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【発明の名称】 電動調理器
【発明者】 【氏名】垣本 泰洋
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】本発明は、容器内にて回転羽根を用いてパンやピザ等の生地を混練する電動調理器において主に小麦粉と水を素早く生地にし、かつ振動を抑制することに関するものである。

【解決手段】混練羽根8は略円筒形の軸部10と、軸部10の異なる高さに設けられ略径方向に伸設した複数の羽根部により構成され、前記羽根部において最下段の羽根部の厚みを部分的に他より厚くした構成とすることにより、運転初期の小麦粉と水の混ざりあわせを確実におこなうことができ素早く生地にすることができるとともに、生地状態時のパン生地負荷を抑制し運転中の機器の振動・騒音を減じることができる電動調理器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電動機を内蔵した本体と、食材を収容する容器と、前記容器の上方を覆う蓋と、前記電動機により回転駆動される食材を混練する混練羽根とを備え、前記混練羽根は略円筒形の軸部と、この軸部の異なる高さに設けられ略径方向に伸設した複数の羽根部により構成され、前記羽根部において最下段の羽根部の厚みを部分的に他より厚くした電動調理器。
【請求項2】 最下段羽根部の外端部近傍の厚みを部分的に他より厚くした請求項1に記載の電動調理器。
【請求項3】 最下段羽根部の厚みを径方向外側にいくほど厚くした請求項1または請求項2に記載の電動調理器。
【請求項4】 電動機を内蔵した本体と、食材を収容する容器と、前記容器の上方を覆う蓋と、前記電動機により回転駆動される食材を混練する混練羽根とを備え、前記混練羽根は略円筒形の軸部と、この軸部の異なる高さに設けられ略径方向に伸設した複数の羽根部により構成され、前記羽根部において最下段の羽根部に凸部を設けた電動調理器。
【請求項5】 最下段羽根部の外端部近傍に凸部を設けた請求項4に記載の電動調理器。
【請求項6】 最下段羽根部の凸高さを径方向外側にいくほど高くした請求項4または請求項5に記載の電動調理器。
【請求項7】 電動機を内蔵した本体と、食材を収容する容器と、前記容器の上方を覆う蓋と、前記電動機により回転駆動される食材を混練する混練羽根とを備え、前記混練羽根は略円筒形の軸部と、この軸部の異なる高さに設けられ略径方向に伸設した複数の羽根部により構成され、前記軸部の軸断面を長円または楕円形状とした電動調理器。
【請求項8】 電動機を内蔵した本体と、食材を収容する容器と、前記容器の上方を覆う蓋と、前記電動機により回転駆動される食材を混練する混練羽根とを備え、前記混練羽根は略円筒形の軸部と、この軸部の異なる高さに設けられ略径方向に伸設した複数の羽根部により構成され、前記羽根部の外端を略円形状とし前記軸部と略接線で結ぶ羽根形状とした電動調理器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてパンやピザのように小麦粉、水などを主とする食品の材料を攪拌、混練し生地を製造する電動調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の電動調理器は図11に示すように本体101に内蔵した電動機102の回転出力を小プーリー103、ベルト104、大プーリー105を介し軸受け106に軸支された主軸107に減速して動力伝達をおこない、主軸107に軸支された混練羽根108回転させ容器109内の小麦粉・水・バター・塩等からなるパン・ピザ等の食材の原材料を攪拌・混練し生地にする。混練羽根108は略円筒形の軸部110と、この軸部110の異なる高さに設けられ略径方向に伸設した2ヶ所の上羽根111と下羽根112により構成されている。パン・ピザ等の食材の原材料はこの上羽根111と下羽根112の回転運動により固形分と水分がまぜ合わされる粉合わせと、粉合わせにより一体となった原材料に練り動作を受け生地中にグルテンが生成されてパン生地・ピザ生地113が完成する。114は容器109を上方から覆う蓋である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来の構成では、生地による負荷力が大きいため、運転中の機器の振動・騒音が激しく使用者に不快感を与えるとともに、機器が設置面上を激しく動き回り、例えば、テーブル上に置いた場合において機器がテーブルから落下し破損するという課題があった。また、生地による負荷力が大きいため電動機、小プーリー、ベルト、大プーリーへの機械的ストレスが大きく機器の寿命を短くするという課題があった。
【0004】また、上記課題を解決するため混練羽根の羽根の長さを短くしたり、羽根の厚みを薄くしたりして生地による負荷抵抗を小さくすれば羽根の空転が多くなり小麦粉と水の混ざりあわせが悪く生地にならない、または、生地になるまでの時間が長くかかるという課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は、混練羽根は略円筒形の軸部と、この軸部の異なる高さに設けられ略径方向に伸設した複数の羽根部により構成され、前記羽根部において最下段の羽根部の厚みを部分的に他より厚くした構成としたものである。
【0006】上記構成により、運転初期の小麦粉と水の混ざりあわせを確実におこなうことができ素早く生地にすることができるとともに、生地状態時のパン生地負荷を抑制し運転中の機器の振動・騒音を減じることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、電動機を内蔵した本体と、食材を収容する容器と、前記容器の上方を覆う蓋と、前記電動機により回転駆動される食材を混練する混練羽根とを備え、前記混練羽根は略円筒形の軸部と、この軸部の異なる高さに設けられ略径方向に伸設した複数の羽根部により構成され、前記羽根部において最下段の羽根部の厚みを部分的に他より厚くした構成としたものである。このことにより、運転初期の小麦粉と水の混ざりあわせ時に、厚肉部の回転運動で食材におおきな攪拌運動を与えることができる。また、運転初期の小麦粉と水の混ざりあわせを確実におこなうことができ、素早く生地にすることができる。また、圧肉部は部分的に設けられているため、生地状態時の羽根が受けるパン生地負荷を抑制し運転中の機器の振動・騒音を抑制することができる。
【0008】また、本発明の請求項2に記載の発明は、特に、最下段羽根部の外端部近傍の厚みを部分的に他より厚くしたものである。これにより、運転初期の小麦粉と水の混ざりあわせ時に粉が残りやすい容器底部また容器底部の角に効果的に攪拌運動を起こすことができる。したがって、容器底部また容器底部の角に滞留、付着する粉を効果的に拾い素早くひろうことができ容器内の粉残り防ぎより素早く生地にすることができる。また、厚肉部は運転初期の粉合わせ時には負荷抵抗を受けるが、生地状態では負荷抵抗を受けることがない。したがって、運転中の機器の振動・騒音を著しく抑制することができ、機器が設置面上を激しく動き回り、例えば、テーブル上に置いた場合において機器がテーブルから落下し破損するというようなことを防ぐことができる。また、生地による負荷力が小さいため電動機、小プーリー、ベルト、大プーリーへの機械的ストレスが小さく機器の寿命を長くすることが可能となる。
【0009】また、本発明の請求項3に記載の発明は、特に、最下段羽根部の厚みを径方向外側にいくほど厚くしたものである。これにより、運転初期の小麦粉と水の混ざりあわせ時に粉が残りやすい容器底部また容器底部の角に効果的に攪拌運動を起こすことができる。したがって、容器底部また容器底部の角に滞留、付着する粉を効果的に拾い素早くひろうことができ容器内の粉残り防ぎ素早く生地にすることができる。また、厚肉部は運転初期の粉合わせ時には負荷抵抗を受けるが、生地状態では負荷抵抗を受けることがない。したがって、運転中の機器の振動・騒音を抑制することができ、機器が設置面上を激しく動き回り、例えば、テーブル上に置いた場合において機器がテーブルから落下し破損するというようなことを防ぐことができる。また、生地による負荷力が小さいため電動機、小プーリー、ベルト、大プーリーへの機械的ストレスが小さく機器の寿命を長くすることが可能となる。
【0010】また、本発明の請求項4に電動機を内蔵した本体と、食材を収容する容器と、前記容器の上方を覆う蓋と、前記電動機により回転駆動される食材を混練する混練羽根とを備え、前記混練羽根は略円筒形の軸部と、この軸部の異なる高さに設けられ略径方向に伸設した複数の羽根部により構成され、前記羽根部において最下段の羽根部に凸部を設けた構成としたものである。このことにより、運転初期の小麦粉と水の混ざりあわせを確実におこなうことができ、素早く生地にすることができる。また、生地状態時のパン生地負荷を抑制し運転中の機器の振動・騒音を減じることができる。
【0011】また、本発明の請求項5に記載の発明は、特に、最下段羽根部の外端部近傍に凸部を設けた構成としたものである。このことにより、容器底部に滞留、付着する粉を効果的に拾い素早くひろうことができ運転初期の小麦粉と水の混ざりあわせをより確実におこなうことができ、より素早く生地にすることができる。
【0012】また、本発明の請求項6に記載の発明は、特に、最下段羽根部の凸高さを径方向外側にいくほど高くした構成としたものである。このことにより、容器底部に滞留、付着する粉を効果的に拾い素早くひろうことができ運転初期の小麦粉と水の混ざりあわせをより確実におこなうことができ、より素早く生地にすることができる。また、生地状態時のパン生地負荷をより抑制し運転中の機器の振動・騒音を著しく減じることができる。
【0013】また、本発明の請求項7に記載の発明は、電動機を内蔵した本体と、食材を収容する容器と、前記容器の上方を覆う蓋と、前記電動機により回転駆動される食材を混練する混練羽根とを備え、前記混練羽根は略円筒形の軸部と、この軸部の異なる高さに設けられ略径方向に伸設した複数の羽根部により構成され、前記軸部の軸断面を長円または楕円形状とした構成としたものである。これによりパン生地・ピザ生地は羽根の回転周期に同期した運動を与えられ、容器の内側面に圧接される。これにより、生地は練り効果を受け、小麦粉グルテンが効果的に生成することができる。また、圧接運動であるのでせっかくできたグルテンがちぎれることもなく良好な生地を得ることができる。
【0014】また、本発明の請求項8に記載の発明は、電動機を内蔵した本体と、食材を収容する容器と、前記容器の上方を覆う蓋と、前記電動機により回転駆動される食材を混練する混練羽根とを備え、前記混練羽根は略円筒形の軸部と、この軸部の異なる高さに設けられ略径方向に伸設した複数の羽根部により構成され、前記羽根部の外端を略円形状とし前記軸部と略接線で結ぶ羽根形状としたものである。これにより、生地混練時に羽根は生地になめらかに当たり、生地のちぎれを抑制することができる。したがって、パン生地のグルテン破壊を防ぎ、後のイースト発酵時に発酵ガスを充分包容し膨らみの良い良質のパンをつくることができる。
【0015】
【実施例】(実施例1)以下、本発明の実施例1について図面を用いて説明する。図1〜図10において本体1に内蔵した電動機2の回転出力を小プーリー3、ベルト4、大プーリー5を介し軸受け6に軸支された主軸7に減速して動力伝達をおこない、主軸7に軸支された混練羽根8を回転させ容器9内の小麦粉・水・バター・塩等からなるパン・ピザ等の食材の原材料を攪拌・混練をおこない生地にする。混練羽根8は容器の内底部に設けられており、略円筒形の軸部10には、異なる高さに設けられ略径方向に伸設した複数の羽根部の一実施例として、2ヶ所の上羽根11、下羽根12が構成されている。パン・ピザ等の食材の原材料はこの上羽根11、下羽根12の回転運動により固形分と水分がまぜ合わされる粉合わせと、粉合わせにより一体となった原材料に練り動作を受け生地中にグルテンが生成されてパン生地・ピザ生地13が完成する。上羽根11に対して下羽根12は軸部10に180度反対側に設けられている。14は容器9を上方から覆う蓋である。
【0016】下羽根12には厚みを部分的に他より厚くしている厚肉部15を設けている。これにより、運転初期の小麦粉と水の混ざりあわせ時に、厚肉部15の回転運動で食材におおきな攪拌運動を与えることができる。したがって、粉と水を混ぜ合わせ素早くあわせ生地にすることができる。また、圧肉部は部分的に設けられているため、生地状態時の羽根が受けるパン生地負荷を抑制し運転中の機器の振動・騒音を減じることができる。
【0017】また、圧肉部15は下羽根12の外端部に設けられ、外側にいくほど肉厚が厚くなっている。これにより、運転初期の小麦粉と水の混ざりあわせ時に粉が残りやすい容器底部また容器底部の角16に効果的に攪拌運動を起こすことができる。したがって、容器底部また容器底部の角16に滞留、付着する粉を効果的に拾い素早くひろうことができ容器内の粉残り防ぎより素早く生地にすることができる。また、パン生地・ピザ生地13はひとかたまりの団子状となり角がなく丸まっているので生地になった状態では下羽根12の外端部に設けられた厚肉部15は生地練り時にはパン生地・ピザ生地13に当たらない。つまり、厚肉部15は運転初期の粉合わせ時には負荷抵抗を受けるが、生地状態では負荷抵抗を受けることがない。したがって、運転中の機器の振動・騒音を著しく抑制することができ、機器が設置面上を激しく動き回り、例えば、テーブル上に置いた場合において機器がテーブルから落下し破損するというようなことを防ぐことができる。また、生地による負荷力が小さいため電動機2、小プーリー3、ベルト4、大プーリー5への機械的ストレスが小さく機器の寿命を長くすることが可能となる。
【0018】また、上羽根11と下羽根12の外端は円形状19で軸部10と円弧の接線20で結ぶ羽根形状となっている。これにより、生地混練時に羽根は生地になめらかに当たり、生地のちぎれを抑制することができる。したがって、パン生地のグルテン破壊を防ぎ、後のイースト発酵時に発酵ガスを充分包容し膨らみの良い良質のパンをつくることができる。
【0019】上記、実施例1における食材、パン生地・ピザ生地、および機器の運転時における挙動は下羽根12に厚肉部15に代えて凸部17やリブ18を設けても同様の効果を得ることができる。
【0020】(実施例2)以下、本発明の実施例2について図面を用いて説明する。実施例1と同じ構成部分は同符号を付し、説明は省略する。
【0021】図1〜図10において混連羽根8の軸部の軸断面は楕円22形状をしている。これによりパン生地・ピザ生地13は羽根の回転周期に同期した運動を与えられ、容器9の内側面に圧接される。これにより生地は練り効果を受け、小麦粉グルテンが効果的に生成する。また、圧接運動であるのでせっかくできたグルテンがちぎれることもなく良好な生地を得ることができる。
【0022】同様の効果は図5〜図7に示すような長円23、偏心円24、二円接線形状25などの軸断面形状でも得ることができる。
【0023】
【発明の効果】請求項1〜6に記載の発明によれば、粉と水を混ぜ合わせ素早くあわせ生地にすることができるとともに、生地状態時の羽根が受けるパン生地負荷を抑制し運転中の機器の振動・騒音を抑制することができ使い勝手を良くすることができる。
【0024】請求項7、8に記載の発明によれば、生地は練り効果を受け、小麦粉グルテンが効果的に生成することができる。また、せっかくできたグルテンがちぎれることもなく良好な生地を得ることができ、後のイースト発酵時に発酵ガスを充分包容し膨らみの良い良質のパンをつくることができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成13年12月5日(2001.12.5)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2003−169755(P2003−169755A)
【公開日】 平成15年6月17日(2003.6.17)
【出願番号】 特願2001−371262(P2001−371262)