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【発明の名称】 敷 物
【発明者】 【氏名】岩田 耕一

【氏名】斉藤 博

【要約】 【課題】長時間、ほぼ一定の姿勢で着座し続けても、従来の静的/固定構造の椅子や座席の利用者が、自分の骨格、筋肉を無意識のうちに動かし姿勢等を微少変化させ、足、下肢、首、下半身、腰、背中、肩、下半身/上半身等に、蓄積されるストレスを無意識の内に発散させることができ、非常に快適な使用感のする敷物を提供する。

【解決手段】敷物であって、ベース部と、身体腰部の座部とを具え、この座部と前記ベース部とを、所定の形状の曲面に基づき枢動運動が可能な枢動機構を形成するように直接接続し、又は、載置し、更に、前記座部と前記ベース部との間の枢動する空間に、滑り防止材を介在させ、前記敷物に作用する重力/加速度/遠心力を、前記滑り防止材及び前記枢動機構により、前記座部の局所枢動クッション変動に転換し、前記敷物に座っている人に、枢動クッション変動を提供することにより上記課題は解決される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 敷物であって、ベース部と、身体腰部の座部とを具え、この座部と前記ベース部とを、所定の形状の曲面に基づき枢動運動が可能な枢動機構を形成するように直接接続し、又は、載置し、更に、前記座部と前記ベース部との間の枢動する空間に、滑り防止材を介在させ、前記敷物に作用する重力/加速度/遠心力を、前記滑り防止材及び前記枢動機構により、前記座部の局所枢動クッション変動に転換し、前記敷物に座っている人に、枢動クッション変動を提供するようにしたことを特徴とする敷物。
【請求項2】 前記加速度及び/又は遠心力が、所定の大きさよりも小さくなった場合には、前記枢動機構により、前記座部が、所定のバランス位置に、自然に枢動して移動し復帰するようになっている請求項1に記載の敷物。
【請求項3】 前記滑り防止材が、粘弾性部材、粘着部材、感圧接着材、プラスチック部材、弾性部材、合成ゴム部材、ウレタン系ゴム部材、天然ゴム部材、ゲル材、シリコーンゲル材、多孔性シリコーンゲル材、低硬度シリコーンゴム、ポリエチレン及びポリスチレンの共重合体をポリマーの主成分とするゲル又は低硬度ゴム、ウレタンゲル材、シリコーンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン及びこれらの組合せから成るグループから選択されたシート状部材から成り、単独又は複数の前記シート状部材を積層してなる請求項1又は2に記載の敷物。
【請求項4】 前記滑り防止材と、前記座部との間に、更に、ネット状部材を介在させた請求項3に記載の敷物。
【請求項5】 前記滑り防止材が、粘弾性部材、粘着部材、感圧接着材、プラスチック部材、弾性部材、合成ゴム部材、ウレタン系ゴム部材、天然ゴム部材、ゲル材、シリコーンゲル材、多孔性シリコーンゲル材、低硬度シリコーンゴム、ポリエチレン及びポリスチレンの共重合体をポリマーの主成分とするゲル又は低硬度ゴム、ウレタンゲル材、シリコーンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン及びこれらの組合せから成るグループから選択されたシート状部材から成り、更に、単独又は複数の前記シート状部材を積層してなるグループから選択され、前記滑り防止材が、外部フィルムカバーにより完全に密閉され、前記外部フィルムカバーが、結晶質ポリエステル、非晶質ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、弗素化ポリマーフィルム、ポリ酢酸ビニル及びナイロンから成るグループから各々独立に選択されるフィルム層及び/又はフィルムセグメントを具えている請求項1に記載の敷物。
【請求項6】 前記外部フィルムカバーの密閉された平らな上下表面上の少なくとも一方に、接着剤層又は粘着部材が、塗布されて存在する請求項5に記載の敷物。
【請求項7】 前記枢動機構の所定の曲面が、球、半球、回転楕円体、回転2次曲面体、回転曲面体、一般の曲面体、又は、これらの曲面体の一部、又はこれらの曲面体を変形/組合せた曲面体を少なくとも一部に含む曲面により形成された請求項1乃至6のいずれか1項に記載の敷物。
【請求項8】 前記枢動機構の所定の曲面を殻体で形成した、又は、前記枢動機構の所定の曲面を殻体で形成すると共に、枢動曲面の反対側に、補強用リブ及び/又はトラスを形成又は一体に形成するようにした請求項7に記載の敷物。
【請求項9】 前記枢動機構の前記枢動自在な座部側が、凸曲面であり、前記ベース部側が、平面、又は、凹曲面の組合せである、又は、前記座部側が、凹曲面であり、前記ベース部側が、凸曲面の組合せである、又は、前記座部側が、平面であり、前記ベース部側が、凸曲面の組合せである請求項1乃至8のいずれか1項に記載の敷物。
【請求項10】 前記ベース部が、上面が平らな平板部、及び/又は、水平方向の外形が矩形又は円形の平板部を含む請求項1乃至9のいずれか1項に記載の敷物。
【請求項11】 前記平板部の枢動空間の反対側に、補強用リブ及び/又はトラスを形成し又は一体に形成するようにした請求項10に記載の敷物。
【請求項12】 前記平板部の最低部と最高部の高さの差が、0.5〜50mmの範囲である請求項10又は11に記載の敷物。
【請求項13】 前記平板部が、難燃性部材、不燃性部材、自己消火性部材、導電性部材を少なくとも1つ含む請求項10乃至12のいずれか1項に記載の敷物。
【請求項14】 前記平板部が、補強繊維材料を樹脂で強化してなる扁平な強化繊維糸を織糸とする織物を含むFRP製殻体から成り、前記織糸の糸幅が3〜16mmの範囲にあり、糸幅/厚み比が20以上である請求項10乃至13のいずれか1項に記載の敷物。
【請求項15】 前記織物の強化繊維糸が炭素繊維糸からなる請求項14に記載の敷物。
【請求項16】 前記ベース部と、前記座部とを、着脱可能又はワンタッチ着脱可能とした請求項1乃至15のいずれか1項に記載の敷物。
【請求項17】 前記座部を、軸部と衝撃吸収体とで一体に形成した、又は、軸部と衝撃吸収体とに、着脱可能又はワンタッチ着脱可能に構成した請求項1乃至16のいずれか1項に記載の敷物。
【請求項18】 前記軸部を、殻体で形成した、及び/又は、前記軸部の枢動曲面の反対側に、補強用リブ又はトラスを形成又は一体に形成するようにした請求項17に記載の敷物。
【請求項19】 前記可動座部の高さが、150mm以内である請求項1乃至18のいずれか1項に記載の敷物。
【請求項20】 前記敷物の高さが、200mm以内である請求項1乃至19のいずれか1項に記載の敷物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、身体の一部、又は、全体を、長時間、ほぼ一定の姿勢で、かつ、疲労感を発生させずに、快適に支持すると共に、自然な着座感で利用し続けることの可能な、薄く、軽量、コンパクトで、耐久性/安定性に優れた敷物(マット)に関する。尚、本発明では、キーデバイス:軸部(ユニバーサルジョイント機構)の動作が、大局的に観察すれば、ほぼ中央部を中心として、3自由度の枢動回転する動きが、その原理/動作の中心となるので、枢動と表現しているが、軸部の回転転がり運動や回転滑り運動を回動と呼ぶのであれば、本発明の枢動運動には、回動運動を含むのは、当業者に明らかである。
【0002】
【従来の技術】a1) 米国特許USP3309137号には、Wiebeによりボート等の乗物の座席であって、フィシング競技に適した座席が開示されている。
a2) 米国特許USP5728049号には、Albertsにより治療用座席であって、身体の座部を、ボールソケットジョイント機構により、多自由度の回転運動が可能なように構成した治療用椅子が記載されており、下半身、腰、背中等に生ずる筋肉疲労を低減し、座ったままでの運動の自由度を向上させるようになっている。
a3) 又、長時間、自動車、新幹線、飛行機等に乗っていると、特に、エコノミークラスの座席では、非常に狭い座席空間しか乗客に用意されておらず、身体に血行障害が発生し、いわゆる、エコノミークラス症候群と呼ばれる症状を呈する乗客が増加している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の各技術には、以下の様な問題点があった。
b1) 137(Wiebe)に記載された座席の構造には、本発明と同様な発想も見受けられる。しかしながら、凸部の向きが反対であるので、可動座部に自己復帰能力が無く、又、利用者が座席に座った状態での、座部の動作に対する思想が、根本的に異なっている。則ち、a1)では、座席に座ったフィシング競技中は、座席が、ふらふら、枢動して揺れると、競技の重大な障害となるので、人が座った状態では、座席は、基本的に揺動せず、床面等に、しっかり固定されているのが望ましく、座った状態の姿勢や角度を変更したい場合には、一度、腰を浮かして座部の姿勢角度を変更し、改めて着座しなおす動作を基本としている。従って、一度座席を傾けると、傾けた方向に更に傾斜しやすくなり、可動座部に自己復帰機能が無いので、長時間、a1)のような座席を利用すると、姿勢保持のため疲労感が蓄積されやすいといった問題点があった。一方、本発明では、着座したままの状態で、着座者が、特別に立ち上がったり、座部から離れたりすることなく、敷物に座ったままの状態で、可動座部を、前後/左右方向に自由自在に枢動回転運動させてストレッチ運動することが可能であり、固定座席をストレスが蓄積せず、快適かつ動的に変動する可動座席に転換でき、敷物の利用者が、自由自在にその姿勢や角度を簡単にクッション性よく(従来のクッション性は、静的荷重に対してのみ考慮されているが、本発明では、静的クッション性と同時に、座ったまま運動・変動している状態での動的クッション性も提供でき、これを以下、枢動(ピボット)クッション性と呼ぶ)変更が可能であり、又、後述するように、座部形状から自動的に生成される自己復帰機能が内蔵されているので、自動的に一番バランスのとれた姿勢角度の位置に移動するように機能し、更に、遠心力等が作用した場合には、本発明の座部形状により、遠心力を積極的に枢動運動の外部駆動源として活用し、強制的ストレッチ運動が可能なストレス解消機能を有する局所可動座部に転換し、新しい機能を敷物に付与している。
b2) 049(Alberts)に記載された椅子では、身体の座部を、凸面及び凹面の組合せにより構成し、かかる凸面及び凹面の間には何も介在させていないので、本発明の枢動クッション性が無く、5分以上連続して座り続けると非常に座り心地が悪くなるといった問題点や、凸面及び/又は凹面の加工精度/組立精度が粗いと、所望の回転運動をさせた場合に、ごつごつした動きや騒音が発生し、身体にフィードバックされるといった問題点や、回転運動の自由度のみで並進運動の自由度が無いので、ストレッチ運動で可能な動きの自由度や移動可能な空間範囲が特定の回転中心の回りだけに強く限定され、長時間の利用ではストレスが蓄積されやすいといった問題点や、部品点数が多く凹凸面に高精度の加工精度が要求され装置の価格が高くなる、下方に突出した機構となっているので装置全体の大きさを、その高さが低く薄く小型化するのに限度があり、限られた空間と燃費向上のため出来る限り軽量化された重量の範囲内で、安全/快適性の要求される乗物の敷物としては利用し難い機構であるといった問題点があった。b3) 又、自動車/電動車椅子等の車両や、飛行機/船/電車等の乗物で長時間の移動を行う場合、従来の乗物の固定式座席では、いわば、縛り付けられ/固定された状態で、移動することとなり、じっとしていられなくなる疲労感/痛みを解消することは、運転者/乗客にとり、切実な問題であり、長時間の飛行等では、特に、エコノミークラス症候群として重大な問題となっているが、かかる問題点は、従来の技術では何等根本的解決手段が施されなかった。よって、本発明は上述の様な事情に鑑みて成されたものであり、本発明の目的は、従来放置されてきた、身体の一部又は全体を、長時間、ほぼ一定の姿勢で保持/支持し続けても、従来の静的な椅子や座席の利用者が、敷物を座席上に載置してその上に着座するだけで、自分の骨格、筋肉を無意識のうちに動かし姿勢等を微少変化させ、足、下肢、首、下半身、腰、背中、肩、下半身/上半身等に、蓄積されるストレスを無意識の内に発散させることができ、非常に快適な使用感のする、金属製バネが不要で、薄く、小型、軽量、コンパクトで、耐久性/安定性に優れた、枢動クッション性と自己復帰機能を有する局所可動座部を具えた枢動自在な動的椅子や座席に転換可能な敷物を提供することにある。又、本発明の他の目的は、乗物の移動に応答して発生する遠心力を、局所可動座部に作用させ、上記座部を遠心力により枢動自在に変動せしめ、かかる枢動変動により運転手/乗客の腰部を強制的に枢動変動させ、ストレス放出運動として座っている人の身体に強制的にフィードバックすることの可能な、金属製バネが不要で、薄く、小型、軽量、コンパクトで、耐久性/安定性に優れた枢動自在な敷物を提供することにもある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、敷物に関し、本発明の上記目的は、ベース部と、身体腰部の座部とを具え、この座部と前記ベース部とを、所定の形状の曲面に基づき枢動運動が可能な枢動機構を形成するように直接接続し、又は、載置し、更に、前記座部と前記ベース部との間の枢動する空間に、滑り防止材を介在させ、前記敷物に作用する重力/加速度/遠心力を、前記滑り防止材及び前記枢動機構により、前記座部の局所枢動クッション変動に転換し、前記敷物に座っている人に、枢動クッション変動を提供することによって達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施例について、詳細に説明する。尚、本発明の敷物が利用可能な乗物には、自動車/電動車椅子/トラック/ホークリフト/ブルトーザ等の車両や、飛行機/船/電車等の乗物、更に、馬車、自転車、オートバイ等の乗物、クレーン/建築機械/遊園地等の乗物を含み、これらの乗物の座席に本発明の敷物を載置するだけで利用可能であり、又、本発明の敷物が利用可能な椅子又は座席には、テーブル/事務机/教室/学校や音楽/演劇ホール等で使用される椅子や、パチンコホール/ゲームセンター等の遊戯施設等で使用される椅子を含む。以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施例について、詳細に説明する。先ず、図1〜図5は、本発明の敷物1aの1例であり、図1(A)は、敷物1aの平面図、図1(B)は、その1B-1Bでの横断面図、図1(C)は、ベース部2aの正面図、図1(D)は、その底面図、図1(E)は、コイル状支柱部の平面図、図1(F)は、その正面図、図1(G)は、その底面粘着部材の正面図である。尚、図1乃至図4において、軸部5及び滑り防止材3a,3b、粘着材3436等は、その積層された構造を明確にするため、非常に、誇張された大きさで描かれている。図2(A)は、滑り防止材3a又は3bの平面図、図2(B)は、その2B-2Bでの横断面図、図2(C)は、滑り防止材3aの底面用粘着部材34の平面図、図2(D)は、その2D-2Dでの横断面図、図2(E)は、滑り防止材3aの上面用粘着部材36の平面図、図2(F)は、その2F2Fでの横断面図である。図3(A)は、軸部5の平面図、図3(B)は、その3B-3Bでの横断面図、図3(C)は、クッション補強材61の平面図、図3(D)は、その3D-3Dでの横断面図、図3(E)は、クッション材62の平面図、図3(F)は、その3F-3Fでの横断面図、図3(G)は、表皮材4の斜視図である。図4(A)は、本発明の敷物1aを椅子に載置して使用した場合の、前後方向の断面図、図4(B)は、その左右方向での横断面図である。図5(A)は、本発明の敷物1aで、軸部5の位置を左上方に移動させて利用する場合の平面図、図5(B)は、本発明の敷物1aで、軸部5の位置を右下方に移動させて利用する場合の平面図、図5(C)は、表皮材と底面の補強材とを一体化した1例を示す平面図、図5(D)は、その横断面図である。図6(A)は、中央に中空部93を有する固体化外周フード4dを具えた本発明の又別の敷物1dの平面図、図6(B)は、その6B-6Bでの横断面図である。図7(A)は、クッション材で構成した固体化外周フードの平面図、図7(B)は、その7B-7Bでの横断面図、図7(C)は、敷物1dの平板部の平面図、図7(D)は、その7D-7Dでの横断面図である。図8は、ベース部2i(i=r〜w)と可動座部7i(i=r〜w)との種々の形状の組合せ構造を示す図であり、図8(A)は、ベース部2rの上面が平面28で、可動座部7rの下部が凸曲面51の枢動機構の横断面図の1例であり、同図(B)は、ベース部2sが凸曲面28で、可動座部7sの下部が平面51の枢動機構の横断面図の1例であり、同図(C)は、可動座部7tの下部が凸曲面51で、ベース部2tが凹曲面28の枢動機構の横断面図1例であり、同図(D)は、可動座部7uの下部が凹曲面51で、ベース部2uが凸曲面28の枢動機構の横断面図1例であり、同図(E)は、ベース部2vが凹曲面28で、可動座部7vの下部が平面51の回動機構の横断面図1例であり、同図(F)は、ベース部2wが平面28で、可動座部7wの下部が凹曲面51の回動機構の横断面図1例であり、合計6種類の組合せが、それぞれ、利用可能である。
【0006】本発明の第1実施例の敷物1aは、従来のマットや座布団等と同様に、図4(A)に示すように、座席に座ったままでは容易に姿勢の変更できない従来の固定構造式椅子や乗物の静的構造の座席の上に載置して設置し、その上に腰掛けて使用するのが好ましく、敷物1aに座ったままの状態で、着座者が、特別に立ち上がったり、敷物1aから離れたりすることなく、可動座部7aに腰掛けたままの状態で、上記静的座席の座部を前後/左右方向に自由自在に運動可能な動的座席に転換でき、枢動回転を主体としたストレッチ運動中は勿論、単に着座している状態でも、並進移動・回転運動を含む非常に多様な自由度の運動が実行可能な簡単な構造の座席を提供し、非常に快適な枢動クッション性が得られる座席構造が実現でき、従来の静的座席を、長時間腰掛けていてもストレスが蓄積せず、クッション性に優れ、快適かつ動的に変動する可動座席に転換できる。その構造は、図1(B)にその横断面を示すように、大きくは2つの部分、則ち、略平面平板状のベース部2aと、球殻の一部曲面殻体から成る軸部5及びクッション補強材(裏打ち材)61クッション材62を積層して形成した衝撃吸収体60(通常のクッション材)からなる局所可動座部7aとを具え、更に指等の挟み込みを防止するため、この枢動する可動座部7a全体を被包し、ベース部2aの側壁に係止されたネット状表皮材(カバー)4aと、更に、表皮材4aを空中に支持し可動座部の移動可動な空間を確保するための支柱部8とから構成され、座部7aとベース部2aとを、所定の形状の曲面51に基づき枢動運動が可能な枢動機構(ユニバーサルジョイント機構)5aを形成する様に直接接続し、又は、載置し、更に、座部7aとベース部2aとの間の枢動する空間に、適度な柔らかさを有しシート状物からなる滑り防止材3i(i=a,b)を介在させ、敷物1aに作用する重力/加速度/遠心力を、滑り防止材3i及び枢動機構5aにより、座部7aの局所枢動クッション変動に転換し、この枢動クッション性は、従来の静的座席では全く提供されてこなかったクッション性能であり、更に、上記枢動機構により、敷物1aに座っている人に、遠心力を外部駆動源にした、座ったままでの強制的ストレス発散用ストレッチ運動が可能な可動座席を提供し、或いは、着座者の自主的な意思に基づいて利用可能な座ったままでの自立的ストレッチ運動を快適に補助・支援する局所可動座席を提供するようになっている。尚、上記表皮材4a及び支柱部8は、省略しても本発明の座席の機能に支障ないことは当業者に明かであり、又、本発明の枢動クッション性は、クッション補強材61クッション材62からなる通常の静的衝撃吸収体では全く生成したり提供することができず、かかる枢動クッション性は、枢動曲面51と滑り防止材3iと平面状ベース部(又は曲面51に対応したベース部)2aとが組合わされて初めて生成され、適度な柔らかさを有する粘弾性力が中心となり、適度の粘着力と、永久圧縮歪の少ない弾力性とが、適宜組合わされ合成されて初めて実用可能となり、常時、体重が滑り防止材3iに負荷されるので、滑り防止材3iには後述する優れた耐久性能が要求され、かかる滑り防止材3iを利用すると、着座している利用者の時々刻々と変動する姿勢・角度や環境条件に応じて自動的に快適な枢動クッション性能が生成され、身体変動の障害となるよりは、むしろ身体の自主的・自立的運動を補助し、しかも、無意識の内に身体変動に快適に適応するようにクッション作用が生成されるものである。図1及び図4の例では、ベース部2aの上方に形成された平らな平面状平板の上面28に、後述する滑り防止材3iを載置し、更に滑り防止材3iの上面に、可動座部7aの下部を構成し下方に凸曲面を有する枢動曲面51を含む軸部5が、直接、載置されて、枢動機構5aが形成され、特別な外部動力源が何も用意されていない枢動運動機構であるにも拘らず、敷物1aを利用中の環境条件により、例えば、敷物1aを乗物の座席に載置して着座していると、当該乗物の移動に応答して、カーブ/右、左折等で発生する遠心力が可動座部7aに作用し、外部駆動の特別な動力源無しに、上記加速度が、着座者を乗せたままの可動座部7aを自動的に大きく駆動して、着座者の腰部を局所強制的に枢動/傾動せしめ、強制的ストレス発散運動が可能となる。或いは、上記乗物の移動に基づく加速度が全く利用できない静止した事務用椅子の上に載置した敷物1aの場合でも、着座者の上半身の僅かな身体移動により、その重心が僅かに変化すると、この僅かな重心移動に応じて生成される重力モーメントに応答して可動座部7aが駆動され、自動的に身体の重心移動作用として枢動/傾動運動が、着座者の腰部を中心とした骨格筋肉に引き起こされ、しかも同時に、かかる身体の骨格運動が、瞬時に、着座者の小脳にフィードバックされ、更に滑り防止材3iの作用により可動座部がつるつる滑ることが防止できるので身体を変動させた場合の骨格のバランスをとる神経の働きを常時働かせておく必要が無く、従って、従来固定されていて全く移動不可能な状態で提供されていた座席の座部が、滑り防止材3iの柔らかい粘弾性力により、瞬時に反作用方向に枢動/傾動可能となり、着座空間という非常に狭く、制約条件の非常に多い局所空間であっても、ストレス発散のために十分な可動範囲のストレッチ運動を可能とする空間と機構が十分確保でき、無意識の内に、ほんの僅かな重心移動で腰部を中心に、ゆったり、かつ、快適に枢動クッション運動が実行できるようになっている。従って、本発明の敷物1aは、乗物の座席に載置して使用すると、特に、エコノミークラス症候群と呼ばれる症状に対しては、特別に薬剤を服用しなくても、その効果が非常に感得でき、かかる一見、非常に不安定に見える敷物/枢動機構を設置して、乗物の運転をしたり、乗車することは、非常に危険であると勝手に推測され、従来、試行されることがなかったし、乗車中にかかる敷物の上で過ごすことは非常に疲労感を増すだけであると勝手に想像され、従来試行されることもなかったが、本願発明者が、自動車の座席に敷物1aを敷いてシートベルトをした状態で運転したところ、片道、約4〜5時間休みを取らずに連続して運転しても、滑り防止材3iを含む枢動機構5aにより、座部7aの枢動運動に柔らかい粘弾性力に基づくクッション性が付与されて、枢動/傾動変動が生じても、敷物の着座者に対し、非常に滑らかな腰部を中心とした局所的下半身のストレス解消運動と、着座感の良好かつ快適な座席を提供でき、しかも、シートベルトを着用している場合等では、頭部及び前腕等の上半身は、背骨が適宜自然に湾曲することにより、上記下半身の局所的枢動運動に殆ど影響されず、又は、下半身の運動と同時に、快適にストレスを発散でき、その結果、ほぼ一定の姿勢を保って長時間運転していても、運転中、それまで感じていた腰及び背骨や下半身の傷みが殆ど感じられず、非常に快適に運転でき、更に降車後は、即座に、別の仕事等に従事することが可能であった。又、従来の固定化され静止した構造の椅子/座席やこれに付属した敷物では、座っているだけの全く受動的な静的クッション性のみが問題とされてきたので、かかる全身運動を補助するストレス解消運動等の能動機能(動的クッション性)に対しては、完全に配慮が欠けており、他方で、従来のa2)に開示されているような枢動可能な治療用の椅子では、クッション性は全く考慮されておらず、運動の自由度や快適性に対しては、全く配慮が欠けていたので、2〜4時間以上の長時間の椅子/敷物の使用等とても想像できなかった。一方、本発明の敷物では、軸部5と平面28との間に、介挿された滑り防止材3iの粘弾性力及び粘着力により、可動座部7aの枢動運動に、同一姿勢の保持能力(粘着力による)とクッション性(適度な柔らかさの弾性体の弾力性による)を同時に付与できると共に、いわゆる凹凸曲面の組合せ構造(ボールジョイント機構)では提供不可能な可動座部7aの局所並進運動も回転運動と同時に提供可能なので、可動座部7aのつるつるした不規則変動を完全に防止でき、更に、ヨー、ピッチ、ロール等の3自由度以上の回転運動能力と共に、前後/左右方向への局所並進移動運動能力も付与でき、高さ(厚さ)60mm以内の非常に薄く形成された僅かな設置空間であっても、枢動変動/傾動移動中は、敷物の着座者に対し、ストレス発散運動に対して十分に広い運動空間と着座したまま非常に滑らかな動きが提供可能な機構と、着座感の良好・快適な枢動クッション性を提供でき、2〜8時間以上或いは24時間の連続長期間着座し続ける利用方法でも、従来の座席や敷物と比較して、約1/5〜1/10以下の疲労感しか発生しない、非常に快適かつ活動的な座席/敷物が実現できている。更に、滑り防止材3iには、乗物の床等下方から伝達される不規則振動の吸収効果があるので、活発能動的な動きが常時生じているにも拘らず、非常に音が静かであり、軸部5及び補強材61クッション材62が積層されて形成された非常に軽量の座部7aにより、無意識の内に、ストレス発散運動が自然に導かれ、実行できるようになっている。尚、滑り防止材3iの剛性/柔かさは、本発明者の種々の実験に基づく感じでは、人体の筋肉、又は、柔らかい肉組織と、ほぼ同等の柔らかさが、最も好ましいように感じた。
【0007】次に、敷物1aのベース部2aの構造を詳細に説明すると、図1(C)(D)の例では、ベース部2aは、軽量で、かつ、平面(水平状態に設置したり、又は、乗物等では、少し前方を上方に傾斜させた平面状に設置するのが好ましい)状態を、上部の可動座部7aに対して提供できる構造であれば十分であり、かかる構造の1例としては、薄板平面状平板部全体としての剛性を主として受けもつ部分となる薄板平板状殻体21と、その下方に一体に形成された剛性補強部材26からなる平板部2aと、平板部2aの上面28に載置された滑り防止材3i(i=a,b)と、可動座部7a全体を被包し、平板部2aの側壁に係止された表皮材(カバー)4aと、更に、表皮材4aを支持し可動座部の移動可動な空間を確保するための支柱部8とから構成された構造があり、これらの構成部材は、それぞれ相互に着脱可能、又は、ワンタッチ着脱可能に構成するのが好ましく、補強部材26には、図1(D)に示す様に、縦/横方向に配設されたリブ27a,27bを一体に形成して強度を高めてもよく、又は、後述する図7(D)に示すような底面が平らなシート状物からなる熱可塑性エラストマ26c等の衝撃吸収用弾性部材からなるクッション性補強部材26xを一体に形成することも好ましい。上記平板部2aの主たる剛性部材となっている、則ち、平板部全体としての剛性を主として受けもつ部分となっている薄板平面平板状殻体21の主たる材質は、可撓性部材、弾性部材、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(以下、PVCという)、ポリスチレン、ポリプロピレン(以下、PPという)、ポリビニルアルコール(以下、PVAという)、メタクリル樹脂、石油樹脂、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアセタール、弗素樹脂、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(以下、PEEKという)、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾール、ポリシクロオレフィン等の熱可塑性樹脂、又は、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、則ち、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等の合成樹脂材、又は、プラスチック、繊維強化プラスチック(以下、FRPという)、又は、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、弗素ゴム、多硫化ゴム、ポリエーテルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン等の合成ゴム、又は、天然ゴム、又は、これらの組合せから成るグループから選択されたもの、軽量、高強度、高耐貫通衝撃性等の特性に優れ、比弾性率が大きく、かつ、比強度が大きい炭素繊維を用いた炭素繊維強化プラスチック(以下、CFRPという)、炭素繊維、ボロン繊維、ポリケトン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等の高強度強化繊維基材と、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂との複合材料である熱硬化性FRP、ガラス繊維強化プラスチック(以下、GFRPという)、炭素繊維、ボロン繊維、ポリケトン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等の高強度強化繊維基材と、ポリエチレン、ポリアミド、PVC、ポリスチレン、PP、PVA、メタクリル樹脂、石油樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアセタール、弗素樹脂、ポリイミド、PEEK、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾール、ポリシクロオレフィン等の熱可塑性樹脂との複合材料である熱可塑性FRP、合成皮革部材、多孔質性部材、セラミックス部材、鉄、ステンレス、アルミニウム、マグネシウム、チタン等の金属部材、磁性部材、木材/竹/皮革等の天然部材、紙、板紙、ダンボール、及びこれらの組合せから成るグループから選択される種々の部材が利用可能であり、これらの部材には、更に、難燃性部材、耐熱性部材、不燃性部材、自己消火性部材、導電性部材を少なくとも1つ含むように配合せしめ、難燃性や耐熱性を向上させたり、静電気対策を施すことも可能である。上記薄板平板状殻体21は、FRPや合成樹脂等で製作可能であり、その構造は、軽量化の点で、FRP製の殻体21で構成するのが好ましい。又、補強部材26を含む平板部2aには、これと一体に、前後方向のリブ27a/左右方向のリブ27b、複数の同心円形状/放射状等のリブを形成すると、軽量化を計りながら、一段とその強度を高めることも可能であり、リブ及び補強部材を含む平板部2aの形状は、その上面の形状が円形/半円形/楕円形や正方形を含む矩形が加工しやすく、補強部材を含む平板部2aの大きさは、可動座部7aを前後/左右方向に手動で移動させても利用可能なように、基本的には、可動座部7aよりも大きなサイズが好適で、具体的には、補強部材を含む平板部2aの大きさは、水平方向/奥行き方向の長さ(又円形の場合はその直径)は、20〜130cmの範囲が好適で、25〜90cmの範囲にあるとより好ましく、25〜50cmの範囲にあると更に好ましい。又、補強部材を含む平板部2aの底面から上平面28迄の高さ/厚さ(表皮材4を含まない)は、1.0〜30mmの範囲、より好ましくは、1.5〜15mmの範囲、更に好ましくは、1.5〜8mmの範囲で、その重量を出来るだけ軽量化したものが好ましい。そして、補強部材を含む平板部2aの外周部には、蒸れ感を防止するために、単数又は複数の通気孔を設けることが好ましい。尚、自動車等の座席で使用する敷物の場合には、座席が一般に中央凹部を形成しているので、その形状に沿うように、その横断面が可動座部7aよりも小さな中央部平面状面積を有する傾斜付き台形殻体とすることも可能であり、更に、2つの傾斜させた平面を接着又は一体に形成した合成平面とすることも可能である。又、上記リブは、底部に形成するのが好ましいが、勿論、形成しなくともよい。かかる補強部材26を含む平板部2aの側面、及び/又は、底面に、表皮材4aの下端に形成した中空部44を貫通させて、麻糸や弾性ゴム・ロープ等からなる係止用紐・糸状体49を収納/係止する溝249を設けると、表皮材4aの平板部2aへの着脱がワンタッチ着脱可能となり、又、表皮材4aを、合成樹脂や合成ゴムの不織布で形成し、その側面や上面に、単数又は複数の通気孔を形成することも可能であるが、表皮材4aの全体、又は、上面40を、天然繊維、合成樹脂や合成ゴム等の部材からなるネット状物で形成すると、可動座部7aが枢動する運動の自由空間を確保し、可動座部が移動中、これを被包するネット状物が相互にずれて自在に変形するので表皮材座面部の硬さが枢動運動の抵抗になることも少なく、通気性も確保でき好ましい。更に、図3(G)の例では、表皮材4aの側面42は、上面40と同様の材質の部材により、シート、及び/又は、ネット状物で構成し、更に、エッジ部41で縫合し、融着し、又は、ファスナ等で開閉自在に構成し、一体に形成した例を示したが、表皮材4aの側面は、後述する図6(B)のように、弾性合成樹脂材や合成ゴム等の固体化外周フードとし、これを、平板部2aに着脱可能に形成したり、平板部2aと一体に形成する事も可能である。尚、表皮材の一部である側面等を固体化外周フードで形成した場合でも、当該側面に上記通気孔は形成可能であり、又、表皮材の上面は、シート、及び/又は、ネット状物で形成するのが好適であるが、表皮材の側面を固体化外周フードで形成した場合には、フード上面中央の部材は撤去して中央部に空洞部を形成し、可動座部7aのクッション材62の上面に、更に、直接表皮材4aを被覆した構造で可動座部を形成すると、直接、可動座部の上表面を、敷物の上表面として露出させることも可能である。更に、図1の例では、平板部2aの上平面28の4隅に、熱可塑性弾性樹脂や合成ゴム等から成る弾性材で構成された螺旋(コイル)状の支柱部8が配設され、その底部が粘着材及び/又は接着剤層82により上面28に固定され、支柱部8は、表皮材4aに蚊帳形状を賦形し、可動座部7aをその内部において枢動せしめる場合に、中空の移動空間を確保し、表皮材4aが座部7aと密着してしまい枢動運動の抵抗力として作用するのを防止し、表皮材4aの内部の自由移動空間を拡大し、座部7aが任意の方向に枢動し、及び/又は、手動で前後/左右方向に並進移動させるのを補助するようになっている。又、支柱部8は、円柱/角柱のような縦長の固体化し一体化した形状よりは、螺旋状のコイル形状に形成すると、前後/左右の任意の方向に表皮材4aが変形し撓む場合の抵抗力を低減することができ、好ましい。しかして、自動車/飛行機等の乗物の座席用敷物では、極力軽量化を図ると共に、その強度を確保する場合、平板部2aは、特に、炭素繊維、ボロン繊維、ポリケトン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等の高強度繊維部材と、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエチレン、PVC、ポリスチレン、PP、PVA、メタクリル樹脂、石油樹脂、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアセタール、弗素樹脂、ポリイミド、PEEK、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾール、ポリシクロオレフィン等の熱可塑性樹脂との複合材料である熱可塑性FRP、及び/又は、炭素繊維、ボロン繊維、ポリケトン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等の高強度繊維部材と、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂との複合材料である熱硬化性FRP、及び/又は、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、PET、PBT、ポリフェニレンエーテル、PEEK、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリケトンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリ四弗化エチレン、芳香族ポリエステル、ポリアミノビスマレイミド、トリアジン樹脂等のエンジニアリングプラスチック部材、及び、これらの組合せから成るグループから選択される部材で構成するのが好適で、例えば、東レ株式会社のCFRPの一種で、トレカT700で平板部2a及び可動座部7aの殻体主要部を構成すると、軽量かつ耐熱性にも優れ、乗物用の敷物として、好ましい。
【0008】次に、殻体軸部5、クッション補強材61クッション材62が下からこの順番で積層されて形成された局所可動座部7aに関して説明すると、図3(A)(B)に示すように、軸部5は、出来る限り軽量化を図ることが好ましく、軸部の主たる剛性材となっている、則ち、軸部全体としての剛性を主として受けもつ部分であると共に、座部7aの主たる剛性材となっている下方に凸曲面を形成した薄板曲面状殻体51は、上記平板部2aの薄板平面平板状殻体21と同様の部材が利用でき、絞り成形加工等により所望の曲面形状を殻体に賦形し、軸部5を0.5mm以下の極めて薄い球面殻体や熱可塑性樹脂単体で構成することができ、軸部曲面部の捻り剛性や曲げ剛性が不足するような場合には、殻体軸部の上面/上部に、前後/左右方向のリブや、同心円状リブ54a/放射状リブ54b/ウェブ/スチフナ等の剛性補強材54を形成すると、軽量化と同時に、所望の剛性や強度を確保することができ、かかる曲面殻体51は、FRPや合成樹脂等で製作可能であり、その構造は、軽量化の点では、FRP製の殻体51で構成するのが好ましい。又、殻体軸部5の上面/凹部に形成されたリブ/ウェブ/スチフナ等の剛性補強材54がクッション材62に対しごつごつした感触を与える場合には、軸部5とクッション材62との間に、図3(C)(D)に示すように、弾性エラストマ、弾性ゴムシート、ゲル材等からなるクッション補強材61を介挿するのが好ましく、更に、補強材61の上に積層して使用する通常のクッション材62は、図3(E)(F)に示すように、その断面形状が、その中央部が凹形状に窪んだものが、装置全体の軽量化を図るためには好ましい。ところで、図1及び図3の例では、本発明の敷物1aのベース部2aの上面28の形状と、座部7aの下方枢動曲面51の形状とから形成される枢動機構5aの断面形状の組合せは、後述するように全部で6種類の枢動曲面の組合せが理論的に考えられるが、その中で、ベース部2aが平面形状28で構成され、可動座部7aの下方枢動曲面が凸曲面形状51の殻体で構成された枢動機構の1例を応用した例であるが、この組合せが、ユーザが枢動運動する場合に提供可能な自由度が最も多く、装置の自己復帰安定性、装置の製造しやすさ等の観点から最も好ましく、ベース部2aの平板部2aの上平面28に、滑り防止材3iを載置しその上に軸部5を更に載置する構成が、可動座部7aの下部を構成し、枢動曲面51を有する軸部5を平面28に直接載置する場合よりも、一段と好ましく、固定側平面28可動下方凸曲面51から成る枢動機構5aでは、ヨー、ピッチ、ロール等の3自由度以上の回転運動制御が、単一の曲面で提供可能であり、かかる曲面部(シェル又は殻体とも呼ぶ)51の形状として予め賦形した所定の形状としては、例えば、球、半球、断面が三日月状等の球殻の一部、回転楕円体、回転2次曲面体、回転曲面体、一般の凸曲面体、又は、これらの曲面体を組合せた曲面体を少なくとも一部に含む曲面により形成された曲面殻体を利用して実現することが可能であるが、半球面又は断面が三日月状等の球面の一部を利用するのが、製造が容易であり、回転運動の制御性も自然かつ快適で、予測可能に制御(どの方向に座部7aを傾ければ、身体がどの方向に変更可能であるかがユーザに分かりやすい)しやすく、好ましい。又、固定側平面28可動下方凸曲面51から成る枢動機構5aは、後述する固定側凹曲面28可動凸曲面51から成るボールジョイント式枢動機構5bと比較すると、機構の構造が単純であり、壊れにくく、製造しやすく、又、可動座部7aが固定された平面28上を前後/左右方向に局所的に平行移動可能なので、着座したままの状態での、身体腰部の運動(移動)可能な空間範囲、及び、運動の回転及び平行移動の自由度を、飛躍的に向上させることが可能な構造を提供でき、更に、着座者が重心のバランスを崩した場合にも、自動的に重心のバランスする位置に復帰する(又は移動する)自己復帰機能も具えており、装置の安定性の面からも非常に好ましい。更に、リブを含む軸部5の水平方向の形状は、その上面形状が円形/半円形/楕円形や正方形を含む矩形が加工しやすく、特に、上面が円形であると、自動車/飛行機等の乗物において、乗降時に座部に着座したままの状態で、座部をスピン回転させることにより、身体の姿勢を正面から左右のドアや通路方向に、容易に約90度回転させて姿勢を変更できるので、狭い座席からの昇降動作/昇降運動が無理無く実行できるので好ましく、又、リブを含む軸部5の大きさは、水平方向/奥行き方向の長さ(形状が円形の場合はその直径D52)が、20〜150cmの範囲が好適で、25〜90cmの範囲にあるとより好ましく、乗物用では、25〜50cmの範囲にあると更に好ましい。又、リブを含む軸部5全体の高さ/厚さは、3.0〜15cmの範囲が好適で、3〜10cmの範囲にあるとより好ましく、3〜7cmの範囲にあると一段と好ましく、その重量を出来るだけ軽量化したものが、好ましい。そして、リブを含む軸部の外周部には、単数又は複数の通気孔を設けることが、好ましい。更に、軸部の曲面部51は、その曲面が球状殻体の一部で形成された場合は、その回転中心が平板部2aの上方にあり、その回転半径R51は20〜150cmの範囲が好適で、30〜120cmの範囲がより好ましく、40〜90cmの範囲が更に好ましい。上記可動座部7aは、FRP製殻体軸部5の内側上凹部に、従来から使用されているクッション補強材61クッション材62から成る衝撃吸収体60を有し、このクッション材62を主体とした衝撃吸収体60は、弾性部材、弾性合成樹脂から構成するのが好ましく、又、上記衝撃吸収体60は、着座時や起立時等の衝撃力を適切に吸収し、人体腰部を適切に保護できる材質が好ましく、例えば、合成ゴム、弾力性弾性部材、発泡材、スポンジ等のクッション材62と、該クッション材の裏側に、クッション補強材61として寒冷紗、粗毛フェルト、不織布等の補強材を一体発泡し成形してもよく、これら補強材は上記リブとの接触面における破れ防止を計り、クッション材により通常の着座中の受動的な適度の快適性を付与している。尚、軸部5の内側上凹部に配設された衝撃吸収体60は、本発明の滑り防止材3iに基づいて発生する可動座部7aの枢動クッション性とは、直接、関係無く、通常の受動的静的クッション性だけを付与するために設けられている。ところで、上記クッション材62としては、通常の各種座席用クッション材が利用でき、ポリウレタンフォーム等の成形品や、合成樹脂製の弾力性弾性樹脂が利用可能である。
【0009】更に、上記軸部5の薄板曲面状殻体51の主たる材質としては、上記平板状殻体21と同様の部材が利用でき、FRPや合成樹脂等で製作可能であり、その構造は、軽量化の点では、FRP製の殻体51で構成するのが好ましく、具体的には、可撓性部材、弾性部材、ABS樹脂、ポリエチレン、PVC、ポリスチレン、PP、PVA、メタクリル樹脂、石油樹脂、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアセタール、弗素樹脂、ポリイミド、PEEK、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾール、ポリシクロオレフィン等の熱可塑性樹脂、又は、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、則ち、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等の合成樹脂材/プラスチック、又は、FRP、又は、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、弗素ゴム、多硫化ゴム、ポリエーテルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン等の合成ゴム、又は、天然ゴム、又は、これらの組合せから成るグループから選択されたもの、更に、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、PET、PBT、ポリフェニレンエーテル、PEEK、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリケトンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリ四弗化エチレン、芳香族ポリエステル、ポリアミノビスマレイミド、トリアジン樹脂等のエンジニアリングプラスチック部材、CFRP、炭素繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等の高強度繊維部材と、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂との複合材料である熱硬化性FRP、GFRP、炭素繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等の高強度繊維部材と、ポリエチレン、ポリアミド、PVC、ポリスチレン、PP、PVA、メタクリル樹脂、石油樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアセタール、弗素樹脂、ポリイミド、PEEK、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾール、ポリシクロオレフィン等の熱可塑性樹脂との複合材料である熱可塑性FRP、合成皮革部材、多孔質性部材、セラミックス部材、鉄、ステンレス、アルミニウム、マグネシウム、チタン等の金属部材、磁性部材、木材/竹/皮革等の天然部材、紙、板紙、ダンボール、及びこれらの組合せから成るグループから選択される種々の部材が利用可能であり、これらの部材には、更に、難燃性部材、不燃性部材、自己消火性部材、導電性部材を少なくとも1つ含むように配合せしめ、耐熱性を向上させたり、静電気対策を施すことも可能である。しかして、自動車/飛行機等の乗物の座席用敷物では、極力軽量化を図ると共に、その強度を確保するため、軸部5は、特に、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、PET、PBT、ポリフェニレンエーテル、PEEK、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリケトンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリ四弗化エチレン、芳香族ポリエステル、ポリアミノビスマレイミド、トリアジン樹脂等のエンジニアリングプラスチック部材、及び/又は、炭素繊維、ポリケトン繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等の高強度繊維部材と、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂との複合材料である熱硬化性FRP、及び/又は、炭素繊維、ポリケトン繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等の高強度繊維部材と、ポリエチレン、ポリアミド、PVC、ポリスチレン、PP、PVA、メタクリル樹脂、石油樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアセタール、弗素樹脂、ポリイミド、PEEK、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾール、ポリシクロオレフィン等の熱可塑性樹脂との複合材料である熱可塑性FRP、及びこれらの組合せから成るグループから選択される部材で構成するのが好適で、例えば、東レ株式会社のCFRPの一種で、トレカT700等の2方向性織物で可動座部7aの枢動曲面殻体51を構成すると、軽量、高強度、高耐衝撃性、耐熱性等の特性を満たし、曲面部形成時に良好な深絞り成形性が要求される場合に好適で、乗物用の敷物や座席の軸部として好ましい。尚、曲面殻体51の厚さが、0.4〜3mmのもので、強度が十分である場合には、軸部上部内側凹部にリブを形成せず、直接、クッション補強材61クッション材62を、薄板状殻体51と一体に形成してもよく、又、シリコンゴム、スポンジ材等のクッション材でも上記クッション材62等を形成することができる。
【0010】次に、本発明の滑り防止材3i(i=a,b)では、軸部5と平面28との間に介挿された状態で、枢動クッション性と呼ぶ粘弾性力及び粘着力を発揮するようになっており、可動座部7aの枢動運動に、同一姿勢の保持能力(粘着力による)とクッション性(弾性体の弾力性による)を同時に付与できるシート状構造が好ましく、図2(A)(B)には、滑り防止用基材30a,30bと、その外部フィルムカバー32a,32bから構成された滑り防止部材3a,3bの構造を示してあるが、滑り防止用基材30には、粘弾性部材、粘着部材、プラスチック、合成樹脂部材、弾性部材、クッション材、天然ゴム/合成ゴムを主体としたゴム系粘着材、ゲル材、シリコーンゲル、多孔性シリコーンゲル又は、ポリウレタンゲルの少なくとも1つを含む部材、又は、これらを組合せた部材が、好適に利用できるが、着座時に利用者の体重が常時負荷される過酷な使用環境条件では、圧縮永久歪の少ない部材がより好適で、その枢動クッション特性を最も効果的に発揮させた使用形態から大きく以下のe1)、e2)の2種類に分類できる。適切な粘弾性部材としては、シリコーンゲル/低硬度シリコーンゴム、ポリエチレン及びポリスチレンの共重合体をポリマーの主成分とするゲル又は低硬度ゴム、又はウレタンゲル/ウレタンエラストマ及びゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム等がある。その他の有用な粘弾性部材としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラールポリビニルアセテートコポリマー、エポキシアクリレート相互貫入網状ポリマー等がある。又、粘弾性部材として好適な熱可塑性部材の例としては、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー、PP、アセタールポリマー、ポリアミド、PVC、ポリエチレン、ポリウレタン、及びこれらの組合せから成るグループから選択した材料があるが、これらだけに限らない。次に、本発明の滑り防止材3i(i=a,b)に関し、それぞれ、個別に、検討する。
e1)滑り防止材3aは、その基本構造が、シリコーンゲル/多孔性シリコーンゲルを含むゲル材や低硬度シリコーンゴム等の基材30a単体では剪断強度が不足するので、外部フィルムカバー32aにより基材30aを完全に密閉し、全体の剪断強度、耐摩耗性を補強して使用する滑り防止材3aである。通常の粘弾性材や流体等の基材30a単体では、耐摩耗性/耐摩擦性が不足し、軸部の体重負荷を伴った圧縮性スピン運動に対し、高度の耐摩耗性や耐摩擦性がなく、極めて短期間で、滑り防止材として使用不能となってしまう場合、基材の剪断強度を確保するため、図2(A)(B)に示す様に、基材30aをカバー32aにより、完全に密閉した構造に構成し、更に、少なくとも枢動曲面51側の接触面、又は、上下両表面に、薄く感圧接着剤等の粘着材層3436を貼着した滑り防止材3a。
e2)ポリウレタン系エラストマやポリウレタン系ゴム、又は、ポリエチレンポリスチレン共重合体からなるゲル部材等のように基材30b単体で、十分な剪断強度が確保できるが、当該基材特有の粘弾性力、特に、強力な自己粘着力により、単独で使用すると、枢動曲面51がスピン回転等で基材30bを圧縮変形させた場合、基材30bが自己融着し団子状に変形しやすいので、かかる自己融着を防止するため、基材30bの枢動曲面51側の接触面を、少なくとも、ポリエステル等の合成樹脂や天然繊維等からなる外部ネット状カバー32bで、被包する必要のある滑り防止材3b(尚、滑り防止材3bの組立作業性から基材30b全体をカバー32bで被包してもよい)。
【0011】e1)滑り防止材3aに使用する基材30a用「ゲル材」としては、JISK2207-1980,50g荷重で測定した針入度が約40〜200 のゲル材を用いるのが好ましい。又、「低硬度シリコーンゴム」とは、JISA型硬度計による硬度が40度以下のシリコーンゴム、又は、高硬度シリコーンゴムにシリコーンオイル等を混合させてJISA型硬度計による硬度が40度以下としたシリコーンゴムをいい、例えば架橋密度を小さくすることにより得られる。尚、シリコーンゲルを基材30aに利用した場合には、シリコーンゲル独自のゲル特性、及び、非常に優れた圧縮永久歪、適度な粘着力、適度な硬度、快適な反発弾性と共に、下方からの可動座部の振動遮断効果や、傾動時の消音効果もあり、極めて好適で、かかるシリコーンゲル材としては、例えば、東京都港区にある株式会社ジェルテックのαGEL(TM)で、圧縮永久歪3.3%等がある。尚、圧縮永久歪の測定は、JIS6301の測定法により行ったものである。次に、滑り防止材3aの耐摩耗性/耐摩擦性を考えると、滑り防止材が、他の物質(本発明では、軸部5の枢動面51や載置面28)に、体重を支えつつ枢動運動するために、繰返し接触/離脱することによって生じる滑り防止材3aの剪断強度を確保するため、図2(A)(B)に示す様に、上記滑り防止基材30aを、カバー32aにより完全に密閉するのが好適で、かかるカバーは、滑り防止基材30aを完全に覆うことにより、高度の耐摩耗性又は耐摩擦性を付与でき、外部フィルムカバー32aにより、低ガラス転移温度Tg及び/又は低架橋レベルの粘弾性材/粘着材を使用することが可能となり、最適な粘弾性材/粘着材を使用する際の粘着性に基づく種々の問題を排除でき、滑り防止基材30aを100%、カバー32aで密閉すると、外部フィルムカバーの寸法と特性等に応じて、剪断強度等を改善でき、更に、滑り防止基材30aの全体を密閉するカバー32aを使用すると、繰返し作用する剪断モード及び圧縮引張モード負荷に対する滑り防止材の剪断特性を高めることもできる。上記カバー32aは、様々な特性を有する1つ又は複数のフィルム及び/又はフィルムセグメントから成り、これらのフィルム及び/又はフィルムセグメントの化学組成、寸法(厚さ、幅、長さ)等は同じであっても異なっても良い。外部フィルムカバーには、様々なフィルムを使用することができる。フィルムは、織物及び/又は不織布である。例えば、不織布は、PP及び/又はポリエステルの熱溶融吹込微少繊維で良い。フィルムは、ポリマー及び/又は非ポリマーフィルムを使用することができ、適切なポリマーフィルムの例としては、ポリエステル、結晶質ポリエステル、非晶質ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレン、PP、アクリル樹脂、フェノール樹脂、PVC、ポリウレタン、ポリスチレン、弗素化ポリマーフィルム(DuPontからTeflonの商標で市販されているもの等)、ポリ酢酸ビニル、ナイロン等から成るグループから選択されたものが利用できるが、これらだけに限らない。有用な非ポリマーフィルムとしては、アルミニウム、金、銀、ステンレス鋼、銅、黄銅等から成るグループから選択されたものがあるが、これらだけに限らない。非晶質ポリエステルは好適なフィルムである。上記のとおり、滑り防止基材30aは、外部フィルムカバー32aにより完全に密閉される。 外部フィルムカバー32の上下表面に貼着する接着剤層/粘着材3436は、同じか又は異なる1つ又は複数の接着剤/粘着材層から構成することができ、例えば、部分的に硬化させることもでき、適切な粘着材の例としては、感圧接着剤、粘着材、エポキシ樹脂、構造用エポキシ樹脂等があるが、これらだけに限らない。粘着材層は連続していても、不連続でも良い。又、図2(B)において、滑り防止材3aの上下表面は、平らな表面に形成され、これらの表面は、滑り防止効果を高めるために表面上に適度な粘度を有する粘着材層(最も一般的には感圧接着剤又は粘着材)3436が塗布され、粘着材層36は、密閉用の外部フィルムカバー32aの上面に塗布され、適度な粘着力の粘着材で曲面殻体51と滑り防止材3aとの分離が可能であると共に、可動座部7aが大きく変動しない場合には、可動座部をずれないように保持するのに十分な大きさの粘着力を有する粘着材が好ましく、又、粘着材層34は、外部フィルムカバー32aの下面に塗布され、その粘着力は、滑り防止材3a及び可動座部7aが、人が着座した状態で滑らない程度の粘着力を有するものが好ましい。尚、滑り防止基材30aの硬さは、シリコーンゲル材で、JISK2207-1980,50g荷重で測定した針入度が、約20〜200の範囲のゲル材を用いるのが好ましく、針入度が約40〜100の範囲のゲル材がより好ましい。又、滑り防止材3iの硬度が非常に柔らか過ぎると、船酔に似た不快感が生成されるので好ましくないが、上記e1)の構成では、外部フィルムカバー32aと滑り防止基材30aとの合成した硬度が、滑り防止材3a全体の硬度となるので、単独では非常に柔らかい蒸留水、シリコーンオイル等の流体部材でも、外部フィルムカバー32aの厚さや剛性を適宜調節することで、快適に利用可能である。
【0012】e2)ポリウレタン系エラストマやポリウレタン系ゴム、又は、ポリエチレンポリスチレン共重合体からなるゲル材等のように基材30b単体で、十分な剪断強度が確保できるが、当該基材特有の粘弾性力、特に、強力な自己粘着力により、単独で使用すると、枢動曲面51がスピン回転等で基材30bを圧縮変形させた場合、基材30bが自己融着し団子状に変形しやすいので、かかる自己融着を防止するため、基材30bの枢動曲面51側の接触面を、少なくとも、ポリエステル等の合成樹脂や天然繊維等からなる外部ネット状カバー32bで、被包する必要のある滑り防止材3b(尚、滑り防止材3bの組立作業性から基材30b全体をカバー32bで被包してもよい)。本発明において、「ポリエチレン及びポリスチレンの共重合体をポリマーの主成分とするゲル又は低硬度ゴム」とは、一般にポリエチレンは、加流ゴムや熱可塑性エラストマーよりもヤング率が大きいが、可塑剤との相溶性が良く、そのため、可塑剤を多量に添加することができ、架橋密度を小さくすると共にポリエチレンに可塑剤を多量に添加することにより、硬度が小さく、かつ、破断伸度が大きい低硬度エラストマ(ゲル又は低硬度ゴム)を得ることができ、このような低硬度エラストマは、荷重により大きく弾性変形可能となる。しかして、ポリエチレンは、PP、PVC、ポリスチレン等と同様に、汎用的な熱可塑性樹脂であるが、ポリエチレンは他の汎用的な熱可塑性樹脂と異なり、エチレン(CH2 =CH2)が直線的に重合したものであるから、分子構造が直線的であり、高重合体が動き易いので、変形及び復元がスムースであるから、低硬度であるにもかかわらず、大きな弾力性を呈す。尚、「低硬度ゴム」とは、JISA型硬度計による硬度が40度以下のゴムをいい、本発明において、本低硬度エラストマは、ポリエチレンとポリスチレンの両者をポリマーの主成分とするが、ポリエチレンの比率を大きくすることにより硬度を小さくすることができ、一方、ポリスチレンの比率を大きくすることにより硬度を大きくすることができ、従って、2つのポリマーを主成分とすることで所望の硬度を得ることができる。ここで、ポリエチレンにブレンドするポリマーとしてポリスチレンを選択する理由は、ポリスチレンも可塑剤との相溶性が良いからである。又、ポリエチレン、ポリスチレンは、比重も小さく積層体の軽量性を損なうこともない。本発明において、「ポリエチレン及びポリスチレンをポリマーの主成分とする」とは、ポリエチレン及びポリスチレンの総量(合計)が、低硬度エラストマに含まれている全てのポリマーの50重量%以上の割合で配合されていることをいう。又、「主成分」とするとは、ポリエチレン及びポリスチレン以外のポリマーがブレンドされていない場合を含み、更に、これらの主成分に加えて、SBS樹脂、SIS樹脂、EVA樹脂等の樹脂やEPDM等のゴムをブレンドしてもよいことを意味する。かかるポリエチレン及びポリスチレンの共重合体をポリマーの主成分とするゲルとしては、東京都八王子市の株式会社コスモ計器から発売されている「PE系ゲル(HC04N(TM))」が利用でき、1.0〜2.5mmの厚さの「PE系ゲル」を2、3枚又は複数枚積層したもののほうが、4.0〜7.5mmの厚さのPE系ゲルを1枚敷いたものより、実験では、可動座部の傾動感、着座感が、遥かに快適であった。次に、滑り防止基材30b用のポリウレタン系エラストマとしては、例えば、大阪市ジーベース株式会社のGベース1、2やGベースシート(TM)等が利用可能であり、Gベース2の物理特性の1例を示すと、厚みが薄くても良好な振動吸収性能を発揮し、かつ、軽量な衝撃吸収材として、ポリウレタンエラストマに微小中空球体を体積比で1%以上60%以下混合し、衝撃吸収率が80%以上、粘着力が0.5kg/cm2以上3.5kg/cm2以下、比重が0.4g/cm3以上1g/cm3以下の部材が好ましい。このように、微小中空球体を混合すると、振動や衝撃等の外力を受けたときに上記微小中空球体がポリウレタンエラストマの内部でゴム風船のように変形と復元を繰り返すため、衝撃吸収性能が向上し、厚みを薄くしても良好な衝撃吸収力を発揮する。特に、上下方向の振動吸収性能が良くなる。しかも、比重が小さくなるため、軽量であり、更に、それ自体に粘着力を有するため、更なる接着剤や両面テープ等が不要で、工程を簡略化することができると共に、軽量化・小型化に有利である。尚、上記微小中空球体が、平均粒度が10μm以上100μm以下、比重が0.01g/cm3以上0.1g/cm3以下のものである場合には、衝撃吸収材自体の厚みを薄くしても十分な衝撃吸収性能が発揮される共に、軽量化にも有利である。更に、アスカーF硬度が30以上80以下である場合には、比較的軽いものが固定された場合の衝撃吸収性能が良好になる。又、上記外部ネット状カバー32bは、様々な特性を有する1つ又は複数のカバーから成り、これらのカバーの化学組成、寸法(厚さ、幅、長さ)等は同じであっても異なっても良い。これらのカバーは、互いに結合し、重なり合う、部分的に重なり合う等の状態が生じる。これらのカバーは、連続していても不連続でも良い。外部ネットカバーを構成する各々のカバーは、部材の性能を変更するために様々な程度の表面粗さを任意に有して良い。外部ネットカバーには、様々なネット状織物、及び/又は、ネット状に加工した不織布が利用可能である。外部ネットカバーは、ポリマーカバー及び/又は非ポリマーカバーを使用することができ、適切なネット状ポリマーカバーの例としては、ポリエステル、結晶質ポリエステル、非晶質ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレン、PP、アクリル樹脂、フェノール樹脂、PVC、ポリウレタン、ポリスチレン、弗素化ポリマー(DuPontからTeflonの商標で市販されているもの等)、ポリ酢酸ビニル、ナイロン等から成るグループから選択されたネット状物が利用できるが、これらだけに限らない。有用なネット状非ポリマーカバーとしては、アルミニウム、金、銀、ステンレス鋼、銅、黄銅等から成るグループから選択されたものがあるが、これらだけに限らない。非晶質ポリエステルは好適なネットカバーである。様々なネットを使用して、外部ネットカバーに様々な特性を与えることができる。例えば、外部ネットカバーは、内側ネットと外側ネットとして特定できる2つの層から構成して良い。内側ネットは、滑り防止基材が容易に付着し、かつ外部ネットカバーの外側ネットは、耐擦り傷性等、より優れた耐摩耗性を滑り防止基材に与える様に選択することができる。その他の外部ネットカバーも可能である。上記のとおり、滑り防止材3bは、外部ネット状カバー32bにより被包され、滑り防止基材30bに接触する外部ネットカバーの表面は内面とみなされ、滑り防止基材30bに接触しない外部ネットカバーの表面は外面とみなされる。カバー32bの上下表面には、接着剤層/粘着材層3436を、貼着してもよいし、しなくてもよく、粘着材を使用する場合には、同じか又は異なる1つ又は複数の接着剤/粘着材層から構成することができ、例えば、部分的に硬化させることができ、適切な粘着材の例としては、感圧接着剤、粘着材、エポキシ樹脂、構造用エポキシ樹脂等があるが、これらだけに限らない。粘着材層は連続していても、不連続でも良い。又、カバー32bの上下表面に、接着剤層/粘着材層3436を貼着しない場合には、ネット状カバーの隙間から、滑り防止基材30bの一部がシミだし、滑り防止基材30bが、接着剤層/粘着材層3436を兼ねることも可能である。尚、上記のポリウレタン系エラストマやポリウレタン系ゴムでは、アスカーC硬度で、0〜50の範囲のものが好ましく、15〜45の範囲のものがより好ましい。上記滑り防止基材30i(i=a,b)単体の厚さは、0.025〜15mmのものが利用可能であるが、乗物用に軽量化するためには、0.05〜10mmの範囲の厚さでその性能が発揮できるものが好適で、0.1〜6mmのものがより好適であり、0.3〜6mmのものが一段と好ましい。又、滑り防止材3iの形状が円形状や矩形であると、平板部2aの上面28の全領域を覆うことが可能であるが、実験によると滑り防止材3iの大きさは、上面28の大きさや曲面部51の水平方向の大きさの約1/2〜1/3の大きさに短縮可能である。本発明の滑り防止材3iは、多様な形状を有することができ、この形状は、対称でも非対称でも良く、適切な形状の例としては、角柱、切頭角錐、円筒、及び、円柱、半球、等、その他の形状から成るグループから選択された形状があるが、これらだけに限らない。又、滑り防止材3iの硬度が非常に柔らか過ぎると、船酔に似た不快感が生成されるので好ましくないが、上記構成例では、外部フィルムカバー/外部ネットカバー32a,23bと滑り防止基材30a30bとの合成された剛性強度(硬度)が、滑り防止材3i全体の硬度となるので、単独では非常に柔らかい部材でも、外部フィルムカバー/外部ネットカバーの厚さや剛性を適宜調節することで、快適に利用可能である。
【0013】かかる構成において、その動作を、図4を参照して説明する。本発明の敷物1aは、従来のマット、座布団等と同様に、図4(A)に示すように、背もたれ92と座部90aとを有する通常の椅子9aや乗物の座席の座面91上に載置して設置し、その上に腰掛けて使用し、座席9aの左右方向をx軸に、前後方向をy軸に、上下方向をz軸にとると、可動座部7aとベース部2aとの間の枢動する空間に、適度な柔らかさを有しシート状物からなる上記滑り防止材3i(i=a,b)を単独又は組合せ積層させて介在させ、敷物1aに作用する重力/加速度/遠心力を、滑り防止材3i及び枢動機構5aにより、座部7aの局所枢動クッション変動に転換し、敷物1aに座っている人90に、遠心力駆動式強制的ストレス発散用ストレッチ運動を提供し、又は、着座者の自主的な意思に基づいて生成される自主的ストレッチ運動を快適に補助・支援するようになっている。又、滑り防止材3i用の粘弾性部材として、粘弾性の任意の部材を含むことができ、その物性に応じて上記e1)、e2)のいずれかの利用形態を取り得るが、粘弾性部材は粘性であり、従ってエネルギーを散逸することができ、しかも尚一定の弾性を示し、従ってエネルギーを貯えることができる材料であり、粘弾性部材は、変形する際に機械的エネルギーを熱に変換することができ、一般に長鎖分子を含むエラストマー部材であり、一般に、荷重が加わることによって伸びる等の変形を生じ、荷重が除去されてからしばらく後に収縮する等により、徐々に元の形状を回復する。本発明に有用な粘弾性部材は、熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマー又はゲル又は部分的に硬化したこれらの組合せが可能で、熱硬化性ポリマーは粘弾性部材として有用だが、高度の振動減衰の有効温度範囲が比較的低いために、熱可塑性ポリマーに比べて使用されることが少ない。粘弾性部材は、ゲル材、又は、アクリレート等の熱可塑性ポリマーであることが好ましい。しかして、枢動曲面51と滑り防止材3iと平面状ベース部2aとの間に生成され、適度な硬度を有する粘弾性力を中心とした枢動クッション力は、適度の粘着力と、永久圧縮歪の少ない弾力性とが、適宜組合わされて合成され、着座している利用者90の時々刻々と変動する姿勢・角度に応じて自動的に、常時、停止すること無く生成され、図4(B)では、中央よりやや右に傾動した部位の滑り防止材3iが、その粘弾性部材の特性から、体重荷重が加わることによって局所的に伸びる等の変形を生じ、その反対側は少し盛り上がった状態で安定し、上半身の移動/運動により、荷重が負荷される部位が移動/変動して、除去されてからしばらく後に収縮する等により、徐々に元の形状を回復するのであるが、上記枢動クッション力は、着座者90の時々刻々と変動する姿勢・角度に応じて自動的に、常時、停止すること無く生成され、身体にフィードバックされるので、その結果、身体全体がバランス良く、常時、活発に活動し、頭脳への血流量が増加し、頭脳の働きを改善する効果があり、しかも、身体変動の障害となることが一切なく、更に、長時間使用しても身体の特定箇所に副作用を発生させることも無く、又、無意識の内に身体変動によりストレスが発散できるので、ストレスが蓄積せず、快適な使用感、着座感のする敷物を提供することができる。図4の例では、ベース部2aの上方に形成された平らな平面状の上面28に、滑り防止材3iを介して、可動座部7aの凸曲面51を有する軸部5が、直接、載置されて、枢動機構5aが形成され、静止した椅子9aの上に載置した敷物1aの場合、着座者90の上半身の僅かな身体移動により、その重心が僅かに変化すると、この僅かな重心移動に応じて生成される重力モーメントに応答して可動座部7aが駆動され、自動的に身体の重心移動作用として枢動/傾動運動が、着座者の腰部を中心とした骨格筋肉に引き起こされ、しかも同時に、かかる身体の骨格運動が、瞬時に、着座者の小脳にフィードバックされるので、従来固定されていて全く利用可能な状態で提供されていなかった固定式座席の座部が、局所可動座部7aとして、滑り防止材3iの柔らかい粘弾性力により、瞬時に反作用方向に枢動/傾動可能となり、着座空間という非常に狭く、制約条件の非常に多い局所空間であっても、ストレス発散のために十分な可動範囲のストレッチ運動を可能とする空間と機構が十分確保でき、無意識の内に、ほんの僅かな重心移動で腰部を中心に、ゆったり、かつ、快適にストレス発散のための枢動クッション運動が実行できるようになっている。又、従来の静止した固定構造の椅子/座席やこれに付属した敷物では、座っているだけの全く受動的な静的クッション性のみが問題とされてきたので、かかる全身運動を補助するストレス解消運動等の能動機能(動的クッション性)に対しては、完全に配慮が欠けており、他方で、従来のa2)に開示されているような枢動可能な治療用の椅子では、クッション性は全く考慮されておらず、運動の自由度や快適性に対しては、全く配慮が欠けていたので、2〜4時間以上の長時間の椅子/敷物の使用等とても想像できなかった。一方、本発明の敷物1aでは、軸部5と平面28との間に、介挿された滑り防止材3iの粘弾性力及び粘着力により、可動座部7aの枢動運動に、同一姿勢の保持能力(粘着力により、図4の例では、フィルムカバー32aの上下面に貼着された粘着材層3436が粘着力の中心であるが、e2)のポリウレタン系ゴム/エラストマの場合には、滑り防止基材30b自体の粘着力をネットカバーの隙間を介して直接利用可能である)とクッション性(適度な柔らかさの弾性体の弾力性による)を同時に付与できると共に、いわゆる凹凸曲面から構成されたボールジョイント機構では提供不可能な可動座部7aのx軸方向やy軸方向の局所並進運動/シフト移動も提供可能であり、この結果、非常に広範囲な運動空間が確保でき、更に、4時間以上連続して着座し続ける場合に問題となる下半身を中心としたストレスも、図5(A)(B)に示すように、可動座部7aを、平面28上で、x軸方向やy軸方向に手動操作等により並進移動させてシフトさせて、設置位置を、強制的に変更することにより対処可能であり、滑り防止材3iの介挿されていないボールジョイント機構では発生しやすい可動座部7aのつるつるし、非常に硬い着座感のする不規則変動や騒音を完全に防止できる。
【0014】更に、可動座部7aでは、ヨー、ピッチ、ロール等の3自由度以上の回転運動能力が、1つの枢動曲面51で提供でき、垂直軸回りの360度の時計回り、反時計回りのスピン回転運動も自在に提供できると共に、前後(y軸)/左右(x軸)方向への局所並進移動運動能力も付与でき、高さ60mm以内の非常に薄く形成された僅かな設置空間であっても、枢動変動/傾動移動中は、敷物の着座者に対し、ストレス発散運動に対して十分に広い運動空間と着座したまま、静かで、非常に滑らかな動きが提供可能な機構と、着座感の良好・快適な枢動クッション性を提供でき、2〜8時間以上、場合によっては24時間以上の連続長期間着座し続ける利用方法でも、従来の座席や敷物と比較して、約1/5〜1/10以下の疲労感しか発生しない、非常に快適かつ活動的な座席/敷物が実現できている。可動座部7aの高さ(厚さ)は、150mm以内のものが好ましく、100mm以内であると更に好ましく、75mm以内であると一段と好ましい。又、ベース部を含む敷物全体の高さ(厚さ)は、200mm以内のものが好ましく、125mm以内であると更に好ましく、90mm以内であると一段と好ましい。尚、平板部2a及び軸部5を炭素繊維織物を母材としたCFRPで形成すると、それぞれの単体重量が、約50〜150gの非常に軽量化した敷物が提供でき、乗物に利用する場合、経済的である。又、敷物1aの上部は、本発明では、ネット状の表皮材4aをコイル状の弾性支柱部8及びベース部2aで支持しているので、非常に柔軟に構成され、着座者が、特別に立ち上がったり、敷物1aから離れたりすることなく、可動座部7aに座ったままの状態で、前後/左右方向に自由自在に枢動回転運動してストレッチ運動することが可能であり、図4(A)(B)に示すように、大腿部が移動する場合には、敷物1aの上部は、出来るだけ抵抗力の少なく、かつ、大腿部の移動した形状に応じて変形可能な構造の部材が好ましく、更に又、敷物1aの上部構造は、表皮材4aが、被包する可動座部7aの移動を、出来るだけ抵抗力が少なく、かつ、移動する姿勢及び位置に応じて変形可能な形状の構造のものが好ましい。従って、場合によっては、上記敷物1aにおいて、表皮材4aは、取付けなくても、機能的には、十分に利用可能であり、第三者の指等の挟みを防止する観点からは、表皮材4aは、設けたほうが、より安全である。
【0015】次に、乗物等で敷物1aを利用する場合、カーブのある道路を走行中や右折/左折等で、可動座部7aには、カーブの進行方向に対して直角の半径方向に作用する遠心力に基づく加速度が、可動座部7aに作用する。かかるカーブ走行中、軸部5に作用する遠心力を実験した結果、反時計回りに円弧状カーブを走行中は、必ず、座席9aに座っている人は、前進方向に対して可動座部7aの右側が下がった状態で、かつ、左側が持ち上げられた状態で、強制的枢動クッション変動を受けながら走行することが分かった。従って、可動座部7aの枢動変動に身体腰部を合わせ、背骨を、左側に回転中心のあるzx面内の円弧に沿って湾曲させながら、強制的ストレッチ運動が可能である。又、時計回りに円弧状カーブを走行中は、必ず、座席9aに座っている人は、前進方向に対して可動座部7aの左側が下がった状態で、かつ、右側が持ち上げられた状態で、強制的枢動クッション変動を受けながら走行することが分かった。従って、可動座部7aの枢動変動に身体腰部を合わせ、背骨を、右側に回転中心のあるzx面内の円弧に沿って湾曲させながら、強制的ストレッチ運動が可能である。従って、従来は、乗物の座席に、一見、非常に不安定に見える敷物1aや枢動機構5aと同等の構造を具えた可動座部7a等を設置して、局所可動座部7aに腰掛けた状態で、乗物の運転をしたり、乗車することは、非常に危険であると勝手に推測され、実際に実用化されることがなかったし、乗車中にかかる局所可動座部7aの上で過ごすことは非常に疲労感を増すだけであると勝手に想像され、従来試行されることもなかったが、本願発明者が、通常の自動車の座席に、本発明の敷物1aを敷いてシートベルトをして運転したところ、先ず、着座した瞬間に、従来の静的固定構造の座席では体験出来ない滑り防止材3iを含む枢動機構5aの反力が感知でき、更に、ほんの少し身体を前後・左右に変動させるだけで十分に、柔らかい粘弾性力に基づく動的な枢動クッション力が感得されて座席に座ったままの状態で身体の上部、下部或いは上下部を同時に運動させることが可能であり、従来の固定式静的座席とは、根本的に異なった非常に快適な着座感が得られ、更に、片道、約4〜5時間休みを取らずに連続して運転しても、常時、可動座部7aの枢動変動により、運転しながら同時に快適なストレッチ運動も実行できることが分かった。例えば、左折(右折)では、交差点で時速15Km/h以上の速度で走行すると、前進方向に対して可動座部7aの右側(又は左側)が反対側より大きな遠心力に引っ張られて下がる現象が確実に体験でき、従って、身体の座部に触れない頭部、手先、足先は左側に、腰部は右側に湾曲させる強制的ストレッチ運動が左折する短期間内に体験でき、又、通常の市街地のカーブを走行する場合には、円弧中心が左側にあるカーブを時速30Km/h以上の速度で走行すると、前進方向に対して可動座部7aの右側(又は左側)が遠心力に引っ張られて下がる現象もカーブ走行中ゆったりと確実に体験でき、特別に外部駆動源を設け無くても、走行中に発生する遠心力を利用して、可動座部7aを強制的に左右に枢動変動/傾動変動させることができるので、可動座部7aの利用者に対し、非常に滑らかな腰部を中心とした局所的、かつ、強制的な下半身/上半身のストレス解消運動と、着座感の良好かつ快適な座席を提供できることが分かった。
【0016】図1に対応させて示す図6及び図7は、本発明の敷物1aと同様な構造の、又別の敷物1dの1例であり、それぞれ、同様の番号を付した装置は、同様の機能を果たすと共に、敷物1dでは、その中央部に可動座部7dがすっぽり埋設可能な中空部93が設けられた固体化外周フード4dを具え、又、敷物1aの表皮材の一部である側面部がベース部2dと一体化され、熱可塑性エラストマ等の弾性部材を、中空部を有する固体化外周フード4dに一体に形成し、更に、当該外周フードの底面部の内側内周に、平板状FRP殻体21及びリブの無い平板状のクッション性補強材26xから成る平板部2dを嵌合可能な溝部249dを形成し、外周フード4dの内部に、確実に可動座部の移動空間を確保するようになっている。又、平板部2dと外周フード4dとは、ワンタッチ着脱可能であり、クッション補強材26xとしては、その厚さが1.0〜5.0mmの熱可塑性エラストマ/フォーム材26cやポリエチレン系ゲル等のゲル材等も利用可能である。尚、外周フード4dとクッション補強材26xとを、更に、一体に形成することも可能である(図5(C)(D))。又、外周フード4dは、大腿部等が任意の方向に容易に移動可能であるように、比較的柔らかい弾性部材で構成するのが好ましく、クッション補強材26xは、外周フードと同等か、少し固めの弾性部材で構成するのが好ましい。又、図6(B)の断面では、誇張して、外周フードの上部内周面と可動座部のクッション材62又は表皮材63とが、接触した状態で描かれているが、外周フードの上部内周面と可動座部のクッション材又は表皮材との間には、間隙を設け、通常は非接触の状態で載置され、可動座部が大きく傾動された場合にのみ接触するように配設したほうが、可動座部の手動シフト操作や外周フードの耐久性の面からは好ましい。又、可動座部7dのクッション材62の上面に、直接、シート、及び/又は、ネット状物で形成した表皮材63を被覆した構造で可動座部7dを形成すると、直接、可動座部の上表面を、敷物の上表面として露出させることも可能であり、好ましい。更に又、図5(C)(D)に示すように、本発明の表皮材4a(図3(G))の着座面40と底面のクッション補強材26xとを一体化して形成することも可能である。尚、敷物1dの作用/効果は、敷物1aの作用/効果と、基本的には、同等である。但し、固体化外周フード4dを採用しているので、表皮材4aを利用した敷物1aよりも、耐久性に優れている。
【0017】次に、本発明の敷物1aを、着座した状態での運動の自由度の観点から検討してみると、以下の予測可能な自由度が得られる。則ち、枢動機構5aにおいて、軸部5の枢動曲面51の制御により、同時に、局所3次元的姿勢角(ヨー、ヒ゜ッチ、ロール)制御に3自由度の独立した回転運動の自由度(1〜3の自由度)が得られ、これにより身体腰部の高さ、角度、方向を、所望の位置/姿勢に予測しながら移動でき、又、3mm以上の厚さの滑り防止材3iを利用することにより、軸部5の局所的平行移動(x,y,z)制御が可能となり、これにより3自由度の独立した局所並進移動運動の自由度(4〜6の自由度)が得られ、更に、可動座部7aを手動で前後及び/又は左右方向に大きくシフト移動させることが可能である(7、8番目の自由度)。又、本発明の枢動機構5aでは、軸部(ユニバーサルジョイント機構の可動部)5と平板部2aとの間に介在させた滑り防止材3iとしての粘弾性部材/粘着部材が、ストレッチ運動の容易性、滑り防止効果、枢動運動の剛性、不規則振動吸収効果等の点から非常に重要である。従来のball-socketタイプの枢動機構や回動自在な玉軸受け等では、一般に、回転運動を極力抵抗無く、滑らかに回転動作させることのみに、注意が払われてきたが、本発明の敷物1aでは、軸部5のピボット機構が枢動する空間に粘着部材等の滑り防止材3iを介在させて、可動座部の枢動運動を制御するために、快適な着座感のする回転移動抵抗を付勢し、可動座部7a/軸部5の枢動する力を調節可能とし、同時に、動的クッション性を付勢したところに新規性があり、従来の滑り防止材の介在しない装置に付随したふらふらする不規則変動(これにより腰部の空間的位置を正確に保持するために休み無く筋肉/神経を常時使用することとなっていた)を本質的に除去でき、不快かつ熟練を要する可動座部の問題点を根本的に解消できている。
【0018】次に、図8を参照して、本発明のベース部2i(i=r〜w)の上面28と、可動座部7i(i=r〜w)の下方軸部5の曲面51との枢動機構5の組合せの種類を検討すると、図8(A)は、ベース部2rの上面が平面28で、可動座部7rの下部が凸曲面51の枢動機構5rの横断面図の1例であり、更に、ベース部2rの平面28には突起部282が形成され、又、可動座部7rの曲面51には嵌合凹部512が形成され、可動座部7rが大きく水平移動しないようになっており、同図(B)は、ベース部2sが凸曲面28sで、可動座部7sの下部が平面51sの枢動機構5sの横断面図の1例であり、ベース部2sの曲面28sには嵌合凹部284が形成され、又、可動座部7sの平面51sには突起部514が形成され、可動座部7sが大きく水平移動しないようになっており、同図(C)は、可動座部7tの下部が凸曲面51tで、ベース部2tが凹曲面28tの枢動機構5tの横断面図1例であり、この構成例では、曲面51tの曲率半径よりも曲面28tの曲率半径のほうが大きい曲率半径となるように設定するのが好ましく、同図(D)は、可動座部7uの下部が凹曲面51uで、ベース部2uが凸曲面28uの枢動機構5uの横断面図1例であり、同図(E)は、ベース部2vが凹曲面28vで、可動座部7vの下部が平面51vの回動機構5vの横断面図1例であり、同図(F)は、ベース部2wが平面28wで、可動座部7wの下部が凹曲面51wの回動機構5wの横断面図1例であり、合計6種類の組合せが、それぞれ、利用可能である。可動座部の位置/姿勢が枢動自在に変動する所定の形状の凸又は凹曲面の構成を、図8を参照して更に詳しく検討してみると、平板部2iの上面28と、可動座部の下方曲面部51とが直結した枢動機構5を形成する曲面の組合せは、図8(A)〜(F)に示すような6種類があるが、これら6種類の各平面/凹凸曲面の組合せに対して、それぞれ、3自由度の回転運動を生成可能な枢動曲面が形成でき、具体的には、図1や図6に示すような、1曲面で、3自由度又は3自由度以上の回転運動制御が可能な所定の形状の曲面部51は、例えば、球、半球、回転楕円体、回転2次曲面体、回転曲面体、一般の曲面体、円筒、又は、これらの曲面体を組合せた曲面体(曲面殻体)を少なくとも一部に含む曲面により形成された曲面を利用して実現することができる。尚、球面又は半球面の一部を利用するのが、製造が容易であり、回転運動の制御性も自然かつ快適で、予測可能に制御しやすく、可動座部の水平方向の直径D54も大きくでき、剛性が高められて、好ましい。特に、図8(A)、(B)に示す平面と凸曲面との組合せで構成した枢動機構5r,5sは、構造が単純で、又、従来の凹凸曲面の組合せから成る枢動自在なball-socketタイプの軸部や回動自在な玉軸受け等の枢動機構よりも、シリコーンゲル/ウレタン系ゴム/エラストマー等の粘着部材を応用した滑り防止材3iの上で、スピン回転や捻り、シフト移動等の運動制御性を可動座部7に付勢する場合に、制御操作が自然で、可動回転範囲/可動並進移動範囲が拡大できて、好ましい。又、図8(C)、(D)に示す凹凸曲面の組合せから成る枢動自在なball-socketタイプの枢動機構5t,5uを採用する事も可能である。
【0019】
【発明の効果】以上に説明した様に、本発明の敷物によれば、従来放置されてきた、身体の一部又は全体を、長時間、ほぼ一定の姿勢で着座し続けても、従来の静的/固定構造の椅子や座席の利用者が、敷物を固定構造の座席上に載置してその上に着座するだけで、自分の骨格、筋肉を無意識のうちに動かし姿勢等を微少変化させ、足、下肢、首、下半身、腰、背中、肩、下半身/上半身等に、蓄積されるストレスを無意識の内に発散させることができ、非常に快適な使用感のする、金属製バネが不要で、薄く、小型、軽量、コンパクトで、耐久性/安定性に優れた、枢動クッション性と自己復帰機能を有する局所可動座部を具えた枢動自在な動的椅子や座席に転換可能な敷物を提供することができる。又、本発明の敷物を乗物の座席に応用した場合には、乗物の移動に応答して発生する遠心力を、当該敷物の局所可動座部に作用させ、上記座部を遠心力により枢動自在に変動せしめ、かかる枢動変動により運転手/乗客の腰部を強制的に枢動変動させ、ストレス放出運動として座っている人の身体に強制的にフィードバックし、身体腰部にストレスの蓄積しない、エコノミー症候群に対処可能な、金属製バネが不要で、薄く、小型、軽量、コンパクトで、耐久性/安定性に優れた枢動自在な敷物を提供することもでき、更に、連続して24時間以上の利用も可能であり、敷物の主たる剛性材をFRPで構成すると、非常に軽量化でき、乗物の燃費向上にも有効である。上記の説明に鑑み、本発明に対してこれら及び他の変更を行うことができる。従って、本発明は、以上の説明によって限定されるものではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲のみによって限定されるものとする。
【出願人】 【識別番号】595143355
【氏名又は名称】岩田 耕一
【出願日】 平成13年12月5日(2001.12.5)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−169730(P2003−169730A)
【公開日】 平成15年6月17日(2003.6.17)
【出願番号】 特願2001−370984(P2001−370984)