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【発明の名称】 飲料調製方法および装置
【発明者】 【氏名】ニコラ ビタル

【氏名】マリアーノ トゥーリ

【要約】 【課題】粒子状の物質から効率的に飲料を抽出して調製することのできる、飲料調製方法および装置を提供する。

【解決手段】本発明は水で抽出可能な粒子状の物質から抽出を行うことにより温かい飲料を調製する方法を提供するものである。これにより、抽出チャンバー内に収容した物質を、通常の水の沸点を超える温度、好ましくは110℃〜130℃の温度を有するが、依然として流体の状態にある水で抽出する。その後、飲料出口から取り出す前に抽出した飲料を通常の水の沸点未満の温度まで冷却する。本方法の顕著な利点は、より一層効率的な物質の抽出を行うことにある。抽出した飲料を冷却するために熱交換器を用いることが望ましく、熱交換器には加熱前の抽出用水を飲料の冷却のために流通させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 温かい飲料、特にエスプレッソコーヒーを、水によって抽出可能な粒子状の物質から抽出することにより調製する方法であって、抽出用水を、抽出用の粒子状の物質で満たした抽出チャンバーを通して流すことにより抽出を行う方法において、前記抽出用水を、流体の状態に保ちつつ通常の水の沸点を超える温度に加熱し、そこから加熱した前記抽出用水を加圧下で、通常の水の沸点を超える温度かつ流体の状態で前記抽出チャンバー内に収容した前記粒子状の物質を通し、それによって温かい飲料を作るために前記粒子状の物質から抽出を行い、さらに調製した温かい飲料を、飲料出口から流出させる前に収集し、通常の水の沸点よりも低い温度に冷却することを特徴とする飲料調製方法。
【請求項2】 請求項1記載の方法において、抽出チャンバーへ供給する抽出用水を100℃を超える温度に加熱し、その後抽出した飲料を100℃よりも低い温度に冷却することを特徴とする飲料調製方法。
【請求項3】 請求項1記載の方法において、前記抽出用水を流体の状態に保ちつつ通常の水の沸点を超える温度に加熱する工程が、加熱した前記抽出用水を過剰な圧力下に保つ工程を具えることを特徴とする飲料調製方法。
【請求項4】 請求項1記載の方法において、抽出チャンバーへ供給する抽出用水を110℃〜130℃の温度に加熱することを特徴とする飲料調製方法。
【請求項5】 請求項1記載の方法において、調製した温かい飲料を熱交換器によって100℃未満の温度に冷却することを特徴とする飲料調製方法。
【請求項6】 請求項1および5記載の方法において、前記熱交換器を、新鮮な抽出用の水を通常の水の沸点を超える温度に加熱する前に当該熱交換器にこの水を導入して通すことにより冷却することを特徴とする飲料調製方法。
【請求項7】 水によって抽出可能な物質を抽出することにより温かい飲料を調製するための装置であって、新鮮な抽出用水の供給源と、供給ポンプと、水ヒータと、抽出チャンバーと、飲料出口とを具え、前記水ヒータが、抽出用水を通常の水の沸点を超える温度に加熱するように適合させたものであり、前記抽出チャンバーと前記飲料出口との間に熱交換器を動作可能に挿入かつ、前記抽出チャンバーで抽出した温かい飲料を通常の水の沸点よりも低い温度に冷却するように適合させたことを特徴とする飲料調製装置。
【請求項8】 請求項7記載の装置において、抽出用水の圧力を増加させる手段をさらに具え、当該抽出用水の圧力を増加させる手段を、水ヒータと飲料出口との間に動作可能に挿入かつ、通常の水の沸点を超える温度に加熱した抽出用水を流体の状態に保つように適合させたことを特徴とする飲料調製装置。
【請求項9】 請求項8記載の装置において、熱交換器が冷水通路と熱水通路とを具え、前記冷水通路の入口を新鮮な水の供給源と動作可能に接続し、当該通路の出口を水ヒータと動作可能に接続したことを特徴とする飲料調製装置。
【請求項10】 請求項9記載の装置において、前記熱水通路の入口を抽出チャンバーと動作可能に接続し、当該通路の出口を飲料出口手段と動作可能に接続したことを特徴とする飲料調製装置。
【請求項11】 請求項7記載の装置において、バルブ手段を介して、水ヒータと抽出チャンバーとを相互接続する導管と動作可能に接続した蒸気導管をさらに具えることを特徴とする飲料調製装置。
【請求項12】 請求項7記載の装置において、熱い抽出用水を抽出チャンバーへ供給する導管に動作可能に挿入したバルブ手段をさらに具えることを特徴とする飲料調製装置。
【請求項13】 請求項7記載の装置において、熱い飲料を飲料出口へ供給する導管に動作可能に挿入したリリーフバルブをさらに具え、前記リリーフバルブを通常の水の沸点を超える温度に加熱した抽出用水を流体の状態に保つように適合させたことを特徴とする飲料調製装置。
【請求項14】 請求項7記載の装置において、前記水ヒータと前記熱交換器とを熱的に結合したことを特徴とする飲料調製装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温かい飲料を水によって抽出可能な粒子状の物質から抽出することにより調製する方法ならびに、温かい飲料、特にエスプレッソコーヒーを、水によって抽出可能な粒子状の物質から抽出することにより調製する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水で抽出することのできる粒子状の物質から抽出することによる温かい飲料の調製方法としては、非常に多くの異なる種類のものが従来技術において公知である。典型的な例として、抽出チャンバー内に挽いたコーヒー粉末を満たした、いわゆるエスプレッソコーヒーマシンを挙げることができる。コーヒー粉末は抽出チャンバー内に詰められ、その後、抽出のために温かい抽出用水を加圧して、詰められたコーヒー粉末内に通し、それによってコーヒー飲料を調製する。
【0003】従来のエスプレッソコーヒーマシンの場合、抽出チャンバーに収容したコーヒー粉末を通過して流れる加圧された温水は、約85℃〜98℃の温度を有する。換言すれば、抽出チャンバーに収容したコーヒー粉末を通過して流れる温かい抽出用水の温度は、現在市販されている全ての公知のエスプレッソコーヒーマシンにおいて100℃未満である。その理由は、全ての専門家の意見によれば、抽出チャンバーに収容したコーヒー粉末を通過して流れる加圧された温水の温度が100℃を超える場合、最終的なコーヒー飲料の味が損なわれることによる。なぜならば、この場合、苦みの成分がコーヒー粉末から抽出されてしまうからである。
【0004】欧州特許第592,943号明細書(特許文献1)は家庭用のエスプレッソコーヒーマシンを開示しており、このマシンは新鮮な水の容器と、この水容器の下に配置した加熱組立体と、挽いたコーヒー粉末を収容する抽出チャンバーと、加熱した水を容器から抽出チャンバーへと供給するポンプとを具える。容器内に収容した水は93℃〜97℃の間の温度に加熱される。温水はポンプによって容器から抽出チャンバーへと供給され、水はそこで93℃〜97℃の間の所望の温度でコーヒー粉末を通して加圧される。そして、抽出チャンバーから、最終的な温かいコーヒー飲料が収容容器へと流入する。
【0005】米国特許第4,287,817号明細書(特許文献2)は、本質的に加圧せずにコーヒー粉末の抽出を行うフィルタバスケットまたは類似の抽出手段を有する従来型のコーヒーマシンを開示している。このコーヒーマシンにはボイラーを設けており、このボイラーは、ボイラー底部と接続した温水導管と、ボイラー上部と接続した蒸気導管とを具え、蒸気導管は分離した蒸気出口へと開口する。このコーヒーマシンの特殊な点は、ボイラーが温水と蒸気の両方を形成することができるという事実に見られる。上述した米国特許明細書の導入部において、公知のコーヒーマシンにおいては、コーヒー粉末は、通常の沸点より低い温度に加熱した蒸気または抽出用水と接触することとなると述べられている。しかしながら、コーヒー粉末を通して流れる間の抽出用水の温度に関する限りにおいて、この米国特許明細書は何ら詳細な提案を含んではいない。
【0006】欧州特許第812,559号明細書(特許文献3)が開示するコーヒーマシンは実際の抽出チャンバーの上方に配置した加圧ピストンを有している。この加圧ピストンはコーヒー粉末を抽出するための抽出用水を明確に加圧するのに適合させたものである。段階的な抽出操作を達成するために、制御バルブを抽出チャンバーと加圧ピストンとの間に配置し、それによって、第一の工程でコーヒー粉末を湿らせ、第二および第三の工程でコーヒー粉末の抽出を行う。この文献においては、抽出用水の温度が高められるようになると述べてはいるが、抽出用水を通常の沸点を超える温度まで上昇させることは提案していない。この文献の第2図は公知技術によって設計した抽出器を示す。この抽出器は第一の水ヒータおよび第二の水ヒータを具え、第二の水ヒータは少量の水を180℃の温度に加熱するように設計されている。第一の工程における関連の記述において、この180℃の温度に加熱した少量の水は、抽出チャンバー内に収容したコーヒー粉末を水および蒸気と混合して湿らせることを想定しているとの説明がなされている。しかしながら、実際の抽出操作に関する限りにおいて、この文献は、これ以上の提案を与えてはいない。
【0007】最後に、欧州特許第934,719号明細書(特許文献4)は、手動で挿入可能なフィルタホルダーを有する従来型のコーヒーマシンを開示している。この発明の基本的なアイデアは、第一の予備抽出過程において、120℃の温度に加熱した過剰圧の水を、コーヒー粉末を湿らせるための少量の抽出用水に用いる、と言う事実に見られる。2〜8秒の期間の後にバルブを開き、それによって新鮮な水をポンプで、その水を加熱したボイラーを通して流すことにより、コーヒー粉末から抽出するためにフィルタホルダー内に収容したコーヒー粉末へ供給し、最終的にコーヒー飲料を調製する。フィルタホルダー内に収容したコーヒー粉末を通して流れる抽出用水の温度に関しては、上述した明細書には詳細な記述も提案も存在していない。
【0008】それゆえ、上で議論したこれら文献が開示する全てのコーヒーマシンにおいては、コーヒー粉末を通して流れる抽出用水の温度は通常の水の沸点よりも低い温度であると結論付けることができる。
【0009】
【特許文献1】欧州特許第592,953号明細書【特許文献2】米国特許第4,287,817号明細書【特許文献3】欧州特許第812,559号明細書【特許文献4】欧州特許第934,719号明細書【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の目的は、温かい飲料を、向上させた効率で、粒子状の物質から抽出を行う水によって、抽出可能な粒子状の物質から抽出することにより調製するための方法および装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的および他の目的を達成するため、本発明は、第一の特徴により、水で抽出可能な粒子状の物質から抽出することによる温かい飲料の調製方法を提供する。本方法は、抽出チャンバーを粒子状の物質で満たす工程と、新鮮な水を、水の通常の沸点を超える温度に加熱する一方、この抽出用の水を流体の状態に保つ工程と、水の通常の沸点を超える温度かつ流体の状態にある加熱した水を、チャンバー内に収容した粒子状の物質を通すように加熱して供給し、それによって温かい飲料を生成するために粒子状の物質から抽出する工程と、最終的に、調製した温かい飲料を収集し、水の通常の沸点未満の温度へ冷却する工程とを具える。
【0012】第二の特徴によれば、本発明はさらに、水で抽出可能な粒子状の物質から抽出することによる温かい飲料を調製する装置を提供する。本装置は、新鮮な抽出用水の供給部と、供給ポンプと、抽出用水を水の通常の沸点を超える温度に加熱するように適合させた水ヒータと、抽出用水で抽出可能な粒子状の物質を収容するのに適合させた抽出チャンバーと、抽出チャンバーと連通する飲料出口と、抽出チャンバーと飲料出口との間に動作可能に挿入した、抽出チャンバー内で抽出した温かい飲料を水の通常の沸点未満の温度に冷却するのに適合させた熱交換器とを具える。
【0013】驚くべきことに、抽出チャンバー内に収容した飲料粉末を、通常の水の沸点を超える温度に加熱しても、依然として流体の状態にある抽出用水で抽出した場合、飲料の味が全く劣化しないことが見出された。抽出後には、使用者が飲料で負傷することを防ぎ、また、飲料が蒸気ではなく液体として装置から排出されることを保証するために冷却を行うことが必要である。飲料粉末からの抽出は、通常の水の沸点を超える温度を有する水を流通させた場合に非常に効率的であることが理解されよう。
【0014】先に議論した先行技術文献の内の幾つかにおいて、抽出チャンバー内に収容したコーヒー粉末を蒸気または100℃以上に加熱した水で湿らせることが述べられてはいるが、これら文献が開示するコーヒーマシンには、抽出チャンバー内に収容したコーヒー粉末を、通常の水の沸点を超える温度を有するように加熱しているが、依然として流体の状態にある水で抽出して調製することを可能としているものは無い。この目的のために、抽出チャンバーの下流に、ポップバルブまたはリリーフバルブおよび熱交換器を設けなければならない。さもなければ、飲料出口からは液体の飲料は排出されず、単に蒸気となって排出されることとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下において、本発明に係る装置の実施形態を添付図面を参照して説明するが、この図は温かい飲料を調製するための装置を図表で示すものである。
【0016】上記の1枚の図面は、水で抽出可能な粒子状の物質から抽出する温かい飲料を調製するための装置を示すものである。本装置は新鮮な水のタンク1、供給ポンプ2、熱交換器3、抽出チャンバー4、水ヒータ5、蒸気バルブ6および蒸気出口8を有する蒸気導管7、チェックバルブ9および飲料出口11を有する飲料導管10ならびに、抽出用水バルブ14を有する抽出用水導管17を具える。
【0017】こうした装置の動作モードは以下のように述べることができる。まず蒸気バルブ6が閉じており、抽出用水バルブ14が開いていると仮定する。
【0018】供給ポンプ2により、新鮮な水が、新鮮な水のタンク1から冷水導管18を通して熱交換器3へ供給され、この水は導管16を経て水ヒータ5へ供給され、そこで水は通常の水の沸点を超える温度に加熱される。ここで、「通常の沸点」とは、標準状態、すなわち海面での気圧が1013hPaにおける純水の沸点と定義する。好ましくは、水は水ヒータ5において110℃〜130℃の間の温度に加熱する。チェックバルブ9は、同時にリリーフバルブとしても働くものであるが、抽出用の水を、その温度が水の通常の沸点を超える温度に加熱された場合でも、常に流体の状態に保つことを保証する。
【0019】水ヒータ5から、熱い抽出用の水が抽出用水導管17を通して抽出チャンバー4へと流れ、この抽出チャンバー4に収容した物質13を通して水が流れ、それによって物質13の活性化した成分が抽出される。その後、抽出された飲料は熱交換器3を通る導管19を流れ、この熱交換器3で新鮮な水によって冷却される。それによって飲料が水の通常の沸点未満の温度まで冷却される。最後に、熱交換器3から、飲料はチェックバルブ9および飲料導管10を通して飲料出口11まで流れ、この飲料はカップ20へ注がれる。
【0020】図より解るように、熱交換器3は熱伝達部材15によって水ヒータ5と接続している。これら熱伝達部材15は熱交換器3を所定の温度に予備加熱するために働く。それによって、多数の要素、すなわち導管10,17、抽出チャンバー4、チェックバルブ9その他により生じる熱損失を補償することが可能となり、最初の温かい飲料を調製する間の加熱が可能となる。連続して多数の飲料を調製する場合には、上述の要素は既に加熱されているので、熱損失はより低くなる。熱交換器3と水ヒータ5との間の熱的な結合は、これらの環境を考慮したものである。
【0021】蒸気導管17はT字型のフランジ部品12によって水ヒータ5の出口と接続している。蒸気を発生させるために、抽出用水導管17に取り付けた抽出用水バルブ14を閉じ、蒸気導管に取り付けた蒸気バルブ6を開く。その結果、水の通常の沸点を超える温度に加熱した水が蒸気導管7を経て蒸気出口8を通して排出可能となる。導管7にはチェックバルブもリリーフバルブも設けていないため、蒸気導管中の、通常の水の沸点よりも高い温度に加熱された水は気体の状態になり、蒸気として排出される。この蒸気により、例えば、カップ21内に入れた液体を加熱することができる。
【0022】抽出チャンバー4内に収容した物質は、通常の水の沸点を超える温度に加熱した水によって抽出されるが、水は依然として流体の状態にあるという事実により、抽出チャンバー内に収容した物質の活性化された成分の、例えばコーヒー粉末中から苦み成分が抽出されてしまうといった、これまでの通例の欠点が無い、実質的に改良された抽出が行われる結果となる。水は、常に水ヒータ内で通常の水の沸点を超える温度に加熱されるため、本装置は常に、発生させなければならない蒸気を供給することができる。
【0023】温かい飲料を調製するための本装置は、特にエスプレッソコーヒーの抽出に適している。しかしながら、本装置は他の飲料、例えば温かい紅茶、ホットチョコレート飲料、温かいスープおよびこれらに類似の飲料にも適していることを理解されたい。
【出願人】 【識別番号】500188819
【氏名又は名称】フィアナラ インターナショナル ベスローテン フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】FIANARA INTERNATIONAL B.V.
【出願日】 平成14年10月9日(2002.10.9)
【代理人】 【識別番号】100072051
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 興作 (外1名)
【公開番号】 特開2003−180525(P2003−180525A)
【公開日】 平成15年7月2日(2003.7.2)
【出願番号】 特願2002−296284(P2002−296284)