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【発明の名称】 フローリング用カーペット
【発明者】 【氏名】中川 哲男
【住所又は居所】大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡績株式会社本社内
【課題】低吸湿の合成繊維製でありながら、蒸れ感のない快適でカビの発生防止および抗菌性、消臭性に優れるフロ ーリング用カーペットを提供する。

【解決手段】低吸湿性の合成繊維を主体とし、高吸放湿性、抗菌性、消臭性を有するバッキング剤層を有することを特徴とするフローリング用カーペットであり、前記バッキング剤層が高吸放湿性、抗菌性、消臭性を有する有機微粒子を含有し、該有機微粒子の付与量が10〜100g/m2であることが好ましい。さらに、前記高吸放湿性、抗菌性、消臭性を有する有機微粒子が、アクリロニトリル系重合体に架橋構造を導入し、アクリロニトリル系架橋重合体のニトリル基を加水分解によりカルボキシル基および塩型カルボキシル基に変換せしめたものであって、該カルボキシル基および塩型カルボキシル基を1.0mmol/g以上有するものであるフローリング用カーペット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】低吸湿性の合成繊維を主体とし、高吸放湿性、抗菌性、消臭性を有するバッキング剤層を有することを特徴とするフローリング用カーペット。
【請求項2】前記バッキング剤層が高吸放湿性、抗菌性、消臭性を有する有機微粒子を含有し、該有機微粒子の付与量が10〜100g/m2であることを特徴とする請求項1に記載のフローリング用カーペット。
【請求項3】前記高吸放湿性、抗菌性、消臭性を有する有機微粒子が、アクリロニトリル系重合体にヒドラジン系化合物処理により架橋構造を導入したアクリロニトリル系架橋重合体のニトリル基を加水分解によりカルボキシル基および塩型カルボキシル基に変換 せしめたものであって、該カルボキシル基および塩型カルボキシル基を1.0mmol/g以上有するものであることを特徴とする請求項2に記載のフローリング用カーペット。
【請求項4】前記高吸放湿性、抗菌性、消臭性を有する有機微粒子が、2以上の重合性ビニル基を有する化合物を共重合成分として架橋構造を導入したアクリロニトリル系架橋重合体のニトリル基を加水分解によりカルボキシル基および塩型カルボキシル基に化学変換せしめたものであって、該カルボキシル基および塩型カルボキシル基を1.0 mmol/g以上有するものであることを特徴とする請求項2に記載のフローリング用カーペット。
【請求項5】前記高吸放湿性、抗菌性、消臭性を有する有機微粒子が、20℃、相対湿度65%の測定環境において吸湿率が20%以上で、20℃ 、相対湿度40%に移行した場合の放湿度が5%以上であり、JIS−L−1902での静菌活性値が2.2以上で、かつ消臭性を有することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のフローリング用カーペット。
【請求項6】前記消臭性がアンモニア消臭性であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフローリング用カーペット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フローリング上に直接敷くフローリング用カーペットに関し、さらに詳しくは低吸湿性の合成繊維原料・資材からなるカーペットの吸湿性を改善し、蒸れ感のない快適性、人体の汗の結露によるカビ発生の防止および抗菌性、消臭性を有する清潔性付与のフローリング用カーペットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】住環境が変化しアレルゲンの問題もあり、畳敷き部屋、敷き詰めカーペットを使用することが年々減少し、フローリング床部屋が増加してきている。フローリング床部屋では敷き詰めカーペットではなく部屋中央部のみの“センターラグ”と呼ばれる敷き物が用いられることが多い。また清潔指向も高まり、敷き物と言えども洗濯使用出来るカーペットも要求され、その結果カーペット原料・資材に低吸湿性の合成繊維製が多く用いられるようになってきた。
【0003】通常フローリング用カーペットのセンターラグは合成繊維一次基布に先染めパイル糸をタフトして作製するタフトカーペットおよび生糸をダブルラッセル編機で編立てた布地、一般にはマイヤー布地と呼ばれる(以下マイヤー布地と呼ぶ)ものをプリント等の染色を施して後、パイル糸を開毛後ポリッシャー、シャーリング機で仕上げしたマイヤーポリッシャーカーペットが主力となっている。タフトカーペットでは一次基布にポリプロピレンスリット糸を製織したものまたはポリエステル不織布が用いられ、マイヤーポリッシャーカーペットでは地糸にポリエステルフィラメントが用いられる。また二次基布としてはポリエステル製の不織布が多く用いられている。
【0004】フローリング用カーペットすなわちセンターラグは、体を横たえて使用されるため、低吸湿性合成繊維原料・資材を用いた場合、人体からの汗で蒸れによる不快感やカーペット裏面やフローリング床面にカビが発生する欠点を有している。これらを解決するため、従来および現在も吸湿性を有する天然繊維、すなわち麻・棉・絹・羊毛や繊維素系化学繊維の原料・資材を利用している。特にパイルに用いるパイル糸ではこれら繊維原料を混綿あるいは交編織し利用している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的は、カーペット本来の機能すなわち・保温性・断熱性・クッション性・消音性・耐久性の他・装飾性・好感触を有すると共に、低吸湿の合成繊維原料・資材からなるカーペットの吸湿性を改善し、蒸れ感のない快適でカビの発生防止および抗菌性、消臭性に優れる清潔性付与のフロ ーリング用カーペットを提供することに有る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
1.低吸湿性の合成繊維を主体とし、高吸放湿性、抗菌性、消臭性を有するバッキング剤層を有することを特徴とするフローリング用カーペット。
2.前記バッキング剤層が高吸放湿性、抗菌性、消臭性を有する有機微粒子を含有し、 該有機微粒子の付与量が10〜100g/m2であることを特徴とする請求項1に記載のフローリング用カーペット。
3.前記高吸放湿性、抗菌性、消臭性を有する有機微粒子が、アクリロニトリル系重合体にヒドラジン系化合物処理により架橋構造を導入したアクリロニトリル系架橋重 合体のニトリル基を加水分解によりカルボキシル基および塩型カルボキシル基に変換 せしめたものであって、該カルボキシル基および塩型カルボキシル基を1.0mmol/g以上有するものであることを特徴とする請求項2に記載のフローリング用カーペット。
4.前記高吸放湿性、抗菌性、消臭性を有する有機微粒子が、2以上の重合性ビニル基を有する化合物を共重合成分として架橋構造を導入したアクリロニトリル系架橋重合体のニトリル基を加水分解によりカルボキシル基および塩型カルボキシル基に化学変換せしめたものであって、該カルボキシル基および塩型カルボキシル基を1.0 mmol/g以上有するものであることを特徴とする請求項2に記載のフローリング用カーペット。
5.前記高吸放湿性、抗菌性、消臭性を有する有機微粒子が、20℃、相対湿度65%の測定環境において吸湿率が20%以上で、20℃ 、相対湿度40%に移行した場合の放湿度が5%以上であり、JIS−L−1902での静菌活性値が2.2以上で、かつ消臭性を有することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のフローリング用カーペット。
6.前記消臭性がアンモニア消臭性であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフローリング用カーペット。
【0007】すなわち、本発明は、これらの構成により、一次基布又は地糸と二次基布との間に抗菌性、消臭性能を有するバッキング剤による吸湿層を形成させることにより本発明の目的を達成するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における高吸放湿性、抗菌性、消臭性を有する有機微粒子(以下有機微粒子ということがある)とは、高吸放湿性、抗菌性、消臭性を発揮する有機系の微粒子で、バッキング剤に混合できるものであれば天然物、合成物を問わず、特に限定されるものではないが、性能の発現のし易さ、混合性などの点から、以下に示すビニル系架橋重合体が好ましく使用できる。
【0009】その例として、アクリロニトリル系重合体にヒドラジン系化合物処理により架橋構造を導入し、残存ニトリル基を加水分解によりカルボキシル基および塩型カルボキシル基に変換せしめたアクリロニトリル系架橋重合体が挙げられる。出発原料であるアクリロニトリル系重合体微粒子は、アクリロニトリル(以下ANという)を40重量%以上、好ましくは50重量以上含有するAN系重合体である。AN系重合体は、AN単独重合体、ANと他のモノマーとの共重合体のいずれでも良く、他のモノマーとしては、ハロゲン化ビニルおよびハロゲン化ビニリデン;(メタ)アクリル酸エステル(なお(メタ)の表記は、該メタの語の付いたものおよび付かないものの両方を表す);アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸等のスルホン酸含有モノマー およびその塩;(メタ)アクリル酸、イタコン酸等のカルボン酸含有モノマーおよび その塩;アクリルアミド、スチレン、酢酸ビニル等のその他のモノマーが挙げられる。出発AN系重合体微粒子を得る方法としては、特に限定はなく、ミクロンオーダー以下の微粒子を得る場合、乳化重合、懸濁沈殿重合、マイクロエマルジョン重合等を用いることが出来る。
【0010】出発AN系重合体微粒子に、ヒドラジン架橋を導入する方法としては、窒素含有量の増 加が1.0〜15.0重量%となる手段である限り特に限定はないが、ヒドラジン濃度1〜80%、温度50〜120℃で0.2〜10時間処理する手段が工業的に好ましい。ここで、窒素含有量の増加とは原料AN系重合体微粒子の窒素含有量(重量%対微粒子 )とヒドラジン架橋架橋AN系重合体微粒子の窒素含有量(重量%対微粒子)との差をいう。なお窒素含有量の増加が下限の満たない場合は、次工程のカルボキシル基および塩型カルボキシル基導入のための加水分解により微粒子が水に溶解してしまい、本発明が達成できない。また、上限を超える場合には、次工程で1.0mmol/g以上のカルボキシル基および塩型カルボキシル基を導入することが不可能となり、本発明が達成されない。本発明である該増加が1.0〜15.0重量%となる条件については、反応の温度、濃度、時間等の反応因子と窒素含有量の増加の関係を実験により明らかにすることにより、容易に決定できる。ここで使用するヒドラジンとしては、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、臭素酸ヒドラジン等が例示される。
【0011】次に、加水分解反応により、ヒドラジン架橋されずに残存しているニトリル基を実質的に消失させ、1.0mmol/g以上のカルボキシル基および塩型カルボシル基を導入する方法としては、アルカリ金属水酸化物、アンモニア等塩基性水溶液、或いは硝酸、硫酸、塩酸等の鉱酸または、蟻酸、酢酸等の有機酸を添加し、加熱処理する手段が挙げられる。本発明で使用 するカルボキシル基および塩型カルボキシル基量が1.0mmol/g以上となる条件に付いては、反応の温度、濃度、時間等の反応因子をと導入されるカルボキシル基 および塩型カルボキシル基量の関係を実験で明らかにすることにより、容易に決定できる。なお、前記架橋結合の導入と同時に加水分解反応を行なうことも出来る。ここにおいて、酸で分解した場合には、カルボキシル基の一部を塩型に変換する必要が有る。
【0012】カルボキシル基を塩型にする方法としては、上述した加水分解粒子を下記に例示する各種の塩型の水酸化物または塩で処理する方法が好適である。カルボキシル基の塩型としては、Li,Na,K等のアルカリ金属、Be,Mg,Ca,Ba等アルカリ土類金属、Cu,ZN,Al,Mn,Ag,Fe,Co,Ni,等の他の金属、NH4,アミン等の有機の陽イオンを挙げることが出来る。なお、カルボキシル基および塩型カルボキシル基が上記下限に満たない場合には高吸放湿性が得られない。塩型は2種以上混合しても良いことは勿論である。
【0013】本発明に用いる微粒子の粒子径は特に限定はなく、取り扱い、混練での分散性から10 〜100μmが好ましい。
【0014】このようにして、20℃、相対湿度65%の測定環境において、吸湿率が20%以上、20℃、相対湿度40%に移行した場合の放湿度が5%以上の相対湿度の移行に添った容易に吸放湿・再生する微粒子を提供することが出来る。なお、吸放湿率の測定法については、実施例の項に記した。
【0015】
【作用】高吸放湿微粒子が高吸放湿性を備える理由は、十分に解明するに至っていないが、概ね次の様に考えられる。即ち、本発明に用いる微粒子は、AN系重合体から出発していながら実質的にニトリル基が消失していることから、ポリマー鎖に結合している側鎖は、ヒドラジンとの反応により生成した窒素を含有する架橋構造と、ニトリル基の加水分解により生成したカルボキシル基および塩型カルボキシル基と考えられる、一般にカルボキシル基および塩型カルボキシル基は吸放湿性を有するが、この量のみでは当該微粒子の高吸放湿性は得られないことから、架橋構造にも吸湿性があると考えられる。さらに吸湿した状態でべとつき感がないのは高度に架橋されているためであろう。
【0016】当該微粒子が抗菌性能を備える理由は、ヒドラジンとの反応により生成した窒素を含有する架橋構造の中に、1〜3級のアミン基が生成しているためと考えられる。第4級アンモニウム塩は代表的な有機系抗菌剤であることは良く知られているが、1〜3級アミン基もそれらに比べると抗菌性能は低いが抗菌性能を有している。
【0017】当該微粒子がアンモニア、アミン類および低級脂肪酸に消臭性能を備える理由は、ニトリル基の加水分解により生成したカルボキシル基および塩型カルボキシル基に該臭気が中和反応および配位結合するもので、家庭での天日干し・洗濯等で容易に性能が回復する可逆反応である。酢酸臭気に対しても吸着消臭性能を備えているが、これは高吸放湿性能を備えているため、吸湿水分に溶存するものと考えられる。
【0018】フローリング用カーペットに用いられるバッキング加工用バッキング剤としては、合成ゴム系のSBR(スチレン・ブタジエンラバー)、NBR(ニトリル・ブタジエンラバー)ラッテクスおよび樹脂系のPVC(塩化ビニル)、EVA(エチレン・酢酸ビニル)等が用いられるが本発明ではこれらに限定されるものではない。しかしながら、現在主流をなしているのは、接着性はじめ多くの利点をもつSBRに不飽和カルボン酸が1〜2%共重合された自己架橋型SBRラテックスであり、本発明でも推奨できる。不飽和カボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、イタコン酸エステル、マレイン酸、マレイン酸エステル等を用いる。
【0019】上記バッキング加工用バッキング剤に含有させる有機微粒子の量は、カーペット平方メーター当たり10〜200gであるが、好ましくは25〜100gである。10g未満では、実質的な吸湿効果が得られず、100gを超えると経済的ないと共に、バッキング強度が低下し、カーペットに必要な耐久性が充分得られなくなる。
【0020】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部および百分率は、断りのない限り重量規準で示す。
【0021】なお、カルボキシル基および塩型カルボキシル基量(mmol/g)、吸湿率(%)抗菌性、消臭性は以下の方法により求めた。
【0022】・カルボキシル基および塩型カルボキシル基量(mmol/g):十分乾燥した供試微粒子約1gを精秤し(Xg)、これに200gの水を加えた後、50℃に加温しながら1N塩酸水溶液を添加してpH2にし、次いで0.1N苛性ソーダ水溶液で常法に従って滴定曲線を求めた。該滴定曲線からカルボキシル基に消費された苛性ソーダ水溶液消費量(Yg)を求め、次式によってカルボキシル基量を算出した。
カルボキシル基量=0.1Y/X別途、上述のカルボキシル基量測定操作中の1N塩酸水溶液の添加によるpH2への調整をすることなく同様に滴定曲線を求めカルボン酸量を求めた。これらの結果から次式により塩型カルボキシル量を算出した。(塩型カルボキシル基量)=(カルボキシル基量)―(カルボン酸量)
【0023】・吸湿率(%):試料微粒子約5gを真空乾燥機で70℃、12時間乾燥して重量を測定する(W1g)。次に試料を温度20℃で所定の恒湿槽に24時間入れておく、このようにして吸湿した試料の重量を測定する(W2g)。以上の測定結果から、次式によって算出した。
吸湿率(%)=(W2−W1)×100/W1【0024】・抗菌性:JIS−L−1902繊維製品の抗菌性試験方法 8.(定量試験)による静菌活性値で評価した。
【0025】・消臭性:容器に試料を入れた後、空気を抜き、ガスを注入、2時間後の容器内ガス濃度をガス検知管により測定、下記の次式により消臭率を算出した。

【0026】
測定条件 1.試料重量 :1g 2.容器 :ポリエチレン製テトラーバック 3.容器容量 :1.5リットル 4.ガス量 :1.0リットル 5.測定温度 :20℃ 6.ガスの初期濃度:アンモニア 100ppm 酢酸 100ppm トリエチルアミン 30ppm カプロン酸 3ppm【0027】実施例1メタアクリル酸/p−スチレンスルホン酸ソーダ=70/30の水溶性重合体300部および硫酸ナトリーム30部を6595部の水に溶解し、櫂型攪拌機付きの重合槽に仕 込んだ。次にアクリロニトリル(AN)2700部およびアクリル酸メチル300部に2,2'−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)15部を溶解して重合槽に仕込み、400rpmの攪拌条件下、60℃で2時間重合し、重合率87%で平均粒子径52μmの高ニトリル系重合体を得た。該重合体100部に60重量%ヒドラジン50部および水850部を混合し、90℃、3時間の条件でヒドラジン処理を行なうことにより架橋を導入し、さらに、100部の苛性ソーダを添加し、120℃、2時間反応を行なうことにより、残ニトリル基のすべてを加水分解しカルボン酸基(加水分解反応終了時点ではナトリウム型)を導入した。得られた重合体を水中に分散し、硝酸によりpHを6.5としたのち、硝酸カルシウムを添加し、60℃、2時間金属処理を行ない、洗浄、脱水、乾燥し高吸放湿性で有機微粒子を得た。該微粒子の特性は、20℃、65%RHでの吸湿率が40%、20℃、40%RHへの移行時の放湿率が5.5%、黄色ブドウ状球菌に対する静菌活性値が4.3、アンモニア消臭率が100%であり、該重合体微粒子は優れた高吸放湿性、抗菌性および消臭性を有していることが確認できた。
【0028】パイル糸にアクリル短繊維100%使いのメートル番手2/32sバルキー糸<東洋紡績(株)製>エクスラン、タイプXKD538Gを用い、地糸にポリエステルマルチフィラメント165デシテックス<東洋紡績(株)製>を用いて、18ゲージダブルラッセル経編機<日本マイヤー(株)製>にて幅2メートル、パイル糸目付600g/m2の片面パイル布帛(一般にマイヤー布帛と呼ばれる。以下マイヤー布帛と呼ぶ。)を作製した。その後、常法にてカチオン染料を用いプリントを施し、フローリング用ポリッシャーカーペット染色揚り原反を作製した。
【0029】バッキング剤として自己架橋型SBRコンパウンド<東化学(株)製>、固形分80重量%を準備した(以下ラテックスと呼ぶ。)。当該ラテックスに前記で作製した高吸湿性および抗菌性、消臭性を有する有機微粒子をカーペット平方メートル当たり(1)25g、(2)50g、(3)100gが付着するよう混合調合し、バッキング剤を準備した。
【0030】2次基布として、ポリエステル短繊維を用いたニードルパンチ不織布、目付150g/m2<小泉製麻(株)製>を準備し、〔0025〕項の染色揚り原反に対し、前記の(1)〜(3)の3種類のバッキング加工剤800g/m2を用い、それぞれダイレクトコート方式で2次基布をバッキング加工した。
【0031】バッキング加工を行なった原反(1)〜(3)に対し、ブラシング機、シャーリング機およびポリッシング機を用い、毛割り4回、剪毛、ポリッシング4回、剪毛の順に仕上げを施し仕上げ反を得た。2m×2mのサイズに裁断後四方を縁飾り布にて縫製、リビング用ポリッシャー仕上げ加工品のカーペットを得た。
【0032】比較例1比較例として実施例と同様のリビング用ポリッシャー仕上げ加工品カーペットをバッキング加工剤に高吸放湿性、抗菌性および消臭性を有する有機微粒子を添加調合せずに加工製品を得た。
【0033】実施例、比較例1で得られたフローリング用ポリッシャーカーペットについて、抗菌性、消臭性及びカーペットの吸放湿性の評価を実施した。なお、カーペットの吸放湿性の評価は、以下の方法によった。表1に評価試験結果を示す。
【0034】・吸放湿性(吸湿、放湿後のカーペット重量変化を測定)
試料カーペット2000平方cmを70℃、12時間乾燥して重量を測定する(W1g)。 次に20℃、65%RHの恒湿槽に24時間入れておく、このように吸湿した試料の重量を測定する(W2g)。次に20℃、40%RHの恒湿槽に移動させ24時間入れておく。このように放湿させた試料の重量を測定する(W3g)。以上の結果から、次式によって算出した。
吸湿量(g)=W2−W1放湿量(g)=W2−W3【0035】
【表1】

【0036】表1が示す様に、本発明のカーペットは、本来の機能すなわち保温性・断熱性・クッション性・消音性・耐久性・等の他吸放湿性に優れた蒸れ感のない、快適でカビ発生防止に有効で抗菌性、消臭性能を有する清潔性フローリング用カーペットである。
【0037】
【発明の効果】本発明のフローリング用カーペットは、フローリング上に直接敷く低吸湿性の合成繊維原料・資材からなるカーペットでありながら、バッキング剤層が高吸放湿性を有し、更には抗菌性および消臭性を有するため、吸湿性が改善され、抗菌性および消臭性機能を具備した清潔性のフローリング用カーペットを提供できる。
【出願人】 【識別番号】000003160
【氏名又は名称】東洋紡績株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区堂島浜2丁目2番8号
【出願日】 平成13年6月19日(2001.6.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−419(P2003−419A)
【公開日】 平成15年1月7日(2003.1.7)
【出願番号】 特願2001−185328(P2001−185328)