| 【発明の名称】 |
電気炊飯器 |
| 【発明者】 |
【氏名】松本 武司 【住所又は居所】大阪府門真市速見町三番一号 タイガー魔法瓶株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】電気炊飯器の蓋部に金属板を確実にインサート成形できるようにする。
【解決手段】内鍋と、該内鍋を収納セットする本体ケースと、該本体ケース内にあって上記内鍋を加熱する加熱手段と、上記本体ケース上部の開口部を覆う蓋ユニットとを備え、上記蓋ユニットの外カバーは、上記本体ケースの開口部外周に対応する外周部と調圧口を有する中央部が各々合成樹脂材により形成されている一方、それらの間に金属板が一体にインサート成形されてなる電気炊飯器であって、上記金属板の外周には上記外カバー外周部へのインサート用の縁部が、また上記金属板の内周には上記外カバー中央部へのインサート用の縁部が各々上面側よりも所定の寸法低くなるように所定の段差部を介して設けられ、これら各縁部の内の上記外周側の縁部は、上記対応する外カバー外周部の成形条件に応じて上記段差部の形態を異ならせて形成するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内鍋と、該内鍋を収納セットする本体ケースと、該本体ケース内にあって上記内鍋を加熱する加熱手段と、上記本体ケース上部の開口部を覆う蓋ユニットとを備え、上記蓋ユニットの外カバーは、上記本体ケースの開口部外周に対応する外周部と調圧口を有する中央部が各々合成樹脂材により形成されている一方、それらの間に金属板が一体にインサート成形されてなる電気炊飯器であって、上記金属板の外周には上記外カバー外周部へのインサート用の縁部が、また上記金属板の内周には上記外カバー中央部へのインサート用の縁部が各々上面側よりも所定の寸法低くなるように所定の段差部を介して設けられ、これら各縁部の内の上記外周側の縁部は、上記対応する外カバー外周部の成形条件に応じて上記段差部の形態を異ならせて形成されていることを特徴とする電気炊飯器。 【請求項2】 段差部の形態の相異は、段差部の高さの相異であり、成形時におけるゲート部側の段差部の高さが、その他の側の段差部の高さよりも高く形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気炊飯器。 【請求項3】 段差部の形態の相異は、段差部の上端側折り曲げ部の曲率の相異であり、成形時におけるゲート部側の段差部の上端側折り曲げ部の曲率が、その他の側の段差部の上端側折り曲げ部の曲率よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電気炊飯器。 【請求項4】 縁部の幅は、成形時におけるゲート部側の縁部の幅の方が、その他の側の縁部の幅よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の電気炊飯器。 【請求項5】 縁部には、成形後に合成樹脂材と係合する複数の係合部が設けられていることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の電気炊飯器。 【請求項6】 複数の係合部は、外カバー外周部側の成形条件に応じ、成形後の成形収縮力が大きな部分ほど多数の係合部が設けられていることを特徴とする請求項5記載の電気炊飯器。 【請求項7】 外カバー中央部にインサートされる金属板内周の縁部は、非円形形状の開口縁部に形成されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載の電気炊飯器。 【請求項8】 外カバー外周部の幅は、成形時におけるゲート部側の幅よりも当該ゲート部側と反対側の外周部の幅の方を大きく形成したことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の電気炊飯器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本願発明は、電気炊飯器に関し、特にその蓋ユニット部の構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に電気炊飯器は、例えば図12および図13に示すように、内鍋(飯器)1と、該内鍋1を任意に収納セットし得るように形成された内部筺体である有底筒状の内ケース2と、該内ケース2を保持する外部筺体である有底筒状の外ケース3と、該外ケース3と上記内ケース2とを一体化して形成された炊飯器本体ケースの開口部に後端側ヒンジ軸7を回転支軸として上下方向に開閉可能に設けられた蓋ユニット4とから構成されている。 【0003】そして、上記内ケース2の下方側には、例えば内鍋加熱手段としてのワークコイル5,5が設けられ、通電時には上記内鍋1内にうず電流を誘起して、その全体を略均一に加熱する(電磁誘導加熱方式を採用したものの場合)。 【0004】一方、上記蓋ユニット4は、その上部側外周面を構成する合成樹脂製の外カバー41と、該外カバー41の外周縁部内側に枠状に成形された内枠部42と、該内枠部42の下部に重合固定された同じく合成樹脂製の内カバー43と、該内カバー43の下方に設けられ、上記内鍋1の上端側開口縁部との係合部に放熱板パッキンを設けた金属製の放熱板44等とから形成されている。また、上記外カバー41と内カバー43との間には、必要に応じて断熱材45を設けることにより、蓋ユニット4を断熱構造体に形成するようにしている。 【0005】この蓋ユニット4は、上記外ケース3上部の肩部材6に対してヒンジ軸7およびヒンジカバー8を介して回動自在に取り付けられており、その開放端側には、該蓋ユニット4の所定位置に係合して該蓋ユニット4の上下方向への開閉操作を行うロックおよびロック解除機構9が設けられている。 【0006】そして、上記蓋ユニット4の略中央部には調圧口11が設けられ、該調圧口11に対して、御粘成分を回収しながら蒸気のみを外部に逃がすとともに、その炊飯工程に応じて上記内鍋1内の圧力を適切に調節する調圧機構を備えた調圧キャップ10が設けられている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の電気炊飯器の蓋ユニットの場合、上述したように外カバー41の全体が合成樹脂材でできている(図13参照)。 【0008】そのために、次のような問題があった。 【0009】すなわち、調圧キャップ10が嵌合されている調圧口11用の凹部11aを含む周囲部分は、御粘等が漏出するので、比較的高頻度での洗浄/吹き取り等の手入れが必要である。 【0010】ところが、合成樹脂材だと、その際に傷が付きやすく、光沢もなくなって、長期間使用していると、非常に見映えが悪くなる。つまり、手入れ性が良くない。 【0011】また、蓋上面の熱や蒸気に対する強度も配慮しなければならず、さらにデザイン的にも蓋上面の形状や質感に変化がつけにくく、斬新な感じがしない。従って販売時の商品訴求力に欠ける。 【0012】そこで、このような問題を解決するために、例えば上記蓋ユニット4の外カバー外周面側調圧口周りを、部分的に、ステンレス等の手入れ性が良く、見映えも良い金属板で形成することが考えられる。 【0013】その場合、当該金属板を合成樹脂製の外カバー部材に設置固定する手段として、例えば貼り付け、インサート成形等の手段がある。 【0014】ところが、貼り付け手段の場合、冷・熱負荷による伸縮変形により、剥がれやすい問題があり、採用しにくい。 【0015】他方、インサート成形手段の場合には、例えば射出成形用の金型に当該金属板をはめ込み、その上に樹脂を射出して成形するので、成形後の樹脂の収縮により、金属板周縁が樹脂材の間にインサートされた状態で固定されるので、上記貼り付け手段に比べれば剥がれにくくなる。 【0016】ところが、該インサート成形の場合にも、現在の成形手段では、例えば金属板外周にプレス形成した等幅で、段差部の高さも等しい、フラットなインサート用の縁部を利用して合成樹脂製の外カバー部分にインサート成形しているだけのため、次のような問題が生じやすかった。 【0017】(1) 成形収縮や冷・熱負荷の反復による伸縮のため、やはり変形が生じやすく、時には剥がれや樹脂部の割れをも招く。 【0018】(2) 成形時におけるゲート部からの樹脂の分流、各部への回り込みが悪く、ウエルドや引けを発生する。 【0019】また、それらの結果、外カバーの金属板と合成樹脂部分の境界の平滑面性に欠ける。 【0020】本願発明は、以上のような問題を解決するためになされたもので、インサートされる金属板のインサート用の縁部の段差部を含む形態を、相手側樹脂部分の成形条件に応じたものとすることによって、上述の問題を解決した電気炊飯器を提供することを目的とするものである。 【0021】 【課題を解決するための手段】本願発明は、上記の目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。 【0022】(1) 請求項1の発明この発明は、内鍋と、該内鍋を収納セットする本体ケースと、該本体ケース内にあって上記内鍋を加熱する加熱手段と、上記本体ケース上部の開口部を覆う蓋ユニットとを備え、上記蓋ユニットの外カバーは、上記本体ケースの開口部外周に対応する外周部と調圧口を有する中央部が各々合成樹脂材により形成されている一方、それらの間に金属板が一体にインサート成形されてなる電気炊飯器であって、上記金属板の外周には上記外カバー外周部へのインサート用の縁部が、また上記金属板の内周には上記外カバー中央部へのインサート用の縁部が各々上面側よりも所定の寸法低くなるように所定の段差部を介して設けられ、これら各縁部の内の上記外周側の縁部は、上記対応する外カバー外周部の成形条件に応じて上記段差部の形態を異ならせて形成されている。 【0023】合成樹脂製の外カバーに対してインサート成形される金属板の外周に上記相手側外カバー外周部へのインサート用の縁部を、また内周にも上記相手側外カバー中央部へのインサート用の縁部を各々所定の段差部を介して設け、インサート成形しようとした場合、例えばゲート部から射出された樹脂が直接衝突するゲート部に対向する段差部面側とその両側の樹脂が回り込んで流れて行く段差部面側、またゲート部からの距離が最も遠い最後尾の上記ゲート部側とは反対側の段差部面側の各々では、それぞれ樹脂部の幅、肉厚、流路位置が異なり、射出された樹脂の必要量や流れのスムーズ度その他の各種成形条件が異なる。 【0024】しかし、良好なインサート成形を実現するためには、これら各部の成形条件に応じ、その障害を除去して必要な量の樹脂をウエルドを生じさせることなく、可及的スムーズに各部に供給することが必要となる。 【0025】そこで、上述のように、上記のような各種成形条件の相違に対応して、その段差部の形態を変えると、適切な量の樹脂をウエルドを生ぜしめることなく可及的スムーズに供給することができるようになる。 【0026】(2) 請求項2の発明この発明は、上記請求項1記載の発明の構成において、段差部の形態の相異は、段差部の高さの相異であり、成形時におけるゲート部側の段差部の高さが、その他の側の段差部の高さよりも高く形成されている。 【0027】このように、成形時におけるゲート部側の段差部の高さが、その他の側の段差部の高さよりも高く形成されていると、ゲート部から射出された十分な量の樹脂が当該金属板の上面側に乗り上げることなく、スムーズに左右両側に分流し、側部側に回り込んで、最後部まで流れて行くようになる。その結果、ウエルドの発生も抑制される。 【0028】(3) 請求項3の発明この発明は、上記請求項1又は2記載の発明の構成において、段差部の形態の相異は、段差部の上端側折り曲げ部の曲率の相異であり、成形時におけるゲート部側の段差部の上端側折り曲げ部の曲率が、その他の側の上端側折り曲げ部の段差部の上端側折り曲げ部の曲率よりも小さく形成されている。 【0029】このように、成形時におけるゲート部側の段差部の上端側折り曲げ部の曲率が、その他の側の上端側折り曲げ部の曲率よりも小さく形成されていると、上記ゲート部から高い圧力で射出された樹脂が当該段差部を超えて金属板上面側まで回り込んでしまうのを、可及的有効に阻止し得るようになり、左右両側への樹脂の分流作用を向上させることになる。 【0030】(4) 請求項4の発明この発明は、上記請求項1,2又は3記載の発明の構成において、縁部の幅は、成形時におけるゲート部側の縁部の幅の方が、その他の側の縁部の幅よりも大きく形成されている。 【0031】このように、成形時におけるゲート部側の縁部の幅の方が、その他の側の縁部の幅よりも大きく形成されていると、ゲート部から射出された十分な量の樹脂を広い流路で効果的に左右に分流させることができ、また成形後に引けのない安定したインサート成形状態を実現することができる。 【0032】(5) 請求項5の発明この発明は、上記請求項1,2,3又は4記載の発明の構成において、縁部には、成形後に合成樹脂材と係合する複数の係合部が設けられている。 【0033】このように、金属板の縁部に、成形後に合成樹脂材と係合する複数の係合部が設けられていると、成形後の成形収縮による変形や割れに対する補強が可能となり、変形や割れが発生しにくくなる。 【0034】(6) 請求項6の発明この発明は、上記請求項1,2,3,4又は5記載の発明の構成において、複数の係合部は、外カバー外周部側の成形条件に応じ、成形後の成形収縮力が大きな部分ほど多数の係合部が設けられるようになっている。 【0035】このような構成によると、上記請求項5の発明の成形収縮時の補強効果が、より一層高くなる。 【0036】(7) 請求項7の発明この発明は、上記請求項1,2,3,4,5又は6記載の発明の構成において、外カバー中央部にインサートされる金属板内周の縁部は、非円形形状の開口縁部に形成されている。 【0037】このように、金属板内周の縁部が、非円形形状(例えば多角形状)の開口縁部に形成されていると、調圧口を有する合成樹脂製の外カバー中央部の樹脂の流れが円形形状の場合とほぼ同様にスムーズになるとともに、成形完了後(成形収縮発生後)における中央部樹脂の回り止め作用が実現される。また、同時に成形時の金型との位置決め作用も得られる。 【0038】(8) 請求項8の発明この発明は、上記請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の発明の構成において、外カバー外周部の幅は、成形時におけるゲート部側の幅よりも当該ゲート部側と反対側の外周部の幅の方を大きく形成している。 【0039】このように、外カバー外周部の幅について、成形時におけるゲート部側の外周部の幅よりも当該ゲート部側と反対側の外周部の幅の方を大きく形成するようにすると、ゲート部側と反対側のゲート部から遠い樹脂成形部分への樹脂の回り込みが良くなり、ウエルドの発生も抑制される。 【0040】 【発明の効果】以上の結果、本願発明によると、次のような有益な効果を実現することができる。 【0041】(1) 成形完了後の成形収縮による変形や割れ、剥がれなどが生じない確実な金属板のインサート成形が可能となる。 【0042】(2) 外カバーの合成樹脂部分と金属板部分との境界部の平滑面性が向上する。 【0043】(3) 合成樹脂部分のウエルドや引けの発生が抑制され、合成樹脂部分の見映えが良くなる。 【0044】(4) 調圧口の周囲が金属面となり、手入れ性が向上するとともに熱や蒸気による樹脂部の劣化を抑え、かつ見映えが良くなる。 【0045】また、デザインの斬新性が向上する。 【0046】(5) 蓋上面の熱や蒸気に対する強度が向上する。 【0047】 【発明の実施の形態】図1〜図11は、本願発明の実施の形態に係る電気炊飯器の要部(蓋ユニット部)の構造を示している。 【0048】本実施の形態の電気炊飯器においても、少なくとも炊飯器本体の本体ケース部側の構成は、基本的に前述の図12に示すものと同様であり、内鍋(飯器)1と、該内鍋1を任意に収納セットし得るように形成された内部筺体である有底筒状の内ケース2と、該内ケース2を保持する外部筺体である有底筒状の外ケース3と、該外ケース3と上記内ケース2とを一体化して形成された炊飯器本体ケースの開口部に後端側ヒンジ軸7を回転支軸として上下方向に開閉可能に設けられた蓋ユニット4とから構成されている。 【0049】そして、上記内ケース2の下方側には内鍋加熱手段としてのワークコイル5,5が設けられ、通電時には上記内鍋1内にうず電流を誘起して、その全体を略均一に加熱するようになっている(電磁誘導加熱方式を採用したものの場合)。 【0050】一方、上記蓋ユニット4は、それに反して本実施の形態のもの特有の次のような特徴を有して構成されている。 【0051】すなわち、該本実施の形態の蓋ユニット4は、先ず図1および図2に示すように、その上部側外周面を構成する外カバー41A,41B,41Cと、該外カバー41A,41B,41Cの外周縁部内側下方に設けられた幅の広い枠形構造の合成樹脂製の内カバー43と、該内カバー43の内側開口縁部43a内に対してパッキン64を介して設けられ、上記内鍋1の上端側開口縁部との係合部に同パッキン64を対応させてカバーする金属製の放熱板44と、該放熱板44上に設けられた蓋ヒータ65と、上記外カバー41A,41B,41Cと上記内カバー43および放熱板44との間に設けられた断熱材45とから形成されている。 【0052】上記内カバー43は、その前端部43c側上部に上記外カバー41A,41B,41Cの前端側縦壁部47の一部を嵌合固定している一方、他方後端部43b側を上記ヒンジ軸7の支持ブラケット部に対して一体化している。また、上記放熱板44の中央部には、上記調圧口11に対応する大きさの開口が設けられ、その開口縁部44aは、少し筒状になって上方側に延び、図示のような調圧口シールおよび調圧キャップ嵌合リブとしての機能を備えた筒状のパッキン63を介して、後述する外カバー中央部41Bの中央から下方に筒状に長く延びた調圧パイプ部61の下端に対して下方から嵌合されている。 【0053】なお、符号55は、上記蓋ユニット4を常時開方向に付勢して置く蓋開放バネであり、その一端55aは上記内カバー43の後端部側上部と上記外カバー41A,41B,41Cの後端部内側に成形されているバネ押えリブ51b等との間に挟まれて係止される一方、他端55bは上記本体ケース側に係止される。 【0054】そして、この蓋ユニット4は、上記外ケース3上部の肩部材6部分に対して上記ヒンジ軸7および蓋開放バネ55を介して上下方向に回動自在に取り付けられるようになっている。 【0055】そして、以上のように構成された蓋ユニット4の略中央部よりも少し前方寄り部分に、上記外カバー中央部41Bの調圧パイプ61と上記放熱板44中央部の筒状の開口部を同軸状に連通させた上下方向に延びる所定の径の調圧口11が設けられ、該調圧口11に対して、御粘成分を回収しながら蒸気のみを外部に逃がすとともに、その炊飯工程に応じて上記内鍋1内の圧力を適切に調節する調圧機構10aを内部に備えた調圧キャップ10が上記筒状のパッキン63の内周面側凸状のリブを利用して調圧キャップ10の下部側筒部10bが嵌合された調圧キャップ10が着脱可能に設けられるようになっている。 【0056】そして、上記外カバー41A,41B,41C上面の上記調圧口周りには、前後方向に楕円形状の凹部11aが設けられ、上記調圧キャップ10のキャップ部が突出することなく設置されるようになっている。 【0057】ところで、本実施の形態における上記蓋ユニット4の上部外周面を形成する上記外カバー41A,41B,41Cは、全体として左右の幅L2よりも前後方向の長さL1が大きい丸みを帯びた長方形状をなし、例えば図2、図3に示すように、上記本体ケースの開口部に対応する外周部41A部分と上記調圧口11を有する中央部41B部分が各々合成樹脂材により形成されている一方、それらの間に前後に長く(L3>L4)、左右方向にも相当に大きな幅(L4)を占めるステンレス等の金属板41C部分が一体にインサート成形されて構成されている。そして、そのために上記金属板41Cの外周部四方A,B,B,C部分(図2参照)には、例えば図4〜図9に詳細に示すように、上記外カバー外周部41Aの内周部分へのインサート用の縁部13a〜13cが、また上記金属板41C部分の内周には上記外カバー中央部41B外周部分へのインサート用の縁部16が各々その本体部12の上面よりも所定寸法低くなるように階段状の段差部14a〜14c,17を介して設けられている。該各縁部13a〜13c、16の内の上記外周部側四方の縁部13a〜13cは、上記対応する外カバー外周部41Aの四方部分(前端部a、両側部b,b、後端部c・・・図2参照)各々の成形条件(ゲート部G1,G2からの距離、樹脂部の幅、肉厚(縦壁部47,48の有無)等の相違による成形収縮力の大小、引け、ウエルディングの発生条件の相違等)に応じて上記段差部14a〜41cの形態を適切に異ならせて形成されている。 【0058】合成樹脂製の内外相互に分離された外カバー構成部分41A,41Bに対してインサート成形される金属板41Cの外周に外カバー外周部41A内周へのインサート用の縁部13a〜13cを、また内周に上記外カバー中央部41B外周(図1および図3中の符号60で示す部分)へのインサート用の縁部16を各々所望の寸法の段差部14a〜14c、17を介して設け、従来と同様の方法でインサート成形しようとした場合、例えば上記外カバー外周部41Aの前端部a側に対向させて設けたゲート部G1,G2から樹脂が直接射出される当該ゲート部G1,G2に対向する前端部aの段差部14a面側と、その両側の樹脂が回り込んで流れて行く左右両側b,b部の段差部14a,14b面側、また当該ゲート部G1,G2からの距離が最も遠い最後尾の上記ゲート部G1,G2側と反対側c部の段差部14c面側の各々では、それぞれ上述のように幅、肉厚、流路位置等が異なり、射出された樹脂の必要量や流れのスムーズ度その他の各種成形条件が異なるので、そのままでは良好なインサート成形は行えない。 【0059】したがって、良好なインサート成形を実現するためには、これら各部の成形条件に応じ、その障害を除去して必要な量の樹脂をウエルドを生じさせることなく、可及的スムーズに各部に供給することが必要となる(例えば図2の破線矢印参照)。 【0060】そこで、上述のように、上記のような各種成形条件の相違に対応して、その段差部14a,14b・14b,14c各々の段差面の形態を変えるようにすると、適切な量の樹脂をウエルドを生ぜしめることなく、図2の破線矢印に示すように可及的スムーズに最後尾まで確実に供給することができるようになる。 【0061】この場合、上記のように各段差部14a,14b・14b,14cの段差面の形態を異ならせる点について、例えば具体的には次のような構成が採用される。 【0062】すなわち、先ず第1の構成として、当該段差部14a,14b・14b,14cの高さを変える構成が採用され、成形時におけるゲート部G1,G2側(前端部a側)の段差部14aの高さH1が、その他の側の段差部14b,14b,14cの高さH2・H2,H3よりも所定寸法高く形成される(H1>H2=H3)。 【0063】このように、成形時におけるゲート部G1,G2側(前端部a側)の段差部14aの高さH1が、その他の下流側の段差部14b,14b,14cの高さH2・H2,H3よりも所定寸法高く形成されていると、ゲート部G1,G2から射出された十分な量の樹脂が当該金属板41Cの本体部12の上面側に乗り上げることなく、スムーズに左右両側に分流し、側部b,b側の段差部14b,14b部分に回り込んで、最後尾側(後端部c側)まで確実に流れて行くようになる。その結果、ウエルドの発生も抑制される。 【0064】次に第2の構成として、上記各段差部14a,14b・14b,14cの上端側折り曲げ部(本体部12の上面と段差部縦壁面との間のコーナ部)R1,R2・R2,R3の曲率を変える構成が採用される。そして、その場合、成形時におけるゲート部G1,G2側(前端部a側)の段差部14aの上端側折り曲げ部R1の曲率が、その他の側b・b,c部(図2参照)の段差部14b,14b,14cの上端側折り曲げ部R2・R2,R3の曲率よりも小さく形成される。 【0065】このように、成形時におけるゲート部G1,G2側(前端部a側)の段差部14aの上端側折り曲げ部R1の曲率が、その他の側b・b,c部の段差部14b,14b,14cの上端側折り曲げ部R2・R2,R3の曲率よりも小さく形成されていると、上記ゲート部G1,G2から高い圧力で射出された樹脂が当該段差部14aを乗り超えて金属板41C本体12の上面側まで回り込んでしまうのを、可及的有効に阻止し得るようになり、上述の場合と同様に左右両側への樹脂の分流作用を向上させることになる。 【0066】また、上記のようにインサート成形される金属板41Cの上記各段差部14a,14b・14b,14cを介して設けられる各縁部13a,13b・13b,13cの幅は、成形時におけるゲート部G1,G2側(前端部a側)の縁部13aの幅W1の方が、その他の側の縁部13b・13b,13cの幅W2・W2,W3よりも大きく形成されている(W1>W2=W3)。 【0067】このように、成形時におけるゲート部G1,G2側(前端部a側)の縁部13aの幅W1の方が、その他の側b・b,c部の縁部13b・13b,13cの幅W2・W2,W3よりも大きく形成されていると、ゲート部G1,G2から射出された十分な量の樹脂を広い流路で効果的に左右に分流させることができ、また成形後に引けのない安定したインサート成形状態を実現することができる。 【0068】また、上記各縁部13a〜13cには、それぞれ成形後に外カバー外周部41Aを形成する合成樹脂材と確実に係合する、例えば図10に示すような浅い切欠き部よりなる複数の係合部20,20・・・が設けられている。 【0069】このように、上記インサートされる金属板41C外周の縁部13a〜13cに、成形後に外カバー外周部41Aを形成する合成樹脂材と係合する係合部20,20・・・が設けられていると、その係止力によって成形後の成形収縮による変形や割れに対する補強が可能となり、変形や割れが発生しにくくなる。 【0070】また、その場合、上記複数の係合部20,20・・・は、上記外カバー外周部41A側の成形条件に応じ、例えば肉厚の大きな縦壁部47が存在するなど成形後の成形収縮力が大きなゲート部G1,G2側(前端部a側)の縁部13a部分ほど多数の係合部20,20・・・が設けられるようになっている。 【0071】このような構成によると、上記外カバー外周部41Aの前端部a成形収縮時の補強効果が、より一層高くなる。 【0072】なお、この係合部20,20・・・の構造としては、図10のような切欠構造に限られるものではなく、例えば図11に示すように凹溝状としたものでもよい。 【0073】この場合、製品外面に引けを生じさせないために、上記係合部20,20・・・は上下に貫通させないことが必要である。 【0074】他方、上記外カバー中央部41Bの合成樹脂材にインサートされる金属板41C内周の縁部16は、例えば図4および図8に示すように、円弧状縁部18aと直線状の縁部18bとが組合わされた非円形形状(異形多角形状)の開口縁部18に形成されている。 【0075】このように、金属板41C内周の縁部16が、非円形形状(異形多角形状)の開口縁部18に形成されていると、調圧口11を有する合成樹脂製の外カバー中央部41Bを成形する時のゲート部G3からの樹脂の流れがスムーズになるとともに、当該外カバー中央部41Bの成形完了後(成形収縮発生後)における回り止め作用が実現される。また、同時に、その4組の直線状の縁部18b,18b,18b,18bが、成形時の金型との位置決め作用を果たす。なお、上記縁部16は、6角形、8角形等の通常の多角形状でもよい。 【0076】また、例えば図2に示されるように、上記外カバー外周部41Aの四方の各幅W4,W5・W5,W6は、成形時におけるゲート部G1,G2側(前端部a側)の幅W4よりも両側部b・b側の幅W5,W5および当該ゲート部G1,G2側(前端部a側)と反対側後端部cの幅W6の方を大きく形成している(W4<W6<W5)。 【0077】このように、外カバー外周部41A四方の各幅W4,W5,W5,W6について、成形時におけるゲート部G1,G2側(前端部a側)の幅W4よりも両側部b,b側の幅W5,W5および当該ゲート部G1,G2側と反対側後端部cの幅W6の方を大きく形成するようにすると、特にゲート部G1,G2側(前端部a側)と反対側のゲート部G1,G2から最も遠い樹脂成形部分である後端部cへの樹脂の回り込みが良くなり、有効にウエルドの発生も抑制される。 【0078】また、本実施の形態の構成では、例えば図3に示すように、上記外カバー外周部41Aの成形に際し、上記2組のゲート部G1,G2からの樹脂が各々中央部で合流することになる前端部a側および後端部c側の各中央部には、上記金属板41Cの裏面側に位置して、所望の面積の樹脂留め部49,50を形成し、流れ込んでくる樹脂を確実に吸収し得るようにしている。この場合、例えば前端部a側の樹脂留め部49にあっては、その内端側に任意の長さの凸状部49aを形成することで対応できるし、他方後端部c側では、その内端側にヒンジブラケット補強用のリブ部分48等を設けることに加えて、上記蓋開放バネ55の一端55a部分を押えるための各種補強リブ51a,51b,51cを設ける任意の大きさの方形のベース部材50を形成することによって対応できる。符号46は、ヒンジ部およびヒンジカバー取付用の凹部である。 【0079】なお、本実施の形態では、図4に示されるように、調圧口11に対応する開口縁部18が若干金属板41Cの前端部寄りに設けられている(L6>L5)。 【0080】以上の結果、上記本願発明の実施の形態の構成によると、次のような有益な効果を実現することができる。 【0081】(1) 成形完了後の成形収縮による変形や割れ、剥がれなどが生じない確実な金属板のインサート成形が可能となる。 【0082】(2) 外カバーの合成樹脂部分と金属板部分との境界部の平滑面性が向上する。 【0083】(3) 合成樹脂部分のウエルドや引けの発生が抑制され、合成樹脂部分の見映えが良くなる。 【0084】(4) 調圧口の周囲が金属面となり、手入れ性が向上するとともに熱や蒸気による樹脂部の劣化を抑え、かつ見映えが良くなる。 【0085】また、蓋ユニット部のデザインの斬新性が向上する。このデザインの斬新度は、また例えば前述の炊飯器本体ケースの外周面を同様の金属板で形成するなどの構成により、さらに向上し、高級感のあるメタルカラーの電気炊飯器を提供することができる。 【0086】(5) 蓋上面の熱や蒸気に対する強度が向上する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003702 【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市城東区蒲生2丁目1番9号
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| 【出願日】 |
平成13年11月28日(2001.11.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075731 【弁理士】 【氏名又は名称】大浜 博
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| 【公開番号】 |
特開2003−159177(P2003−159177A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月3日(2003.6.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−362846(P2001−362846) |
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