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【発明の名称】 臭気成分分解機能付脱臭紙シーツ
【発明者】 【氏名】外谷 眞治

【氏名】上賀 恒範

【氏名】高嶺 最士

【要約】 【課題】吸着剤を配合することにより脱臭機能を付与した脱臭紙シーツは、一定量の臭気成分を吸着して飽和すると脱臭機能が失われるために交換しなくてはならない。

【解決手段】臭気成分を吸着するための吸着剤と共に,固定化光触媒を添加して脱臭紙シーツを抄造する。臭気成分を吸着した当該シーツに太陽光などにも含まれる紫外線を照射すれば、光触媒が活性化し、シーツに吸着されている臭気成分が分解される。これにより、シーツの脱臭性能は大幅に回復するため、繰り返して利用することができ、その使用寿命は著しく増大する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 臭気成分を吸着するための吸着剤と共に、吸着した臭気成分を分解するための固定化光触媒を填料として抄造した臭気成分分解機能付き脱臭紙シーツ。
【請求項2】 固定化光触媒は酸化チタンが珪藻土に担持されたものであることを特徴とする、請求項1記載の臭気成分分解機能付脱臭紙シーツ。
【請求項3】 請求項1の脱臭紙シーツの構成成分が重量比で、紙基材 ------------------------------- 50〜90%吸着材(ゼオライト、活性白土等)------ 5〜20%珪藻土に担持させた固定化光触媒 -------- 4〜40%である臭気成分分解機能付脱臭紙シーツ。
【請求項4】 請求項3の構成成分比が、紙基材 ----------------------- 80〜84%吸着材(ゼオライト等)-------- 10〜14%固定化光触媒 ---------------- 4〜 8%である臭気成分分解機能付脱臭紙シーツ。
【請求項5】 請求項3の構成成分比が、紙基材 ---------------------- 70〜80%吸着材(ゼオライト等)---------- 10〜20%固定化光触媒 ---------------- 8〜15%である臭気成分分解機能付脱臭紙シーツ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸着剤の添加により脱臭機能を付与したシーツに、固定化光触媒を添加することにより、光を照射することで脱臭吸着した成分を分解し、脱臭能力が再生することを特徴とする光触媒脱臭紙シーツ(以下、脱臭シーツと略称する)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の脱臭シーツは、吸着剤による臭気成分の吸着作用を利用して脱臭していたため、脱臭能力に限界があり、一定量の臭気成分を吸着すると能力が低下していた。また、近年は高齢、健康上の理由などにより寝たきりの生活をおくる人口が増加している。これらの人々は長時間、布団内で生活するためその布団には体臭などの臭いが染みつき、健康面、衛生面で問題となっている。使用している布団を太陽光下に干すことにより、ある程度の臭いは除去可能であるが、これらの人々にとって布団は重く、移動させることは困難である。
【0003】これを解決するために、脱臭機能を付与した脱臭シーツが開発された。この脱臭シーツは軽量であり、これらの人々でも比較的容易に移動させることが可能のため、太陽光下に干すことである程度の臭いを除去することは可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の脱臭シーツには吸着剤が使用されており、吸着剤に臭気成分を吸着させる方法が取られている。しかしながら、吸着剤は吸着機能しか示さないため、一定量の臭いの成分を吸着して飽和すると交換しなくてはならない。また、周囲の温度上昇により、一度吸着した成分が離脱するという問題もある。脱臭性能を回復させるために、一定量の臭気成分を吸着した脱臭シーツを太陽光下に干す方法があるが吸着した成分を十分に離脱させることが出来ないため、脱臭性能はわずかに回復する程度であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点を解決するために鋭意検討した結果、臭気成分を吸着するための吸着剤と共に吸着した臭気成分を分解するための固定化光触媒を填料として抄造した臭気分解機能付き脱臭紙シーツを発明するに至った。
【0006】固定化光触媒を添加することにより、一定量の臭気成分を吸着した脱臭シーツを太陽光下に干した際、太陽光中の紫外線により光触媒が活性化し、シーツに吸着されている臭気成分を分解する。これにより、シーツの脱臭性能は大幅に回復するため、繰り返して利用することができ、その使用寿命は著しく増大する。
【0007】すなわち、本発明の臭気成分分解機能付き脱臭紙シーツは、吸着機能を付与するための吸着剤と共に吸着成分を分解するための固定化光触媒を填料として抄造したことを特徴とする、本発明の臭気成分分解機能付き脱臭紙シーツにおいて、固定化光触媒は酸化チタンが珪藻土に担持されたものであることを特徴とする。
【0008】以下、実施例を参照して本発明を詳しく説明する。本発明で用いられる吸着剤とは、活性炭、ゼオライト、酸化鉄などの鉄系化合物、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、シリカ、シリカ−アルミナ−酸化亜鉛複合物、酸化フィロ珪酸塩、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。これらの形状は特に限定されるものではないが、比表面積が100〜1800m2/gのものを適宜選択して用いることが可能である。
【0009】本発明で用いられる固定化光触媒とは、光触媒を珪藻土に担持させたものである。光触媒は、紙基材と接している場合、光触媒作用により紙基材自体を劣化させてしまう可能性がある。しかし、固定化光触媒として珪藻土に担持させて使用することにより、紙基材と光触媒との接触面積が著しく低減され、紙基材の劣化を防ぐことが出来る。
【0010】本発明で用いられる光触媒とは、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化チタン、酸化セリウムなどの金属酸化物が好ましく、これらの中でも、酸化チタンは、構造安定性、光触媒としての能力、取り扱い上の安全性などを考慮した場合、特に好ましい材料である。酸化チタンとしては、二酸化チタンの他、含水酸化チタン、水和酸化チタン、メタ酸化チタン、オルト酸化チタン、水酸化チタンなどを使用することが可能であり、その結晶系については特に制限はない。酸化チタンを用いる場合にはその表面に白金、金、銀、白金、ロジウム、ルテニウム、などの金属、酸化ルテニウム、酸化ニッケルなどの金属酸化物を被覆した物であっても何らかまわない。
【0011】本発明で用いられる珪藻土とは、水中に生息する植物性プランクトンの1種である珪藻の化石であり、シリカ質で多孔性の殻よりなることを特徴とする。また、担体としての珪藻土は、珪藻土原石を精製加工した物で、粉砕し必要に応じて組成調整及び粒度調整した未焼成粉末、これを焼成処理した焼成粉末、フラックスを添加して焼成処理した焼成粉末、必要に応じてバインダー等の添加剤を用いて円柱、リング、球、板など種々の形状にした成形体、成形体を破砕した不成形粒、さらに他の物質で構成される物体表面に担持したこれらの珪藻土粉末や粒などがある。これらのうち、いずれかを単独で、あるいは2種以上で組み合わせて用いれば良い。
【0012】本発明の脱臭紙シートに用いる固定化光触媒は光触媒を珪藻土に担持してなるものであり、これは昭和化学工業株式会社他の特願平7-73646号(特開平8-266897)に準じて調整される。
【0013】本発明で用いられる紙基材は、通常抄紙工程で使用できる物であれば、繊維径、繊維長については特には制限をしない。有機繊維質物質としては、セルロース繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリアミド繊維等があげられる。有機繊維質物質としては1種単独でも良いし、2種以上組み合わせても良い。
【0014】本発明において、固定化光触媒の配合量は、紙の原料100重量部に対し、固定化光触媒を1〜50重量部が好ましく、さらに好ましくは5〜10重量部である。ここで、1重量部以下では、吸着固定化光触媒の効果が不足するため好ましくない。また、50重量部以上では紙シーツ自体の強度が大きく低下するため好ましくない。
【0015】
【作用】本発明の光触媒機能付き脱臭紙シーツは、吸着機能を付与するための吸着剤と共に吸着成分を分解するための固定化光触媒を填料として抄造することにより、吸着剤によって吸着した臭い成分を固定化光触媒により分解することができ、したがって脱臭能力を再生させることが可能である。
【0016】
【実施例】以下に具体的な実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1パルプ 82%、ゼオライト 12%、固定化光触媒 6 %実施例2パルプ 75% 、 活性白土 15% 、固定化光触媒 10%比較例1パルプ 88%、ゼオライト 12 %比較例2パルプ 85% 、活性白土 15%脱臭性能評価上記実施例1および2ならびに比較例1および2で作製した光触媒含有脱臭シーツ及び脱臭シーツの性能試験を実施し、その結果をまとめて図1および2に示した。
脱臭性能回復評価実施例1および2ならびに比較例1および2の脱臭シーツ(10×10cm)を、5Lの密封容器(テドラバック)内にそれぞれ設置した。
【0017】実施例1および2実施例1および2の脱臭シーツ(10×10cm)を暗吸着後紫外線照射を行う「明条件区」用、暗吸着も紫外線照射を行わない「暗条件区」用の各2点を準備した。5Lの密封容器(テドラバック)内にそれぞれ設置後、容器内に対象ガス(酢酸約80ppm、アンモニア 約100ppm)を注入し、光を遮断した状態で放置した。ガス注入5分後及び4時間後検知管で対象ガスの濃度を測定を行い、暗条件における脱臭性能を確認した。暗吸着後、「明条件区」には10Wブラックライト2本で紫外線照射(約3.0mW/cm2)を行い、「暗条件区」は引き続き光を遮断した状態で放置した。紫外線照射4時間後、「明条件区」及び「暗条件区」の濃度測定を行い、紫外線照射によるガス分解性能を確認した。各脱臭シーツを設置した容器に再度対象ガスを注入し、同様の方法で暗条件における吸着能、紫外線照射による分解能を確認する。一連の作業を繰り返し、紫外線照射による脱臭性能の回復を確認した。
【0018】比較例1および2比較例1および2の脱臭シーツについて、10×10cmに裁断したものを準備し、5Lの密封容器(テドラバック)内にそれぞれ設置後、容器内に対象ガス(酢酸約80ppm、アンモニア 約100ppm)を注入した。光を遮断した状態で放置し、実施例1,2と同時刻に濃度測定を行った。
【0019】実施例1および2は何れも、暗条件での脱臭性能および紫外線照射による分解性能が確認出来た。「暗条件区」では対象ガスが残存しているのに対し、「明条件区」では完全に対象ガスを分解していた。試験繰り返しにより、比較例1および2の「暗条件区」は吸着剤の脱臭性能が低下し、濃度が上昇し続けているのに対し、「明条件区」は、繰り返しによる濃度上昇が殆どないことから、紫外線照射による光触媒効果により、脱臭シーツの脱臭性能が回復していることが分かる。
【0020】
【発明の効果】本発明の光触媒機能付き脱臭紙シーツは、吸着機能を付与するための吸着剤と共に吸着成分を分解するための固定化光触媒を填料として抄造することにより、吸着剤によって吸着した臭い成分を固定化光触媒により分解することができ、したがって脱臭能力を再生させることが可能である。従って、本発明は脱臭を目的とするシーツとして有効に作用する。
【出願人】 【識別番号】596033059
【氏名又は名称】外谷製紙株式会社
【識別番号】000186968
【氏名又は名称】昭和化学工業株式会社
【出願日】 平成13年12月18日(2001.12.18)
【代理人】 【識別番号】100072051
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 興作 (外1名)
【公開番号】 特開2003−180498(P2003−180498A)
【公開日】 平成15年7月2日(2003.7.2)
【出願番号】 特願2001−384289(P2001−384289)