| 【発明の名称】 |
跳ね上げ式張り出しボード付き機器操作机 |
| 【発明者】 |
【氏名】嶌堀 好文
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| 【要約】 |
【課題】機器操作机等の張り出しボード跳ね上げ回動時の衝撃を軽減する。
【解決手段】機器操作机1の本体1aの側面部材4に上方回動可能に支持された張り出しボード9の回動機構10は、張り出しボード9の回動支点12よりも奧に延長する張り出しボードまたは奧に向け突出する突出部材の奧端近傍に取着した摺動部材(摺動ピン14)と、長手方向に摺動可能に前記摺動部材を先端部に連結した従動レバー20と、従動レバー20の基端を前記机等の本体1aに枢止する回転ダンパー15とを備え、回転ダンパー15が前記摺動部材と従動レバー20とを介し張り出しボード9と連動回転するようにし、且つ張り出しボード9には水平以下への回動阻止手段を備えて構成する。従動レバー20は、張り出しボード9が水平時には垂直未満の前傾姿勢で且つ張り出しボードが垂直時には水平以上の前傾姿勢となりこの2点を限界として回動するように構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 先端を跳ね上げて上方の収納部の前方開口を閉鎖可能に構成された水平の張り出しボードを前記収納部前方に備えてなる机或いは画像投射装置やパソコン等の機器操作用の机または台などにおいて、前記張り出しボードの跳ね上げ回動機構は、前記机等の本体左右の側面部材で回動可能に支持された張り出しボードと、該張り出しボードの回動支点よりも奧に向けて延長する張り出しボードの延長部または張り出しボードに取着された突出部材の奧端近傍に取着した摺動部材と、該摺動部材が長手方向に摺動可能で且つ相対的回転が可能に連結された従動レバーと、該従動レバーの基端を前記机等の本体部材に回動可能に枢止する回転ダンパーとを備え、前記従動レバーが前記回転ダンパーの回転抵抗により張り出しボードに制動力を付加させつつ張り出しボードと連動して回動するように構成する一方、張り出しボードの水平状態におけるその上面よりも下方に張り出しボードの水平以下への回動阻止手段を備えてなる、跳ね上げ式張り出しボード付き機器操作机。 【請求項2】 前記跳ね上げ式張り出しボード付き機器操作机の跳ね上げ回動機構において、張り出しボードと従動レバーとの連結部が、前記従動レバーの先端側には、先端に長手方向に沿って平行面を有する長穴,切り込み,案内溝,または凸条のいずれかの形態の案内部を形成し、一方、張り出しボード側には、前記案内部と係合するピン,凸状摺動部,ローラー,または凹状摺動部等の係合部を有する摺動部材を前記従動レバーとの相対的な摺動と回動とを許容する形態で取着し、前記従動レバー先端側案内部を前記摺動部材の係合部に係合させた構成からなる、請求項1に記載の跳ね上げ式張り出しボード付き機器操作机。 【請求項3】 前記跳ね上げ式張り出しボード付き機器操作机の跳ね上げ回動機構において、張り出しボードの左右側端が机等の本体側面部材の内壁に近接するとともに、前記側面部材の内面には、従動レバーと回転ダンパーの一部と摺動部材とが収容され且つ従動レバーの回動が許容される凹所が形成されるか、或いは内部空間とそれに連通する窓が形成されてなる、請求項1または2に記載の跳ね上げ式張り出しボード付き機器操作机。 【請求項4】 前記跳ね上げ式張り出しボード付き機器操作机の跳ね上げ回動機構において、張り出しボードの水平以下への回動阻止手段が、張り出しボードの回動支点よりも奧に向けて延長する張り出しボードの延長部または張り出しボードに取着された突出部材の奧端部に上向きの段部または傾斜面を形成するとともに、机または機器操作台の本体側には前記段部または傾斜面と重なり合う下向きの段部または傾斜面を形成し、張り出しボードが水平に倒された状態で前記段部または斜面が互いに重なり合って当接するように構成してなる、請求項1から3のいずれかに記載の跳ね上げ式張り出しボード付き機器操作机。 【請求項5】 前記跳ね上げ式張り出しボード付き機器操作机の跳ね上げ回動機構において、張り出しボードが水平時には従動レバーが垂直未満の前傾姿勢となり且つ跳ね上げ行程端では従動レバーが水平以上の前傾姿勢となり、前記2点を限界として従動レバーが回動する関係に摺動部材と従動レバーの基端枢止点の位置を定めてなる、請求項1から4のいずれかに記載の跳ね上げ式張り出しボード付き機器操作机。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、先端を跳ね上げて上方の収納部の前方開口を閉鎖可能に構成された水平の張り出しボードを前記収納部前方に備えてなる机或いは画像投射装置やパソコン等の機器操作用の机または台などに関し、更に詳しくは、回動して跳ね上げ得る張り出しボードを備え、パソコン等で制御される画像投射装置やパソコンとその周辺機器などを載置可能にした机や機器操作台、或いはライティングビューロー等において、前記張り出しボードに対し回動制動力を付加して円滑に回動させ、回動行程端での衝突衝撃と衝突音を緩和する技術に関する。 【0002】 【従来の技術】パソコンやその周辺機器等を載置または設置する机や操作台或いはライティングビューローなどにおいて、天板に跳ね上げ式の張り出しボードを備えて張り出し部を折りたたみ式にしたり、跳ね上げ式張り出しボードで前方開口を閉鎖する収納部を備えた形態の机や機器操作台などが知られている。そしてそれらの多くのものは、張り出しボード左右端の先端寄りと張り出しボード回動支点よりも上方に延長して立設する側面部材とを斜めのステーで連結して張り出しボードを水平に支持する形態が採られている。このステーが机等に載置したパソコンや画像投射装置等の操作など机上作業の邪魔になっている。一方、前記机等は、張り出しボードの回動操作時にその回動行程端で机等の本体部材と衝撃的に衝突し、載置されたパソコンと周辺機器或いは画像投射装置などに悪影響を与え、或いは、衝突音が講演やセミナーの会場などでは耳障りな雑音として不快を感じさせるなどの問題となっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】前述の状況に鑑み本発明が解決しようとするところは、跳ね上げ式張り出しボードで前方開口を閉鎖する収納部を備え或いは天板張り出し部の張り出しボードを跳ね上げ折りたたみ式にした机或いは画像投影装置またはパソコン等の機器の操作用の机または台などにおいて、前記張り出しボードに対し回動制動力を付加して円滑な回動を行って衝突衝撃と衝突音を緩和するとともに、張り出しボードの少なくとも中間点から上方の回動領域では張り出しボードが倒れようとするモーメントと制動モーメントの双方の変化特性を近似させてより一層効果的な制動と緩衝機能を発揮させ、更に、張り出しボードの上面や周囲に支持用ステーなど作業の邪魔になる部材が突出せず、且つ回動機構の部材が作業スペースに露出しないような回動機構を提供する点にある。更に別の課題は、張り出しボード周辺に大きな隙間を作らずに上記機能を実現する点にある。 【0004】 【課題を解決するための手段】前述の課題解決のため、本発明では、先端を跳ね上げて上方の収納部の前方開口を閉鎖可能に構成された水平の張り出しボードを前記収納部の前方に備えてなる机或いは画像投射装置またはパソコン等の機器操作用の机や台などにおいて、前記張り出しボードの跳ね上げ回動機構を、前記机等の本体左右の側面部材で回動可能に支持された張り出しボードと、該張り出しボードの回動支点よりも奧に向けて延長する張り出しボードの延長部または張り出しボードに取着された突出部材の奧端近傍に取着した摺動部材と、該摺動部材が長手方向に摺動可能で且つ相対的回転が可能に連結された従動レバーと、該従動レバーの基端を前記机等の本体部材に回動可能に枢止する回転ダンパーとを備え、前記従動レバーが前記回転ダンパーの回転抵抗により張り出しボードに制動力を付加させつつ張り出しボードと連動して回動するように構成するとともに、更に、張り出しボードの水平状態におけるその上面よりも下方に張り出しボードの水平以下への回動阻止手段を備えて構成した。 【0005】以上からなる跳ね上げ式張り出しボード付き機器操作机は、従動レバーの回動支点に介在する回転ダンパーの回転抵抗が従動レバーに対し回動制動力を付加し、従動レバーと連結された張り出しボードを円滑に回動させ衝突衝撃と衝突音を緩和することができる。また従動レバー等の回動機構の各構成部材を、張り出しボードの回動支点よりも奧に収納し、張り出しボードの上面の作業スペースやその周囲には突出しないような形態、つまり使い勝手と作業性のよいスッキリした形態にすることが可能である。 【0006】なお、張り出しボードと従動レバーとの連結部に関しては、従動レバーの先端側には、先端に長手方向に沿って平行面を有する長穴,切り込み,案内溝,または凸条のいずれかの形態の案内部を形成し、一方、張り出しボード側には、前記案内部と係合するピン,凸状摺動部,ローラー,または凹状摺動部等の係合部を有する摺動部材を前記従動レバーとの相対的な摺動と回動とを許容する形態で取着し、従動レバー先端側案内部を摺動部材の係合部と係合させるのが好ましい。 【0007】また、机等の本体側面部材の内面には、従動レバーと回転ダンパーの一部と摺動部材とが収容され且つ従動レバーの回動が許容される凹所を形成するか、或いは内部空間とそれに連通する窓を形成すると好都合である。これにより、張り出しボードの左右側端を机等の本体側面部材の内壁に近接させ、隙間の殆どない形態にすることが可能となる。 【0008】一方、張り出しボードの水平以下への回動阻止手段に関しては、張り出しボードの回動支点よりも奧に向けて延長する張り出しボードの延長部または張り出しボードに取着された突出部材の奧端部に上向きの段部または傾斜面を形成するとともに、机または機器操作台の本体側には前記段部または傾斜面と重なり合う下向きの段部または傾斜面を形成し、張り出しボードが水平に倒された状態で前記段部または斜面が互いに重なり合って当接するように構成すると好都合である。これにより張り出しボード奧端とその奧の水平板との隙間をなくし、且つ衝突力を分散させ衝撃を低減する。 【0009】更に、前記張り出しボードの回動機構における従動レバーの枢止位置に関しては、張り出しボードが水平時には従動レバーが垂直未満の前傾姿勢となり且つ跳ね上げ行程端では従動レバーが水平以上の前傾姿勢となり、この2点を限界として従動レバーが回動する関係に摺動部材と従動レバーの基端枢止点の位置を定めるとよい。このような関係位置にすると、回転ダンパーが従動レバーを介し張り出しボードに対してその中間回動域で最大制動モーメントを作用させ、且つ垂直から中間の回動域において張り出しボードが倒れようとするモーメントと従動レバーの制動モーメントの双方の変化特性を近似させて効果的な制動と緩衝機能を発揮させることができる。 【0010】 【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施の形態を添付図面に基づき更に詳細に説明するが、本発明は、添付図面に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。本発明に係る跳ね上げ式張り出しボード付き機器操作机は、添付の図1にその全体の斜視図を示し、この機器操作机の張り出しボードの回動状態を側面から見た状態を図2に示し、図3にはその回動機構を拡大して示している。そして図4は、張り出しボードおよび回動機構の構成部品の取り付け関係を展開して示している。 【0011】図において、機器操作机1の本体1aは、上面の上段水平板2とその下方に適宜離隔した位置にある中段水平板3とを左右1対の側面部材4,4および背面板にて3方を垂直に取り囲むように支持し、上段水平板2と中段水平板3との間には前方が開口する収納部7を形成するとともに、中段水平板3の下方には前面に横開き式の開閉扉5を備えてなる箱型構造の机である。なお、本体1aの下端4隅にはそれぞれキャスター6が取着され、手で押して移動可能にしている。そして本体1aの中段水平板3の前方には、その前端と接し且つそれと同レベルの水平の跳ね上げ式張り出しボード9が側面部材4,4の前端部に対し回動可能に枢着されている。この張り出しボード9は、前端を上方に引くと前記枢着部を回動中心12にして跳ね上げ可能であり、跳ね上げた状態では収納部7の前面開口を閉鎖し、張り出しボード9上面の先端側左右端近傍に取着された金属板(図示の例では張り出しボード9自体が強磁性体金属板の成品)が側面部材4,4の各内側面上端近傍に取着されたマグネット式ラッチ機構8,8に吸引吸着されてラッチされる構成となっている。また、上段水平板2と中段水平板3のそれぞれの前端は側面部材4,4の前端よりも後方にあり、張り出しボード9を跳ね上げてその前端が上段水平板2の前端に当接した状態では張り出しボード9の裏面が側面部材4,4の前端よりも前方に出ないようにしている。 【0012】つぎに、張り出しボード9の回動機構10について説明する。張り出しボード9は、その奧端13よりもやや前方よりの両端を枢着ピン11,11によって本体1aの側面部材4,4の内面に接する形で枢着され、枢着ピン11,11を回動支点12として前方を上下に回動可能である。そして張り出しボード9の奧端13には、その端部に沿って上向き段部30が形成される一方、中段水平部材3の前端には、その端部に沿って上記の上向き段部30と重なり合う下向き段部31が形成され、張り出しボード9が水平状態においては上向き段部30が下向き段部31と重なり合って当接し、張り出しボード9が水平以下に回動しないように保持するストッパを構成している。 【0013】また、張り出しボード9の奧端13近傍の両側端には摺動ピン14,14が突出形成される一方、張り出しボード枢着ピン11,11の枢着部近傍の本体側面部材4,4はその内外面を除く内部が部分的に中空となって内部空間36が形成され、側面部材4,4の内壁面には、張り出しボード9が回動する際に上記摺動ピン14,14が移動する領域を切り欠いて内部空間36に連通する窓35を形成している。 【0014】そして、薄い先端部21と太い基端部23とを有し且つ先端部21に長手方向に沿って形成された平行の長穴22と基端部23に貫通形成された略矩形の装着穴24とを備えてなる従動レバー20を形成し、従動レバー20の長穴22には前記張り出しボード9の摺動ピン14,14を係合させるとともに、従動レバー20の基端部23は、本体側面部材4,4の窓35を介して内部空間36に挿入し、且つ基端部23の装着穴24には回転ダンパー15の一端即ち内軸18の端部に形成された略矩形の係止部16aを装着する。この回転ダンパー15は、張り出しボード9の枢着ピン11よりも奧の方で且つ枢着ピンよりも下方位置に設置して他端を係止する。回転ダンパー15は、図4に示すように、略ボックス状の係止部材25に収納し、他端即ち外筒17の端部に形成された略矩形の係止部16を係止部材25の側面に形成された略矩形の係止穴26に装着係止する。そして係止部材25は、略ボックス状胴部から上方と前方に延出した部材の一方を中段水平板3の前端寄りから下方に向け階段状に延長する机本体1aの本体補強部材3aの垂直面に引っ掛け、他方をその水平面にネジ固定する。 【0015】以上により、従動レバー20の基端部23は機器操作机1の本体1aを構成する補強部材3aに回転ダンパー15を介し間接的に枢止された形態となり、従動レバー20は、張り出しボード9の回動に伴う摺動ピン14の円弧運動に従動して回動し、一方、摺動ピン14は、長穴22に案内されて従動レバー20に沿って摺動する形態に構成される。なお、従動レバー20,20と摺動ピン14,14とは、図の例では、張り出しボード9が回動範囲のほぼ中間域の約45°の状態において張り出しボード9と従動レバー20,20とがほぼ直線になるような位置関係に枢止され、摺動ピン14は張り出しボード9が45°近傍で回転ダンパー15に最も近づき、その中間回動域の約45°から上下に離れるに従い回転ダンパー15から遠ざかる関係に構成されている。つまり、従動レバー20は、張り出しボード9が水平時には垂直未満の前傾姿勢となり且つ張り出しボード9が垂直時には水平以上の前傾姿勢となり、前記2点が従動レバーの最大回動限界となる関係位置に摺動ピン14と従動レバー20の基端枢止点即ち回転ダンパー15の位置を定めている。 【0016】ここで、回転ダンパー15について説明する。回転ダンパーは、一般市場で容易に入手可能な機械構成部品でありメーカーにより種々の形態があるが、その一例を図5に軸と直交する断面で模式的に例示する。即ち、回転ダンパー15は、円筒状の外筒17と、外筒17の内部に回転可能に装着され外筒17の内径よりも細径の内軸18と、外筒17の内壁から中心に向け突出し先端が内軸18に接する固定羽根と、内軸18の外周から放射方向に突出し先端が外筒18の内壁に接する回転羽根18aと、外筒17と内軸18との環状隙間の側端を密封する部材(図示しない)とを有し、内部には作動油が充填されるとともに、回転羽根18aには隣接する前後の油室間を連通するごく細い絞り通路18bが形成されてなる。そして、外筒17の端部に形成された係止部16と内軸の端部に形成された係止部16aの一方を固定し他方を回動すると、内部に充填された作動油が絞り通路18bを経由して一方の油室から他方の油室に流れ、この絞り通路の抵抗が回動動作の制動作用として働くように構成された装置である。 【0017】つぎに、上記構成からなる張り出しボード9の回動機構10の制動作用について説明する。張り出しボード9と摺動ピン14と従動レバー20と回転ダンパー15の各構成要素が前述のような相対的関係に配置構成されているため、張り出しボード9を回動させるとこれに連動する回転ダンパー15内に回転抵抗が生じ、この回転抵抗が従動レバー20と摺動ピン14とを介して張り出しボードに対し制動モーメントとして作用する。そして、張り出しボードの回動に対し制動が加わって急激な動きを阻止し、その結果として緩衝作用が発揮される。回転ダンパー15は、回動速度が大きいほど大きな回転抵抗を発生するが、回動速度が速まるのは、幾何学的関係から、張り出しボード9と従動レバー20とが直線となったときと摺動ピン14が回転ダンパー15に最も近づいたときである。図示の例では張り出しボード9の回動角度が約45°の領域でその両条件を満たし、その領域で回転ダンパー15の回動速度が最高となり且つ張り出しボード9に作用する制動モーメントが最大となる。 【0018】そして張り出しボード9の回動角度が約45°から上下に離れるに従い、摺動ピン14が回転ダンパーから遠ざかるので、それに伴い回転ダンパー15の回転速度即ち抵抗が次第に低下し、摺動ピン14に作用する回転制動力が減少するとともにその作用方向が張り出しボードの枢着ピン11に近づき、その相乗作用で、張り出しボードが垂直に近づく側では制動モーメントがとくに急激低下する。一方、45°よりも水平に近い方では、摺動ピン14に作用する回転制動力の作用方向が枢着ピン11にあまり近寄らないような位置関係に摺動ピン14の位置を定めているため、制動モーメントの低下する割合は少ない。これに対し、張り出しボードの自重で前方へ倒れようとするモーメントは、張り出しボードの回動角度が90°即ち垂直ではゼロで、回動角度が小さくなるほど即ち前方に倒れるにつれて次第に大きくなる。つまり、図示の例では、張り出しボードを水平に倒す際に自重で前方に倒れようとするモーメントとこれを制動しようとするモーメントの変化特性が45°近傍の中間域をある程度過ぎるまでバランスし、とくに中間域では大きな制動モーメントで減速しつつ倒していき、水平近傍域でもかなりの制動力が残っているので、張り出しボードは極めて円滑に回動し、静かに水平姿勢に開いて停止させることができる。 【0019】つまり、回転ダンパー15が従動レバー20を介し張り出しボード9に対して約45°近傍で最大制動モーメントを作用させ、且つ垂直から約45°までの回動域においては、張り出しボードが倒れようとするモーメントと従動レバーの制動モーメントの双方の変化特性が近似して効果的な制動と緩衝機能を発揮させることができる。 【0020】また、張り出しボードを跳ね上げる際には、中間域で大きな抵抗が作用することで急激な動きを減衰して衝撃的作動を防止するとともに、跳ね上げ行程終了域では抵抗が少なくなり軽い力で操作できるため、マグネット式ラッチ機構8への吸着を円滑に行うことができる。つまり本発明に係る張り出しボードの回動機構10は、張り出しボードの回動操作特性にマッチし、極めて合理的な制動手段を介在させて構成されているといえる。 【0021】つぎに、本発明に係る跳ね上げ式張り出しボード付き機器操作机に関し、図示とは異なる実施の形態について以下に説明する。本発明に係る跳ね上げ式張り出しボード付き機器操作机は、図示および上記説明のほかに、回動して跳ね上げ得る張り出しボードを備え、パソコン等で制御される画像投射装置やパソコンとその周辺機器などを載置または設置することが可能な机、機器操作台、ライティングビューロー等のいずれに対しても適用可能である。そして、例えば張り出しボード9については、前述の説明と図示例とは別に、枢着ピン11,11の近傍をその後端となし、その張り出しボードの両側端に更に奧に向けて突出する帯状のバーを固着し、摺動部材はその帯状のバーの先端に側方に向けて突出形成するか或いは取着して形成してもよい。 【0022】また、従動レバー20の先端側とこれに係合する摺動部材の摺動案内部の構造に関しては、前述の長穴22と摺動ピン14の組み合わせに代えて、従動レバー先端の案内部は、長手方向に沿って平行面を有する切り込み,案内溝,または凸条のいずれかの形態に形成し、一方、張り出しボード側には、前記案内部と係合する凸状摺動部,ローラー,または凹状摺動部等の係合部を有する摺動部材を前記の従動レバーとの相対的な摺動と回動とを許容する形態で取着し、レバー先端の案内部を摺動部材の係合部に係合させればよい。或いは、従動レバー先端部を真っ直ぐなバーとなし、摺動部材の係合部の形状を前記バーの断面形状に合わせこれを摺動可能に把持する形態とし、個の摺動部材を張り出しボードの奧端近傍の側方に回転可能に取着する構成としてもよい。 【0023】一方、側面部材4の張り出しボード9が枢止される位置周辺の内部空間36と窓35に代えて、側面部材の上記箇所の内側面に広いスペースの凹所を形成し、この凹所に従動レバー20と回転ダンパー15の一部と摺動部材とが収容されるような形態にしてもよい。この場合、従動レバー先端の保護がなくなり露出されるが、凹所内で回動するだけで収納部側に干渉することがなく且つ回動状態が収納部側から確認でき点検保守には都合がよい。またこの方法でも前述の場合と同様に張り出しボード9の側端と本体側面部材4との隙間を殆どなくすることができる。 【0024】張り出しボード9の水平以下への回動阻止手段の関しては、張り出しボード9の奧端13の上向き段部30と机本体側の下向き段部31とに代えて、張り出しボードの奧端部に上向きの傾斜面を形成するとともに、机本体側には前記傾斜面と重なり合う下向きの傾斜面を形成し、張り出しボードが水平状態にて前記傾斜斜面が互いに重なり合って当接するように構成してもよい。この両形態とも、張り出しボードが水平に開かれた際に中段水平板3の先端と張り出しボード奧端13との突き合わせ部の隙間をなくし且つ作業の邪魔になる部材を収納部に突出させずに張り出しボードを水平に且つ強固に保持する手段として有効である。 【0025】回転ダンパー15による制動作用を有効に利用する手段としては、張り出しボード9の水平状態における枢着ピン11のレベルよりも若干下方位置に取り付けるのがよく、図示の例でもこのような位置関係に取り付けている。つまり、張り出しボード9が水平時には従動レバー20が垂直未満の前傾姿勢となり且つ跳ね上げ行程端では従動レバーが水平以上の前傾姿勢となり、この2点を限界とする角度内で従動レバー20が回動するように摺動部材と従動レバーの基端枢止点の位置を定め、張り出しボード9の回動途中で従動レバーの動きが反転しないようにすればよい。これとは異なり、張り出しボードの回動途中で従動レバーの動きが反転するような配置構成にすると、反転時に回転ダンパーが停止して制動力が無くなり、その領域で一時的に失速状態となり好ましくない。 【0026】 【発明の効果】以上に説明したように、請求項1に係る発明の跳ね上げ式張り出しボード付き機器操作机においては、従動レバーの回動支点に介在させた回転ダンパーがその回転抵抗によって従動レバーに対し回動制動力を付加し、従動レバーと連結された張り出しボードを円滑に回動させ衝突衝撃と衝突音を緩和する作用効果がある。また、従動レバー等の回動機構の各構成部材は、張り出しボードの回動支点よりも奧に収納され張り出しボード上面の脇に突出しないため、作業スペースや機器設置スペースには邪魔な部材が無くすっきりしたデザインの作業性の良好な机やパソコン等の機器の操作台を提供することができるといった効果がある。 【0027】請求項2は、前記の跳ね上げ式張り出しボード付き機器操作机における張り出しボードの摺動部材と従動レバー先端部との連結構造に関する発明であるが、連結部材と従動レバー先端とをこのような構成で連結することにより、回転ダンパーの回転抵抗を張り出しボードの回動制動モーメントとしてより一層円滑に且つ効率よく変換するといった効果がある。 【0028】請求項3は、前記の跳ね上げ式張り出しボード付き機器操作机における張り出しボード回動機構の構成部材の保護形態に関する発明であるが、机等の本体側面部材の内面に、従動レバーと回転ダンパーの一部と摺動部材とが収容され且つ従動レバーの回動が許容される凹所、或いは内部空間とそれに連通する窓を形成したことにより、回動機構の従動レバーが前記凹所または内部空間内で保護されて作業スペースに露出せず、且つ、張り出しボードと側面部材との間の隙間を殆ど無くすることができ、見栄えのよいデザインにすることができるといった効果がある。 【0029】請求項4は、跳ね上げ式張り出しボード付き機器操作机における張り出しボードの水平以下への回動阻止手段に関するものであるが、張り出しボードの奧端部に上向きの段部または傾斜面を形成するとともに、机またはパソコン等の機器の操作台側に下向きの段部または傾斜面を形成し、張り出しボードが水平に倒された状態で前記段部または斜面が互いに重なり合って当接するように構成したことで、張り出しボード上やその周辺に露出する作業の邪魔になるストッパ部材や支持部材を設けずに、載置した機器類の重量を支え得るよう張り出しボードを強固且つ安定的に水平保持することができるのみならず、当接部の面積が広いので当接時の衝突力を分散して衝撃と衝突音を緩和する効果がある。 【0030】請求項5は、前記の跳ね上げ式張り出しボード付き機器操作机における張り出しボード回動機構の従動レバー枢止位置に関する発明である。即ち、張り出しボードが水平時には従動レバーが垂直未満の前傾姿勢となり且つ跳ね上げ行程端では従動レバーが水平以上の前傾姿勢となり、この2点を限界として従動レバーが回動する関係に摺動部材と従動レバーの基端枢止点の位置を定める。そのこうかとして、回転ダンパーが従動レバーを介し張り出しボードに対してその中間回動域で最大制動モーメントを作用させ、且つ垂直から中間の回動域において張り出しボードが倒れようとするモーメントと従動レバーの制動モーメントの双方の変化特性を近似させて効果的な制動と緩衝機能を発揮させることができる。また、請求項5に記載の関係位置に従動レバーを枢止すると、従動レバーを最も短くし、且つ、張り出しボード回動中心の枢着ピンとの干渉を回避できるといった効果もある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390007940 【氏名又は名称】豊國工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成14年5月15日(2002.5.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074561 【弁理士】 【氏名又は名称】柳野 隆生
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| 【公開番号】 |
特開2003−325242(P2003−325242A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月18日(2003.11.18) |
| 【出願番号】 |
特願2002−139403(P2002−139403) |
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