| 【発明の名称】 |
液体加熱調理器 |
| 【発明者】 |
【氏名】武田 英一 【住所又は居所】名古屋市瑞穂区桃園町6番23号 パロマ工業株式会社技術部内
【氏名】高橋 明人 【住所又は居所】名古屋市瑞穂区桃園町6番23号 パロマ工業株式会社技術部内
【氏名】長尾 郷 【住所又は居所】名古屋市瑞穂区桃園町6番23号 パロマ工業株式会社生産技術部内
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| 【要約】 |
【課題】液槽の割れを防止して耐久性を向上させることを目的とする。
【解決手段】調理油を満たす箱型の油槽10は、溶接ラインF〜Iによって分割された底板A,後板B,左板C,右板D,収納板Eから構成される。溶接ラインF,Gは、前面部13と底面部11と油カス収納部12の前面部12aと上底面部12e,12fと後面部14とに設けられ、一方、溶接ラインH,Iは、油カス収納部12の前面部12aと後面部12bとに設けられ、油槽10のコーナー部には設けられない。また、このコーナー部を丸く形成する。従って、フライヤー1の運転と停止を繰り返しても、溶接部(溶接ラインF〜I)が、熱応力の集中しやすいコーナー部ではなく平坦な面に設けられるため、板材の伸縮による溶接部での割れが起こりにくい。しかも、このコーナー部は、丸く形成されているため、コーナー部で割れることも抑制する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 加熱媒体が満たされ左右の側面部、前面部、後面部、底面部を有する箱型形状の液槽と、該底面部に外側から対向して設けられ燃焼により該底面部を加熱して該液槽内の食材を調理する加熱手段とを備えると共に、該液槽を構成する複数の板材を溶接して一体化した液体加熱調理器において、上記各板材を、上記各面部の境界となる上記液槽のコーナー部からずらした平面位置で溶接したことを特徴とする液体加熱調理器。 【請求項2】 上記液槽のコーナー部を丸みを帯びて形成したことを特徴とする請求項1記載の液体加熱調理器。 【請求項3】 加熱媒体が満たされ左右の側面部、前面部、後面部、底面部を有する箱型形状の液槽と、該底面部に外側から対向して設けられ燃焼により該底面部を加熱して該液槽内の食材を調理する加熱手段とを備えると共に、該液槽を構成する複数の板材を溶接して一体化した液体加熱調理器において、上記左側面部を形成する左板と上記右側面部を形成する右板とを曲折して、上記底面部と同一平面となる加熱縁面部をそれぞれ一体に形成すると共に、上記底面部を形成する底板の左右端と、上記加熱縁面部の端部とをそれぞれ溶接して、少なくとも該加熱縁面部と該底板とを同一平面上に形成したことを特徴とする液体加熱調理器。 【請求項4】 上記底板を曲折により上記前面部を兼用した一枚の板で形成し、上記左板と上記右板とを曲折して、上記前面部と同一平面となる前縁面部をそれぞれ一体に形成すると共に、上記底板の上記前面部側の左右端と、上記前縁面部の端部とをそれぞれ溶接して、少なくとも該前縁面部と該底板の該前面部とを同一平面上に形成したことを特徴とする請求項3記載の液体加熱調理器。 【請求項5】 上記底面部を後方へ下り傾斜させると共に、該底面部の下端にカス収納部を設け、上記底面部の下端と上記カス収納部との溶接部は、何れか一方の端部を曲折することにより両者を同一平面上で溶接したことを特徴とする請求項3または4記載の液体加熱調理器。 【請求項6】 上記板材同士の溶接部が横切る該板材の曲折部を丸く形成したことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の液体加熱調理器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は液槽に満たされた調理油や水等の加熱媒体をバーナにより加熱してポテトや麺等の食材を調理するフライヤーやゆで麺機等の液体加熱調理器に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、図9に示すように、フライヤー100は、ポテトやチキン等の食材を揚げるための調理油が満たされる油槽110と、この油槽110内の油を加熱するためのパルス燃焼器120とからなり、これらが本体ケース101内に収納される。このパルス燃焼器120は、油槽110内に設けられパルス燃焼が行われる燃焼室123と、燃焼室123からの高温の燃焼排気の排出通路となるテールパイプ124と、テールパイプ124の下流側に設けられるデカプラ125と、デカプラ125の下流側に設けられる排気管126とで燃焼排気系が構成される。また、本体ケース101下部には、燃料ガスを燃焼室123へ供給するガス導管121が設けられ、本体ケース101底面には、燃焼用空気を燃焼室123へ送る送風機122が設けられる。 【0003】この油槽110は、複数の平板を溶接して一体化されたもので、大別すると、図7に示されるように、水平な底面部を形成する底板111と、複数回折れ曲がって前面部を形成する前板113と、鉛直方向に形成され前板113に対向する後面部114aとこの後面部114aから前方へ下り傾斜した底面部114bとを備える後板114と、鉛直方向の側面部を備え互いに対向する左板115,右板116とからなる。図8は、溶接後の油槽110を示す。溶接ライン(溶接部)は、図8中の太い実線で示される。 【0004】しかしながら、このフライヤー100は、油槽110内に燃焼室123およびテールパイプ124を備えるため、調理中に食材から発生したカスが、燃焼室123やテールパイプ124の表面に付着して、掃除道具や手が入りにくく、掃除が大変であった。そこで、油槽110の外側からバーナで加熱しようとすると次の課題が生じる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】断続して使用されるフライヤーでは、約1000℃の燃焼ガスと接触して熱交換を行う油槽の熱交換面が、使用時の加熱と加熱停止との繰り返しにより熱膨張・収縮を繰り返すため、図6に示されるように、熱交換面のコーナー部は、各板材の熱膨張により圧縮されたり、冷却収縮により引っ張られたりして、集中応力がかかりやすかった。また、溶接部は、組成も厚さも不均一であるため、非溶接部よりも強度が小さい。しかも、油槽110が平板を組み合わせて溶接する構造であるために、溶接部は、コーナー部に位置してしまい、板材の伸縮により割れやすかった。本発明の液体加熱調理器は上記課題を解決し、液槽の割れを防止して耐久性を向上させることを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発明の請求項1記載の液体加熱調理器は、加熱媒体が満たされ左右の側面部、前面部、後面部、底面部を有する箱型形状の液槽と、該底面部に外側から対向して設けられ燃焼により該底面部を加熱して該液槽内の食材を調理する加熱手段とを備えると共に、該液槽を構成する複数の板材を溶接して一体化した液体加熱調理器において、上記各板材を、上記各面部の境界となる上記液槽のコーナー部からずらした平面位置で溶接したことを要旨とする。 【0007】また、本発明の請求項2記載の液体加熱調理器は、上記請求項1記載の液体加熱調理器において、上記液槽のコーナー部を丸みを帯びて形成したことを要旨とする。 【0008】また、本発明の請求項3記載の液体加熱調理器は、加熱媒体が満たされ左右の側面部、前面部、後面部、底面部を有する箱型形状の液槽と、該底面部に外側から対向して設けられ燃焼により該底面部を加熱して該液槽内の食材を調理する加熱手段とを備えると共に、該液槽を構成する複数の板材を溶接して一体化した液体加熱調理器において、上記左側面部を形成する左板と上記右側面部を形成する右板とを曲折して、上記底面部と同一平面となる加熱縁面部をそれぞれ一体に形成すると共に、上記底面部を形成する底板の左右端と、上記加熱縁面部の端部とをそれぞれ溶接して、少なくとも該加熱縁面部と該底板とを同一平面上に形成したことを要旨とする。 【0009】また、本発明の請求項4記載の液体加熱調理器は、上記請求項3記載の液体加熱調理器において、上記底板を曲折により上記前面部を兼用した一枚の板で形成し、上記左板と上記右板とを曲折して、上記前面部と同一平面となる前縁面部をそれぞれ一体に形成すると共に、上記底板の上記前面部側の左右端と、上記前縁面部の端部とをそれぞれ溶接して、少なくとも該前縁面部と該底板の該前面部とを同一平面上に形成したことを要旨とする。 【0010】また、本発明の請求項5記載の液体加熱調理器は、上記請求項3または4記載の液体加熱調理器において、上記底面部を後方へ下り傾斜させると共に、該底面部の下端にカス収納部を設け、上記底面部の下端と上記カス収納部との溶接部は、何れか一方の端部を曲折することにより両者を同一平面上で溶接したことを要旨とする。 【0011】また、本発明の請求項6記載の液体加熱調理器は、上記請求項1〜5の何れかに記載の液体加熱調理器において、上記板材同士の溶接部が横切る該板材の曲折部を丸く形成したことを要旨とする。 【0012】上記構成を有する本発明の請求項1記載の液体加熱調理器は、加熱手段が液槽の底面部を加熱して液槽内の食材を調理する。各板材の溶接ラインが、各面部の境界となる上記液槽のコーナー部に設けられず、平面位置に設けられるため、液体加熱調理器が使用されて加熱・冷却により液槽が伸縮を繰り返してコーナー部に集中応力が何度もかかっても、溶接部に熱応力割れが発生しにくい。 【0013】また、本発明の請求項2記載の液体加熱調理器は、液槽のコーナー部を丸みを帯びて形成したため、加熱手段により液槽が加熱されたり冷却されても、コーナー部において熱応力が集中することがなく、コーナー部の耐久性を維持できる。 【0014】また、本発明の請求項3記載の液体加熱調理器は、加熱手段が液槽の底面部を加熱して液槽内の食材を調理する。加熱面となる底面部と左右側面部とは、底板と左右側板から曲折した加熱縁面部との溶接により接続される。このため、溶接ラインが底面部と側面部とのコーナー部に設けられず、底面部の平面上に設けられる。この結果、液体加熱調理器の使用により液槽の底面部が加熱されたり冷却されて伸縮を繰り返してコーナー部に集中応力が何度もかかっても、溶接ラインで割れが生じにくい。 【0015】また、本発明の請求項4記載の液体加熱調理器は、底面部だけでなく前面部と左右側面部とは、底板と左右側板から曲折した前縁面部との溶接により接続される。このため、溶接ラインが前面部と側面部とのコーナー部に設けられず、前面部の平面上に設けられる。この結果、液体加熱調理器の運転・停止を繰り返しても、溶接部が割れにくい。 【0016】また、本発明の請求項5記載の液体加熱調理器は、調理時に食材から発生するカスは、下り傾斜した液槽の底面部に沿って後方へ送られ、底面部の下端に形成されたカス収納部に収容される。底面部の下端とカス収納部との何れか一方の端部を曲折して両者を同一平面上で溶接するため、その溶接部は、コーナー部に配置されることがなく、割れにくい。 【0017】また、本発明の請求項6記載の液体加熱調理器は、液槽を構成する板材同士の溶接部が横切る板材の曲折部を丸く湾曲させて形成したため、伸縮による熱応力を受けやすい液槽の曲折部において熱応力が分散され、曲折部の耐久性が向上する。しかも、割れを発生しやすい溶接部がこの曲折部を横切って配置されても問題がない。 【0018】 【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の液体加熱調理器の好適な実施形態について説明する。 【0019】本発明の一実施形態としての業務用フライヤーについて図1〜図5を用いて説明する。フライヤー1は、図3に示されるように、調理油(加熱媒体)を満たす箱型の油槽10(液槽)と、後述の油槽底面部11に外側から対向して設けられ調理油を加熱するバーナ20と、バーナ20からの燃焼ガスを器体外へ導くと共にその途中で調理油を加熱する排気通路30と、調理時間や調理温度を制御するコントローラ50と、油槽10の下方に設けられ、調理油を濾過する濾過循環装置60とを本体ケース2内に備える。尚、図3の左側が器具の正面であり、作業者が調理作業を行うエリアとなる。 【0020】油槽10の壁面は、図1,図2に示されるように、大別すると底面部11,油カス収納部12,前面部13,後面部14,左側面部15,右側面部16から形成され、各壁面部は、丸みを帯びて曲折される。この曲折は、絞り加工や曲げ加工によって行われ、板面を曲げる加工であればどのような加工方法でもよい。尚、油槽10を構成する各板材A〜Eについては後で詳述する。油槽10の前面部13は、食材を流し入れるスロープを中段位置に備え、上方から順に、本体ケース2に取り付ける水平な前取付部13dと、鉛直方向に延びた上前面部13cと、上前面部13cから曲折され後方へ下り傾斜した中前面部13bと、中前面部13bから鉛直方向に延びた下前面部13aとから構成される。 【0021】油槽10の左側面部15,右側面部16は、排気通路30を形成する段部を有し、上方から順に、鉛直平面となる上側面部15c,16cと、上側面部15c,16cから曲折され中央側へ下り傾斜した中側面部15b,16bと、中側面部15b,16bから鉛直方向に延びた下側面部15a,16aとから構成される。油槽10の後面部14は、上方から順に、後述するダクト33に取り付ける鉛直平面となる後取付部14cと、本体ケース2に載置される水平な載置部14bと、左右の側面部15,16とその後端で連結する鉛直平面となる下後面部14aとから構成される。 【0022】油槽10の底面部11は、下前面部13aを曲折して後方に下り傾斜した平面で、その後方端となる下端が油槽10の後面部14から所定間隔あけて形成される。底面部11の下端と後面部14との間には、油カスを収納する油カス収納部12が形成される。この油カス収納部12は、左右方向に延びた溝状に形成され、鉛直平面となる前面部12aと、下後面部14aと連なる後面部12bと、段部を有し中央側に下り傾斜する底面部12cとからなる。 【0023】この油カス収納部12の底面部12cは、上方から順に、水平面となる左右の上底面部12e,12fと、上底面部12e,12fの下端から曲折され中央側へ下り傾斜した左右の中底面部12g,12hと、中底面部12g,12hの下端から水平状に延びた下底面部12iとから構成される。 【0024】こうした壁面を有する油槽10は、底板A,後板B,左板C,右板D,収納板Eから構成される。ここで、各板材A〜Eの境界線となる溶接ラインF〜I(溶接部)について説明する。溶接ラインF,Gは、前面部13と底面部11と油カス収納部12の前面部12aと上底面部12e,12fと後面部14とに、左右側面部15,16から所定距離離れた位置にそれぞれ設けられる。尚、正面あるいは背面から油槽10を見た場合には、この溶接ラインF,Gは、鉛直方向に一直線上に平行に延びている(図4の太い点線)。 【0025】一方、溶接ラインH,Iは、油カス収納部12の前面部12aと後面部12bとに、上底面部12e,12fよりも上方でそれぞれ、油カス収納部12の底面部12cから所定距離離れた位置に設けられる。このようにして、溶接ラインF〜Iは、油槽10の壁面と壁面とで形成されるコーナー部とは異なる位置に配置される。 【0026】油槽10の底板Aと後板Bとは、それぞれ一枚の平板を階段状に丸みを持たせながら折り曲げて形成されるもので、底板Aは、前面部13のほぼ全体と底面部11と油カス収納部12の前面部12aの上部とを備え、一方、後板Bは、後面部14のほぼ全体および油カス収納部12の後面部12bの上部を備える。 【0027】また、左板C,右板D,収納板Eは、それぞれ一枚の平板を絞り加工により形成されるもので、壁面と壁面とのコーナー部が角張らないように作られている。左板Cは、左側面部15と、前面部13の左端部(前縁面部)と、後面部14の左端部と、底面部11の左端部(加熱縁面部)と、油カス収納部12の左上部とを備える。一方、右板Dは、右側面部16と、前面部13の右端部(前縁面部)と、後面部14の右端部と、底面部11の右端部(加熱縁面部)と、油カス収納部12の右上部とを備える。また、収納板Eは、油カス収納部12の中央下部を形成したものである。 【0028】油槽10は、この5枚の板材A〜Eを溶接ラインF〜Iで溶接することにより一体化され、この結果、底板Aの底面部11と左右板C,Dの加熱縁面部とが同一平面上になり、しかも、底板Aの前面部13と左右板C,Dの前縁面部とが同一平面上になり、更に、収納板Eの前面部12aと底板Aの最下端面となる前面部12a上部とが同一平面上に形成される。 【0029】バーナ20は、図3に示されるように、複数の炎口を形成したセラミックプレート22を燃焼面として備えた全一次空気式バーナで、その燃焼面が油槽10の底面部11から所定間隔をあけ向い合って設けられ、両者間に燃焼室21を形成する。この燃焼室21には、セラミックプレート22に臨んで点火電極51が設けられる。 【0030】バーナ20からの燃焼ガスを器体外へ導く排気通路30は、図4に示されるように、油槽10の前方下部に設けられた燃焼室21に連通し油槽10の左右外側に設けられる左右通路31と、左右通路31に連通し油槽10の後方に設けられる後部通路32と、後部通路32と連通し上部が開口した鉛直方向に延びた排気ダクト33とから構成される。 【0031】油槽10の左右外側には、下側面部15a,16aから所定間隔をあけて対向し上側面部15c,16cとほぼ同一面になる通路側板31aが設けられる。また、油槽10の後方には、前部と上部とが開口した箱形状の通路後板31bが設けられ、その左右の側面が後面部14に当接し、その底面がバーナ20の後端に当接して形成される。この通路側板31a,通路後板31bと油槽10の下側面部15a,16a,中側面部15b,16bとに囲まれる空間により左右通路31を形成する。一方、油槽10の後面部14と通路後板31bとにより囲まれる空間により後部通路32を形成する。また、排気ダクト33は、幅が後部通路32よりも狭い。 【0032】左右通路31内には油槽10の下側面部15a,16aに後方に上り傾斜して溶接される側部フィン41が、後部通路32内には油槽10の後面部14に左右両側にそれぞれ列をなし中央側へ上り傾斜して平行に並んで溶接される後部フィン42とがそれぞれ設けられる。このフィン41,42は、それぞれ断面L字形状に形成され、燃焼ガスと調理油との熱交換を促進する。尚、断面コの字形状のフィンを混在して使用してもよい。 【0033】油槽10内には、食材あるいは食材を入れたバスケット(図示略)を保持する金網18aが設けられ、後面部14に設けられる金網支え19(図3)と左右の中側面部15b,16bとによって支持されている。金網18a,下前面部13a,上側面部15c,16c,後面部14によって囲まれる領域が調理ゾーンJとして機能する。下前面部13aには、金網18aの上方で、調理油の温度を検出するサーミスタ52が設けられる。 【0034】濾過循環装置60は、図3に示されるように、油カス収納部12の前面中央下部で溶接ラインHよりも下方に(つまり、収納板Eに)設けられる往き管61と、油カス収納部12の後面左上部で溶接ラインIよりも上方に(つまり、後板Bに)設けられる戻り管66と、図示しないフィルターを備え往き管61から供給される調理油を濾過する濾過器63と、濾過された調理油を戻り管66を介して油槽10へ送り戻すポンプ64とを備え、往き管61と戻り管66とには、それぞれバルブ62,65が設けられる。 【0035】上述した構成のフライヤー1では、油槽10に調理油を満たした後、バーナ20を点火して高温の燃焼ガス(約1000℃)を燃焼室21から左右通路31そして後部通路32へ流すことにより、油槽10の底面部11,下側面部15a,16a,中側面部15b,16b,後面部14を介して熱交換により調理油を加熱した後、排気ダクト33から排出する。 【0036】調理油を加熱してから、食材をバスケット(図示しない)に入れて油槽10内へ沈め調理を行う。或いは、調理油が跳ねないように、中前面部13b上にコロッケ等の食材を滑らして調理ゾーンJに入れて調理を行う。高温の油で食材を調理し、所定時間が経過するとアラームにより作業者が食材を油槽10から取り出して調理を終了する。 【0037】以上説明した本実施形態のフライヤーによれば、油槽10の熱交換面は、フライヤー1の運転時に、高温の燃焼ガスと接触して加熱されて熱膨張し、運転停止後に、常温に下がって収縮する。従って、フライヤー1の断続使用により油槽10の熱交換面が伸縮を繰り返す。この油槽10の壁面と壁面とのコーナー部は全て、絞り加工または曲げ加工により丸く形成されており角張っていないため、伸縮による応力が分散され、割れにくい。 【0038】仮に、このコーナー部に熱応力が集中してかかっても、油槽10の溶接ラインF〜Iがこのコーナー部(壁面の端部)に設けられずに、壁面途中に設けられるため、溶接部は、非溶接部に比べて組成や厚さが不均一であっても、集中応力の影響を受けず、割れにくい。 【0039】しかも、各板材の曲折部(例えば、下前面部13aと中前面部13bとの曲折部や、中前面部13bと上前面部13cとの曲折部)が丸みを帯びて形成されるため、こうした曲折部を溶接ラインF,Gが横切る場所においても、応力が分散して、割れを防止する。このようにして割れを防ぐため、油槽10の耐久性が向上する。 【0040】また、油槽10の前面部13と底面部11とを一枚の板(底板A)で形成するため、溶接ラインを1本省くことができ、溶接コストが安価となる。 【0041】また、油カス収納部12は、底面部12cが中央へ下り傾斜しているため、排油中において、油カスが自然に中央へ集まって往き管61へ流れやすい。この油カス収納部12を左右方向に分割する溶接ラインを、下り傾斜面(左右の中底面部12g,12h)に設けるのではなく、鉛直面(前面部12a,後面部12b)と水平面(左右の上底面部12e,12f)とに設けたため、溶接しやすい。 【0042】また、油槽10の周囲を囲む排気通路30において十分な加熱面積を確保できるため、バーナ20を1箇所に設けるだけでも十分に調理油を加熱できる。従って、複数のバーナを必要とせず、製造コストを抑えることができる。更に、左右通路31を調理ゾーンJの幅(油槽10の左右両側の上側面部15c,16c間の距離)からはみ出すことなく配置することができ、器具がコンパクトになる。 【0043】調理中に食材から発生した油カスは、自重により落下し、油槽10の壁面を伝いながら油カス収納部12に集められる。この油カス収納部12は、バーナ20によって殆ど加熱されないコールドゾーンKであり、しかも、調理油が殆ど循環しないため、集まった油カスが高温の調理ゾーンJへ戻って加熱されるということがない。この結果、調理油の劣化を防止することができる。 【0044】また、油カス収納部12は、幅が広くてしかも浅いために、掃除道具が油カス収納部12の底面部12iまで届き、油カス収納部12に溜まった油カスの清掃が容易である。 【0045】また、バーナ20からの燃焼ガスは、燃焼室21から排気通路30を通るため、調理ゾーンJより下方の油槽10の全周を囲む。この結果、燃焼ガスからの受熱面積が大きくなり、熱効率が高くなって省エネとなる。 【0046】また、下側面部15a,16a,後面部14には、L字形状をした側部フィン41,後部フィン42が傾斜して設けられるため、上昇する高温の燃焼ガスを後部通路32へ導くと共に、各フィン41,42の受熱面全体に確実に接触させることができる。この結果、燃焼ガスと調理油との熱交換が非常に促進され、効率がよい。 【0047】以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、本発明をフライヤーに代えてゆで麺器に適用してもよく、液体を加熱媒体として調理する器具であればよい。また、加熱手段をバーナではなく電気ヒータや誘導加熱による加熱手段を用いてもよい。この加熱手段は、油槽の外側であれば位置を限定しない。また、油カス収納部12を設けなくてもよい。 【0048】また、フライヤーの設置スペースに余裕がある場合には、排気通路を加熱ゾーンだけでなく調理ゾーンの全周も囲むように配置してもよく、この場合には熱交換が更に促進され熱効率が一層高くなる。 【0049】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1の液体加熱調理器によれば、液槽の各板材をコーナー部からずらした平面位置で溶接するため、繰り返し熱応力による溶接部での割れを防止でき、液槽溶接部の耐久性が向上する。 【0050】更に、本発明の請求項2の液体加熱調理器によれば、液槽のコーナー部が丸く形成されるため、伸縮による熱応力が分散し、コーナー部で割れが発生しにくく、液槽コーナー部の耐久性が向上する。 【0051】更に、本発明の請求項3の液体加熱調理器によれば、液槽の左右板に加熱縁面部を形成させて、左右板と底板との溶接部をコーナー部ではなく底板の平面上に配置するため、溶接部での割れを防ぎ、液槽溶接部の耐久性を向上させることができる。 【0052】更に、本発明の請求項4の液体加熱調理器によれば、液槽の左右板に前縁面部を形成させて、左右板と底板の前面部との溶接部をコーナー部に設けるのではなく前面部上に設けるため、液体加熱調理器の運転・停止を繰り返しても、溶接部で割れにくく、液槽の耐久性が一層向上する。しかも、液槽の底面部と前面部とを一枚の板で一体形成するため、溶接ライン数が減って溶接コストを抑えることができる。 【0053】更に、本発明の請求項5の液体加熱調理器によれば、底面部の下端とカス収納部との溶接部が、コーナー部ではなく平面上に配置されるため割れにくく、液槽の耐久性を低下させることなく、カス収納部で調理カスを回収することができ、液槽の掃除がしやすくなる。 【0054】更に、本発明の請求項6の液体加熱調理器によれば、溶接部が横切る液槽の曲折部が丸みを帯びて形成されるため、伸縮による熱応力が集中することがなく、曲折部と溶接部とが交差する場所での割れの発生を防止して、液槽の耐久性を上げることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000112015 【氏名又は名称】パロマ工業株式会社 【住所又は居所】名古屋市瑞穂区桃園町6番23号
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| 【出願日】 |
平成13年12月17日(2001.12.17) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−180533(P2003−180533A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月2日(2003.7.2) |
| 【出願番号】 |
特願2001−382511(P2001−382511) |
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