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【発明の名称】 電子レンジ調理法
【発明者】 【氏名】千葉 真知子
【住所又は居所】宮城県仙台市青葉区上杉5丁目8番17号 千葉真知子クッキングスタジオ有限会社内

【要約】 【課題】簡単かつスピーディに黒豆煮炊き物を得る。

【解決手段】適度な圧力下では、調理が速くでき、かつ美味しいことに鑑み、落し蓋又は中蓋20でもって、適宜に蒸気を逃がしつつ、適度なその圧力を煮炊き容器10内に与える。豆の煮炊きの場合、豆量に比べて水量が多く必要とし、その煮炊き中に水分が蒸発し、従来では、その水を足すことに着目し、蒸発した水分を受皿40で受けるとともに、電子レンジEで加熱する。受皿40で水分を受ければ、500〜600Wの強加熱して吹きこぼれても支障はなく、電子レンジ庫内の汚れが防止されるとともに、その受皿40からの蒸気によって庫E内の湿度が増し、その状態下で、煮炊きが行われ、この煮炊きは美味しい豆の煮ものを作る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 調理容器10内に水とともに豆aを入れ、電子レンジにより加熱して前記豆aの調理を行う電子レンジ調理法において、上記調理容器10に中蓋20を被せ、さらにその上に外蓋30を被せて圧着した状態で、上記電子レンジにより加熱することを特徴とする電子レンジ調理法。
【請求項2】 受皿40に調理容器10を載せ、その調理容器10内に水とともに豆aを入れ、落し蓋をした後、電子レンジにより加熱し、前記調理容器10から吹き出た水分を前記受皿40で受けて、その受皿40内の水分も加熱しつつ、前記豆調理を行うことを特徴とする電子レンジ調理法。
【請求項3】 請求項2において、上記落し蓋を止めて、上記調理容器40に中蓋20を被せ、さらにその上に外蓋30を被せて圧着した状態で、上記電子レンジにより加熱することを特徴とする電子レンジ調理法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子レンジを利用した黒豆などの豆煮炊き調理法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子レンジによる調理は手軽さから広く普及し、また、電子レンジの能力向上によりその調理範囲は格段に広くなっている。
【0003】一方、豆類は イライラを抑えるカルシウム、貧血を予防する鉄分、血や肉を作って生理機能を維持するたんぱく質 炭水化物を効率よくエネルギーに変えるビタミンB2、腹内をキレイにする食物繊維などを多く含むため、今日の健康志向の下で注目を浴びている。
【0004】このため その豆類の一つである黒豆を食することが叫ばれ(好まれ) その黒豆の煮炊き(調理法)においても、種々の電子レンジ調理法が示されており、その一例として下記のものがある。
〔材料4人分〕
黒豆 :200g A 水 :600cc B 湯 :400cc 砂糖 :90g 砂糖 :90g しょうゆ :大さじ1と1/2 塩 :小さじ1 重曹 :小さじ1/2〔作り方〕
■.豆は洗って深めの容器に入れ、Aを入れて一晩漬けておく。
■.■にパラフィン紙などで落し蓋をし、さらに蓋をして電子レンジ(強:500〜600W)で約10分、電子レンジ(弱:200W)で約1時間20分加熱する。
■.■にBを加え、電子レンジ(弱)で約1時間20分加熱し、鍋に入れたまま一昼夜おく。このとき、豆は砂糖などの濃厚な調味料を急に加えると、中の水分が浸出して皺ができる。特に黒豆は皺になりやすいので注意する。このため、重曹を少量加えるとよい。重曹には豆を柔らかくする働きがあるからである。
【0005】因みに、ガスコンロなどの火による従来の黒豆の煮炊き法の一例は下記のとおりである。
〔材料〕
黒豆 :200g湯 :4カップ砂糖 :120〜150gしょうゆ :大さじ1塩 :小さじ1/3さび釘 :適量〔作り方〕
■.洗った黒大豆を砂糖などの調味液に一晩つけておく。さび釘は洗ってガーゼに包みいっしょに入れておく。
■.中火にかけ、煮立ったらアクをすくい取る。
■.火を弱め、かすかに煮立つ程度に6〜8時間静かに煮続ける。
■.柔らかく煮えたら火を止め、そのまま一昼夜おき、味を含ませる。このとき、浮いてくるアク・泡はていねいにとる。やや濃いめの味のしわ豆にしたい場合は■を続けて煮詰める。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の黒豆の電子レンジによる煮炊き調理は、その出来上がった黒豆が美味でないうえに、トータルで2時間近くかかり、電子レンジの最大の特徴である、早く、かつ手軽に作れる点を十分に満たしていない。
【0007】また、火による黒豆の煮炊きは、美味しいものができるが、6〜8時間と大変長い時間が必要なうえに、火を使うため、その間、ずっと火を見ておらねばならない、という煩わしさがある。
【0008】すなわち、黒豆などの豆を煮る時、豆は、ガス(火炊き)で作っても、電子レンジで調理をしても、両者ともにかなり沸騰し、他の素材に比べて吹きこぼれが激しい。このため、一般に、落し蓋をして、豆が踊ったり 吹きこぼれが生じないようにしている。しかし、落し蓋では十分に吹きこぼれを防止できず 上述のように、従来では、電子レンジで黒豆を調理する場合、高温での沸騰を避けるため、電子レンジ弱機能を使い、レンジ強(500W〜600W)で10分加熱後、弱(約200W)にして1時間20分程度も加熱している。これでは、本来、電子レンジの調理は短時間で行い得るという利点がなくなる。因みに、これであれば、強で10分加熱後、魔法瓶にでも入れておく方が電気の節約となる。魔法瓶の容器の中の温度と電子レンジの弱加熱時の温度は殆んど変わらないからである。
【0009】因みに、圧力鍋で黒豆を煮炊きすると、皮がむけて白くなり、黒豆の体をなさなくなる。これは、ほぼ完全に蒸気の噴出を遮断し、圧力が高くなりすぎるためと考える。
【0010】この発明は、電子レンジにより、黒豆などの豆類を簡単かつ美味しく作り得るようにすることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため、この発明は、適度の圧力下では、調理が速くでき、かつ美味しくできることに着目し、落し蓋又は中蓋でもって、適宜に蒸気を逃がし適度な圧力を煮炊き容器内に与えることとしたのである。
【0012】つぎに、この発明は、豆類の煮炊きの場合、豆量に比べて水量を多く必要とし、その煮炊き中に水分が蒸発し、従来では、その水を足すことに着目し、蒸発した水分を受皿で受けるとともに、電子レンジで加熱することとしたのである。受皿で水分を受ければ、電子レンジ庫内の汚れが防止されるとともに、その受皿からの蒸気によって庫内の湿気が増し、その状態下で、煮炊きが行われ、この煮炊きは美味しい豆の煮ものを作る。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態としては、調理容器内に水とともに豆を入れ、電子レンジにより加熱して前記豆の調理を行うに際し 前記調理容器に中蓋を被せ、さらにその上に外蓋を被せて圧着した状態で、電子レンジにより加熱する構成を採用し得る。
【0014】その中蓋を有する調理具としては、例えば、実開平4−36921号公報、特開平6−141969号公報などに記載のものを採用する。これらの調理具は、中蓋で適度な加圧状態とし、調理具内の蒸気を逃がすとともに液分をその調理具内に戻す作用をする。すなわち、適宜に蒸気を逃がしつつ適度な圧力を与える。
【0015】また、他の実施形態としては、受皿に調理容器を載せ、その調理容器内に水とともに豆類を入れ、落し蓋をした後、電子レンジにより加熱し、前記調理容器から吹き出た水分を前記受皿で受けて、その受皿内の水分も加熱しつつ、前記豆調理を行う構成を採用し得る。
【0016】この構成の落し蓋では、十分な圧力を得られない場合、又は、より美味しくしたい場合には、上記調理容器に中蓋を被せ、さらにその上に外蓋を被せて圧着した状態で、上記電子レンジ加熱する構成とするとよい。その調理具としては、上記各公開公報に記載のものを採用し得る。このとき,落し蓋を併用できる。
【0017】
【実施例】この実施例の調理具は、特開平6−141969号公報に記載のものを採用し、この調理具は、図1に示すように、容器本体10と、その開口部に被せる中蓋20と、さらにその上に被せて容器本体10に圧着する外蓋30とから成る。その中蓋20は、その中央に立上り大穴21を形成するとともに周りに小孔22を形成し、中蓋20表面はその小孔22に向かって下向き傾斜面としており、さらに、その中蓋20表面に、大穴21及び小孔22を囲む全周囲に立壁24を設けられている。
【0018】この調理具は、米や豆などを入れて電子レンジにより加熱すると、容器本体10内の沸騰による水蒸気は、立上り大穴21を通って中蓋20と外蓋30の間に至り、やがて液化して中蓋20表面に溜まり、その液は、中蓋20表面を伝って小孔22から容器本体10内に落ちる。すなわち、容器本体10内へ水分が戻される。この戻ることは、容器本体10内の沸騰を和らげ、煮炊き初期にあっては、急激な沸騰を防止して、いわゆる「初めちょろちょろ」が行われるとともに、調理中において、吹きこぼれが抑えられ、水量の減少も極力抑えられて、適度な圧力下で煮炊きが行われる。
【0019】また、電子レンジ加熱は容器本体10底部周辺から中心に向かうほど加熱力が弱くなるため、沸騰はその周辺から生じ、その沸騰による水蒸気は、大穴21が中央にあるため、その中央の大穴21に向かうこととなる。水蒸気の中央への移行は熱の移動となり、これによって、前記電子レンジ加熱の欠点(中心部が加熱され難い)が解消され、容器本体10内全域が均等に沸騰して御飯などが均等に炊ける(煮える)。但し、豆の場合は、豆全体が高温になるため、周りの豆aも周囲の豆aも容器本体10内であばれて、容器本体10の内全体が沸騰する。図中、23は大穴21の筒部に回転自在に嵌った小孔22開閉度調整用調節つまみ、Tはターンテーブルである。詳細は公報参照。
【0020】この調理具でもって、以下のように、黒豆の煮炊きを行った。
〔材料〕
黒豆a :1カップ(100gから150g)
砂糖 :1 1/2カップ(150g)
重曹 :小さじ1弱水 :3カップ(540cc)
なお、黒豆は大きさによって1カップの重さが違い、例えば、目安として、丹波産の黒豆大粒のもの1カップ100g、北海道産の小粒のもの1カップ150gである。
〔作り方〕
■.黒豆aは水で洗い、浮いてくる豆やごみは取り除く。
■.3カップの水に黒豆aを半日浸しておく。
■.■に重曹を加え、容器本体10の蓋20、30をして、耐熱のボール40に載せて電子レンジEの強(500〜600W)で20分加熱をする。
■.この水は真っ黒になるので、全部捨てて新しいお湯を3カップ入れ、砂糖1カップを入れて蓋20、30を被せ、その容器本体10をボールからなる受皿40とともに電子レンジEの強で15分加熱をする。その後 残りの砂糖1/2カップを入れ、さらに電子レンジEの強で10分加熱してそのまま冷す。
■.■の黒豆aが完全に冷めたら、蓋付きの保存容器を入れて冷蔵庫で汁ごと保存する。
【0021】このとき、新物を使うと美味しく煮あがる。一方、古い豆は、煮あがりがなかなか柔らかくならない。また、重曹を入れて加熱をした湯は全部捨てて、新しい湯を入れる。さらに、急に冷水を入れると豆にしわが出るので注意をする。また、砂糖は2度に分けて入れ、徐々に甘味を豆aに染み込ませる。この分けて入れることで固くなったり、しわになったりするのを防げる。なお、砂糖は、甘めのが好きな方は、残りの砂糖を入れる時に適宜に加減する。但し、一度に入れないようにする。
【0022】このようにして作った煮炊き黒豆は、火炊きと同程度に美味しく、調理時間も約45分と火炊きの10分の1程度である。また、通常、火炊きのものは、冷蔵庫に入れて、汁の表面が白くなって味が変化しない期間(日持ち)は4〜5日であるが、この電子レンジ調理によるものは一週間以上も日持ちした。
【0023】すなわち、電子レンジEの強で豆を煮ると、10分後にかなりの沸騰が始まる。この沸騰が始まると、豆があばれ出して、吹きこぼれが始まる。これは、蓋付きの耐熱の容器でなくても同じことが言える。耐熱ガラスを使用してもこの吹きこぼれは解消しない。また、電子レンジの庫内の高さは、一般に、高くて30cmくらいと高さがあまりないため、市販の電子レンジ用容器にしても低いものが多い。しかし、この実施例の調理具は、蒸気を逃がすための穴21があいているため、ここから吹きこぼれても良いように周囲を耐熱ボール等の受皿40で受けて、電子レンジ強で調理を続けることで、短時間に黒豆を仕上げることが出来る。しかも、これまではガスなどの火炊き調理では、くぎを入れて黒豆aの黒い色を出してきたが、くぎを入れなくても真黒な豆に仕上げることが出来る。
【0024】上記以外の電子レンジでの調理法としては、豆Aを半日ではなく一晩水につけ、その後,水、重曹を加えて電子レンジの強で20分加熱し、この時の水分は全部捨て、新たに水を3カップ又は2カップとしても良く、2カップの時は砂糖を減らす。また、この時、上記実施例では、砂糖と新しい水又はぬるま湯を入れて強で15分加熱し、さらに、砂糖を加えて強で10分としたが、電子レンジの強で、20分加熱をし、その後、完全に冷めるまでの間、弱火で煮たのと同じ条件となるので、その加熱後に砂糖を入れて静置すれば、従来の最後の10分加熱は必要なくなり、調理時間が短縮される。さらに、砂糖を入れて、実施例と同様に強で15分加熱し、その後 砂糖を入れて静置すれば、同様に10分の調理時間を短縮できる。
【0025】黒豆aに加える調味料は、電子レンジもガスで煮るのと同様であり、好みで、しょうゆ、塩、黒砂糖を加えてもよい。この実施例では黒豆:100g〜150gに対して水3カップとしたが、これはあくまでも容器本体10の容量に対する分量である。また、黒豆は、しわになりやすい、と言われているが、電子レンジで作る方法では、しわの心配は少なく、それと殺菌効果があるといわれているうえに、火炊きで作るのに比べて倍以上の日持ちがする。
【0026】この実施例の調理法は、黒豆以外の豆、例えば 大豆などの各種の豆に採用し得ることは言うまでもない。また、ターンテーブルTで受皿40を代用し得る場合は、その受皿40を省略でき、代用できなくても電子レンジの庫E内の汚れを気にしない場合には、それなりに美味しい煮炊きをすることができる。さらに、受皿40を使用して落し蓋をした場合にもそれなりに美味しい煮炊きをし得る。中蓋20と落し蓋を併用することもできる。
【0027】なお、これからの高齢化に向けての煮豆作りには、この電子レンジによる方法は最適と思われる。例えば、老人の火災発生は、鍋が圧倒的に多く、その原因は、火を付けているのを忘れてしまったというものである。電子レンジなら忘れていても自動的に切れるので安心である。また、豆は健康によくガン予防も望める野菜である。電子レンジによれば、一人でも多くの者が簡単に煮豆を作ることができる。
【0028】
【発明の効果】この発明は、以上のようにしたので、簡単でかつスピーディに美味しい豆煮炊き物を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】591100758
【氏名又は名称】千葉真知子クッキングスタジオ有限会社
【住所又は居所】宮城県仙台市青葉区上杉5丁目8番17号
【出願日】 平成13年12月20日(2001.12.20)
【代理人】 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
【公開番号】 特開2003−180515(P2003−180515A)
【公開日】 平成15年7月2日(2003.7.2)
【出願番号】 特願2001−387070(P2001−387070)