入穴を形成し、このボルト挿入穴に外側から挿入される一本のボルト40を柄10に固定するようにしたこと。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 しゃもじ部、しゃくし部、へら部などの本体部を柄に対して着脱自在とした調理用器具であって、前記本体部の基端部にスプリング部材が組み付けられるようにする一方、このスプリング部材と前記基端部とが挿入される略長方形状の挿入穴を前記柄内に形成し、前記スプリング部材に、これが前記基端部とともに前記挿入穴内に挿入されたとき、この挿入穴の4つの内面に当接することになる少なくとも2つの弾性片を一体的に形成するとともに、前記本体部側の基端部先端に一つのボルト挿入穴を形成し、このボルト挿入穴に外側から挿入される一本のボルトを前記柄に固定するようにしたことを特徴とする調理器具。
【請求項2】 前記柄を、前記挿入穴に対して斜め方向となる分離面にて柄本体とカバー柄との2つに分離できるものとし、これらの柄本体とカバー柄とのそれぞれの対向面に、互いに嵌合されて位置決めを行う嵌合突起及び嵌合凹所を形成するとともに、前記ボルトが挿入される挿入穴を前記柄本体またはカバー柄に形成し、前記ボルトの先端が螺着されることになるネジ穴を前記カバー柄または柄本体に形成したことを特徴とする請求項1に記載の調理器具。
【請求項3】 前記スプリング部材は、前記本体部の基端部に形成した位置決め穴に係止される位置決め片を有したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の調理器具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、しゃもじ、しゃくし、へら、調理用スプーンやフォーク、フライ返し、スパチュラ等の手で持って使用し、先の本体部で種々な機能を発揮することになる調理用器具に関し、特に、その手で持つ「柄」と機能を発揮するための「本体部」とを分離可能にした調理用器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】柄と本体部とが分離可能となった調理用器具は、一つの柄でしゃもじ、しゃくし、あるいはへら等の何種類かの機能を発揮する本体部に交換することができて便利であり、逆に、一つのしゃもじに対して複数の柄を交換することにより、古くなった柄やデザインを変えた柄を使用することもできて便利なものである。
【0003】特に、近年のように、ゴミの「分別収集」が必要となってくると、この種の調理用器具をゴミとして捨てる場合には、通常は木製であったり合成樹脂製であったりする「柄」と、通常は金属製である「本体部」との分離を行わなければならない。この点、柄と本体部とが分離可能となった調理用器具は、分別収集のためにも、有利なものである。
【0004】このような柄と本体部とを分離可能とした調理用器具の従来例としては、例えば図9に示すような「着脱取手付しゃもじ」がある。この着脱取手付しゃもじは、実開昭60−5663号公報にて提案されているものであるが、図9の(イ)及び(ハ)の如く使用する時は、ヘラ部1に取手部2を装着して使用し、使用後は押しボタン3を押すことにより、スプリング5の力により取手部とヘラ部とが、図9の(ロ)に示すように、簡単に抜き取れるようにしたものである。これにより、ヘラ部1を常時炊飯器の中に入れておくことができることは当然として、「柄」と「本体部(ヘラ部1)」とを分別収集のために分離することができるものである。
【0005】ところが、この図9に示した「柄」と「本体部」との分離が可能な調理用器具は、これらの「柄」と「本体部」との間に所謂「ガタ」が生じるものと考えられるため、その使用勝手が非常に悪いと思われる。何故なら、通常、あるものについて着脱自在とするためには、挿入を簡単に行えるようにするために、両者間にある程度の隙間を形成しておかなければならないが、この隙間を完全に埋めないと、使用時、つまり力を加えたとき互いに動くことになるからである。
【0006】従って、図9に示した従来の着脱取手付しゃもじでは、スプリング5によって本体部を常に押し出すようにして、このスプリング5の付勢力によってボタン3との係合を確保するようにはしているが、ヘラ部1と取手部2との間の「ガタ」防止は果たされていない。このため、当該しゃもじを使用すると、「柄」に対して「本体部(ヘラ部1)」が動くことになるから、使用勝手が非常に悪いのである。
【0007】そこで、本発明者等は、この種の調理用器具において、その「柄」と「本体部」とをガタなく連結できて、しかも分離を簡単に行えるようにするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の経緯に基づいてなされたもので、その解決しようとする課題は、調理用器具について、柄と本体部との固定及び連結を確実に行えるようにし、かつ分離も簡単に行えるようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するために、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する実施の形態の説明中において使用する符号を付して説明すると、「しゃもじ部、しゃくし部、へら部などの本体部10を柄20に対して着脱自在とした調理用器具100であって、本体部10の基端部11にスプリング部材30が組み付けられるようにする一方、このスプリング部材30と基端部11とが挿入される略長方形状の挿入穴23を柄20内に形成し、スプリング部材30に、これが基端部11とともに挿入穴23内に挿入されたとき、この挿入穴23の4つの内面に当接することになる少なくとも2つの弾性片31を一体的に形成するとともに、本体部10側の基端部11先端に一つのボルト挿入穴12を形成し、このボルト挿入穴12に外側から挿入される一本のボルト40を柄10に固定するようにしたことを特徴とする調理器具100」である。
【0010】すなわち、この請求項1に係る調理用器具100は、本体部10を柄20に対して着脱自在としたものであるが、この本体部10としては、しゃもじの柄以外の部分であるしゃもじ部、調理用スプーン、調理用レードル、あるいはしゃくしの柄以外の部分であるしゃくし部、調理用へら、フライ返し、ケーキターナー、あるいはスパチュラの柄以外の部分であるへら部等の種々なものがあり、要するに調理用器具の柄以外の部分を含むものである。
【0011】また、この調理用器具100では、その本体部10の基端部11にスプリング部材30を組み付けて、これらを柄20に対して差し込むものである。そのために、本体部10の基端部11は、図2及び図3に示すように、断面が略長方形状の板状のものとしてあり、この基端部11には、特に図3に示すように、後に固定用のボルト40が通ることになるボルト挿入穴12が形成してある。勿論、柄20側には、図2、図7及び図8に示すように、本体部10側の基端部11が差し込まれるべき挿入穴23が形成してあるが、この挿入穴23は、その断面形状が略長方形状となるようにしてある。
【0012】本体部10の基端部11に組み付けられるスプリング部材30は、図4〜図6に示すように、これが基端部11とともに挿入穴23内に挿入されたとき、この挿入穴23の内面に当接することになる少なくとも2つの弾性片31を一体的に形成したものである。このとき、挿入穴23は断面形状が略長方形状となるようにしてあるから、その内面は4つあることになるが、各弾性片31は、挿入穴23内の4つの内面のいずれか2つに当接することになるのである。
【0013】各弾性片31は、図4〜図6の各(ロ)及び(ハ)に示したように、その長さ方向に対して直交する方向の折曲線を合計3本入れてあるから、これらの折曲線にて折曲されたものとなっている。このため、このスプリング部材30の各弾性片31は、スプリング部材30が本体部10の基端部11に組み付けられた状態で柄20の挿入穴23内に強制的に挿入されると、挿入穴23の内面にて延ばされるような状態となって扁平状態になり、当該スプリング部材30、つまりこれを組み付けた基端部11を挿入穴23内面に対して弾性的に支持することになるのである。
【0014】この各弾性片31による弾性的な支持が確実になされるためには、断面が略長方形状の挿入穴23の少なくとも2つの面、つまり4つの内面の内の、互いに対向し合う面か、あるいは互いに直交する面に弾性片31が当接する必要がある。勿論、3つ以上あれば十分である。図4に示したスプリング部材30は、略長方形状の短辺側の2つの内面と、長辺側の1つの内面との、合計3面に当接する3つの弾性片31を有したものであり、図5に示したスプリング部材30は、略長方形状の短辺側の2つの内面と、長辺側の2つの内面との、合計4面(全面)に当接する4つの弾性片31を有したものである。
【0015】図6に示したスプリング部材30は、互いに直交し合う長辺側及び短辺側面に当接することになる2つの弾性片31を有したものであり、1つの短辺側に当接する弾性片31の反対側は、挿入穴23の反対側内面に当接するだけの当接面33としてある。この当接面33は、当該スプリング部材30全体を挿入穴23内の所定位置に支持させることにより、反対側の弾性片31(図6のイ中では図示下方に位置する弾性片31)による弾性力を十分発揮させるようにしているのである。
【0016】さて、本体部10側の基端部11先端には、図2及び図3に示すように、一つのボルト挿入穴12が形成してあり、このボルト挿入穴12には、柄20の外側から一本のボルト40が挿入されるのであり、このボルト40の先端を、図1及び図2に示すように、柄10の反対側内面に固定することにより、本体部10の柄20に対する固定が完了するのである。勿論、このボルト40を取り外せば、本体部10と柄20との分離が行えることは当然である。
【0017】従って、この請求項1に係る調理用器具100は、柄20と本体部10との固定及び連結が確実に行え、かつ分離も簡単に行えるものとなっているのである。
【0018】上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1の調理用器具100について、「柄20を、挿入穴23に対して斜め方向となる分離面20aにて柄本体21とカバー柄22との2つに分離できるものとし、これらの柄本体21とカバー柄22とのそれぞれの対向面に、互いに嵌合されて位置決めを行う嵌合突起24及び嵌合凹所25を形成するとともに、ボルト40が挿入される挿入穴23を柄本体21またはカバー柄22に形成し、ボルト40の先端が螺着されることになるネジ穴26をカバー柄22または柄本体21に形成したこと」である。
【0019】すなわち、この請求項2に係る調理器具100は、これを構成している柄20を、柄本体21とカバー柄22との2つに分離できるものとしたものである。そして、この柄20の分離面20aは、図1及び図2に示すように、挿入穴23に対して斜め方向となるものである。
【0020】このように、分離面20aにて柄本体21とカバー柄22との2つに分離できるものとしているのは、スプリング部材30の、基端部11に対する組み付けを簡単に行えるようにするためであり、当該スプリング部材30の各弾性片31の弾性力が損なわれないようにしながら、各弾性片31の挿入穴23内面に対する当接を確実に行えるようにするためである。
【0021】また、これらの柄本体21とカバー柄22とのそれぞれの対向面には、図7及び図8に示すように、互いに嵌合されたときの位置決めを行う嵌合突起24及び嵌合凹所25が形成してある。つまり、これらの嵌合突起24及び嵌合凹所25は、これらを互いに嵌合させることにより、柄本体21及びカバー柄22の連結を行い易くするものなのである。
【0022】さらに、この調理用器具100では、ボルト40が挿入される挿入穴23を柄本体21またはカバー柄22に形成し、ボルト40の先端が螺着されることになるネジ穴26をカバー柄22または柄本体21に形成してある。これにより、一本のボルト40を螺着することにより、柄本体21とカバー柄22との一体化は勿論、一体化された柄20に対する本体部10の基端部11の固定も行えるのである。
【0023】従って、この請求項2に係る調理用器具100も、柄20と本体部10との固定及び連結が確実に行え、かつ分離も簡単に行えるものとなっているのである。
【0024】上記課題を解決するために、請求項3に係る発明の採った手段は、上記請求項1または請求項2の調理用器具100について、「スプリング部材30は、本体部10の基端部11に形成した位置決め穴13に係止される位置決め片32を有したものであること」である。
【0025】すなわち、この請求項3の調理用器具100では、スプリング部材30は、その後端に形成してある位置決め片32を、本体部10の基端部11側に形成してある位置決め穴13内に係合させることにより、基端部11に組み付けられるものである。なお、図4に示したスプリング部材30では、その他に図示上下に位置する2つの弾性片31により本体部10側の基端部11の両側を挟み込むようにして、組付状態を確実にするようにしている。
【0026】従って、この請求項3に係る調理用器具100も、柄20と本体部10との固定及び連結が確実に行え、かつ分離も簡単に行えるものとなっているのである。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、以上のように構成した各請求項に係る発明を、図面に示した実施の形態である調理用器具100について説明するが、この実施形態の調理用器具100は、上記各請求項に係る発明の全てを含むものである。
【0028】図1には、本体部10が「玉じゃくし」である調理用器具100の断面図が示してあり、この本体部10の図示右端部が基端部11となって、柄20内の挿入穴23に嵌挿してある。この基端部11には、後述するスプリング部材30が組み付けてあり、このスプリング部材30も、基端部11とともに挿入穴23内に嵌挿してある。また、これらのスプリング部材30及び基端部11を通したボルト40によって、当該本体部10は柄20に対して固定してあるのである。そして、本実施形態の柄20は、分離面20aにて分離された柄本体21とカバー柄22とからなっている。
【0029】本体部10の基端部11は、図2及び図3に示したように、他の部分に対して細く形成してあり、柄20側の挿入穴23内に挿入し易くしてある。また、この基端部11には、後述するボルト40が挿通されることになるボルト挿入穴12と、後述するスプリング部材30を仮止めするための位置決め穴13とが形成してある。なお、この基端部11の先端には、柄20の挿入穴23内への挿入が容易となるように、丸みが付けてある。
【0030】柄20は、図8に示した柄本体21と、図7に示したカバー柄22とからなるものであり、両者の端面である分離面20aは、当該柄20の中心に位置する挿入穴23に対して傾斜したものとしてある。分離面20aを挿入穴23に対して傾斜させたのは、この分離面20aに露出する嵌合突起24及び嵌合凹所25が、互いに係合し易くするためであり、型製造も簡単に行えるようにするためである。換言すれば、これらの柄本体21及びカバー柄22の端面には、図7及び図8の各(ハ)に示したように、嵌合突起24及び嵌合凹所25が露出させてある。また、これらの柄本体21及びカバー柄22は、ボルト40によって互いに固定されるものであるため、このボルト40が螺着されるべきネジ穴26が、図7及び図8に示したように形成してある。なお、カバー柄22の一部には、図1及び図7に示したように、指掛け27が形成してある。
【0031】スプリング部材30は、図3及び図4に示したように、その基体部分に対して撓むとともに、自身も撓む複数の弾性片31を有したものである。また、このスプリング部材30の基体部分の弾性片31とは反対側に、本体部10側の基端部11に形成してある位置決め穴13内に係合することになる位置決め片32が形成してある。各弾性片31には、その長さ方向に直交する3本の折曲線が入れてあり、これにより、各弾性片31はその両側に位置する挿入穴23の内面に対して厚さ方向に撓むものとなっているのである。
【0032】本実施形態では、スプリング部材30を、図2及び図3に示したように、各弾性片31が外側(本体部10の先端側)になるように挿入している。その理由は、本体部10と柄20との「ガタツキ」がないようにするには、柄20に形成してある挿入穴23の、本体部10側先端部に隙間がないようにすることが最も効果的であるため、この部分に各弾性片31が位置しているとよいからである。このため、本実施形態では、スプリング部材30の各弾性片31が挿入穴23の出口付近に位置するようにしたのである。
【0033】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明においては、主として、「しゃもじ部、しゃくし部、へら部などの本体部10を柄20に対して着脱自在とした調理用器具100であって、本体部10の基端部11にスプリング部材30が組み付けられるようにする一方、このスプリング部材30と基端部11とが挿入される略長方形状の挿入穴23を柄20内に形成し、スプリング部材30に、これが基端部11とともに挿入穴23内に挿入されたとき、この挿入穴23の4つの内面に当接することになる少なくとも2つの弾性片31を一体的に形成するとともに、本体部10側の基端部11先端に一つのボルト挿入穴12を形成し、このボルト挿入穴12に外側から挿入される一本のボルト40を柄10に固定するようにしたこと」にその構成上の特徴があり、これにより、柄20と本体部10との固定及び連結が確実に行え、かつこれらの分離も簡単に行うことのできる調理用器具100を提供することができるのである。
【出願人】 【識別番号】000200426
【氏名又は名称】川嶋工業株式会社
【住所又は居所】岐阜県関市池尻1924番地
【出願日】 平成13年12月27日(2001.12.27)
【代理人】 【識別番号】100083932
【弁理士】
【氏名又は名称】廣江 武典
【公開番号】 特開2003−190027(P2003−190027A)
【公開日】 平成15年7月8日(2003.7.8)
【出願番号】 特願2001−397305(P2001−397305)