| 【発明の名称】 |
イオン食器 |
| 【発明者】 |
【氏名】各務 嘉矩 【住所又は居所】岐阜県土岐市下石町994番地の1 美濃顔料化学株式会社内
【氏名】各務 真一 【住所又は居所】岐阜県土岐市下石町994番地の1 美濃顔料化学株式会社内
【氏名】各務 修吉 【住所又は居所】岐阜県土岐市下石町994番地の1 美濃顔料化学株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】イオン食器において飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口や手に直接触れる部分が放射線量が高くならないこと。
【解決手段】イオン食器1は、茶碗である。この茶碗1は、素地2の全体に通常の(モナザイトなしの)釉薬3を釉掛けし、さらにその上から茶碗1の上縁を除いた内面にモナザイト入りの釉薬4を釉掛けして焼成したものである。モナザイトから放出される放射線にはマイナスイオン生成能力があるので、茶碗1の中に入れられた飲料・料理にはマイナスイオン効果が現れる。一方、茶碗1の縁と外面にはモナザイトなしの釉薬が塗布されているので手や口には放射線を浴びることなく、人体にとって安全なイオン食器となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して素焼き前または素焼きした後に、釉薬を全面に浸し掛けし乾燥した後、前記食器の内面にモナザイトを含む釉薬を重ね塗りし、乾燥後焼成したことを特徴とするイオン食器。 【請求項2】 長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して素焼き前または素焼きした後に、釉薬を全面に浸し掛けし乾燥した後、前記食器の内面の縁から30ミリメートル程度の範囲内を除いて、モナザイトを含む釉薬を重ね塗りし、乾燥後焼成したことを特徴とするイオン食器。 【請求項3】 長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して素焼き前または素焼きした後に、釉薬を全面に浸し掛けし乾燥した後、前記食器の縁の内面に撥水剤を塗布し、前記食器の内面にモナザイトを含む釉薬を重ね塗りし、乾燥後焼成したことを特徴とするイオン食器。 【請求項4】 前記食器の縁の内面に撥水剤を塗布する範囲は、前記食器の内面の縁から30ミリメートル程度の範囲内としたことを特徴とする請求項3に記載のイオン食器。 【請求項5】 長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して締焼きした後、締焼き素地に施釉する際に、内面にはモナザイトを含む釉薬、外面及び縁にはモナザイトを含まない釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したことを特徴とするイオン食器。 【請求項6】 長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して締焼きした後、締焼き素地に施釉する際に、前記食器の内面の縁から30ミリメートル程度の範囲内を除く内面にはモナザイトを含む釉薬、外面及び縁にはモナザイトを含まない釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したことを特徴とするイオン食器。 【請求項7】 前記モナザイトを含む釉薬の焼成後の表面放射線量は自然放射能を含めて0.2マイクロシーベルト/時以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載のイオン食器。 【請求項8】 長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して締焼きした後、締焼き素地に施釉する際に、低濃度のモナザイトを含む釉薬または低濃度のモナザイトを含むフリット質釉薬を全面に釉掛けし、さらに縁及び外面にはモナザイトを含まない釉薬またはモナザイトを含まないフリット質釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したことを特徴とするイオン食器。 【請求項9】 長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して締焼きした後、締焼き素地に施釉する際に、低濃度のモナザイトを含む釉薬または低濃度のモナザイトを含むフリット質釉薬を全面に釉掛けし、前記食器の縁から30ミリメートル程度の範囲内の内面及び外面にはモナザイトを含まない釉薬またはモナザイトを含まないフリット質釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したことを特徴とするイオン食器。 【請求項10】 前記モナザイトを含む釉薬の焼成後の表面放射線量は自然放射能を除いて0.12マイクロシーベルト/時以下であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載のイオン食器。 【請求項11】 前記モナザイトを含む釉薬に混合するイオン源セラミックスは、モナザイト精鉱石以外にモナザイトと他の材料との複合品も含まれる請求項1乃至請求項10のいずれか1つに記載のイオン食器。 【請求項12】 市販陶芸用坏土で作製した食器成形体を乾燥後素焼きした素焼き食器成形体に長石約80〜95重量%、粘土及び/またはカオリン約3〜20重量%、モナザイト約0.2〜5重量%の割合で作ったモナザイト入り志野釉薬を全体に釉掛けし、乾燥後食器の縁の内面と外面にほぼ一定の幅で長石約80〜98重量%、粘土及び/またはカオリン約2〜20重量%の割合で作ったモナザイトなしの志野釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したことを特徴とするイオン食器。 【請求項13】 市販陶芸用坏土で作製した食器成形体を乾燥後素焼きした素焼き食器成形体に長石約80〜95重量%、粘土及び/またはカオリン約3〜20重量%、モナザイト約0.2〜5重量%の割合で作ったモナザイト入り志野釉薬を全体に釉掛けし、乾燥後食器の縁から30ミリメートル程度の範囲内の内面及び外面には長石約80〜98重量%、粘土及び/またはカオリン約2〜20重量%の割合で作ったモナザイトなしの志野釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したことを特徴とするイオン食器。 【請求項14】 市販陶芸用坏土で作製した食器成形体を乾燥後素焼きする前または素焼きした後に前記食器成形体の内面に縁から30ミリメートル程度の範囲内を除いて、モナザイト約0.2〜5重量%を含む化粧坏土または有色化粧坏土を塗り、乾燥後全面に長石約80〜98重量%、粘土及び/またはカオリン約2〜20重量%の割合で作ったモナザイトなしの志野釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したことを特徴とするイオン食器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、人が日常生活に使用する食器類に水のイオン化機能を保持させるようにしたイオン食器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】この約10年間に、世間ではマイナスイオンブームが起こり、様々な商品にイオン効果を保持させようとする傾向があり、最も身近なマイナスイオン源として、自然放射性元素を含む鉱物の利用が行なわれている。この分野に関連する先行技術文献としては、特開平3−205778号公報に記載された、モナズ石と粘土を混合し、焼成したセラミックス破砕片を通した水を用いる飲料水製造方法の発明があり、また本出願人による特許出願にかかる特開平9−208292号公報に開示された、モナザイトと遠赤外線放射材料を混合微粉化し陶土をバインダーとして焼成したセラミックス成形物からなる常温遠赤外線放射体の発明が知られている。さらに、陶器に関しては、特開2001−191318号公報に記載された、素焼き前や素焼き素地の表面に釉薬をかけて焼成する前にマイナスイオン生成物質が付着されて本焼きする方法によるマイナスイオン生成イオン製品の発明等がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、最近のマイナスイオンブームに乗じた一連のイオン製品はその発生機構を曖昧にし、その利用方法も適正を欠き、効果も過大視されている傾向がある。食器類の場合においても、前記特開2001−191318号公報に記載されているように、イオンの効果は殆ど気体イオンの効果を引用して列挙し説明されており、食器の本質に基づくものではない。食器の場合には、湯呑に注がれたお茶、茶碗の米飯、汁、煮物、皿のスープ等、いずれの食物も水を介しての水イオンの作用が進行しているのが普通で、皮膚、呼吸で享受する空気イオンの作用とは異なる。 【0004】食器の場合は、食器と飲料・料理の内蔵時間(30分程度か)に作られる水イオン((+)イオン、(−)イオン、ラジカル等)と食器の内容物の蛋白質、脂肪、炭水化物等との反応が重要になるが、この点を考慮して作製されたイオン食器は未だない。さらに、放射性物質を添加している物である以上、極微量の規制値以下の放射線量であっても、口や手に直接触れる食器の部分については放射線量を最小限に抑えるべきであるが、かかる配慮がなされたイオン食器はこれまでになかった。 【0005】そこで、本発明においては、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口や手に直接触れる食器の部分に対して放射線量が高くならないような配慮を施したイオン食器の提供を課題としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかるイオン食器は、長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して素焼き前または素焼きした後に、釉薬を全面に浸し掛けし乾燥した後、前記食器の内面にモナザイトを含む釉薬を重ね塗りし、乾燥後焼成したものである。 【0007】ここで、イオン源天然鉱石としてモナザイトを選んだのは、天然ウランと天然トリウムのうち、放射能の強いウラン(U)の含有量が少なくトリウム(Th)の含有量が多く適切な放射能が得られるからである。モナザイトの組成は、ThO2 6%,U3 O8 0.3%,(RE)2 O3 60%,P2 O5 28%,その他(SiO2 ,CaO,Fe2 O3 ,TiO2 ,等)5.7%である。なお、「RE」は「希土類元素」の略である。モナザイトからは、α線、β線、γ線の各放射線が放射されるが、このうちイオン化能力が最も大きいのはα線であり、γ線と比較するとイオン化能力は約400倍、エネルギーは約20倍である。参考までに、γ線とα線を水に放射した場合にできるイオンの種類と個数を表1に示す。 【0008】 【表1】
このように、α線は大きなイオン化能力を有する。その反面、飛程が約3cmと短いが、イオン食器としての用途を考えれば、イオン化対象物はイオン食器にほぼ密着しているので飛程の短さは問題にならない。そして、釉薬中にモナザイトを混合して食器の内面にのみ重ね塗りしていることから、モナザイトが均一に塗布されるとともに、イオン化能力が不要な食器の縁及び外面にはモナザイトが塗布されないため、手や口には放射能が及ばず、人体に安全なイオン化食器となる。また、1250℃程度以下で釉焼きされた釉薬は普通のガラスのように完全に溶けていないので、目に見えない程度の夥しい気孔を一面に含有している。水分子は、この釉薬中の気孔を通って浸透し拡散して釉薬中のモナザイト中のトリウム原子からのα線を受けて、H2 O+ とe- (電子)にイオン化する。 【0009】イオン食器による生成水イオンの最大の効果として期待されるものは、このマイナスイオンの水和電子(e-aq )の働きで、これが口から喉、食道、胃を通って腸に達する過程で、接触する細胞に微弱な電子の流れを与える作用がある。細胞には細胞膜があり、膜の内外でK+ とNa+,Mg++の交換移動が起こり、細胞膜に一定の膜電位が生じている(標準で−70mV)。この膜電位に関係しているのが自律神経系で、飲食する水分中のマイナスイオンの流れ(微電流)が消化器系の細胞に、空気中の電子が皮膚表面、呼吸器管等の細胞に、それぞれ微弱電流を与え膜電位の変化の調整にあずかることにより、両者相俟って全身の自律神経の安定を図っているものと思われる。 【0010】ここで、マイナスイオンの流れの供給源としてイオン食器を用いることにより、一般に人は3度3度規則正しく食事をするものであるので、これによって摂取する1日のイオンの飲用量が恒常的に得られるという利点がある。 【0011】このようにして、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口や手に直接触れる食器の部分に対して放射線量が高くならない配慮を施したイオン食器となる。 【0012】請求項2の発明にかかるイオン食器は、長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して素焼き前または素焼きした後に、釉薬を全面に浸し掛けし乾燥した後、前記食器の内面の縁から30ミリメートル程度の範囲内を除いて、モナザイトを含む釉薬を重ね塗りし、乾燥後焼成したものである。 【0013】このように、食器の内面の縁から30ミリメートル程度の範囲内と食器の外面にモナザイトを含む釉薬を塗布しなければ、食事をする際や食器を洗う際に口や手に放射線を浴びる恐れはなく、安全な食器となる。 【0014】このようにして、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口や手が直接触れる食器の部分について放射線が照射されない配慮を施したイオン食器となる。 【0015】請求項3の発明にかかるイオン食器は、長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して素焼き前または素焼きした後に、釉薬を全面に浸し掛けし乾燥した後、前記食器の縁の内面に撥水剤を塗布し、前記食器の内面にモナザイトを含む釉薬を重ね塗りし、乾燥後焼成したものである。 【0016】食器の内面の縁を除く下の部分のみにモナザイトを含む釉薬を塗布するのは高度な技術を必要とし、モナザイトを含む釉薬が内面の縁に付いてしまう恐れもある。そこで、食器の縁の内面に撥水剤を塗布しておけば、モナザイトを含む釉薬を誤って内面の縁に付けてしまっても撥水剤ではじかれてこの部分に付着することはない。 【0017】このようにして、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口や手に直接触れる食器の部分に対して放射線量が高くならないような配慮を施したイオン食器をより確実に作製することができる。 【0018】請求項4の発明にかかるイオン食器は、請求項3の構成において、前記食器の縁の内面に撥水剤を塗布する範囲は、前記食器の内面の縁から30ミリメートル程度の範囲内としたものである。 【0019】このように、食器の内面の縁から30ミリメートル程度の範囲内に撥水剤を塗布しておけば、この範囲内に誤ってモナザイトを含む釉薬が塗布されても、撥水剤ではじかれてこの部分に付着することはなく、したがって、食器の内面の縁から30ミリメートル程度の範囲内と食器の外面にはモナザイトを含む釉薬が塗布されることはなく、食事をする際や食器を洗う際に口や手に放射線を浴びる恐れはなく、安全な食器となる。 【0020】このようにして、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口や手が直接触れる食器の部分について放射線が照射されない配慮を施したイオン食器となる。 【0021】請求項5の発明にかかるイオン食器は、長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して締焼きした後、締焼き素地に施釉する際に、内面にはモナザイトを含む釉薬、外面及び縁にはモナザイトを含まない釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したものである。 【0022】このように、本発明にかかるイオン食器は、請求項1,2にかかる食器のようにまず全体に普通の釉薬をかけるということをしないで、締焼き素地に直接、内面にはモナザイトを含む釉薬、外面及び縁にはモナザイトを含まない釉薬を釉掛けしている。これによって、モナザイトを含まない釉薬を節約することができ、低コスト化を図ることができるイオン食器となる。 【0023】請求項6の発明にかかるイオン食器は、長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して締焼きした後、締焼き素地に施釉する際に、前記食器の内面の縁から30ミリメートル程度の範囲内を除く内面にはモナザイトを含む釉薬、外面及び縁にはモナザイトを含まない釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したものである。 【0024】これによって、食器の内面の縁から30ミリメートル程度の範囲内と食器の外面にはモナザイトを含む釉薬が塗布されることはなく、食事をする際や食器を洗う際に口や手に放射線を浴びる恐れはなく、安全な食器となる。 【0025】このようにして、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口や手が直接触れる食器の部分について放射線が照射されない配慮を施したイオン食器となる。 【0026】請求項7の発明にかかるイオン食器は、請求項1乃至請求項6のいずれか1つの構成において、前記モナザイトを含む釉薬の焼成後の表面放射線量は自然放射能を含めて0.2マイクロシーベルト/時以下であるものである。 【0027】表面放射線量が自然放射能を含めて0.2マイクロシーベルト/時以下である製品は、放射線規制の規制値以下であり、何の制約も受けずに自由に流通させることができる。そこで、放射線の発生源であるモナザイトを含む釉薬の焼成後の表面放射線量を自然放射能を含めて0.2マイクロシーベルト/時以下に抑えることによって、一般市場で自由に売買できるイオン食器となる。 【0028】請求項8の発明にかかるイオン食器は、長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して締焼きした後、締焼き素地に施釉する際に、低濃度のモナザイトを含む釉薬または低濃度のモナザイトを含むフリット質釉薬を全面に釉掛けし、さらに縁及び外面にはモナザイトを含まない釉薬またはモナザイトを含まないフリット質釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したものである。 【0029】これによって、α線は紙一枚でも遮蔽できる程度の強度であるから、極少量の放射線が出る口や手に直接触れる食器の部分も放射能のない釉薬でカバーされて、放射線の中のα線が殆ど出なくなる。一方、食器の内面はカバーされていないので低濃度のモナザイトから放射される少量の放射線によって、イオン食器の内面に入れられた飲料・料理には、少ないながらも水分を介してマイナスイオンの効果が付与される。 【0030】このようにして、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口や手に直接触れる食器の部分に対して放射線量がさらに低くなるような配慮を施したイオン食器となる。 【0031】請求項9の発明にかかるイオン食器は、長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して締焼きした後、締焼き素地に施釉する際に、低濃度のモナザイトを含む釉薬または低濃度のモナザイトを含むフリット質釉薬を全面に釉掛けし、前記食器の縁から30ミリメートル程度の範囲内の内面及び外面にはモナザイトを含まない釉薬またはモナザイトを含まないフリット質釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したものである。 【0032】これによって、食器の縁から30ミリメートル程度の範囲内の内面及び外面は放射能のない釉薬でカバーされて、放射線の中のα線が殆ど出なくなり、食事をする際や食器を洗う際に口や手に放射線を浴びる危険がなく、安全な食器となる。一方、食器の内面の縁から30ミリメートル程度より内側の部分はカバーされていないので低濃度のモナザイトから放射される少量の放射線によって、イオン食器の内面に入れられた飲料・料理には、少ないながらも水分を介してマイナスイオンの効果が付与される。 【0033】このようにして、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口や手が直接触れる食器の部分について放射線が照射されない配慮を施したイオン食器となる。 【0034】請求項10の発明にかかるイオン食器は、請求項8または請求項9の構成において、前記モナザイトを含む釉薬の焼成後の表面放射線量は自然放射能を除いて0.12マイクロシーベルト/時以下であるものである。 【0035】これによって、放射される放射線も規制値を下回る放射線量であり、その上を更に遮蔽されるので、口や手が直接触れても殆ど影響はない。一方、イオン食器の内面に入れられた飲料・料理には、少ないながらも水分を介してマイナスイオンの効果が付与される。 【0036】このようにして、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口や手に直接触れる食器の部分に対して放射線量が低くなるような配慮を施したイオン食器となる。 【0037】請求項11の発明にかかるイオン食器は、請求項1乃至請求項10のいずれか1つの構成において、前記モナザイトを含む釉薬に混合するイオン源セラミックスは、モナザイト精鉱石以外にモナザイトと他の材料との複合品も含まれるものである。 【0038】モナザイトを含む釉薬に混合するイオン源セラミックスとしては、純粋なモナザイト精鉱石である必要はなく、モナザイトと他の材料との複合品であっても同様の割合で放射線を出し、水をイオン化する機能を有する。したがって、モナザイトと他の材料との複合品を含む釉薬を塗布して焼成した食器であっても、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できる。 【0039】請求項12の発明にかかるイオン食器は、市販陶芸用坏土で作製した食器成形体を乾燥後素焼きした素焼き食器成形体に長石約80〜95重量%、粘土及び/またはカオリン約3〜20重量%、モナザイト約0.2〜5重量%の割合で作ったモナザイト入り志野釉薬を全体に釉掛けし、乾燥後食器の縁の内面と外面にほぼ一定の幅で長石約80〜98重量%、粘土及び/またはカオリン約2〜20重量%の割合で作ったモナザイトなしの志野釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したものである。 【0040】このように、岐阜県東濃地方特有の志野釉薬にモナザイトを混入して素焼き食器成形体に釉掛けすることによって、志野釉薬独特の外観を有するイオン食器を作製することができる。さらに、食器の縁の内面と外面にほぼ一定の幅でモナザイトなしの志野釉薬を釉掛けすることによって、口をつける部分の放射線をカットすることができ、より人体に安全なイオン食器となる。 【0041】このようにして、志野釉薬独特の外観を有する食器において、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口に直接触れる食器の部分に対して放射線量が高くならない配慮を施したイオン食器となる。 【0042】請求項13の発明にかかるイオン食器は、市販陶芸用坏土で作製した食器成形体を乾燥後素焼きした素焼き食器成形体に長石約80〜95重量%、粘土及び/またはカオリン約3〜20重量%、モナザイト約0.2〜5重量%の割合で作ったモナザイト入り志野釉薬を全体に釉掛けし、乾燥後食器の縁から30ミリメートル程度の範囲内の内面及び外面には長石約80〜98重量%、粘土及び/またはカオリン約2〜20重量%の割合で作ったモナザイトなしの志野釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したものである。 【0043】これによって、食器の縁から30ミリメートル程度の範囲内の内面及び外面にモナザイトなしの志野釉薬を釉掛けすることによって、口をつける部分の放射線をカットすることができ、より人体に安全なイオン食器となる。 【0044】このようにして、志野釉薬独特の外観を有する食器において、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口に直接触れる食器の部分に対して放射線量が高くならない配慮を施したイオン食器となる。 【0045】請求項14の発明にかかるイオン食器は、市販陶芸用坏土で作製した食器成形体を乾燥後素焼きする前または素焼きした後に前記食器成形体の内面に縁から30ミリメートル程度の範囲内を除いて、モナザイト約0.2〜5重量%を含む化粧坏土または有色化粧坏土を塗り、乾燥後全面に長石約80〜98重量%、粘土及び/またはカオリン約2〜20重量%の割合で作ったモナザイトなしの志野釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したものである。 【0046】この志野釉薬は焼成するとひび割れや貫入が入り易いように調製してあるので、モナザイトを含む化粧坏土または有色化粧坏土を塗った内面の部分からは、これらのひび割れや貫入を通して放射線が放射され、食器内の飲料・料理等にマイナスイオン効果を付与することができる。また、これらの化粧坏土または有色化粧坏土は食器内面の端から30ミリメートル程度の範囲内を除いて塗られているので、食事をする際や食器を洗う際に口や手に放射線を浴びる危険がなく、安全な食器となる。さらに、化粧坏土または有色化粧坏土及び志野釉薬の独特の外観を呈する意匠性に富んだ食器となる。 【0047】 【発明の実施の形態】以下、本発明のイオン食器を具体的な実施の形態に基づいて説明する。 【0048】実施の形態1まず、本発明の実施の形態1にかかるイオン食器について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかるイオン食器の全体構成を示す縦断面図である。 【0049】図1に示されるように、本実施の形態1にかかるイオン食器1は、茶碗である。この茶碗1は、素地2の全体に通常の(モナザイトなしの)釉薬3を釉掛けし、さらにその上から茶碗1の上縁を除いた内面にモナザイト入りの釉薬4を釉掛けして焼成したものである。 【0050】茶碗1の作製方法について、さらに詳しく説明する。素地2は、長石50,カオリン30,粘土20の割合で調合した混合品100kgを、アルミナボール200kg,水100lとともに300kgボールミルに入れ、24時間粉砕し、小型フィルタープレスで濾過し、含水率25%の坏土を得た。含水坏土から機械ろくろと茶碗形石膏型を用いて茶碗用素地を作り、100℃で乾燥し、700℃前後で素焼きした。 【0051】次に、2種類の釉薬を作製した。内面用モナザイト入り釉薬4は、長石65,珪石10,カオリン5,タルク3,ドロマイト12,石灰石6,亜鉛華5+モナザイト2(予め混合),の割合の混合物50kgを粉砕用ボール100kgと水50lとともに100kgボールミルに入れ、6時間粉砕することによって作製した。全面用通常釉薬3は、長石65,珪石10,カオリン5,タルク3,ドロマイト12,石灰石6,亜鉛華5の、モナザイトを除いた以外は同じ配合の混合物を粉砕用ボール100kgと水50lとともに100kgボールミルに入れ、6時間粉砕することによって作製した。 【0052】続いて、全面用通常釉薬3を満たした釉薬槽の中へ前記素焼き体を鋏で挟んで浸し、素地2の吸水性を利用して一様の厚さに薄く釉層を浸し掛け法で全体に施釉し乾燥した。さらに、上縁より30ミリメートル程度の内面から内底にかけて内面用モナザイト入り釉薬4を吹き掛け法により、0.3〜0.5mmの仕上がり厚さに均一に釉掛けし乾燥した。そして、温度1250℃で30時間酸化焼成し、茶碗1を仕上げた。 【0053】できあがった茶碗について、放射線の表面線量と内部に水を入れたときの縁の高さの内面のマイナスイオンを測定した。結果は以下の通りであった。 【0054】 内面底表面線量 0.20マイクロシーベルト/時外面中央表面線量 0.08マイクロシーベルト/時マイナスイオン濃度 1200個/cc【0055】このように、内面用モナザイト入り釉薬4を釉掛けした内面の表面線量は0.20マイクロシーベルト/時と高くなり、モナザイト入り釉薬4を用いた効果が現れている。そして、茶碗1に水を満たしたときに生成されるマイナスイオンは1200個/ccであり、茶碗1に飲料・料理を入れたときに十分なマイナスイオン効果が得られることが分かる。また、外面中央表面線量が0.08マイクロシーベルト/時と極低いことから、内面用モナザイト入り釉薬4の掛かっていない外面及び上縁より30ミリメートル程度の内面は放射線が自然放射線レベルで、茶碗1の使用時に人体特に口や手が直接触れる部分の放射能が低く抑えられて安全であることが分かる。 【0056】なお、内面用モナザイト入り釉薬4を吹き掛け法により、上縁より30ミリメートル程度の内面から内底にかけて釉掛けする際に、上縁より30ミリメートル程度の内面内に誤って内面用モナザイト入り釉薬4が付いてしまう可能性がある。そこで、吹き掛け法を実施する前に上縁より30ミリメートル程度の内面に撥水剤を塗布しておくと良い。これによって、上縁より30ミリメートル程度の内面内に釉薬4が誤って吹き掛けられても撥水剤によってはじかれてしまい付着しないので、確実に上縁より30ミリメートル程度の内面内の放射能レベルを低く保つことができる。 【0057】実施の形態2次に、本発明の実施の形態2について、図2を参照して説明する。図2は、本発明の実施の形態2にかかるイオン食器の全体構成を示す縦断面図である。 【0058】図2に示されるように、このイオン食器6は皿である。この皿6は素地7の上面の縁を除く部分にモナザイト入り釉薬9を塗布し、上面の縁と下面にモナザイトなし釉薬8を塗布して釉焼して仕上げたものである。 【0059】皿6の作製方法について、さらに詳しく説明する。SiO2 71,Al2 O323,Fe2 O3 0.6,CaO1.5,MgO0.2,K2 O2.0,Na2O1.0の組成からなる素地100kgを、粉砕用アルミナボール200kg,水100lを加え200kgボールミルで20時間粉砕後、坏土スラリーを作り、皿型流し込み石膏型に流し込み、30分静置して生素地体を作り、乾燥後、焼成温度1250℃で締焼きを行って直径15cmの皿の締焼体を作った。釉薬は、無鉛フリット40,長石30,珪石5,カオリン5,石灰石12,タルク5,亜鉛華3の混合物50kgを、100kgボールミル中で玉石100kg,水50lを加え6時間粉砕し、モナザイトなし釉薬8のスラリーを得た。さらに、モナザイト入り釉薬9として、モナザイトなし釉薬8の配合にモナザイト微粉砕品3.0を追加し、混合物を100kgボールミル中で玉石100kg,水50lを加え6時間粉砕し、モナザイト入り釉薬9のスラリーを得た。 【0060】なお、使用した無鉛フリットは、珪石55%,長石22%,硼砂12%,ソーダ灰12%を耐火粘土製の坩堝に入れ、これをフリット窯に入れ熔かし、1400℃になりガラス状態になったら窯の火を止め、坩堝を抜き出し冷水中に落として急冷し、20メッシュ以下に粉砕しボールミルで12時間粉砕したものである。 【0061】施釉は、皿6の上面にモナザイト入り釉薬9を0.5〜1.0mmに塗布し、皿6の縁から30ミリメートル程度までの範囲及び下面にモナザイトなし釉薬8を塗布し乾燥後、900℃で10時間釉焼を行って皿6を仕上げた。仕上げた皿6の上下面の表面線量及びマイナスイオン濃度測定値を次に示した。 【0062】 表面線量 マイナスイオン濃度 上面 0.18マイクロシーベルト/時 1350個/cc 下面 0.07マイクロシーベルト/時 256個/cc【0063】なお、モナザイト入り釉薬9の塗布厚さによって表面線量及びマイナスイオン濃度は変化する。一例を表2に示す。 【0064】 【表2】
【0065】実施の形態3次に、本発明の実施の形態3について、図3を参照して説明する。図3は、本発明の実施の形態3にかかるイオン食器の全体構成を示す縦断面図である。 【0066】図3に示されるように、このイオン食器11はコーヒーカップである。このコーヒーカップ11は、長石50,カオリン30,粘土20の割合で作ったコーヒーカップの成形体の乾燥物を釉掛けせずに生素地のまま、焼成温度1250℃で30時間焼成し、無釉素地を得た。コーヒーカップ焼成素地12の外面及び及び内面に塗付する釉薬として、SiO2 55%,B2 O3 17%,Al2 O3 12%,CaO10.5%,MgO0.5%,K2 O5%,Na2 O5%の組成からなる市販無鉛フリット80%と、珪石5%、長石4%、カオリン8%、粘土3%の混合物を材料にして、実施の形態2と同様にしてモナザイトなし釉薬13とモナザイト入り釉薬14を50kgずつ調整した。 【0067】コーヒーカップ11の外面及び縁より30ミリメートル程度下った内面までの部分にはモナザイトなし釉薬13を塗布し、内面から内底の部分にはモナザイト入り釉薬14を塗布し、乾燥後1000℃で10時間釉焼きして仕上げた。仕上げたコーヒーカップ11の内外面の表面線量及びマイナスイオン濃度測定値を次に示した。 【0068】 表面線量 マイナスイオン濃度 内面 0.15マイクロシーベルト/時 1150個/cc 外面 0.07マイクロシーベルト/時 250個/cc【0069】このように、モナザイト入り釉薬14によるマイナスイオン生成効果が明らかになった。また、外面及び縁から30ミリメートル程度下った内面まではモナザイトなし釉薬13を塗布してあるので、コーヒーカップ11の使用時、即ちコーヒー等の飲料を入れて飲むとき及びコーヒーカップ11を洗うとき等に、人体特にコーヒーカップ11に直接接触する手や口に対して安全なコーヒーカップ11となる。 【0070】実施の形態4次に、本発明の実施の形態4について、図4を参照して説明する。図4は、本発明の実施の形態4にかかるイオン食器の全体構成を示す縦断面図である。 【0071】図4に示されるように、このイオン食器16は抹茶茶碗である。この抹茶茶碗16は、市販陶芸用坏土で作製した抹茶茶碗成形体を乾燥後素焼きした素焼き抹茶茶碗成形体17に長石95重量%、粘土3重量%、モナザイト2重量%の割合で作ったモナザイト入り志野釉薬19を全体に釉掛けし、乾燥後食器の縁の内面と外面に30ミリメートル程度の幅で長石96重量%、粘土4重量%の割合で作ったモナザイトなしの志野釉薬18を釉掛けし、乾燥後、還元炎で1230℃において48時間焼成したものである。 【0072】このように、岐阜県東濃地方特有の志野釉薬にモナザイトを混入して素焼き抹茶茶碗成形体17に釉掛けすることによって、志野釉薬独特の外観を有する抹茶茶碗16を作製することができる。さらに、抹茶茶碗16の縁の内面と外面に約30ミリメートルの幅でモナザイトなしの志野釉薬18を釉掛けすることによって、口をつける部分の放射線をカットすることができ、より人体に安全な抹茶茶碗16となる。各部分の放射表面線量と内面のマイナスイオン濃度の測定値を以下に示す。 【0073】 口元表面線量 0.07マイクロシーベルト/時 内面底表面線量 0.11マイクロシーベルト/時 外面中央表面線量 0.09マイクロシーベルト/時 マイナスイオン濃度 1130個/cc ブランク 350個/cc【0074】このようにして、志野釉薬独特の外観を有する食器において、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口に直接触れる食器の部分に対して放射線量が高くならない配慮を施したイオン食器となる。 【0075】実施の形態5次に、本発明の実施の形態5について、図5を参照して説明する。図5は、本発明の実施の形態5にかかるイオン食器の全体構成を示す縦断面図である。 【0076】図5に示されるように、このイオン食器21は抹茶茶碗である。この抹茶茶碗21は、市販陶芸用坏土で作製した抹茶茶碗成形体を乾燥後素焼きした素焼き抹茶茶碗成形体22の内面に縁から30ミリメートル程度の範囲を除いて、モナザイトを含む化粧坏土23を塗り、乾燥後長石96重量%、粘土4重量%の割合で作ったモナザイトなしの志野釉薬24を内外全面に塗布する。そして、乾燥後、還元炎で1230℃において48時間焼成したものである。 【0077】この志野釉薬24は焼成するとひび割れや貫入が入り易いように調製されているので、モナザイトを含む化粧坏土23(または有色化粧坏土でも良い)を塗った内面の部分からは、これらのひび割れや貫入を通して放射線が放射され、抹茶茶碗21内の飲料等にマイナスイオン効果を付与することができる。また、これらの化粧坏土23(または有色化粧坏土)は抹茶茶碗21内面の端から30ミリメートル程度の範囲内を除いて塗られているので、食事をする際や食器を洗う際に口や手に放射線を浴びる危険がなく、安全な抹茶茶碗21となる。さらに、化粧坏土23(または有色化粧坏土)及び志野釉薬24の独特の外観を呈する意匠性に富んだ抹茶茶碗21となる。 【0078】上記各実施の形態においては、モナザイトを含まない釉薬を施釉する範囲を食器の縁から30ミリメートル程度としているが、食器の種類や用途等に応じて、これより広い範囲でも狭い範囲でも良い。 【0079】また、上記各実施の形態においては、モナザイトを含む釉薬を作る際にモナザイト精鉱石を添加しているが、純水なモナザイト精鉱石でなくてもモナザイトと他の材料との複合品を添加しても良い。例えば、特許第3085182号発明のモナザイトとジルコンの焼結体やモナザイトと天然鉱石化学品等の混合品もある。 【0080】また、上記各実施の形態においては、口や手が触れる部分にはモナザイトを含まない釉薬を釉掛けして放射線量を抑えているが、その代わりに低濃度のモナザイトを含む釉薬をイオン食器の全面に釉掛けするようにしても良い。 【0081】イオン食器のその他の部分の構成、形状、数量、材質、大きさ、接続関係等についても、上記各実施の形態に限定されるものではない。 【0082】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明にかかるイオン食器は、長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して素焼き前または素焼きした後に、釉薬を全面に浸し掛けし乾燥した後、前記食器の内面にモナザイトを含む釉薬を重ね塗りし、乾燥後焼成したものである。 【0083】ここで、イオン源天然鉱石としてモナザイトを選んだのは、天然ウランと天然トリウムのうち、放射能の強いウラン(U)の含有量が少なくトリウム(Th)の含有量が多く適切な放射能が得られるからである。モナザイトの組成は、ThO2 6%,U3 O8 0.3%,(RE)2 O3 60%,P2 O5 28%,その他(SiO2 ,CaO,Fe2 O3 ,TiO2 ,等)5.7%である。モナザイトからは、α線、β線、γ線の各放射線が放射されるが、このうちイオン化能力が最も大きいのはα線であり、γ線と比較するとイオン化能力は約400倍、エネルギーは約20倍である。 【0084】このように、α線は大きなイオン化能力を有する。その反面、飛程が約3cmと短いが、イオン食器としての用途を考えれば、イオン化対象物はイオン食器にほぼ密着しているので飛程の短さは問題にならない。そして、釉薬中にモナザイトを混合して食器の内面にのみ重ね塗りしていることから、モナザイトが均一に塗布されるとともに、イオン化能力が不要な食器の縁及び外面にはモナザイトが塗布されないため、手や口には放射能が及ばず、人体に安全なイオン化食器となる。また、1250℃程度以下で釉焼きされた釉薬は普通のガラスのように完全に溶けていないので、目に見えない程度の夥しい気孔を一面に含有している。水分子は、この釉薬中の気孔を通って浸透し拡散して釉薬中のモナザイト中のトリウム原子からのα線を受けて、H2 O+ とe- (電子)にイオン化する。 【0085】イオン食器による生成水イオンの最大の効果として期待されるものは、このマイナスイオンの水和電子(e-aq )の働きで、これが口から喉、食道、胃を通って腸に達する過程で、接触する細胞に微弱な電子の流れを与える作用がある。細胞には細胞膜があり、膜の内外でK+ とNa+,Mg++の交換移動が起こり、細胞膜に一定の膜電位が生じている(標準で−70mV)。この膜電位に関係しているのが自律神経系で、飲食する水分中のマイナスイオンの流れ(微電流)が消化器系の細胞に、空気中の電子が皮膚表面、呼吸器管等の細胞に、それぞれ微弱電流を与え膜電位の変化の調整にあずかることにより、両者相俟って全身の自律神経の安定を図っているものと思われる。 【0086】ここで、マイナスイオンの流れの供給源としてイオン食器を用いることにより、一般に人は3度3度規則正しく食事をするものであるので、これによって摂取する1日のイオンの飲用量が恒常的に得られるという利点がある。 【0087】このようにして、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口や手に直接触れる食器の部分に対して放射線量が高くならない配慮を施したイオン食器となる。 【0088】請求項2の発明にかかるイオン食器は、長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して素焼き前または素焼きした後に、釉薬を全面に浸し掛けし乾燥した後、前記食器の内面の縁から30ミリメートル程度の範囲内を除いて、モナザイトを含む釉薬を重ね塗りし、乾燥後焼成したものである。 【0089】このように、食器の内面の縁から30ミリメートル程度の範囲内と食器の外面にモナザイトを含む釉薬を塗布しなければ、食事をする際や食器を洗う際に口や手に放射線を浴びる恐れはなく、安全な食器となる。 【0090】このようにして、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口や手が直接触れる食器の部分について放射線が照射されない配慮を施したイオン食器となる。 【0091】請求項3の発明にかかるイオン食器は、長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して素焼き前または素焼きした後に、釉薬を全面に浸し掛けし乾燥した後、前記食器の縁の内面に撥水剤を塗布し、前記食器の内面にモナザイトを含む釉薬を重ね塗りし、乾燥後焼成したものである。 【0092】食器の内面の縁を除く下の部分のみにモナザイトを含む釉薬を塗布するのは高度な技術を必要とし、モナザイトを含む釉薬が内面の縁に付いてしまう恐れもある。そこで、食器の縁の内面に撥水剤を塗布しておけば、モナザイトを含む釉薬を誤って内面の縁に付けてしまっても撥水剤ではじかれてこの部分に付着することはない。 【0093】このようにして、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口や手に直接触れる食器の部分に対して放射線量が高くならないような配慮を施したイオン食器をより確実に作製することができる。 【0094】請求項4の発明にかかるイオン食器は、請求項3の構成において、前記食器の縁の内面に撥水剤を塗布する範囲は、前記食器の内面の縁から30ミリメートル程度の範囲内としたものである。 【0095】このように、食器の内面の縁から30ミリメートル程度の範囲内に撥水剤を塗布しておけば、この範囲内に誤ってモナザイトを含む釉薬が塗布されても、撥水剤ではじかれてこの部分に付着することはなく、したがって、食器の内面の縁から30ミリメートル程度の範囲内と食器の外面にはモナザイトを含む釉薬が塗布されることはなく、食事をする際や食器を洗う際に口や手に放射線を浴びる恐れはなく、安全な食器となる。 【0096】このようにして、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口や手が直接触れる食器の部分について放射線が照射されない配慮を施したイオン食器となる。 【0097】請求項5の発明にかかるイオン食器は、長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して締焼きした後、締焼き素地に施釉する際に、内面にはモナザイトを含む釉薬、外面及び縁にはモナザイトを含まない釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したものである。 【0098】このように、本発明にかかるイオン食器は、請求項1,2にかかる食器のようにまず全体に普通の釉薬をかけるということをしないで、締焼き素地に直接、内面にはモナザイトを含む釉薬、外面及び縁にはモナザイトを含まない釉薬を釉掛けしている。これによって、モナザイトを含まない釉薬を節約することができ、低コスト化を図ることができるイオン食器となる。 【0099】請求項6の発明にかかるイオン食器は、長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して締焼きした後、締焼き素地に施釉する際に、前記食器の内面の縁から30ミリメートル程度の範囲内を除く内面にはモナザイトを含む釉薬、外面及び縁にはモナザイトを含まない釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したものである。 【0100】これによって、食器の内面の縁から30ミリメートル程度の範囲内と食器の外面にはモナザイトを含む釉薬が塗布されることはなく、食事をする際や食器を洗う際に口や手に放射線を浴びる恐れはなく、安全な食器となる。 【0101】このようにして、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口や手が直接触れる食器の部分について放射線が照射されない配慮を施したイオン食器となる。 【0102】請求項7の発明にかかるイオン食器は、請求項1乃至請求項6のいずれか1つの構成において、前記モナザイトを含む釉薬の焼成後の表面放射線量は自然放射能を含めて0.2マイクロシーベルト/時以下であるものである。 【0103】表面放射線量が自然放射能を含めて0.2マイクロシーベルト/時以下である製品は、放射線規制の規制値以下であり、何の制約も受けずに自由に流通させることができる。そこで、放射線の発生源であるモナザイトを含む釉薬の焼成後の表面放射線量を自然放射能を含めて0.2マイクロシーベルト/時以下に抑えることによって、一般市場で自由に売買できるイオン食器となる。 【0104】請求項8の発明にかかるイオン食器は、長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して締焼きした後、締焼き素地に施釉する際に、低濃度のモナザイトを含む釉薬または低濃度のモナザイトを含むフリット質釉薬を全面に釉掛けし、さらに縁及び外面にはモナザイトを含まない釉薬またはモナザイトを含まないフリット質釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したものである。 【0105】これによって、極少量の放射線が出る口や手に直接触れる食器の部分も放射能のない釉薬でカバーされて、放射線の中のα線が殆ど出なくなる。一方、食器の内面はカバーされていないので低濃度のモナザイトから放射される少量の放射線によって、イオン食器の内面に入れられた飲料・料理には、少ないながらも水分を介してマイナスイオンの効果が付与される。 【0106】このようにして、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口や手に直接触れる食器の部分に対して放射線量がさらに低くなるような配慮を施したイオン食器となる。 【0107】請求項9の発明にかかるイオン食器は、長石、カオリン、粘土を主成分とする坏土を食器に成形して締焼きした後、締焼き素地に施釉する際に、低濃度のモナザイトを含む釉薬または低濃度のモナザイトを含むフリット質釉薬を全面に釉掛けし、前記食器の縁から30ミリメートル程度の範囲内の内面及び外面にはモナザイトを含まない釉薬またはモナザイトを含まないフリット質釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したものである。 【0108】これによって、食器の縁から30ミリメートル程度の範囲内の内面及び外面は放射能のない釉薬でカバーされて、放射線の中のα線が殆ど出なくなり、食事をする際や食器を洗う際に口や手に放射線を浴びる量は極度に少なくなり、安全な食器となる。一方、食器の内面の縁から30ミリメートル程度より内側の部分はカバーされていないので低濃度のモナザイトから放射される少量の放射線によって、イオン食器の内面に入れられた飲料・料理には、少ないながらも水分を介してマイナスイオンの効果が付与される。 【0109】このようにして、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口や手が直接触れる食器の部分について放射線が照射されない配慮を施したイオン食器となる。 【0110】請求項10の発明にかかるイオン食器は、請求項8または請求項9の構成において、前記モナザイトを含む釉薬の焼成後の表面放射線量は自然放射能を除いて0.12マイクロシーベルト/時以下であるものである。 【0111】これによって、放射される放射線も規制値を下回る放射線量で管理され、その上をモナザイトの含まれない釉薬で被われているので、口や手が直接触れても殆ど影響はない。一方、イオン食器の内面に入れられた飲料・料理には、少ないながらも水分を介してマイナスイオンの効果が付与される。 【0112】このようにして、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口や手に直接触れる食器の部分に対して放射線量が低くなるような配慮を施したイオン食器となる。 【0113】請求項11の発明にかかるイオン食器は、請求項1乃至請求項10のいずれか1つの構成において、前記モナザイトを含む釉薬に混合するイオン源セラミックスは、モナザイト精鉱石以外にモナザイトと他の材料との複合品も含まれるものである。 【0114】モナザイトを含む釉薬に混合するイオン源セラミックスとしては、純粋なモナザイト精鉱石である必要はなく、モナザイトと他の材料との複合品であっても同様の割合で放射線を出し、水をイオン化する機能を有する。したがって、モナザイトと他の材料との複合品を含む釉薬を塗布して焼成した食器であっても、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できる。 【0115】請求項12の発明にかかるイオン食器は、市販陶芸用坏土で作製した食器成形体を乾燥後素焼きした素焼き食器成形体に長石約80〜95重量%、粘土及び/またはカオリン約3〜20重量%、モナザイト約0.2〜5重量%の割合で作ったモナザイト入り志野釉薬を全体に釉掛けし、乾燥後食器の縁の内面と外面にほぼ一定の幅で長石約80〜98重量%、粘土及び/またはカオリン約2〜20重量%の割合で作ったモナザイトなしの志野釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したものである。 【0116】このように、岐阜県東濃地方特有の志野釉薬にモナザイトを混入して素焼き食器成形体に釉掛けすることによって、志野釉薬独特の外観を有するイオン食器を作製することができる。さらに、食器の縁の内面と外面にほぼ一定の幅でモナザイトなしの志野釉薬を釉掛けすることによって、口をつける部分の放射線をカットすることができ、より人体に安全なイオン食器となる。 【0117】このようにして、志野釉薬独特の外観を有する食器において、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口に直接触れる食器の部分に対して放射線量が高くならない配慮を施したイオン食器となる。 【0118】請求項13の発明にかかるイオン食器は、市販陶芸用坏土で作製した食器成形体を乾燥後素焼きした素焼き食器成形体に長石約80〜95重量%、粘土及び/またはカオリン約3〜20重量%、モナザイト約0.2〜5重量%の割合で作ったモナザイト入り志野釉薬を全体に釉掛けし、乾燥後食器の縁から30ミリメートル程度の範囲内の内面及び外面には長石約80〜98重量%、粘土及び/またはカオリン約2〜20重量%の割合で作ったモナザイトなしの志野釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したものである。 【0119】これによって、食器の縁から30ミリメートル程度の範囲内の内面及び外面にモナザイトなしの志野釉薬を釉掛けすることによって、口をつける部分の放射線をカットすることができ、より人体に安全なイオン食器となる。 【0120】このようにして、志野釉薬独特の外観を有する食器において、中に入れる飲料・料理に効果的にマイナスイオン効果を付与できるとともに、口に直接触れる食器の部分に対して放射線量が高くならない配慮を施したイオン食器となる。 【0121】請求項14の発明にかかるイオン食器は、市販陶芸用坏土で作製した食器成形体を乾燥後素焼きする前または素焼きした後に前記食器成形体の内面に縁から30ミリメートル程度の範囲内を除いて、モナザイト約0.2〜5重量%を含む化粧坏土または有色化粧坏土を塗り、乾燥後全面に長石約80〜98重量%、粘土及び/またはカオリン約2〜20重量%の割合で作ったモナザイトなしの志野釉薬を釉掛けし、乾燥後焼成したものである。 【0122】この志野釉薬は焼成するとひび割れや貫入が入り易いように調製してあるので、モナザイトを含む化粧坏土または有色化粧坏土を塗った内面の部分からは、これらのひび割れや貫入を通して放射線が放射され、食器内の飲料・料理等にマイナスイオン効果を付与することができる。また、これらの化粧坏土または有色化粧坏土は食器内面の端から30ミリメートル程度の範囲内を除いて塗られているので、食事をする際や食器を洗う際に口や手に放射線を浴びる危険がなく、安全な食器となる。さらに、化粧坏土または有色化粧坏土及び志野釉薬の独特の外観を呈する意匠性に富んだ食器となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592196617 【氏名又は名称】美濃顔料化学株式会社 【住所又は居所】岐阜県土岐市下石町994番地の1
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| 【出願日】 |
平成14年5月9日(2002.5.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089738 【弁理士】 【氏名又は名称】樋口 武尚
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| 【公開番号】 |
特開2003−325299(P2003−325299A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月18日(2003.11.18) |
| 【出願番号】 |
特願2002−134452(P2002−134452) |
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