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【発明の名称】 引出し装置
【発明者】 【氏名】木原 美恵子
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工株式会社内

【要約】 【課題】収納体に形成された前後に貫通する開放空間内に、前後いずれの方向にも引出し自在に納められた引出しが、引出し時に収納体から脱落するのを防止する。

【解決手段】収納体(1)に形成された前後に貫通する開放空間(2)内に、前後いずれの方向にも引出し自在に納められた引出し(3)の左右両側板(31)(32)の前後2箇所に、正逆回転するローラー(4)が配設され、ローラーが対向する収納体の左右両内側面にレールが配設され、先に通過するローラーとの接触により停止部がレールに突出し、後続するローラーは、その停止部に接触した時、通過が阻止され、これにより、引出しのそれ以上の引出しが不能とされるストッパーが、収納体内部の前後両端部に配設される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 収納体に形成された前後に貫通する開放空間内に引出し自在に納められた引出しにおける左右両側板の前後2箇所に、正逆回転するローラーが配設され、このローラーが対向する収納体の左右両内側面にレールが配設され、ローラーがレールに沿って正逆回転することにより、収納体からの引出しの前後いずれの方向の引出し及び収納が可能とされた引出し装置であり、先に通過するローラーとの接触により停止部がレールに突出し、後続するローラーは、その停止部に接触した時、通過が阻止され、これにより、引出しのそれ以上の引出しが不能とされるストッパーが、収納体内部の前後両端部に配設され、収納体からの引出しの脱落が防止されていることを特徴とする引出し装置。
【請求項2】 ストッパーは停止部の収納部を備え、この収納部は上面が開口した中空体であり、停止部は、引出しにおける左右両側板に平行な面内を回動可能であり、前後対称な形状を有し、先に通過するローラーとの接触により回動した時、前後いずれかの側がストッパーの前記収納部内に入る一方、他側がレールに突出する請求項1記載の引出し装置。
【請求項3】 ストッパーは、レールに突出する停止部のその状態を保持する保持手段を備えている請求項1又は2記載の引出し装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、引出し装置に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、収納体に形成された前後に貫通する開放空間内に、前後いずれの方向にも引出し自在に納められた引出しが、引出し時に収納体から脱落するのを防止することのできる、改善された引出し装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】机、キャビネットなどの家具には、引出しを備えたものが知られており、引出しは、通常、上方に開口した箱体であり、物品の内部収納を可能とするとともに、物品の使用時に引き出し、その取出しを可能としている。このような引出しは、上記家具の一部を構成する、備品として備えるなどの収納体、に形成された開放空間内に引出し自在に納められ、収納体前方に位置する人側に向かって引き出せるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上の引出しには、使用する人の利便性を向上させるような様々な工夫がなされてきている。その一つに、対面式カウンターキッチンに配設されるキッチンキャビネットでは、キッチン側とダイニング側の両方の、すなわち、前後いずれの方向にも引き出せる引出しが考えられている。
【0004】しかしながら、そのようなキッチンキャビネットなどの家具に設けることのできる、前後両方向に引き出せる引出しには、引出し限界が設けられたものはいまだなく、したがって、勢いよく引き出すなどすると、引出しが収納体から脱落するおそれがある。
【0005】この出願の発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、収納体に形成された前後に貫通する開放空間内に、前後いずれの方向にも引出し自在に納められた引出しが、引出し時に収納体から脱落するのを防止することのできる、改善された引出し装置を提供することを解決すべき課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、以上の課題を解決するものとして、収納体に形成された前後に貫通する開放空間内に引出し自在に納められた引出しにおける左右両側板の前後2箇所に、正逆回転するローラーが配設され、このローラーが対向する収納体の左右両内側面にレールが配設され、ローラーがレールに沿って正逆回転することにより、収納体からの引出しの前後いずれの方向の引出し及び収納が可能とされた引出し装置であり、先に通過するローラーとの接触により停止部がレールに突出し、後続するローラーは、その停止部に接触した時、通過が阻止され、これにより、引出しのそれ以上の引出しが不能とされるストッパーが、収納体内部の前後両端部に配設され、収納体からの引出しの脱落が防止されていることを特徴とする引出し装置(請求項1)を提供する。
【0007】またこの出願の発明は、ストッパーは停止部の収納部を備え、この収納部は上面が開口した中空体であり、停止部は、引出しにおける左右両側板に平行な面内を回動可能であり、前後対称な形状を有し、先に通過するローラーとの接触により回動した時、前後いずれかの側がストッパーの前記収納部内に入る一方、他側がレールに突出すること(請求項2)、ストッパーは、レールに突出する停止部のその状態を保持する保持手段を備えていること(請求項3)をそれぞれ一態様として提供する。
【0008】以下、図面に沿ってこの出願の発明の引出し装置についてさらに詳しく説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、この出願の発明の引出し装置の概要を示した斜視図である。
【0010】この出願の発明の引出し装置では、図1に示したように、机、キャビネットなどの家具の一部を構成する、備品として備えるなどの収納体(1)、に開放空間(2)が前後に貫通して形成され、この開放空間(2)内に引出し(3)が引出し自在に納められている。この出願の発明の引出し装置では、引出し(3)それ自体の構成については特に制限はなく、たとえば、図1に示したような上方に開口した箱体であり、物品の内部収納が可能であるとともに、物品の使用時に収納体(1)から引き出し、物品の取出しが可能であるものが例示される。
【0011】一方、この出願の発明の引出し装置では、図2に要部を例示したように、引出し(3)における左右両側板(31)(32)の前後2箇所に、正逆回転するローラー(4)が配設されている。また、収納体(1)には、そのローラー(4)が対向する左右両内側面に、レール(5)が配設されている。レール(5)は、たとえば、図2に示したような断面略C字形などの形状を有する金属製などの長尺部材(51)とすることができ、この場合、上記ローラー(4)は、長尺部材(51)の上下両内面(52)(53)間に挿入し、下内面(53)上に載せることができる。そして、この出願の発明の引出し装置では、ローラー(4)がレール(5)に沿って正逆回転することにより、引出し(3)が、収納体(1)から前後いずれの方向にも引出し及び収納が可能とされている。
【0012】さらに、この出願の発明の引出し装置では、図2に示したように、先に通過するローラー(4)との接触により停止部(61)がレール(5)に突出し、後続するローラー(4)は、その停止部(61)に接触した時、通過が阻止され、これにより、図1に示した引出し(3)のそれ以上の引出しが不能とされるストッパー(6)が、収納体(1)の内部の前後両端部に配設されている。このストッパー(6)は、引出し(3)の前後の引出し限界を形成する部材であり、この出願の発明の引出し装置では、前述のとおり、引出し(3)の前後いずれの方向の引出し及び収納が可能であるばかりでなく、引出し時の収納体(1)からの引出し(3)の脱落を防止することができる。
【0013】具体的には、図3に示したように、<a>引出し(3)の前方への引出しにともない、前後両側のローラー(4)は、レール(5)に沿って正回転する。前側のローラー(4)が、先にストッパー(6)の停止部(61)を通過すると、停止部(61)の後側がレール(5)に突出する。突出した停止部(61)の後側は、後続する後側のローラー(4)が接触すると、その通過を阻止する。その結果、図1に示したような引出し(3)は、これ以上前方に引き出すことは不可能となる。引出し(3)の前方の引出し限界である。
<b>物品の内部収納及び取出し後、引出し(3)を後方へ押し戻すと、前後両側のローラー(4)は逆回転し、引出し(3)が、図1に示したような収納体(1)の開放空間(2)内に納められる。この時、前後両側のローラー(4)は、停止部(61)に接触せず、ストッパー(6)は、引出し(3)の収納体(1)への収納に全く関与しない。
<c>引出し(3)を後方に引き出すと、前後両側のローラー(4)は、逆回転し、ストッパー(6)の停止部(61)を通過する。そして、今度は、停止部(61)の前側がレール(5)に突出する。
<d>さらに引出し(3)を後方に引き出すと、先に通過した後側のローラー(4)との接触によりレール(5)に突出した停止部(61)の後側に、後続する前側のローラー(4)が接触し、それ以上後方の引出し(3)の引出しが阻止される。これが、引出し(3)の後方の引出し限界である。
【0014】このように、この出願の発明の引出し装置は、前後いずれの方向の引出し及び収納を可能としながら、引出し(3)の前後両側に引出し限界が形成されており、引出し(3)が引出し時に収納体(1)から脱落するのを防止することができる。引出し(3)が備えられる机、キャビネット、とりわけ対面式カウンターキッチンに用いられるキッチンキャビネットなどに有効となる。
【0015】以上のストッパー(6)は、たとえば、図2及び図3に示したように、停止部(61)の収納部(62)を備えることができる。この収納部(62)は、上面が開口した中空体である。このような収納部(62)は、図1に示した収納体(1)側に設けることができ、好ましくは、上開口面(63)が、レール(5)においてローラー(4)が通過する面と同一面上に配置される。レール(5)が、図2に示したような長尺部材(51)の場合、上記上開口面(63)は、下内面(53)と同一面上に配置されるのが好ましい。また、収納部(62)は、レール(5)と一体若しくは別体とすることができる。
【0016】停止部(61)は、図2及び図3に示したように、引出し(3)における左右両側板(31)(32)に平行な面内を回動可能であり、前後対称な形状を有するものとすることができる。ローラー(4)が通過する通過面(64)の形状は、ローラー(4)の通過ともない上記回動がスムーズに行われる限り、特に制限はない。たとえば、図2に示した下側にくぼむ湾曲面、図3に示した傾斜平面などが例示される。ローラー(4)の通過を阻止する阻止面(65)も同様であり、後続するローラー(4)と接触可能である限り、特にその形状に制限はない。
【0017】このような停止部(61)は、図2に示したように、先に通過するローラー(4)との接触により回動した時、前後いずれかの側がストッパー(6)の収納部(62)内に入り、一方、他側がレール(5)に突出する。
【0018】さらに、ストッパー(6)は、レール(5)に突出する停止部(61)のその状態を保持する保持手段を備えることができる。保持手段の構成、構造などは限定的でなく、レール(5)に突出する停止部(61)のその状態を保持することができる限り、任意のものを採用し得る。
【0019】たとえば、そのような保持手段として、図2に示したような収納部(62)の内底面(66)が例示される。この場合、先に通過するローラー(4)との接触により停止部(61)が回動した時、ストッパー(6)の収納部(62)内に入り込む側が収納部(62)の内底面(66)に接触し、また、後続するローラー(4)が停止部(61)に接触した時の停止部(61)を回動させる方向は、停止部(61)において収納部(62)の内底面(66)に接触した側をより内底面(66)に押し付ける方向となる。したがって、レール(5)に突出する停止部(61)は、その状態を保持することができ、後続するローラー(4)の通過を阻止することができる。
【0020】また、保持手段には、図4に示したように、停止部(61)の回動により捻られるコイルバネ(7)を採用することができる。捻られたコイルバネ(7)では、停止部(61)においてストッパー(6)の収納部(62)内に入り込む側が押し縮められ、レール(5)に突出する側が引き伸ばされる。これにより、停止部(61)には、コイルバネ(7)からその状態を保持するように弾性力が作用する。したがって、後続するローラー(4)の通過を確実に阻止することができる。このようなコイルバネ(7)は、一端を停止部(61)の回動軸(67)に、他端をストッパー(6)の収納部(62)の適宜な部位に接続、固定することができる。
【0021】なお、以上のコイルバネ(7)を採用する保持手段では、停止部(61)が、収納部(62)の内底面(66)と接触することのない場合、図4に示したように、停止部(61)が収納部(62)内に入り込む側を支持し、回動限界を規定する回動限界部(8)を収納部(62)の左右両内側面(68)に、収納部(62)の内側に突出するように設けることができる。この回動限界部(8)は、図2に示した収納部(62)の内底面(66)と同様に機能する。
【0022】もちろん、この出願の発明は、以上の実施形態によって限定されるものではない。収納体及び引出しの構成及び構造、ローラー、レール及び停止部の構成及び構造などについての細部は様々な態様が可能であることはいうまでもない。
【0023】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この出願の発明によって、収納体に形成された前後に貫通する開放空間内に、前後いずれの方向にも引出し自在に納められた引出しが、引出し時に収納体から脱落するのを防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地
【出願日】 平成14年4月17日(2002.4.17)
【代理人】 【識別番号】100093230
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 利夫
【公開番号】 特開2003−304945(P2003−304945A)
【公開日】 平成15年10月28日(2003.10.28)
【出願番号】 特願2002−115280(P2002−115280)