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【発明の名称】 椅 子
【発明者】 【氏名】永石 昇
【住所又は居所】神奈川県横浜市西区北幸二丁目7番18号 株式会社岡村製作所内

【要約】 【課題】椅子において、背板と座板の高さ調節を、使用者がわかりやすく、容易に作業できるようにし、さらに座板の前端から背板までの奥行きが、背板と座板の高さ調節に伴って自動的に適正に調節されるようにする。

【解決手段】前縁が後傾する傾斜杆3を有する側面視鋭角L字状の左右1対の側板1の後部同士を、上部連結杆6と下部連結杆7とにより互いに連結し、上下部連結杆6、7を、上下方向に延びる後面板9により連結して椅子の脚体を構成し、背板11を、傾斜杆3に、その長手方向に沿って高さ位置変更可能に取り付けるとともに、座板15を傾斜杆3と後面板9とに高さ位置変更可能に取り付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前縁が後傾する傾斜杆を有する側面視鋭角L字状の左右1対の側板の後部同士を、上部連結杆と下部連結杆とにより互いに連結し、これら上下部連結杆を、上下方向に延びる後面板により連結して椅子の脚体を構成し、背板を、前記側板を形成する傾斜杆に、その長手方向に沿って高さ位置変更可能に取り付けるとともに、座板を前記傾斜杆と前記後面板とに高さ位置変更可能に取り付けたことを特徴とする椅子。
【請求項2】 傾斜杆の内側面に長手方向を向く案内溝を形成するとともに、前記傾斜杆を左右方向に貫通する複数個の取付孔を該傾斜杆に沿って穿設し、前記背板の両端部に、前記傾斜杆の案内溝に対応する傾斜した突部を設け、該突部を前記案内溝に摺動自在に嵌合させた前記背板を、任意位置の前記取付孔においてボルト止めするようにした請求項1記載の椅子。
【請求項3】 傾斜杆の内側面に長手方向を向く案内溝を形成するとともに、前記傾斜杆を左右方向に貫通する複数個の取付孔を該傾斜杆に沿って穿設し、前記傾斜杆の案内溝に対応する傾斜した突部を両端部に備えた座板の前部支持用の座受け杆を、前記案内溝に摺動自在に嵌合させて任意位置の取付孔においてボルト止めし、かつ座板の後部に設けた突片を、前記後面板に上下方向に並べて設けた複数個の係合孔のうちの前記任意位置に対応するものに差し込んで係合させた請求項1または2記載の椅子。
【請求項4】 座板を、座受け杆に、前後位置調節可能として結合した請求項3記載の椅子。
【請求項5】 側板の傾斜杆の下部を、左右方向を向く連結杆により連結した請求項1〜4のいずれかに記載の椅子。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、座板と背板との高さ、及び奥行きを変えられるようにした椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】1個の椅子を大人から子供まで使用できるようにするには、座板や背板等の高さばかりでなく、座板の前端から背板までの奥行きまでも変更可能とすることが好ましい。従来からあるこの種の椅子の一般的な構造は、背板と座板を左右の側板で挟んで、外側からねじで固定する構造のものが殆どである。その左右の側板に多数の孔を穿設しておき、ねじにより固定する取付孔位置を変えることによって、背板と座板の高さ及び座板の前端から背板までの奥行きが変わるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】大人から子供まで使用できるように、これらの調節可能範囲を広くすると、側板に多数の取付孔を穿設しておき、着座者の体格に適合する位置の取付孔を探して多数のねじにより固定しなけらばならないが、取付孔の数が多数となると、どの取付孔を選ぶか選択がむずかしい。
【0004】本発明は、従来の技術が有する上述の問題点に鑑み、背板と座板の高さ調節を、使用者がわかりやすく、容易に作業できるようにし、さらに、座板の前端から背板までの奥行きが、背板と座板の高さ調節に伴って自動的に適正に調節されるようにした椅子を提供するとを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)前縁が後傾する傾斜杆を有する側面視鋭角L字状の左右1対の側板の後部同士を、上部連結杆と下部連結杆とにより互いに連結し、これら上下部連結杆を、上下方向に延びる後面板により連結して椅子の脚体を構成し、背板を、前記側板を形成する傾斜杆に、その長手方向に沿って高さ位置変更可能に取り付けるとともに、座板を前記傾斜杆と前記後面板とに高さ位置変更可能に取り付ける。
【0006】(2)上記(1)項において、傾斜杆の内側面に長手方向を向く案内溝を形成するとともに、前記傾斜杆を左右方向に貫通する複数個の取付孔を該傾斜杆に沿って穿設し、前記背板の両端部に、前記傾斜杆の案内溝に対応する傾斜した突部を設け、該突部を前記案内溝に摺動自在に嵌合させた前記背板を、任意位置の前記取付孔においてボルト止めする。
【0007】(3)上記(1)または(2)項において、傾斜杆の内側面に長手方向を向く案内溝を形成するとともに、前記傾斜杆を左右方向に貫通する複数個の取付孔を該傾斜杆に沿って穿設し、前記傾斜杆の案内溝に対応する傾斜した突部を両端部に備えた座板の前部支持用の座受け杆を、前記案内溝に摺動自在に嵌合させて任意位置の取付孔においてボルト止めし、かつ座板の後部に設けた突片を、前記後面板に上下方向に並べて設けた複数個の係合孔のうちの前記任意位置に対応するものに差し込んで係合させる。
【0008】(4)上記(3)項において、座板を、座受け杆に、前後位置調節可能として結合する。
【0009】(5)上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、側板の傾斜杆の下部を、左右方向を向く連結杆により連結する。
【0010】
【発明の実施の形態】図1〜図5は、本発明の一実施形態を示すもので、図1は組立の第1の段階、図2は組立の第2の段階、図3は座板、図4は大人用の高さ位置に組み立てた状態、図5は子供用に組み立てた状態を示している。これらの図を参照して本発明を説明する。
【0011】図1に示すように、この椅子は、前縁が後傾する側面視鋭角L字状の左右1対の側板(1)を備えている。側板(1)は、床面に沿って前後方向に延びる脚杆(2)と、脚杆(2)の前端から後上方に傾斜するように延出する傾斜杆(3)とからなり、傾斜杆(3)の上端と脚杆(2)の後端とはほぼ垂直線上にある。
【0012】傾斜杆(3)の内側面には、その長手方向を向く長い案内溝(4)が設けられており、かつ案内溝(4)の範囲内においてその中心線上には、傾斜杆(3)を左右方向に貫通する複数個の取付孔(5)(図示の例では11個)が等間隔に穿設されている。傾斜杆(3)の上端部及び下端部には、左右方向に貫通する取付孔(5a)が穿設されており、また、脚杆(2)の後端部にも同様な取付孔(5a)が穿設されている。
【0013】対向する1対の傾斜杆(3)の上端間を連結する左右方向を向く上部連結杆(6)、同じく傾斜杆(3)の下端部同士を連結する同長の下部連結杆(7)、さらには、脚杆(2)の後端部同士を連結する同長の連結杆(8)が用意されている。図示の例では、連結杆(6)(7)は角材で、連結杆(8)はパイプ材である。
【0014】ほぼ垂直方向に並ぶ連結杆(6)(7)の中央部には、左右方向に若干幅狭の後面板(9)が設けられる。後面板(9)の中間高さ位置には、水平方向に延びる複数個の係合孔(10)が上下方向に等間隔に穿設されている。後面板(9)は、工場において、または現場で、その上下端を連結杆(6)(7)に、例えばねじ止めにより固定される。
【0015】図1に示す背板(11)は、上述の連結杆(6)(7)(8)と同じ長さで、その両端部に突部(12)を備えている。突部(12)は、背板(11)の前面をほぼ垂直としたとき、傾斜杆(3)の内側面の案内溝(4)に合致する傾斜と幅とを有する形状のものとしてある。
【0016】座受け杆(13)も、上述の連結杆(6)(7)(8)と同じ長さで、その両端部に突部(14)を備えている。突部(14)は、座受け杆(13)の上面をほぼ水平とした時、傾斜杆(3)の内側面の案内溝(4)に合致する傾斜と幅とを有する形状のものとしてある。
【0017】図2及び図3に示すように、座板(15)は、その後部に、後方に突出する突片(16)をねじ(17)により取り付けたもので、その裏面すなわち下面における中央部から前部にかけての左右両側端部には、上方を向く複数個のねじ孔(18)が前後方向に並べて設けられている。座板(15)の左右方向の幅は、連結杆(6)(7)(8)の長さと等しいか、若干短くしてある。
【0018】この椅子の組立に際しては、まず図1に示すように、左右1対の側板(1)の間に上部連結杆(6)、下部連結杆(7)及び連結杆(8)を配置し、それぞれ取付孔(5a)に外側からボルト(19)を挿通して、各側板(1)をこれらの連結杆(6)(7)(8)にねじ止めする。これで脚体が構成される。
【0019】この際、背板(11)及び座受け杆(13)を、その両端の突部(12)(14)を案内溝(4)に嵌合させて、側板(1)の傾斜杆(3)に摺動可能に取り付けておく。この状態の脚体を、図2に示してある。
【0020】座板(15)は、その後端より突出する突片(16)を、後面板(9)の任意所望の高さ位置の係合孔(10)に差し入れ、同じ高さ位置にねじ止めした座受け杆(13)の水平な上面上に座板(15)の下面を載置し、座受け杆(13)の両側部に穿設された取付孔(20)にボルト(21)を挿通して、座板(15)の下面両側部の複数個のねじ孔(18)のうちの適合するものに螺合して締めつける。
【0021】このようにして、大人用に背板(11)と座板(15)とを高い位置に固定した例を、図4に、子供用に低い位置に固定した例を、図5にそれぞれ示してある。
【0022】なお、図示の例は、本発明を木製の椅子に適用したものとして示したが、木製に限らず金属製の椅子にも適用できることはもちろんである。
【0023】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、背板は、側板を形成する傾斜杆に、該傾斜杆に沿って取り付けられ、座板は、傾斜杆と後面板とに取り付けられるので、背板と座板の高さ調節を、比較的少数の取付孔を用いて容易に作業できるようにすることができ、さらに、取り付けられる座板の前端から背板までの奥行きが、背板と座板の高さ調節に伴って自動的に調節されるので、都合がよい。
【0024】請求項2記載の発明によれば、背板及び座板は、案内溝内をスライドさせて位置決し、その上で固定することができ、従来の椅子のように、固定するための取付孔の位置をさがすことなく、簡単に高さ調節をすることが可能となる。また、背板は、着座者を座らせて、そのまま背の位置を合わせて設定ができるので、わかりやすく簡単に適切な位置に設定することができる。さらに、傾斜杆の案内溝に対応する傾斜した突部と案内溝との係合は、有効な回り止めとなる。
【0025】請求項3記載の発明によれば、着座者の体重が加わる座板を、簡単にかつ回り止めして強固に取り付けることができる。
【0026】請求項4記載の発明によれば、座板の取付位置の変動に伴う座受け杆との位置ずれを吸収して、座板と座受け杆とを強固に結合することができる。
【0027】請求項5記載の発明によれば、強固なフレーム構造の脚体を形成することができる。
【出願人】 【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社岡村製作所
【住所又は居所】神奈川県横浜市西区北幸2丁目7番18号
【出願日】 平成13年11月29日(2001.11.29)
【代理人】 【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一 (外2名)
【公開番号】 特開2003−159142(P2003−159142A)
【公開日】 平成15年6月3日(2003.6.3)
【出願番号】 特願2001−364232(P2001−364232)