| 【発明の名称】 |
加熱装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】横野 政廣 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内
【氏名】岡部 良行 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】使用者の所望の温度の湯を速やかに供給でき、かつその温度制御の信頼性を高めた、給湯機能付きの家庭用機器を実現するための加熱装置を提供する。
【解決手段】液体と熱交換する熱交換素子11を内包する熱交換容器12と、熱交換素子11を熱交換容器12の外側から誘導加熱するためのコイル13と、高周波電力供給手段24と、液体を熱交換容器12内に通過させる移送手段15を備え、熱交換素子11の一部を伸長させ、その一部を温度過昇防止装置の受感部に直接あるいは部材を介して接触させた加熱装置である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液体と熱交換を行う熱交換素子と、前記熱交換素子を内包する熱交換容器と、前記熱交換素子を前記熱交換容器の外側から誘導加熱するための加熱コイルと、前記加熱コイルに高周波電力を供給する高周波電力供給手段と、液体を前記熱交換容器内に通過させる移送手段とを備え、前記熱交換素子の一部を伸長させ、その一部を温度過昇防止装置の受感部に直接あるいは部材を介して接触させた加熱装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は一般家庭で使用される、水道水等の液体を加熱して提供する機能を有する機器の加熱装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、一般家庭で使用される給湯機能を有する機器のうち、最も高温の湯を必要とするもののひとつとして、俗にジャーポットと称される卓上タイプの電気湯沸し器があり、例えばカップ麺等を食する時にその湯を使用する場合、できるだけ高い温度で給湯しようとするのが一般的であるが、湯を沸騰状態で常時保温しておくのは事実上不可能であり、そのため現在のジャーポットの多くは、水を沸かして沸騰させた後、湯を95℃前後の高温で保温しておき、必要に応じて使用者がボタン操作等で機器に再沸騰を行なわせて、沸騰した湯を利用するようになっている。 【0003】 【特許文献1】特開平9−075219号公報【特許文献2】特開平9−004921号公報【特許文献3】特開平5−015449号公報【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の方法では、使用者は湯が再度沸騰状態になるまで待たなくてはならず、また、その使用量が僅かであっても、内容器内の湯を全て再沸騰させるために無駄な電力を消費してしまう。 【0005】また、各種飲料に適した温度に保温できるように、保温温度を何段階かに設定できる機能を有するものもあるが、これも湯温が設定温度に達するまで待つ必要がある。 【0006】特に、近年、省エネルギ化のために内容器周辺の断熱性能を向上させたものが主流になりつつあり、このため一度沸騰させた湯を例えば緑茶等に適する60〜70℃程度にまで到達させるには自然冷却によるため数時間を要し、さらにその過程の途中に、別の温度で湯を使用したいときには、その冷却過程を中断しなければならない。 【0007】即ち、現状のジャーポットにおいては、一つの内容器で加熱・保温を行なう限りにおいては、一度に使用できる湯の温度は一通りしかないのである。 【0008】本発明はこのような従来の課題を解決するもので、使用者の所望の温度の湯を速やかに供給でき、かつその温度制御の信頼性を高めた、給湯機能付きの家庭用機器を実現するための加熱装置を提供することを目的としている。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明は、液体と熱交換を行う熱交換素子と、前記熱交換素子を内包する熱交換容器と、前記熱交換素子を前記熱交換容器の外側から誘導加熱するための加熱コイルと、前記加熱コイルに高周波電力を供給する高周波電力供給手段と、液体を前記熱交換容器内に通過させる移送手段とを備え、前記熱交換素子の一部を伸長させ、その一部を温度過昇防止装置の受感部に直接あるいは部材を介して接触させた加熱装置とするものである。 【0010】これら上記の構成により、液体を器体外へ供給する際に、加熱された熱交換素子を内包する熱交換容器内を通過させることで、液体を移送しながら加熱することができ、熱交換容器を通過前の液体の温度、即ちジャーポットで言えば内容器内の湯温が、所望の温度以下であれば、熱交換素子との熱交換によって昇温することによって、所望の温度で供給することができる。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の請求項7記載の発明は、液体と熱交換を行う熱交換素子と、熱交換素子を内包する熱交換容器と、熱交換素子を熱交換容器の外側から誘導加熱するための加熱コイルと、加熱コイルに高周波電力を供給する高周波電力供給手段と、液体を熱交換容器内を通過させる移送手段とを備え、熱交換素子の一部を伸長させ、その一部を温度過昇防止装置の受感部に直接あるいは部材を介して接触させたものである。この構成により、液体を所望の温度で速やかに供給することができるのに加えて、熱交換素子の熱を直接、温度過昇防止装置の受感部に伝えることができ、例えば熱交換容器内に液体がない状態での加熱、いわゆる「空焼き」状態になってもその検知を速やかに行なうことができる。 【0012】 【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。 【0013】(参考例1)まず、本発明に係わる参考例1について説明する。図1〜図4は参考例1を包括して説明するもので、図1は参考例の加熱装置の基本構成を示すもので、1は液体と熱交換を行なう熱交換素子、2は熱交換素子1を内包する熱交換容器、3高周波磁界を発生する加熱コイルで、これらによって熱交換ユニット4が構成されている。5は加熱コイル3に高周波電力を供給する高周波電力供給手段、6は液体を熱交換容器2内を通過させる液体移送手段であり、これらによって加熱装置ユニット7が構成されている。8は、高周波電力供給手段5及び液体移送手段6等の動作を制御する、機器の制御部である。 【0014】以下、本加熱装置の基本動作について、対象の液体を水として説明する。まず、機器の貯水容器や、水道管等の給水源からの水を、液体移送手段6によって熱交換容器2内に移送する。移送された水は、熱交換容器2に内包された熱交換素子1の表面に触れながら通過する。この時に、高周波電力供給手段5を動作させ、加熱コイル3に高周波電流を供給する。加熱コイル3はこの高周波電流を受けて高周波磁界を発生する。この高周波磁界は、熱交換素子1と交錯しその結果、熱交換素子1は誘導加熱されて高温に発熱する。熱交換容器2内を通過する水は、高温になった熱交換素子1からの熱を受けて加熱される。 【0015】ここで、熱交換容器2に流入する水の流量や水温、誘導加熱による熱交換素子1の発熱量及び、水との熱交換の効率等で、湯温が決まる。換言すれば、高周波電力の供給量の調節で、熱交換素子1の発熱量を加減することにより、任意の温度の湯を得ることができるのである。 【0016】図2は本参考例の加熱装置の、機器への応用例の一つを示すもので、ジャーポットに本加熱装置を搭載したものである。10は、熱交換素子11、熱交換容器12、加熱コイル13によって構成される熱交換ユニットであり、熱交換容器12の入口14は、水の移送手段であるところの電動式のポンプ15の吐出口16と、第1の水路17によって連通しており、一方、熱交換容器12の出口18は、器体外への導出口19と、第2の水路20によって連通している。 【0017】電動式のポンプ14の吸込口21は、本体22内に配された、水を収容する内容器23の底部と連通している。24は、加熱コイル13に接続された高周波電力供給手段である。25は内容器23の底部に配された、内容器23内の水を加熱するためのヒータである。26は内容器23内の湯温を検知する第1のセンサである。 【0018】ここで、熱交換ユニット10、高周波電力供給手段24及び電動式のポンプ15等により構成される加熱装置ユニット27は、従来のジャーポットの一連の導出経路の途中に配されており、電動式のポンプ14は、水の移送手段と内容器23内の水の導出手段とを兼ねている。 【0019】これら上記の構成により、内容器23内の水を器体外に導出する、即ち飲用等にの目的で供給する際には、水は熱交換ユニット10内を通過するので、この時に、高周波電力供給手段24によって加熱コイル13に高周波電流を供給して高周波磁界を発生させ、誘導加熱によって熱交換素子11を発熱させることにより、水は熱交換素子11によって加熱されて導出される。 【0020】従って、例えば内容器23内の水を約60℃で保温しておいた場合に、95℃の水を導出したければ、水が熱交換容器12内を通過する際に、両者の温度差の35deg.上昇するだけの熱量を水に与えればよい。 【0021】あるいは、80℃の水を導出したければ、20deg.上昇するだけの熱量を水に与えればよい。 【0022】もちろん、保温温度の60℃の水をそのままの温度で導出したければ、高周波電力供給手段24への電源を遮断した状態にしておけばよい。 【0023】この時、熱交換ユニット10の構成で水との熱交換の効率は、ほぼ固定されるので、昇温量の制御は単位時間当たりの水の導出量、及び加熱コイル13への高周波電力量の調整によって行なうことができるのである。 【0024】図3は本参考例の加熱装置の熱交換ユニットの詳細を示すもので、30は液体と熱交換を行なう熱交換素子で、フェライト系ステンレス等の、高周波磁界によって誘導加熱されやすい材質によって形成されている。 【0025】31は熱交換素子30を内包する熱交換容器で、液体の、熱交換容器31への入口32を形成する第1のキャップ33及び、熱交換容器31からの出口34を形成する第2のキャップ35、そして熱交換容器31内に配された内ケース36、内ケース36の開口部を覆う第3のキャップ37等により、液体の通路が形成されている。これによって、熱交換容器31の入口32より入った液体は、熱交換素子30に接触しながら、熱交換容器31内を流れて、出口34から出ていくのである。 【0026】38は熱交換容器31の外側に巻かれた加熱コイルである。39は液体が熱交換容器31の入口32に流入するときの温度を検知する第2のセンサ、40は液体が熱交換容器31の出口34から出ていくときの温度を検知する第3のセンサである。 【0027】ここで、41は、熱交換容器31の出口34近傍に、摺動自在に配された弁体で、その移動によって出口34の端面42を封止する。 【0028】43は弁体41に取り付けられた、水密性を確保するためのパッキングである。44および45は、弁体41を摺動方向に付勢する第1のばね、および第2のばねであり、お互いに逆の方向、即ち第1のばね44はA方向に、第2のばね45はB方向に、各々弁体41を付勢している。46はその受感部47を、弁体41よりも熱交換素子30寄りに配された、温度過昇防止装置であるところのサーモスタットである。 【0029】ここで、第1のばね44は形状記憶合金によって形成されており、通常の状態即ち、第1のばね44及びその周囲の温度が、形状記憶合金の変態温度より低い状態においては、〔第1のばねの付勢力F1〕<〔第2のばねの付勢力F2〕となるよう設定してある。 【0030】この状態においては弁体41は、第2のばね45の付勢力によりB方向に付勢され、弁体41取り付けられた、パッキング43は出口34の端面42から離れており、液体が熱交換容器31外へ出ていく通路が形成されている。 【0031】図4は第1のばね44及びその周囲の温度が、形状記憶合金の変態温度より高い状態を示すもので、この状態においては、形状記憶合金製のばねの弾性係数が、変態温度以下のときよりも大幅に増加する性質を利用して、〔第1のばねの付勢力F1〕>〔第2のばねの付勢力F2〕となるよう設定してある。 【0032】この状態においては、弁体41は、第1のばね44の付勢力によりA方向に付勢されて移動し、弁体41に取り付けられたパッキング43は熱交換容器31の出口34の端面42に当接して、液体の通路を閉塞する。 【0033】従って、万が一第2、第3のセンサ39、40が故障した場合等に、熱交換容器31を通過するときに加熱される液体が所定の温度以上になっても、弁体41が速やかに流路を閉塞するので、液体の供給を迅速に停止できる。 【0034】また、温度過昇防止装置であるサーモスタット46は、弁体の動作によって液体が留まった状態での温度を検知するため、熱交換素子30が加熱され続けた場合には、液体の温度が急激に上昇するため、速やかに動作するのである。 【0035】(参考例2)次に本発明の第2の参考例について説明する。図5〜図6は参考例2を説明するもので、第1の参考例と同様に、熱交換容器31の出口50を形成する第2のキャップ51内に弁体41が配されており、その動作は第1のばね44及び第2のばね45により行われる。 【0036】ここで、52は高周波電力供給手段24または液体の移送手段であるところの電動式のポンプ15への電力の供給を断続するスイッチである。図5はスイッチがオフの時を示す図であり、図6はスイッチがオンの時を示す図である。 【0037】これによって、弁体41が流路を閉塞した時点で、液体の加熱もしくは圧送を停止できるので、熱交換容器31の内圧上昇による各部の損傷を防止できるのである。 【0038】(参考例3)次に本発明の第3の参考例について説明する。図7〜図8は参考例3を包括して説明するもので、第1の参考例と同様に、熱交換容器31の出口53を形成する第2のキャップ54内に弁体55が配されており、その動作は第1のばね44及び第2のばね45により行われる。 【0039】ここで、第2のキャップ54には、異常時の排出口56が出口53とは別に形成されており、第1の弁体55には、その動きに連動して動作し、排出口56の端面57を封止する第2の弁体58が取り付けられている。 【0040】第1の弁体55が動作していない時は、図7に示すように、第2の弁体58は、排出口56の端面57を封止しており、加熱された液体は通常の流路を通過して、出口53より出ていく。 【0041】液体が異常加熱され、設定温度より高くなると、図8に示すように、第1の弁体55が動作して通常の出口を封止するのと同時に、その動作と連動する第2の弁体58が、排出口56の端面57の封止を解き、液体を排出する。 【0042】この時の流路を、例えば内容器内の循環経路を形成するようにしておけば、熱交換容器31の内圧の上昇を招くことなく、器体外への供給を停止でき、たとえ温度過昇防止装置46の感度が悪くても、異常温度上昇を検知するための時間的余裕が十分あるため、使用に支障をきたすことがないのである。 【0043】(実施例4)次に本発明の第4の実施例について説明する。図9は請求項7記載の発明の一実施例を説明するもので、第1の参考例と同様に、熱交換容器31の出口50を形成する第2のキャップ51内に弁体41が配されており、その動作は第1のばね44及び第2のばね45により行われる。 【0044】ここで熱交換素子59は、その一部を伸長させ、その一部である熱伝達部60を温度過昇防止装置46の受感部47に接触させてある。 【0045】これにより、例えば、熱交換容器31内に液体がない状態での加熱、いわゆる「空焼き」状態になっても、熱交換素子59の熱を直接伝達されるので、異常温度上昇を速やかに検知することができる。 【0046】(参考例4)次に本発明の第4の参考例について説明する。図10は参考例を説明するもので、熱交換容器31に内包した内ケース36の開口部を覆う第3のキャップ61に連通管部62を形成して、内ケース36内部を熱交換容器31外と連通させたもので、これにより内ケース36内の空気の膨脹による圧力上昇をなくして、内ケースの破損を防ぐことができるのである。 【0047】 【発明の効果】以上のように、請求項7記載の発明によれば、液体を所望の温度で速やかに供給することができるのに加えて、熱交換素子の熱を直接、温度過昇防止装置の受感部に伝えることができ、例えば熱交換容器内に液体がない状態での加熱、いわゆる「空焼き」状態になってもその検知を速やかに行なうことができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
|
| 【出願日】 |
平成11年3月3日(1999.3.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097445 【弁理士】 【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−190013(P2003−190013A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月8日(2003.7.8) |
| 【出願番号】 |
特願2002−333398(P2002−333398) |
|