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【発明の名称】 炊飯器
【発明者】 【氏名】宇都宮 定
【住所又は居所】大阪府大阪市北区天満1丁目20番5号 象印マホービン株式会社内

【氏名】辻井 博昭
【住所又は居所】大阪府大阪市北区天満1丁目20番5号 象印マホービン株式会社内

【氏名】中村 彰夫
【住所又は居所】大阪府大阪市北区天満1丁目20番5号 象印マホービン株式会社内

【要約】 【課題】ユーザの希望に応じて炊き上げるご飯のかたさの基準を変更可能とする。

【解決手段】各炊飯メニューで炊き上げるご飯のかたさ具合を変更するように指示するかたさ指示手段を設け、かたさ指示手段から指示されたかたさ具合になるように、各炊飯メニューにおける少なくとも1つの炊飯工程のパラメータを変更して炊飯制御を実行するように構成する。かたさ指示手段は、商用電源31が出力する正弦波形の交流電圧値に従ってゼロクロスパルス信号を出力するゼロクロス回路35と、ゼロクロス回路35からの信号の入力により、商用電源31の周波数が50Hzか60Hzかを検出する周波数判定手段(マイコン36)とを備え、周波数判定手段の判定が50Hzか60Hzによりかためかやわらかめかを指示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ふつう、かため、やわらかめなどの複数の炊飯メニュー毎に、予熱、中ぱっぱ、沸騰維持などの各炊飯工程を実行するパラメータをそれぞれ設定し、そのパラメータに従って加熱手段を制御して炊飯する炊飯器において、各炊飯メニューで炊き上げるご飯のかたさ具合を変更するように指示するかたさ指示手段を設け、前記かたさ指示手段から指示されたかたさ具合になるように、各炊飯メニューにおける少なくとも1つの炊飯工程のパラメータを変更して炊飯制御を実行するようにしたことを特徴とする炊飯器。
【請求項2】 前記かたさ指示手段は、商用電源が出力する正弦波形の交流電圧値に従ってゼロクロスパルス信号を出力するゼロクロス回路と、前記ゼロクロス回路からの信号の入力により、商用電源の周波数が50Hzか60Hzかを判定する周波数判定手段とを備え、前記周波数判定手段の判定が50Hzか60Hzによりかためかやわらかめかを指示することを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】 前記かたさ指示手段は、切換スイッチであり、前記切換スイッチの操作によりかためかやわらかめかを指示することを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炊飯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の炊飯器は、「ふつう」、「やわらかめ」、「かため」、「急速炊飯」、「炊き込み」、「おこわ」、および、「おかゆ」などの複数種の炊飯メニューが搭載されている。そして、使用者は、操作パネルに配設したメニュースイッチを操作することにより、前記炊飯メニューの中から希望の炊飯メニューを設定し、炊飯制御を実行させる。そうすると、炊飯器の制御手段は、使用者が設定した炊飯メニューに応じ、予め設定された炊飯制御の各工程を実行する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記炊飯器では、各炊飯メニューで炊き上がるご飯のかたさは製造メーカにて決定するものである。そのため、かためのご飯を好む人を基準とした場合には、やわらかめを好む人が「やわらかめ」の炊飯メニューで炊飯制御を実行しても若干かたいと感じられ、不満を感じさせてしまう。逆に、やわらかめのご飯を好む人を基準とした場合には、かためを好む人が「かため」の炊飯メニューで炊飯制御を実行しても若干やわらかいと感じられ、やはり不満を感じさせてしまう。
【0004】そのため、従来では、やわらかめを好む人とかためを好む人の中間を基準としているが、この場合、かためを好む人が更にかためのご飯を希望するときや、やわらかめを好む人が更にやわらかめのご飯を希望するときに、やはり不満を感じさせてしまうという問題がある。
【0005】そこで、本発明では、ユーザの希望に応じて炊き上げるご飯のかたさの基準を変更可能とした炊飯器を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、本発明の炊飯器は、ふつう、かため、やわらかめなどの複数の炊飯メニュー毎に、予熱、中ぱっぱ、沸騰維持などの各炊飯工程を実行するパラメータをそれぞれ設定し、そのパラメータに従って加熱手段を制御して炊飯する炊飯器において、各炊飯メニューで炊き上げるご飯のかたさ具合を変更するように指示するかたさ指示手段を設け、前記かたさ指示手段から指示されたかたさ具合になるように、各炊飯メニューにおける少なくとも1つの炊飯工程のパラメータを変更して炊飯制御を実行するように構成している。
【0007】前記炊飯器によれば、各炊飯メニューにおける炊飯工程のパラメータを変更することにより、炊き上げるご飯のかたさ具合を変更可能としているため、かためのご飯を好む人、および、やわらかめのご飯を好む人の両者とも、炊き上げたご飯のかたさ具合に不満を感じることを防止できる。
【0008】前記炊飯器では、前記かたさ指示手段は、商用電源が出力する正弦波形の交流電圧値に従ってゼロクロスパルス信号を出力するゼロクロス回路と、前記ゼロクロス回路からの信号の入力により、商用電源の周波数が50Hzか60Hzかを判定する周波数判定手段とを備え、前記周波数判定手段の判定が50Hzか60Hzによりかためかやわらかめかを指示することが好ましい。このようにすれば、商用電源に接続するだけで、統計的にかためのご飯を好む人が多い関東では、かたさ具合が一様にかためなパラメータで炊飯制御を実行させ、やわらかめのご飯を好む人が多い関西では、かたさ具合が一様にやわらかめなパラメータで炊飯制御を実行させることができる。
【0009】または、前記かたさ指示手段は、切換スイッチであり、前記切換スイッチの操作によりかためかやわらかめかを指示するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザが希望に応じて炊き上げるご飯のかたさ具合を変更できる。また、かたさ指示手段からの入力に応じて複雑な解析を行う必要はないため、コスト高になることを防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。図1は、本発明の実施形態に係る炊飯器を示す。この炊飯器は、炊飯鍋1と、該炊飯鍋1を収容する炊飯器本体2と、該炊飯器本体2に回動可能に取り付けられる蓋体11とからなる。
【0011】前記炊飯鍋1は、熱伝導率が高いアルミ等からなる鍋母材の外面に、誘導加熱コイル5への高周波電流の通電時に生じる渦電流によって電磁誘導加熱される強磁性材料をコーティングや接合等を施したものである。
【0012】前記炊飯器本体2は、有底筒形状をなす胴体3の内部に、前記炊飯鍋1を収容する非導電性材料からなる保護枠4を備えている。これら胴体3と保護枠4との間には、加熱手段である誘導加熱コイル5と、炊飯鍋用温度センサ6と、マイクロコンピュータ(以下、マイコン36と略する。)を実装した制御基板29と、冷却手段であるファンとが配設されている。なお、前記誘導加熱コイル5は、フェライトコア7によって該フェライトコア7と前記保護枠4との間に位置決めされている。また、前記制御基板29とファンは、基板ホルダー8によって一体に取り付けられている。なお、この基板ホルダー8には、バックアップ用の電池9が電池基板10とともに着脱可能に装着されている。
【0013】前記蓋体11は、上板と下板からなる外装体の底面に、前記炊飯鍋1の上端開口を密閉する内蓋を配設した周知のものである。
【0014】前記炊飯器本体2の正面には、図2に示す操作パネル12が配設されている。この操作パネル12は、中央に配設された液晶表示方式の液晶表示部13の周りに、炊飯条件を入力するための複数のスイッチ20〜28が配設されている。
【0015】前記液晶表示部13は、後述するマイコン36が内蔵したドライバによって表示するセグメント表示方式のもので、ユーザがスイッチ20〜28を操作することによる設定状態等を意味する表示部14〜19を備えている。本実施形態の液晶表示部13には、中央に、24時間の時刻表示を可能とした数値表示部14、保温時刻等の単位を表す時間表示部15、および、炊飯残時間等の単位を表す分表示部16が設けられている。また、これらの両側には、炊飯メニュー等を意味する「白米」、「ふつう」、「やわらかめ」、「かため」、「急速」、「炊きこみ」、「おこげ」、「すしめし」、「おかゆ」、「おこわ」、「分づき米」、「玄米」、「クリーニング」という複数のメニュー表示部17が設けられている。さらに、数値表示部14の下方には、記憶された時間帯を意味する朝、昼、晩のマークを有する2組の予約設定表示部18A,18Bが設けられている。さらにまた、前記数値表示部14の上方には、再加熱中であることを示す再加熱表示部19が設けられている。
【0016】前記液晶表示部13の周囲に配設したスイッチとしては、炊飯スイッチ20、メニュースイッチ21、保温スイッチ22、おやすみ保温スイッチ23、とりけしスイッチ24、予約1スイッチ25、予約2スイッチ26、△スイッチ27、および、▽スイッチ28が設けられている。
【0017】前記制御基板29は、電気回路を構成する多数の電子部品、ヒートシンク、および、制御手段であるマイコン36が実装され、基板ホルダー8によって装着されるものである。具体的には、この制御基板29は、図3に示すように、主電源回路30と、昇圧回路32と、インバータ回路33と、IGBT制御回路34と、ゼロクロス回路35と、マイコン36とを備えている。
【0018】前記主電源回路30は、その入力側が商用電源31に接続される一方、出力側が昇圧回路32およびマイコン36にそれぞれ接続され、前記商用電源31から供給された交流電圧を、所定の直流電圧に変換して出力するものである。
【0019】前記昇圧回路32は、前記主電源回路30から入力された直流電圧を、マイコン36の指示信号に従って所定電圧に昇圧してインバータ回路33に出力するものである。
【0020】前記インバータ回路33は、前記昇圧回路32から入力された直流電圧を交流電圧に変換するもので、スイッチング素子であるIGBTを備え、前記誘導加熱コイル5の両端に接続されている。
【0021】前記IGBT制御回路34は、前記インバータ回路33のIGBTをオン、オフ制御することにより前記誘導加熱への通電をオン、オフ制御するものである。
【0022】前記ゼロクロス回路35は、その入力側が前記商用電源31と主電源回路30を接続する導電路に接続される一方、その出力側がマイコン36に接続されている。このゼロクロス回路35は、商用電源31が出力する正弦波形の交流電圧の電圧値が0となる度に、ゼロクロスパルス信号を前記マイコン36に送信するものである。本実施形態では、このゼロクロス回路35は、炊飯可能な複数の炊飯メニューのうち、それぞれの炊飯メニューのかたさ具合を一様に変更するためのかたさ指示手段の一部を構成する。
【0023】前記マイコン36は、商用電源31との接続時に、前記ゼロクロス回路35からの入力信号によって商用電源31から供給される電力が50Hzか60Hzかを判定する周波数判定手段の役割をなす。そして、50Hz(関東)である場合には関東風(かため)の炊き上げ状態となるように、60Hz(関西)である場合には関西風(やわらかめ)の炊き上げ状態となるように、各炊飯メニュー毎に設定された予熱、中ぱっぱ、沸騰維持、炊き上げ、むらし、2度炊きなどの炊飯工程を実行するパラメータを変更し、炊き上げるご飯のかたさ具合を変更するものである。
【0024】ここで、前記マイコン36には、図4に示すように、やわらかめを好む人が多い関西風とかためを好む人が多い関東風の中間を基準とした基本設定が記憶されている。そして、かためを好む関東風に設定変更する場合には、各炊飯メニューにおいて、その炊飯可能なメニューの種類を維持し、それぞれの炊飯メニューの炊き上げ状態(かたさ具合)が一様にかたくなるように、各炊飯工程のパラメータを変更する。また、やわらかめを好む関西風に設定する場合には、同様に炊飯可能なメニューの種類を維持し、それぞれの炊飯メニューの炊き上げ状態(かたさ具合)が一様にやわらかくなるように、各炊飯工程のパラメータを変更する。
【0025】また、マイコン36は、前記ゼロクロス回路35から入力されたゼロクロスパルス信号を受信したタイミングで前記各負荷部品を制御することにより、各負荷部品の損傷を防止し、長寿命化を図っている。
【0026】次に、前記マイコン36による制御について具体的に説明する。この炊飯器は、ユーザが購入した状態では、既にバックアップ用の電池9によりマイコン36が動作している。
【0027】そして、マイコン36は、図5に示すように、まず、ステップS1で、ゼロクロス回路35から商用電源31に接続されたことを意味するゼロクロスパルス信号が入力されたか否かを検出する。そして、ゼロクロスパルス信号が入力されない場合にはステップS2に進み、電池9による停電処理を行ってステップS1に戻る。一方、ゼロクロスパルス信号が入力された場合にはステップS3に進み、周波数判定処理を実行する。
【0028】周波数判定処理が終了すると、ステップS4で、判定した周波数が50Hzであったか否かを検出する。そして、周波数が50Hzであった場合にはステップS5に進み、パラメータを関東風に変更するか関西風に変更するかを意味するフラグfに1(関東風)を入力してステップS7に進む。一方、周波数が50Hzでない場合にはステップS6に進み、fに0(関西風)を入力してステップS7に進む。
【0029】ステップS7では、ユーザが操作パネル12のいずれかのスイッチ20〜28が操作されたか否かを検出する。そして、いずれかのスイッチ20〜28が操作された場合にはステップS8に進み、いずれのスイッチ20〜28も操作されない場合にはステップS12に進む。
【0030】ステップS8では、操作されたスイッチに応じた受付処理を実行してステップS9に進む。なお、このスイッチ受付処理では、そのスイッチに応じた設定の入力や、炊飯制御および保温制御の実行など、周知の処理を行う。
【0031】ステップS9では、操作されたスイッチが炊飯スイッチ20であることによる炊飯制御が実行されたか否かを検出する。そして、炊飯制御が実行された場合にはステップS10に進み、炊飯制御が実行されていない場合にはステップS7に戻る。
【0032】ステップS10では、炊飯制御処理を実行し、この炊飯制御処理が終了すると、ステップS11で、保温制御処理を実行してステップS7に戻る。
【0033】また、前記ステップS7で、いずれのスイッチ20〜28も操作されない場合にはステップS12で、ゼロクロスパルス信号が入力されているか否かを検出する。そして、ゼロクロスパルス信号が入力されている場合にはステップS13に進み、ユーザが電源コードを商用電源31から抜くことによりゼロクロスパルス信号が入力されなくなった場合にはステップS1に戻る。
【0034】ステップS13では、保温制御処理を実行中であるか否かを検出する。そして、保温制御処理を実行中である場合にはステップS11に進み、保温制御処理を実行中でない場合にはステップS7に戻る。
【0035】次に、ステップS3の周波数判定処理について具体的に説明する。この周波数判定処理では、マイコン36は、図6に示すように、まず、ステップS3−1で、周波数判定処理を強制終了するための1秒タイマをスタートさせる。
【0036】ついで、ステップS3−2で、ゼロクロスパルス信号が入力されるまで待機する。そして、ゼロクロスパルス信号が入力されると、ステップS3−3で、ゼロクロスパルス信号の入力カウント回数N1が15回であるか否かを検出する。そして、N1が15回でない場合にはステップS3−4に進み、N1に1を加算してステップS3−2に戻る。一方、N1が15回である場合にはステップS3−5に進む。
【0037】ステップS3−5では、ゼロクロスパルス信号の入力カウント回数N2が0回であるか否かを検出する。そして、N2が0回である場合にはステップS3−6に進み、計測タイマをスタートさせてステップS3−2に戻る。一方、N2が0回でない場合にはステップS3−7に進む。
【0038】ステップS3−7では、N2に1を加算した後、ステップS3−8で、N2が8回になったか否かを検出する。そして、N2が8回になっていない場合にはステップS3−2に戻る。一方、N2が8回になった場合にはステップS3−9に進み、計測タイマによる計測時間tを読み込んで図7に示すステップS3−10に進む。
【0039】図7に示すように、ステップS3−10では、8回、ゼロクロスパルス信号が入力されるまでの計測時間tが72ms(1ms=0.001秒)より長く88ms以下であるか否かを検出する。そして、72msより長く88ms以下である場合にはステップS3−11に進み、72msより長く88ms以下でない場合にはステップS3−18に進む。
【0040】ステップS3−11では、商用電源31の周波数が50Hzであると認識し、認識回数H1に1を加算してステップS3−12に進む。
【0041】ステップS3−12では、前回の検出で周波数が60Hzであると認識しているか否かを確認するために、H2が0であるか否かを検出する。そして、H2が0でない場合にはS3−13に進み、H2を0としてステップS3−25に進む。一方、H2が0である場合にはステップS3−14に進む。
【0042】ステップS3−14では、50Hzの認識回数H1が3回になったか否かを検出する。そして、H1が3回である場合にはステップS3−15に進み、商用電源31の周波数が50Hzであると確定してステップS3−16に進む。一方、H1が3回でない場合にはステップS3−25に進む。
【0043】ステップS3−16では、認識回数H1,H2に0を入力してリセットした後、ステップS3−17で、入力カウント回数N1,N2に0を入力してリセットしてリターンする。
【0044】また、ステップS3−10で、計測時間tが72msより長く88ms以下でない場合にはステップS3−18で、計測時間tが60msより長く72ms以下であるか否かを検出する。そして、計測時間tが60msより長く72ms以下である場合にはステップS3−19に進み、60msより長く72ms以下でない場合にはステップS3−24に進む。
【0045】ステップS3−19では、商用電源31の周波数が60Hzであると認識し、認識回数H2に1を加算してステップS3−20に進む。
【0046】ステップS3−20では、前回の検出で周波数が50Hzであると認識しているか否かを確認するために、H1が0であるか否かを検出する。そして、H1が0でない場合にはステップS3−21に進み、H1を0としてステップS3−25に進む。一方、H1が0である場合にはステップS3−22に進む。
【0047】ステップS3−22では、60Hzの認識回数H2が3回になったか否かを検出する。そして、H2が3回である場合にはステップS3−23に進み、商用電源31の周波数が60Hzであると確定してステップS3−16に進む。一方、H2が3回でない場合にはステップS3−25に進む。
【0048】また、ステップS3−18で、計測時間tが60msより長く72ms以下でない場合には、即ち、60ms以下、または、88msより長い場合には、ノイズなどによるエラーであると判断し、ステップS3−24で、H1,H2を0としてステップS3−25に進む。
【0049】ステップS3−25では、計測タイマをリセットした後、ステップS3−26で、強制終了用の1秒タイマがカウントアップしたか否かを検出する。そして、1秒タイマがカウントアップしていない場合には図6に示すステップS3−2に戻る。一方、1秒タイマがカウントアップした場合には、ステップS3−23に進み、強制的に商用電源31の周波数を60Hzに確定する。
【0050】次に、ステップS10の炊飯制御処理について説明する。この炊飯制御処理では、マイコン36は、周波数判定処理で判定した周波数、および、選択された炊飯メニューに応じ、従来と同様に予熱、中ぱっぱ、沸騰維持、炊き上げ、むらし、および、2度炊きの各炊飯工程を実行する。なお、以下では、炊飯制御の一例としてユーザが炊飯メニューを「ふつう」に選択した場合について説明する。
【0051】まず、予熱工程では、ご飯の炊き上げ状態は、この予熱工程の実行時間を意味する浸漬時間と、米への水の浸透を促進させるための温度に関係を有する。即ち、前記浸漬時間を長く、かつ、温調温度を高くすることにより、炊き上げたご飯は軟らかくなる。
【0052】
【表1】

【0053】前記表1に示すように、従来と同様の基本設定は、浸漬時間が20分とされ、温調温度が50〜60℃とされている。そして、本実施形態では、fが0である場合、即ち、商用電源31から供給される電力を60Hz(関西)と判定した場合には、前記浸漬時間を基本設定より所定時間長くし、前記温調温度を基本設定より所定温度高くするように設定変更する。一方、fが1である場合、即ち、50Hz(関東)と判定した場合には、前記浸漬時間を基本設定より所定時間短くし、前記温調温度を基本設定より所定温度低くするように設定変更する。
【0054】次に、中ぱっぱ工程では、ご飯の炊き上げ状態は、誘導加熱コイル5への通電電力に関係を有する。即ち、通電電力を低くし、温度上昇率を低くしてこの中ぱっぱ工程に要する時間を長くすることにより、炊き上げたご飯は軟らかくなる。
【0055】
【表2】

【0056】前記表2に示すように、従来と同様の基本設定は、通電電力が90%であり、この通電電力で約100℃に炊飯鍋1内が昇温するまで通電をし続けるように設定されている。そして、本実施形態では、fが0である場合、即ち、商用電源31から供給される電力が60Hz(関西)と判定した場合には、通電電力を基本設定より所定量弱火とし、約100℃に昇温するまでの上昇率が低くなるように設定変更する。一方、fが1である場合、即ち、50Hz(関東)と判定した場合には、通電電力を基本設定より所定量強火とし、約100℃に昇温するまでの上昇率が高くなるように設定変更する。
【0057】次に、沸騰維持工程では、ご飯の炊き上げ状態は、沸騰状態を維持する時間と、通電電力と、維持する温度に大きな関係を有する。即ち、維持時間を長くするとともに、通電電力および維持温度を低くしてじっくり煮込むことにより炊き上げたご飯は軟らかくなる。
【0058】
【表3】

【0059】前記表3に示すように、従来と同様の基本設定は、維持時間が約15分で、通電電力が70%で、維持温度が約115℃である。そして、本実施形態では、fが0である場合、即ち、商用電源31から供給される電力が60Hz(関西)と判定した場合には、維持時間を基本設定より所定時間長くし、通電電力を基本設定より所定量弱火とし、維持温度を基本設定より所定温度低くするように設定変更する。一方、fが1である場合、即ち、50Hz(関東)と判定した場合には、維持時間を基本設定より所定時間短くし、通電電力を基本設定より所定量強火とし、維持温度を基本設定より所定温度高くするように設定変更する。
【0060】次に、炊き上げ工程では、ご飯の炊き上げ状態は、通電電力と、炊飯鍋1内の水が無くなったと判断するドライアップ温度に関係を有する。即ち、通電電力を低くし、ドライアップ温度を低くしてじっくり煮込むことにより、炊き上げたご飯は軟らかくなる。
【0061】
【表4】

【0062】前記表4に示すように、従来と同様の基本設定は、通電電力が80%で、ドライアップ温度が約120℃である。そして、本実施形態では、fが0である場合、即ち、商用電源31から供給される電力が60Hz(関西)と判定した場合には、通電電力を基本設定より所定量弱火とし、ドライアップ温度を基本設定より所定温度低くするように設定変更する。一方、fが1である場合、即ち、50Hz(関東)と判定した場合には、通電電力を基本設定より所定量強火とし、ドライアップ温度を基本設定より所定温度高くするように設定変更する。
【0063】次に、むらし工程では、ご飯の炊き上げ状態は、通電電力とむらし時間に関係を有する。即ち、通電電力を低く、むらし時間を長くすることにより、炊き上げたご飯は軟らかくなる。
【0064】
【表5】

【0065】前記表5に示すように、従来と同様の基本設定は、誘導加熱コイル5への通電を停止して所定時間待機するもので、そのむらし時間が9分である。そして、本実施形態では、fが0である場合、即ち、商用電源31から供給される電力が60Hz(関西)と判定した場合には、むらし時間を基本設定より所定時間長くするように設定変更する。一方、fが1である場合、即ち、50Hz(関東)と判定した場合には、むらし時間を基本設定より所定時間短くするように設定変更する。
【0066】次に、2度炊き工程では、ご飯の炊き上げ状態は、通電電力と時間に関係を有する。即ち、通電電力を低く、時間を長くすることにより、炊き上げたご飯は軟らかくなる。
【0067】
【表6】

【0068】前記表6に示すように、従来と同様の基本設定は、通電電力が30%で、時間が4分である。そして、本実施形態では、fが0である場合、即ち、商用電源31から供給される電力が60Hz(関西)と判定した場合には、通電電力を基本設定より所定量弱火とし、時間を基本設定より所定時間長くするように設定変更する。一方、fが1である場合、即ち、50Hz(関東)と判定した場合には、通電電力を基本設定より所定量強火とし、時間を基本設定より所定時間短くするように設定変更する。
【0069】なお、前記中ぱっぱ工程、沸騰維持工程、炊き上げ工程、むらし工程、2度炊き工程では、この通電電力を設定変更する代わりに通電率を設定変更してもよい。ここで、この通電率とは、同一値の通電電力において、例えば所定時間内に誘導加熱コイル5に対して通電する時間と通電しない時間との割合である。
【0070】このように、本実施形態の炊飯器では、炊飯メニューの種類を維持し、各炊飯メニューにおける炊飯工程のパラメータを変更し、炊き上げるご飯のかたさ具合を変更可能としている。そのため、かためのご飯を好む人、および、やわらかめのご飯を好む人の両者とも、炊き上げたご飯のかたさ具合に不満を感じることを防止できる。
【0071】そして、前記パラメータの変更は、かたさ指示手段を構成するゼロクロス回路35からの入力による商用電源31の周波数に基づいて行うようにしている。そのため、ユーザは何ら操作をすることなく、統計的にかためのご飯を好む人が多い関東では、かたさ具合が一様にかためになるようにパラメータ変更され、やわらかめのご飯を好む人が多い関西では、かたさ具合が一様にやわらかめになるようにパラメータされる。
【0072】図8は第2実施形態の炊飯器に適用する操作パネル12を示す。この第2実施形態では、操作パネル12に基準かたさを上げるためのかたさ指示手段として専用の切換スイッチ37を設けている。また、マイコン36は、第1実施形態の表1から表6に示す関西風を基本とし、前記切換スイッチ37を操作することにより、関東風のかたさ具合となるように各炊飯工程のパラメータを変更するように構成している。
【0073】この第2実施形態の構成では、第1実施形態と同様に、炊飯メニューの種類を維持し、各炊飯メニューにおける炊飯工程のパラメータを変更し、炊き上げるご飯のかたさ具合を変更することができる。そして、そのパラメータの変更は、ユーザの希望(好み)に応じて変更するため、例えば、関東に在住しているにも関わらずやわらかめを好む人、または、関西に在住しているにも関わらずかためを好む人など、種々の希望に応じることができる。
【0074】また、マイコン36は、図5に示すステップS3の周波数判定処理の代わりに、前記切換スイッチ37がオン操作されているか否かの判定するだけでよい。即ち、複雑な解析を行う必要はないため、コスト高になることを防止できる。
【0075】なお、本発明の炊飯器は前記実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、前記第2実施形態では、オン、オフ方式の切換スイッチ37によってかたさをアップするように構成したが、関東風を基本とし、スイッチ操作によりかたさをダウンするように構成してもよい。
【0076】また、無段階抵抗を用いた回転操作方式のスイッチを適用し、無段(多段)階でかたさ具合をかため、または、やわらかめに変更できるようにしてもよい。
【0077】さらに、かたさ指示手段としては、マイコン36を実装した制御基板29にジャンパーピンを設け、このジャンパーピンにジャンパーを差し込んで短絡させるか否かで、かたさ具合を変更するようにしてもよい。なお、このようにすれば、出荷する地方に応じてジャンパーピンを装着するだけで、簡単に炊き上げるご飯のかたさ具合を変更することができる。また、マイコン36は、第2実施形態と同様に、複雑な解析を行う必要はない。しかも、炊飯器本体自体の設計変更も必要ないため、コスト高になることを防止できる。
【0078】さらにまた、前記実施形態では、予熱、中ぱっぱ、沸騰維持、炊き上げ、むらし、2度炊きの全ての炊飯工程のパラメータを変更するようにしたが、いずれか1つの炊飯工程のパラメータのみを変更してもよく、また、所定の2以上の炊飯工程のパラメータを変更してもよい。
【0079】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明の炊飯器では、かたさ指示手段からの指示に基づいて、各炊飯メニューの炊飯工程のパラメータを変更し、炊き上げるご飯のかたさ具合を変更可能としているため、かためのご飯を好む人、および、やわらかめのご飯を好む人の両者とも、炊き上げたご飯のかたさ具合に不満を感じさせることを防止できる。
【0080】また、前記かたさ指示手段は、例えば、ゼロクロス回路と、該ゼロクロス回路からの信号の入力により商用電源の周波数を判定する周波数判定手段とを備えた構成とし、その判定した周波数によりかためかやわらかめかを指示するようにしている。そのため、統計的にかためのご飯を好む人が多い関東では、かたさ具合がかためとなるパラメータで炊飯制御を実行させ、やわらかめのご飯を好む人が多い関西では、かたさ具合がやわらかめとなるパラメータで炊飯制御を実行させることができ、ユーザは何ら操作をする必要はないため、利便性の向上を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000002473
【氏名又は名称】象印マホービン株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区天満1丁目20番5号
【出願日】 平成13年12月21日(2001.12.21)
【代理人】 【識別番号】100062144
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外3名)
【公開番号】 特開2003−180517(P2003−180517A)
【公開日】 平成15年7月2日(2003.7.2)
【出願番号】 特願2001−389174(P2001−389174)