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【発明の名称】 食事用具及びその製造方法
【発明者】 【氏名】小堤 太
【住所又は居所】東京都荒川区西尾久8丁目43番2号 帝国インキ製造株式会社内

【要約】 【課題】合成樹脂製でありながら、金属製に近似した外観や質感を有する食事用具およびその製造方法を提供する。

【解決手段】本発明に係る食事用具は、合成樹脂に、当該合成樹脂よりも比重が高く金属光沢を有する粉体を混合して、成形されたことを特徴とする。したがって、金属光沢を有する粉体により、金属性に近似した外観や質感を食事用具に与えることができる。また、合成樹脂に混合された粉体は、その比重が当該合成樹脂よりも高いことから、合成樹脂のみで成形した食事用具よりも、重量が重くなり使用者に金属製に近似した質感を与えることができる。また、合成樹脂の比重に対し1.8〜15倍の粉体を用いれば、合成樹脂のみで成形した食事用具よりも、重量が重くなり使用者に金属製に似た質感を与えることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 合成樹脂に、当該合成樹脂よりも比重が高く金属光沢を有する粉体を混合して、成形されたことを特徴とする食事用具。
【請求項2】 前記粉体の比重が前記合成樹脂の比重に対し、1.8〜15倍であることを特徴とする請求項1記載の食事用具。
【請求項3】 前記粉体は、粒子の表面が研磨されたほぼ楕円形の金属粉であることを特徴とする請求項1または2記載の食事用具。
【請求項4】 合成樹脂に、当該合成樹脂よりも比重が高く金属光沢を有する粉体を混合して混合樹脂を得る第1の工程と、この第1の工程で得られた前記混合樹脂を用いて食事用具を成形する第2の工程とを含むことを特徴とする食事用具の製造方法。
【請求項5】 前記粉体の比重が前記合成樹脂の比重に対し、1.8〜15倍であることを特徴とする請求項4記載の食事用具の製造方法。
【請求項6】 前記粉体は、粒子の表面が研磨されたほぼ楕円形の金属粉であることを特徴とする請求項4または5記載の食事用具の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機内食等に使用されるナイフ、フォーク、スプーン等の食事用具およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、機内におけるテロの発生を未然に防止するため、機内食に使用されるナイフ、フォーク、スプーン等の食事用具が合成樹化されている。これら食事用具は、一般的に白色の合成樹脂で成形されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、乗客は通常の食事においては金属製の食事用具を使用していることから、機内等の特定箇所で合成樹脂の食事用具を使用することに不快感が生じ、特に上級クラスの乗客において不快感の発生が著しい。このため、食事用具に対する不快感が料理に波及し、料理が不味く感じられてしまうのが実情である。
【0004】係る現象は、合成樹脂製であることが明らかである食事用具の外観や質感に起因する。
【0005】したがって、本発明の目的は、合成樹脂製でありながら、金属製に近似した外観や質感を有する食事用具およびその製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために本発明に係る食事用具は、合成樹脂に、当該合成樹脂よりも比重が高く金属光沢を有する粉体を混合して、成形されたことを特徴とする。したがって、金属光沢を有する粉体により、金属性に近似した外観や質感を食事用具に与えることができる。また、合成樹脂に混合された粉体は、その比重が当該合成樹脂よりも高いことから、合成樹脂のみで成形した食事用具よりも、重量が重くなり使用者に金属製に近似した質感を与えることができる。
【0007】使用する合成樹脂の例としては、ポリカーボネート樹脂(1.20)、ポリメチルメタアクリレート樹脂(1.19)、ポリプロピレン樹脂(0.90〜0.91)、ポリスエチレン樹脂(1.05〜1.07)、ABS樹脂(組成により変化)、ポリ塩化ビニル樹脂(1.40)などを挙げることができる。( )内は比重を示す。
【0008】当該合成樹脂よりも比重が高く金属光沢を有する粉体としては、アルミニウム粉(2.7)、銀粉(10.5)、鉄粉(7.87)、ステンレス鋼粉(組成により変化)、亜鉛(7.13)などを挙げることができる。( )内は比重を示す。
【0009】また、前記粉体の比重が前記合成樹脂の比重に対し、1.8〜15倍であることが好ましい。比重が1.8〜15倍の粉体を用いれば、合成樹脂のみで成形した食事用具よりも、重量が重くなり使用者に金属製に似た質感を与えることができる。
【0010】また、前記粉体は、粒子の表面が研磨されたほぼ楕円形の金属粉であることが好ましい。係る金属粉を用いれば、食事用具の表面に鏡面的な輝きが得られるばかりでなく、成形時の溶融樹脂中における金属粉の流動性が良いことから、金属粉が均一に行き渡り、全体的に同様の金属光沢を有する食事用具となる。
【0011】このような粒子表面が研磨されたほぼ楕円形の金属粉の例としては、大和金属粉工業(株)製の光輝粉 T−102A、T−102B、T−102C、T−102D、T−265D、T−350D、T−500Dなどを挙げることができる。
【0012】逆に本発明の食事用具に鈍い光沢を付与して高級感を与えたい場合は、金属光沢を有する粉体と併用して、金属光沢を有しない粉体を混合することができる。このような目的に使用できる非金属光沢粉末の例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、粘土鉱物などの粉末を挙げることができる。
【0013】また、本発明の合成樹脂製食事用具の強度を向上するために極細のガラス繊維などを混合することもできる。
【0014】また、これらの粉末の添加は質感の向上にも寄与するものである。さらに、重量感のある色調を付与するために、少量の黒色顔料などを添加することもある。
【0015】なお、本発明の食事用具の表面平滑性や、表面光沢向上のために、食事用具の表面を透明な樹脂でコートすることもできる。
【0016】また、本発明に係る食事用具の製造方法は、合成樹脂に、当該合成樹脂よりも比重が高く金属光沢を有する粉体を混合して混合樹脂を得る第1の工程と、この第1の工程で得られた前記混合樹脂を用いて食事用具を成形する第2の工程とを含むことを特徴する。係る製造法を用いることにより、金属性に近似した外観や質感を使用者に与えること可能な食事用具を製造することができる。
【0017】また、前記粉体の比重が前記合成樹脂の比重に対し、1.8〜15倍であれば、一層重量が重くなり使用者に金属製に似た質感を与えることができる食事用具を製造することができる。
【0018】また、前記粉体は、粒子の表面が研磨されたほぼ楕円形の金属粉であれば、食事用具の表面に鏡面的な輝きが得られるばかりでなく、成形時の溶融樹脂中における金属粉の流動性が良いことから、金属粉が均一に行き渡り、全体的に同様の金属光沢を有する食事用具を製造することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、アルミニウム光輝粉40重量部と、0.1重量部のカーボンブラックを加熱混練して金属光沢のあるペレットを得た。このペレットを射出成形機にフィードして食事用ナイフの形に成形した。重量感のある金属色のある合成樹脂製食事用ナイフが得られた。
【0020】実施例2ABS樹脂100重量部に対して80重量部の銀粉を加え、加熱混練して金属光沢のあるペレットを得た。このペレットを射出成形機にフィードして食事用ナイフの形に成形した。重量感のある金属色のある合成樹脂製食事用ナイフが得られた。
【0021】実施例3ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、アルミニウム光輝粉40重量部を加え、加熱混練して金属光沢のあるペレットを得た。このペレットを射出成形機にフィードして食事用フォークの形に成形した。金属色の高級感のある合成樹脂製食事用フォークが得られた。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る食事用具によれば、透明樹脂を介して視認される金属光沢を有する粉体により、金属性に近似した外観や質感を食事用具に与えることができる。また、合成樹脂に混合された粉体は、その比重が当該合成樹脂よりも高いことから、合成樹脂のみで成形した食事用具よりも、重量が重くなり使用者に金属製に近似した質感を与えることができる。
【0023】よって、本発明に係る食事用具を機内食等で使用しても、食事用具に対する不快感の発生を抑制することができ、料理に対する低級感が発生を解消することができる。しかも、食事用具自体は合成樹脂製であることから、テロ対策に対する食事用具条件を満たしつつ、金属製に近似した外観や質感を有する食事用具を提供することができる。
【0024】また、本発明に係る食事用具の製造方法によれば、金属性に近似した外観や質感を使用者に与えること可能な食事用具を製造することができる。
【出願人】 【識別番号】591017250
【氏名又は名称】帝国インキ製造株式会社
【住所又は居所】東京都港区三田4丁目4番12号
【出願日】 平成13年12月14日(2001.12.14)
【代理人】 【識別番号】100088100
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 千明
【公開番号】 特開2003−180502(P2003−180502A)
【公開日】 平成15年7月2日(2003.7.2)
【出願番号】 特願2001−380818(P2001−380818)