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【発明の名称】 おかゆ炊飯容器
【発明者】 【氏名】伏見 康子
【住所又は居所】千葉県船橋市行田一丁目50番1号旭テクノグラス株式会社中山工場内

【氏名】石松 道子
【住所又は居所】千葉県船橋市行田一丁目50番1号旭テクノグラス株式会社中山工場内

【要約】 【課題】本発明は炊飯釜内におかゆ容器を入れご飯と同時におかゆを炊いたとしても、ご飯とおかゆの双方をふっくらと炊けるおかゆ炊飯容器を提供することを目的とする。

【解決手段】炊飯釜内に入れられ、炊飯と同時におかゆが炊けるおかゆ炊飯容器であって、耐熱性を有するガラスで形成されたものにおいて、底面と側壁とを結ぶ曲面のRが25〜45mmであることを特徴とするおかゆ炊飯容器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 炊飯器に用いられる炊飯釜内に入れられ、炊飯と同時におかゆが炊けるおかゆ炊飯容器であって、耐熱性を有するガラスで形成されたものにおいて、底面と側壁とを結ぶ曲面のRが25〜45mmであることを特徴とするおかゆ炊飯容器。
【請求項2】 前記底面から前記曲面の立ち上がり角度が30〜60°であることを特徴とする請求項1記載のおかゆ炊飯容器。
【請求項3】 炊飯器に用いられる炊飯釜内に入れられ、炊飯と同時におかゆが炊けるおかゆ炊飯容器であって、耐熱性を有するガラスで形成されたものにおいて、底面と側壁とを曲面で結合し、この曲面の前記底面からの立ち上がり角度を30〜60°としたことを特徴とするおかゆ炊飯容器。
【請求項4】 前記側壁の開口部近傍にRが10〜20mmの屈曲面を形成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載したおかゆ炊飯容器。
【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のおかゆ炊飯容器と、このおかゆ炊飯容器内に研いだ米を入れるスプーンとを具備し、このスプーンの背面が柄から先端にかけて滑らかな曲線状に形成されていることを特徴とするおかゆ炊飯具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炊飯器で使用するおかゆ炊飯容器に関し、ご飯とおかゆの双方を美味しく炊きあげることが可能な容器に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来から、炊飯器でご飯と同時におかゆを炊く容器の技術は様々なものが知られている。なかでも、登録実用新案第3032953号公報には、一定の固さで、かつ芯の残らないおかゆを容易に炊ける容器を提供することを課題とし、この課題を解決するために、耐熱性を有する合成樹脂で容器を形成し、この容器の外周面に固さの異なるおかゆに対応した複数の目盛り部を設けたものが開示されている。通常、合成樹脂製容器の前記目盛り部は炊飯中の溶出を防ぐために、印刷よりも外周面に凹凸を設ける方法が用いられている。
【0003】また、合成樹脂製の容器では繰り返しの使用によって容器に傷が付き易い。したがって、合成樹脂製容器では前記目盛り部と上記傷に汚れや雑菌等が浸入する虞があり、清潔を保つためには使用するたびに、漂白等の付け置き洗いが必要となり使用者にとっては煩わしいものとなっていた。
【0004】そこで、図7のような、耐熱ガラス製のおかゆ炊飯容器の表面にステーニングにより目盛り部を形成したものが、商品として開発された。このステーニングは、ガラス表面に着色剤を塗布した後、加熱処理することにより、着色剤の成分がガラス中に染み込み着色剤を塗布したところのみが着色されるものである。したがって、ガラス表面に凹凸を形成することなく目盛り線を入れることができる。
【0005】しかし、図7のように、縦長のおかゆ炊飯容器(高さ:98mm、開口径:75mm、底面径:53mm、曲面のR:4mm、屈曲面のR:15mm)を使用する場合、家庭用炊飯器では、炊飯釜内の米の中におかゆ炊飯容器を埋め込んで設置しなければ、炊飯釜内に収まらなかった。また、炊飯器の種類によっては炊飯釜の底部中央に炊飯中の米の対流を促すために、隆起部が形成されているものがあるが、このような炊飯器では、おかゆ炊飯容器の外底面と炊飯釜の底面(隆起部)との間隔がさらにに狭くなる状態となっていた。
【0006】さらに、本発明者等の調査によると、炊飯釜の米上におかゆ炊飯容器を載置できる場合でも、おかゆ炊飯容器のほとんど部分が炊飯釜内の水面上に存在してしまうため、使用者は「炊飯中の安定性が悪い」という意識が働き、少しでも安定性を得るためにおかゆ炊飯容器を米中に埋め込んで使用していた。なお、上記した「米上」とは、使用者が故意に炊飯釜内の米中へおかゆ炊飯容器を押し込むことをせず、炊飯釜内にほぼ水平に収容された米粒の上に静かに置いた状態を表し、おかゆ炊飯容器等の自重で埋まることは含むものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図7に示したおかゆ炊飯容器を炊飯釜中の米内に埋め込んでご飯とおかゆを炊飯した場合、おかゆ炊飯容器の底部のご飯がおかゆ炊飯容器の周りのご飯と比較して固く炊き上がる問題が生じていた。また、おかゆ炊飯容器と炊飯釜との間に位置した米は、炊飯が進むにつれて、米は水を吸収して膨張し、次第に流動しなくなり、炊き上がりの状態ではおかゆ炊飯容器の外底面に圧着され、へばりついた状態となる。このため、おかゆ炊飯容器を洗うときには、容器を水中にある程度の時間付けておき、へばりついたものをふやかした状態として洗わなければきれいに落ち難く大変手間がかかっていた。
【0008】このように、おかゆ炊飯容器の外底面に炊きあがったご飯がへばりつく状態は、おかゆ炊飯容器の外底面と炊飯釜の底面との間隔が狭くなるほどひどくなっていた。
【0009】そこで、本発明者らはおかゆ炊飯容器の高さを低くし横幅を広くした形状に変更し、炊飯釜内の米の中に埋め込む量を少なくても安定するようにし、再度、炊飯試験をしたところ、図7に示したものを使用したときよりも良好にご飯は炊けていたが、まだ固く炊き上がってしまうものが存在した。おかゆ炊飯容器を米上に載置するようにセットし、炊飯しても容器と炊飯釜との間に位置していたご飯にも固いものが、埋め込まないものと同様に存在した。また、おかゆ炊飯容器底部への炊き上がったものの付着は、米上に載置したものほど低減したが、無くなることはなかった。
【0010】そこで、本発明は炊飯釜内におかゆ容器を入れご飯と同時におかゆを炊いても、ご飯とおかゆの双方をふっくらと炊けるおかゆ炊飯容器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、さらに本発明者らはご飯が固く炊けることについて検討した結果、炊飯中の米は炊飯釜内で全ての米に熱が均等に伝わるように、炊飯釜内で対流し炊飯していることに気づき、炊飯釜内にその対流を邪魔するもの(おかゆ炊飯容器)が入ったことにより、その対流が変化し、固いご飯ができたものと推測した。
【0012】そこで、炊飯釜内の米の対流を促すおかゆ炊飯容器の形状を検討したところ、底面と側壁とを底面から側壁に向かうに従い拡開する曲面で結合する形状とした。この形状のおかゆ炊飯容器を炊飯釜内の米上に載置した場合でも、米中に埋め込んだ場合でも、おかゆ炊飯容器と炊飯釜との間に位置していた米も美味しく炊けることを見出した。
【0013】本発明のおかゆ炊飯容器は、家庭用炊飯器の炊飯釜に入れて使用するものであるので、一般的な3〜5.5合炊きの炊飯釜(直径が150〜190mmで、深さが110mm)に入る大きさとした。
【0014】実際には、側壁の最大直径で65〜90mm、高さ65〜90mm、底面径38〜55mmの条件を有したもので、200mlのおかゆが炊けるものを基本としている。
【0015】ここで、最大直径が65mm未満とした場合は、200mlのおかゆを炊こうとする場合に、その高さを高くしなければならず、図7に示したような形状となるので、上記した問題点が生じる。一方で、最大直径が90mmを超えると、おかゆ炊飯容器の強度が低下し、落下させた場合等に破損しやすくなる。
【0016】高さを65mm未満とした場合は、200mlのおかゆを炊くためには最大直径を大きくしなければならず、強度が低下し落下させた場合等に破損しやすくなってしまう。一方、高さが90mmを超えると、従来のものと同様な問題点が生じる。
【0017】底面径を38mm未満とした場合は、おかゆ炊飯容器を食器棚や電子レンジの棚板等の平面に置いたときの安定性が悪くなる。一方、底面径が55mmを超えると、米を押さえつける面積が広くなるため、炊飯中の米の対流を妨げやすくなる。
【0018】そして、本発明は上記課題を解決するために、請求項1に対応する発明は、おかゆ炊飯容器において、炊飯釜内に入れられ、炊飯と同時におかゆが炊けるおかゆ炊飯容器であって、耐熱性を有するガラスで形成されたものにおいて、底面と側壁とを結ぶ曲面のRを25〜45mmとした。
【0019】このように、曲面のRを限定することにより、炊飯釜内の対流だけでなくおかゆ炊飯容器内の対流も良好となり、ご飯だけでなくおかゆも美味しく炊けあがるようになり、しかも一食分の離乳食あるいは介護食として十分な量(200ml)のおかゆを炊くことができる。
【0020】しかし、曲面のRが25mm未満であると、おかゆ炊飯容器下部に位置する米が十分に対流せず、炊きあがったご飯に芯が残ってしまう。一方、曲面のRが45mmを超えると、おかゆ炊飯容器の容積が減り、一度の炊飯で十分な量のおかゆを炊くことができないので好ましくない。また、おかゆ炊飯容器の側壁部分(断面直線部)も少なくなるので、ステーニング時の着色剤塗布を自動化しにくい。好ましくは、25〜35mmである。
【0021】請求項2に対応する発明は、請求項1に対応する発明のおかゆ炊飯容器において、前記底面から前記曲面の立ち上がり角度を30〜60°としたものである。
【0022】請求項3に対応する発明は、炊飯釜内に入れられ、炊飯と同時におかゆが炊けるおかゆ炊飯容器であって、耐熱性を有するガラスで形成されたものにおいて、底面と側壁とを曲面で結合し、この曲面の前記底面からの立ち上がり角度を30〜60°としたものである。
【0023】この立ち上がり角度は、上記したRによっても変化するが、ここでは側壁水平断面径と底面径の比を変化させたときに生じる角度の説明である。
【0024】上記した立ち上がり角度を図2の断面図を用いて説明すると、曲面を表している曲線の中点と底面端部とを結ぶ線と底面(載置面)とのなす角である。そして、この立ち上がり角度を限定することにより、おかゆ炊飯容器内のおかゆだけでなく、炊飯釜のご飯も美味しく炊けあがるようになり、しかも十分な量のおかゆを炊くことができる。
【0025】しかし、立ち上がり角度が30°未満であると、底面径を側壁水平断面径に対して、十分な長さをとれなくなるため、テーブルや電子レンジの棚板等の平面に置いたときの安定性が損なわれる。また、おかゆ炊飯容器の側壁部分(断面直線部)も少なくなるので、ステーニング時の着色剤塗布の自動化が困難となる。一方、立ち上がり角度が60°を超えると、底面径が側壁水平断面径の長さとあまり変わらなくなり、底面積が広くなるので、炊飯釜の対流を乱しご飯を美味しく炊きあげることが難しくなる。好ましくは、35〜55°である。
【0026】請求項4に対応する発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のおかゆ炊飯容器において、前記側壁の開口部近傍にRが10〜20mmの屈曲面を形成したものである。このような屈曲面を形成したことにより、おかゆ炊飯容器の強度を上げることができる。
【0027】しかし、屈曲面のRが10mm未満であると、製品形状にRがはっきりと表れず、所望とする強度が得られない。一方、Rが20mmを超えると、Rを長くする毎に向上していた強度が低下し、所望とする強度を得ることができなくなる。好ましくは12〜18mmである。所望とする強度は後述する衝撃試験において1.8kg・cm以上であるものとする。
【0028】請求項5に対応する発明は、おかゆ炊飯具において、請求項1ないし4のいずれかに記載のおかゆ炊飯容器と、このおかゆ炊飯容器内に研いだ米を入れるスプーンとを具備し、このスプーンの背面を柄から先端にかけて滑らかな曲線状に形成したものである。
【0029】このようにスプーンを形成したことにより、研いだ米を計量できるだけではなく、炊きあがったおかゆの攪拌をすることができる。さらに、おかゆ炊飯容器の内面の曲面や側壁でおかゆを磨り潰すこともできる。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図1ないし図4を参照して説明する。図1は本発明のおかゆ炊飯容器の正面図であり、図2は図1の断面図であり、図3は本発明のおかゆ炊飯容器を炊飯釜9へセットしたときの概念断面図であり、図4、5は本発明に係るおかゆ炊飯容器の曲面の説明図であり、図6は本発明のおかゆ炊飯容器に使用するスプーンの説明図である。
【0031】本発明のおかゆ炊飯容器1は、耐熱性を有するホウケイ酸ガラスで形成され、底面2の外表面には凹部3が形成され、底面端部4から側壁6を結ぶ曲面のRを25〜45mmとし、側壁6の開口部8近傍には、側壁6の水平断面径よりも水平断面径が大きくなるように、屈曲面7を設けたものである。前記曲面5の曲面は、おかゆ炊飯容器の外面にのみ形成したものでなく、内面にも形成されている。また、前記屈曲面7のRは10〜20mmで形成している。
【0032】このように、曲面5のRを25〜45mmとし、その形状を内外両面に形成したことにより、炊飯釜9内の米の対流11を促したり、おかゆ炊飯容器内の米に奇麗な対流12を生じさせることができる。また、内面の曲面5部分では炊飯されたおかゆをスプーンで容易に磨り潰すことができる。
【0033】開口部8の近傍に屈曲面7を設けたことにより、おかゆ炊飯容器1の開口部8の強度を向上させることができ、かつこの屈曲面7が炊飯釜9からおかゆ炊飯容器1を取り出す際の手がかり部となるので、使用者が扱いやすいものとなっている。また、底面2の外表面に凹部3を形成したことにより、おかゆ炊飯容器1をテーブル等に置いたときに、回転したりがたついたりすることなく安定させることができる。
【0034】上記したように、本発明のおかゆ炊飯容器は、側壁と底面とをR25〜40mmの曲面で結合したことにより、図7に示した従来のおかゆ炊飯容器では表示できた米の分量線が曲面にあたってしまい、自動的に印刷することが難しいので、本発明の容器では、図6に示すスプーンですくった米の量に対する水量線のみを印刷している。
【0035】図6に示すスプーンは本発明のおかゆ炊飯容器用のスプーンであるが、おかゆ炊飯容器を使用していないときには、おかゆ炊飯容器1とそのキャップ(図示せず)との空間に収まるようにすれば、紛失する心配がない。
【0036】本発明のおかゆ炊飯容器1は、溶融ガラスからパリソンを形成した後、パリソンを成型金型で包み、パリソン上部からエアーを吹き込み成形するブロー成形方法や、溶融ガラス塊から開口部8近傍の屈曲面7を形成していない容器をプレス成型し、その容器の開口部8近傍に屈曲面8を形成するプレス成型方法で製造される。
【0037】なお、ブロー成形方法で成形したものは、肉厚の薄いものを形成しやすく、おかゆ炊飯容器1を軽くすることができるので、米10上に乗せても米10の対流11への影響を低減させることができる。
【0038】ここで、本発明のおかゆ炊飯容器1を使用しておかゆとご飯を炊く手順を説明する。まず、ボール等を用いて炊飯する所定量の米10を研ぎ、その研いだ米10から図6に示す本発明のおかゆ炊飯容器1専用のスプーンでおかゆ用の米10を計りとる。
【0039】このときのスプーンでの計量は、山盛りで計量するようにしている。研いだ米は濡れているので凹部が浅型のスプーンでも容易に山盛り計量でき、米粒がスプーンに付着したとしても振り払いやすい。また、このスプーンは研いだ米10を計量するだけのものではなく、炊き上がったおかゆを攪拌したり、おかゆ炊飯容器1内面の曲面5や側壁6等でおかゆを磨り潰したりすることにも使用するため、図6に示すような深みの浅い凹部で滑らかな流線形を有する形状としている。
【0040】また、図1に示すように、本発明のおかゆ炊飯容器1の側壁6外表面には全粥用の水量目盛りが形成されており、米の量に応じて所用量の水を水量目盛に合わせて注入する。なお、スプーンでの計量は、スプーン1杯で100ml、スプーン2杯で200mlの全粥に必要な米量に対応している。
【0041】一方、研いだ米の残りは、通常通り炊飯釜9に入れ所用量の水を注入して炊飯準備を整える。
【0042】そして、図3に示すように、おかゆ炊飯容器1を炊飯釜9に設置し、炊飯する。炊飯中、炊飯釜9内の米10は矢印11のように対流し、おかゆ炊飯容器1内の米10も矢印12のように対流して、炊飯釜9内の米10もおかゆ炊飯容器1内の米10も良好に炊けるようになる。
【0043】この実施の形態では、図2に示したように側壁6を鉛直方向に延びるものとしたが、開口部8に向かうにしたがって、側壁6の水平断面径が長くなるように直線状に延びているものであってもよい。しかし、以下の実施例2に示すように、開口部8の径が広がりすぎると、屈曲面7を形成していても、おかゆ炊飯容器1の強度が低下するので好ましくない。また、開口部8に向かうにしたがって、側壁6の水平断面径が短くなるように側壁を形成するとおかゆの取り出しおよび磨り潰しに不便であるので好ましくない。
【0044】
【実施例】以下の実施例に用いるおかゆ炊飯容器1は、ホウケイ酸ガラスをブロー成形で作成したものであり、その肉厚が1.2mmのものである。また、作成されたおかゆ炊飯容器の外側面には従来のものと同様にステーニングにより、全粥用の目盛り線が形成されている。
【0045】以下の実施例で炊飯されたご飯の評価は、10名に炊き上がった直後のおかゆ炊飯容器1と炊飯釜9との間にあったご飯と、おかゆ炊飯容器1の周りにあったご飯を試食する方法で行ない、おかゆの評価は同じ10名に炊き上がった直後のおかゆと、おかゆ炊飯容器1内でおかゆをかき混ぜ、炊飯器に蓋をし10分間蒸らしたおかゆとを試食する方法で行なった。
【0046】(実施例1)この実施例では、側壁6の水平断面径および底面2の径を一定に保ち、かつ側壁6から底面2に向かうにしたがって縮径するように曲面5のRを表1のように設定した。この概念を図4に示す。そして、表1の形状のおかゆ炊飯容器を炊飯釜9内の米上に載置して炊飯したものを評価した。
【0047】
【表1】

【0048】表1の実施例1−1ないし実施例1−3に示したように、曲面5のRを25〜45mmとしたものでは、炊飯後、炊飯釜9の上記2箇所のご飯を食べ比べても、10名全員が差上記はないとの評価を下し、おかゆについても上記2種類のおかゆを食べても美味しく炊き上がっているという評価であった。
【0049】一方比較例1で示したように、曲面5のRを15mmの場合では、おかゆに関しては全員満足するものであったが、ご飯に関しては10名のうち4名が、おかゆ炊飯容器1下部に位置していたご飯に芯があるとの評価をした。これは、おかゆ炊飯容器1下部に位置していた米10が十分に対流11できず、米10に均等に熱が加わらなかったことが原因であると推測した。
【0050】また、比較例2はご飯もおかゆも芯がなくうまく炊きあがるのであるが、図4を見ても分かるように、曲面5と側壁6との結合箇所が開口部8側に移動するため、おかゆ炊飯容器1の容積が減り、200mlのおかゆを炊けないので比較例とした。比較例2の容積を調べてみたところ、200mlのおかゆを炊くためには60ml程度容積が不足していた。
【0051】さらに、表1には記載しなかったが、曲面5の立ち上がり角度を測定したところ、R15〜R55mmとRが長くなるにしたがって、立ち上がり角度も30°、45°、53°、57°、60°と大きくなっていた。
【0052】比較例2のように容積が減った場合には、おかゆ炊飯容器の形状を縦方向か横方向に伸ばせば容積を増やすことができるが、縦方向に伸ばすことは、従来と同様な欠点を生じるので、形状を変更するならば横方向に伸ばす方が良い。
【0053】(実施例2)この実施例はおかゆ炊飯容器1の側壁径(横方向)の長さを変化させたものの例である。この実施例で使用したおかゆ炊飯容器1の形状を表2に示す。上記実施例1と同様に、おかゆ炊飯容器1を米10上に載置して炊飯したものを評価した。
【0054】また、これら7種類のおかゆ炊飯容器1の衝撃試験を行なった結果も示す。この試験は、鋼製の金属ハンマー(175g)を600mmの鉄棒に結合し、鉄棒の他端は支柱に結合し、金属ハンマーを支柱と鉄棒とのなす角を所定角度となるような高さに位置させ、その位置から振り子のように自由落下させ金属ハンマーが最下部にきたときに、サンプルに衝突させ破損したときの角度からその破壊強度を求めたものである。また、測定は0.3kg・cmから0.3kg・cm刻みとなるように支柱と鉄棒のなす角を設定し行なった。初期値の0.3kg・cmとなる角度は約15°である。なお、金属ハンマーを衝突させるのは屈曲面7とし、サンプルは各10個で、表中に記載した値はその平均値である。
【0055】
【表2】

【0056】表2の実施例2−1ないし実施例2−5および比較例3、4に示したように、側壁6径を63〜93mmとしたものは、炊飯後の炊飯釜9の2箇所のご飯を食べ比べても、10名全員が差がないとの評価を下し、おかゆについても2種類のおかゆを食べても美味しく炊き上がっているという評価であった。また、衝撃試験の結果では、側壁6径が長くなるにしたがって、おかゆ炊飯容器1の強度が低下してした。
【0057】比較例3は衝撃試験の結果も一番優秀であったが、おかゆ炊飯容器1の容積が少なくなり、200mlのおかゆを炊けないので比較例とした。また、比較例4は上述した設計強度1.8kg・cm以上を満たしていなかったので比較例とした。
【0058】(実施例3)この実施例はおかゆ炊飯容器1の高さを変化させたものの例である。この実施例で使用したおかゆ炊飯容器1の形状を表3に示す。上記実施例1と同様に、おかゆ炊飯容器1を米10上に載置して炊飯したものを評価した。
【0059】
【表3】

【0060】表3の実施例3−1ないし実施例3−5および比較例5に示したように、おかゆ炊飯容器1の高さを63〜88mmとしたものは、炊飯後、炊飯釜9の上記2箇所のご飯を食べ比べても、10名全員が差はないとの評価を下し、おかゆについても2種類のおかゆを食べても美味しく炊き上がっているという評価であった。
【0061】しかし、比較例5はおかゆ炊飯容器の容積が少なくなり、200mlのおかゆを炊けないので比較例とした。比較例6は従来技術で述べたものと同様に、おかゆ炊飯容器1が高くなるために、炊飯釜9にセットするときに米10内に埋め込まなければならなかったため、10名の試食の評価で5名がおかゆ炊飯容器1下部に位置していたご飯に芯があるとの評価をした。
【0062】(実施例4)この実施例はおかゆ炊飯容器1の底面2の径を変化させたものの例である。この概念を図5に示す。この実施例に使用したおかゆ炊飯容器1の形状を表4に示す。上記実施例1と同様に、おかゆ炊飯容器1を米10上に載置して炊飯したものを評価した。
【0063】
【表4】

【0064】表4の実施例4−1ないし実施例4−3および比較例7に示したように、おかゆ炊飯容器1の底面2の径を34〜52mmとしたものは、炊飯後、炊飯釜9の上記2箇所のご飯を食べ比べても、10名全員が差はないとの評価を下し、おかゆについても2種類のおかゆを食べても美味しく炊き上がっているという評価であった。
【0065】しかし、比較例7は側壁水平断面径に対して底面径の長さが短くなり、おかゆ炊飯容器1をテーブルや電子レンジの棚板等の平面に置くときの安定性が悪くなる。また、曲面5と側壁6との結合箇所が開口部側に移動し、おかゆ炊飯容器の容積が少なくなり、200mlのおかゆを炊けないので比較例とした。
【0066】一方、比較例8で示したように、底面2の径を58mmとした場合には、ご飯に関して10名のうち3名がおかゆ炊飯容器1下部に位置していたご飯に芯があるとの評価をした。これは、炊飯釜の内径に対しておかゆ炊飯容器1の底面径が相対的に大きくなったため、おかゆ炊飯容器1の底面と炊飯釜との間に挟まれた米の対流が妨げられたことが原因と考えられる。
【0067】表4には記載しなかったが、曲面5の立ち上がり角度を測定したところ、底面2の径が長くなるほど、立ち上がり角度も33°、37°、42°、48°、53°と大きくなっていた。
【0068】そして、この実施例4と上記実施例1との関係から、底面端部4からの曲面5の同一のRでも底面2の径が異なればその立ち上がり角度が異なり、ご飯の炊け具合が変化していた。すなわち、曲面5のRのみを満足するだけでなく、立ち上がり角度を満足するもの方がよりご飯とおかゆを美味しく炊くことができる。
【0069】上記実施例では、ホウケイ酸ガラス製のおかゆ炊飯容器1の説明であったが、これに限定されることなく、側壁外面からおかゆ炊飯容器1内部に入れる水の位置を確認できる程度の透明度を有し、かつ耐熱性に優れる結晶化ガラスを使用しても良い。
【0070】全ての実施例において、屈曲面のRを15mmとしていたが、実施例2と同様な衝撃試験により、Rによる強度向上効果を評価したところ、R10mm未満であると、所望とする強度が得られず、R20mmを超えるとRを長くする毎に向上していた強度が低下し、1.8kg・cmの強度を得ることができなくなる。
【0071】なお、本発明のおかゆ炊飯容器は耐熱性を有するガラスで形成されているので、電子レンジでも使用することができる。したがって、パン粥、かぼちゃ粥、芋粥オートミール等も作ることができる。
【0072】
【発明の効果】おかゆ炊飯容器の底部から側壁への立ち上がり部の曲面のRを25〜45mmとしたことにより、炊飯釜9内の米上におかゆ炊飯容器を載置した場合でも、炊飯釜9内の米の対流が良好に行われ、ご飯に芯のないものを炊き上げることができ、また、同時に炊飯されるおかゆ炊飯容器内の米にも良好な対流が起きるので、おかゆも芯のないものを炊きあげることができる。
【0073】また、底面から曲面の立ち上がり角度を30〜60°としたことにより、炊飯釜9内の米やおかゆ炊飯容器内の米の対流が良好に行われ、ご飯およびおかゆを美味しく炊きあげることができる。
【出願人】 【識別番号】000158208
【氏名又は名称】旭テクノグラス株式会社
【住所又は居所】千葉県船橋市行田一丁目50番1号
【出願日】 平成13年12月18日(2001.12.18)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−180511(P2003−180511A)
【公開日】 平成15年7月2日(2003.7.2)
【出願番号】 特願2001−385250(P2001−385250)