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【発明の名称】 カーテン用ウェイトおよびその製造方法
【発明者】 【氏名】今井 康夫
【住所又は居所】愛知県名古屋西区枇杷島5−16−3 株式会社イマイ内

【要約】 【課題】安全衛生上および環境上の問題がなく、しかも、カーテンの縫製後における磁気センサを用いた縫い針の残留検査において、磁気センサが誤動作しないカーテン用ウェイトを提供する。

【解決手段】非磁性ステンレス鋼製、または加工率20%時の透磁率が1.01μ以下のステンレス鋼製、または焼き鈍しによって透磁率が1.01μ以下に低減されたステンレス鋼製ペレット2,2…を、柔軟性チューブ3内に所定間隔で収納したカーテン用ウェイト(ウェイトテープ)1。このウェイトテープ1は鉛製ウェイトのような毒性がなく、そのステンレス鋼製ペレット2の材質を前述のように設定したことにより、カーテン縫製後の磁気センサによる縫い針の残留検査を実施時に、ステンレス鋼製ペレット2の磁性により磁気センサが誤動作しない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 カーテンに取り付けられるウェイトにおいて、前記ウェイトが、透磁率が1.01μ以下のステンレス鋼製であることを特徴とするカーテン用ウェイト。
【請求項2】 前記ステンレス鋼の材質が、窒素、モリブデンおよび銅の群の中から選択された1種またはそれ以上を含むか、ニッケルを11%以上含むものであることを特徴とする請求項1に記載のカーテン用ウェイト。
【請求項3】 前記ステンレス鋼の材質が、SUS303A,SUS303Cu,SUS304J3,SUS304N1,SUS304N2,SUS304LN,SUS305,SUS305J1,SUS309S,SUS310S,SUS316,SUS316F,SUS316L,SUS316N,SUS316LN,SUS316J1,SUS316J1L,SUS317,SUS317L,SUS317J1,SUSXM7およびNSS21−10Mの群の中から選択されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のカーテン用ウェイト。
【請求項4】 加工によって透磁率が1.01μを超えたステンレス鋼製カーテン用ウェイトを、焼き鈍しによって透磁率を1.01μ以下に低減することを特徴とするカーテン用ウェイトの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカーテン用ウェイトおよびその製造方法に関し、特に、縫製後の縫い針残留検査において検出装置が誤動作しないカーテン用ウェイトおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カーテンには、吊り下げたカーテン生地の襞やウェーブ形状を美しく保つために、カーテン生地の裾部に、各種のウェイトが取り付けられている。例えば、レースカーテン用のウェイトとしては、レースカーテンの優美なウェーブを保つために、多数の金属製ペレットを布製のチューブ内に所定間隔で収納した屈曲自在のウェイトテープが用いられている。
【0003】図9は従来のウェイトテープ60の断面図を示す。図9において、61は鉛からなる略円柱状の金属製ペレットで、これら多数の金属製ペレット61,61…が、布製のチューブ62内に所定間隔で収納されている。なお、チューブ62内で金属製ペレット61,61相互間の間隔寸法を一定にするために、金属製ペレット61,61間を糸で連結する場合もある。このように金属製ペレット61,61間を糸で連結する場合は、金属製ペレット61のかしめ加工によって糸で連結し易くするために、特に金属製ペレット61は柔らかい材質の鉛製としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、金属製ペレット61を鉛製とした場合、鉛の毒性のために、金属製ペレット61の製造工程における保険衛生上はもちろんのこと、使用済みの金属製ペレット61が廃棄された場合、環境を汚染するため環境保護の観点からも問題があった。
【0005】また、上記のウェイトテープ60を使用したレースカーテンでは、図10に示すように、レースカーテン70の裾部70aがクネクネと不自然に曲がっており、レースカーテン70本来の優美なウェーブが得られなかった。この原因を調べたところ、従来のウェイトテープ60は、金属製ペレット61が、上歯と下歯を有する押し切り型の切断具で切断された状態のまま使用されており、しかも、その金属製ペレット61の中心軸yが、図11に示すように、押し切り型の切断具による切断方向などによって屈曲しているため、この屈曲によって、ウェイトテープ60に不規則的な曲がりが生じ、この曲がりに起因してレースカーテン70本来の優美なウェーブが損なわれることが分かった。
【0006】また、このような従来のレースカーテン用ウェイトテープ60では、図12に示すように、巻取り具80に巻き取った状態においても、ウェイトテープ60が不定形な曲がりを有しているため、隣接するチェーン60,60相互間での間隔寸法が不均一になり、しかも、この曲がりに起因して隣接するチェーン60,60相互間の金属製ペレット61,61相互間の間隔寸法も乱れるため、著しく美観が損なわれて商品価値が低下するため、商取引上も問題であった。
【0007】この原因は、金属製ペレット61を製造する際に、長尺の線材を切断具により切断する場合の切断具が不適切なことに加えて、金属製ペレット61の端部が切断具による切断および破断によるバリを有する異形状のままになっているため、チューブ62に収納した場合に、金属製ペレット61の中心軸yの曲がりに応じた方向に沿ってチューブ62に曲がりが生じる結果、ウェイトテープ60にも曲がりが生じるためである。
【0008】さらに、レースカーテン70では、その裾部にウェイトテープ60を縫い込んだ場合に、その両端部の始末方法として、チューブ62の両端部から金属製ペレット61を3〜4個抜いて、この金属製ペレット61を抜いたチューブ62をレースカーテン70の裾部とともに折り返して縫い付けるようにしている。
【0009】ところが、図8に示す従来のウェイトテープ60では、金属製ペレット61が前述のようにその中心軸yが曲がっていることと、その両端部に切断バリを有することとに起因して、チューブ62の両端部から金属製ペレット61を抜き取る作業が極めて困難で、このレースカーテン70の裾部両端部の始末加工作業にかなりの工数が必要であり、原価高騰の要因になっていた上記の鉛の毒性による安全衛生上および環境保護上の問題点を解決するために、金属製ペレットを鉛製からステンレス鋼製とすることが考えられる。ところが、金属製ペレットを鉛製からステンレス鋼製とした場合は、製造工程での安全衛生上の問題点および環境保護上の問題点は解決されるが、レースカーテンの美しい襞を保つことや、カーテン裾部の始末加工に関する問題点は何ら解決されないばかりでなく、却って、ステンレス鋼製ペレットの場合は、鉛製ペレットに比較して硬度が大きいため、その問題点は極めて深刻である。
【0010】また、ステンレス鋼には、フェライト系、マルテンサイト系およびオーステナイト系などの種類があり、一般に、フェライト系およびマルテンサイト系ステンレス鋼は常温で磁性があり、オーステナイト系ステンレス鋼は常温では磁性がないとされている。
【0011】しかしながら、オーステナイト系ステンレス鋼でも、Niが多い場合は組織が安定であるが、Niが少ないステンレス鋼を固溶化熱処理後に急冷した場合は、組織が不安定な準オーステナイト相を呈し、これに切断などの冷間加工を施すと組織の安定性が崩れて、一部またはほとんどがマルテンサイト相に変態して、磁性を帯びるものがあることが分かった。元々高い磁性を有するステンレス鋼は元より、このような加工によって磁性を帯びるステンレス鋼は、後述するように、カーテン用ウェイトの材料として、好ましくないことが分かった。
【0012】すなわち、カーテンは縫製後に、万一、カーテン布地内に縫い針が残留していると、カーテンの包装時、取り付け時、使用時などに、残留した縫い針によって、包装作業者、取り付け業者、使用者などを傷付ける恐れがある。そのため、縫製後のカーテンに対して、磁気センサによって、縫い針が残留していないかどうかの検査を行なっている。
【0013】ところが、磁性を有するステンレス鋼製のウェイトを採用すると、縫い針が残留していなくても、磁気センサがステンレス鋼製ウェイトの磁性に反応して、縫い針検出信号を出力してしまうことが分かった。また、加工前の状態では非磁性ないし磁気センサに反応しない程度の低磁性を有するステンレス鋼であっても、切断などの加工によってその結晶にすべりが生じて、加工硬化を起すとともに磁性を帯びる場合があること、および加工による磁性の帯びる強度は加工率に影響されることが分かった。
【0014】したがって、本発明は、ステンレス鋼を用いることによって、鉛製ウェイトのような毒性がなく、しかも、切断などの加工を施されたものであっても、磁性が磁気センサに反応しない一定レベル以下のカーテン用ウェイトを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載されたカーテン用ウェイトは、透磁率が1.01μ以下のステンレス鋼製であることを特徴とするものである。
【0016】ここで、「透磁率が1.01μ以下のステンレス鋼」なる用語は、もともと非磁性のステンレス鋼、切断などの加工により磁性を帯びてもその透磁率が1.01μ以下のステンレス鋼、および加工によって透磁率が1.01μを超えてしまったものを焼き鈍すことによって透磁率を1.01μ以下に低減したものなどを含むことを意味するものである。
【0017】前記「加工」なる用語は、線材や板材などを切断する切断加工、線材などをプレスして扁平化するプレス加工などを含むものである。これらの加工においては、その「加工率」によって透磁率の増大量が変化する。
【0018】「加工率」とは、例えば、切断加工であれば、加工前の断面積(A0)と加工後の断面積(A1)の差(A0−A1)を、加工前の断面積(A0)で割った百分率で表す。すなわち、加工率=(A0−A1)/A0×100%で表わされる。また、プレス加工であれば、プレス前の高さ寸法(T0)と加工後の高さ寸法(T1)差(T0−T1)を、加工前の高さ寸法(T0)で割った百分率で表す。すなわち、加工率=(T0−T1)/T0×100%で表わされる。
【0019】ステンレス鋼線材を切断する場合の加工率は、ほぼ20%に相当するので、加工によって透磁率が高くなる材質のステンレス鋼を用いる場合は、加工率20%時の透磁率が1.01μ以下のステンレス鋼を用いればよい。この「透磁率が1.01μ以下」の根拠は、透磁率が1.01μを超えると、ステンレス鋼に着磁性が表れて、縫い針の残留検査で磁気センサが反応して、誤った検出結果が得られる恐れがあるので、このような誤動作を防止するためである。
【0020】なお、磁気センサの感度を低下させれば、より磁性の高いステンレス鋼でも磁気センンサに反応しなくなるが、カーテン等ウェイトに比較して、遥かに小体積の縫い針を磁気センサで検出することが困難になることが分かった。
【0021】上記のカーテン用ウェイトによれば、ステンレス鋼製ウェイトであるから、鉛製ウェイトのような毒性がなく、製造過程における衛生上の問題がないのみならず、万一、廃棄されても環境を汚染することがないので環境汚染の問題がない。また、カーテン内にウェイトを縫い込んだ後に、磁気センサによる縫い針の残留検査を実施しても、ウェイトの磁性が小さいために、磁気センサが誤って縫い針の検出信号を発することがなく、縫い針が残留している場合のみ、磁気センサが正確に反応して、確実に縫い針の残留の有無を検出することができる。
【0022】本発明の請求項2に記載のカーテン用ウェイトは、前記ステンレス鋼の材質が、窒素、モリブデンおよび銅の群の中から選択された1種またはそれ以上を含むか、ニッケルを11%以上含むものであることを特徴とするものである。
【0023】上記の窒素、モリブデンおよび銅の群の中から選択された1種またはそれ以上を含むステンレス鋼によるカーテン用ウェイトによれば、窒素、モリブデンおよび銅の添加によって組織が安定になって、常温時の磁性が小さく抑えられるとともに、加工率20%時の透磁率が1.01μ以下に抑えられて、磁気センサによる縫い針の残留検査において、磁気センサが誤動作することがない。
【0024】また、ニッケルの含有量が11%以上のステンレス鋼によるカーテン用ウェイトによれば、安定な組織のオーステナイト相が得られて、常温時の磁性が小さく抑えられるとともに、加工率20%時の透磁率が1.01μ以下に抑えられて、磁気センサによる縫い針の残留検査において、磁気センサが誤動作することがない。
【0025】本発明の請求項3に記載されたカーテン用ウェイトは、SUS303A,SUS303Cu,SUS304J3,SUS304N1,SUS304N2,SUS304LN,SUS305,SUS305J1,SUS309S,SUS310S,SUS316,SUS316F,SUS316L,SUS316N,SUS316LN,SUS316J1,SUS316J1L,SUS317,SUS317L,SUS317J1,SUSXM7およびNSS21−10Mの群の中から選択されたものであることを特徴とするものである。
【0026】なお、上記のNSS21−10Mは、窒素を含む日新鋼業株式会社製ステンレス鋼の商品名である。
【0027】上記のSUS304N1,SUS304N2,SUS304LN,NSS21−10Mは、窒素を0.10〜0.35%含む。
【0028】また、上記のSUS316,SUS316F,SUS316L,SUS317,SUS317L,SUS317J1は、モリブデンを2.00〜6.00%含む。
【0029】また、上記のSUS303A,SUS303Cu,SUS304J3,SUSXM7は、銅を1.00〜4.00%含む。
【0030】さらに、上記のSUS316N,SUS316LNは、窒素を0.10〜0.22%およびモリブデンを2.00〜3.00%含む。
【0031】また、上記のSUS316J1,SUS316J1Lは、モリブデンを1.20〜2.75%および銅を1.00〜2.50%含む。
【0032】さらにまた、上記のSUS305,SUS305J1,SUS309S,SUS310Sは、ニッケッルを10.50〜22.0%含む高ニッケルステンレス鋼である。
【0033】上記のステンレス鋼から選択されたカーテン用ウェイトによれば、いずれも常温時の磁性が小さく抑えられるとともに、加工率20%時の透磁率が1.01μ以下に抑えられて、磁気センサによる縫い針の残留検査において、磁気センサが誤動作することがない。
【0034】なお、窒素を含有するステンレス鋼は、延性の低下を抑えながら強度を高めることができるので、ウェイトの傷や変形を防止できる。また、モリブデンを含有するステンレス鋼は、ウェイトの耐食性や耐粒界腐食性を向上できる。さらに、銅を含有するステンレス鋼は、冷間加工性が向上するので、同一の加工率に対する透磁率の増大を低く抑えられるとともに、耐硫性も向上するので、温泉地などの硫黄成分の多い所での使用に適している。したがって、上記の各種ステンレス鋼は、カーテン用ウェイトの用途、すなわち、カーテンの使用場所などによって、適宜、使い分ければよい。
【0035】本発明の請求項4に記載のカーテン用ウェイトの製造方法は、加工によって透磁率が1.01μを超えたステンレス鋼製カーテン用ウェイトを、焼き鈍しによって透磁率を1.01μ以下に低減することを特徴とするものである。
【0036】上記のカーテン用ウェイトの製造方法によれば、いったん切断やプレスなどの加工により透磁率が1.01μを超えたステンレス鋼であっても、焼き鈍しによって、加工時に生じた組織の変化が復元されて、透磁率を1.01μ以下に低減できるので、加工前のステンレス鋼の選択範囲が広がり、上記の窒素、モリブデンおよび銅などを含有するステンレス鋼や、高ニッケルステンレス鋼などの高価なステンレス鋼を採用しないで、安価なステンレス鋼を採用できる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明のカーテン用ウェイトの実施形態に係るウェイトテープと、その製造方法例について、図1〜図7を参照して説明する。
【0038】図1は本発明の実施形態に係るウェイトテープ1の拡大断面図を示す。図1において、2は非磁性ステンレス鋼製、または加工率20%時の磁化率が1.01μ以下のステンレス鋼製、または焼き鈍しによって透磁率が1.01μ以下に低減されたステンレス鋼製ペレットで、図2(A)に示すように、中心軸xが一直線状の直円柱形状で、かつ、その両端部が垂直面2a,2bに形成されている。このステンレス鋼製ペレット2は布製などの柔軟性チュ−ブ3内に所定ピッチ間隔で収納されている。
【0039】図3(A)(B)は、上記のステンレス鋼製ペレット2の製造方法について説明する工程図である。すなわち、図3(A)に示すように、適当な直径のステンレス鋼線材20を用意し、このステンレス鋼線材20を適当な長さに切断して、図2(A)に示すような、ステンレス鋼製ペレット2を製造する。この切断は、従来のような上歯と下歯を有する押し切り型の切断具を使用しないで、例えば、鋸を使用する。実際には、ステンレス鋼線材20を1本ずつ切断しないで、多数のステンレス鋼線材20を束ねて、一括して同時に切断することが望ましい。このような鋸による切断では、加工硬化はほとんど生じず、したがって、加工による透磁率の増大を無視できる。
【0040】また、押し切り型の切断具を使用する場合は、図3(A)に示すように、適当な直径寸法のステンレス鋼線材20を用意し、このステンレス鋼線材20を1本ずつ押し切り型の切断具で適当な長さに切断して、図3(B)に示すような、ステンレス鋼製ペレット2’を製造する。
【0041】前述のように、このステンレス鋼線材20の切断時の加工率はほぼ20%程度であり、また、透磁率が1.01μを超えると着磁性を帯びるので、ステンレス鋼線材20の材質として、非磁性ステンレス鋼またはこの切断による加工率ほぼ20%時の透磁率が1.01μ以下となるステンレス鋼線材20を採用する。
【0042】このようなステンレス鋼は、窒素,モリブデンおよび銅の群の中から選択された1種または2種以上を含むステンレス鋼によって実現される。具体的には、日本工業規格のSUS303A,SUS303Cu,SUS304N1,SUS304N2,SUS304LN,SUS304J3,SUS305,SUS305J1,SUS309S,SUS310S,SUS316,SUS316F,SUS316L,SUS316N,SUS316LN,SUS316J1,SUS316J1L,SUS317,SUS317L,SUS317J1,SUSXM7の群の中から選択することによって得られる。
【0043】なお、SUS303AはJISにはないが、SUS303の炭素(C)を0.15%以下から0.08%以下に低減し、マンガン(Mn)を0.20%から0.25%に増大するとともに、モリブデン(Mo)を0.06%以下および銅(Cu)を1.00〜4.00%添加したものである。
【0044】また、上記のようなステンレス鋼は、オーステナイト相が安定な高ニッケルステンレス鋼であってもよい。本発明において「高ニッケル」なる用語は、ニッケルの含有量が11%以上のものを意味する。
【0045】このような高ニッケルステンレス鋼は、SUS305,SUS305J1,SUS309S,SUS310Sの中から選択することによって得られる。
【0046】表1に、上記の各種ステンレス鋼の化学組成を示し、図4に代表的なステンレス鋼の加工率と磁化率・透磁率の関係図を示す。なお、表1および図4においては、上記のステンレス鋼以外に、比較例として、窒素、モリブデン、銅を含まないSUS304のニッケル(Ni)成分を、JISの範囲内(8.00〜10.50%)で変化させた、SUS304H(Ni:8.00〜9.00%),SUS304M(Ni:9.00〜10.00%),SUS304S(Ni:10.00〜10.50%)を併せて示している。
【0047】
【表1】

【0048】この表1および図4から明らかなように、比較例である窒素、モリブデン、銅のいずれも含まないSUS304(SUS304H,SUS304M,SUS304S)は、いずれも加工率20%時の透磁率が1.01μを超えているのに対して、窒素(N)を0.10〜0.35%含むSUS304N1およびNSS21−10Mや、モリブデン(Mo)を2.00〜3.00%含むSUS316や、銅を1.00〜3.00%含むSUS304J3においては、いずれも加工率20%時の透磁率が1.01μを下回っている。
【0049】このステンレス鋼線材20を押し切り型の切断具で切断した状態のステンレス鋼製ペレット2’は、上記の鋸による切断と異なり、一部を歯で切り込むとともに、残部を歯の押圧力で破断することによって切断するものであるため、若干中心軸が曲がっている可能性が高く、かつ、その両端部は、図3(B)に示すように、切断面および破断面からなる異形状2a’,2b’をしている。
【0050】そのため、このステンレス鋼製ペレット2’を柔軟性チューブ3内に収容してウェイトテープを製作する際のステンレス鋼製ペレット2’の柔軟性チューブ3内への収納作業、およびこのウェイトテープをカーテンの裾部に縫い込んだ後に、柔軟性チューブ3から3〜4個のステンレス鋼製ペレット2’を抜き取って、柔軟性チューブ3をカーテン地とともに折り返して縫製する、始末作業時のステンレス鋼製ペレット2’の柔軟性チューブ3からの抜き取り作業は、図9に示す従来のウェイトテープ60と同様に、異形状2a’,2b’部分が柔軟性チューブ3の内面に引っ掛かるため困難である。そこで、図3(B)のステンレス鋼製ペレット2’の整形を行なう。
【0051】このステンレス鋼製ペレット2’の整形には2種類ある。すなわち、第1の整形は、切断によってステンレス鋼製ペレット2’の中心軸が曲がっているのを真っ直ぐにする軸心整形である。第2の整形は、ステンレス鋼製ペレット2’の両端部を、例えば、垂直面にする両端部整形である。
【0052】図5は、上記第1の軸心整形を行なう整形機40であって、定盤41および往復動盤42で構成されており、定盤41の上に多数のステンレス鋼製ペレット2’を横倒し状に並べて、その上から往復動盤42を適当な押圧力で押し当てて往復動作させることによって、定盤41および往復動盤42の間でステンレス鋼製ペレット2’を転動させて、その中心軸xを真っ直ぐに整形するものである。
【0053】図6(A)は、上記第2の整形を行なう両端部整形機50の一部を断面で示した正面図であり、下研削盤51および上研削盤52で構成されている。図6(B)は上研削盤52を除いた平面図である。前述のようにして、中心軸xが一直線状に整形されたステンレス鋼製ペレット2’は、多数を倒立状にしてバインド線53によって括られている。なお、上記バインド線53に代えて、粘着テープを用いてもよいし、あるいは、各ステンレス鋼製ペレット2’,2’間をワックスなどの接着剤で一時的に結合してもよい。あるいは、多数のステンレス鋼製ペレット2’を円筒状などの枠内に詰め込んでもよい。
【0054】このステンレス鋼製ペレット2’をその両端部を上下にして、下研削盤51と上研削盤52との間に挟み込み、下研削盤51と上研削盤52とを互いに押圧力を加えながら逆方向に回転させる。すると、各ステンレス鋼製ペレット2’の両端部が下研削盤51と上研削盤52とによって研削されて、前述の図2(A)に示すように、垂直面2a,2bに形成される。
【0055】ステンレス鋼製ペレット2は、従来の鉛製ペレットに比較して毒性がなく、ステンレス鋼製ペレット2の製造工程での保険衛生上の問題点がないのみならず、使用後にステンレス鋼製ペレット2が万一廃棄された場合でも、環境に悪影響を与えることがなく、環境保護にもなる。
【0056】また、ステンレス鋼製ペレット2を柔軟性チューブ3内に収容する際には、ステンレス鋼製ペレット2の中心軸xが真っ直ぐであり、かつ、図3(B)に示すような異形部2a’,2b’が無いので、極めて容易に収納することができ、ウェイトテープ1の製造時間が著しく短縮できる。
【0057】さらに、ステンレス鋼製ペレット2を柔軟性チューブ3内に収容したウェイトテープ1をカーテンの裾部に縫い込んだ後に、柔軟性チューブ3内から3〜4個のステンレス鋼製ペレット2を抜き取る作業も、前記同様に、ステンレス鋼製ペレット2の中心軸xが真っ直ぐであり、かつ、図3(B)に示すような異形部2a’,2b’が無いので、極めて容易に行なうことができ、始末作業時間を著しく短縮できる。
【0058】さらにまた、ステンレス鋼製ペレット2を柔軟性チューブ3内に収容したウェイトテープ1をカーテンの裾部に縫い込んでカーテンを完成した後に、磁気センサによって縫い針の残留検査を実施しても、ステンレス鋼製ペレット2の磁性が小さいために、磁気センサが誤動作することがない。
【0059】図7は上記のウェイトテープ1を取り付けたレースカーテン10の斜視図である。このウェイトテープ1を使用したレースカーテン10では、その裾部10aが優美なウェーブを描いており、レースカーテン10本来の優美な雰囲気が確保されている。
【0060】この理由は、前述のように、ステンレス鋼製ペレット2の中心軸xが真っ直ぐな直円柱形状で、かつ、その両端部が垂直面2a,2bに形成されているため、このステンレス鋼製ペレット2を収納したウェイトテープ1にあっても、ステンレス鋼製ペレット2が一直線状に並び、ウェイトテープ1として、長さ方向と直交するあらゆる方向に対して、均等な屈曲性を有するため、レースカーテン10のウェイトとして用いた場合に、レースカーテン10のウェ−ブに沿って自然な屈曲をするためである。
【0061】このようなウェイトテープ1は、従来のような見苦しい不自然な曲がりが生じないので、図8に示すように、巻取り具30に巻き取った場合でも、ウェイトテープ1の曲がりがなく一直線状になり、隣接するウェイトテープ1,1間の間隔寸法が一定になる。しかも、隣接するウェイトテープ1,1相互間でステンレス鋼製ペレット2,2のピッチ間隔の乱れも生じないので、美観が増し商取引上の商品価値が飛躍的に向上する。
【0062】なお、ステンレス鋼製ペレット2は、その両端部を図2(A)に示すように、垂直面2a,2bに形成する場合のみならず、図2(B)に示すように、半球面2c,2dに形成してもよい。このような半球面2c,2dは、前記図5に示す整形機40によるステンレス鋼製ペレット2’の整形後、図示しないバレル研磨機のバレル内に多数のステンレス鋼製ペレット2’を収容してバレルを回転させて、ステンレス鋼製ペレット2’,2’同士の共磨り、またはステンレス鋼製ペレット2’とともに適当な研磨剤を混入して研磨することによって、容易に形成することができる。
【0063】また、図示を省略するが、ステンレス鋼製ペレット2の両端部は、上記の垂直面状および半球面状に限られるものではなく、各種の対称形状にすることができる。例えば、図2(A)の両端部が垂直面2a,2b状のステンレス鋼製ペレット2’に短時間のバレル研磨を施すことによって、垂直面2a,2bの角部に面取りを形成することができる。あるいは、テーパ状、台形状、砲弾形状など、任意の対称形状になし得るものである。
【0064】さらに、上記実施形態は、カーテン用ウェイトテープについて説明したが、本発明はこのカーテン用ウェイトテープに限定されるものではなく、カーテン裾部の両側に縫い込む各種カーテン用ウェイトなどにも適用できるものである。
【0065】
【発明の効果】本発明のカーテン用ウェイトは、カーテンに取り付けられるウェイトにおいて、前記ウェイトが、透磁率が1.01μ以下のステンレス鋼製であることを特徴とするものであるから、従来の鉛製ウェイトに比較して、毒性がないため製造過程での衛生上の問題点がないのみならず、万一、廃棄されても環境汚染の問題点がない。しかも、このカーテン用ウェイトをカーテン生地に縫い込んだ後で、磁気センサによって縫い針の残留検査を実施しても、磁気センサがステンレス鋼製ペレットに反応して誤動作することがない。
【出願人】 【識別番号】500540121
【氏名又は名称】株式会社イマイ
【住所又は居所】愛知県名古屋市西区枇杷島5丁目16番3号
【出願日】 平成13年12月14日(2001.12.14)
【代理人】 【識別番号】100064584
【弁理士】
【氏名又は名称】江原 省吾 (外3名)
【公開番号】 特開2003−180510(P2003−180510A)
【公開日】 平成15年7月2日(2003.7.2)
【出願番号】 特願2001−382014(P2001−382014)