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【発明の名称】 グリル
【発明者】 【氏名】高橋 明人
【住所又は居所】名古屋市瑞穂区桃園町6番23号 パロマ工業株式会社技術部内

【氏名】工藤 信寛
【住所又は居所】名古屋市瑞穂区桃園町6番23号 パロマ工業株式会社技術部内

【要約】 【課題】使い勝手よく安全に魚等の調理物の焼網への付着を防止することを目的とする。

【解決手段】グリルバーナ9,10への点火初期には、魚等の調理物Fは第一焼網11aの上に載置され、第二焼網11bは予熱される。そして、点火後しばらくすると、第二焼網11bは予熱が完了すると共に、熱応動バネ18により上方に持ち上げられるので、調理物Fを載置している焼網が第一焼網11aから第二焼網11bへと切り換わる。このように、最初に調理物Fをグリル庫8内に収納してグリルバーナ9,10に点火するだけで、自動的に焼網の予熱を行うことができるので、使い勝手がよく安全に、焼網と魚等の調理物Fとがくっつくことを防止することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 調理物を収納するグリル庫と、該グリル庫内で調理物を載置する焼網と、該焼網上の調理物を加熱調理するバーナとを備えたグリルにおいて、上記焼網は第一焼網と第二焼網とから構成され、調理物を第一焼網のみで保持して加熱調理すると同時に第二焼網を加熱する第一状態から、調理物を第二焼網のみで保持して加熱調理する第二状態に切り換える切換手段を備えたことを特徴とするグリル。
【請求項2】 上記切換手段は、上記バーナの点火初期は、上記第一状態に設定し、加熱過程の途中で自動的に上記第二状態に切り換えることを特徴とする請求項1記載のグリル。
【請求項3】 上記切換手段は、上記グリル庫内の加熱状態に応じて自動的に切換動作することを特徴とする請求項2記載のグリル。
【請求項4】 上記切換手段は、熱により形状あるいは状態が変化する感熱素子により切換動作することを特徴とする請求項3記載のグリル。
【請求項5】 上記第一状態では、上記第二焼網は上記第一焼網の下方に位置し、上記第二状態へと切り換わると、上記第一焼網と上記第二焼網との上下位置関係が逆転することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のグリル。
【請求項6】 上記バーナは、調理物を上方から加熱する上バーナと下方から加熱する下バーナとからなり、上記第一状態では、下バーナで第二焼網を加熱することを特徴とする請求項5記載のグリル。
【請求項7】 上記第一焼網及び第二焼網は、それぞれ焼網枠に複数の焼網棒を平行に固着して形成され、上記切換手段が、上記第一焼網の焼網棒の間に上記第二焼網の焼網棒を挿入するようにして上記第一焼網と上記第二焼網との上下位置関係を逆転させることにより、調理物を保持する焼網を上記第一焼網から上記第二焼網へと切り換えることを特徴とする請求項5又は請求項6記載のグリル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼網に魚等の調理物を載置して加熱調理するグリルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、調理物の上方だけではなく下方からも加熱する両面焼きグリルで魚を焼くと、魚が焼網にくっついてしまうという問題があった。これは、魚を焼網と接触している下方からもバーナで加熱することによって、魚が焼網とタンパク質凝固温度である約60℃で接触することにより生じる現象である。この問題は、魚のタンパク質凝固温度である約60℃で焼網と魚とが接する時間を短くしていくことにより防ぐことが可能となる。このため、焼網をグリル庫内で予熱して、あらかじめ高温にした後に魚を載置することによって、この問題をある程度解決することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の両面焼きグリルで焼網を予熱しようとすると、まず焼網のみをグリル庫に入れて点火し、その後頃合を見計らって再びグリル扉を開けて魚を加熱された焼網上に載置しなければならず、手間がかかると同時にやけどのおそれもあった。また、調理の途中で、グリル扉を開けなければならずグリル庫内の熱気が逃げてしまうので経済的でなかった。本発明のグリルは上記課題を解決し、使い勝手よく安全に魚等の調理物の焼網への付着を防止することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発明の請求項1記載のグリルは、調理物を収納するグリル庫と、該グリル庫内で調理物を載置する焼網と、該焼網上の調理物を加熱調理するバーナとを備えたグリルにおいて、上記焼網は第一焼網と第二焼網とから構成され、調理物を第一焼網のみで保持して加熱調理すると同時に第二焼網を加熱する第一状態から、調理物を第二焼網のみで保持して加熱調理する第二状態に切り換える切換手段を備えたことを要旨とする。
【0005】また、本発明の請求項2記載のグリルは、上記請求項1記載のグリルにおいて、上記切換手段は、上記バーナの点火初期は、上記第一状態に設定し、加熱過程の途中で自動的に上記第二状態に切り換えることを要旨とする。
【0006】また、本発明の請求項3記載のグリルは、上記請求項2記載のグリルにおいて、上記切換手段は、上記グリル庫内の加熱状態に応じて自動的に切換動作することを要旨とする。
【0007】また、本発明の請求項4記載のグリルは、上記請求項3記載のグリルにおいて、上記切換手段は、熱により形状あるいは状態が変化する感熱素子により切換動作することを要旨とする。
【0008】また、本発明の請求項5記載のグリルは、上記請求項1〜4のいずれか1項に記載のグリルにおいて、上記第一状態では、上記第二焼網は上記第一焼網の下方に位置し、上記第二状態へと切り換わると、上記第一焼網と上記第二焼網との上下位置関係が逆転することを要旨とする。
【0009】また、本発明の請求項6記載のグリルは、上記請求項5記載のグリルにおいて、上記バーナは、調理物を上方から加熱する上バーナと下方から加熱する下バーナとからなり、上記第一状態では、下バーナで第二焼網を加熱することを要旨とする。
【0010】また、本発明の請求項7記載のグリルは、上記請求項5又は請求項6記載のグリルにおいて、上記第一焼網及び第二焼網は、それぞれ焼網枠に複数の焼網棒を平行に固着して形成され、上記切換手段が、上記第一焼網の焼網棒の間に上記第二焼網の焼網棒を挿入するようにして上記第一焼網と上記第二焼網との上下位置関係を逆転させることにより、調理物を保持する焼網を上記第一焼網から上記第二焼網へと切り換えることを要旨とする。
【0011】上記構成を有する本発明の請求項1記載のグリルは、グリル庫に第一焼網と第二焼網とを備えており、調理物を第一焼網のみで保持して加熱調理すると同時に第二焼網を加熱して予熱する第一状態と、調理物を第二焼網のみで保持して加熱調理する第二状態とを備える。そして、切換手段が、第一状態から第二状態へと切り換える。すなわち、第一状態では、第二焼網の上には調理物が載置されていないために、第二焼網はすばやく加熱されるので、第一焼網と調理物とがくっつき始める前に第二焼網の予熱は終了する。そして、切換手段によって、予熱された第二焼網で調理物を保持して加熱調理する第二状態に切り換えられる。
【0012】また、本発明の請求項2記載のグリルは、バーナへの点火初期には、第一焼網で調理物を保持する第一状態であり、加熱途中で自動的に切換手段により第二焼網で調理物を保持する第二状態に切り換えられる。
【0013】また、本発明の請求項3記載のグリルは、切換手段がグリル庫内の加熱状態に応じて、すなわち第二焼網の予熱が終了すると自動的に、調理物を第二焼網で保持して加熱調理する第二状態へと切り換える。
【0014】また、本発明の請求項4記載のグリルは、グリル庫内の加熱状態に応じて感熱素子が変形、あるいはその状態が変化して調理物の保持が第一焼網から第二焼網へと切り換わる。
【0015】また、本発明の請求項5記載のグリルは、第一焼網と第二焼網とは上下の位置関係であるから狭いスペースに配置することができ、第一状態から第二状態に切り換わるとその上下の位置関係が逆転する。
【0016】また、本発明の請求項6記載のグリルは、調理物を上下両面から加熱調理する両面焼きグリルであり、第一状態では、第二焼網は第一焼網の下方に位置し、下バーナにより直接加熱されすばやく予熱される。
【0017】また、本発明の請求項7記載のグリルは、第一焼網と第二焼網とを共に、焼網枠に複数の焼網棒を平行に固着することにより形成して、一方の焼網棒の間に他方の焼網棒を挿入するようにして第一焼網と第二焼網との上下位置関係を逆転させるといった簡単な構成で、調理物を第一焼網で保持する第一状態から調理物を第二焼網で保持する第二状態へと切り換えることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明のグリルの好適な一実施形態について説明する。
【0019】図8は、グリル付きテーブルこんろの概観図を示している。テーブルこんろ1は、トッププレート2に二組のこんろバーナ3が設けられ、それらの周囲に設けられた五徳4上に図示しない調理鍋を載せ、テーブルこんろ1の前面に設けられるこんろ用操作ボタン5を押すことによりそれぞれのこんろバーナ3が点火され、調理鍋が加熱されるものである。こんろバーナ3間の器体の中心部には、魚等の調理物Fを焼くためのグリル6が設けられ、グリル用操作ボタン7を押して点火し加熱調理が行われる。
【0020】このグリル6は、図1〜3に示すように、魚等の調理物Fを収納して加熱するグリル庫8を備え、グリル庫8の上段左右側面には燃料ガスを燃焼させて調理物Fを加熱する表面燃焼式の上グリルバーナ9が設けられ、下段左右側面には燃料ガスを燃焼させて調理物Fを加熱するブンゼン燃焼式の下グリルバーナ10が設けられる両面焼きグリルである。このグリル庫8は、中段位置にグリルバーナ9,10への点火初期に調理物Fを保持する第一焼網11aと、第一焼網11aよりも下方で下グリルバーナ10に形成される火炎により直接熱せられる位置に第二焼網11bと、底面に設けられ手前にスライドさせて引き出すことができる受皿12とを備える。受皿12は、調理物Fから落下する焼き脂を受けるための浅い皿で、上面がフッ素コーティングしてある。
【0021】次に第一焼網11aと第二焼網11bとについて図4〜7を用いて詳述する。尚、図4,5は、点火初期における第一焼網11aと第二焼網11bの位置関係の説明図であり、図4は斜視図、図5は正面図である。図6,7は、予熱終了後の説明図であり、図6は斜視図、図7は正面図である。第一焼網11aは、例えば、鉄線にクロームメッキを施した線材をもって平面矩形状に形成した第一焼網枠13aに、同じく鉄線にクロームメッキを施した線材よりなる複数の第一焼網棒14aを略等間隔でグリル庫8の横方向と平行に固着することにより形成される。第一焼網棒14aは、直線状の線材の両端が鉤状に曲折され、中央直線部で調理物Fの載置平面を形成するよう同じ向きに並べられて第一焼網枠13aに固着される。従って、第一焼網棒14aで形成される載置平面と第一焼網枠13aで形成される載置平面とは上下位置が異なっている。第二焼網11bは、例えば、鉄線にクロームメッキを施した線材をもって平面矩形状に形成した第二焼網枠13bに、同じく鉄線にクロームメッキを施した線材よりなる複数の直線状の第二焼網棒14bを略等間隔でグリル庫8の横方向と平行に固着することにより形成される。すなわち、第一焼網棒14aと第二焼網棒14bとは平行関係となる。
【0022】このような第一焼網11aと第二焼網11bとは、グリルバーナ9,10への点火初期には、図4,5に示すように、第一焼網11aの下方に第二焼網11bが位置する状態であり、第一焼網11aの上に調理物Fが載っており、第二焼網11bの上には何も載置されておらず予熱される(本発明の第一状態)。そして、第二焼網11bの予熱が完了し、第二焼網11bと調理物Fとがくっつかない程度に充分に温度が上昇すると、図6,7に示すように第一焼網11aと第二焼網11bの上下方向の位置関係が変化して第一焼網棒14aの間に第二焼網棒14bが挿入され、第一焼網棒14aにより形成される載置面より第二焼網棒14bにより形成される載置面の方が上にくることによって、第二焼網11bの上に調理物Fが載置された状態となる(本発明の第二状態)。尚、第一,第二焼網11a,11bの点火からの温度上昇曲線は、くっつきにくさに対して、焼網11a,11b自身の線径、材質、形状、バーナ9,10との相対位置、グリル庫8内の配置により最適化が計られる。
【0023】次に、第一焼網11aと第二焼網11bとのグリル庫8内への取り付け方法及び調理物Fを第一焼網11aのみで保持する第一状態から調理物Fを第二焼網11bのみで保持する第二状態に切り換える方法について述べる。グリル庫8の中段左右側面には焼網台15がグリル庫8の前方から後方へと延設されており、その上に上述した第一焼網11aが図1に示すように、くぼみを下側に向けて載置される。また、焼網台15の裏面には、バイアスバネ16が取り付けられる。尚、バイアスバネ16は、グリル庫8の四隅に一つずつ、計四つ設けられる。グリル庫8の焼網台15よりも下方の左右側面にはバネ取付台17がグリル庫8の前方から後方へと延設されており、バイアスバネ16と向かい合う位置に、温度により形状が変化する形状記憶合金製のバネ18(以下、熱応動バネ18と呼ぶ)が取り付けられる。尚、熱応動バネ18は、温度が高くなると伸びる性質を示す。そして、グリル庫8内の左右にはバイアスバネ16と熱応動バネ18との間に一枚ずつ、グリル庫8の内側に向けて奥行方向に延びた焼網載置面を備えた可動板19が取り付けられる。この左右に一枚ずつ設けられた可動板19の上に第二焼網11bが載置される。尚、バイアスバネ16は、形状記憶合金製ではなく、通常の金属製のコイルバネであり、圧縮されて焼網台15と可動板19との間に設けられ、熱応動バネ18とおしあってバランスをとるバネである。また、逆に、バイアスバネ16は、引っ張りバネであってもよく、この場合には、熱応動バネ18が調理物Fを載置した第二焼網11bを持ち上げるのを助ける働きをする。
【0024】このため、グリルバーナ9,10への点火初期には、熱応動バネ18の温度が低いので熱応動バネ18は縮んでおり、第二焼網11bは、図1及び図3に示すように、第一焼網11aの下方に位置する。そして、熱応動バネ18が加熱されていくと、熱応動バネ18は伸びていき、図2に示すように、第一焼網棒14aの間に第二焼網棒14bを挿入して、第一焼網棒14aによって形成される載置面より第二焼網棒14bによって形成される載置面の方が上にくることにより、調理物Fを第一焼網11aで保持する第一状態から調理物Fを第二焼網11bで保持する第二状態へと切り換わる。この際、第一焼網棒14aと第二焼網棒14bとは平行となるように形成されているので、重なることはなくスムーズに切り換えることができる。また、第一焼網棒14aと第二焼網棒14bとは、共に丸棒によって構成されているので、仮に両者の棒がぶつかっても互いに逃げて、スムーズに第一焼網11aと第二焼網11bの位置関係を変化させることができる。
【0025】上述したような構成のグリル6によれば、第一焼網11aを焼網台15の上に、第二焼網11bを可動板19の上にセットし、第一焼網11aに調理物Fを載置して、グリル用操作ボタン7を押しグリルバーナ9,10に同時に点火して調理物Fを上下両面から加熱調理する。点火初期には、熱応動バネ18はまだ温度が低いため縮んだ状態であり、図1及び図3に示すように、第二焼網11bは調理物Fが載置された第一焼網11aの下方に位置する。この位置は、ブンゼン燃焼式の下バーナ10に形成される火炎に直接熱せられる位置であるため、第二焼網11bは、第一焼網11aよりもすばやく加熱される。また、第一焼網11aの上には調理物Fが載置されているので、第一焼網11aの温度は、第二焼網11bの温度よりもさらに上昇しにくい。従って、第一焼網11aが魚のタンパク質凝固温度である約60℃に達する前に、第二焼網11bはそれよりもかなり高温(例えば、約200℃)に予熱される。
【0026】そして、グリルバーナ9,10が点火されると、熱応動バネ18も加熱されるので、温度が上昇して伸びる。すなわち、第二焼網11bは、グリルバーナ9,10点火後、徐々に上昇していき、図2に示すように、調理物Fを保持する焼網が第一焼網11aから第二焼網11bへと切り換わり、加熱調理が継続される。尚、この際、本実施形態のように四つの熱応動バネ18だけでは、調理物Fを載置した第二焼網11bを上昇させるだけの力が発生できない場合には、もっと多くの熱応動バネをバネ取付台17と可動板19との間に設けても構わない。このように調理物Fを保持する焼網が第一焼網11aから第二焼網11bへと切り換わる前に、第二焼網11bの温度が十分高温(例えば、200℃)となり、かつ第一焼網11aの温度が魚のタンパク質凝固温度以下に保てるように、第一焼網11aと第二焼網11bとの設置場所を設計する。尚、熱応動バネ18は、高温になりすぎると耐久性に問題が出てくるので、熱応動バネ18の周りに遮熱板などを設けて下グリルバーナ10からの熱をある程度遮るようにしてもよい。本実施形態では、バネ取付台17がこのような遮熱板の役割も担っている。
【0027】以上説明したように、本実施形態のグリル6によれば、グリルバーナ9,10への点火初期には、魚等の調理物Fが第一焼網11aの上に載置された状態で、第二焼網11bが予熱される。そして、点火後しばらくすると、第二焼網11bは予熱が完了すると共に、熱応動バネ18により上方に持ち上げられるので、調理物Fを保持している焼網が第一焼網11aから第二焼網11bへと切り換わる。この際、第一焼網11aの温度は魚のタンパク質凝固温度よりも低く保たれているので、第一焼網11aと調理物Fとがくっつくことを防止でき、第二焼網11bは十分に予熱されているので、第二焼網11bと調理物Fとがくっつくことも防止できる。このため、調理物Fの形がくずれることはない。このように、最初に調理物Fをグリル庫8内に収納してグリルバーナ9,10に点火するだけで、自動的に焼網の予熱を行うことができるため、使い勝手よく安全に焼網への調理物Fの付着を防止できる。そして、従来のグリルの様に焼網の予熱を行うためにグリル扉を開ける必要がないため、グリル庫8内の熱気が無駄に逃げ出すことがなく経済的である。さらに、調理物Fの調理と焼網の予熱とを同時に行っているため、調理時間が短くてすむ。
【0028】また、グリル庫8内で調理物Fを保持する焼網の切り換えを、平行関係となるように形成した第一焼網棒14aと第二焼網棒14bとを備えた第一焼網11aと第二焼網11bとの上下の位置関係を変化させるといった簡単な構成で行うことにより安価に実施することができる。また、熱により形状が変化する熱応動バネ18を利用して第二焼網11bを移動させているので、予熱が完了したことを検知するサーミスタのような予熱完了検知手段や、焼網を動かすモータのような焼網昇降手段を用いる必要がなく、グリル6を簡単に構成でき、製造コストを抑制できる。また、第一焼網11aと第二焼網11bとを上下の位置関係、すなわち縦方向の位置関係に配置しているので、グリル庫8内という限られた空間で横方向のスペースを最大限利用することができ、調理物Fを載置するスペースを充分に確保できる。一方、第一焼網11aと第二焼網11bとを左右の位置関係、すなわち横方向の位置関係に配置したとすると、調理物Fを載置するスペースがグリル庫8の幅の半分以下となってしまい、充分な調理能力を発揮できなくなる。
【0029】以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、上バーナ9の点火を下バーナ10の点火よりも遅らせてもよい。この場合には、より確実に、第一焼網11aの温度を魚のタンパク質凝固温度以下に保ちつつ、第二焼網11bを十分に予熱することができる。
【0030】また、第二焼網11bの温度を検出するサーミスタを設けて、予熱完了温度になったらブザーを鳴らすようにし、その後、手動の切替レバーを操作すると第二焼網11bが上方へ移動して、調理物Fを保持する焼網が第一焼網11aから第二焼網11bへと切り換わるようにしてもよい。また、最初に調理物Fが載置される第一焼網11aの方を移動させるような構成(例えば、第一焼網11aが下方へ落ちるような構成)であってもかまわないし、第一焼網11aと第二焼網11bの両方ともを移動させるような構成であってもかまわなく、ようするに、第一焼網11aと第二焼網11bとの載置面の上下の位置関係が変化すれば良いのである。また、本実施形態では温度によって形状が変化する熱応動バネ18を利用して、第一焼網11aで調理物Fを保持する第一状態を、第二焼網11bで調理物Fを保持する第二状態へと切り換えているが、フェライトや感温メタルのように温度によって磁気的性質等の状態が変化するものを利用して、第一状態から第二状態に切り換えるようにしても良い。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1記載のグリルによれば、第一状態で、第一焼網と調理物とがくっつき始める前に第二焼網の予熱を完了させ、その後、調理物を第二焼網のみで保持する第二状態へと切り換えることにより、使い勝手よく安全に調理物の焼網への付着を防止できる。しかも、焼網の予熱と調理物の加熱調理とを同時に行えるので調理時間が短くてすむ。
【0032】更に、本発明の請求項2記載のグリルによれば、第一状態と第二状態との切り換えが自動的に行われるのでより一層使い勝手がよい器具となる。
【0033】更に、本発明の請求項3記載のグリルによれば、切換手段がグリル庫内の加熱状態に応じて切換動作するので、第二焼網の予熱が終了すると、適切なタイミングで第一状態から第二状態へと切り換えることができる。
【0034】更に、本発明の請求項4記載のグリルによれば、感熱素子を利用することにより、切換手段を簡単な構成で作製でき、グリルの製造コストを抑制できる。
【0035】更に、本発明の請求項5記載のグリルによれば、第一焼網と第二焼網とを上下の位置関係、すなわち縦方向の位置関係に配置することにより、グリル庫内という限られたスペース内に第一焼網と第二焼網とを良好に配置でき、調理物を載置するスペースも充分に確保できる。
【0036】更に、本発明の請求項6記載のグリルによれば、このような調理物を上下の両面から加熱調理する両面焼きの器具に対しては、特に優れた効果を奏する。
【0037】更に、本発明の請求項7記載のグリルによれば、調理物を保持する焼網を、第一焼網から第二焼網へと切り換える構成を安価に実施することができる。
【出願人】 【識別番号】000112015
【氏名又は名称】パロマ工業株式会社
【住所又は居所】名古屋市瑞穂区桃園町6番23号
【出願日】 平成13年12月20日(2001.12.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−180530(P2003−180530A)
【公開日】 平成15年7月2日(2003.7.2)
【出願番号】 特願2001−386995(P2001−386995)