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【発明の名称】 押しピン式吊り下げ用具、及び、押しピン式吊り下げ用具の結束手段と分散手段を具備した器具。
【発明者】 【氏名】酒井 正雄

【要約】 【課題】柱や壁への固定手段が押しピンである押しピン式吊り下げ用具の、吊り下げる力を強めると共に取り付け取り外しを容易にした、単純な構造の押しピン式吊り下げ用具を提供する。

【解決手段】吊り下げ部を有し、取り付け先への固定手段が複数の押しピンである吊り下げ用具に於いて、押しピンの押し刺し及び抜き取り作業のそれぞれにおいて必要な力を分散することの出来る分散手段を有し、使用時には複数の押しピンの吊り下げる力を結束する結束手段を有する押しピン式吊り下げ用具を供する。前記結束手段を、押しピンが頭部で複数連結する、押しピン頭部が嵌合し合う、複数の押しピンの頭部に掛着部が掛着することとし、分散手段を基盤が湾曲するか折り曲げ可能なものとする、押しピンを複数に分けて押し刺しする、押しピンを抜き取るための抜き取り補助部を設けることとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の押しピンによる設置個所への固定手段と、複数の押しピンの吊り下げる力を一つに結束する結束手段と、取り付け作業及び取り外し作業に必要な力を分散させて行うことの出来る分散手段、及び、結束部の下方にものを掛けて吊り下げることの出来る吊り下げ部を有することを特徴とする、押しピン式吊り下げ用具。
【請求項2】 前記結束手段および分散手段を、押しピンの頭部に設けた手前方向に曲折可能な接続部によって押しピンと押しピンが複数連結した基盤を有することとし、複数の押しピンが連結することにより吊り下げる力を結束し、前記基盤を折り曲げながら取り付け取り外しの作業を行うことにより、作業に必要な力を分散させることを特徴とする、請求項1に記載した押しピン式吊り下げ用具。
【請求項3】 前記結束手段および分散手段を、押しピンと押しピンが頭部で複数連結してなる手前方向に湾曲可能な基盤を有することとし、複数の押しピンが連結することにより吊り下げる力を結束し、前記基盤を湾曲させながら取り付け取り外しを行うことにより、作業に必要な力を分散させることを特徴とする請求項1に記載した押しピン式吊り下げ用具。
【請求項4】 前記湾曲可能な基盤が周縁に於いて複数に分割された板状体であり、分割された板状体に針を植えて押しピンとし、複数の押しピンが連結することにより吊り下げる力を結束し、前記基盤を湾曲させながら取り付け取り外しを行うことにより、作業に必要な力を分散させることを特徴とする請求項3に記載した押しピン式吊り下げ用具。
【請求項5】 前記結束手段を、押しピンに設けた頭部の嵌合部によって、押しピンと押しピンが嵌合し合い複数連結して基盤を形成し、吊り下げる力を一つに結束すると共に、分散手段を上記嵌合部に於いて基盤を押しピンごとに分割し、分割された押しピンの一つずつに対して取り付け作業及び取り外し作業を行って、取り付け作業及び取り外し作業に必要な力を押しピンの一つずつに分散させることを特徴とする請求項1に記載した押しピン式吊り下げ用具。
【請求項6】 前記結束手段を、複数の掛着部が結束部によって連結された基盤を有し、設置個所に押し刺された複数の押しピンに、前記掛着部が同時に掛着することとし、前記分散手段を複数の押しピンを分離可能に押し刺して、押しピンの一つずつに対して取り付け作業及び取り外し作業を行い、取り付け作業及び取り外し作業に必要な力を押しピンの一つずつに分散させることを特徴とする請求項1に記載した押しピン式吊り下げ用具。
【請求項7】 前記基盤が枠状体であり、枠内部に複数の押しピンを配し、設置個所に集合して押し刺された複数の押しピンに前記枠状体が掛着することを前記結束手段とし、前記分散手段を複数の押しピンを分離可能に押し刺して、押しピンの一つずつに対して取り付け作業及び取り外し作業を行い、取り付け作業及び取り外し作業に必要な力を押しピンの一つずつに分散させることを特徴とする請求項7に記載した押しピン式吊り下げ用具。
【請求項8】 前記結束手段を、吊り下げ部を有する一つの基盤に複数の押しピンを押し刺して吊り下げる力を結束させることとし、前記分散手段を押しピンを抜き取るための抜き取り補助部を基盤上に設け、抜き取り補助部を引っ張ることで取り外し作業に必要な力を押しピンの一つずつに分散させることを特徴とする請求項1に記載した押しピン式吊り下げ用具。
【請求項9】 複数の押しピンによる設置個所への固定手段と、複数の押しピンの吊り下げる力を一つに結束する結束手段と、取り付け作業及び取り外し作業に必要な力を分散させて行うことの出来る分散手段、及び、結束部の下方に壁や柱に取り付けて使用する様々な器具を取り付けてなる押しピンを取り付け手段とする請求項1.2.3.4.5.6.7及び8に記載した押しピン式吊り下げ用具の結束手段と分散手段を具備した器具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】柱や壁への固定手段が押しピンである押しピン式吊り下げ用具の、物を吊り下げる力を強めると共に、取り付け取り外しが容易に出来るようにした押しピン式吊り下げ用具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、壁や柱が変色したり痛むことを恐れ、木ねじや粘着物によって固定するタイプの吊り下げ用具、及び、木ねじや粘着物によって壁や柱に取り付けて使用する器具の使用を禁じているアパート等が多い。傷跡が目立たないという理由で画鋲の使用のみがかろうじて許されているというケースも多く、住居者は大変な不便を強いられてきた。柱などに取り付ける吊り下げ用具が押しピンによって取り付けるタイプであった場合、掛け得る重量には自ずと限度が生ずる。少しでも頑丈な物にしようとしてピンを太めに製造した物もあるが、ピンが釘のようになって傷跡を大きくすると共に設置にも大きな力が必要であり、容易には取り付けることの出来ない物になってしまっている。
【0003】実開平7ー44483に示された考案では複数個の針体を係設してなる針植込み型ピンフックを供することにより上記課題の解決を図ろうとしているが、ピンを太くする代わりにピンを複数に分割して細くしても、ピンを取り付け対象物に刺すための力は軽減できない。一本のピンと、長さ及び体積の合計が等しい複数本に分割されたピンでは、複数本に分けられた方が表面積が増える。その分、押し刺し作業時あるいは抜き取り作業時の摩擦抵抗が増え、そのために必要な力も大きなって、作業を困難にする。 【0004】上記、課題を解決する発明として特開平11−76041がある。カバー部に立設した枠部の外面に設けた押圧可能な凹陥部にピンの頭部を受けて押し込み及び引き抜き用の手段として、独立したピンによりフック部を備えた基部を固定する。前記、特開平11−76041に示された発明では固定手段が複数のピンであるため、全体をコンパクトでスマートな形状に形成可能であるが、一般的な押しピンと比較して構造が複雑となり、ピンの押し込みあるいは引き抜きの作業も複雑となる。簡単な構造で取り付け取り外しの作業が単純で簡便な、押しピン式吊り下げ用具が望まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】柱や壁への固定手段が押しピンである押しピン式吊り下げ用具の吊り下げる力を強めると共に、取り付け取り外しが容易である単純な構造の押しピン式吊り下げ用具を提供すること。
【0006】
【課題を解決するための手段】複数の押しピンによる設置個所への固定手段と、複数の押しピンの吊り下げる力を一つに結束する結束手段と、取り付け作業及び取り外し作業に必要な力を分散させて行うことの出来る分散手段、及び、結束部の下方にものを掛けて吊り下げることの出来る吊り下げ部を有することを特徴とする、押しピン式吊り下げ用具を供する。
【0007】前記結束手段および分散手段を、押しピンの頭部に設けた手前方向に曲折可能な接続部によって押しピンと押しピンが複数連結した基盤を有することとし、複数の押しピンが連結することにより吊り下げる力を結束し、前記基盤を折り曲げながら取り付け取り外しの作業を行うことにより、作業に必要な力を分散させることを特徴とする押しピン式吊り下げ用具を供する。
【0008】前記結束手段および分散手段を、押しピンと押しピンが頭部で複数連結してなる手前方向に湾曲可能な基盤を有することとし、複数の押しピンが連結することにより吊り下げる力を結束し、前記基盤を湾曲させながら取り付け取り外しを行うことにより、作業に必要な力を分散させることを特徴とする押しピン式吊り下げ用具を供する。
【0009】前記湾曲可能な基盤が周縁に於いて複数に分割された板状体であり、分割された板状体に針を植えて押しピンとし、複数の押しピンが連結することにより吊り下げる力を結束し、前記基盤を湾曲させながら取り付け取り外しを行うことにより、作業に必要な力を分散させることを特徴とする押しピン式吊り下げ用具を供する。
【0010】前記結束手段を、押しピンに設けた頭部の嵌合部によって、押しピンと押しピンが嵌合し合い複数連結して基盤を形成し、吊り下げる力を一つに結束すると共に、分散手段を上記嵌合部に於いて基盤を押しピンごとに分割し、分割された押しピンの一つずつに対して取り付け作業及び取り外し作業を行って、取り付け作業及び取り外し作業に必要な力を押しピンの一つずつに分散させることを特徴とする押しピン式吊り下げ用具を供する。
【0011】前記結束手段を、複数の掛着部が結束部によって連結された基盤を有し、設置個所に押し刺された複数の押しピンに、前記掛着部が同時に掛着することとし、前記分散手段を複数の押しピンを分離可能に押し刺して、押しピンの一つずつに対して取り付け作業及び取り外し作業を行い、取り付け作業及び取り外し作業に必要な力を押しピンの一つずつに分散させることを特徴とする押しピン式吊り下げ用具を供する。
【0012】前記基盤が枠状体であり、枠内部に複数の押しピンを配し、設置個所に集合して押し刺された複数の押しピンに前記枠状体が掛着することを前記結束手段とし、前記分散手段を複数の押しピンを分離可能に押し刺して、押しピンの一つずつに対して取り付け作業及び取り外し作業を行い、取り付け作業及び取り外し作業に必要な力を押しピンの一つずつに分散させることを特徴とする押しピン式吊り下げ用具を供する。
【0013】前記結束手段を、吊り下げ部を有する一つの基盤に複数の押しピンを押し刺して吊り下げる力を結束させることとし、前記分散手段を押しピンを抜き取るための抜き取り補助部を基盤上に設け、抜き取り補助部を引っ張ることで取り外し作業に必要な力を押しピンの一つずつに分散させることを特徴とする押しピン式吊り下げ用具を供する。
【0014】複数の押しピンによる設置個所への固定手段と、複数の押しピンの吊り下げる力を一つに結束する結束手段と、取り付け作業及び取り外し作業に必要な力を分散させて行うことの出来る分散手段、及び、結束部の下方に壁や柱に取り付けて使用する様々な器具を取り付けてなる押しピン式吊り下げ用具の結束手段と分散手段を具備した器具を供する。
【0015】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態について図を用いて説明する。図1は実施例1の一部断面を含む斜視図である。複数個の分散する固定部1のそれぞれから下方に伸びた紐状体2が結束部3によって結束され、結束部3の下方に吊り下げ部4が下垂する。取り付け手段は壁や柱等の取り付け対象物に固定部1をあてがい、その上から押しピン5を押し刺すこととする。結束手段を、押しピン5のそれぞれが有する吊り下げる力を、ひも状体2を通し結束部3に伝えて結束することとする。
【0016】取り付け時に於ける分散手段は、押しピンの一つごとに押し刺すことであり、取り外し時の分散手段は、紐状体2を一本ずつ引っ張ることにより、抜き取り作業に必要な力を押しピン5の一つごとに分散するものとする。紐状体2それぞれの長さを変えておくと、吊り下げ部4あるいは結束部3を握って手前方向に引っ張ることにより、抜き取るための力は紐状体2の短いものから順にそれぞれの押しピン5に伝えられ、次々と押しピン5を抜くことが出来る。つまり、抜き取り作業に必要な力を押しピン5の一本ごとに分散できる。
【0017】固定部1には段差6を設けることにより、吊り下げ部4にかかる力を押しピン5の針7で受け止めるのではなく、頭部8の側面で受け止められるようにする。本実施例の変形として、固定部1を筒状にして押しピン5の頭部8に嵌合するか、掛着することが可能である。紐状体2を帯状のものに置き換えることや、柔軟な板に切れ込みを入れて手のひら状とし、指先に当たる部分を固定部1として押しピン5を押し刺しても同様の効果を得ることが出来る。
【0018】図2は、押しピンB5bが、頭部8に設けた手前方向に曲折可能な接続部9によって複数個連結することにより、基盤10を形成した実施例2の一部断面を含む斜視図であり、その内、A図は表側から見た斜視図である。接続部9で区切られた一つずつの押しピンB5bは頭部8と針7より構成される。押しピンB5bが連結し、手前方向に向かって曲折することが本実施例の条件であり、平面的な形状は問わない。基盤10の下方に結束部B3b及び吊り下げ部4が下垂して形成される。本実施例では頭部8の断面が台形をなしているが、半円形や蒲鉾型など、頭部8を押し易く、接続部9の曲折を妨げないものであれば形状を問わない。
【0019】図Bは実施例2を裏側から見た斜視図である。基盤10の裏面11は平坦であり、針7がやや下方に向かって突出している。取り付け手段は押しピンB5bを押し刺すことであり、最初に最下部の押しピン5Xを取り付け場所に押し刺して設置し、順次隣接する次の押しピンB5bを設置する。壁や柱に向かって針7の先端を突き刺し、頭部8を押して押しピンB5bを取り付け対象物に押し刺す。分散手段は接続部9に於いて基盤10が折れ曲がることによって、押し刺し、及び取り外しの作業が押しピン5Bごとに分散して出来ることであり、押し込み中である押しピンB5bの一つ上に位置する押しピンB5bは接続部9で折れ曲がり、押し刺すための力を受けない。
【0020】残りの押しピンB5bは押し込み中の押しピンB5bが十分押し込まれた後に押し刺す作業の対象とされる。針7が僅かに下方を向いていることにより、押しピンB5bを押し刺す作業が、接続部9を軸にして弧を描く運動であることに対応でき、無理なくピンを押し刺すことが出来る。針7が長い直線である場合には、針7の形状と押し込まれた針7の軌跡が一致せずに無理が生じるため、針7を弧型に合わせて形成する必要がある。
【0021】頭部8に配する針7の数は1本が望ましいが、針7の長さが短い場合や針と針が離れている場合、又は、針の太さが極めて細い場合等の条件下では、2本程度の複数にすることも可能である。結束手段は押しピンB5b接続部9によって連結していることであり、押しピンB5bがすべて押し込まれて設置が完了した段階では、使用されている複数の押しピンB5bのそれぞれが持っている吊り下げる力が、上部より順に次々と結束され、最終的には結束部B3bにおいて一つに結束される。
【0022】図3は実施例3を側面から見た断面図である。基盤B10bは柔軟な素材12によって形成され、押しピンC5cが複数連続したものであって、裏面11には針7が複数、突出している。結束手段は押しピンC5cが複数連結していることであり、吊り下げる力は上部の押しピンC5cより順に次々と結束され、最終的には結束部C3cにおいて一つに結束される。裏面11は引っ張り強度の高い補強材13によって補強され、前面14は溝15が刻まれるか凹凸を有し、手前方向に湾曲することを容易にしている。
【0023】柔軟な素材12が極めて柔軟性に富んでいる場合には溝15を必要とせず、柔軟な素材12の引っ張り強度が高い場合には補強材13を必要とせずに溝15の彫り込みを深くする必要が生じる。本実施例のように基盤が角をなして折れ曲がるのではなく、基盤B10b全体が湾曲する場合であっても実施例2とほぼ同様の結果が得られる。この場合、基盤B10bの湾曲の程度にもよるが、押しピンC5cを押し刺す作業及び抜き取る作業において、必要な力を完全には針7の一本ずつに分散することができず、二本の針7を交互に少しずつ押し刺すという作業が必要になる。
【0024】抜き取る作業に当たっては基盤B10bの上部に設けたつまみ部16に指をかけて引っ張ることにより、容易に抜き取ることが出来る。抜き取りに必要な力は基盤の局部に分散され、針7が上部から順に抜き取られる。実施例2に於いてもつまみ部16を設置することが可能で、その場合、同様の効果が得られる。基盤B10bを複数個並べて設置し、下部に於いて結合させ、設置した基盤B10bの数とは異なる数の吊り下げ部4を形成することが可能である。同様にこのことが実施例2に於いて可能である。
【0025】図4は実施例4の一部断面を含む斜視図である。実施例4は実施例1と実施例3の特性を併せ持つものであり、実施例1に於ける紐状体2は加飾された板状体17に替わり、固定部1及び押しピン5は、前記板状体17の先端部とそこに植えられた針7によって形成される押しピンD5dに置き換えられる。板状体17は実施例3に於ける柔軟な素材12によって形成され、中央で連結し基盤C10cを形成する。押しピンD5dの吊り下げる力は板状体17の中央で結束され、板中央が結束部D3dとなる。押しピンD5dを抜き取る作業は板状体17の裏に指を入れ一枚ごとにめくるように抜き取り、押しピンD5dの一つごとに分散して行う。板状体7は様々に加飾することが可能であり、幾何学模様などと共に花びらや木の葉、あるいは蛸の足等自然物を模した加飾も可能である。
【0026】図5は、実施例5を裏側から見た斜視図である。複数の押しピンE5eの頭部8が頭部8に並設された嵌合部18で他の押しピンの頭部8と嵌合し、次々と連結することを結束手段とし、連結することで基盤D10dを形成する。それぞれの押しピンE5eが持つ吊り下げる力は押しピンE5eの上部より順に次々と結束され、最終的には結束部E3eにおいて一つに結束される。最下部の押し押しピン5Xには吊り下げ部4が下垂して形成される。取り付け作業は、最下部の押し押しピン5Xを取り付け対象物に押しさして、後に、次々と上方に向かって残りの押し押しピンE5eを押し刺しながら連結していくため、作業が容易である。取り付け作業時時及び取り外し作業時には、その作業が押し押しピンE5eの一つごとに分散して行われる。
【0027】図6は、実施例6の斜視図である。結束部F3fは基盤E10e中央を縦断して下垂する棒あるいは板状であって、結束部F3fより複数の掛着部19が横方向に突出して基盤E10eを形成する。設置個所に押し刺された複数の押しピンF5fに掛着部19が掛着して押しピンF5fのそれぞれが持つ吊り下げる力を受け止め、連結した結束部F3fが複数の押しピンF5fの吊り下げる力を結束することを結束手段とし、最終的には結束部F3fの下部に於いて一つに結束する。結束部F3fの下方には吊り下げ部4が下垂して形成される。
【0028】設置に当たっては、先ず、基盤E10eの上部、横方向の中央に配した位置決め用の針7bを設置個所に押し刺して位置を決め、次いで押しピンF5fの頭部8と掛着部19の位置を合わせ、押しピンF5fを次々に押し刺す。掛着部19は簡単に押しピンF5fの頭部8からはずれ、押しピンF5fはそれぞれが離れた位置に設置できることから、取り付け作業及び取り外し作業が容易であり、その作業が押しピンF5fの一つごとに分散して行われる。
【0029】図7は、実施例7の一部断面を含む斜視図である。実施例7は実施例6を変形したものであり、枠状体20の内部に複数の押しピンG5gを配し、設置個所に集合して押し刺された複数の押しピンG5gに前記枠状体20が掛着することを前記結束手段としている。枠状体20の縦枠20bは結束部G3gを兼ね、縦枠20bには横桟状の突起物21を形成して掛着部B19bとすることによって基盤F10fを形成する。それぞれの押しピンG5gが持つ吊り下げる力は掛着部B19bに伝えられ、結束部G3gである枠状体20に於いて結束される。
【0030】掛着部B19bを省略することが可能であり、その場合、押しピンG5gは集合して下部の押しピンG5gが上部の押しピンG5gを次々に支え、枠状体20によって結束され、最終的にはその最下部で一つに結束される。枠状体20を押しピン5が嵌合可能な孔の開いた板に置き換えることが可能であり、本実施例及び実施例5の変形となる。
【0031】図8は、実施例8の斜視図であり、複数の押しピンH5hを押し刺すことの出来る基盤G10gに、押しピンH5hを抜き取るための抜き取り補助部22を設ける。基盤G10gには押しピンH5hの頭部8が嵌合できる有底の穴23が複数開けられ、頭部8と嵌合させることにより、頭部8の側面で基盤G10gを受け止めて押しピンH5hの吊り下げる力を結束し、最終的に結束部H3hで一つに結束される。基盤の10gの取り外し作業は、抜き取り補助部22を引き上げて押しピンH5hを抜き取ることによって行う。分散手段である、抜き取り補助部22を引き上げて押しピンH5hを抜き取る作業は、抜き取り補助部22を引き上げることにより、引き上げる力が端から順に押しピンH5hの一つずつに対して働くことで、取り外しに必要な力を分散する。
【0032】抜き取り補助部22は基盤G10gに設けた格納用の溝24に格納されており、格納用の溝24は有底の穴23を串刺しするように配される。格納用の溝24は有底の穴23の底部よりも深い位置に形成し、抜き取り補助部22を格納したときに浮き上がって押しピンH5hの頭部8と有底の穴23の底とが密着することを妨げることのないようにする。有底の穴23を設けないことも可能であり、その場合には格納用の溝24も設ける必要がなく、抜き取り補助部22を帯あるいはリボン状に形成して、基盤G10gと押しピンH5hの頭部5との間に配する。
【0033】図9は実施例9の斜視図であり、実施例7の吊り下げ部4を変形して吊り下げ部B4bとし、ハンガー25を取り付けたものであり、基盤F10fを拡幅し、押しピン5gを縦二列に配し、数を2倍に増やすことによって、全体としての物を吊り下げる力を強めている。取り付ける器具の重量に応じ、押しピン5gの数を調整することが可能である。結束部3gの下方に吊り下げ部B4bを形成し、ハンガー25を取り付けてある。基盤F10fは基盤10や基盤B10b、基盤C10c、基盤D10d、基盤E10e及び基盤G10gに置き換えが可能であり、ハンガー25はズボン吊り、整理箱、レターラック、新聞入れ、鏡、歯ブラシセットなど壁や柱に取り付けて使用する様々な器具に置き換えが可能である。
【0034】
【発明の効果】本発明は複数の押しピンによる設置個所への固定手段と、複数の押しピンの吊り下げる力を一つに結束する結束手段と、取り付け作業及び取り外し作業に必要な力を分散させて行うことの出来る分散手段、及び、結束部の下方にものを掛けて吊り下げることの出来る吊り下げ部を有することを特徴とする、押しピン式吊り下げ用具であるため次の効果を奏する。
【0035】取り付け手段が押しピン式であって、前記分散手段を有することにより、取り付け取り外しの作業が極めて容易であり、前記結束手段を有することにより、取り付け手段が押しピンであるにも関わらず、大きな吊り下げる力を発揮する。取り付け手段が押しピン式であることから、取り外した後の傷も小さく目立たない。
【0036】前記結束手段および分散手段を、押しピンの頭部に設けた手前方向に曲折可能な接続部によって押しピンと押しピンが複数連結した基盤を有することとし、複数の押しピンが連結することにより吊り下げる力を結束し、前記基盤を折り曲げながら取り付け取り外しの作業を行うことにより、作業に必要な力を分散させることを特徴とする押しピン式吊り下げ用具であるため次の効果を奏する。
【0037】押しピンを押し刺す作業及び取り外す作業を、連続的に行うことが出来、極めて簡便に取り扱うことが出来る。前記基盤が連続した押しピンであるため、コンパクトでスマートな形状に形成可能である。
【0038】前記結束手段および分散手段を、押しピンと押しピンが頭部で複数連結してなる手前方向に湾曲可能な基盤を有することとし、複数の押しピンが連結することにより吊り下げる力を結束し、前記基盤を湾曲させながら取り付け取り外しを行うことにより、作業に必要な力を分散させることを特徴とする押しピン式吊り下げ用具であるため次の効果を奏する。
【0039】押しピンを押し刺す作業及び取り外す作業が簡単であることから、極めて簡便に取り扱うことが出来る。前記基盤が連続した押しピンであるため、コンパクトでスマートな形状に形成可能である。
【0040】前記湾曲可能な基盤が周縁に於いて複数に分割された板状体であり、分割された板状体に針を植えて押しピンとし、複数の押しピンが連結することにより吊り下げる力を結束し、前記基盤を湾曲させながら取り付け取り外しを行うことにより、作業に必要な力を分散させることを特徴とする押しピン式吊り下げ用具であるため次の効果を奏する。
【0041】押しピンを押し刺す作業及び抜き取る作業が簡単であることから、取り付け取り外しの作業が容易であり、極めて簡便に取り扱うことが出来る。様々な形状に形成可能であり、加飾効果を得やすい。
【0042】前記結束手段を、押しピンに設けた頭部の嵌合部によって、押しピンと押しピンが嵌合し合い複数連結して基盤を形成し、吊り下げる力を一つに結束すると共に、分散手段を上記嵌合部に於いて基盤を押しピンごとに分割し、分割された押しピンの一つずつに対して取り付け作業及び取り外し作業を行って、取り付け作業及び取り外し作業に必要な力を押しピンの一つずつに分散させることを特徴とする押しピン式吊り下げ用具であるため次の効果を奏する。
【0043】押しピンを押し刺す作業及び抜き取る作業が簡単であることから、取り付け取り外しの作業が容易であり、極めて簡便に取り扱うことが出来る。
【0044】前記結束手段を、複数の掛着部が結束部によって連結された基盤を有し、設置個所に押し刺された複数の押しピンに、前記掛着部が同時に掛着することとし、前記分散手段を複数の押しピンを分離可能に押し刺して、押しピンの一つずつに対して取り付け作業及び取り外し作業を行い、取り付け作業及び取り外し作業に必要な力を押しピンの一つずつに分散させることを特徴とする押しピン式吊り下げ用具であるため次の効果を奏する。
【0045】押しピンを押し刺す作業及び抜き取る作業が簡単であることから、取り付け取り外しの作業が容易であり、極めて簡便に取り扱うことが出来る。
【0046】前記基盤が枠状体であり、枠内部に複数の押しピンを配し、設置個所に集合して押し刺された複数の押しピンに前記枠状体が掛着することを前記結束手段とし、前記分散手段を複数の押しピンを分離可能に押し刺して、押しピンの一つずつに対して取り付け作業及び取り外し作業を行い、取り付け作業及び取り外し作業に必要な力を押しピンの一つずつに分散させることを特徴とする押しピン式吊り下げ用具であるため次の効果を奏する。
【0047】押しピンを押し刺す作業及び抜き取る作業が簡単であることから、取り付け取り外しの作業が容易であり、極めて簡便に取り扱うことが出来る。
【0048】前記結束手段を、吊り下げ部を有する一つの基盤に複数の押しピンを押し刺して吊り下げる力を結束させることとし、前記分散手段を押しピンを抜き取るための抜き取り補助部を基盤上に設け、抜き取り補助部を引っ張ることで取り外し作業に必要な力を押しピンの一つずつに分散させることを特徴とする押しピン式吊り下げ用具であるため次の効果を奏する。
【0049】抜き取り補助部を有することから押しピンを抜き取る作業が特に簡単であり、一枚の基盤に複数の押しピンを押し刺して取り付けるため、取り付け取り外しの作業が容易であり、極めて簡便に取り扱うことが出来る。
【0050】複数の押しピンによる設置個所への固定手段と、複数の押しピンの吊り下げる力を一つに結束する結束手段と、取り付け作業及び取り外し作業に必要な力を分散させて行うことの出来る分散手段、及び、結束部の下方に壁や柱に取り付けて使用する様々な器具を取り付けてなる、押しピン式吊り下げ用具の結束手段と分散手段を具備した器具であるため次の効果を奏する。
【0051】物品の壁や柱への取り付けが、押しピン以外の取り付け手段を禁じられたアパート等に於いて、重量の大きい物品でも取り付け可能となる。
【出願人】 【識別番号】300089998
【氏名又は名称】酒井 正雄
【出願日】 平成14年4月24日(2002.4.24)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−310417(P2003−310417A)
【公開日】 平成15年11月5日(2003.11.5)
【出願番号】 特願2002−121572(P2002−121572)